残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2004年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 * *

 2004. 1. 7 虐待か?男性入所者が前歯を二本折る 知的障害者更生施設はまなす学園
 2004. 1. 8 転入してきた男性が障害者 個人情報 東京都
 2004. 1. 9 精神疾患で入退院歴のある男が児童二人が包丁で切りつけ 京都府宇治市
 2004. 1.13 ハンセン病の元患者という呼称について 熊本県
 2004. 1.19 ろう者がろう者から600万円脅し取る
 2004. 1.20 ハンセン病 元患者らの宿泊を拒否 アイレディース宮殿黒川温泉ホテル
 2004. 1.23 知的障害者施設はまなす学園の対応
 2004. 1.28 重度の障害を理由に「集団保育不可能」
 2004. 1.29 岩手県社会福祉事業団の職員の男性が入所者の女性にみだらな行為
 2004. 1.30 ハーモニー桃の郷、窓に木造格子 長野
 2004. 1.31 知的障害者 公立高校の入試での配慮 愛知県


■2004.1.7  虐待か?男性入所者が前歯を二本折る 知的障害者更生施設はまなす学園
岩手県は、知的障害者更生施設はまなす学園で昨年十一月、男性入所者が前歯を二本折るけがをしたため、園から聴取していたことを明らかにした。

施設側は家族に対し五日後に「転倒事故」と報告したが、家族は「転倒で歯を二本折るのは不自然。診察や親への連絡も遅れ、納得できない。施設内で何が起きているか知りたい」と話している。

この男性は洗体中にも転倒したとして右耳を四針縫うけがをしたほか、約七年前にも左目を七針縫う原因不明のけがをしている。過去には、他の利用者にもたばこの火を押し付けられたようなやけどの跡があったり、下半身に黒い内出血があったのを家族が発見しているが、施設から具体的な説明がないなどから、県は詳しく調査する方針としている。

■2004.1.8  転入してきた男性が障害者 個人情報 東京都
東京都住宅供給公社は、中野区の都営住宅の住民でつくる自治会が、転入してきた男性が障害者であることを実名で記した文書を団地内の全戸に配布していたことがわかったとして、「人権上、問題がある」との指摘し、自治会は文書を回収していたことを明らかにした。

今後、都営団地のすべての自治会に対し、個人情報の管理を厳重に行うよう注意を呼びかける方針。男性は障害者(一級の身体障害)であることを自治会長に連絡していたが、自治会は防災訓練の実施を知らせる文書の中で、「一級障害者で車いす使用」と実名で記し、全戸に配布。男性には文書の内容や配布についての事前説明はなかった。

■2004.1.9  精神疾患で入退院歴のある男が児童二人が包丁で切りつけ 京都府宇治市
京都地検は、先月、京都府宇治市立宇治小で児童二人が包丁で切りつけられた事件で、殺人未遂容疑などで送検された男性(四五歳)を同罪などで起訴する方針を固めた。

男は長年にわたる精神疾患で入退院歴があるが、この日行った簡易鑑定で刑事責任能力が認められたうえ、一部供述には犯行に対する明確な認識があることから、鑑定留置でなく、公判の本格鑑定では、刑事責任能力の有無を明らかにすべきだと判断した。

八日、殺人未遂で京都地裁に起訴した。弁護団は「責任能力を明らかにするのに捜査は不十分」と批判、公判で正式な鑑定を請求する方針。京都地裁は、「責任能力がない可能性が大きい」とする弁護団の請求を受け、拘置理由開示裁判を開いた。九日、弁護団は報道各社に、「責任能力が最大の争点」などとして、起訴後も被告の匿名報道を継続するよう文書で要望した。

■2004.1.13  ハンセン病の元患者という呼称について 熊本県
熊本県知事は、ハンセン病の元患者という呼称について、「治ってから何十年もたつのに、元患者と呼ばれることには抵抗がある」との声が多いとして、元患者という表現をやめ、「入所者」「退所者」「回復者」などに改める考えを示した。

六日、厚生労働相は、同県知事の見解を評価し、「差別や偏見をなくしていく上で、大変いいことだと思う」「どうお呼びする方法があるのか一度検討したい」として、啓発文書などの表現を再考する考えを示した。

十三日、ハンセン病国賠訴訟の全国原告・弁護団と全国ハンセン病療養所入所者協議会で作る国との統一交渉団は、見直しの議論が起きている「元患者」という呼称を「ハンセン病はまだ問題が山積しているのに、呼称変更ですべてが解決したと誤解されかねない」などの反対意見が多いため、交渉団としては今後も継続して使うことを決めた。

■2004.1.19  ろう者がろう者から600万円脅し取る
兵庫県警三木署は、ろう者の男性(六〇歳)から手話を使って約六〇〇万円を脅し取ったとして、大阪府内のろう者の男性(三六歳)を逮捕、別のろう者の男性(六〇歳)を共犯の疑いで逮捕状をとったことがわかった。「生活費に困ってやった」と供述しているという。

■2004.1.20  ハンセン病 元患者らの宿泊を拒否 アイレディース宮殿黒川温泉ホテル
アイスターの社長は、熊本県で経営するホテル(アイレディース宮殿黒川温泉ホテル)が、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」に入所する元患者らの宿泊を拒否した問題で、元患者の宿泊を全面的に認めると発表した。

また、「啓発活動の第一弾」として、同ホテルを対象に元患者向けの格安ツアーを計画していることを、全国のハンセン病療養所に文書で通知したことも発表した。二十日、熊本県は、同社社長を県庁に呼び任意に事情聴取した。今回の社長からの聴取結果を、営業停止などの行政処分の最終的な判断材料にする方針。

■2004.1.23  知的障害者施設はまなす学園の対応
岩手県は、知的障害者施設はまなす学園で複数の入所者が原因不明のけがを負っていた問題で、施設側に宮古地方振興局へ内部検証結果報告を出すことを命令していたが、その内容が施設職員の証言を中心にまとめられていることが分かり、父母らが「一方的な検証」と不満や疑問の声が上がっている。職員と父母側の説明が違うため、振興局は報告書を精査し、対応を検討するとしている。

■2004.1.28  重度の障害を理由に「集団保育不可能」
さいたま地裁は、川越市が、小頭症による重度の障害を理由に「集団保育不可能」と判断し、川越市立の保育所への入所を認めなかったのは違法として、川越市の夫婦と長女(八歳)が、川越市に損害賠償(六六〇万円)を求めた訴訟の判決で、「市側は保育を拒否しておきながら代替的措置を取らずに漫然と放置した」と市側の責任を認め計六十万を支払うよう命じた。

争点になっていた、「障害児に対する保育不可の違法性」については、「保育方法は市町村の裁量に委ねており、人的物的条件から適切に受け入れられないと判断しても違法とは言えない」としたが、「入所できなかった児童に対する適切な保護の有無」については、「障害児童の入所拒否は、障害に加えて本来受けられた保育サービスも受けられない『二重のハンディ』をもたらすものであり、可能な限りの代替的措置をする責務がある。市側は拒否しておきながら、家族らの善意に任せて放置した」と市の義務違反を指摘した。

■2004.1.29  岩手県社会福祉事業団の職員の男性が入所者の女性にみだらな行為
岩手県社会福祉事業団は、職員の男性(四七歳)が県立知的障害者更生施設の元入所者の女性に対し複数回にわたりみだらな行為をしていたとして、職員就業規則に基づき、男性を懲戒処分にした。

同施設に勤務していた二〇〇一年二月頃から昨年夏までの数回にわたり入所者(十八歳未満)と関係を持った。同年四月に男性が県北の社会福祉施設に異動した後も、互いに連絡を取り合い関係を持っていたという。女性が施設を退所後の発覚した。二十九日、同事業団は合同会議を開き、施設長らに綱紀粛正を求める。県地域福祉課は、男性が在職していた関係施設の特別監査を実施する。

■2004.1.30  ハーモニー桃の郷、窓に木造格子 長野
長野市長は、昨年四月に開所した障害者向け総合施設「ハーモニー桃の郷」(一階が知的障害者更正施設、二階と三階に精神障害者通所授産施設と地域生活支援センター)の建物正面と二階、三階の窓に木造格子を取り付けていることに対し、市内五つの精神障害者の家族会が「隔離施設を連想させる」として撤去を求める要望書を提出したことに対し、「閉じこめようという意識はない。転落の危機を防止し、周りをのぞいたり、周りからのぞかれないための構造」「ある意味で芸術作品だと思っている」などと初夏至、当面撤去する考えはないことを明らかにした。

精神障害者と家族会側は「なぜ精神障害者の施設だけのぞかれる心配があるのか疑問だ。差別、偏見」「傷害への理解を啓発する意味からも撤去ほしい」として、今後も要望していくとしている。

■2004.1.31  知的障害者 公立高校の入試での配慮 愛知県
愛知県教育委員会は、名古屋市内に住む知的障害のある中学三年生の川本裕さんと両親が三月の公立高校の入試での配慮を求めてきたことについて、別室で介助者が同席し受験を認める方針を伝えた。介助者は受験生の視野に入る所で見守るというもので、原則として話しかけることはできないなどとしている。

 

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