残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2013年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2013. 1. 1 経営危機のシャープが始めた障害者支援 その理由は…
 2013. 1. 2 知的障害者の再犯防げ 検察、福祉との連携模索
 2013. 1. 2 福祉理美容士の受講募集…三重
 2013. 1. 5 インフル集団感染、80代の患者1人死亡 甲府の病院
 2013. 1. 6 障害のある人が気軽に来られる店をつくりたい 賛助店30以上
 2013. 1. 8 20年後、31地域で勤務医不足/人口構成の変動で
 2013. 1. 9 障害者就労施設の月額工賃、目標の半額 香川県
 2013. 1.10 障害者総合支援法:「難病」の対象範囲を限定
 2013. 1.10 重症心身障害者、在宅6割超 福岡県が九州初の全県調査
 2013. 1.10 高松地裁が要約筆記公費負担提案 異例の対応
 2013. 1.11 福祉事業所の製品カタログ NPOが作成
 2013. 1.12 「稲むらの火」点訳絵本に/さぬきのサークル
 2013. 1.12 京都の串カツ店で高校生13人食中毒 ノロウイルスを検出
 2013. 1.15 ノロ感染、入院患者1人死亡/丸亀の病院
 2013. 1.15 広まる介護ボランティア/75自治体で制度
 2013. 1.15 障害者ら買い物気軽に 高知のNPO実験
 2013. 1.15 高齢者虐待を早期発見!「虐待予防・発見チェックシート」
 2013. 1.15 バスアナウンス:「視覚障害者向け音声」は騒音? 福岡・西鉄の477カ所、住民苦情で中止 専門家「技術的解決策もある」
 2013. 1.16 亀山のノロウイルス集団感染 2人死亡
 2013. 1.16 胎児情報に葛藤深く 新出生前診断、今春開始へ
 2013. 1.17 堺市で男女25人食中毒、12人からノロウイルス検出
 2013. 1.17 取り調べあり方問う 知的障害者めぐり研修会
 2013. 1.18 「改めておわび」=元理事長が会見−たまゆら火災
 2013. 1.18 元理事長に有罪判決=元施設長は無罪−たまゆら10人死亡火災・前橋地裁
 2013. 1.18 ノロウイルスで営業禁止 豊岡の温泉施設
 2013. 1.19 放火殺人「誰でもよかった」と介護福祉士の女
 2013. 1.19 黒石市福祉センター 男性職員が2500万円横領
 2013. 1.19 送迎中の安全走行へ/さぬきの福祉施設で教室
 2013. 1.19 送迎ワゴン車が電柱に衝突 デイサービス利用の2人死亡
 2013. 1.19 逮捕の義妹、度々虐待 北九州の床下遺棄事件で供述
 2013. 1.20 集団感染相次ぐ…ノロ 正しく対策を
 2013. 1.21 高齢者100人が巨大パッチワーク 宇都宮
 2013. 1.21 社会福祉士を非常勤職員として初採用 東京地検
 2013. 1.21 福祉支援の審査提出、地裁が拒否 長崎の裁判員裁判
 2013. 1.21 将来、65歳以上の高齢世帯が半数近くに増加!国立社会保障・人口問題研究所
 2013. 1.22 企業の障害者雇用枠が拡大
 2013. 1.22 ゆずりあい駐車場 来月から全県に
 2013. 1.22 車いす用スロープ設置義務化へ 障害者雇用で意見書素案
 2013. 1.22 あきる野の特養入所者無断撮影:介護主任、動画も トイレ個室内も映る /東京
 2013. 1.23 長崎の障害者施設、日常的虐待か 県警が職員5人を書類送検
 2013. 1.23 障害者雇用三セクに600万円支援…島根
 2013. 1.23 鹿島臨海鉄道 初のお菓子を発表 水戸市の障害福祉サービス事業所
 2013. 1.23 岸和田、摂津両市でノロ集団感染 男女2人死亡
 2013. 1.24 障害者の手作り品販売
 2013. 1.24 発達障害チームで支援 群馬
 2013. 1.24 織物で雪道の滑り止め 車いすのタイヤに装着
 2013. 1.24 3月5〜7日に有料老人ホーム110番
 2013. 1.24 あきる野の特養入所者無断撮影:理事長「問題なし」報告 職員困惑「人権考えていない」 /東京
 2013. 1.25 介護福祉士逮捕で意見交換
 2013. 1.25 津波で被災ホームが移転、着工 介護施設の再建本格化へ
 2013. 1.25 あきる野の特養入所者無断撮影:女性の夫、怒り 「犯罪と同じ、訴えたい気分だ」 /東京
 2013. 1.26 福祉パス年1200円に、障害者就労状況など配慮/横浜市
 2013. 1.27 復興住宅 老老介護が深刻…神戸
 2013. 1.27 福祉法人 災害備蓄で協力 和歌山
 2013. 1.27 外国人の介護福祉士試験にふりがな
 2013. 1.28 手軽に意志伝達、筆談アプリを発売 姫路の福祉用品販売会社
 2013. 1.28 寒い時期は「老人性低体温症」に注意しましょう!
 2013. 1.30 日本知的障害者福祉協会と日立システムズ、福祉事業者向けシステムを開発
 2013. 1.31 医療・福祉活動の災害時支援、官民チーム発足へ…広島
 2013. 1.31 大興タクシー不正請求:刈谷市処分 福祉助成、知立市にも129件2万9340円 /愛知
 2013. 1.31 車椅子バスケ:福祉出前授業で選手が実演 園児が歓声 笠松 /岐阜


■2013.1.1  経営危機のシャープが始めた障害者支援 その理由は…
2012年に創業100周年を迎えたシャープが、同年から本格化させたことがある。全国の特別支援学校に通う障害児・者への就業支援活動や環境教育だ。13年3月期に過去最大4500億円の最終赤字を見込む最悪の時期に始まった理由は、100周年だけではない。そこには「ここ10年でようやく電機大手の一角に食い込み」(シャープ)、創業者の思いを具現化できる企業に成長したことがあった。

今でこそ電機大手8社の一角を占めるシャープだが、1980年代から90年代にかけては売上高が1兆円台にとどり、2兆円を超えたのは2001年3月期になってからだ。パナソニックの売上高は当時から7兆円前後に達しており、シャープは大手の一角、三洋電機の「背中を追いかけていた」(同)。

■始めた背景に「大手の一角」への成長

そのシャープが全国的に認められるようになったのは、「世界の亀山ブランド」を手にし、液晶テレビ「アクオス」でシェアを拡大してからだ。アクオス人気で、売上高は三洋電機を上回り、2007年3月期にはパナの半分近い3兆円に到達した。

時期を同じくして、シャープは会社としても社会貢献活動を活発化。06年10月から「小学校環境教育」を始め、シャープの社員とNPO法人気象キャスターネットワークの所属キャスターが年間500校ペースで小学校を訪ね、地球温暖化や新エネルギーなどをテーマに出張授業をしている。

そして、昨年9月から始めたのが、視覚障害児・者への環境教育だ。創業者、早川徳次氏が幼いころから抱いてきた思いを、社員による社会貢献活動のなかで結実させたのだ。

1893(明治26)年、東京・日本橋のちゃぶ台製造・販売業の家に生まれた早川氏は、母親が病気がちだったこともあり、幼くして奉公に出された。奉公先に連れて行ってくれたのが、近くに住む盲目のおばあさん。早川氏は、手をひかれて奉公先へ連れて行ってもらったことを「生涯の門出」と捉え、自ら事業を立ち上げ、事業が拡大してからも、その手のぬくもりを忘れることがなかった。

■創業者の思いが今に生きるシャープ

第二次大戦中の1944(昭和19)年、失明などの戦傷者らの職業訓練を行う工場「早川分工場」を創設。50年には「特選金属工場」(現・シャープ特選工業)として新会社を創立し、今も50人を超える障害者が部品の梱包(こんぽう)や書類の電子化、印刷業務などに携わっている。

昨年から本格化させた障害児・者への就業支援活動は、大阪市阿倍野区の本社近くにあるシャープ特選工業を舞台に実施。全国の特別支援学校に通う障害児・者を年間600人ずつ招き、職場見学や就労体験をしてもらうことで、自立意識を高めてもらおうというものだ。

本格化させたもう1つの取り組みが支援学校における出前授業だ。聴覚障害者を対象に09年から始めた出前授業は、昨年からその対象を視覚障害者にも広げた。昨年9月、大阪市東淀川区にある市立視覚特別支援学校で行った授業では、シャープ社員2人と気象キャスター1人が担当した。

この日は小学部3〜5年生の7人が授業を受け、環境教育に使ったのは、社員による手作り教材。手回し発電機には送風機を付け、目が見えなくても風で電気が起こったことを感じてもらえるようにし、子供たちからは歓声が上がった。

「規模を追わない身の丈経営」を信条としたシャープ中興の祖、佐伯旭社長時代、シャープは堅実な経営を続けた。しかし、「液晶のシャープ」を作り上げた町田勝彦社長時代以降、液晶頼みになりすぎ、テレビが家電の王様でなくなったのと同時、巨大な赤字企業へと転落した。

「まねされる商品をつくれ」と社員を叱咤(しった)激励した早川氏の下、シャープはさまざまなユニークな商品を世に送り出してきた。シャープの命運がかかっている新型液晶パネル「IGZO」もその1つだが、IGZOだけでは、シャープがV字回復するのは明らかに無理だ。

ただ、創業者の思いを100年目にして実行に移す社員がいるシャープは、意外としぶといのではないか、とも思う。シャープの作り出す商品に「まねされる商品」が多く出てくれば、シャープにとっての2013年は明るい年になる。 

■2013.1.2  知的障害者の再犯防げ 検察、福祉との連携模索
刑務所から出ては犯罪を繰り返してしまう知的障害のある人たち。その立ち直りを支援するため、検察と社会福祉法人の連携が広がっている。刑務所で更生を期待するよりも、容疑者・被告段階から福祉につないで社会復帰を促す試みだ。長崎地検に続いて年明けからは仙台、大津両地検で始まる見通しだ。

犯罪白書によると、2007年の全受刑者の約15%が入所2回目以上の知的障害者だった。こうした「累犯障害者」の6割が、出所から1年以内に再犯に及んでいるという法務省のサンプル調査結果もある。

対策として厚生労働省は09年、刑務所からの出所者を対象に福祉施設への橋渡しなどを担う「地域生活定着支援センター」の設置を全国で始めた。長崎県では、雲仙市の社会福祉法人「南高愛隣会」が受け入れを拡大し、長崎地検と連携して試行に取り組む。


■2013.1.2  福祉理美容士の受講募集…三重
介護福祉施設に入所するなどして理容店や美容院へ行けない人のため、介助の知識を理解したうえで施設や個人宅へ出張して洗髪や整髪を行う「福祉理美容士」の養成講座が4月、三重県内で初めて開かれる。

高齢化で全国的にニーズは高まっていて、講座を主催するNPO法人「日本理美容福祉協会」(東京)の三重中部センター「きれいや」(東員町)が、受講者を募集している。

福祉理美容士は、同協会による2日間の講座などを終えた理容師や美容師を認定する民間資格。資格取得を希望する人は、2か月前に届くテキストで自宅学習してから講座に参加。講座初日は、感染症の予防や消毒方法、安全衛生管理、高齢者や障害者とのコミュニケーションなどを学ぶ。2日目は、ベッドから車いすへの移動方法、寝たきりの人へのカットやシャンプーなどの実技を習得する。

資格を持つ東員町の理容師小山悠樹さん(25)は、余命数週間と告げられた人を訪ね、パーマをかけたり、毛染めをしたりして、手を合わせて感謝されたことがあるという。

「その人の人生最後のカットに携わることもある。業界に介助の知識が広まって、少しでも多くの理美容師が訪問できるようになれば」と小山さんは話す。

講座は4月29、30日、津市桜橋の県社会福祉会館で開かれる。県内の理美容師が対象で定員は40人。受講料は2万5000円(テキスト代含む)。申し込み締め切りは1月18日。申し込みや、理美容の出張への問い合わせは「きれいや」(0594・76・8765)へ。

■2013.1.5  インフル集団感染、80代の患者1人死亡 甲府の病院
甲府市宝1丁目の甲府共立病院(大畑和義院長、283床)は5日、入院患者や職員がインフルエンザに集団感染し、80代の男性患者1人がインフルエンザとノロウイルスによる多臓器不全で死亡した、と発表した。ほかに患者と職員計13人がインフルエンザに感染しているが、全員が快方に向かっているという。

病院によると、昨年12月27日に入院した患者に発熱の症状があり、自由に出入りできるデイルームで他の患者に感染し、同じフロアに広がったとみられる。

1月1日に患者7人と職員2人、2〜4日に患者5人の感染を確認した。1日からはデイルームの使用を禁止し、感染した患者を一つの病室に集めて面会を制限している。ノロウイルスについては数人の発症者がいるが、潜伏期間などから集団感染ではないという。

■2013.1.6  障害のある人が気軽に来られる店をつくりたい 賛助店30以上
詳細
http://social-welfare.rgr.jp/databox/houdou-asahi-essence_001.jpg


NPO法人essence(エッセンス)
http://www.essence-since2011.com/

障がい者にとって、当たり前のことが当たり前ではない社会において、飲食業もその例外ではないと感じています。「行きたいけど行けない…」、そう訴える声が少なくない。
飲食業界における、障がい者との交流を軸とした社会貢献を継続的に行う為に、双方の繋がりをコーディネートする役割を担った非営利団体。

■2013.1.8  20年後、31地域で勤務医不足/人口構成の変動で
20年余り後の2035年には、14都府県の31地域で病院勤務医の不足が深刻化する一方、18道府県の21地域では勤務医が余る可能性が高いことが8日、国際医療福祉大大学院の高橋泰教授の調査で分かった。少子高齢化の進行で人口構成が変動し、地域ごとの患者のニーズと病院の受け入れ能力との差が広がるためだ。

調査では、複数の市区町村にまたがる「2次医療圏」(全国で349地域)ごとに、35年までの人口構成の変化を反映させ、病院での医療が必要な人と勤務医の数を分析し、将来の過不足を独自に判定した。

■2013.1.9  障害者就労施設の月額工賃、目標の半額 香川県
香川県内の障害者就労施設の2011年度の月額工賃は平均1万2123円で、工賃倍増を掲げた「県工賃増額支援計画」の目標額2万4千円の2分の1にとどまったことが県の調査で分かった。県は各施設と連携して工賃の向上を目指す新たな指針を12年度に策定。商品開発や販路拡大など具体的な支援策を盛り込み、14年度の目標工賃を1万8500円と定めている。

県によると、県内の障害者就労施設のうち、11年度の月額工賃が1万円以上の施設は28事業所、1万円未満は35事業所。最高は4万3886円で、最低は3千円だった。平均工賃は支援計画を策定した07年度(1万877円)より1246円増えたものの、目標と大きくかけ離れている。

指針では、各施設の年間事業計画を基に14年度までの新たな目標工賃を設定。12年度は約2千円増の月額1万4500円、13、14年度はそれぞれ2千円増の1万6500円、1万8500円とした。

支援策としては、業務を共同受注する窓口機能を強化。NPO法人県社会就労センター協議会が中心となり、業務受注や役割分担、各施設で生産する製品の販路拡大、新商品開発などを後押しする。新分野進出や販路開拓などのノウハウを持つ専門家の派遣も行う。県障害福祉課は「新商品の開発によって働く意欲の向上につながる」としている。

■2013.1.10  障害者総合支援法:「難病」の対象範囲を限定
今年4月に施行される障害者総合支援法で、ホームヘルプや補装具支給など障害福祉サービスの対象者に「難病」が加わる。公的支援のない難病患者は多く、期待は大きかったが、厚生労働省は先月、対象範囲を暫定的にパーキンソン病など国の調査研究助成対象の130疾患と関節リウマチとする方針を示した。国内に患者がいる希少疾患は数千あるとされる。対象外となる患者団体は「病名で区切らず、生活実態から判断すべき」として国への働きかけを検討している。

 ◇病名だけで決めないで…患者らが訴え

同法に基づくサービス対象者は、市町村が医師の診断書などを元に判断するが、その基準となる厚労省方針は昨年12月に示された。

激しい疲労が続き、筋肉痛や睡眠障害を伴うことも多い筋痛性脳脊髄(せきずい)炎は対象とならなかった。慢性疲労症候群とも呼ばれるこの病気の患者会のNPO法人理事長、篠原三恵子さん(54)=東京都東久留米市=は、ほぼ寝たきりで、食事も外出も介助者が必要だ。

難病患者は、症状が変わったり診断が難しいなどの理由で身体障害者手帳を取得できない人も多い。このため現行の障害者自立支援法の対象にならず、福祉サービスについて全額自費負担したり、控えざるを得ないケースも多かった。篠原さんによると、同症候群の患者も例外ではない。

茨城県つくば市の女性(43)もその1人だ。都心で会社勤めをしていた31歳の秋、微熱が続き、突然、鉛のように体が重くなった。半年欠勤後に退職して帰郷。多くの病院を回り、診断を得られたのは2年前だ。

年末年始は自宅で過ごした。ほぼ唯一の外出は年明けの2日、自宅脇の公園に出掛けた母との散歩だった。「今の希望は、わずかでも仕事をして社会とつながっていると感じること。そのためにホームヘルプや就労支援の福祉サービスが受けられれば」と語る。

薬を服用しないと脱水症の危険に陥る「下垂体(かすいたい)機能低下症」を抱える弁護士の青木志帆さん(31)=大阪市=は「この病気は対象になったが、谷間に陥る人を無くすため、病名でなく支援が必要な状況かどうかでみてほしい」と指摘する。

■2013.1.10  重症心身障害者、在宅6割超 福岡県が九州初の全県調査
重い障害のため日常的に介護を必要とする重症心身障害児・者は福岡県内で約3千人に上り、うち6割超の約2千人が家庭で過ごしていることが9日、同県の調査で分かった。県単位の広域的な実態調査は九州では初めて。痰(たん)の吸引など医療的ケアを必要とする在宅患者も少なくないとみられ介護負担が家族にのしかかっている現状が浮き彫りになった。県は親たちを休ませるため、一時的に患者を福祉施設や病院に預かってもらう「家族のためのケア」(レスパイトケア)対策に本腰を入れる。

重症心身障害とは、日常的な動作や姿勢を維持するのが難しく、物事を理解したり判断する力に遅れがある状態をいう。こうした障害児・者のうち、断続的な痰の吸引や管を通した栄養(食事)の注入など、常に医療的なケアが必要な在宅患者の実態はつかみにくい。福岡をのぞく九州6県では、既存福祉サービスの受給者数の把握にとどまるなど、本格的な調査には至っていない。

家族の負担軽減を求める声も根強いことから、福岡県は昨年5月、調査に着手。市町村を通じ、身体障害者手帳(1、2級)と、重い知的障害の程度を示す療育手帳Aの両方の所持者(同3月末時点)を照合し、その数を積算した。福祉サービスの利用状況のほか、福祉施設などの入所者か在宅かを調べたところ、在宅が3分の2を占めた。

同県は「施設への長期入所より、緊急時に対応する短期一時入所(ショートステイ)のニーズが高い可能性もある」(関係者)と想定。福祉施設や病院に対する人件費や設備投資の助成制度導入を視野に、今後、さらに詳細な実態を把握し、在宅患者や親などのニーズを見極める。追加調査は市町村に再度、協力を求める方向で検討する。

県幹部は「親へのケアのニーズが高まっているのは間違いない。今回の調査を、実現のための一歩としたい」と話している。

■2013.1.10  高松地裁が要約筆記公費負担提案 異例の対応
聴覚障害のある高松市の女性が市外で福祉サービスを受けられなかったのは違憲として市を訴えた訴訟で、高松地裁は9日の進行協議で、法廷でのやりとりを文章化してスクリーンなどに映す「要約筆記」を公費負担で導入すると提案した。

原告側は法廷での手話通訳の公費負担を求めており、要約筆記の提案は拒否したが、原告側弁護団の安西敦弁護士は「要約筆記の費用を公費で負担するという案は例がないのではないか」としている。

■2013.1.11  福祉事業所の製品カタログ NPOが作成
千葉県内の障害者福祉事業所で作られる製品を多くの人に知ってもらおうと、千葉市のNPO法人が障害者支援団体と協力して、福祉事業所のギフトカタログを作成した。

個性豊かで質の高い商品が紹介され、好評を得ている。

作成したのは、市民団体向けに経営、会計に関する講座を開いている「ちば市民活動・市民事業サポートクラブ」(千葉市美浜区)。

同法人の佐脇みすずさん(54)は2009年、自身が企画した講座で、障害者福祉事業所の高品質な製品が、従業員やその家族など狭い範囲にしか流通していないことが多いと知った。

「『福祉だから』ではなく、純粋に質の高さで勝負できないか」「お歳暮やお中元などのギフトに適しているのでは」。同法人のメンバーでプロジェクトチームを作り、カタログの作成に取りかかった。昨年2月にテスト版を作成して手応えをつかみ、同11月、お歳暮など冬のギフトを想定して5000部を発行した。

カタログでは、県内6事業所で作られている食品や雑貨を掲載した。東庄町の「笹川なずな工房」は、地元のイチゴなどを使ったジャム3種セット(1400円)、千葉市の「あけぼの園」は、白木を丁寧にヤスリがけして仕上げた組み木のパズルなどのおもちゃセット(3000円)を出品。ほかにも、米粉麺や手作りせんべい、クッキーやパイなど、個性豊かな商品が紹介されている。

佐脇さんらは事業所に足を運び、品質の高さに目を見張ったという。その驚きをそのまま紹介文にし、デザインも、百貨店のカタログをイメージして、シンプルで温かみがあるように仕上げた。趣旨を理解してくれたデザイナーや写真家らが格安で請け負ってくれたため、制作費は約15万円と予定よりも低く抑えることができたという。

県によると、県内の障害者福祉事業所で働く障害者の月額平均工賃は1万3977円。佐脇さんは「カタログが働く障害者の現状を知ってもらうきっかけになり、地位向上にもつながれば」と話す。当面は冬や夏の季刊とするが、通年の刊行を目指す考えだ。

A4判4ページ。希望者に無料配布する。問い合わせは同法人(043・303・1688)へ。ホームページ(http://www2.odn.ne.jp/npo-club/)からもダウンロードできる。

■2013.1.12  「稲むらの火」点訳絵本に/さぬきのサークル
香川県さぬき市で活動する点訳サークル「コスモス」(有田幹子代表)が、小泉八雲原作の「稲むらの火」の点訳絵本化に挑戦。このほど約40部が完成し、県立盲学校や関係福祉施設などへの配布を始めた。物語は津波防災教育の優れた教材として知られ、東日本大震災以降、「防災情報のバリアフリー」を掲げて活動するコスモスのメンバーが、ほぼ1年がかりで作成した。

「稲むらの火」は、江戸時代の安政南海地震(1854年)で和歌山県であった史実を基にした物語。海の異変に気付いた主人公が高台にある自身の大切な稲むらに火を放ち、海沿いの住民を大津波から救ったという内容で、津波への警戒や早期避難の重要性、人命救助のための犠牲的精神を説いているため、かつては国語の教科書にも採用。大震災後、再び注目が集まっている。

コスモスは2005年に活動を始め、主に市広報紙や市図書館の蔵書の点訳を行ってきた。さらに大震災後は、視覚障害者から防災情報の提供を求めるニーズが高まり、新聞記事などの点訳に着手。今回の点訳絵本も「子どもにも分かりやすい防災教材がほしい」との要望を受けて作成を決めた。

今回は、絵本作家・高村忠範氏の作品を題材に、初の試みとなる挿絵の点図化にも挑戦し、B5判28ページにまとめた。将来的には挿絵に色づけを行う計画で、有田代表は「市内の小学校などに配り、視覚障害者と点字への理解を広げる一助にもしたい」と話している。

点字利用者には無料で配布している。問い合わせは市社会福祉協議会〈0879(52)2950〉。

■2013.1.12  京都の串カツ店で高校生13人食中毒 ノロウイルスを検出
京都市保健所は12日、同市右京区西院高山寺町の飲食店「串八 西院店」で串カツなどを食べた高校生13人が8日朝から下痢や嘔(おう)吐(と)などの食中毒症状を訴え、うち10人からノロウイルスを検出したと発表した。男子生徒(16)が念のために入院したが、生徒らはいずれも軽症で、快方に向かっているという。

同保健所によると、13人は京都市内の高校に通う15〜16歳の男女13人。ほかの生徒5人を含む18人で7日夜に同店を利用し、串カツやサラダなどを食べた。調理を担当した従業員2人からもノロウイルスを検出したため、同保健所は同店で提供された食事が原因と判断、12日から3日間の営業停止とした。

■2013.1.15  ノロ感染、入院患者1人死亡/丸亀の病院
香川県は14日、丸亀市内の病院で、入院患者と職員の男女計10人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、このうち70代の男性患者1人が13日に死亡したと発表した。亡くなった男性患者ら5人の便からノロウイルスが検出されており、県はノロウイルスの集団感染とみて調べている。

県薬務感染症対策課によると、8日に入院患者の1人が下痢や嘔吐を訴えて以降、14日までに60〜80代の入院患者6人と、入院病棟担当の看護師ら職員4人が相次いで発症。亡くなった男性が重症化した13日夕、県中讃保健福祉事務所に病院から届け出があった。男性の死因は、感染性胃腸炎による慢性腎不全の悪化とみられるという。ほかの9人に重症者はいない。

香川県は14日に立ち入り検査を実施。手洗いや汚物の適切な処理などの徹底を指導したほか、当分の間、全入院患者と職員の健康観察を行うことを指示した。
 県は「適切な感染拡大防止対策が取られており、院外に拡大する恐れはない」などとして、施設名を明らかにしていない。

香川県内では今冬、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行し、昨年12月中旬には過去20年間で最高の水準に達した。現在は減少傾向にあるが、高齢者や幼児は発症すると重症化の恐れがあり、県では引き続き注意を呼び掛けている。

■2013.1.15  広まる介護ボランティア/75自治体で制度
元気なお年寄りが介護施設でお茶くみや行事の手伝いをする「介護支援ボランティア制度」が全国に広まっている。社会参加に生きがいを感じ、健康を維持してもらうのが狙い。自らが要介護状態になるのを防ぎ、介護給付費の抑制につながったとの試算もある。2007年に全国に先駆けて始めた東京都稲城市によると昨年11月現在、36都道府県の75市区町村が同様の制度を設けている。香川県内では小豆島、綾川の2町で実施している。

12月、稲城市内の介護施設「いなぎ苑」。市の介護支援ボランティア制度に登録した渡辺光栄さん(75)が、教室で7人の利用者に「松竹梅図」の貼り絵を指導していた。

段ボールを竹の形に切り取り、緑色の千代紙を貼る。作業に慣れると渡辺さんが問い掛けた。「初めて男の人と手をつないだ日って覚えてる?」。1人が「15歳の時のダンスパーティー」とつぶやくと、笑い声がはじけた。

希望者は市の社会福祉協議会に登録して施設を紹介してもらう。活動内容は入居者の話し相手、洗濯物の整理やシーツ交換などで、約1時間が100ポイント=100円に換算され、年間最大5千円の現金に交換できる。稲城市によると、制度は同市が中心になって考え出した。

「この活動が生活の張りになっている」と渡辺さん。「職員にはできない関わり方で利用者を楽しませてもらっている」と施設側にも好評だ。

稲城市は人口約8万6千人で、65歳以上の高齢者は約1万5千人。このうち介護支援ボランティアに登録しているのは約500人で、登録者の2〜3割はボランティア初挑戦だ。

市の工藤絵里子介護保険係長によると、退職後に自宅に引きこもりがちになる高齢者は少なくない。活動の参加者は他の高齢者に比べて要介護になりにくい傾向が見られ、10年度はポイントの換金分などを差し引いても介護給付費約700万円を抑制できた計算になるという。

■2013.1.15  障害者ら買い物気軽に 高知のNPO実験
高知市内の商店街で高齢者や障害者らが気軽に買い物や散策を楽しんでもらえるよう、NPO法人「福祉住環境ネットワークこうち」が、車椅子や手押し車などの貸し出しや、スタッフが付き添って商店街を案内するサービスを始めた。

当面は毎月第2土曜日の午前11時〜午後5時に開催し、定着すれば回数を増やすことも検討する。

タウンモビリティーという取り組みで、高齢者や障害者らが市街地に出かけやすい環境を作り、合わせて商店街の活性化につなげるのが目的。1978年頃に英国で始まり、国内でも2000年頃から岡山市や青森市などの商店街で社会実験が続けられ、広がりを見せている。

県内では福祉住環境ネットワークこうちが中心となり、11年から年2回ほど社会実験を実施。市や帯屋町筋商店街のアンテナショップ「てんこす」などの協力を得て、今年から月1回のペースでサービスを提供することになった。

「てんこす」に貸し出し所を設置し、車椅子と手押し車を各5台、筆談器10台を無料で貸し出すほか、車椅子対応トイレや筆談器のある店や施設を紹介したマップも用意。約10人のNPOのスタッフや学生ボランティアが待機し、1回500円で買い物や散策に付き添ってくれる。

体が不自由で車椅子生活を送る高知市長浜、宇賀智子さん(27)は初日の12日、スタッフと一緒に雑貨店などを回った。「商店街は人出が多く、通行の邪魔になるのではと思い、足が遠のいていた。付き添い者がいると安全。人との交流や行動範囲が広がり、街歩きが楽しみになる」と満足そうだった。

福祉住環境ネットワークこうちの笹岡和泉理事長(41)は「障害者らにとって街に出ることは特別なことではなく、当たり前の楽しみに変えたい。気楽に足を運べる街や商店街を作るために、このサービスを根付かせたい」と意気込んでいる。

■2013.1.15  高齢者虐待を早期発見!「虐待予防・発見チェックシート」
高齢者の人権を侵害する「高齢者虐待」が今、問題となっている。

「高齢者虐待」は主に、殴る蹴るなどの身体的虐待、暴言やいやがらせなどの心理的虐待、年金などを勝手に使うなどの経済的虐待、性的な行為の強要などの性的虐待、劣悪な環境で放置するなどの介護・世話の放棄・放任がある。

「高齢者虐待」の多くは、虐待の自覚がない
また、「高齢者虐待」の特徴には、虐待をしている側に自覚がない事が多く、虐待されている側も意思が伝えられずに周囲が虐待を見逃すことがある点だ。事実、虐待が疑われるケースの約1割が生命の危険に陥る状態まで気づかれずにいる。

「虐待予防・発見チェックシート」
東京都福祉保健局は、こういった「高齢者虐待」を予防するための「虐待予防・発見チェックシート」をウェブサイト上で提供している。シートは下部リンクより無料でダウンロードできる。

「虐待予防・発見チェックシート」東京都福祉保健局※PDF
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/zaishien/

日常的に世話する家族、介護・福祉施設に従事するスタッフはとくに、虐待の早期発見のためにも本シートを活用し虐待防止につなげたい。

■2013.1.15  バスアナウンス:「視覚障害者向け音声」は騒音? 福岡・西鉄の477カ所、住民苦情で中止 専門家「技術的解決策もある」
福岡県内のバス停で、視覚障害者向けに行き先を案内する車外アナウンスが、近隣住民の苦情のため最長約10年間にわたって中止されていることが分かった。西日本鉄道(福岡市)のバス停で、県内約7000カ所のうち477カ所で取りやめている。昨年9月、限定的に運転士によるアナウンスを再開。福岡市視覚障害者協会などは「一歩前進」と評価するが、識者は「障害者、住民それぞれの立場を理解し、適切な音環境を議論する必要がある」としている。

同社によると、車外アナウンスは、バスを待つ視覚障害者にバスの行き先を録音テープ再生と共に、運転士がマイクを通して告げるシステム。主に住宅地のバス停で「案内がうるさい」などの苦情が出たという。苦情のたびに、同社は事情を説明してアナウンスの時間帯を限定するなどの対応をしてきた。

環境省の説明では、バスアナウンスは「騒音」には当たらず、法律に基づく環境基準は適用されない。しかし約10年前から、中止するバス停が増えていったという。

バリアフリー施策を担当する福岡市政策推進課が、苦情のために同様にアナウンスを中止したケースを調べたところ、他の政令市ではゼロ。市は事態を憂慮し、2年前からは、西鉄が作成した住民向けの文書に同社と共に名を連ね、アナウンスへの理解を求めるなどしてきた。

同社は「福岡県内はバス路線数が多く、バス停によってはアナウンス回数も多くなる。それが苦情の多さにつながったのではないか」(営業1課)と言うが、苦情と障害者福祉の間に立つ形となり、対応に苦慮。苦肉の策として、昨年9月下旬から、バス運転士が白杖(はくじょう)を持った人や盲導犬を連れた人をバス停で確認した場合に限り、テープ再生はせず、運転士によるアナウンスを再び始めた。

また、運転士向けに貼っていた「外マイク禁止」のステッカーは「確認」のステッカーに変更。新たな苦情はなく同社は「ほとんど中止のままの状態と変わらないためでは」とみている。

■2013.1.16  亀山のノロウイルス集団感染 2人死亡
三重県亀山市の社会福祉法人「柊会(ひいらぎかい)」は16日、運営する特別養護老人ホーム「華旺寿(かおす)」(70床)で、入所者23人と職員6人の計29人がノロウイルスに集団感染して嘔吐や下痢などを発症し、入所者のうち88歳と97歳の女性2人が死亡したと発表した。

ホームによると、今月2日に男性職員(53)が下痢や嘔吐の症状で帰宅。4日に3人の入所者のノロウイルス感染が判明した。88歳の女性は10日に嘔吐物を飲み込み窒息死。97歳の女性は15日に嘔吐物が原因の誤嚥性肺炎で亡くなった。2人からもノロウイルスが検出された。

最初に発症した職員が入所者の食事の準備などをして感染が拡大した可能性があるという。

施設は集団感染判明後、面会の制限や感染者の隔離などを実施。県に報告したのは感染者が11人に達した9日だった。中田論理理事長は「初期段階で拡大予防を徹底できなかった。誠に申し訳ありません」と謝罪した。

■2013.1.16  胎児情報に葛藤深く 新出生前診断、今春開始へ
おなかの赤ちゃんにダウン症などの染色体異常があるかどうか、妊婦の採血だけで高精度で分かる新しい出生前診断について、日本産科婦人科学会(日産婦)が指針案を公表し、今春以降にも始まる見通しになった。国内で出生前診断が広がる中、診断を受けるかは妊婦に委ねられる一方、妊婦健診中に医師が胎児の異常に意図せずに気付き、結果的に診断に至るケースもある。検査に関して、妊婦と医療者の認識のずれもある。私たちは検査や胎児の情報をどう受け止めるべきなのだろう。

「医師はどうして、出生前診断ができることや娘の障害について、教えてくれなかったのか…」

一昨年夏に出産した福岡県築上郡の女性(36)は疑問が消えない。長女(1)にはダウン症がある。妊娠中には出生前診断の知識はなかった。お産施設でも知らされなかった。

女性は妊娠初期に体調を崩したため、おなかの子が心配になった。「赤ちゃんの体が弱いのかもしれない。心臓病やダウン症とか…」。かかりつけの産科医に尋ねたが、「考えすぎ。大丈夫」と返ってきた。出産したものの、長女はダウン症と診断された。その後、女性は別の病院で「妊婦健診中に、ダウン症の可能性が分かることもある」と教えられた。

長女はいとおしい。ただ障害を理由にいじめに遭うかもしれない。充実した福祉や医療が受けられるか、不安は尽きない。女性は訴える。「妊婦にはおなかの子の情報を知る権利があると思う。病気や障害のある子を育てるのは、結局家族なんだから」

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現在、出生前診断は国内でさまざまな方法で行われている。日産婦は、条件付きで実施を認めるなど、すべての妊婦に検査を推奨していない。そのため第一線の産科医も、必ずしも全妊婦に検査を勧めない。

実際には「インターネットなどで出生前診断を知っている妊婦は多く、妊婦側から『検査してほしい』と言われ、検査している」(福岡市の産科医)という医師も多い。一般の妊婦健診で毎回のように行われる超音波(エコー)検査でも、ダウン症などの可能性が分かる場合もあり、多くの医師は「出生前診断をするつもりはなくても、見えてしまう」という。異常の可能性を妊婦に告げるべきか悩む医師も多い。

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こうした中、健診を受ける妊婦に、事前に超音波検査で胎児の異常が見つかる可能性などについて、説明する医療機関も出てきた。

九州医療センター(福岡市)では3年ほど前から、「当院の胎児診断に対する考え方」とした説明書を来院したすべての妊婦に渡す。障害の可能性も含め、胎児の情報を知りたくない妊婦には、希望を医師に伝えてもらうようにしている。神奈川県立こども医療センター(横浜市)でも産科の超音波説明書として、超音波検査で分かること、分からないことを例示している。

九州医療センターの小川昌宣医師は「胎児の情報をどこまで知るか、妊婦に選択肢を示すことも医療側には求められる」と指摘。胎児の心臓病の早期発見と治療に取り組む久留米大学病院(福岡県久留米市)新生児センターの前野泰樹医師は「胎児に異常が見つかった場合、妊婦のサポート態勢の充実も大切だ」と話す。

■2013.1.17  堺市で男女25人食中毒、12人からノロウイルス検出
堺市保健所は17日、堺市中区福田の飲食店「マサルイカリ寿司」の仕出し弁当やすしを食べた13〜82歳の男女25人が下痢や腹痛、嘔吐(おうと)などの食中毒症状を発症し、このうち12人からノロウイルスが検出されたと発表した。入院患者はおらず全員が快方に向かっているという。

同保健所は同店の従業員4人からもノロウイルスが検出されており、同店で調理した食事が原因の食中毒と断定、18日までの営業停止を命じた。

同保健所によると、発症者は今月5〜6日に同店から提供されたすしの盛り合わせや和食のオードブルなどを食べたという。


■2013.1.17  取り調べあり方問う 知的障害者めぐり研修会
罪に問われた障害者を支援している社会福祉法人南高(なんこう)愛隣会(あいりんかい)(長崎県雲仙市)が、知的障害がある人の取り調べのあり方を考える研修会を26日に長崎県諫早市で開く。検察庁は検察改革の一環として、知的障害者の取り調べを録音・録画(可視化)したり、長崎地検などでは福祉の専門家を立ち会わせたりしている。こうした試みを踏まえた研修会は、最高検検事や福祉の専門職による討論などを通して、障害の特性に応じた取り調べの手法を探る。参加者を募集中。

知的障害者の取り調べをめぐっては、ここ数年見直しの動きが活発だ。検察改革では、取調官に迎合しやすい傾向に配慮した捜査も焦点になり、最高検は2011年に知的障害者専門委員会を設けた。試行として取り調べの可視化に加え、東京、大阪、長崎地検などでは福祉の専門家を同席させるなどして捜査の見直しを進めている。

一方で南高愛隣会は、全国の地検に福祉の専門家を立ち会わせることを求め、警察の捜査でも障害者の言い分を取調官に伝える「通訳人(仮称)」が必要と訴えている。

研修会は26日午後1時から諫早市のながさき看護センターで。障害者の弁護を長年手掛ける辻川圭乃(たまの)弁護士(大阪)が基調講演し、最高検検事や長崎地検次席検事、臨床心理の専門家らが立会人や通訳人の役割などについて話し合う。

 無料。申し込みは南高愛隣会=0957(77)3600。

■2013.1.18  「改めておわび」=元理事長が会見−たまゆら火災
執行猶予付き有罪判決を言い渡された高齢者施設「静養ホームたまゆら」の運営法人元理事長高桑五郎被告(88)は18日午後、前橋市内で会見し、「寛大な裁きで、ありがたい。10人の尊い命を奪ったことを改めて深くおわびする」と頭を下げた。今後も福祉の仕事に携わるのか問われると、「答える状況にない」と話した。
 
判決について、高桑被告の弁護人は「緻密な認定だ。社会的弱者を救いたいという被告の思いを評価してもらった」とする一方で、控訴については「内容を精査したい」と述べるにとどまった。
 
無罪とされた元施設長久保トミ子被告(76)は、弁護人を通じて「晴れて無罪となったが、世話をした人たちへの痛惜の念は消えない。慰霊に今後とも尽くす」とコメントした。

■2013.1.18  元理事長に有罪判決=元施設長は無罪−たまゆら10人死亡火災・前橋地裁
群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で2009年3月、入所者10人が死亡した火災で、業務上過失致死罪に問われた運営法人元理事長高桑五郎被告(88)と元施設長久保トミ子被告(76)の判決公判が18日、前橋地裁であり、半田靖史裁判長は、高桑被告に禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年6月)、久保被告に無罪(同禁錮1年6月)を言い渡した。
 
半田裁判長は、死亡した入所者4人について、高桑被告の注意義務違反との因果関係を認めなかった。久保被告については、施設長としての立場は名目的なものと認定、「注意義務があったとは認められない」と結論付けた。
 
判決は、施設では入所者が喫煙するなどし、高桑被告は火災が発生すれば急速に拡大する危険性を予見できたと指摘。避難訓練の実施や火災検知器の設置、夜間の当直職員を常に2人配置する注意義務があったのに、怠ったと判断した。
 
半田裁判長は判決言い渡し後、高桑被告に「社会的弱者を救いたいという気持ちから、福祉事業に取り組んだことには敬意を表さなければならない。ただ、面倒を見る以上、火災などから入所者を守るのは施設運営の根幹。十分に反省してほしい」と説諭した。

■2013.1.18  ノロウイルスで営業禁止 豊岡の温泉施設
兵庫県但馬県民局豊岡健康福祉事務所は17日、豊岡市竹野町にある北前館が調製した弁当を食べた19人が、下痢や嘔吐など食中毒症状を発症し、有症者と調理従事者の検便からノロウイルスが検出されたことなどから、「同施設が提供した食事を原因とする食中毒と断定」し、17日から営業禁止を命じたと発表した。入院者はなく、全員快方に向かっているという。

豊岡健康福祉事務所によると、有症者は豊岡市と養父市の54歳〜91歳の男女計19人で、今月9日に北前館が調製した弁当を食べたという。

■2013.1.19  放火殺人「誰でもよかった」と介護福祉士の女
広島市の介護施設で高齢女性が放火により殺害された事件で、殺人容疑などで逮捕された介護福祉士入沢亜加音あかね容疑者(21)(広島市東区)が広島県警の調べに対し、「(放火するのは)誰でもよかった」などと供述していることがわかった。

捜査関係者によると、入沢容疑者は「(加登さんを担当していた)職員との関係に悩んでおり、腹いせのつもりもあった」としている。

入沢容疑者は「職場の人間関係でむしゃくしゃしていた」とも話しており、県警はそのはけ口として無抵抗の女性を狙ったとみて調べている。

発表では、入沢容疑者は昨年12月5日夜、広島市東区の「ホスピス・ナーシングホーム『クリーム』」の2階個室で、加登かと久恵さん(当時85歳、同市安佐北区)の掛け布団にライターで火をつけ、殺害した疑い。

捜査関係者によると、入沢容疑者と加登さんとの間にトラブルはなかったという。一方、加登さんは難病のためほぼ寝たきりで、会話も困難だった。当時は事務室から離れた角部屋に入っており、県警は、入沢容疑者が犯行の発覚しにくい状況から加登さんを狙ったとみている。

入沢容疑者は逮捕後、時折、涙を流しながら、「加登さんに申し訳ない」と話しているという。

■2013.1.19  黒石市福祉センター 男性職員が2500万円横領
青森県黒石市社会福祉協議会は18日、同市の介護保険事業所「まごころ福祉センター」の30代男性職員が、訪問介護を利用する高齢者らから集めた利用者負担金約2500万円を横領したと発表した。
 
市社協によると、職員は経理担当者。2005〜11年度、利用者負担金を社協の口座に入金せず着服を重ねていた。「ギャンブルなどの遊興費に使った」と話しているという。返金はされておらず、市社協は職員の家族らと話し合った上で告訴するか決める。
 
今月10日、職員が利用者負担金の計算が合わないと上司に申告。問いただされて横領を認めた。市社協は調査終了後に職員や役員らの処分を決める。職員は11日から出勤停止となっている。
 
市社協は「深くおわび申し上げる。管理体制を見直し、信頼回復に取り組みたい」と話した。

■2013.1.19  送迎中の安全走行へ/さぬきの福祉施設で教室
社会福祉法人・祐正福祉会(水卜(みうら)令子理事長)はこのほど、香川県さぬき市寒川町の同法人の福祉施設・真清水荘で、施設利用者の送迎を担当するドライバーらを対象とした交通安全教室を開催。さぬき署長尾交番の近藤哲也所長の講演を通して、安全運転への意識を新たにした。

教室は、重大事案につながりかねない送迎ドライバーの事故を未然に防ごうと初開催。同法人3施設から約100人が参加した。

近藤所長は昨年中に発生した同署管内の死亡事故の分析で、事故5件のうち3件が高齢者が夜間歩行中に被害に遭っていると報告。いずれもほぼ直線の見通しのよい道路だが、空走距離と制動距離のグラフなどを示しながら、「黒っぽい服装だとなかなか見えない。ドライバーはより細心の注意が必要」と強調した。

また、ドライブレコーダーの映像を使って死角からの飛び出しなどへの警戒も呼び掛けた。

■2013.1.19  送迎ワゴン車が電柱に衝突 デイサービス利用の2人死亡
19日午前9時55分ごろ、愛知県春日井市桃山町の市道で、同県小牧市下末の介護施設職員、中林俊裕さん(24)が運転する施設の送迎用ワゴン車が道路右側の電柱に衝突。乗っていたデイサービス利用者で、春日井市梅ケ坪町の無職野田孝さん(83)と同市篠木町の無職渡部節子さん(81)が頭を強く打つなどして搬送先の病院で死亡した。ほかに77〜95歳の利用者の男女4人も軽傷。

春日井署によると、中林さんと、もう1人の介護施設職員にけがはなかった。ワゴン車は車いすのまま乗車できる福祉車両で、亡くなった野田さんと渡部さんは、後部座席を取り外した場所に車いすを固定して座り、専用のシートベルトを締めていた。

署は、車いすは車両の座席と違って衝突時の力を吸収するクッションがないため、衝撃が大きくなりやすく、死亡につながった可能性もあるとみて、衝突原因とけがの状況を調べている。

2011年11月にも、埼玉県戸田市で介護施設の送迎車とトラックが衝突し、車いすのまま乗っていた72歳と88歳の女性が亡くなる事故が起きている。

春日井署によると、ワゴン車は利用者を自宅から現場の北2キロにある施設まで送る途中だった。現場の市道は幅約5メートルで緩やかな左カーブになっている。

http://social-welfare.rgr.jp/img/20130119b9v92.jpg

■2013.1.19  逮捕の義妹、度々虐待 北九州の床下遺棄事件で供述
北九州市戸畑区の民家の床下から住人の吉村貴子さん(当時40)が遺体で見つかった事件で、殺人と監禁致傷の疑いで再逮捕された義妹、林麻衣子容疑者(35)が福岡県警の調べに「貴子さんに熱湯をかけたり目に洗剤を入れたりして度々、虐待していた」と供述していることが18日、県警への取材で分かった。

貴子さんの義母で、殺人ほう助と監禁致傷の疑いで再逮捕された吉村久美子容疑者(59)は、実子の林容疑者について「怒ると手がつけられないので止められなかった」と話しているという。

両容疑者の再逮捕容疑は昨年8〜9月、貴子さんの両手首を縛ったり、首にかけたひもを洗面台に結んだりして自宅浴室に監禁し、両手首にけがをさせた疑い。林容疑者は9月下旬、貴子さんを浴室で溺死させ、吉村容疑者は救護措置をとらず殺害をほう助した疑いが持たれている。

県警によると、貴子さんは監禁されていた約1カ月間、口をテープで塞がれ、紙おむつをつけられていた。食事も少量のパンと水だけで、金属棒で殴られることもあったという。林容疑者は再逮捕容疑について、殺意を否認する一方「貴子さんが口のテープを剥がして逃げようとしたので懲らしめた」と供述している。

■2013.1.20  集団感染相次ぐ…ノロ 正しく対策を
ノロウイルスが猛威をふるう。道内の集団感染者数は1日から18日までに833人となり、すでに2010〜12年の1月平均感染者数と比べ4割増だ。高齢者施設での発症が目立っていることから、道は施設に予防マニュアルを配布し、対策を強化している。ノロの特徴を正しく理解することは、適切な予防の近道となる。

札幌市豊平区の「グループホーム菜の花 豊平館」で、入所者のお年寄りが介護福祉士の女性に寄り添う。こぢんまりとしたオープンキッチンで、2人はサラダを混ぜるのにも、ビニール手袋をはめた。

運営会社の「じょうてつケアサービス」(札幌市)社長の斉藤晃さん(60)は「高齢者は抵抗力が弱く、手伝いに入る入所者が感染していると、ノロウイルスが広がる。加熱しない食材は注意して扱っている」と語る。

手袋をするのは感染した場合にトイレの後などで手にウイルスが残っているおそれがあるためだ。札幌市で2012年に発生した集団感染(10人以上)患者のうち、52%の791人がグループホームなどの高齢者施設が占めた。

集団感染者の増加を食い止めるため、道は昨年12月、道内876のグループホームに市町村を通じて対策マニュアルを配布した。

「せっけんはノロウイルスには効かないが、汚れを落とすことでウイルスははがれやすくなる」と手洗いを奨励する。感染者の吐いた物や便で汚染された場所にはアルコール消毒の効果がなく、使い捨て手袋を着用した上で、強い殺菌力を持つ塩素系薬剤「次亜塩素酸ナトリウム」に浸すよう指導する。

道立衛生研究所(札幌市)の石田勢津子主査は「せっけんやアルコールが効かないのは、ウイルスがたんぱく質の硬い殻で覆われているため。この殻は熱には弱く、しっかり加熱すると破壊される」と説明する。

研究所は、原因を特定しやすい集団感染だけでなく、個人患者を含めた感染性胃腸炎の患者全体の定点観測結果を分析し、警報を伝えている。

近年は検出の精度が上がったこともあり、1年を通じた発生が確認されている。今後の発生傾向について、石田主査は「年ごとの全国的な流行に影響されやすく、見通しを予測するのは難しい」としている。

   ◇

【 ヒトの小腸で増殖 】まだワクチンなし

ノロウイルスは直径約30ナノ・メートル(約3万分の1ミリ・メートル)の微小な粒子だ。10〜100個ほどで発症する場合もあり、感染力は強い。ただ、ノロウイルスが増殖するのはヒトの小腸に限られており、大腸菌などの細菌と違って、食品中で増えることはない。よって、食品の保管方法ではなく、食品の製造工程での感染者による汚染の対策が重要となる。

貝の中に含まれていることが多いのは、人体から自然界に放出されたウイルスが、大量の海水からこしとられて濃縮するためだ。貝には何の害も及ぼさない上、ヒトに感染するノロウイルスは他の動物には感染しない。

一方で、ウイルスが海水中や貝の中でどれぐらい“生き延びる”のかは分かっていない。そもそもウイルスは、栄養分を補給したり、呼吸したりする代謝を行わないため、生物に分類するかどうか、長らく議論が続いている。一般には増殖が可能か否か、活性の有無で“生死”を判断している。

しかし、ノロウイルスを人工的に培養する技術は確立されておらず、活性の判断そのものが難しい。そのため、活性を失わせるためのワクチンもまだない。しかも、確認されているノロウイルスは30種類以上あり、共通するワクチンを作るのはハードルが高い。

ノロウイルスの語源は、ウイルスが1968年に最初に見つかった米国オハイオ州の「ノーウォーク」という町の地名による。日本語の「呪い」とは関係がない。

■2013.1.21  高齢者100人が巨大パッチワーク 宇都宮
針ケ谷町の社会福祉法人朝日会(青柳勝男理事長)「はりがや実梨の丘ショートスティ寿梨庵」の利用者らがこのほど、巨大なパッチワーク作品を作った。約100人の利用者とスタッフが、1年3カ月かけて制作。同施設担当者は「年齢や介護の度合いが違う利用者が協力し一つのものを作り上げたことは生きがいにつながったのではないか」と話している。

同施設は、利用者とスタッフが一体となって記念になるものを作ろうという取り組みを計画。その際、裁縫ならば多くの利用者にも参加してもらえるとパッチワークを選んだ。

作品は縦約2メートル35センチ、横約3メートル55センチ。市販の生地以外に、利用者の自宅にある服やカーテンなども活用。中には「自分が亡くなったら捨てられるだけだから」と着物の帯などを提供した利用者もおり、色鮮やかな作品に仕上がっている。

制作は2011年10月から始まり、65歳から99歳までの男女約100人が参加した。

作品は同施設の地域交流スペースに展示。今後はより多くの人に見てもらえるよう、外部施設での展示なども検討しているという。

■2013.1.21  社会福祉士を非常勤職員として初採用 東京地検
執行猶予付きの判決を受け、釈放された高齢者や障害者の再犯防止に向けた制度づくりを進めるため、東京地検は、社会福祉士を非常勤職員として初めて採用した。

これまで高齢者や障害者で釈放されても帰る自宅がないケースなど、再犯の恐れがある場合、検事や弁護士が個別に社会復帰を支援する民間施設などを紹介をしていた。

高齢者の再犯率が上昇しているなか、東京地検は、再犯防止の支援策を制度として整備するため、今月、「社会復帰支援検討委員会」を設置した。
また、社会福祉士1人を非常勤職員として新たに採用した。社会福祉士は、施設との橋渡し役を担いながら専門家として制度設計にも携わる。東京地検は、3月までに支援制度をまとめ、4月からの試験運用を目指すという。

■2013.1.21  福祉支援の審査提出、地裁が拒否 長崎の裁判員裁判
現住建造物等放火罪で起訴された長崎市の女性被告(51)について、専門家組織「障がい者審査委員会」が、発達障害が疑われ、懲役刑よりも福祉支援が必要だとの審査結果を起訴後に出したのに、裁判員裁判への証拠提出を長崎地裁が拒んでいたことが20日、関係者への取材で分かった。

公判前整理手続きで弁護側が証拠提出の意向を示したが、地裁側は「重大犯罪にふさわしくない」と述べたという。

地裁の対応に、識者からは「重大犯罪こそ福祉支援が必要だ」と疑問視する声が上がっている。3月にも始まる裁判員裁判の行方が注目される。

■2013.1.21  将来、65歳以上の高齢世帯が半数近くに増加!国立社会保障・人口問題研究所
「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」まとめ
国立社会保障・人口問題研究所が18日、今年1月推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を発表した。

「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」は、家族類型別(「単独」「夫婦のみ」「夫婦と子」「ひとり親と子」「その他」の5類型)にみた将来の世帯数を求めることを目的に5年ごとに行われており、今回の推計は、2010年の国勢調査をもとに2010年から2035年の25年間の推計期間で実施された。

2035年には、65歳以上の高齢世帯の割合が40.8%に!
今回実施された推計から、2010年から2035年の間に「単独」「夫婦のみ」の世帯が増加し、「ひとり親と子」の世帯人員が減少するといったことがわかった。

また65歳以上の高齢世帯が、2010年から2035年の間で世帯主が65歳以上の世帯が1620万世帯から2021万世帯へ、75歳以上は731万世帯から1174万世帯へと増加すると推定され、全世帯主に占める65歳以上の世帯主の割合はここ25年間で、31.2%から40.8%と10%近く上昇する。

さらに65歳以上の世帯主に占める75歳以上の世帯主の割合は45.1%から58.1%と上昇し、高齢世帯のなかでも高齢化が進む計算だ。

「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(2013年1月推計)」国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2013/t-page.asp

■2013.1.22  企業の障害者雇用枠が拡大
企業に義務付けられた障害者雇用の枠が、今年4月から広がるらしいけど、どう変わるの?

求人求職 双方から後押し

障害者雇用促進法は、常時雇用する従業員が56人以上の企業に、従業員数の一定割合の障害者を雇うことを義務づけている。この比率を「法定雇用率」という。現行は1・8%だ。これを下回った一定規模以上の企業は、納付金を支払わなければならない。

実際に企業が障害者を雇った実雇用率は、昨年は1・69%だった。これは過去最高だったものの、法定雇用率を割り込んでいる。対象となる約7万6000社のうち、法定雇用率を満たしていない企業は53%で、このうち6割が障害者雇用ゼロだった。

このため、障害者雇用をさらに進めようと、国は4月から、法定雇用率を2・0%に引き上げる。対象企業も「常時雇用50人以上」に広げる。

しかし、障害者雇用は規模の小さい企業ほど進んでおらず、常時雇用が56人以上、100人未満の企業の実雇用率は1・39%と低い。この状況をそのままにして、法定雇用率のハードルを上げ、より小規模な企業を対象に加えれば、未達成企業が増え、実雇用率が下がりかねない。そこで国は今、未達成企業への働きかけを強めている。

国の調べでは、従業員数が300人未満の企業の多くは、障害者を雇っていない。常時雇用56人以上、100人未満の未達成企業の97%は、一人も障害者を雇用していない。ハローワークは、こうした企業が障害者を雇えるよう指導し、支援しているが、新たに対象となる常時雇用50人以上、56人未満で、障害者を雇っていない企業もリストアップし、就労のあっせんを始めた。

中小企業に手厚い特定求職者雇用開発助成金の活用も勧めている。これを使えば、ハローワークを介し、中・軽度の身体障害者、知的障害者をフルタイムで雇った場合、中小企業には6か月ごとに45万円、最大で1年半、計135万円が給付される。ノウハウがない企業には、障害者が職場になじむのを助けるジョブコーチの派遣制度もある。

一方、求職者には、国が昨年末、ハローワークのホームページ上で障害者向けの求人を検索できるサービスを開始。求人、求職の双方から、障害者雇用の拡大を目指している。

■2013.1.22  ゆずりあい駐車場 来月から全県に
県は21日、歩行が困難な人に利用証を交付し、専用駐車場に車を止める際に掲示してもらう「ゆずりあい駐車場制度」を、2月1日から全県に拡大すると発表した。利用証の発行で、専用駐車場が必要な人を見分けられるようにし、不適正な利用の撲滅を目指す。

県は2011年1月から焼津、藤枝市でこの制度を先行的に実施してきた。

今回、全県に対象地域を拡大するにあたり、これまでにスーパーマーケットや金融機関など259の民間施設から協力を得たという。協力施設の駐車場では、ゆずりあい駐車場であることの「案内表示」を掲示し、利用証を持つ人の駐車を促す。

利用証は、身体、精神障害者のほか、難病患者や一部の妊産婦らが発行対象となるが、いずれも歩行が困難であることが条件。障害の程度によっては対象外になることもある。

希望者は居住する市町の福祉担当課や県の健康福祉センターで利用証の交付を受けられる。

■2013.1.22  車いす用スロープ設置義務化へ 障害者雇用で意見書素案
厚生労働省は22日、車いす用スロープの設置など、企業に職場環境の整備を義務付けることを柱とした障害者雇用の促進に関する意見書素案をまとめ、労働政策審議会の分科会に示した。

焦点となっている精神障害者の雇用義務化は、経営側委員から「導入できる職場は限られる」などと慎重意見が相次ぎ、結論は次回以降に持ち越された。意見書を踏まえ、厚労省は次期通常国会に障害者雇用促進法改正案を提出する方針だ。

素案では、障害者が働きやすくなるよう施設・設備の整備や人的支援、職場のマネジメント配慮を経営者に義務付けるべきだと明記した。

■2013.1.22  あきる野の特養入所者無断撮影:介護主任、動画も トイレ個室内も映る /東京
あきる野市の社会福祉法人「緑愛会」が運営する特別養護老人ホーム「あたご苑」で昨年11月、30代の介護主任の男性が顔にタオルを巻いた女性入所者の写真を携帯電話で無断で撮影し、同僚にメール送信していた問題で、男性は09年以降、無断で入所者の動画撮影も続けていたことが分かった。トイレの個室内の様子も含まれ、確認できただけでファイル数は47に上る。市は男性から聴取するなど、施設運営の実態について調査を進める。

複数の施設関係者によると、男性は11年9月、JR秋川駅近くの飲食店であった介護職員の懇親会で、携帯に保存していた動画を再生し、参加者に回覧させた。個室トイレでパジャマのズボンを下ろして便器に腰掛けている女性や、廊下を徘徊(はいかい)して何かを指さす女性ら、少なくとも3人の入所者が映っていたという。

毎日新聞の取材に対し、男性は09年から昨年まで施設内で動画撮影していたことを認めた上で「介護業務に必要だった。誤って下半身を映すことはあるかもしれないが、排尿の場面は撮影していない」と釈明する。

懇親会参加者によれば、回覧は当時の上司が問題だと注意し、打ち切られたとされるが、ある職員は「排尿の場面はあった。トイレの映像は太ももがあらわでひどいと思った」と振り返る。

男性のおじにあたる同法人理事長の奥秋利郎・あきる野市議は「撮影に入所者や家族の許可は不要だ」との見解を示すが、同市の担当幹部は「研修などに必要だったとしても、許可は得るべきだ」と無断撮影を疑問視している。

奥秋理事長の妻で法人理事の一枝施設長によると、毎日新聞の指摘を受けて昨年末に男性の携帯を確認したところ、入所者を撮影した47の動画ファイルがあったという。その上で奥秋施設長は「排尿場面だという女性の映像は上半身だけで、撮影場所も職員でなければトイレとは分からない」と問題視しない考えを示した。ファイルの削除や他の記憶媒体への保存は確認していないという。

 ◇撮影者や法人理事、介護上必要と正当化 現場「ありえぬ言い訳」

長期にわたる入所者の無断撮影が明らかになった特養「あたご苑10+件」(あきる野市)。介護上の必要性を理由に撮影を正当化する男性や法人理事の親族らに対し、現場からは「ありえない言い訳だ」と批判の声も上がっている。

■2013.1.23  長崎の障害者施設、日常的虐待か 県警が職員5人を書類送検
長崎県警は23日、同県島原市の身体障害者支援施設「島原療護センター」の入所者に対する暴行や傷害の疑いで、26〜46歳の男女の職員と元職員5人を書類送検した。県警は日常的に虐待していたとみている。

施設では昨年12月、入所者の男性(76)を介護中に殴り右腕を骨折させたとして元職員の金子修被告(29)が逮捕、その後起訴された。

県警によると、金子被告を含め6人は「言うことを聞かないのでカッとなって殴った」「抵抗できない人を選んだ」と供述。2007年〜昨年まで約10人を計約300回暴行したと話している。

■2013.1.23  障害者雇用三セクに600万円支援…島根
補正予算計上へ 「障害者が働く場維持」

障害者を雇用してキノコ栽培を手掛けている島根県益田市の第3セクター「きのこハウス」(益田市虫追町)が経営破綻する恐れがあるとして、市は同社に約600万円を支出して支援する方針を固めた。

2012年度一般会計補正予算案に盛り込み、2月の臨時市議会に提案する。

市によると、同社は、市所有の施設を利用して、主にエリンギを生産。障害者34人が勤務しているが、エリンギの国内価格が下がり続け、昨年度は2094万円の赤字。今年度末に約900万円の資金不足に陥る見込み。

市は、経営破綻すれば障害者の働く場が失われる恐れがあると判断。同社の施設は市の所有物で、同社が指定管理者として利用していることから、「指定管理料」の名目で支払うことにした。ただ、市が経営支援を念頭に企業に対して公金支出するのは異例。

市生活福祉課は「公金支出は障害者が働く場を維持するためにはやむを得ない。製造原価などの見直しを含めて、一層の経営努力も求めていく」としている。

■2013.1.23  鹿島臨海鉄道 初のお菓子を発表 水戸市の障害福祉サービス事業所
鹿島臨海鉄道(茨城県大洗町)が、オリジナルの新商品を発表した。

列車をイメージした菓子などのほか大洗が舞台のアニメの関連グッズも開発。土産品として大洗駅売店などで販売する予定。「かりんちゃんの列車飴(あめ)」(320円、発売予定2月23日)は、列車の形をしたべっ甲あめ。同鉄道のキャラクターの名を冠した。大洗町の年宝菓子店の手作り。古河市のミヤト製菓が製造する「かりんちゃんの浮き玉かりんとう」(350円、同2月7日)は、漁業に使われたガラスの浮き玉がモチーフ。「りんてつ消しゴム」(2個400円、同4月中旬)は列車の形だ。

熱心なファンのいる「ガールズ&パンツァー」のキャラクターを描いた缶バッジ6種類(セット1000円、1個200円)も発売された。水戸市の障害福祉サービス事業所の知的障害者が手作業で作っている。

菓子2点と消しゴムは昨年募集した土産品コンテストの入賞作から生まれた。同鉄道は運輸部門外の収入に力を入れており、「食品の商品化は初めて。新たな一歩になる」と期待している。

■2013.1.23  岸和田、摂津両市でノロ集団感染 男女2人死亡
大阪府は22日、岸和田市の医療機関と摂津市の社会福祉施設でノロウイルスの集団感染があり、2人が死亡したと発表した。このうち岸和田市の男性(64)からノロウイルスが検出されたが、死因はパーキンソン病でノロウイルスと死亡との因果関係はないと判断。福祉施設の女性(63)にはウイルス検査をしておらず、死因と因果関係のいずれも不明という。

岸和田市の医療機関では4日以降、患者と職員計12人が嘔吐や下痢を発症。死亡した男性は寝たきりの入院患者で、3日間下痢が続き、11日に死亡した。

摂津市の福祉施設では6日以降、利用者と職員計41人が発症。死亡した女性は10日から3日間利用し、帰宅後に嘔吐などの症状を発症し、13日に死亡した。


■2013.1.24  障害者の手作り品販売
障害者の手作り製品を販売する「全国ナイスハートバザールin福岡」が23日、福岡市・天神の福岡三越9階で始まった。

障害者の社会参加を目的に全国で開催されており、29回目。会場には、県内外の障害者福祉施設など計99施設で手作りされたバッグや小物、菓子類など約5万3000点が並んでいる。

東日本大震災の被災地支援として東北地方から取り寄せた商品コーナーもある。実行委員会の上田正勝会長(70)は「質の高い商品ばかり。多くの人に手にとってほしい」と話していた。

■2013.1.24  発達障害チームで支援 群馬
専門教員が巡回指導

■前橋方式

「落ち着きがなく、いつも体をくねくねさせている」「説明する際には、短い文章で示すなど工夫した方が良い」

昨年12月、前橋市内の小学校。校長室で校長(58)に報告する女性3人は、市の派遣する発達障害の児童・生徒のための巡回担当者だ。通常学級に在籍する発達障害児を指導する、市の「通級指導教室」の教員を務める3人は、同校から依頼されていた児童の授業態度を観察、その結果や対応策を校長や担任に助言していた。

校長は「デリケートな判断を迫られるので、学校だけでは対応に困る場面がある。専門的な観点で助言してもらうことで、児童や保護者への対応も自信を持って行える」と話した。

同市は2006年度から市内の小中学校を対象に巡回相談を始めた。県内で早くから始めたため、「前橋方式」とも呼ばれる。

通級指導教室は以前から開いていたが、巡回担当者が各校に通うことで、集団生活のなかで浮かび上がる児童生徒の悩みを理解できるようになったという。

前橋市教委学校教育課の福田隆一指導主事(48)は「相談のあった事例は市教委を含めたチームで検討し、複数の視点から対応している」と説明。現在7人いる巡回担当者は、ほぼ毎日のように各校を訪問、同市は担当者の増員を検討している。

国が発達障害児の対策を本格的に始めたのは、07年から。学校教育法を改正し、従来の特殊教育で対象とされなかった発達障害の子どもも支援対象になった。

ただ、文部科学省が昨年12月に発表した調査によると、発達障害の可能性のある公立小中学生は、全国で全体の約6・5%に相当する約61万3000人と推定される。そのうち、授業や授業外などでの支援を受けていない子どもは38・6%にも上り、支援体制の充実は喫緊の課題となっている。

前橋市の山本龍市長(53)も就任後初となる昨年3月13日の定例記者会見で、「発達障害の子どもたちをケアできるような教室のバックアップシステムが、(教員の)多忙感の解消につながる」と述べ、専門的な人材の増員が不可欠との認識を示している。

養護学校でノウハウ研修■中核施設

「この女の子がボールを探すのはどこでしょうか。箱だと思う方は手を挙げてください」

昨年12月、前橋市立養護学校で特別支援教育の研修会が行われた。モニターに映し出された物語を例に発達障害の特徴を解説する専門家の話に、参加した同市の教員ら約50人はしきりにうなずいていた。

学校教育法の改正に伴い、同校を特別支援教育の中核施設にすることを目指している同市は、今年度から研修会の数を年4回に倍増した。昨年10月には、近隣の小中学校7校の特別支援学級の教員を集め、現場レベルで指導上の課題を話し合う場も設けている。同校の武居朋子校長は「これまで取り組んできた事業を整理し、進路相談など、この学校に蓄積されたノウハウを市内の各校に広く利用してもらえるようにしたい」と意気込む。

始まって日の浅い発達障害児の支援。子どもたちの様々な困難に対応できる態勢作りが急がれている。

■昭和村の取り組み

発達障害は早期発見・対応が重要だ。人口8000人弱の昭和村は、小規模自治体の強みを生かした取り組みで注目されている。

「おもちゃをお友達に取られそうになったら、『やだよ。持って行かないで』と言おうね」

昨年11月、同村保健センターでは、乳幼児を持つ保護者を支援する事業「すくすくスクール」が行われていた。保護者に付き添われた1〜3歳の子どもたちに声を掛けていた臨床発達心理士の角田夏江さんは「言語能力の発達が遅い子どもには、簡単な言葉を教えると、まねをして覚えるようになる」と話した。

この事業は、夜泣きや食事など子育てに関わる様々な保護者の悩みを受けるが、相談には臨床発達心理士や保健師のほか、村教委職員、通級指導教室の教員も参加する。学校や行政など複数の関係者が参加することで、行政や教育現場が一体となった支援を行うためだ。

同村ではほかにも、臨床発達心理士などの専門家が村内の全保育園を年3回巡回、子どもの発達状況を確認し、その情報を進学先の小学校と共有している。村内に幼稚園はなく、保育園と小学校が各3施設しかないため、子ども一人ひとりを継続的に支援することができるという。群馬大教育学部の霜田浩信准教授(障害児教育)は「福祉施設と教育現場という横軸、保育園、小学校という縦軸の双方がうまく連携した取り組みだ」と評価する。

発達障害児の支援は行政、地域、家庭の理解と協力が重要だ。村保健福祉課の米山由美子係長(48)は「どの子にも苦手なことや不得意な部分がある。発達障害児だけでなく子ども全員を支援するために取り組んでいる」と話した。

■2013.1.24  織物で雪道の滑り止め 車いすのタイヤに装着
福井市の糸加工会社「内田撚糸」が開発した、車いすのタイヤに装着して雪道で滑りにくくするベルトが好評だ。

独自の織物技術を生かした製品に福祉施設などが注目。
内田一朗社長(53)は「車いす生活者に冬でも安心して外出してほしい」と話す。同社が独自に開発したのはポリプロピレン系の繊維に天然ゴムを合わせた特殊な織物「カントベロン」。凍結した道は表面が水でぬれて滑りやすくなるが、この織物は表面の水を瞬時に吸着して排出し、摩擦を高めることが可能だ。靴に装着する滑り止め器具として2008年に特許を得た。

11年3月、内田さんは、この器具を購入した奈良市の女性から「車いすで生活する娘に雪景色を見せてあげたい。車いす用の滑り止めを作れないか」と相談を受けた。昨年春に完成したベルトは、直径30cmほどのリング状で伸縮性がある。タイヤを回しながら数分で装着でき、ゴムひもで固定するため力も不要だ。

昨年12月に1本1万2600円(税込み)で販売。「事故で車いす生活になった子供が初めての冬を迎えて心配だったので助かる」「北海道へ旅行に行きたい」などの声が各地から寄せられた。


車椅子タイヤ滑り止め「おでかけリング」
雪道・水・凍結などに有効。素材はカントベロンを使用。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=qH_qldppwrk#!

有限会社 内田撚糸
http://uchidanenshi.com/


2012年9月27日
車いす用滑り止めベルト開発 タイヤに装着、内田撚糸発売へ
http://social-welfare.rgr.jp/sw/news/list/article-news2009.cgi#1209

■2013.1.24  3月5〜7日に有料老人ホーム110番
「全国有料老人ホーム協会」(東京都中央区)の苦情処理委員会は3月5〜7日、有料老人ホームに関する相談や苦情などを受ける「有料老人ホーム110番」を実施する。入居者や入居希望者から幅広く意見を聞くことで、利用者の保護や有料老人ホーム事業の質向上を目指す。

「110番」は平成9年度から毎年行われ、相談は無料。前回は昨年10月30日〜11月1日に行われ、他の入居者とのトラブルや職員の態度、施設の運営状況などに対する苦情、入居条件などに関する問い合わせなど計92件の相談があった。

「認知症で老人ホームに入居している母が職員から大勢の面前で強く叱られた」「他の入居者の暴言に悩んでいる」「入居に際し身元引受人は必要か」など、さまざまな声が寄せられたという。

相談に応じるのは福祉関係者らで、電話相談後、希望により面接相談を行う場合もある。「有料老人ホーム110番」はフリーダイアル0120・180・885(午前10時〜午後4時)、FAXは03・3548・1078。

■2013.1.24  あきる野の特養入所者無断撮影:理事長「問題なし」報告 職員困惑「人権考えていない」 /東京
あきる野市の社会福祉法人「緑愛会」が運営する特別養護老人ホーム「あたご苑」で30代の介護主任の男性が09年以降、入所者を無断で動画撮影していた問題で、奥秋利郎理事長が先月、毎日新聞の取材を受けた後の理事会で、「問題となる動画や写真はなかった」などと報告していたことが分かった。顔にタオルを巻いた女性入所者を撮影し、表題に「おでんくん(禁流出)」と記載して同僚に画像を送信していた件には触れなかった。

奥秋理事長が報告したのは12月27日の定例理事会。施設関係者によると、理事長はおいにあたる男性の行為について「(妻の一枝)施設長や介護課長らで確認したが、問題になるようなものはなかった」と説明した。

その上で、男性入所者の下半身が映っている動画があったことを明かし、「その利用者はおむつを破いて脱いでしまう癖がある。ですから(主任男性に対しては)注意と始末書だけにします」と締めくくったという。

男性の行為に対する謝罪や反省の弁などはなかったといい、毎日新聞の取材に対し、一枝施設長は「それまでの経過を報告した」と話す。あたご苑のある職員は「理事長の発言は実態を隠し、入所者の人権を考えていない。驚いた」と困惑している。

■2013.1.25  介護福祉士逮捕で意見交換
広島市東区の終末医療・老人介護施設で布団に火を付け入所者を殺したとして介護福祉士が逮捕された事件を受け、広島県は24日、県介護福祉士会との意見交換会を開いた。入所者に寄り添うはずの介護福祉士が命を奪ったとされる事態を重く受け止め、新人教育の見直しなどを協議していくことで合意した。

県の佐々木昌弘健康福祉局長や県介護福祉士会の広山初江会長たち計10人が出席。広山会長は冒頭、「考えてもみなかった事件が起きたが、個人の問題で済ませてはいけない。再発防止に向け私たちの役目を考えたい」と呼び掛けた。

その後は非公開で協議。佐々木局長たちによると、核家族化で高齢者と接する機会が減った若い介護福祉士が増える現状を踏まえ、4月からの新人教育や中堅研修の見直し、改善に向け話し合いを続けることを確認した。

事件の現場となった施設は、介護や医療の施設と位置付けられていない。介護サービスが多様化する一方、介護職が不足する実態も報告された。

■2013.1.25  津波で被災ホームが移転、着工 介護施設の再建本格化へ
東日本大震災の津波で全壊した宮城県岩沼市の特別養護老人ホーム「赤井江マリンホーム」の移転先が決まり、再建工事が始まった。岩手、宮城、福島3県で被災した介護施設の移転は用地不足などで遅れてきたが、徐々に着工例が出ており、震災から1年10カ月を経て再建の動きが本格化してきた。

赤井江マリンホームは海岸沿いに位置し、津波で建物は全壊したが、入所者・職員144人全員が間一髪で避難に成功。福祉関係者の間では「奇跡の脱出」として知られる。この教訓から新設のホームは自家発電装置を備え、食料・水を備蓄するなど地域防災拠点にもなる計画だ。

■2013.1.25  あきる野の特養入所者無断撮影:女性の夫、怒り 「犯罪と同じ、訴えたい気分だ」 /東京
あきる野市の社会福祉法人「緑愛会」が運営する特別養護老人ホーム「あたご苑」で、30代の介護主任の男性が顔にタオルを巻いた女性入所者を無断撮影し、「おでんくん(禁流出)」の表題で同僚2人に画像をメール送信していた問題で、女性の夫が24日、毎日新聞の取材に応じ、「犯罪行為と同じで許せない。(警察に)訴えてやりたい気分だ」と怒りをあらわにした。

女性の夫や長男によると、女性は80代で入所して約1年。同市内の2カ所の特養に入所希望を出し、早く入れたあたご苑を選んだ。夫らは「別の特養の空きを待っていればよかった」と後悔する。

夫は施設側の都合で中に入れない日を除き毎日、車で面会に訪れる。明らかになった主任男性の行為を「スカートの中を盗撮するのと同じ犯罪行為だ。人を殴るより悪質かもしれない」と憤る。同僚への画像送信日は昨年11月8日だが、男性から撮影の許可を求められた記憶はない。

毎日新聞が報じた2日後の23日、いつものように面会で女性の居室にいたところ、奥秋利郎理事長の妻の一枝施設長が突然入ってきて謝罪したという。「平身低頭だったが最初は何のことか分からなかった。遅すぎる」

一枝施設長は謝罪の中で男性が送信した理由には触れなかったが、毎日新聞の取材に対しては「同僚に求められたため」と釈明。夫は「頼まれたら悪いことでもやるのか。職員も幹部も程度が低すぎる」とあきれる。

一方で、施設側を刺激しすぎると妻が追い出されるのではないかという不安もあるという。長男は「入所者家族には預かってもらっているという弱みがある」と苦しい胸の内を明かした。

■2013.1.26  福祉パス年1200円に、障害者就労状況など配慮/横浜市
障害者らがバスなどに無料で乗車できる「福祉パス」の利用者に年1800円の負担を求める条例案について、横浜市は25日、金額を年1200円(未成年は年600円)に訂正した。同条例案は、市が昨年12月の市会第4回定例会に提出。「丁寧な議論が必要」「負担が大きい」などとして継続審査となっていた。

市健康福祉局障害福祉課は、下げた理由について「障害者の厳しい就労状況や、市会での審議状況を踏まえた」と説明。金額については「この金額であれば、パスの交付対象者を拡大する分はカバーできる。子育て世帯への影響を考え、未成年は半額にした」と話している。

市は2月1日から始まる第1回定例会で結論を得て、当初の想定通り10月からスタートさせたい考えだ。

福祉パスの有料化は障害者外出支援制度の見直しの一環。交付対象者に軽度知的障害者(約7900人)の追加などを盛り込んでいる。年3200円を想定していたが、その後1800円に引き下げた。

■2013.1.27  復興住宅 老老介護が深刻…神戸
垂水の68歳娘 93歳母殺害

阪神大震災の被災者らが入居する神戸市の「復興住宅」で、住民の高齢化が深刻な状況になっている。

現在、2人に1人は65歳以上で、相次ぐ孤独死だけでなく、老老介護の末、認知症の母を娘が殺害する事件も発生。有識者らは「行政は見回りなどを強化するだけでなく、抜本的な対策に乗り出すべきだ」と警鐘を鳴らす。

介護の果てに

「母を殺した」。今月10日、同市垂水区の復興住宅に住む女性(68)が垂水署に自首してきた。署員が自宅に駆けつけると女性の母親(93)が介護ベッドの上で死亡していた。女性は「毎日、母から『生きていくのがつらい。殺してくれ』と頼まれていた。顔に枕を押しつけた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。

知人らによると、女性は震災で同市長田区の住居を失い、1999年に復興住宅に転居。夫が病死し、2007年に高齢で足が不自由な母親を引き取り2人で暮らし始めた。

女性は認知症の症状が進む母親の身なりを整え、車イスを押すなどかいがいしく世話をしていた。周囲には普通の仲の良い母娘にしか映っていなかったという。母親が一時期通所していたデイサービスセンターの女性介護福祉士(63)は「娘さんは一生懸命だった。1人で抱え込みすぎていたのかも」と推察する。

見守る側も高齢化

神戸市によると、復興住宅は1996年2月から入居が始まり、現在は同市内だけでも149団地ある。2012年3月末時点の入居者は9641世帯1万5972人で、うち65歳以上は7985人。高齢者や障害者らを優先的に受け入れたため、高齢化率は一般の県営住宅の倍になる。

母娘が住んでいた復興住宅には876世帯が居住。昨年は少なくとも3人が孤独死したという。独居の高齢者も多く、自治会や民生委員が高齢者の見回りを強化しているが、自治会役員の女性は「住民の3分の1が80歳以上で、60歳代なら若いほう。いくら住民同士で気を付けても、見守る側も高齢者。異変を察知するには限界がある」と内情を吐露する。

難病で寝たきりの妻(73)を介護する居住者の男性(63)は「私が倒れてしまったら妻はここでは暮らせない。万一に備え、老人ホームへ入所する手配は済ませている」と話す。

悲劇を防ぐには

老老介護や孤独死など、被災者が直面する課題をどう解決すべきか。日本福祉大社会福祉学部の湯原悦子准教授(司法福祉論)は「復興住宅に限らず、1人だけで介護を担えば、いつか破綻する。家族でできることには限りがあり、できない部分は支援を求めるべきだ」とし、要介護者の家族会への参加や相談電話の利用を呼び掛ける。

復興住宅で独居高齢者らの訪問活動を行うNPO法人「よろず相談室」(神戸市)の牧秀一さんは「復興住宅には、高齢被災者と若い世代をつなぐコミュニティーがない。大学生らを入居させて家賃を安くする代わりに見回ってもらうなど、新たな仕組みが必要」と指摘している。

老老介護 65歳以上の高齢者が配偶者や親など高齢の要介護者を介護すること。少子高齢化や核家族化が背景にあるとされ、介護疲れから心中や殺人事件に発展することも。厚生労働省の2010年の調査では、要介護者のいる10万世帯中、約2万8000世帯が老老介護になっているという。

■2013.1.27  福祉法人 災害備蓄で協力 和歌山
南海トラフ巨大地震など災害時に被災者に粉ミルクなどの必需品をスムーズに提供するため、県は障害者や児童福祉関係の社会福祉法人4団体と、生活必需品の備蓄に関する協定を結んだ。各施設は県が用意した物資を保管して消費期限までは日常活動で使用し、減少した分はその都度、自前で補充を繰り返す「ところてん方式」により常に一定量の備蓄態勢をとることを目指す。県によると同様の協定は全国的にも珍しいという。

協定を結んだのは、県福祉事業団(上富田町)、和歌山つくし会(岩出市)、しんせい会(御坊市)、こじかの会(美浜町)。4団体が運営する障害者支援施設や児童養護施設、保育園など計11施設で備蓄する。

県は、粉ミルク、哺乳瓶、紙おむつ、お尻ふき、生理用品の5品目を購入する。各施設は運営内容に合った品目を保管。災害時には、県が各施設に対し、近くの避難所などに物資を届けるよう要請する。

普段は各施設が使用と補充を繰り返すことで、消費期限切れによる廃棄などの無駄を減らすことができる利点があるという。

備蓄する11施設のうち9施設は御坊・日高地方以南にあり、県福祉保健総務課の担当者は「紀南地方は支援物資の輸送に時間がかかるため、備蓄拠点の存在が特に重要だ」と話している。

障害者支援施設など7か所に紙おむつ約300箱を備蓄した県福祉事業団の事務局は、「災害時には施設に要援護者を受け入れる可能性もあり、避難生活に対応できる態勢を整えたい」としている。

■2013.1.27  外国人の介護福祉士試験にふりがな
EPA=経済連携協定に基づいて来日した外国人の介護福祉士の国家試験が全国各地で行われ、難しい漢字の読み書きが壁になっていることから、ことしは試験問題のすべての漢字にふりがなをふって行われました。

このうち、東京・新宿区の会場では、インドネシア人とフィリピン人合わせて54人が介護の専門的な知識や技術などに関する筆記試験に挑みました。

EPAに基づいて介護福祉士を目指して来日した外国人が日本の介護施設で働き続けるためには、来日から4年以内に介護福祉士の資格を取らなければなりません。

しかし、働きながら日本語を学習するため、専門用語など難しい漢字を読み書きする試験問題が大きな壁となり、1回目の去年の合格者は36人、合格率は38%にとどまっています。このため、ことしの問題はすべての漢字にふりがなをふって実施され、3時間半だった試験時間も1.5倍に延長されました。

厚生労働省によりますと、この5年間にEPAに基づいて介護福祉士を目指して来日したインドネシア人とフィリピン人は933人で、今回の試験では全国25か所で322人が受験したということです。

37歳のフィリピン人女性は「ふりがながついたのは、ありがたいですが、専門用語を理解するのが難しいです。日本で介護の仕事をしたいので合格したい」と話していました。
介護福祉士の国家試験は、実技試験を経て3月末に合格発表が行われます。

■2013.1.28  手軽に意志伝達、筆談アプリを発売 姫路の福祉用品販売会社
福祉用品販売会社「ジャパンアイテムコーポレーション」(兵庫県姫路市)が、米アップル社のタブレット型多機能端末のiPad(アイパッド)やスマートフォン(高機能携帯電話)のiPhone(アイフォーン)を利用して筆談ができるアプリ「話せる文字パッド」を発売した。高齢者や体の不自由な人が、手軽に意志伝達できるという。

このアプリは、画面上に並んだ文字と数字のキーにタッチして伝えたい言葉を入力できる。50音順に並べることで「高齢者でも見つけやすいようにした」ほか、○や×などのキーで簡単な意思表示がすぐできるよう工夫を凝らした。このほか、選択した文字を大きく表示したり、入力した文章を音声で読み上げたりする機能も持たせた。

同社はグループ会社で訪問看護などを行っている。その中で看護師から、高齢や障害により会話や筆談が難しい要介護者と「うまくコミュニケーションをとれる方法はないか」との要望が寄せられたことから、アプリの開発に着手した。専用機械は施設で導入する場合に費用がかかるため、既存の情報端末で使えるアプリの開発に絞り、約1年がかりで完成した。

同社の松浦久美子社長(52)は「コミュニケーションがうまくとれれば、看護のサービス向上にもつながる。アプリをダウンロードするだけなので幅広い方に気軽に使ってほしい」と話した。

アプリの価格は千円。現在はiPadとiPhohe向けのみだが、順次対応機種を増やしていく予定。問い合わせは同社((電)079・225・5220)。

■2013.1.28  寒い時期は「老人性低体温症」に注意しましょう!
「老人性低体温症」に注意!
高齢者が寒さで体の深部の体温が35度以下に下がった状態を「老人性低体温症」と呼び、寒さが厳しい今の時期は本人または周囲は注意が必要です。

万が一、「老人性低体温症」を発症したら?
「老人性低体温症」は主に、軽度(35〜32度)・中度(32〜28度)・高度(28度以下)3つに分類されます。

主な症状は、「体が激しく震える」、「思考が鈍くなる」などで、ひどい場合は「昏睡状態に陥る」など、心拍数や呼吸などが弱くなり生命の危険が高くなります。

少しでも「老人性低体温症」の疑いがある場合は、暖かい衣類に着替える、湯たんぽなどを使って体を温める対策をしましょう。またご家族が発症した場合は、毛布にくるむなどして体温を上げる対策をし、すぐに病院にかかりましょう。

■2013.1.30  日本知的障害者福祉協会と日立システムズ、福祉事業者向けシステムを開発
日本知的障害者福祉協会と日立システムズ(高橋直也社長)は、共同で知的障害者関係施設・事業所向けの業務管理システム「福祉協会ASP」を開発した。1月29日から予約を受け付け、4月に提供を開始する。

「福祉協会ASP」は、日本知的障害者福祉協会が推奨する新しいアセスメント方式を実践する機能に加え、施設利用者の身体・生活情報などを一元管理できる利用者台帳や、カレンダースケジュール、報酬請求に必要な書類を簡単に作成できる自立支援請求、日誌や申し送りなどを簡単に作成できる日誌ケース記録、利用者のニーズに沿った計画を策定できる個別支援計画など、多くの機能を備える。

インターネットの接続環境があれば手軽に導入でき、システム管理はデータセンター側で行うので、管理のわずらわしさもない。費用は利用者数に応じた安価な月額払いで利用でき、小規模施設などでも導入することができる。

日本知的障害者福祉協会と日立システムズは、協会会員と一般の福祉事業者に「福祉協会ASP」の導入を推進し、知的障害のある人たちが、人間としての尊厳が守られ、豊かな人生を実現できるように支援する。

販売は、日立グループのクラウドソリューション「HarmoniousCloud」の下、日立システムズが運営するオープンクラウドマーケットプレース「MINONARUKI(みのなるき)」で行う。

税別価格は、初期費が障害者事業所向けが9万2400円から、障害児事業所向けが5万400円から。3月末までに予約した場合は、初期登録サービス・追加登録サービスが無料となる。

■2013.1.31  医療・福祉活動の災害時支援、官民チーム発足へ…広島
地震などの災害時に被災地支援を効果的に行うため、広島県と県内の医療・福祉関係団体が2月1日、「災害時公衆衛生チーム」を発足させる。

東日本大震災の被災地では各地から多くの支援が寄せられたが、団体によって活動期間や人数が異なり、一貫性と継続性に欠ける点が課題とされた。県によると、官民一体となった同様のチームは全国的に例がないという。

同大震災では、県内の医師や保健師、職員ら延べ318人が被災地に入り、支援活動を実施。現地での活動経験から「団体ごとではなく、まとまった支援体制が必要」との声が出されたため、チーム作りを決めた。

チームには、県と医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、社会福祉士会など11団体が参加。「調査班」と「医療班」「保健衛生班」に分かれ、活動する。

災害が起きた場合、チームは被災地から県への支援要請を受けて活動。保健師で構成する調査班が現地に入り、既に活動している救命医療を担う災害医療派遣チーム(DMAT)から、現状など必要な情報を引き継ぐ。その後、災害拠点病院で勤務する医師や看護師らによる医療班が被災者の治療や健康管理にあたり、歯科衛生士や精神保健福祉士などでつくる保健衛生班が心のケアや避難所の衛生管理などをする。調査班は5人程度、医療班と保健衛生班は計10人程度を想定している。

県健康福祉総務課の担当者は「支援要請があれば、<オール広島>で迅速、適切に対応していきたい」と話している。

■2013.1.31  大興タクシー不正請求:刈谷市処分 福祉助成、知立市にも129件2万9340円 /愛知
刈谷市の福祉タクシー料金助成制度を巡り、同市神田町の大興タクシーが不正請求した問題で、同様の制度がある知立市は30日、同社が昨年4月から12月までの間、129件計2万9340円の不正請求をしていたと発表した。同市は不正分の全額返還を求めるとともに、同社を31日から2カ月間の入札資格停止処分にした。また、同社の永井嗣実(つぐみ)社長は2月から給料の20%、取締役の1人は10%を2カ月間自主返納することを決めた。

市によると、知立市の制度は障害者だけが対象で、年間1人36枚のタクシー利用券が給付される。1枚当たりの限度額は大型が610円、小型が500円とし、一度に6枚まで使える。1枚で不足する場合は、2枚目以降に不足額を書くか現金で納める規定だ。

しかし、同社は端数の金額が記載されていなかった券に限度額を書いて請求したほか、券を受け取った運転手が端数分を自己負担し、券には限度額を書いて請求し、差額分を着服していたという。

不正が可能になったのは、一度に6枚まで使えるようになった02年4月以降だが、関係書類の保存期限が1年のため、1年以上前の調査は難しいという。

市は「同社とも協議しながら、できる限りの調査を続け、全容を判明させたい」と話している。

■2013.1.31  車椅子バスケ:福祉出前授業で選手が実演 園児が歓声 笠松 /岐阜
パラリンピックや全国大会に出場した車椅子バスケットボールの一流選手とふれあう福祉出前授業が28日、笠松町無動寺の下羽栗保育所で行われ、3〜6歳児101人と松枝保育所の年長組32人が迫力ある車椅子バスケットボールを間近で見た。

笠松町社会福祉協議会の主催。講師を務めたのは、アテネ・パラリンピック日本代表の三宅克己さん(41)と、ぎふ清流大会に出場した県内チーム「岐阜SHINE」の池戸義隆さん(36)。池戸さんは3歳の時に交通事故で頸椎(けいつい)を痛め、下半身が不自由になった。96年に関養護学校の卒業生を中心に「岐阜SHINE」を結成し、現在、病院職員として働く。

2選手と一緒に保母さんが車椅子に乗ってプレーすると、園児たちから「うわぁー!」と歓声が飛んだ。北川夕真ちゃん(6)は「なんで車椅子に乗ってバスケットができるの?」と首をかしげれば、加藤愁也君(5)は「テレビで見た。格好いい」と喜んでいた。

下羽栗保育所の森千恵子所長は「障害を持ちながら頑張っている方と交流することで子供たちに優しさが育まれる」と話した。

 

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