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残しておきたい福祉ニュース

 2021年 
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 2021. 5. 1 大阪で新たに1262人の感染確認 過去最多 感染者41人死亡
 2021. 5. 1 乗客1人がコロナ感染 クルーズ船「飛鳥2」横浜港へ
 2021. 5. 6 ワクチン注射器1本を廃棄 予約していた女性は当日接種できず
 2021. 5. 8 ワクチン36回分 使用済みと誤り廃棄 東京都立医療センター
 2021. 5.11 瓶に残ったワクチン集め接種、指導役の看護師が指示・・・市「不適切だった」と6人に謝罪
 2021. 5.13 62歳の神河町長 対象の高齢者でないのにコロナワクチン接種
 2021. 5.13 ワクチン接種で使用済みの注射器の針を刺すミス
 2021. 5.13 ワクチン960回分 使用不可に、神戸市で常温のまま放置
 2021. 5.13 62歳の神河町長がワクチン接種 廃棄分「無駄にできぬ」
 2021. 5.13 42歳町長、高齢者に先駆けワクチン接種 「私も医療従事者」
 2021. 5.13 注射器にワクチン入っておらず、男性に空気を注射 改めて接種
 2021. 5.13 大阪・河南町長、幹部ら50人接種 医療従事者枠使い先行
 2021. 5.15 130人超のクラスター、自宅療養者の死亡 今、神戸市で何が起こっているのか 行政幹部が語る「実情」


■2021.5.1  大阪で新たに1262人の感染確認 過去最多 感染者41人死亡
大阪府で5月1日、新たに1262人の新型コロナウイルス感染が確認された。
1日の感染者数としては、4月28日の1260人を上回り、過去最多となった。
1日の感染者数が1000人を超えるのは、5日連続。また、大阪府内では、感染者41人の死亡が確認された。
重症者数は4月30日時点で過去最多の412人となり、確保している重症病床数を上回る危機的な状況が続いている。

■2021.5.1  乗客1人がコロナ感染 クルーズ船「飛鳥2」横浜港へ
ゴールデンウイークに1週間かけて横浜と北海道を往復する予定だったクルーズ船の中で、新型コロナの感染者が出たことが分かり、船はクルーズを中止して、1日、横浜港に戻る。
「1名の陽性が判明し、発熱等の症状はないとの報告を受けている」

乗客乗員あわせて727人が乗ったクルーズ船「飛鳥2」は、4月29日の夕方、横浜港を出発し、青森や北海道を回って、5月5日に横浜に戻る予定だったが、4月30日午後、宮城県沖を航行中に船内で感染者が確認された。横浜市によると、新型コロナウイルスの感染が判明したのは、都内に住む60代の男性で、発熱はないが、のどに違和感があるという。

男性は出港の1週間前に受けたPCR検査では陰性だったが、乗船時に受けた2度目の検査で陽性となった。船内の「濃厚接触者」について、保健所は「一緒に乗船した家族の女性のみ」としていて、この女性は船内でPCR検査を受け、陰性だったという。

船はクルーズを中止して横浜港へ向け折り返し、1日昼頃に到着する見通し。

■2021.5.6  ワクチン注射器1本を廃棄 予約していた女性は当日接種できず
岐阜県羽島郡岐南町で行われた新型コロナワクチンの集団接種で1人分のワクチンが足りなかった問題で、ワクチン液が入った注射器1本が廃棄されていたことが6日、分かった。町が経緯を詳しく調べている。

町によると、同町八剣の町中央公民館で行った集団接種で4日、1人分のワクチンが足りなくなり、事前予約していた90代女性に接種できなかった。
町が調べたところ、使用済み注射器入れの中に、ふたが外れた状態のワクチン液が入った注射器1本が捨てられていた。ふたがいつ外れ、誰が破棄したかは不明だという。
この女性に対する接種は5日に行われた。

■2021.5.8  ワクチン36回分 使用済みと誤り廃棄 東京都立医療センター
東京都は7日、都立北療育医療センターが医療従事者用のワクチン36回分(6瓶分)を誤廃棄したと発表した。このため、同日までに1回目の接種を終える予定だった医師や職員ら33人が接種を受けられなかったという。

都によると、センターでは4月27日〜5月7日、希望する全職員328人に1度目の接種をする予定だった。6日朝、6、7日に使用する15瓶を冷凍庫から保冷庫に移動させ、6日は9瓶を使用した。

使用済みの9瓶を保冷庫に戻し、うち3瓶と未使用6瓶を6日夕に誤廃棄した。この結果、使用済みの6瓶が保冷庫に残された。
センターでは、使用後に瓶に残った微量のワクチンを集めて使おうと、期限まで保冷庫で保管していたが、実際に使ったことはないという。都は再発防止のため、使用済みの瓶を保冷庫に戻さないよう医療施設に通知する。

■2021.5.11  瓶に残ったワクチン集め接種、指導役の看護師が指示・・・市「不適切だった」と6人に謝罪
福岡県田川市は10日、新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け集団接種で、注射器に採取しきれずに瓶に残ったワクチンを集め、高齢者6人に接種していたと発表した。厚生労働省は1瓶からワクチン5回分を使った後の残りを廃棄するよう通知しており、市は「不適切だった」とし、6人に謝罪した。健康被害は確認されていないという。

市によると、男性2人、女性4人で、8日に同じ会場で接種を受けた。担当の看護師が、未使用のワクチンがあったのに当日分のワクチンが不足していると誤認。指導役の看護師の指示で複数の瓶から余ったワクチンを集め、接種に使ったという。未使用のワクチンは9日に見つかった。市は接種が有効かどうかを同省に確認している。

指導役の看護師は同省の通知を知らなかったという。記者会見した二場公人市長は「市民の信頼を損ね、おわびする。再発防止を図りたい」と述べた。

■2021.5.13  62歳の神河町長 対象の高齢者でないのにコロナワクチン接種
兵庫県神河町の62歳の町長が、65歳以上の高齢者を対象に町が行った新型コロナウイルスワクチンの集団接種の初日に接種を受けていたことがわかった。町長は「危機管理と廃棄分の有効活用のためだった」と話している。

対象者でないのに新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けていたのは、兵庫県神河町の山名宗悟町長。
町では今月6日から、65歳以上の高齢者で、基礎疾患があり重症化のリスクが高い人などを優先して、町立の神崎総合病院で集団接種を始めたが、62歳の山名町長はその初日に接種を受けたという。

山名町長によると、新型コロナの対策会議で週に1度はこの病院に出向くことなどから先月下旬に、副町長を通じて病院側に優先的に接種できないか相談したところ、「キャンセル分で対応できる」と回答があり接種を決めた。

山名町長はNHKの取材に対し、「病院運営や町政運営に支障がでないようにする危機管理のためと、廃棄されるキャンセル分の有効活用のために受けた」としている。
そのうえで、山名町長は、「その理由以上に優先的に受けたいという考えはなかったが、町民から批判が相次いだ場合は謙虚に受け止めたい」と話している。

■2021.5.13  ワクチン接種で使用済みの注射器の針を刺すミス
新型コロナのワクチン接種をめぐり、福岡県宇美町で11日、使用済みの注射器の針を誤って刺すミスがあった。

宇美町によると11日、町内の有料老人ホームで訪問接種を行った際、入所者への接種に使った注射器の針を看護師が誤って別の入所者に刺したという。
すぐに気がついて針を抜いて消毒し、新しい注射器でワクチンを接種した。

使用済みの針を刺されたのは80代の女性で、11日夜の時点で体調の変化はなく、女性は血液検査を受け、健康状態の確認が続けられている。
宇美町は手順の順守と確認を徹底し、再発防止に努めるとしている。

■2021.5.13  ワクチン960回分 使用不可に、神戸市で常温のまま放置
神戸市は、新型コロナのワクチン接種をめぐって配送時にワクチンが常温のまま最長で3時間放置されるミスがあり、960回分のワクチンが使用できなくなったと発表した。

「非常に貴重なワクチンを無駄にしてしまうことになりまして、誠に申し訳ございませんでした」(市の担当者)

神戸市は12日、会見を開き、市内3か所の集団接種会場で低温で管理すべきファイザー製のワクチンを常温のまま最長で3時間放置し、あわせて960回分が使用できなくなったと発表し、謝罪した。市によると、配送業者が誤って保冷ボックスからワクチンを取り出した状態で受け渡したことが原因で、あとから現場に着いた市の職員が気づいたという。

市は委託した配送業者に対し、口頭で管理方法を指示していたものの、配送員への指示が徹底されていなかったとしていて、今後は職員の配置時間を早めるなど管理を徹底するとしている。市は、今後のワクチン接種の予定に変更はない。

■2021.5.13  62歳の神河町長がワクチン接種 廃棄分「無駄にできぬ」
兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)が65歳以上の高齢者ではないにもかかわらず、新型コロナウイルスワクチンの優先接種を受けていたことが判明した。山名町長は12日夜に取材に応じ、「廃棄予定だった分を有効活用した。危機管理のために打った」と説明。2回目の接種についても「ワクチンを無駄にできないので受ける」と語った。

神河町では医療従事者や高齢者施設の入所者らからワクチン接種を実施。6日からは65歳以上の高齢者を対象に集団接種が始まった。山名町長は初日に接種を受けた。

山名町長によると、自身は公立神崎総合病院の開設者になっており、院内で開かれる会議に週1、2回参加している。前田義人副町長が4月下旬、院内での感染リスクを考慮して町長の接種を病院側に相談。町職員の病院事務長から「キャンセルが出たワクチンで対応できる」と返答があり、注射を打つことになったという。

山名町長は「割り込んで打ったわけではない。病院管理者の立場で接種したので、ご理解いただきたい。ただ、慎重に対応すべきだったかとも思う」と話した。

政治家のワクチン接種を巡っては、菅義偉首相が2月の衆院予算委員会で、国のリーダーとして優先的に打つべきだとする声に対し、「私自身は順番が来たら率先して接種をしたい。順番は専門家との相談の中で決められている」と述べていた。

■2021.5.13  42歳町長、高齢者に先駆けワクチン接種 「私も医療従事者」
茨城県城里町の上遠野(かとうの)修町長(42)が4月下旬、町内の高齢者に先駆け、新型コロナウイルスのワクチンを接種していたことが明らかになった。

上遠野町長は13日に記者会見を開き、「接種は(町の)保健センターで行われるため、その開設者である私も医療従事者。キャンセルが発生したため、廃棄を避けるために接種した」と説明した。

■2021.5.13  注射器にワクチン入っておらず、男性に空気を注射 改めて接種
北九州市は13日、新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け集団接種会場で12日、4回分のワクチンを紛失したほか、ワクチンが入っていない注射器を刺すミスがあったと発表した。

市によると、同市門司区の接種会場で12日の一般高齢者の接種が終わった午後8時頃、担当者が余ったワクチン4回分を保健所に運ぼうとした際、会場内に置いていたワクチンがないことに気づいた。廃棄された可能性もあるといい、調べている。

同市戸畑区の会場では、看護師がワクチンが入っていない注射器を男性に誤って刺し、空気0・3ミリ・リットルを注射した。ワクチンが入った注射器を接種ブースに運ぶ際、ワクチンが補充されていない注射器1本が混じっていたという。看護師がその場で気づき、その後、改めてワクチンを接種した。男性の体調に問題はないという。

北橋健治市長は13日の定例記者会見で「貴重なワクチンを無駄にして申し訳ない。ワクチンが入っていない注射を受けた人にもおわびしたい」と謝罪した。

■2021.5.13  大阪・河南町長、幹部ら50人接種 医療従事者枠使い先行
大阪府河南町の森田昌吾町長(64)や町職員ら約50人が、13日から始まった高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン集団接種に先行し、医療従事者枠を使ってワクチンを接種していたことが13日、分かった。

町によると、森田町長は「接種現場に滞在して状況把握や改善指示などを行っており、今回の接種が問題とは考えていない」とコメントしているという。
町側の説明によると、地元医師会から、感染リスクの軽減や住民の不安払拭のため、集団接種に先立ち、接種事業に当たる町職員を対象に医療従事者用のワクチンを接種してはどうかとの提案があった。これを受け、森田町長や副町長、教育長など幹部を含む町職員ら計約50人が今月6日に接種を受けた。

また、同府千早赤阪村の南本斎(ひとし)村長(66)も、一般高齢者向けの接種に先駆け、高齢者施設でキャンセルされるなどして余ったワクチンで接種を済ませたという。

■2021.5.15  130人超のクラスター、自宅療養者の死亡 今、神戸市で何が起こっているのか 行政幹部が語る「実情」
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。
神戸市では、介護老人保健施設で130人を超えるクラスターが発生したほか、入院調整を自宅で待っていた感染患者の死亡も後を絶たない。
関西テレビは、神戸市の新型コロナ対応の司令塔を務める花田裕之健康局長にインタビューを行った。

多忙の中で1時間以上にわたって語られた、最前線の実情とは…。

第4波での変化「ムチャクチャ。絶対ええことない」
検査をした医療機関などが感染の判明を報告する文書を「発生届」と呼ぶ。
保健所はそれを受け取ると、聞き取り調査を行い濃厚接触者がいないか調べる。その作業で、従来と第4波にどんな違いがあるのだろうか。

【花田局長】
第3波までは全件、保健師が訪問していました。PPEという保護ガウンを着て対応しますが、患者のご自宅の外から着ていくと大変なことになります。目立たないところに車を停め、分からないように入り、玄関でPPEを着てから患者に会って話を聞きます。

第4波になって余裕がなくなり、50歳以下は電話で済ませたり、家族以外の調査ができなくなったりしています。血中酸素濃度は96%以上が正常です。第3波では「93%や91%の人が家にいてもらうのは大変」という話でしたが、現在は80%台の人が普通に家にいます。

保健所の担当者は「もう70%台の方しか入院できていない」と言います。80%台は、呼吸が苦しくちゃんと話すことも難しい。普通の感覚でいうと、80%台の人が家におるなんてムチャクチャです。絶対ええことない。あり得ないです。

「入院させなあかんけど…」往診で命をつなぐ
入院させるべき患者が入院できない。
神戸市内の病床使用率は9割に達している。それは「1割が空いている」わけではない。受け入れ準備やスタッフの確保があるため、ほぼ満床を意味する。
そんな中、医療従事者たちは新たな取り組みを始めているという。

【花田局長】
宿泊療養施設で軽症から中等症になる方もいます。酸素吸入設備も置いていて、本来そういうことをする施設ではないが、やっています。ご自宅では色んな方が急変するので、なかなかその対応ができません。
本来は入院させなあかんけど、入院させられないのです。

病院も、「受け入れできない」と断った患者がその後どうなったかを知りません。ご説明すると、どこかの病院に行ったわけではないと初めて分かるのです。重症化したかなり後で入院するので、適切なタイミングでステロイドなどを投与できておらず、入院日数が長引く。長くなるから次の人が入れない。どんどんどんどん悪循環になっています。

市民病院では、「本来は自分たちが診るべき人だ」ということで、往診や電話診療を行い、酸素やステロイドの投与も行っています。医師会も民間のクリニックにも、「神戸の医療人として何かできることはないか」と同様の協力を頂いています。

今は「災害医療」のレベル。十分かというと十分ではない。我々は「往診に何人行けた」という数の話になりがちですが、患者ご自身にとっては1つの命です。1回の往診でその人の命が助かるのはすごいことです。

病床確保の現状「医療崩壊の引き金は、簡単に引くべきではない」
5月に入り、神戸市内の病床数は43床増えた。
感染の急拡大には追い付くはずもないが、コロナ病床が増え続けているのは確かである。
神戸市は「勧告に従わなければ病院名公表」といった、感染症法に基づく強制力のある要請はしていない。

背景には何があるのか。

【花田局長】
病院には「病床を少し開けてくれませんか」と回らせて頂いています。医療機関の中のことは我々には分からないので、勝手に「何床出せ」と言うと、下手すると通常医療を止めてしまうかも知れません。我々は状況だけお伝えします。最近は「1回受け入れたら次もいけるとは思わないから、1回だけでも助けてください」とお願いしています。神戸市の姿勢をお伝えすると、我々が思う以上に20床、30床と病床を増やして頂きました。

それで「できるやん」と言うのは違う。かなり無理をしています。あまりコロナに特化して無茶をさせると、コロナ以外の方を亡くならせてしまう。コロナ以外で亡くなっても報道されないですよね。もっと事態が悪化して海外みたいになったら、市民病院が救急をやめたりするでしょう。その時はもう普通の医療じゃなく、医療崩壊が始まっていると思います。簡単に「医療崩壊」と言う人がいるけど、その引き金は簡単に引くべきではありません。

病床の確保で「法に基づく要請」はしていません。今までの信頼関係で、常に情報交換しながらやってきました。神戸は震災を経験しているので、独特の助け合いの風土があります。そして第1波では、中央市民病院で院内感染がありました。神戸にとって中央市民病院は最後の砦。その神話が崩れたので、ものすごく皆が心配しました。少しは受け入れないと神戸の医療はもろとも終わると、皆が手を挙げて病床が増えたのです。

疲弊する保健師たち「代われるもんなら代わってやりたい」
聞き取り調査で濃厚接触者を見つけ、入院先を探す保健師。
入院できない患者が増え、「自宅療養・入院調整中の患者のケア」という仕事も増大している。
保健師たちの仕事場では今、何が起こっているのか。

医師でも保健師でもない事務職員である花田局長は、「代わってやることができない」と目を潤ませながら語った。

【花田局長】
正直、体調を崩す者はいます。激務なので。管理職は2月から休んでいない。入院調整の担当者は、血中酸素濃度が85%の人を入院させられずに「しょうがない」と言って帰っても、患者さんが気になって寝られないと言います。それが毎日ですから。

震災の時は、全庁を挙げて頑張って、他都市からもたくさん応援に来てもらいました。土木や建築の技術が要るものもありましたが、大半は皆で一緒にやればできたんです。今は医療の話が多いので、あの時とは違います。

できたら少しでも休むというか、早く帰ってほしいんですけど。私の話が空虚なもんでね、タクシーチケットを配ってるくらいです。「遠慮なく乗って帰ってくれ」って。夏や冬、定時の執務時間が終わると冷暖房が切れるんですけど、「切らんとってくれ」とかね。それぐらいのことしかできひんのです。

「あんまり無理せんとってくれ」と言うと、「患者さんの命があるのに」って怒り出すんですよ。「市民の命がかかってるんで、局長そんなこと気にせんとってください!」って。保健師らの使命感の高さと、このやる気は、いったい何なんかなと。このパンデミックが終わっても、反省して体制を持っておかなあかんと思います。

神戸市は、今年4月に保健師を45人増やした。それでも足りず、来年度はさらに50人増やし300人体制にする。
年度途中でも働ける人は加わってもらう。コロナ終息までの臨時雇用や民間企業からの応援派遣ではなく、正規職員としての採用だ。
久元喜造市長は「定年まで在職して頂く。コロナはいつか必ず終息するが、市民の健康のために働いてほしい」と話す。
保健師の仕事は多岐にわたり、感染症対策だけでなく乳幼児などの健康指導も行う。それで児童虐待の端緒をつかむことも多い。仕事は尽きることがないのだ。

医療を正常に戻すために…「単純な、2つのこと」
家庭内や施設内の感染など、避けようがない事例もある。
感染者を非難するのは間違いだし、差別など絶対にあってはならない。
一方で、神戸市の感染者1万3000人超の聞き取り調査を丹念に積み上げてみると、約8割に共通する原因が見えてきた。
そこに感染拡大を食い止める鍵があるという。

花田局長】
「マスクを取って話をしない」「マスクを取って話をするなら十分に間隔を空ける」。その単純な2つのことだけで、医療を正常に戻していけるんです。そのうちご自身の身内で、入院できない人が出てくる。その時に分かると思います。自分の行動がつながっているとはピンと来ないんですね。

「医療ひっ迫」とか「医療崩壊」とか毎日のように聞いているから、もう言葉に「免疫」ができているんじゃないかって。コンビニの前で立ち飲みしとう人らですわ、輪になって…どないしたら通じるんかな。難しいですね…。変な「免疫」をつけずにもう一度、気を引き締めてこれ以上事態を悪化させないように、しばらくは慎んでほしいということですね。

「医療の危機」と言われて久しい。今こそ、不要な「免疫」を捨て、改めて危機感を持たなければならない。取材を通じてそう強く感じた。

 

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