残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2009年 
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 2009.11. 6 1部屋に10人詰め込む 福岡の障害者支援施設が省令違反
 2009.11. 9 知的障害者の預金1000万円を着服 宇都宮の更生施設施設長
 2009.11.20 デイサービス送迎事故で高齢者3人死亡――和歌山県
 2009.11.21 ニチイ学館社長 陳謝 介護送迎車事故


■2009.11.6  1部屋に10人詰め込む 福岡の障害者支援施設が省令違反
福岡県の障害者支援施設「瑞穂学園」で、居室の定員を4人以下と定めた厚労省省令に違反し、知的障害者10人を1室に入居させていたことが2009年11月5日、県の立ち入り調査でわかった。

県によると、約20畳のリハビリ室にベッド10台が置かれ、重度知的障害者ら56〜81歳の入所者を寝起きさせていた。室内には簡易トイレ3個もあったが、固定された仕切りはなく、カーテンだけで男女共同で使用させていた。学園側は県に対し「排泄頻度が多い人や自立歩行が困難な人もおり、夜勤時に職員3人で1対応するため1部屋に集めたと説明。」


■2009.11.9  知的障害者の預金1000万円を着服 宇都宮の更生施設施設長
宇都宮市飯田町の社会福祉法人「鳩巣会」が運営する知的障害者更生施設で、男性施設長(60)が同施設に入所する重度知的障害者ら7人の預かり金計約1千万円を着服していたことが8日までに、同法人への取材で分かった。

同法人によると、施設で預かっていた7人の定期預金を無断で解約、自らの事業資金に充てたとされる。同法人の調査に対し施設長は「借りたつもりだった」などと話し謝罪、全額を入所者に返済した。

同法人は2日付で施設長を懲戒解雇、刑事告発も検討している。
一方、県は同法人の報告を受け、宇都宮市とともに調査。「預かり金の管理が不適正」などとして8日までに、障害者自立支援法に基づく是正勧告を行った。是正勧告を受け同法人は12日までに、改善計画書を県に提出する。

同法人によると、元施設長は昨年7月ごろ、入所者の定期預金を無断で解約した。同様の更生施設を自ら運営する予定だったため、その資金に充てたとされる。定期預金の通帳は貸金庫に保管されていた。

今年9月、同法人が通帳がないことに気付き発覚。同法人が調査したところ、元施設長は「借りたつもりだった」と話したが、入所者の家族らに認識はなかったという。同法人と元施設長は入所者や家族に謝罪、元施設長が全額を返済した。

一方、同法人は、入所者の普通預金通帳も預かっているが、通帳と印鑑を同じ金庫内で保管していた。県によると、厚労省の通達で「通帳と印鑑は別の場所での管理」が規定されているという。 同法人は下野新聞社の取材に対し「(元施設長の着服は)非常に残念なこと」とし「1人で預かり金の管理ができないようにするなど再発防止を進めたい」などと話した。

この知的障害更生施設は2001年に事業を開始。知的障害者入所更生や日中一時支援事業などを実施している。現在、30人が入所しており、25人が重度の知的障害者という

■2009.11.20  デイサービス送迎事故で高齢者3人死亡――和歌山県
株式会社ニチイ学館が運営するデイサービスセンター「ニチイケアセンター紀北」(和歌山県橋本市)で11月19日、送迎用車両が事故を起こし、同乗していた高齢者3人(男性2名、女性1名)が死亡した。

事故は19日の午後4時25分ごろデイサービスセンターでの帰りの送迎中に発生。運転者である同事業所のパート従業員千葉加奈子さん(28)が、利用者である杉本輝次さん(80)、里神昌雄さん(92)、岡野久子さん(82)3人を乗せた軽自動車で送迎していたところガードレールに衝突。3人は病院に搬送されたが、間もなく死亡した。運転していた千葉さんも手を骨折する重傷。

ニチイ学館は「このような事故を二度と起こすことの無いよう、介護サービス車両での送迎について職員に対する教育を徹底する」とのリリースを発表している。

■2009.11.21  ニチイ学館社長 陳謝 介護送迎車事故
19日夕にかつらぎ町で介護施設の送迎用の軽乗用車がガードレールに衝突し、乗っていた80〜92歳のお年寄り3人が死亡した事故で、20日、この施設を運営するニチイ学館(東京)の寺田大輔社長(41)らが和歌山市で記者会見し、「本来なら命を預かる立場なのにこのような事故を起こし、誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した。

同社の聞き取りに対し、運転していたパート従業員の女性(28)は「車を運転中に胸が苦しくなり、冷や汗をかき、それから先の記憶ははっきりしない」と事故当時の状況を語ったという。同社の年1回の定期健康診断では女性に異常はなく、勤務形態は1日8時間で週3回程度だったという。会社側は「勤務状態に問題はなかった」と説明した。

死亡した3人は事故当日、送迎車に乗って午前9時半ごろに施設を訪れ、午前中に入浴介護を受けた後に昼食をとり、午後はレクリエーションをした。送迎車は午後4時ごろ施設を出発。出発時には全員シートベルトを着用していたという。

社内マニュアルでは、シートベルトの着用の徹底や、利用者の健康状況によっては送迎が長時間にならないようにルートに配慮することが決められているという。寺田社長は「マニュアル通りにやっているか記録に残すチェックリストを作るなどして再発防止に努めたい」と話した。

 

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