残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース
残しておきたい福祉ニュース
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2004. 3. 3 | 第二びわこ学園、身寄りのない利用者から無断で同施設への寄付金などとして流用 |
2004. 3.10 | 最高裁、知的障害のある男性に対し上告を棄却 |
2004. 3.13 | 盲導犬を連れた視覚障害者の男性が入店拒否 |
2004. 3.16 | 石波防衛庁長官、自衛隊は自閉隊 自閉症の人々への誤解発言 |
2004. 3.19 | ハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題 三日間のむ営業停止 |
2004. 3.24 | 光の森学園、使途不明金 |
2004. 3.27 | 当時は任意加入だった国民年金の保険料 障害基礎年金制度 |
2004. 3.29 | 知的障害のある女性が意識不明 「県立津久井やまゆり園」 |
■2004.3.3 第二びわこ学園、身寄りのない利用者から無断で同施設への寄付金などとして流用 | |
滋賀県は、野須町の重症心身障害児施設「第二びわこ学園」で、身寄りのない利用者六人から預かった障害基礎年金の一部計五一六万円(寄付金約三五四万円、残りは備品費など)を、約十四年前から施設側の判断で無断で同施設への寄付金などとして流用(今月新築開所した施設の工事費など)していた。 昨年末から調査していたが、施設側は「本人に寄付の意思は確認していなかった」として先月、全額を六人に返していたことが分かったため、四日、「年金は障害者本人のためのもので、寄付などに流用するのは不適切」として、文書で指導した。施設への寄付金は、利用者の保護者らで作る「びわこ学園家族の会基本財団」が、利用者一人当たり毎年約二十万円ずつ積み立てた中から、施設整備などのために渡していた。 |
■2004.3.10 最高裁、知的障害のある男性に対し上告を棄却 | |
最高裁第二小法廷は、一九九七年五月、東京都国分寺市の福祉施設(知的障害者通所施設)の物置の段ボールなどに火をつけたとして、建造物以外放火の罪に問われた知的障害のある男性(六二歳)に対し、「捜査段階の自白に任意性を疑う証拠はない」として、上告を棄却する決定を出した。 懲役一年八月の実刑とした一、二審判決が確定する。弁護側は被告には抽象的な思考が十分できないなどの知的障害があり、物証もなく、自筆の「自白メモ」は「強制的に後から書き加えられたもの。放火を認めた供述は捜査員の誘導で、冤罪だ」と主張したが、「法廷に提出された記録を調べても、自白の任意性を疑うに足りる証拠は認められなかった」と判断した。 一審判決は、被告が心神耗弱状態だが「自白は信用できる」とし、二審も被告側の酵素を棄却した。 |
■2004.3.13 盲導犬を連れた視覚障害者の男性が入店拒否 | |
福井県障害福祉課は、小浜市で昨年十月四日、県などが主催して開かれた「若狭路博2〇〇3メーンイベント」会場の「人権啓発フェスティバル」(法務省、福井県など主催)の補助犬イベントに参加しようとした、盲導犬を連れた視覚障害者の男性が、スタッフにより入り口に足止めされたり、会場内のレストランで従業員に「他のお客様も降りますので」と入店拒否されたとして、苦情を受けていたことを明らかにした。県は「事実確認があいまいだった。聞き取り調査も含め、再度確認作業をしたい]としている。 |
■2004.3.16 石波防衛庁長官、自衛隊は自閉隊 自閉症の人々への誤解発言 | |
石波防衛庁長官は、自民党所属の衆院議員のパーティーであいさつし「自衛隊は今まで半分やゆ的に、“自閉隊”と言われてきた。 自閉症の子どもの自閉と書いて“自閉隊”。 『いいんだ、分かってくれなくたっていいんだ、一生懸命、自分たちがやればいいんだ』ということで、積極的にPRをしてこなかったかもしれない」と発言。十九日、日本自閉症協会は、「自閉症の人々への誤解が広まることを避けたい」などとして、同長官に対して、発言の取り消しを求める文書を出した。 |
■2004.3.19 ハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題 三日間のむ営業停止 | |
熊本県は、「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題で、ホテルを経営する[アイスター]に対し、旅館業法(宿泊させる義務)違反として、今月十五日から十七日の三日間のむ営業停止し余分とする通知を出した。 十八日、熊本地検は、「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否した問題で、ホテルを経営する[アイスター]の前社長についても旅館業法(宿泊させる義務)違反で立件する方針を固めた。 前社長は、熊本県と熊本地方法務局の告発対象には含まれていないが、総支配人が繰り返し「本社の方針・意向」と主張していることから、前社長がホテル側に指示したと認定。 容疑をほぼ認めている総支配人と[アイスター]とともに略式起訴する方針。 二十九日、熊本地検から事件を移送された宮地区検は、前社長、取締役、総支配人ら三人と、法人としての同社を旅館業法(宿泊させる義務)違反の罪で宮地簡裁に略式起訴した。 同簡裁は同日、「事案の重大性、悪質性を考慮した」として、それぞれ法定限度額の罰金二万円の略式命令を出した。同社は「刑事処分に対し不服申し立てをいたしません」とする声明文を出した。厚生労働省は、「ハンセン病問題対策協議会」を開き、療養所に入所経験がない元患者に対し、二〇〇五年度予算で経済支援を打ち正すことを表明した。 |
■2004.3.24 光の森学園、使途不明金 | |
札幌地裁は、札幌市の社会福祉法人光の森学園が前理事長ら二人を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こした件についての第一回口頭弁論を開いた。 訴えられたのは前理事長と同法人が運営する知的障害者更正施設札幌光の森学園の前園長の二人(既に辞職)で、前理事長らは請求棄却を求め、争う姿勢を示した。 訴えでは、前園長は入所者の寄付金を管理し、一九九七年四月から二〇〇〇年三月までの間に計一四八〇万円の使途不明金を出し、独断で同法人の乗馬施設を解体するなどし、計二八〇〇万円の損害を与えたものとされている。前理事長は同法人に対し、二〇〇二年十二月十四日、損害の債務保証を約束している。 |
■2004.3.27 当時は任意加入だった国民年金の保険料 障害基礎年金制度 | |
東京地裁は、学生時代に重い障害を負った元大学生四人が、当時任意加入だった国民年金の保険料を支払っていなかったことを理由に障害基礎年金を不支給とされた処分の取り消しと、一人当たり二千万円の賠償を国側に求めた訴訟の判決で、「一九八五年の国民年金法改正により、障害基礎年金制度が創設され、障害一級者への支給年金が旧制度(障害福祉年金)から大幅に引き上げられ、支給の有無による格差が拡大している」と指摘。 「障害を負った学生が保険給付を受けられる立法手当てをしないまま放置したのは、法の下の平等を定めた憲法に違反する」として、一人について発病したときの年齢が二十歳未満だったとして不支給処分を取り消し、ほかの三人には一人当たり五〇〇万円、計一五〇〇万円の慰謝料を支払うよう国に命じる判決を出した。 国側は「保険料を支払っている者との間で不公平が生じる」と主張したが、「任意加入率は著しく低く、不支給を合理化できない」と判断し退けた。 同省は、「立法不作為については該当しない」として控訴する方向で検討に入った。また、違憲判決を受けて、二十七日、政府・与党は、「学生無年金障害者」に対し、公的年金制度で例外的に給付することは、「年金保険料を納めたほかの加入者の理解が得られない」として認めない考えで、福祉的措置として、月額三万円程度の手当を支給することを柱とする特別措置法案を今国会に提出する方針を固めた。三十日の与党年金制度改革協議会で、支給対象の範囲などを検討する。 支給対象は、一九八五年の基礎年金制度の創設時から学生も強制加入となった一九九一年までの間に、障害者となった「学生無年金障害者」に限定する方針。 |
■2004.3.29 知的障害のある女性が意識不明 「県立津久井やまゆり園」 | |
神奈川県は、知的障害者更正施設「県立津久井やまゆり園」で、職員が入居者の女性(五六歳)に誤って「にがり」の原液を飲ませ、女性が意識不明になり入院したと公表した。 女性は便秘解消のため昨年十二月からにがりを常用。担当の職員が希釈液を作り、ほかの職員が毎朝、交代で飲ませていたが、二十六日、四十倍の濃度の原液二〇〇CCを飲ませた毛塚、意識がもうろうとなるなどとして病院に運ばれ、自発呼吸が止まり、意識不明になったため、脳幹部こうそくと診断された。 |