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 2009.12. 9 障害者施設内で死亡トラブル、傷害致死容疑で入所者書類送検へ/神奈川県警


■2009.12.9  障害者施設内で死亡トラブル、傷害致死容疑で入所者書類送検へ/神奈川県警
横浜市保土ケ谷区の知的障害者支援施設で、1人が死亡する入所者同士のトラブルがあり、神奈川県警保土ケ谷署は9日にも、傷害致死の疑いで、入所者の知的障害がある男(26)を書類送検する方針を固めた。同署は「入所者に刑事責任能力はないとみているが、事実を把握した以上、慎重に捜査し、事件として処理した」としている。

送検容疑は、6月28日午前7時半ごろ、同区今井町の知的障害者支援施設「恵和」の2階洗面所で、別の入所者男性(62)を押し倒した、としている。男性は1週間後に頭蓋(ずがい)内出血などで死亡した。

同署の調べや施設によると、入所者の男は重度の知的障害があり、「洗濯中に邪魔されたので押した」と話している。死亡した男性は脳性まひで歩行が困難だったという。

同署の調べでは、当時は施設の1、2階に計約30人が入所しており、当直と日勤の職員4人のうち3人は1階にいた。2階当直室で日誌を付けていた男性職員(23)が悲鳴を聞いて駆け付けると、男性が床にあおむけに倒れていたため、同署に届けた。

同署は「日常的に2人の間にトラブルがあったわけでなく、偶発的なケース」として、施設の管理責任などは問わない方針。

林智子施設長は「大変申し訳ない。入所者の行動を十分把握できていなかったことなどに責任を感じており、こうした事故が二度と起きないよう努めたい」としている。
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入所者が亡くなるという重大な結果となった今回のトラブル。障害者のグループホームなどから事故報告を受けている横浜市障害支援課によると、「入所者間のトラブルで負傷するケースは少なくないが、死亡はまれ」という。

ある福祉関係者は「一般的に入所施設やグループホームは、待遇の問題などで人手不足が常態化している。入所者に目を配り切れない実情があるのではないか」と、福祉現場の実情が背景にあるとの見方を示した。

 

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