残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

Past news

残しておきたい福祉ニュース

 2021年 
1月 * 3月 4月 5月 6月 7月 8月 * * * *

 2021. 3.11 児童虐待の疑いの子ども 初の10万人超 コロナで潜在化のおそれ
 2021. 3.11 児童虐待、摘発最多は「実父」45%…住民の関心高まり通報も増える
 2021. 3.11 児童虐待被害、最多2172人 61人死亡、5500人保護―警察庁
 2021. 3.12 児童虐待通告 大阪は6年連続全国最多
 2021. 3.31 学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒業 ノート代わりに黒板撮影、テストでも利用OK


■2021.3.11  児童虐待の疑いの子ども 初の10万人超 コロナで潜在化のおそれ
去年1年間に虐待の疑いがあるとして全国の警察が児童相談所に通告した子どもは、初めて10万人を超え過去最多となりました。警察は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が広がる中、家庭内での虐待が潜在化しているおそれがあるとして対策を強化している。

警察庁によると、児童虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは去年、全国で10万6991人と前の年よりも8769人増え初めて10万人を超えた。
身体的な虐待だけでなく、親から暴言を受けたり親の暴力を目撃したりして心に傷を負う「心理的虐待」も多く、全体の73%を占めた。

また、警察が検挙した児童虐待の事件は2133件、被害者は2172人といずれも過去最多となり、61人の子どもが亡くなったことが分かった。

警察は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が広がる中、子どもの異変に気付きにくくなり虐待が潜在化しているおそれがあるとして、児童相談所や学校などとさらに連携し対策を強化することにしている。

■2021.3.11  児童虐待、摘発最多は「実父」45%…住民の関心高まり通報も増える
昨年1年間に全国の警察が摘発した児童虐待事件は2133件(前年比161件増)、被害児童は2172人(同181人増)で、いずれも統計を取り始めた1999年以降、最多だったことが警察庁のまとめでわかった。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が延びたことや、虐待への関心が高まり、住民からの通報が増えていることが背景にあるとみられる。

事件の内訳は、暴力をふるうなどの「身体的虐待」が1756件で82%を占めた。次いで「性的虐待」が299件、子どもの面前で親が配偶者に暴力を振るうなどの「心理的虐待」が46件、食事を与えないなどの「育児放棄(ネグレクト)」が32件だった。

被害児童は男児が1139人、女児が1033人。罪種別では、傷害が876件で最も多く、暴行が776件、強制わいせつが148件、強制性交が119件だった。無理心中を含む殺人(未遂を含む)も75件あり、前年より7人多い61人が死亡した。

摘発人数も最多の2182人に上った。実父が45%で最も多く、実母が26%、養父・継父が13%、内縁の男が9%だった。

児童虐待を巡っては、先月、全国の警察が昨年1年間に児童相談所に通告した子どもが初めて10万人を超えたことが判明。今月2日には、福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳男児を餓死させたとして同県警が母親(39)と知人の女(48)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕している。

■2021.3.11  児童虐待被害、最多2172人 61人死亡、5500人保護―警察庁
昨年1年間に警察が検挙した児童虐待は2133件(前年比8.2%増)、被害に遭った18歳未満の子どもは2172人(同9.1%増)で、ともに過去最多を更新したことが11日、警察庁のまとめで分かった。無理心中を含め、死亡した子どもは61人に上った。

社会的関心の高まりや児童相談所(児相)との連携強化で通報が増え、警察も積極的に対応したことが要因とみられる。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う家族以外との接触機会の減少で虐待が潜在化する懸念もあり、警察は情報収集に努める。

死亡した子どもは身体的虐待によるものが23人、育児放棄(ネグレクト)6人で、無理心中21人、出産直後の殺害など11人。生命の危険があるなどとして、警察が緊急で保護したのは5526人だった。

検挙の82%は身体的虐待(1756件)で、性的虐待(299件)も14%あった。加害者は最多が実父の995人で、実母588人、養父・継父300人、内縁の男210人と続いた。

虐待の疑いで警察が児相に通告した子どもは過去最多の10万6991人(確定値)で、初めて10万人を突破。このうち、子どもの目の前で親が配偶者らパートナーから暴力(DV)を受ける「面前DV」を含む心理的虐待が約7割を占めた。子どもがいたDVの現場に駆け付けた警察官が、虐待として通告するケースが増えているとみられる。

■2021.3.12  児童虐待通告 大阪は6年連続全国最多
大阪府警は12日、虐待の疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子供が、昨年1年間で1万2609人(前年比1490人増)で6年連続で全国最多だったと発表した。児童虐待事案の認知件数は7273件(同726件増)でいずれも過去最多。府警は増加の要因を「あらゆる事案で虐待の疑いがないかを徹底的に調査した結果だ」としている。

通告理由の内訳は、身体的虐待2462人
▽性的虐待16人
▽育児放棄(ネグレクト)1216人
▽心理的虐待8915人。心理的虐待のうち5284人は、子供がいる場所での夫婦げんかを含めた配偶者間暴力(DV)が行われた疑いがあるとするものだった。


虐待の摘発件数も過去最多で107件(同6件増)。
内訳は殺人3件
▽殺人未遂10件
▽傷害致死2件▽傷害48件
▽暴行13件−など。事件で死亡した子供は0〜5歳の5人で、3人が無理心中だった。摘発された113人のうち最多は実父の37人で、実母が36人、養父・継父が23人、内縁の夫が15人と続いた。

また、児相が自ら把握して対応したケースのうち、「重篤な事案」などとして府警に通報したのは251件。前年(120件)から2倍以上に増え、府警は「児相との連携が進んだ」としている。

大阪府は通報とは別に、軽微なものも含めた全ケースの概要を府警に送信する「全件共有」を行っているが、このリストをきっかけに府警が摘発したケースはなかった。

■2021.3.31  学習障害抱える児童、タブレット支えに無事卒業 ノート代わりに黒板撮影、テストでも利用OK
文字の読み書きが苦手な「学習障害」がある京都府長岡京市の児童が、理解を支える道具としてタブレット端末を活用し、今春小学校を卒業した。テストでの利用も認められており、国の施策で全児童生徒へのタブレット配備が本格化する中、障害がある子への対応の広がりに期待がかかる。ただ、専門家は「渡すだけでは問題が解決せず、個性に応じた補正が大切」と支援の必要性を呼び掛けている。

長法寺小に通っていた山木旬(しゅん)君(12)は、学習障害の一種「発達性ディスレクシア」と診断されている。知的能力に遅れは見られないが、漢字を枠の中に文字を収めたり、読んだりすることが苦手で、読み書きに多くの時間を要し、理解する前の段階でつまずく。「なんで自分だけできひんねやろう」と悩みは尽きなかった。

母の弥生さん(44)は、文部科学省が定める「合理的配慮」としての対応を学校と協議。文字やスペースを大きくし、ルビを打ったプリントや、ペンで触れると音声が流れる教科書に加え、6年生になるとタブレットを持参して使うことが認められた。

授業中は、読み書きを別の方法に置き換えている。ノートを取る作業の代わりに黒板を撮影。アプリを使い、画像への書き込みや自動読み上げができるようにする。画面上では自由に拡大可能なため、記入しやすくなるだけでなく、1文字ずつが認識できる利点もある。「置いてかれている」と感じていた授業が、少しずつ分かるようになった。2学期からは、一部の教科ではタブレットでのテスト受験も認められ、評価対象となった。

澄んだ空が広がった今月19日。卒業式を終えた山木君は、同級生たちと笑顔で記念写真に収まった。「しんどいこともあったけれど、楽しい6年間だった」と穏やかな表情を浮かべ、将来への思いを口にした。「夢は学校の先生になること。僕みたいな障害がある人に優しく教えてくれる先生がいたので、僕もそうなりたい」

■能力・特性に応じて調整を

文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」は、タブレットやパソコンを小中学生に1台ずつ配備する計画で、新年度から本格運用が始まる。障害がある児童生徒の情報通信技術(ICT)機器持ち込みは、自治体によって対応に差があり、活用へのハードルが軽減される可能性もある。

NPO法人「支援機器普及促進協会」(長岡京市)の高松崇さんは「視力が低い場合は眼鏡を掛けるように、学習障害がある子は、ほかの子と困り方が違うからタブレットを使うということ」と、必要性を説明する。

端末配備で、個人負担だけでなく、周囲の子や保護者が抱きがちな不公平感が、取り払われる利点があるという。その上で、「眼鏡も個人に合わせた調整が必要であるように、機器を渡せば理解できるのではなく、その子に合った補正が大切」と指摘する。機器の役割は本人の自立の支援だ。能力に応じたアプリの設定や、紙に文字を書くのと同程度の入力技術が、子ども自身で機器を使いこなす上で重要となる。

山木旬君は、ICT機器を通じた療育支援を行う放課後等デイサービス「ヴィキッズ」(向日市寺戸町)に通う。入力練習だけでなく、検索方法や、授業と日常生活に役立つアプリの使い方を学ぶ。帰宅後も、学校で撮った黒板画像で復習を繰り返し、活用技術の向上に努め、学習意欲にもつながっている。講師の岡田拓郎(たくお)さん(39)は「日進月歩の技術を使った新たなアプローチ。学習障害であることを気にせず生きていけるきっかけになれば」と見守る。

 

トップへ フッターへ