残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2004年 
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 2004. 7. 1 手の指切断、親指は九級
 2004. 7.11 身体障害者のための代筆による郵便投票
 2004. 7.13 介助指導員の男性職員の首に包丁 三次市
 2004. 7.21 消費者金融アイフルが知的障害のある男性に支払いを求めた訴訟


■2004.7.1  手の指切断、親指は九級
厚生労働省は、労働災害で手の指を切断するなどした場合の障害等級を、一九三六年の工場法施行令改正以来約七〇年ぶりに見直す。

戦前の陸軍身体検査規則で、「銃の引き金を引く指」として「人さし指」は高く評価し、欠損している場合は徴兵検査で不合格にするなど特別扱いしていたが、中指、薬指と同等とするよう労働基準法と労災保険法の施行規則を改正し、施行した。労災の障害等級表では、親指を損傷した場合の保障が、物をつかむなど手の基本動作に不可欠として最高に位置づけられ、次いで人差し指、中・薬指、小指の順で位置づけられていた。

日本災害医学会などから、合理的な差はないとして検討してきたが、今回の改正で、親指は九級のままにし、人差し指を切断した場合は十級から、中・薬指と同じ十一級に下げた。小指は十三級から十二級に引き上げた。

■2004.7.11  身体障害者のための代筆による郵便投票
各地の選挙管理委員会は、昨年七月の公職選挙法改正以来初めて、参院選に自分で書くことのできない身体障害者のための代筆による郵便投票制度と、在宅の寝たきりの高齢者の郵便投票を導入した。

東京地裁が二〇〇二年十一月に「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者が投票できないのは違憲状態であると判断を示したことにより、昨年七月に公職選挙法が改正された。

これにより、郵便投票の対象者で上肢または視覚の障害が一級である身体障害者に代筆が認められることになった。また、介護保険で「要介護5」の高齢者も郵便投票をすることができるようになった。代筆による郵便投票を行うためには、「代理記載人」になる人を選管に届け出ることが必要。代理記載人が本人の指示していない候補者名を書いた場合には、二年以下の禁固または三〇万円以下の罰金となる。

■2004.7.13  介助指導員の男性職員の首に包丁 三次市
広島県警三次署は、家庭科室での調理実習の授業中に、一緒に実習を受けていた障害児学級の男子生徒に付き添っていた介助指導員の男性職員(三三歳)の首に、調理用に渡されていた包丁を突きつけて脅したとして、市立中学校三年生の男子生徒(十五歳)を暴力行為等処罰に関する法律違反の疑いで逮捕した。

男子生徒が知的障害のある生徒にサラダ油などを入れたお湯を飲ませていたのを男性職員が注意し、男子生徒はこれに腹を立てて脅したという。

■2004.7.21  消費者金融アイフルが知的障害のある男性に支払いを求めた訴訟
福岡高裁は、知人の借金の連帯保証人になった知的障害のある佐賀県武雄市の男性(三〇歳)の判断能力を争い、大手消費者金融アイフルが男性に支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、男性について「簡単な買い物や給料を超えた金銭の価値や、利息の意味を理解できていない。

連帯保証契約締結の結果を正しく認識し、意思決定をする能力を持っていなかった」と判断し、男性に一五〇万円の支払いを命じた一審判決を取り消し、アイフル側の請求を棄却した。

男性は両親も知的障害があり、幼少時から言葉の発達や理解力に遅れがあった。知人から付き添いを頼まれ、店舗内で従業員から一方的に連帯保証契約の説明を受け、書類に署名したが、知人には口止めされていた。知人は一五〇万円を借りたが、返済しなかったため訴えられていた。

 

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