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 2008.11. 3 元道職員の障害偽装 札幌市2年間放置 歩く姿目撃、調査せず


■2008.11.3  元道職員の障害偽装 札幌市2年間放置 歩く姿目撃、調査せず
札幌市手稲区の元道職員男性(73)が寝たきりの重度障害を装い、市から介護費用などを不正に取得していたとされる問題で、市は二〇〇六年六月に事態を把握していながら、約二年間、実質的な調査を行っていなかったことが十日、分かった。市は〇六年六月以降分だけで、約千五百万円を支出していた。

市によると、手稲区担当職員が障害程度の調査で男性宅を訪れたのは〇六年六月十五日午前で、その際本人から歩けないという状態を聞き取った。ところが、同日午後、この職員は近所で男性が歩いているのを目撃。

さらに近所の人から「よく歩いているのを見かける」と聞いていた。区は担当職員から報告を受けたが「証拠がないと動けない」と判断し詳細な調査をしなかった。

さらに同年九月には「男性は歩き、訪問介護の事業所を運営している」との匿名のメールが市に寄せられ、十一月には同じ職員が、歩いて郵便局に入って現金自動預払機(ATM)を操作するのを目撃したが、声を掛けたり写真を撮るなどはしなかった。また、担当者がかわる際には「今は待つときだ」などと引き継いでいたという。

〇六年六月の目撃後、実際に市が男性に面談したのは今年二月に行った定期調査の一度だけで、形式的なものだった。市が実質的な調査に入ったのは、市内の別の視覚障害の偽装事件が明らかになり、全市的な調査を始めた後の今年四月。張り込むなどして、男性が歩いている姿をビデオに収め、同八月分から支出を止めた。

市は、男性が道保健予防課(当時)に勤務していたことから、福祉制度の知識などに詳しかったとみている。

 

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