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 2009. 8.23 福祉に成果主義「ノー」 障害者に優しい社会を 「ハスの実の家」事務長 =越前市芝原5丁目 具谷裕司さん(52)
 2009. 8.24 元障害者施設職員に懲役7年の判決/横浜地裁小田原支部


■2009.8.23  福祉に成果主義「ノー」 障害者に優しい社会を 「ハスの実の家」事務長 =越前市芝原5丁目 具谷裕司さん(52)
「障害を障害者の責任にしないでほしい」。二十六年間、障害者福祉に取り組み「人間らしく生きてほしい」と願い続けてきた。しかし三年前、その思いが阻まれる。「障害者自立支援法」の施行。利用者負担という名の“自己責任”が障害者に課された。「こんな社会は間違っている」との言葉に、力がこもる。

一九六五年、福井市内にできた小さな障害者施設。「重い障害があっても、いつか必ず花咲く」との願いを込めて「ハスの実の家」と名付けられた。八七年には社会福祉法人の認可を受け、翌年に現在のあわら市へ移転した。

そこで無認可時代から働いてきた。職員が増え、障害者の働く場所がつくられ、地域の中で暮らす場所も開かれた。理想が徐々に形になった四半世紀だった。

しかし二〇〇六年、小泉構造改革の名のもとで「聖域」だった障害者福祉分野の“改革”が始まる。「障害者には『自己責任』。われわれ施設側には、障害者をどれだけ就労につなげたかという『成果』が求められるようになった」。

問題はすぐに顕在化した。「成果」の指標の一つとして、政府は障害者の工賃値上げを求めた。授産所側は工賃に見合うよう、以前より過酷な労働を求めざるを得なくなる。一部の障害者は通所拒否となり、職員にも体調を崩す者が出た。

「地域の中での自立を目指す」。その目標は政府も障害者施設も一緒だ。でも動機が違う。政府の目的は、少しでも福祉への金を削ることにあるとしか思えない。

実際には「お金を切り詰めるどころではない」。四、五人の障害者が暮らすケアホームには、現状では交代制の世話人一人を置くのがやっと。「本当は一緒に散歩したりして、地域の住民に溶け込ませる手伝いをしたい。しかし、実際はホームの家事で手いっぱい」というのが実情だ。

「成果主義と福祉は相いれない。こんな法律は間違いだったと正してくれる社会をつくってほしい」。国政の大きなうねりの、その先に願いを込めた。 

■2009.8.24  元障害者施設職員に懲役7年の判決/横浜地裁小田原支部
厚木市内の社会福祉法人「紅梅会」が運営する知的障害者自立支援施設の入所女性(24)に性的関係を強いたとして、準強姦の罪に問われた同施設元非常勤職員、加茂昭雄被告(68)=海老名市国分北=の判決公判が24日、横浜地裁小田原支部であった。山田和則裁判長は求刑通り、懲役7年を言い渡した。

 

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