残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2008年 
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 2008. 3. 9 伊勢原の障害児施設における暴力事件 NPO法人”LAHアシスタンススクールつくしんぼ
 2008. 3.12 <ネットで学校中傷に罰金/元生徒の父親に小田原簡裁> 湘南ライナス学園
 2008. 3.14 介護職員65% 「勤務でけが」 「報酬に不満」も7割超
 2008. 3.15 県警保護の青年死亡:障害者団体、県警などに真相解明を要望 /佐賀
 2008. 3.17 故意に倒し骨折、施設長自らも暴力 高井田苑暴力問題
 2008. 3.19 香川・坂出の障害者施設手袋事件:園長ら書類送検へ 管理不十分の疑い
 2008. 3.19 【福岡】「うるさい!」「だまれ!」高校教師、車椅子の男子生徒の胸ぐら掴んで怒鳴る・・・停職一ヶ月の懲戒処分
 2008. 3.22 瀬戸療護園  園長らを書類送検


■2008.3.9  伊勢原の障害児施設における暴力事件 NPO法人”LAHアシスタンススクールつくしんぼ
「障害児の学習支援などを行っている伊勢原市のNPO法人”LAHアシスタンススクールつくしんぼ”の関口鉄也理事長(46)が、自閉症の秦野市内の小学4年男児を長時間しかり続け、頭をたたくなどの暴力を振るっていたことが8日、分かった。”つくしんぼ”は、児童デイサービス・日中一時支援事業所として指定や登録している県や伊勢原、秦野市が同日までに合同で立ち入り調査した結果、”不適切な指導”と判断し、関口理事長らに改善を求める方針・・・
 
伊勢原市障害福祉課などによると、関口理事長は5日午後3時半ごろ、ほかの幼稚園児を小突いた男児の両腕を押さえ、1時間余りにわたって立たせたまま大声でしかりつけた。その間、頭をたたき、けるまねもしたという。居合わせた複数の職員が止めに入ったが、聞かず”警察を呼ぶ”と言うまで叱責をやめなかったという。職員が、その後、同課に連絡。同課では”障害のある子供に対して、1時間以上叱りつけるのは不適切な行為”と判断した。関口理事長は、読売新聞の取材に”幼稚園児をたたいたりけったりした男児を ”いけないよ” としかった。頭を軽くたたいたが、暴力ではない”としている。事業所関係者によると、当日夜、職員が男児の自宅に謝罪に出向いた際、男児の父親は”関口理事長をきちんと処分してほしい”と求めたという。「つくしんぼ」は、小学生までの知的障害、学習障害、自閉症などの子どもを放課後に預かっており、伊勢原、秦野市などから約80人が通っている。」


■2008.3.12  <ネットで学校中傷に罰金/元生徒の父親に小田原簡裁> 湘南ライナス学園
広汎性発達障害の子どもらが通う小中高一貫校「湘南ライナス学園」(神奈川県小田原市)は十二日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に学園を中傷する書き込みをしたとして、元生徒の父親が名誉棄損の罪で小田原簡裁から罰金五十万円の略式命令を受けたと発表した。

学園は「ボランティアを強要する」など多数の人物による書き込みで名誉を傷つけられたとして二〇〇六年十二月、容疑者不詳のまま小田原署に告訴していた。学園によると、東京都で教員を務める父親がうち約三百件を書き込んだという。

書き込みの影響で退学者が相次いだり、子どもが自傷行為を図ったりしたといい、吉崎真里学園長は「書き込みの内容は事実無根だが、生徒やスタッフは大変傷ついた。ネットの怖さを分かってほしい」と話している。

学園は父親ら二人に約二千三百万円の損害賠償を求め係争中。
父親側は「学園に疑問を感じていて、情報が欲しかった」と主張している。

■2008.3.14  介護職員65% 「勤務でけが」 「報酬に不満」も7割超
公明党県本部は12日、県内の介護職員の65%が勤務中に体を痛めたことがあるとしたアンケート結果をまとめた。具体的な部位は、腰が6割と大半を占め、肩、腕がそれぞれ1割ずつだった。痛めたところを治療していると答えたのは38%にとどまった。

雇用先などから治療費の支援は9割が得られないと回答。入院や通院で勤務を休むことへの補償も74%がないとするなど、けがをしても勤務を休んで治療しにくい労働環境が浮き彫りとなっている。

このほか、報酬や給与に72%が不満を持ちつつも、介護の仕事を続けたいと答えたのは9割にのぼった。

アンケートは2007年11月から今年2月に、県内の介護施設などで働く職員に面接して実施。136人分をまとめた。

県本部は「体力的、金銭的に想像以上に厳しい労働環境だが、職員の使命感が制度を支えている。行政は施設整備までだが、職員が仕事を続けられるような支援策を講じないと、制度が崩壊しかねない」と分析。各市町村議会に介護労働者の待遇改善を求める意見書を提出するという。

■2008.3.15  県警保護の青年死亡:障害者団体、県警などに真相解明を要望 /佐賀
昨年9月、知的障害のある安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、「日本脳性マヒ者協会『全国青い芝の会』」(福岡市)のメンバーらが14日、佐賀地検と県警本部を訪れ、早期の真相解明を要望した。
 
要望に訪れたのは同会の利光徹・事務局長ら。利光事務局長は県警で「半年たっても一向に真相が見えてこない。こういうことがなぜ起こったのか、県警として真摯(しんし)に対応してもらいたい」と要望した。
 
今回の問題について利光さんは「こういった問題があいまいになると、私たち障害者はいつでも同じ状況に出合う可能性がある」と障害者全体の問題として危機感を持っていることを訴えた。対応した県警生活安全企画課の井上義一課長は「佐賀地検が行っている司法解剖の結果が判明し次第、すみやかに事実関係を公表したい」と話した。

■2008.3.17  故意に倒し骨折、施設長自らも暴力 高井田苑暴力問題
大阪府柏原市の知的障害者更生施設「高井田苑」(久門良也施設長)で職員が利用者に暴力をふるっていた問題で、30代の利用者が昨年9月、職員の加害行為によって大腿(だいたい)骨が折れる大けがを負っていたことが府の特別監査で分かった。施設長自ら利用者の頭を殴っていたことも判明。「人権侵害が組織的かつ日常的に行われていた」として府は17日、運営する社会福祉法人「武田塾」に対して改善計画を4月末までに作成するよう求める通知を出した。
 
府の調査や職員本人の話などによると、昨年9月17日午前8時半ごろ、施設2階の指導員室付近で、男性利用者が朝食後のコーヒータイム後の片づけの際、コップ数個が入ったかごを落とした。職員は利用者がわざと落としたと考え、逃げ出した利用者を追いかけて捕まえ、故意に床に押し倒したとされる。
 
男性利用者が病院に行ったところ右の太ももの付け根(大腿骨頸部(けいぶ))の骨が折れており、人工骨を入れる手術を受けた。
 
現場には目撃者がいなかったうえ、男性利用者は重度の知的障害者で証言ができない。府の調べに施設側は当初、偶発的な事故と説明していたが、後に職員本人が故意に倒したことを認めた。
 
複数の職員によると、この男性利用者は職員の関心を引こうと物を壊すことがあった。その度に施設幹部は「あの利用者は職員を見ている。なめられている証拠だ」などと、職員の力量不足が原因と決めつける発言を再三していたという。
 
また府の調査では、05年2月に、久門施設長自身が食堂でパニックを起こした利用者を制止するために殴打していたことが判明。当時、別の利用者の保護者が暴力に気づいて府が調査した。しかし、施設長ら幹部職員は、当時は休暇だった一般職員を身代わりにして虚偽の報告をし、隠蔽(いんぺい)工作を図っていた。
 
そのほか、角材をひざに挟んで正座させた▽利用者を犬猫に例えて、しつけをすればトイレが出来るようになる旨の発言をした▽手のひらを踏みつけ怒鳴りつけた――などの暴力や人権侵害が確認された。
 
高井田苑には約50人の利用者が生活している。大半が重度の知的障害者。関係者からの公益通報を受け、府は昨年11月から調査を続けていた。 武田塾は3月末、田中義郎理事長を含め理事8人全員が辞任する方針。

■2008.3.19  香川・坂出の障害者施設手袋事件:園長ら書類送検へ 管理不十分の疑い
香川県坂出市の障害者支援施設「瀬戸療護園」で昨年7月、入所者の男性(当時20歳)の胃袋などから排せつ介助用手袋(塩化ビニール製)10枚が見つかり、その後肺炎で死亡した事件で、県警捜査1課などは近く、園長(58)と副園長(48)の2人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
 
県警は当初、何者かが手袋をのませた虐待も視野に捜査したが、男性が食べ物以外も口に入れる癖があったこともあり、虐待の裏付けはとれなかった。しかし、手袋の管理が十分なされていれば事故は起きなかった可能性が高いと判断、管理責任者の2人を書類送検することにした。

■2008.3.19  【福岡】「うるさい!」「だまれ!」高校教師、車椅子の男子生徒の胸ぐら掴んで怒鳴る・・・停職一ヶ月の懲戒処分
福岡県教育委員会は19日、面談中に足の不自由な高校2年の男子生徒(17)の電動車椅子(いす)のスイッチを切って動けないようにした上で、胸ぐらをつかんで怒鳴ったとして、男子生徒の担任だった北九州市の県立高校の男性教諭(49)を停職1カ月の懲戒処分にした。

県教委によると、教諭は昨年6月14日午後、定例の個人面談で廊下に呼び出した男子生徒の胸ぐらをつかみ、約3分間にわたって「うるさい」「だまれ」などと怒鳴ったりにらんだりした。

教諭は、生徒のトイレの介助をすることになっていたが行わず、面談で「先生の言うことは信用できない」と言われて激高したという。

同7月、男子生徒の保護者から高校に連絡があり発覚、担任から外された。
県教委は「今後このようなことが起こらないよう指導を徹底したい」としている。

■2008.3.22  瀬戸療護園  園長らを書類送検
昨年7月、坂出市の障害者支援施設「瀬戸療護園」に入所していた重度障害の男性(20)の胃などから介護用手袋10枚が見つかり、約2か月後に死亡した事故で、県警は21日、必要な防止対策を取っていなかったとして、園長(58)と副園長(48)を業務上過失致死容疑で書類送検した。

調べでは、園長らは男性が食べ物以外でも口に入れることを知りながら、介護士らを指導するなど対策を取らず、介護士が紙おむつの交換などで使用したビニール製手袋を男性のそばに残したため、男性が飲み込んだ疑い。

男性は昨年7月10日に吐血、搬送された病院で胃と十二指腸から手袋が見つかり、同9月25日に死亡した。同園は事故後、食べ物以外のものを口に入れることのある入所者には介護士を2人つけ、それまで個室内でしていた手袋の着脱を廊下でするなどの対策を取っているという。園長は「厳粛に受け止めている。一日も早く信頼されるよう施設作りに取り組む」などとコメントした。

 

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