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 2009年 
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 2009. 3.11 介護報酬:アップ…「賃上げ期待できぬ」 ヘルパーら300人回答
 2009. 3.17 知的障害者を個室に毎日拘束 大阪の施設「暴力」理由に 伯太学園


■2009.3.11  介護報酬:アップ…「賃上げ期待できぬ」 ヘルパーら300人回答
介護職場の待遇改善のため4月から介護報酬が3%アップされるのを前に、介護従事者に賃上げの状況を尋ねたところ、約半数が増額は期待できないと回答し、報酬改定した国の姿勢を評価したのは約1割にとどまることが、結城康博・淑徳大准教授(社会保障論)の調査でわかった。

調査は介護報酬の4月の改定による介護従事者や利用者への影響について実施。2月上旬から3月上旬、東京、大阪、栃木、神奈川、千葉の5都府県でヘルパーなど介護従事者に聞き、約300人から回答を得た。

国は昨年、介護従事者の人材確保と処遇改善のため制度スタート以来初となる介護報酬の3%アップを決めた。「月額2万円アップ」のイメージが先行したが「月給はどのくらい引き上がると思うか」尋ねたところ、1万円以上と答えたのは2・5%にとどまり、3000円以上1万円未満が8・0%、3000円未満は12・7%だった。「賃上げは期待できず0円かもしくは引き下がる」が48・9%を占め、25・3%は「わからない」と答えた。また、国の姿勢を評価したのは11・5%にとどまり、「十分ではない」「まったく不十分」が約9割(87・5%)に上った。

結城准教授は「調査結果から報酬アップは大半がよくて数千円にとどまりそうで、今回の報酬改定では待遇改善にはつながらない」と指摘している。

■2009.3.17  知的障害者を個室に毎日拘束 大阪の施設「暴力」理由に 伯太学園
「伯太学園(大阪府和泉市)」でほぼ毎日、30代の男性利用者を個室に閉じ込めていたことがわかった。

府は厚労省省令に抵触する恐れがあるとして、改善を指導した。学園は「他の利用者への暴力を防ぐため」と説明。学園の説明によると、男性利用者はストレスがたまった時など他の利用者へしばしば暴力をふるった。他の利用者の家族から苦情が寄せられたため、男性利用者の保護者から了解を得たうえで、01年から随時閉じ込めるようになった。部屋の引き戸に金属製のストッパーを取り付け、職員が手薄になる時や就寝時はほぼ毎日、中に入れ外から施錠していた。府が昨年9月、2年に1度の定期監査で見つけた。

府によると、知的障害者を個室に閉じ込める行為は身体拘束に当たり、06年の厚労省令で「緊急やむを得ない場合を除き」禁じられている。しかし、学園では個々の職員の判断でほぼ毎日閉じ込め、状況なども記録していなかったため、府は「安易、かつ軽率」と判断した。学園幹部は「いけないという認識はあったが、限られた職員数の中で良い支援ができず悩んだ末、施錠してしまった。思慮が足りなかった」と話す。府の指導後、学園の職員は男性利用者への関わりを増やすよう努め、暴力は減ってきているという。

 

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