残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

Past news

残しておきたい福祉ニュース

 2013年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2013. 5. 1 脳脊髄液減少症:和歌山地裁で労災認定 国が控訴
 2013. 5. 1 障がい者就労支援オフィス:「いつかフルタイムで」 県庁に設置、きょう開所式 /岐阜
 2013. 5. 1 駐車スペース利用証:必要な人が止めやすく 障害者や高齢者に県、今月から /滋賀
 2013. 5. 1 つなごう・わがまち:補助犬用トイレを整備中央区 /福岡
 2013. 5. 1 東日本大震災:福島第1原発事故 避難者や復興、応援したい 震災後初のカフェ開業 南相馬市小高区役所 /福島 NPO「ほっと悠」
 2013. 5. 1 常習累犯窃盗:知的障害男性に実刑 累犯者支援、困難さ浮き彫りに 地裁判決 /神奈川
 2013. 5. 1 障がい者就労支援オフィス:「いつかフルタイムで」 県庁に設置、きょう開所式 /岐阜
 2013. 5. 1 <人員配置違反>計画作成担当者の兼務などでグループホームを一部業務停止処分――松阪市
 2013. 5. 1 <高齢者向け自転車>転倒しにくい3輪タイプの電動アシスト自転車を発売――パナソニック
 2013. 5. 1 麻痺乗り越えマウンドへ 兵庫の堤さん障害者野球の甲子園¥o場
 2013. 5. 1 「白杖掲げたら声掛けて」 県人権擁護委員が児童に説明  福岡
 2013. 5. 1 虐待:職員による障害者・児童施設利用者への虐待6件 厳重注意や減給処分 法改正で県が初公表 /大分
 2013. 5. 2 脱ひきこもり:アミーゴの部屋から/1 出身の男性、県内施設に就職 /和歌山
 2013. 5. 2 障がい者就労支援オフィス:県設置、愛称は「かがやき」 知事出席し開所式 /岐阜
 2013. 5. 2 横領:元弁護士会副会長逮捕 東京地検
 2013. 5. 2 障害者就労支援事業所:「けやきカレッジ」1期生9人で開所 多治見 /岐阜
 2013. 5. 2 障害者雇用ノウハウ広めてほしい
 2013. 5. 2 発達障害、支援態勢を強化 東京・八王子市教委
 2013. 5. 2 発達障害の高校生サポート 「支援員」、道立8校に正式配置
 2013. 5. 2 知的障害女性 ロープで拘束され 大阪・岸和田
 2013. 5. 2 虚偽書類作成:障害者事業所の指定取り消し 仙台市など
 2013. 5. 2 古河市乗り合いタクシー:「愛・あい号」運行5年目 「市民の足」定着 追加登録を呼びかけ /茨城
 2013. 5. 2 補助犬用トイレ設置 福岡市民福祉プラザ地下に
 2013. 5. 2 全社会福祉法人の財務諸表を公表へ
 2013. 5. 2 愛媛県、福祉施設向け避難指針 原発事故への備え促す
 2013. 5. 2 おじゃまします:ベーカリーカフェゆめ工房 /大阪
 2013. 5. 3 広がる障害者雇用
 2013. 5. 3 障害者施設の虚偽書類作成:仙台市と大阪市、指定取り消し 「エコライフ」
 2013. 5. 3 福祉市場:障害者生産の野菜など販売 亀山PA /三重
 2013. 5. 3 福祉作業所&デザイナー コラボ商品人気 大津パルコ NPO法人「県社会就労事業振興センター」
 2013. 5. 3 男性介護士2人、入所者に−−陸別の特養ホーム /北海道
 2013. 5. 4 子供の人口:32年連続で減少…1649万人に
 2013. 5. 4 高齢者施設、実情と選び方 NPO法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」
 2013. 5. 4 フォークデュオ「紙ふうせん」が 障害者支援の場に来場を 6日・宝塚、入場無料 /兵庫 社会福祉法人ひょうご障害福祉事業協会
 2013. 5. 5 パン工房が藍住に誕生 障害者らいきいき就労、7日から営業
 2013. 5. 5 手作り布製品など販売、障害者の就労支援 島田 NPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」
 2013. 5. 5 パン工房が藍住に誕生 障害者らいきいき就労、7日から営業 社会医療法人あいざと会
 2013. 5. 5 手作り布製品など販売、障害者の就労支援 島田 NPO法人オールしずおかベストコミュニティ
 2013. 5. 6 介護保険から「軽度」分離 厚労省、市町村事業への移行検討
 2013. 5. 6 8作家、個性光る60点 近江八幡「NO−MA」でアート展
 2013. 5. 6 全盲留学生、障害者教育学ぶ
 2013. 5. 6 花咲きまつり盛況 知的障害者施設日の出太陽の家
 2013. 5. 6 松山のNPO法人が障害者事業所内にパン屋開店
 2013. 5. 6 障害者の「心」アートで 藤沢であすまでタペストリー展示
 2013. 5. 7 性同一性障害者に年金共通番号 一時ネット閲覧可能に
 2013. 5. 8 作業所がご当地スイーツ作り さのみ作業所
 2013. 5. 8 障害者を正式雇用し菓子店 NPO法人すみれ会
 2013. 5. 8 焼却炉熱で野菜栽培、障害者の雇用創出も 県村山総合支庁の実証実験 山形
 2013. 5. 8 七色お菓子へ4点商品化 仙台・発達障害者の就労支援法人 「ぶれいん・ゆにーくす」
 2013. 5. 8 <福祉用具>「自動プッシュアップ機能」を備えた車いす用クッション発売 株式会社タイカ
 2013. 5. 8 精神科病棟の患者が殴られ死亡、病院職員を逮捕 病院職員広川慶容疑者(23)
 2013. 5. 9 障害者雇用促進へ県が新制度 シンボルマーク制定で積極的企業を認証 山形
 2013. 5. 9 改定効果「いまひとつ」 障害者雇用率引き上げ 宮崎
 2013. 5. 9 川崎市消防局が障害者向け通報システム、スマホでも利用OK/神奈川
 2013. 5. 9 知的障害がある従業員用にグループホームを開設 大分
 2013. 5. 9 障害者虐待、1033件認定…「家族から」8割
 2013. 5. 9 名古屋市助成金を不正受給 視覚障害者用つえ材質偽る
 2013. 5. 9 <辞令の偽造等>不正手段による指定などで、デイサービス事業所を指定取消――新潟市 株式会社サン・ファミリー介護センター 
 2013. 5.10 障害者の自立支援 生活介護事業所が開所 NPO法人「ふきのとう」 奥出雲町
 2013. 5.10 力抜き障害者と交流を 伏見であす京都文教大生が催し
 2013. 5.10 まちかど美術館で「エコアート展」 「小山こすもす園」 小山
 2013. 5.10 工賃アップめざし自家焙煎コーヒー販売 天童の福祉施設 「天童ひまわり園」
 2013. 5.10 利用者虐待の障害者施設 運営法人に改善命令 NPO法人「リブロ」
 2013. 5.10 県などが補聴器購入を助成 長崎
 2013. 5.10 車いすで入浴できるケアホームが開所 NPO法人「鹿陽会」 佐賀
 2013. 5.10 災害時の高齢者避難で地域差 廿日市市
 2013. 5.10 ハンセン病患者の骨格標本、昭和初期に20体作製…熊本大
 2013. 5.10 福祉施設を応援 京都府が認証制度
 2013. 5.10 信号機:歩行者用ボタン一新 見やすく押しやすく 徳島県警
 2013. 5.10 佐賀の3事業所が50万円 NPO法人「リブロ」
 2013. 5.11 障害者アートのカタログ初作成 金沢・愛育学園の教室
 2013. 5.11 障害者が接客、調理 神戸にレトルトカレー専門店 NPO法人「ウィズアス」
 2013. 5.11 18歳未満の男性、脳死で臓器提供…国内4例目
 2013. 5.11 こども病院に宿泊施設建設へ、市民に募金呼びかけ
 2013. 5.11 水俣病研究者、原田正純さんの足跡紹介…新潟
 2013. 5.11 創作ダンスグループ:「ルード・フェアリー」あす公演会、泉佐野で /大阪
 2013. 5.12 視覚障害者の映画製作ドキュメンタリー 横浜の支援団体「View−Net神奈川」が公開
 2013. 5.12 刑罰ではなく福祉の手を 触法障害者 司法に更生期待の動き
 2013. 5.12 福祉用具の悩み解決へ 県が草津に窓口、6月1日開設
 2013. 5.12 北波多の福祉作業所にパン工房オープン NPO法人地域みらいず
 2013. 5.13 働きやすい職場「あるある」 障害者雇用へ事例集 京都
 2013. 5.13 日田市の身障者福祉協が60周年記念大会
 2013. 5.13 諏訪湖のナックルフォア 知的障害の若者出場 5人の息ひとつ
 2013. 5.13 ハンセン病療養所・長島愛生園 心通うカフェ…岡山
 2013. 5.13 認知症731施設で防火違反…誘導灯・排煙など
 2013. 5.13 フットサルで心にパワー  青森
 2013. 5.13 新鮮野菜や加工品販売 和歌山で第1回 /和歌山 社会福祉法人「一麦会」(麦の郷)
 2013. 5.13 <孤独死対策(1)>社会的に孤立しやすい高齢者とは?――総務省調査
 2013. 5.13 <孤独死対策(2)>高齢者の孤立防止対策、行政の限界は?――総務省調査
 2013. 5.14 聴覚障害者の震災体験証言 DVD常時放映 神戸
 2013. 5.14 べてるの家から音楽CD 浦河
 2013. 5.14 色覚障害助けるアプリ開発 端末カメラで画像変換
 2013. 5.14 障害者支援に NTT西日本がNPOに寄付
 2013. 5.14 障害者等級上げろと脅迫 山口組系幹部を逮捕
 2013. 5.14 障害者差別解消法の今国会成立目指す 参議院会館で緊急集会
 2013. 5.14 発達障害の子を犯罪から守る 北区、19日 /岡山
 2013. 5.14 田植え:福祉施設利用者、千枚田で 小豆島町中山 /香川 NPO法人「あすなろの家」社会福祉法人同仁会「のぞみ園」社会福祉法人「ひまわりの家」NPO法人「風の家」
 2013. 5.14 <資格失効で不正請求>居宅事業所、他人名義で業務を行い指定取消――千葉県  株式会社灯屋
 2013. 5.14 笑う介護士 袖山卓也のFacebook
 2013. 5.14 強姦容疑の「笑う介護士」処分保留で釈放 東京地検
 2013. 5.14 自閉症の子どもは「動き」を素早く認知
 2013. 5.14 フードバンクで食料支援、小林由卓さん /広島
 2013. 5.15 県内障害者の犠牲113人 震災の津波で被災 福島
 2013. 5.15 視覚・聴覚障害者24時間サポート共同住宅 函館のNPO、来月着工 NPO法人ユニバーサルホーム函館をつくる会
 2013. 5.15 12年度、障害者6万8千人就職 過去最多を更新
 2013. 5.15 「ポッターくん」ストラップ作る 四日市の自立支援施設通所者
 2013. 5.15 障害者と地域、ふれ合うカフェ NPO法人「ドアドアらうんど青森」
 2013. 5.15 障害との接点 就労支援NPO、JR氷見駅前に開店 「4人の社会貢献見て」 /富山 NPO法人「b-らいふ」
 2013. 5.15 島根大が年2回のオープンカレッジ 知的障害者にも大学で学ぶ機会を /島根
 2013. 5.15 トヨタ自動車九州:福祉施設で汗 新入社員研修 /福岡
 2013. 5.15 宇治山田商高:3年7人、障害者施設とコラボ、今年度商品開発へ 伊勢 /三重 NPO法人ステップワン
 2013. 5.15 給食で誤食12・6%…調布の小中、学校ミスも
 2013. 5.15 上峰の介護事業所指定取り消し相当…佐賀 「デイサービスつどい」
 2013. 5.15 不正受給:介護業者が100万円以上 サービス費を架空請求、すでに解散 /佐賀 「デイサービスつどい」
 2013. 5.16 障害者働く「カフェ デ ソル」オープン1カ月、地域へ根差した憩いの場に/南足柄 社会福祉法人「足柄緑の会コスモス学園」
 2013. 5.16 水墨画の奥深さ堪能 風景、草花、多彩に100点 墨の県展 障害者福祉施設「つつじ園」 千葉県
 2013. 5.16 手話人材確保、県内急げ 市町に養成義務化 愛媛
 2013. 5.16 県産米粉のせんべい製造販売へ 障害者就労継続支援事業所(B型)「ワークスペースかん」 佐賀市 
 2013. 5.16 障害者装いわいせつ、容疑の40歳男再逮捕/埼玉
 2013. 5.16 障害者に働く楽しさを 配膳・接客 「給料日待ち遠しい」 松山のNPO法人運営レストランNPO法人家族支援フォーラム 
 2013. 5.16 県内障害者就職最多464人 前年度比16・9%増 高知
 2013. 5.16 企業・団体向けにパンフレット 「障害者アート使って」 埼玉
 2013. 5.16 脳性まひサッカー元代表選手が講演
 2013. 5.16 福祉施設に野菜届け12年 小山の農家有志
 2013. 5.16 小郡の障害者虐待:「被告に言い知れぬ怒り」 2市民団体、地裁久留米支部に要望書 /福岡 障害者就労支援施設「ひまわり」
 2013. 5.16 苫小牧市 大久保測量・企画部 障害者用「あかすり」開発 /北海道
 2013. 5.16 <グループホーム火災>41%の施設で違反が是正されず――GHの防火・避難体制の調査結果
 2013. 5.16 <人員基準違反>介護報酬の不正請求で、訪問介護事業所を効力停止処分に――大阪市  訪問介護ステーションレインボー
 2013. 5.16 <自動体外式除細動器>AEDの適切な管理・点検を注意喚起――厚労省
 2013. 5.16 障害者らのネット閲覧支援…高松のソフト会社
 2013. 5.16 特別支援教育、幼稚園・高等学校では依然として体制整備に遅れ…文科省
 2013. 5.16 障害者支援の拠点に 北見の法人 介護事業所を開所 社会福祉法人北の大地
 2013. 5.17 障害者支援不正 宮城県、利府の施設も指定取り消しへ 「エコライフ」
 2013. 5.17 障害者に働く場を提供/新法施行で三豊総合病院 香川県
 2013. 5.17 障害者支援:「ゆうあい」、古本販売が好調 書籍増、事業拡大へ /島根 NPO法人「プロジェクトゆうあい」
 2013. 5.17 障害者雇用:過去最多 法定雇用率引き上げ前に 高知労働局 /高知
 2013. 5.17 >映画:「盲学校教諭」の心見て 竹内さん、謝礼ためモンゴルに学校 市民ら「映画に」 岡山
 2013. 5.17 小松菜栽培:障害者、収穫や出荷などに汗流す 大口・支援施設 /愛知 「グリーンファーム」
 2013. 5.17 災害時要援護者避難支援プラン:県内18万人、自治体の計画作成難航 個人情報提供に難色 支援者不足も深刻 /茨城
 2013. 5.17 高齢者に化粧、施設訪問300回…千葉・松戸
 2013. 5.17 高齢者の異変即対応…東京・町田市
 2013. 5.18 養護施設で性的虐待 アルバイトの20代女性が男子高校生にわいせつ行為 大阪
 2013. 5.18 胃がんリスク検診20歳も無料 兵庫・篠山市40歳に加え
 2013. 5.18 苫小牧に障害児の支援施設「くれよん」オープン
 2013. 5.18 1日40分運動する高齢者、がん・認知症リスク2割減
 2013. 5.18 障害者施設の虚偽書類作成:エコライフ、県が指定取り消し 補助金不正受給も /宮城
 2013. 5.18 不正受給:介護報酬を 運営会社の指定取り消し 久留米市 /福岡 「有限会社ケイテック」
 2013. 5.20 金曜に出店、物品販売 長岡京市役所で6障害者施設
 2013. 5.20 成長記録で発達障害者支援 自立支援協、「ファイル」作成 和歌山
 2013. 5.20 障害者就労支援:姫路に「アロマサロン」開業 専門的な研修で施術取得 /兵庫 NPO法人・姫路自立生活支援センター
 2013. 5.20 幸福度:本県が全国1位、民間シンクタンクのランキング 知事「各分野でバランス」 /長野
 2013. 5.20 人口推計 全都道府県で65歳以上人口が3割超へ
 2013. 5.21 昨年度の障害者就職 過去最多846人
 2013. 5.21 食通じて自立支援 頴娃に障害者雇用の給食センター 社会福祉法人「更生会」
 2013. 5.21 知的障害者の社会参加促す “やわらぎの里”カフェ開業、延岡市 「蒼空−SORA−」
 2013. 5.21 介護で活躍期待「脚型ロボット」開発
 2013. 5.21 車いすダンサー・鈴木剛さん /奈良
 2013. 5.21 ドクターヘリ:島根のヘリ、県中・西部でも運航 時間短縮、緊急対応の不安解消へ /鳥取
 2013. 5.22 障害者支援施設 指定を取り消し 虚偽申請で さいたま市 「バンビの杜さいたま」
 2013. 5.22 仮設住宅入居者「看護支援必要」…宮城
 2013. 5.22 大分・別府温泉が脳卒中予防? 毎日入浴の人発症少なく
 2013. 5.22 障害者施設の虚偽書類作成:虚偽文書で事業所指定 県、取り消しへ /長崎 「エコライフ」
 2013. 5.22 生活困窮者支援 社会福祉法人が担え
 2013. 5.22 障害者就職:大幅増、294増の1254件に 12年度労働局調査 /三重
 2013. 5.22 虐待防止で要求書/知的障害の団体 「柏の実学園」
 2013. 5.23 特養の元職員、入所者殴り逮捕…埼玉・春日部
 2013. 5.23 通報「精一杯の決心」と施設長 行政も検証へ 埼玉 元職員の大吉崇紘
 2013. 5.24 特養傷害、春日部市聴取せず「虐待なし」と報告
 2013. 5.24 春日部・特養で死傷 市「あらためて検証」 近く組織設置へ
 2013. 5.24 埼玉・春日部の特養3人死亡:「介護士」採用後に異変 「虐待の疑い」報告
 2013. 5.24 知的障害持つ娘と父、明るくも残酷に あす公開「くちづけ」 こんな現実、冗談じゃない 劇団「東京セレソンデラックス」
 2013. 5.24 障害者優先発注、7割増を目指す方針 /栃木
 2013. 5.24 子の発達障害向き合い歩む
 2013. 5.24 入所型福祉施設のスプリンクラー設置に助成 佐賀県
 2013. 5.24 スプリンクラー9割が未設置 厚労省、障害者施設調査
 2013. 5.24 「障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全体制等に関する実態調査、訪問調査」の結果 厚生労働省
 2013. 5.24 美術展:“生き生き”作品30点 「障害者、理解深めて」 中京 /京都 障害者支援施設「DO」
 2013. 5.24 地域医療を考える 骨粗鬆症 圧迫骨折に注意を
 2013. 5.25 異常ないびきに気づいた…急変「発見」の容疑者
 2013. 5.25 カブトムシ:幼虫贈る 白石の知的障害施設、今年も園児らに /宮城 社会福祉法人「白石陽光園」
 2013. 5.25 仙台・障害者就労支援不正 エコライフ、自己破産へ
 2013. 5.25 災害に備え、全小学校にリヤカー配備 松山
 2013. 5.25 障害者施設から優先調達 目標1250万円 栃木
 2013. 5.25 支援学級生徒にいじめ、集団で服脱がそうと
 2013. 5.26 災害弱者、県内に5万4千人 最多は秋田市
 2013. 5.26 介護職員、送迎先の住宅で現金を盗んだ容疑 介護職員瀬藤渡容疑者(44)
 2013. 5.26 手話通訳士資格を持つ益田市職員・田根亜由子さん /島根
 2013. 5.26 救われた犬たちがセラピーで人救う
 2013. 5.26 全盲の柳川さん、トライアスロンで世界へ
 2013. 5.26 焼酎ラベル10万枚突破 鹿屋の知的障害者手作り
 2013. 5.26 「しょうぶ学園」施設長・福森伸さん /鹿児島 パーカッションバンド「otto&orabu」
 2013. 5.27 法定雇用率引き上げ 障害者適性、見極め戦力に
 2013. 5.27 接客任せ障害者にやりがい カフェやキッチンカー  「ソーシャルカフェ サインウィズミー」
 2013. 5.27 障害者施設の商品券配布 京都市の式典記念品
 2013. 5.27 ホンダ労組が支援教材寄贈 狭山市障害者就労
 2013. 5.27 「競馬やサラ金の返済に使った」 元事務局長9200万円着服 神戸、関西最古の老人ホーム 社会福祉法人神戸老人ホーム
 2013. 5.27 自閉症の長女が画家、小野崎静さん /秋田 「アウトサイダーアート」
 2013. 5.28 障害者カフェ、就職への一歩 支援事業所が都留にオープン  社会福祉法人「小さな花」
 2013. 5.28 「あじさい御膳」 障害者支援のカフェで提供 宇土市 「銀河カレッジ」
 2013. 5.28 病院で高齢者防犯教室…宮崎・都城
 2013. 5.28 不正受給:障害福祉事業の運営会社、和歌山市が指定取り消し /和歌山 「日本おんがえし」
 2013. 5.28 障害者カフェ、就職への一歩 支援事業所が都留にオープン  「チャレンジ・ドリーム」
 2013. 5.29 ADHDは作られた病であることを「ADHDの父」が死ぬ前に認める GIGAZINE
 2013. 5.29 障害者丹精の陶器 宇和島市役所ロビー展 「八つ鹿工房」
 2013. 5.29 新作富士山パン 世界遺産登録に合わせ披露へ 裾野 NPO法人裾野市手をつなぐ育成会
 2013. 5.29 「熱中症で錯乱」無罪…通行人襲った男性に判決
 2013. 5.29 「リブロ」改善を報告 職員が虐待のNPO
 2013. 5.29 障害者丹精の陶器 宇和島市役所ロビー展 「八つ鹿工房」
 2013. 5.29 「富山型」介護施設開所へ 新潟・障害者も受け入れ 一般社団法人「ななふく福祉会」
 2013. 5.29 個展:兄と二人三脚、銀座で初個展 自閉症の画家、福岡の太田さん 独特の色、ユーモアで花や動物描く /東京 「絵届け問屋 kousuke」
 2013. 5.29 障害を持つ人たちの「アートフレンズ展」開催 千葉・中央区
 2013. 5.29 老人ホームに放火の疑い、歯科医師を逮捕 福岡
 2013. 5.30 青森県内の生活保護受給世帯が最多更新
 2013. 5.30 障害者の結婚を橋渡し 6月23日、川越で相談会 「心身障害者結婚相談所」
 2013. 5.30 聴覚障害の少女がデフリンピックに 岡崎・久保さん
 2013. 5.30 「生の芸術」拠点整備を 知事が国に予算配分要望 アール・ブリュット
 2013. 5.30 長野の事業所 指定取り消し 申請より少ない職員配置 障害者就労支援事業所「バンビの杜ながの」
 2013. 5.30 ベネチア・ビエンナーレ:自閉症男性、滋賀の澤田真一さん出展 緻密な陶芸作品、自然体で
 2013. 5.30 障害者の絵画をカフェで販売 真庭にオープン
 2013. 5.31 石巻・狐崎浜のカキ直送 「かき小屋」オープン 仙台 アップルファーム


■2013.5.1  脳脊髄液減少症:和歌山地裁で労災認定 国が控訴
和歌山県内の元配管工の男性(42)の脳脊髄(せきずい)液減少症が労災事故によって発症したかなどが争点となった訴訟で、国は30日、事故との因果関係を認めた和歌山地裁の判決を不服として、大阪高裁に控訴した。

4月16日の地裁判決は、国の研究班が作成した画像による新診断基準などを基に、男性の症状について「髄液漏れの蓋然(がいぜん)性が高い」とした上で、男性が求めていた障害補償年金の支給決定(障害等級2級)を国に命じた。

■2013.5.1  障がい者就労支援オフィス:「いつかフルタイムで」 県庁に設置、きょう開所式 /岐阜
障害のある人が働きながら社会人としてのスキルを身に着けられるように、県が設置した「障がい者就労支援オフィス」開所式が1日、行われる。同オフィススタッフは知的障害のある18〜23歳の男性3人。3人は「いつかフルタイムで働きたい」と意欲を示している。

同オフィスは県庁5階人事課の一角を仕切った40平方メートル。就業開始の午前9時、「おはようございます」のかけ声とともに、3人の仕事が始まる。それぞれの体調や身なり、当日のスケジュールなどを確認する。

3人の身分は県人事課雇員。庁内各課の発送伝票のデータをパソコンで入力したり、封筒にタグをのり付けするなどの作業を請け負う。4月に採用され、1カ月間、トレーニングを積んできた。いよいよ本格的に業務をスタートする。

指導役は3月まで岐阜本巣特別支援学校長だった都竹輝昌さん(60)。都竹さんのアドバイスを聞きながら仕事をこなす。折戸智司さん(18)は「パソコンがなかなか慣れなくて、みんなが先に終わるとどうしても焦ってしまう」と苦笑い。筒井秀俊さん(18)は「きちっとした服装にまだ慣れていないけれど、いつかはフルタイムで働ける仕事を見つけるため頑張りたい」と話す。

オフィス設置で、県は面接などを経て3人の採用を決めた。契約期間は1年。最長3年まで延長でき、同オフィスで経験を積んで、社会人として独り立ちしてもらう計画だ。

4月から障害者の法定雇用率が引き上げられ、企業にとって障害者雇用は重要な課題になっている。都竹さんは「徐々に仕事が早くなってきたが、まだまだこれから。できることに自信をつけてもらい、少しずつ苦手を克服していってもらえれば」と話す。

■2013.5.1  駐車スペース利用証:必要な人が止めやすく 障害者や高齢者に県、今月から /滋賀
県は5月から、障害者や高齢者、妊婦ら移動に配慮が必要な人が駐車場の優先スペースを使いやすくなるよう、利用証の交付制度を始める。利用証は車内に掲示するタイプで「車いす優先区画(青色)」と、その他の「思いやり区画(緑色)」の2種類を用意。併せて店舗や公共施設にも優先区画の増設と配慮を呼びかける。

バリアフリー新法施行に伴い、公共施設などには優先駐車区画が設けられているが、一般車両が駐車する事例が相次いでいる。このため、障害者らは利用証を掲示し、優先区画には利用証と同じ図柄の車止めを置くなどして、必要な人が利用しやすくする。

利用証は申請者の状態に応じて最長5年間の有効期限を設ける。申請には障害者手帳など証明書類が必要。同様の制度を導入している京都など29府県と相互利用も可能にする。

県は「今後、優先区画を設けた店舗や区画の数などを県のホームページで紹介し、利便性を高めたい」としている。窓口は県健康福祉政策課

■2013.5.1  つなごう・わがまち:補助犬用トイレを整備中央区 /福岡
福岡市は、中央区荒戸3の市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)に補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)用のトイレを整備した。視覚障害者らの要請で実現した。市施設での補助犬用トイレの整備は、中央区長浜1の市立心身障がい福祉センター(あいあいセンター)に次いで2カ所目。

市によると、地下1階の男性用トイレを約100万円かけて改装した。広さ約10平方メートル。モルタルの床に排せつをしたら、便器に流すかシャワーで排水口に流すことができる。補助犬ではないペットは使用できないという。

市高齢社会政策課の担当者は「今後は我慢することなく安心してトイレを使ってもらえる」と話している。

■2013.5.1  東日本大震災:福島第1原発事故 避難者や復興、応援したい 震災後初のカフェ開業 南相馬市小高区役所 /福島 NPO「ほっと悠」
原発事故で避難指示解除準備区域に指定されている南相馬市小高区の同市小高区役所で30日、「Cafe いっぷくや」がオープンした。震災後、同市内の旧警戒区域でカフェが営業するのは初めて。初日は地元住民らで約30席は満席となり、手作り弁当60食も完売した。

障害者の就労を支援するNPO「ほっと悠」が運営し、職員と通所者の計4〜5人がサービスに当たる。メニューは▽手作り弁当(400円)▽椏久里(あぐり)コーヒー(300円)▽ブレンドコーヒー(200円)。村田純子理事長(59)は「避難している方や復興のため汗を流している方を応援したい。通所者の就労支援にもつなげたい」と話す。

同区は居住禁止で上下水道も一部復旧したばかり。津波で小高区の自宅を失い、同市鹿島区に移り住んだ佐々木まき子さん(58)は店を訪れ、「みんなと語り合える場ができたのはうれしい。早く住めるようになるといいですね」と話した。

営業は平日午前11時〜午後2時半。お弁当は午前10時まで予約も可。予約と問い合わせは同店

■2013.5.1  常習累犯窃盗:知的障害男性に実刑 累犯者支援、困難さ浮き彫りに 地裁判決 /神奈川
昨年11月にショッピングセンターの事務所で財布などを盗んだとして、常習累犯窃盗罪に問われた中度の知的障害がある男性被告(35)に対し、横浜地裁(樋上慎二裁判官)は30日、懲役3年(求刑・懲役4年6月)の実刑判決を言い渡した。男性は昨夏に刑務所出所後、初めて福祉サービスを受けたが、再犯に及んでしまった。改めて累犯障害者支援の難しさが浮かんだ。

判決などによると、男性は過去10年間に同罪などで3回の有罪判決を受け、昨年8月に出所した。身寄りがなく、高齢者や知的障害者の社会復帰を後押しする県地域生活定着支援センターの支援を受け、福祉施設で暮らし始めた。初めて生活保護も受けた。

しかし昨年11月、横浜市内のショッピングセンターや喫茶店で財布など計15万円相当を盗んだ。センター職員が定期的に面会していたが、目の届かないところで繰り返していた。公判で動機を「手元にお金がなかったから」と供述した。

判決で樋上裁判官は「サウナの飲食代目当てで酌量の余地はない」と指摘する一方、「センター職員に相談して自首し反省も深めている」と述べた。

累犯障害者の裁判では、福祉施設などへの入所を前提に刑の執行を猶予する判決も出ているが、男性は出所後すぐの再犯で、法律的に執行猶予が付かないケース。男性の支援者は「受け入れ先を見つけるだけでは更生につながらない。事件を起こさないよう安定した生活を送る環境づくりが欠かせない」と話した。

■2013.5.1  障がい者就労支援オフィス:「いつかフルタイムで」 県庁に設置、きょう開所式 /岐阜
障害のある人が働きながら社会人としてのスキルを身に着けられるように、県が設置した「障がい者就労支援オフィス」開所式が1日、行われる。同オフィススタッフは知的障害のある18〜23歳の男性3人。3人は「いつかフルタイムで働きたい」と意欲を示している。

同オフィスは県庁5階人事課の一角を仕切った40平方メートル。就業開始の午前9時、「おはようございます」のかけ声とともに、3人の仕事が始まる。それぞれの体調や身なり、当日のスケジュールなどを確認する。
 
3人の身分は県人事課雇員。庁内各課の発送伝票のデータをパソコンで入力したり、封筒にタグをのり付けするなどの作業を請け負う。4月に採用され、1カ月間、トレーニングを積んできた。いよいよ本格的に業務をスタートする。
 
指導役は3月まで岐阜本巣特別支援学校長だった都竹輝昌さん(60)。都竹さんのアドバイスを聞きながら仕事をこなす。折戸智司さん(18)は「パソコンがなかなか慣れなくて、みんなが先に終わるとどうしても焦ってしまう」と苦笑い。筒井秀俊さん(18)は「きちっとした服装にまだ慣れていないけれど、いつかはフルタイムで働ける仕事を見つけるため頑張りたい」と話す。
 
オフィス設置で、県は面接などを経て3人の採用を決めた。契約期間は1年。最長3年まで延長でき、同オフィスで経験を積んで、社会人として独り立ちしてもらう計画だ。
 
4月から障害者の法定雇用率が引き上げられ、企業にとって障害者雇用は重要な課題になっている。都竹さんは「徐々に仕事が早くなってきたが、まだまだこれから。できることに自信をつけてもらい、少しずつ苦手を克服していってもらえれば」と話す。

■2013.5.1  <人員配置違反>計画作成担当者の兼務などでグループホームを一部業務停止処分――松阪市
三重県松阪市は、計画作成担当者の兼務などの違反があったとして、「有限会社サンテ」が開設する指定認知症対応型共同生活介護事業所「グループホームやまぶき」を一部業務停止処分にしたと発表した。

処分により、同事業所は平成25年4月1日から平成25年9月30日までの6か月間、新規利用者の受け入れができなくなる。

【事業者の概要】
■事業者の名称:有限会社サンテ(代表取締役 齋藤洋一)

■事業者の所在地:三重県松阪市大黒田町658番地

■事業所の名称:グループホームやまぶき

■事業所の所在地:三重県松阪市駅部田町473番地

■サービス種別:指定認知症対応型共同生活介護事業

■指定年月日:平成18年4月1日

【処分の理由】
■1階ユニットの計画作成担当者は他のユニットの計画作成担当者として従事できないにもかかわらず、平成19年11月1日から平成24年10月30日までの5年間、2階ユニットの計画作成担当者として従事した。

■平成19年11月1日から平成24年10月30日までの5年間、2階ユニットの計画作成担当者の勤務実態がなく、計画作成担当者が配置されない状況で介護サービスを行った。

■松阪市が平成22年11月16日に実施した監査、平成20年3月12日と平成24年10月30日に実施した実地指導において、実際は1階ユニットの計画作成担当者が2階ユニットの利用者の認知症対応型共同生活介護計画を作成していたにもかかわらず、2階ユニットの計画作成担当者が計画を作成したと虚偽の報告を行った。
勤務表上は2階ユニットの計画作成担当者を位置づけているが、実際は勤務実態がないのにもかかわらず職員の名前だけを計画に記入して書類の偽造を行った。

■平成19年11月1日から平成24年10月30日までの5年間、1階ユニットの管理者兼計画作成担当者が兼務による支障をきたすなかで介護サービスを行った。

■一部の利用者に対し、要介護認定における更新申請にかかわる必要な援助を行わなかった。

■2013.5.1  <高齢者向け自転車>転倒しにくい3輪タイプの電動アシスト自転車を発売――パナソニック
パナソニック サイクルテック株式会社は、4月15日に高齢者の外出をサポートする3輪タイプの電動アシスト自転車を発売した。

電動機(モーター)により人力を補助し、らくに運転できると主婦層やシニア層を中心に人気の電動アシスト自転車。
安定性が高く、転倒しにくい3輪タイプの登場は、2輪自転車の運転に不安を感じるようになった高齢者の外出をサポートする。
また、これまで買い物などで3輪タイプの自転車に乗っていた人には、電動モーターがペダルを漕ぐ力を助ける電動アシストに乗ることで、たくさんの荷物を乗せても快適な走行を得られるというメリットもある。

パナソニック サイクルテック株式会社は、4月15日より高齢者の外出をサポートする3輪タイプの電動アシスト自転車を発売すると発表した。

電動機(モーター)により人力を補助し、らくに運転できると主婦層やシニア層を中心に人気の電動アシスト自転車。
安定性が高く、転倒しにくい3輪タイプの登場は、2輪自転車の運転に不安を感じるようになった高齢者の外出をサポートする。
また、これまで買い物などで3輪タイプの自転車に乗っていた人には、電動モーターがペダルを漕ぐ力を助ける電動アシストに乗ることで、たくさんの荷物を乗せても快適な走行を得られるというメリットもある。

【商品の概要】
■品名:かろやかライフEB
■品 番 BE-EN R 835
■車輪サイズ:前18インチ/後16インチ
■車体質量(重量)・寸法:32.9 s、全長1,635mm 、全幅580mm
■フレームカラー:パープル、チタンシルバー
■走行距離:パワーモード約48km、オートマチックモード約56km
■バッテリー:リチウムイオンバッテリー
■バッテリー容量:25.2V-13.2Ah
■充電時間 約4.5時間
■希望小売価格:200,000円(税込)

【商品の特長】
■買い物に便利な3 輪タイプの電動アシスト自転車
3輪タイプの自転車は後方に多くの荷物が入る大型バスケットが搭載されているので、シニア層を中心に買い物用として広く利用されている。3輪タイプの電動アシストは、電動モーターがペダルを漕ぐ力をアシストすることで、たくさんの荷物を乗せても快適な走行が可能。
また、LED のオートライトの搭載で、ライトのつけ忘れを防ぎ、周囲からの視認性を高めることで、夜間走行の事故のリスクを軽減する。

■バッテリー容量を約10%増量
従来モデルの12Ah から約10%アップした13.2Ah のバッテリーを搭載することで、走行距離は約9%アップの約48km(パワーモード時)とさらなる長距離走行を実現。走行途中のバッテリー切れの心配や充電の手間を軽減した。

■操作がしやすいエコナビLEDスイッチ
操作がしやすいようにアシストモードを「オートマチック」「パワー」の2つを設定。
「オートマチック」は力を必要とする発進時や上り坂は「強」、平地では「中」、下り坂は「OFF」となるアシストモードで、走行条件によりアシストの強さを自動的に調整すめ。「パワー」は常に強い力でアシストするため、上り坂などが多い場面で活用できる。
また、走行状態をセンサーで感知し、自動でムダを見つけて省エネ走行する「エコナビ」機能搭載により、さまざまな道路状況や走行条件に応じて快適性を失わず、より最適なエコ運転を行うことが可能。

■その他の特長
・ 坂道などの停車時に安全に停車できるパーキングブレーキ機能を搭載。
・ ハンドル部で前輪の施錠・解錠ができ、屈まずにロックすることが可能。
・ 乗る方に合わせて角度調整(0 度・10 度・25 度)が可能な可変式スイング機構。

◎パナソニック サイクルテック株式会社
http://cycle.panasonic.jp/

■2013.5.1  麻痺乗り越えマウンドへ 兵庫の堤さん障害者野球の甲子園¥o場
障害のある人たちが全国から集い、11日から神戸市で始まる“障害者野球の甲子園”、「第21回全国身体障害者野球大会」(日本身体障害者野球連盟など主催)に、手術中の事故で足にまひを負った兵庫県佐用町の県職員、堤佑真さん(22)が投手で初出場する。歩けない状態から、懸命のリハビリと練習で、強豪チーム「神戸コスモス」のマウンドを任されるまでになった堤さん。「精いっぱいのプレーを見てもらいたい」と意気込んでいる。

松坂大輔投手(米大リーグ)に憧れて小学5年で野球を始めた堤さん。しかし野球少年の夢は、中学2年のときに絶たれた。腰の手術を受けた際、手術中に神経を損傷する事故に遭い、左足首より先にまひを負った。半年間入院し、退院後の残りの中学生活も車いすで過ごした。

リハビリを重ね、少しずつ歩けるようにはなったが野球を続けることはできず、「一歩引いた」(堤さん)生活を送らなければならなかった。迷惑をかけるのではと思い、友人と遊ぶときにも、遠出の際は同行を避けた。

「野球はあきらめるしかないのか」−。あきらめかけた堤さんに転機が訪れたのは平成18年の秋。高校1年のときだった。

神戸市で初開催された「世界身体障害者野球大会」を“障害者野球のワールドベースボールクラシック(WBC)”と紹介した新聞記事。体に障害がある選手たちが「侍ジャパン」のユニホームを着て躍動、日本は世界一になっていた。遠慮がちだった堤さんの心も躍った。「自分もまた野球ができるかもしれないと思うと、興奮が止まらなかった」という。

入団するチームを探し、高校3年の春に神戸コスモスに入団。当初は体が思うように動かず、走ることやキャッチボールもできなかった。多くの選手を指導してきた岩崎廣司監督(63)ですら「本当に野球ができるんかな」と心配したほど。

しかし、そこから“闘い”が始まった。週1回の練習に加え、自宅でも、まひしている左足に頼らない投球フォームを身につけるため、毎日シャドーピッチングを続けた。

「こちらから止めなければ倒れるまで練習する」(岩崎監督)ほどの努力が実り、ぐんぐん成長。体重100キロを超える巨体から投げ込む豪速球は「球速だけなら全国でもひけをとらない」(西原賢勇(けんゆう)主将)ほどになり、岩崎監督も「将来チームを引っ張っていく素材」と期待をかける。

開会式の選手宣誓も行う堤さん。「先輩たちの姿を見て障害者野球のことを知ったので、自分も役目を引き継ぎたい。将来は世界大会に出て、多くの人に障害者野球を知ってもらいたい」と話すその顔は、充実感にあふれている。

16チームが競う大会は、11日から「ほっともっとフィールド神戸」(神戸市)で始まる。

■2013.5.1  「白杖掲げたら声掛けて」 県人権擁護委員が児童に説明  福岡
県盲人協会が進めている視覚障害者が街角で困った時、白杖(はくじょう)を頭上に掲げる「白杖シグナル運動」に県人権擁護委員連合会が啓発・普及に取り組むことになり、30日、人権擁護委員が太宰府市の水城西小(伊藤安代校長、779人)を訪れ、児童にシグナルを説明した。

シグナルは1970年代に同協会が普及を試みたが、一般にはあまり知られなかった。東日本大震災や九州北部豪雨で視覚障害者が避難に困る状況が発生したことを踏まえ、昨年秋に再び普及に乗り出した。同協会の取り組みに人権擁護委員連合会が賛同、県内約500人の人権擁護委員が本年度から小中学校、特別支援学校計1138校(分校含む)を訪ね、ポスターの掲示を依頼している。

この日は筑紫人権擁護委員協議会の安河内興二副会長ら3人が水城西小を訪問。児童会計画運営委員会の5、6年生14人にポスターを示しながら、「シグナルを見かけたら『どうしたのですか』と声を掛けてください」と語りかけた。

■2013.5.1  虐待:職員による障害者・児童施設利用者への虐待6件 厳重注意や減給処分 法改正で県が初公表 /大分
県は30日、12年10月〜13年3月に県内の障害者福祉施設で1件、また12年度に県内の障害児施設、児童養護施設など5施設で5件、それぞれ職員による利用者などへの虐待があったと発表した。

12年10月施行の障害者虐待防止法と、09年4月の児童福祉法改正に基づき、障害者福祉施設や児童自立支援施設などでの虐待の状況を初めて公表した。これまでは該当事案がなかったという。

県によると、13年1月、児童関連の施設で女性保育士が学習指導の際、小2と小4の男児の頭を平手でたたくなどし、また別の施設でも、男性保育士が子どもたちのもめ事を仲裁する際、小2と小5女児、小4男児の髪の毛をつかむなどしたという。障害児施設でも12年6〜11月、7人の職員が9人の男子中学生や高校生の頭を丸刈りにしたり、頭や頬をたたくなどしたという。けがはなかったという。いずれも施設が減給や厳重注意の処分とした。

障害者福祉施設では12年10月ごろ、現場責任者の50代男性職員が30代の女性利用者を叱責。女性はしばらく通所を怖がったが、現在は通っているという。施設は職員を文書での厳重注意処分とした。

■2013.5.2  脱ひきこもり:アミーゴの部屋から/1 出身の男性、県内施設に就職 /和歌山
ひきこもりから脱しようとする若者たちが集う場所「アミーゴの部屋」が、和歌山大学(和歌山市栄谷)にある。アミーゴは「心を許し合える仲間」を意味するスペイン語。

精神科医と気軽に話すことができ、当事者同士が経験を共有しながら、社会復帰を目指す部屋だ。復学を果たした学生が“後輩”の相談に乗ることも多い。全国でも珍しい取り組みで、県外の大学や支援機関の視察も多い。2010年の内閣府の調査によると、ひきこもりは全国で約70万人とされ、高齢化も社会問題になっている。当事者が助け合う「アミーゴ」たちを取材した。

アミーゴの部屋には現在、アミーゴ出身の「メンタルサポーター」が2人常駐している。相談に乗ったり、復学を目指す学生に教室まで付き添ったりする非常勤職員だ。3月までサポーターだった男性(27)は先月から、県内の障害者施設で働き始めている。同大3年の時、通学できなくなったが、アミーゴの部屋で生きる力を得た。

宮崎県出身。小学校高学年の頃からいじめられた。下駄箱の上履きの中に画びょうを入れられ、トイレ掃除当番の日はクレンザーをまかれた。やせ形の体型を「ガイコツ。気持ち悪い」と言われた。抗議すると、いじめがエスカレートした。

両親は、知的障害がある兄の世話にかかりきり。年齢の離れた姉は県外に住んでいた。苦しみを誰にも言えず、学校を休む日が増えた。父の暴力が原因で母が離婚を決意し、中学2年の時に母、兄と引っ越したが、父が追ってきた。母に「一緒に死のうか」と切り出されたこともあった。

転機は中学3年生の時に訪れた。1カ月間、児童相談所で過ごし、職員の優しさに救われ、同年齢の友人ができた。初めてほっとできた。その後、両親の離婚が成立し、高校では楽しく過ごせた。「好きなゲームを作る仕事をしたい」。04年に和歌山大システム工学部に入学した。

◇半年通い9割外出可能へ 和歌山大内に集う場所

アミーゴの部屋は、医師と看護師、保健師が常駐する和歌山大学保健管理センターの一施設。隣には、同センターの精神科医の部屋があり、個別面談の時間以外はドアは開けっ放し。ひきこもりから脱しようとしている若者が、授業の合間に休息したり、仲間としゃべったり、ゲームをしたり、思い思いの時間を過ごす。現在、約40人が出入りしている。

若者たちがここに来るきっかけのほとんどが、センターでの面談だ。面談を重ねるうちに部屋に通うようになり、半年通った人の9割が日常的に外出できるようになっている。

アミーゴの名付け親は、昨年3月まで同センター長を務めた精神科医で、同大名誉教授の宮西照夫さん(64)。ひきこもり回復支援が専門で、現在は紀の川病院副院長だ。長年、中米・グアテマラで精神医療の調査もし、ひきこもり経験者も連れて同国を訪問。その縁で、同国公用語・スペイン語のアミーゴを取り入れた。

■2013.5.2  障がい者就労支援オフィス:県設置、愛称は「かがやき」 知事出席し開所式 /岐阜
就労を目指す障害者に仕事のスキルやルールを身につけてもらおうと、県が設置した「障がい者就労支援オフィス」の開所式が1日、県庁で行われた。県職員らが見守る中、古田肇知事がオフィスの愛称を「かがやきオフィスぎふ」と発表した。男性スタッフ3人は名札を受け取り、本格的に業務をスタートした。

オフィスは知的障害のあるスタッフが勤務経験を積み、民間企業などへ就職するステップとしてもらうことが狙い。式で古田知事は「みなさん一人一人が輝くことで、県全体が輝いていければ。オフィスのノウハウや意義が県内に広く伝わるよう支援していきたい」とあいさつした。スタッフの男性(23)は「手先が器用なので細かい作業が得意。大変なこともあるけれど、いつかは民間で事務の仕事がしたい」と決意を語った。

■2013.5.2  横領:元弁護士会副会長逮捕 東京地検
成年被後見人の預金を着服したとして、東京地検特捜部は1日、元東京弁護士会副会長の弁護士、松原厚容疑者(76)を業務上横領容疑で逮捕した。逮捕容疑は2010年3月、女性の定期預金を解約し、1000万円を自分の口座に入金したとしている。松原容疑者は07年9月に千葉家裁から女性の後見人に選任され、財産を管理していた。

東京弁護士会によると、逮捕容疑のほかにも、女性の口座から1500万円を自分の口座に移したり、女性の不動産を売却した代金などから1400万円を着服したりした疑いがある。松原容疑者は1991年度に同会副会長を務めた。

松原容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に「業務の必要経費として使ったが、一部は家のローンの返済などに充てた。(自分の)土地を売って弁済するつもりだ」と話していた。

◇通帳類提出、義務づけへ 日弁連が内規

認知症や知的障害などのために判断能力が十分でない人を支援する成年後見制度を巡っては、後見人となった弁護士による財産の着服が相次ぎ、再発防止が課題になっている。財産を適切に管理しているかどうか弁護士会が調査する権限はないが、日本弁護士連合会は内規を新設し、着服の疑いがある弁護士に対する調査権を所属弁護士会に与え、調査対象となった弁護士に通帳類の提出を義務付ける方針だ。

日弁連によると、昨年5月以降、今回の事件以外に、大阪や福岡など5都府県で弁護士7人が業務上横領罪などで起訴された。日弁連は専門チームを設置し、今年2月には親族などからの苦情を受け付ける窓口機能強化を各地の弁護士会に要請している。

■2013.5.2  障害者就労支援事業所:「けやきカレッジ」1期生9人で開所 多治見 /岐阜
多治見市根本町の旧根本児童センターが改装され、新たに障害者就労支援事業所「けやきカレッジ」として1日、オープンした。社会福祉法人「みらい」(柴田勇夫理事長)が“就職のための学校”に特化して訓練する事業所で、開所式では第1期生9人が社会での自立を目指して決意を述べた。

事業所は、鉄筋2階建て。定員20人で研修期間は2年間。職員5人が、読み書きや計算などの基礎学習、食事マナーや身だしなみなど日常の社会生活に必要な対応や、働くための訓練、就職活動のためのノウハウを教える。

開所式では、研修生9人が自己紹介。「一生懸命頑張って就職して、働きたいです」などと決意を表明した。障害のある2人の息子を持つ柴田理事長は「スタートは時間がなくて9人だが来年は定員いっぱいの人を受け入れたい。社会で生きていくためのスキルをしっかり身につけて巣立っていってほしい」と話した。

■2013.5.2  障害者雇用ノウハウ広めてほしい
障害者が働く現場を大臣が視察しました。田村厚生労働大臣はきょう、知的障害者や精神障害者の雇用を専門にした都内の企業を視察しました。

オフィスの中では障害者が契約書のチェックなどの業務を行っていて、田村大臣は職員から直接、作業内容の説明をうけました。厚労省は、精神障害者の雇用を義務付けるよう法律の改正を目指していて、田村大臣は「障害者を前向きに活用するいい事例、ノウハウを広めて頂きたい」と語りました。

■2013.5.2  発達障害、支援態勢を強化 東京・八王子市教委
小、中学校で発達障害と診断される子どもたちが増えていることを受け、東京都八王子市教委は支援態勢の強化に乗り出した。7年前に作った特別支援教育推進計画を見直し、3年の目標期間に特別支援学級の計画的な配置や教員研修の充実などを盛り込んだ第2次計画をスタートさせた。

文部科学省が昨年、全国の公立小中学校を対象に無作為抽出調査をしたところ、6・5%の子どもが発達障害の可能性があると分析された。八王子市でも発達障害とみられる子どもの数は増加傾向にある。小、中学校の求めに応じて心理士が行う巡回相談は12年度、807件で、08年度と比べてほぼ倍増した。

発達障害のある子ども向けの特別支援学級の人数も増えている。昨年度までに小学校10校、中学校6校に設けられ、小学生は07年度の174人から11年度には281人に、中学生も36人から82人に増えた。普段は通常学級に通いつつ、週1回だけ訪れ、少人数でのコミュニケーション指導を受けたり、調理実習を通じて順序立てて物事を進めることを学んだりする。

■2013.5.2  発達障害の高校生サポート 「支援員」、道立8校に正式配置
道教委は2013年度、自閉症や学習障害といった「発達障害」などで支援が必要な生徒が在籍する道立8高校に、生徒を個別に支える「特別支援教育支援員」を正式に配置する。道教委が11年度に行った実態調査で、学校の支援を受ける生徒が全体の0・7%に当たる485人いることが判明し、細やかな対応が課題になっていた。学校の支援態勢を徐々に広げることで、生徒が勉強しやすい環境を整える狙いだ。

支援員は教員免許や社会福祉士などの資格を持ち、学校に常駐し、生徒を学習面や生活面で支える。教員に助言するほか、校内の支援態勢の調整も担う。

■2013.5.2  知的障害女性 ロープで拘束され 大阪・岸和田
1日午後1時50分ごろ、大阪府岸和田市の民家で、住人の無職女性(36)がぐったりしているのを帰宅した母親(62)が見つけ、119番通報した。女性は病院で死亡が確認された。大阪府警岸和田署によると、女性には重度の知的障害があり、父親(64)が外出する際、女性を椅子に座らせてロープで棚にくくりつけたという。同署は司法解剖して死因などを詳しく調べる。

同署によると、女性は両親らとの計5人暮らし。父親が午前7時半ごろ、女性をくくりつけた後に出勤し、母親も午前10時半ごろ出かけ、女性は1人だった。数年前から、女性をくくりつけて外出することがあったという。

■2013.5.2  虚偽書類作成:障害者事業所の指定取り消し 仙台市など
仙台市青葉区の障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」(菊地幸郎社長)が虚偽の書類を作成し、障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に基づく障害福祉サービス事業所の指定を不正に受けていた問題で、同市と大阪市は2日、両市にある3事業所の指定を取り消した。仙台市は、障害者訓練給付金など国や市の交付金計約3億1800万円の返還を請求し、宮城県警に刑事告訴する方針。

指定には、福祉施設で2年以上の実務経験がある管理者らの配置義務があるが、3事業所は経験のない菊地社長らの虚偽の経歴証明書を提出していた。

同社などはこの3事業所を含め「バンビの杜(もり)」の名称で宮城県内や大阪市など計10カ所で障害者就労支援施設を運営している。

■2013.5.2  古河市乗り合いタクシー:「愛・あい号」運行5年目 「市民の足」定着 追加登録を呼びかけ /茨城
交通弱者の利便性向上を図ろうと、08年7月に導入された古河市の乗り合いタクシー「愛・あい号」が運行5年目を迎える。旧総和町、三和町内を1回300円の格安で利用できることから、登録者数は増加傾向にあるものの、事業費の一部を支出している古河市は負担軽減を目指して、さらなる利用を呼び掛けている。

「愛・あい号」は事前登録と事前予約が必要。運行は平日の午前8時〜午後4時、1時間ごとに運行。小学生は100円、未就学児は無料。中学生以上は300円だが、旧2町外となる茨城西南医療センター病院(境町)に行く場合は500円になる。

古河市によると、登録者数は運行した08年度が6914人。その後、順調に伸び続け、12年度は9454人に達している。同年度(運行241日)の利用者数は延べ2万9174人に上り、1日平均では121・1人が利用している。「市民の足」として定着してきた形だ。

同市が今年1月に行った利用者アンケートでは、利用者の年齢は60歳以上が9割弱を占め、6割弱が午前8〜11時の時間帯に利用していた。また、行き先は「医療機関」が約75%に上り、続いてスーパーや公共施設が多かったという。

12年度の利用者収入は約980万円。年間総事業費約5400万円のうち、国の補助金(700万円)と利用者収入を除いた不足額を市が補填(ほてん)する。同市は「高齢社会に向け、今後も高齢者に寄り添った優しいシステムの構築に力を注いでいきたい」と継続運行する方針。

また、アンケートでは、旧古河市への乗り入れを希望する声が多かったものの、民間事業者への配慮も必要になることから、旧古河市内で運行している循環バス「ぐるりん号」との接続などを検討している。

時間延長を望む声も多く、古河市は「できるだけ利便性を高めていきたい」と話している。

■2013.5.2  補助犬用トイレ設置 福岡市民福祉プラザ地下に
福岡市は、目や耳、手足などに障害がある人を支える補助犬のための専用トイレを中央区荒戸3丁目の市民福祉プラザ地下に設置した。補助犬用トイレは市内で3カ所目となる。

市によると、盲導犬や聴導犬、介助犬を含む補助犬は通常、排便マナーなどしつけられてはいるが、外出中に我慢できずに排便してしまうこともあるという。しかし専用トイレが少ないため、利用者が便を拾ってかばんに入れて持ち帰るケースもあり、同施設を訪れる利用者からもトイレ設置の要望が相次いでいた。

トイレはモルタル床とタイル壁を施し、4畳半ほどの広さ。便器とシャワーが付いている。事業費は約100万円。プラザの開館時間(午前9時〜午後9時)は利用できる。専用トイレはほかに、天神の西鉄福岡(天神)駅北口付近と、中央区長浜1丁目の市立心身障がい福祉センター「あいあいセンター」にもある。

市保健福祉局高齢社会政策課は「トイレの数は十分とは言えないが、少しでも障害者の負担軽減につながれば」としている。

■2013.5.2  全社会福祉法人の財務諸表を公表へ
規制改革会議の岡素之議長(住友商事相談役)は2日の会合後の記者会見で、すべての社会福祉法人の財務諸表を公表する方向で、厚生労働省と合意済みであることを明らかにした。

経営の透明性を高めるのが狙いで、いつからどのような形で公表するか、厚労省が年度内に結論を出す。規制改革会議はまた、昨年度の財務諸表についても公表するよう主張しており、こちらは同日から「2週間以内」の回答を厚労省側に求めている。岡議長は会見で、前向きな回答に期待感を示した。
社会福祉法人の経営情報は、サービスの利用希望者らから請求があれば、原則として閲覧に応じるよう社会福祉法で規定されている。ただ、第三者への公表に関しては、2000年12月に出された局長通知の中で、広報やインターネットなどを活用して「自主的に公表することが適当」とされ、具体的な対応は社会福祉法人側に委ねられている。

これに対して規制改革会議は、公費の投入が妥当かどうかを判断するためにも、すべての社会福祉法人の経営情報を分かりやすく公表すべきだというスタンス。岡議長は会見で、「バランスシートや損益計算書が出てくれば、かなりのところが分かると思う」などと述べた。

社会福祉法人の経営をめぐっては、多額な内部留保が蓄積されているケースもあり、経営の透明性の向上を求める声が上がっている。

■2013.5.2  愛媛県、福祉施設向け避難指針 原発事故への備え促す
愛媛県は社会福祉施設の管理者が原発事故に備え、入居者らの避難計画を作るのを促すためガイドラインを策定した。県は2月に改定した地域防災計画に、社会福祉施設の管理者は原発事故時の避難計画を策定することを明記した。県はガイドラインを作ることで、施設管理者が避難計画を作成する際の参考にしてもらう。

避難計画の作成は、四国電力伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)から半径30キロメートル圏内にある介護施設や障害者施設、保育所などが対象。県によると昨年7月時点で287施設あるという。

ガイドラインでは事故情報の収集や施設の安全確認、入居者への状況説明など、役割ごとに担当者を決めておくことを求めている。また、事故直後や屋内退避の指示が出た後など、状況に応じた職員の行動手順も定めておくよう記している。

避難計画の作成期限は設けていないが、県は施設の監査時などに、避難計画を作成しているかを確認する。


■2013.5.2  おじゃまします:ベーカリーカフェゆめ工房 /大阪
◆大阪市旭区生江3

◇もちっとした生地、昔ながらの味

旭区の城北公園の向かいにあるベーカリーカフェ。「障害者がいきいきと働く場を」と、11年10月にオープンした。知的障害や発達障害のある20代〜40代のメンバー12人がパンやクッキー作りに励んでいる。名前の「C」にはコミュニティー、コミュニケーション、クリエーティブの三つの意味が込められているという。

作っているパンは菓子パン、総菜パン、食パンなど約25種類で、値段は120〜150円。北海道産を中心に国産の小麦だけを使い、添加物などは加えずに手作りしている。もちっとした生地のパンは昔ながらの懐かしい味だと評判だ。

職員もメンバーもパンの製造は素人だったが、各地へ研修に出向き、腕を磨いてきた。運営する社会福祉法人「地域ゆめの会」の中沢昭広さん(53)は「毎日の積み重ねの中でメンバーが力をつけてきていると実感している」という。

カフェには、パスタや焼き飯、カレーなどのランチメニューもあり、焼きたてのパンと一緒に食べることができる。窓からは公園の緑が目に入り、暖かな日差しが心地よい。中沢さんは「地域の人たちとの交流スペースとして、みなさんに理解を深めてもらえれば」と話している。13席。9〜18時。土日祝日休み。

■2013.5.3  広がる障害者雇用
企業に義務付けられている障害者の雇用率が今月から1.8%から2%に引き上げられ、企業が対応に乗り出しています。

ユニクロを展開するファーストリテイリングでは、障害があるスタッフは現在、裏方作業が中心ですが、今後、接客など健常者と同じ仕事を任せる方針です。

障害には身体・知的・精神の3つのタイプがありますが、障害者の就労支援を行うウイングルの里中創氏によると「採用されやすいのは身体障害者」だと言います。現在、企業が雇う義務があるのは身体・知的障害者のみ。

しかし、2018年からは精神障害者も義務付けられる方針で障害者の雇用はさらに拡大する見通しです。障害者を戦力として活用する動きもあります。

食品トレーを製造・販売するエフピコは、グループ全体の障害者雇用率が16.3%に達します。自閉症などの障害がある人は、こだわりが強く、健常者よりも高い生産性があるとしています。障害者を雇用する企業に投資する鎌倉投信の新井和宏氏は「障害者を雇う企業は人材の多様性があり、新しい発想や事業を生み出す可能性がある」として、企業は今後積極的に障害者を雇うべきだとしています。

■2013.5.3  障害者施設の虚偽書類作成:仙台市と大阪市、指定取り消し 「エコライフ」
仙台市青葉区の障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」(菊地幸郎社長)が虚偽の書類を作成し、障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に基づく障害福祉サービス事業所の指定を不正に受けていた問題で、同市と大阪市は2日、両市にある3事業所の指定を取り消した。仙台市は、国や市の交付金計約3億1800万円の返還を請求し、宮城県警に刑事告訴する方針。

■2013.5.3  福祉市場:障害者生産の野菜など販売 亀山PA /三重
障害者の自立のあり方を検証する「2013ゴールデンウイーク ウェルフェア マルシェ(福祉市場)」が2日、亀山市の東名阪自動車道亀山パーキングエリアで始まった。4日まで。

障害者団体や福祉施設、企業らでつくる実行委員会の主催。1次産業の農産品の生産に関わる福祉施設、2次産業の加工業者、3次産業の販売など、それぞれの分野で、企業や地域とつながり、社会の一員として生きていく仕組み作りのために実施した。

福祉市場には、鈴鹿市や亀山市を中心に福祉団体や福祉施設、企業計12団体が参加。会場には、障害者が生産した野菜をはじめ、加工した味付けタマゴ、生産に関わった果物のジャム、和紙製品などを、ボランティアも協力して販売している。

実行委員会は「月に1、2回実施し、障害者の社会参画の可能性を広げたい」と話している。

■2013.5.3  福祉作業所&デザイナー コラボ商品人気 大津パルコ NPO法人「県社会就労事業振興センター」
滋賀県内外の障害者福祉作業所で作られた雑貨や菓子を販売する「ポッピング アラウンド デパートメント」が、期間限定で大津パルコ(大津市)に出店している。デザイナーと作業所が協力して作った「コラボ商品」は、センス抜群で売れ行きも好調という。6日まで。

草津市で障害者の就労支援をしているNPO法人「県社会就労事業振興センター」の呼びかけで実施。会場には、県内をはじめ6都府県から約20の福祉作業所が参加し、クッキーや陶器、衣類など約60点が並んでいる。県にゆかりのある商品としては、東近江市で栽培された有機野菜を作業所で加工した乾燥野菜や日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニングセンターで不要になった競走馬のゼッケンから仕立てたかばんなどがある。

同センターの市田恭子事務局長は「一般の雑貨店に置いても通用する質の高いものばかりなので、ぜひ足を運んでほしい」と話している。問い合わせは大津パルコ

■2013.5.3  男性介護士2人、入所者に−−陸別の特養ホーム /北海道
陸別町の社会福祉法人「北勝光生会」(高木英雄理事長)が運営する「特別養護老人ホームしらかば苑」で3月、介護士が入所者に暴力を加えていたことが2日、分かった。

同法人などによると、男性介護士2人が入所している複数の高齢女性のほおをたたいたほか、女性介護士5人が暴力的な言葉を使ったという。入所者の家族の申告で発覚。十勝総合振興局で調査している。
 
同法人は既に男性介護士2人を出勤停止、女性介護士5人を戒告などとしたほか、施設長ら上司3人を更迭した。同法人は「暴力行為があったのは事実。道の指導や処分を待ち、対応したい」としている。

■2013.5.4  子供の人口:32年連続で減少…1649万人に
総務省は4日、「こどもの日」に合わせて15歳未満の子供の推計人口(4月1日現在)を発表した。子供の人口は前年より15万人少ない1649万人で、1982年から32年連続の減少。総人口に占める子供の割合は12.9%(前年比0.1ポイント減)で、75年から39年連続低下した。人口、割合とも同じ手法で統計を取り始めた50年以降で最低を更新した。

男女別では男子が844万人、女子が804万人で、いずれも前年より8万人減少した。年代別では中学生(12〜14歳)が355万人、小学生(6〜11歳)が661万人、未就学の乳幼児(0〜5歳)が633万人。

都道府県別(昨年10月1日現在)に子供の数をみると、前年より増加したのは東京都と沖縄県だけで、それぞれ約3000人増の約149万4000人、約1000人増の約24万8000人。

最も減少数が大きかったのは福島県と大阪府で、いずれも約1万1000人減少し、約25万2000人、約115万2000人だった。

福島については東京電力福島第1原子力発電所事故が影響しているとみられる。総人口に占める割合で高いのは沖縄県(17.6%)▽滋賀県(14.8%)▽佐賀県(14.4%)。低いのは秋田県(11.1%)▽東京都(11.3%)▽北海道(11.7%)−−の順だった。

■2013.5.4  高齢者施設、実情と選び方 NPO法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」
NPO法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」(大阪市東成区)は24日午後2〜4時、同市中央区のドーンセンターで、「高齢者施設の暮らし」と題したセミナーを開催する。参加費1000円(会員500円)。

同機構は2000年から高齢者施設の利用者のニーズを聞き取り、改善点を施設側に伝えるオンブズマン活動を続けている。セミナーでは、過去10年で介護現場のハード・ソフト面がどのように変化したかを報告し、選ぶ際の注意点を伝える。申し込み、問い合わせは同機構(06・6975・5221)。

■2013.5.4  フォークデュオ「紙ふうせん」が 障害者支援の場に来場を 6日・宝塚、入場無料 /兵庫 社会福祉法人ひょうご障害福祉事業協会
障害者支援施設「はんしん自立の家」(宝塚市美幸町)が6日午後2時、フォークデュオ「紙ふうせん」のコンサートを開く。同施設は入所者の個性を尊重し、ボランティアらも運営に加わっており、石田英子施設長は「施設のことを知ってもらう機会になれば」と来場を呼びかけている。入場無料。

同施設は85年、英国の障害者が自由に暮らす「チェシャーホーム」をモデルに開設。重度の障害者ら入所者約50人が、書道や音楽などを楽しむための支援に取り組んでいる。

コンサートはボランティアのメンバーが紙ふうせんの後藤悦治郎さん、平山泰代さんと知り合いで、声をかけたのがきっかけ。後藤さんらは「ハンディキャップを持ちながらも、自分の家で暮らすような感覚を」との施設の考えに共感し、出演を決めたという。

■2013.5.5  パン工房が藍住に誕生 障害者らいきいき就労、7日から営業
藍里病院などを運営する社会医療法人あいざと会(上板町)が7日、精神障害者らの就労の場として藍住町勝瑞の県道沿いに「パン工房 ランベリー」をオープンさせる。4月から病院関係者向けに自家製パンの販売を始めていて「安くておいしい」と好評を得ている。

パン工房の開設は、あいざと会が運営する地域活動支援センター・ことじ(上板町)で働く障害者と社会との接点をつくり、就労意欲向上につなげることが目的。所有する県道沿いの土地に木造2階建て延べ約100平方メートルの工房を、約2500万円掛けて建設した。

工房では専門スタッフ2人と障害者数人が作業、生地を成形、発酵させて焼き上げる。

看板商品とする白桃のクリームや黄桃が入った「ももパン」や「鳴門金時ポテトパイ」、数量限定の「幻のクリームパン」など十数種類のパンを用意。種類は季節や売れ行きによって見直す。店頭販売は平日の午前10時から午後3時半まで。病院スタッフや入院患者向けのパンも焼く。

4月上旬から働く障害者の30代女性は「働きやすい環境。うまく焼けると自信になる」とやりがいを語る。久保一弘理事長も「精神障害者が働ける職場は少ない。気持ちよく働いてもらい社会復帰につなげたい」と話している。

■2013.5.5  手作り布製品など販売、障害者の就労支援 島田 NPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」
障害者の就労支援に取り組むNPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」は4日、志太榛原地域の作業所の製品を販売するコーナーを島田市宝来町のアピタ島田店1階に設置した。5日まで。
 
出品したのはワークセンターコスモス(島田市)やみどりの丘(川根本町)など、いずれも就労継続支援B型事業所の5団体。100〜500円ほどの値段で、手作りの布製品や日用品、菓子などを販売している。
 
丁寧に裁縫された巾着袋やペットボトル入れ、炭やオリーブオイルの石けん、アクセサリーや雑貨などが並ぶ。
 
大井川鉄道のSLをかたどったサブレや陶製の急須や茶飲みなど、作業所がある地域の特色を取り入れた製品もあり、買い物客を楽しませている。

■2013.5.5  パン工房が藍住に誕生 障害者らいきいき就労、7日から営業 社会医療法人あいざと会
藍里病院などを運営する社会医療法人あいざと会(上板町)が7日、精神障害者らの就労の場として藍住町勝瑞の県道沿いに「パン工房 ランベリー」をオープンさせる。4月から病院関係者向けに自家製パンの販売を始めていて「安くておいしい」と好評を得ている。

パン工房の開設は、あいざと会が運営する地域活動支援センター・ことじ(上板町)で働く障害者と社会との接点をつくり、就労意欲向上につなげることが目的。所有する県道沿いの土地に木造2階建て延べ約100平方メートルの工房を、約2500万円掛けて建設した。

工房では専門スタッフ2人と障害者数人が作業、生地を成形、発酵させて焼き上げる。

看板商品とする白桃のクリームや黄桃が入った「ももパン」や「鳴門金時ポテトパイ」、数量限定の「幻のクリームパン」など十数種類のパンを用意。種類は季節や売れ行きによって見直す。店頭販売は平日の午前10時から午後3時半まで。病院スタッフや入院患者向けのパンも焼く。

4月上旬から働く障害者の30代女性は「働きやすい環境。うまく焼けると自信になる」とやりがいを語る。久保一弘理事長も「精神障害者が働ける職場は少ない。気持ちよく働いてもらい社会復帰につなげたい」と話している。

■2013.5.5  手作り布製品など販売、障害者の就労支援 島田 NPO法人オールしずおかベストコミュニティ
障害者の就労支援に取り組むNPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」は4日、志太榛原地域の作業所の製品を販売するコーナーを島田市宝来町のアピタ島田店1階に設置した。5日まで。
 
出品したのはワークセンターコスモス(島田市)やみどりの丘(川根本町)など、いずれも就労継続支援B型事業所の5団体。100〜500円ほどの値段で、手作りの布製品や日用品、菓子などを販売している。
 
丁寧に裁縫された巾着袋やペットボトル入れ、炭やオリーブオイルの石けん、アクセサリーや雑貨などが並ぶ。
 
大井川鉄道のSLをかたどったサブレや陶製の急須や茶飲みなど、作業所がある地域の特色を取り入れた製品もあり、買い物客を楽しませている。

■2013.5.6  介護保険から「軽度」分離 厚労省、市町村事業への移行検討
厚生労働省は、介護の必要度が低い「要支援1」「要支援2」と認定された人向けのサービスを、将来は介護保険制度から切り離すことも含めて見直していく方針を固めた。増加する介護費用を抑制する必要があるためで、市町村によるサービス提供が受け皿になるか検討し年内に方向性を取りまとめる考えだ。

政府の社会保障制度改革国民会議が4月の論点整理で、軽度の高齢者は保険給付から市町村事業に移行し、ボランティア、NPOなども活用して柔軟、効率的に実施すべきだと提案している。介護費用は平成22年度で約7兆8千億円だが、37年度には21兆円程度になると予測されている。

24年12月末現在、「1」と「2」を合わせた要支援者は約150万人。全体の介護費用に占める割合は5%程度だが、重度者向けサービスの財源を確保するには、要支援者の給付内容や方法を見直す必要があると判断した。

厚労省は24年4月から、要支援者などへのサービスを市町村が選択して提供できる事業を開始。24年度は27自治体が導入した。費用抑制などのメリットが期待できるという。ただ、受けられる支援は全国一律ではないため、地域間格差が出かねないとの懸念もある。

■2013.5.6  8作家、個性光る60点 近江八幡「NO−MA」でアート展
絵画や造形のアート展「対話の庭」が滋賀県近江八幡市永原町上のボーダレス・アートミュージアムNO−MAでこのほど始まった。障害者など美術教育を受けていない人の独創的な芸術「アール・ブリュット」や現代アートなど8作家の個性的な約60点が並ぶ。

太鼓のばちでたたいた粘土の塊を並べ、会場でたたく音を流す空間造形「粘土太鼓」が目を引く。人物画をコピーのように何回も摸写し、同じ絵のようで少しずつ違う連作など五感を刺激するユニークな作品が並ぶ。

現代アート「LIFEline(ライフライン)」は水道管やガス管で「LIFE」の字をかたどり、災害と現代社会について考えさせられる。

8月11日まで。午前11時〜午後5時。月曜(祝日の場合は翌日)休館。300円。

5月19日午後2時から講演「アール・ブリュットから鑑賞教育を考える」をNO−MA向かいの野間清六邸で開く。観覧料のみで参加できる。定員30人。


■2013.5.6  全盲留学生、障害者教育学ぶ
東広島市鏡山の広島大教育学部で、全盲のベトナム人留学生、ファン・バン・ソンさん(36)が今春から研究生として学んでいる。かつて日本の特別支援学校で3年間学び、ベトナムの視覚障害者教育の不足を痛感。「優れた制度、施策を持ち帰り、母国の教育を充実させたい」。大学院への進学も目指している。

同大では多様な特別支援教育の授業を聴講し、点字の専門書も読み解く。指導教官の牟田口辰己准教授は「懸命で他の学生も刺激を受ける」と期待する。

寮で暮らし、留学生仲間や広島ベトナム平和友好協会の支援も受けている。障害のある学生を支援する同大アクセシビリティセンターによると、同大で全盲の留学生は初めて。

ハノイ出身。幼時から視覚障害があり、中学生の時に失明した。専門学校でマッサージなどを学び、地元で治療院を開いていた。

2007年、東京の社会福祉法人の支援で来日。留学した筑波大付属視覚特別支援学校では驚きの連続だったという。障害者に対する指導技術が確立しており、自立に向けた職業訓練もあった。帰国後、日本の教育法を学びたいと特別支援教育の研究が充実している広島大留学を決めた。

ベトナムには視覚障害者のための特別支援学校は数校で、設備も不十分という。「法制度なども学び、母国に理想の学校をつくる」と夢を描いている。

■2013.5.6  花咲きまつり盛況 知的障害者施設日の出太陽の家
「やさしいことをすると花が咲く」を合言葉に、日の出町の知的障害者支援施設「日の出太陽の家」で二十二回目となる「花咲きまつり」が四日、開かれた。かつて施設は住民の反対運動を経験したが、関係者はいま障害者への理解と支援の輪が広がっていることを実感している。

まつりには、ボランティアや一般市民ら約八百人(主催者発表)が参加した。

まつりは、障害者への理解促進と社会貢献を目的に二十年以上前に始まり、ボランティアの支援で回を重ねてきた。今年も地元自治会と亜細亜大学野球部、お茶や琴、乗馬などの愛好団体と有志らがスタッフとして裏方を務め、五十人は前日から泊まり込みで準備した。

会場にはさまざまな店が並び、野だてや炭焼き体験、忍者体験コーナーなども登場。あきる野市から家族で遊びに来た小学一年の渋沢巧大君(6つ)は黒装束で、手裏剣投げに挑戦。「初めてだけど、おもしろかった」と笑顔で声を弾ませた。

まつりの名前は、絵本「花さき山」(斎藤隆介作)に由来する。五年前に他界した施設創設者の中島正清さんが、絵本の中の「やさしいことをすると花が咲く 命をかけてすれば山が生まれる」との一節に感銘を受け、裏山を含む敷地全体を「花咲き山」と命名。まつりの名前にも「たくさんの人が訪れて、ふもとの村で花を咲かせてほしい」との願いを込めた。

中島さんは五十歳のとき、福祉の道を志して会社経営から身を引き、この地で売りに出ていた「武家屋敷」と裏山を購入。施設を建設して一九八七年に開園した。現在、三十人の知的障害者が施設で生活し、武家屋敷をボランティアの研修所として活用している。

開園まで七年ごしで地元の反対運動に遭った。このとき各地から多くの障害者ボランティアが集まり、「障害者のことを理解して」と住民を説得して回った。のちにオウム真理教事件で犠牲となった坂本堤弁護士と妻の都子さんもボランティアとして参加した。

花咲まつりは例年、地元自治会から、おはやしの山車なども繰り出し、祭り気分を盛り上げている。施設長の板垣修さんは「まつりは出会いの場であり、みんながさりげなく手を貸し合っている」と感慨深げに話した。

■2013.5.6  松山のNPO法人が障害者事業所内にパン屋開店
愛媛県松山市辻町の障害者多機能型事業所「いろえんぴつ」に今春、施設利用者が丁寧に仕上げたパンやクッキーなどを販売する店「COPAN(コパン)」がオープンした。緑色のテントが目印の店には焼きたてパンの香りが広がり、近隣住民らが立ち寄っている。
 
NPO法人花が運営するいろえんぴつでは、知的障害や精神障害のある利用者が菓子などを作り、イベントや百貨店などで販売してきた。冷凍や発酵ができる調理機械を購入したのを機に、昨年から施設内を改装して開店準備。試作を繰り返し、4月15日にオープンした。

■2013.5.6  障害者の「心」アートで 藤沢であすまでタペストリー展示
知的・精神・肢体障害者とその支援者ら二百人以上が五年の歳月をかけ、つくり上げた巨大タペストリー(縦三・三メートル、横六メートル)の展示が、藤沢市藤沢の昭和初期の米蔵を改装した「蔵まえギャラリー」で行われている。七日まで。

県内や東京・町田など計八カ所で、障害がある人たちにアートを楽しむ場を提供している「フェースofワンダー」(金子光史代表)の立案。共同作業が不得手だったり、その機会に恵まれない障害者に、大人数でものづくりをする楽しさを体感してもらう狙いがある。

タペストリーにはさまざまな絵画、色彩、文字がちりばめられている。文字を書ける人が「色」「空」などを書き、書けない人はその中を塗り込んだり、思い思いの柄を描いたりすることで制作に参加してきた。

「就学前から還暦をすぎた人まで、タペストリーに向かいました。全員参加が大切です。共同作業が苦手な自閉症の人も積極的に取り組んでくれ、びっくりしました」と金子代表は目を細める。

「フェースofワンダー」は、来場者にもタペストリーに「寄せ書き」をしてくれるよう呼び掛けている。それが制作に参加した障害者の喜びを増すことにつながるのだという。

開館時間は午前十一〜午後六時まで。問い合わせは、蔵まえギャラリー

■2013.5.7  性同一性障害者に年金共通番号 一時ネット閲覧可能に
日本年金機構が、性同一性障害で性別変更した人を判別するため、昨年10月から基礎年金番号10桁のうち前半4桁に共通する固定番号の割り当てを始めていたことが7日、分かった。4桁の番号が一時インターネットで確認できる状態だった。支援団体は勤務先などに性別変更を知られる恐れがあり、プライバシーの侵害に当たると批判している。

性同一性障害学会によると、性別変更者は国内に約3千〜4千人とされる。機構は昨年10月以降に性別を変更した人に対し新番号を割り当て、元の基礎年金番号と併せて二つの番号を持つ制度へと変更した。変更前は性別変更してもそれ以前と同じ番号を利用できた。

■2013.5.8  作業所がご当地スイーツ作り さのみ作業所
廿日市市串戸の障害者施設くさのみ作業所が、地元ブランドのイチゴ「はつかいちご」を使った菓子作りを進めている。これまでに本くずゼリーと焼き菓子を開発。地元産品のPRとメンバーの収入向上を目指す。

本くずゼリーは、牛乳を本くず粉で固めた素朴なゼリーに、乱切りにして食感を残したはつかいちごのソースがかかる。1個150円。焼き菓子はパウンドケーキ、いちごソース、そぼろ状の小麦粉が3層になったクランブルケーキ。同130円。品評会への出展とホワイトデー向けに、それぞれ昨秋とことし2月に開発した。

手掛けるのは、市内から作業所に通う前田桂さん(36)、山根誠さん(37)、那須伸二さん(44)と、職員の熊安由香里さん(51)。「数グラム単位の計量など、丁寧に根気強く仕事ができるのが3人の強み」と熊安さん。

はつかいちごは、同市上平良の農業山本貴志さん(42)が届ける。市内では平良地区を中心に戦後からイチゴ栽培の歴史がある。廿日市商工会議所はJA佐伯中央などと連携して、2009年に市内各地のイチゴを共通ブランド化。生産農家の減少で年間3千パック程度にとどまる少量出荷からの脱却を目指す。

二つの商品は現在、地域の祭りやバザー、個人の注文で生産している。同作業所は「今後は受注を増やして、メンバーの給料増につなげたい」としている。

■2013.5.8  障害者を正式雇用し菓子店 NPO法人すみれ会
精神障害者と雇用契約を正式に結んで最低賃金を保障する就労継続支援A型事業所が運営する菓子販売店が、笠岡市笠岡の西本町商店街の空き店舗にオープンした。地元の精神障害者を支援するNPO法人すみれ会(大下俊則理事長)が開設し、障害者を店員として訓練し、自立をサポートしていく。

パンジーと名付けた事業所は木造2階建て延べ177平方メートル。2階は事務所で、1階に菓子販売店「すぅいーつ工房すみれ」を開き、障害者4人が、指導員5人と一緒にクッキーやケーキなどを製造、販売している。月〜金曜日の午前9時半〜午後3時半に営業している。

A型事業所は、作業能力はあるが、一般企業での就労が困難な障害者に賃金を支払い、働きながら訓練させる。精神障害者用事業所は、井笠地域で4カ所目となる。すみれ会は岡山県の補助を受けて1千万円で整備した。

■2013.5.8  焼却炉熱で野菜栽培、障害者の雇用創出も 県村山総合支庁の実証実験 山形
県村山総合支庁は本年度から、廃棄物焼却炉の熱をビニールハウスに活用し、野菜を栽培する実証実験に取り組む。福祉の増進も目的の一つで、栽培に取り組むのは障害者。将来的には自治体や広域組合などが手掛ける処理施設との連携も視野に入れており、廃棄物焼却熱の多面的利用を図る。

県は本年度からの新たな短期アクションプランの中で、再生可能エネルギーを着実に増やすことで原発依存を回避する「卒原発」を提唱している。事業は、再生可能エネルギーの利活用促進だけでなく、障害者の雇用の創出にもつなげていこうと、初めて実施。栽培は、山形市で障害者支援施設向陽園などを運営する社会福祉法人愛泉会に委託した。

焼却炉は、同市内のキヨスミ産研の廃棄物焼却用の炉を活用。炉とビニールハウスを管でつなぎ、炉の熱で温まった循環水の一部をハウスに回すことで室温を高める。ハウスは1棟で、100平方メートル程度を想定。ミニトマトやスティックブロッコリーなどを栽培する。

ハウス内では自動計測の温度計を活用し、1時間に1回程度、温度を計測。温度が安定するかなど、データを詳細に集める。7〜9月ごろにハウスを建設し、事業を開始する。

全国では同様の取り組みが広がりつつあり、年間を通じたミョウガ栽培(千葉県市原市)、2千平方メートルのハウスを使ったサンチュ栽培(福島県猪苗代町)などで実績を挙げている。同支庁では「自治体や広域行政組合、民間企業の焼却炉新設や更新時に採用してもらえるよう、安定性を証明できるデータを蓄積していく」と話している。

■2013.5.8  七色お菓子へ4点商品化 仙台・発達障害者の就労支援法人 「ぶれいん・ゆにーくす」
自閉症や発達障害がある人の就労と生活を支援する一般社団法人「ぶれいん・ゆにーくす」(仙台市)が、宮城県内の企業の協力を得て、オリジナルスイーツを商品化した。菓子作りや販売を通じて発達障害者の就労を目指す同法人の「虹のおかしやさん」事業の一環。青葉区大町で運営するコミュニティーカフェ「シャーレおおまち」で提供、販売している。

商品化したのは、県産米粉と蔵王町産卵を使ったロールケーキ「おおまちロール」(1200円)、大崎市の酒造会社「一ノ蔵」の酒かすと日本酒を使ったイチジク入りパウンドケーキ(1500円)、シュークリーム(150円)、メレンゲ(300円)。
 
「虹のおかしやさん」事業は、東日本大震災後の食料不足の経験がヒントになった。県外から届いた支援物資のわずかな菓子が、発達障害児・者やその家族の心を落ち着かせたことから、代表の伊藤あづささん(58)がスイーツ作りによる起業を思い立った。
 
昨年、内閣府の復興支援型地域社会雇用創造事業に選ばれて調理機器を導入。英国で菓子作りを学んだ南葉悠理さん(24)=岡山市=を商品開発担当者に迎え、就労訓練の利用者らと試作を重ねた。
 
酒かすや日本酒によるパウンドケーキの風味付けは、試食段階で伊藤さんと交流のある一ノ蔵の関係者が提案。菓子を入れる箱のデザインは今野印刷(仙台市)が手掛け、万年カレンダーとして使えるよう工夫した。
 
さまざまな症状・特性を併せ持つ自閉症や発達障害は、虹に例えられることが多い。伊藤さんは「季節の食材を取り入れ、今回商品化した菓子を虹にちなんでそれぞれ7味ずつ展開していきたい」と話す。今後、販路を広げ、インターネットでも販売する。

■2013.5.8  <福祉用具>「自動プッシュアップ機能」を備えた車いす用クッション発売 株式会社タイカ
株式会社タイカは、車いす利用者の「仕事も趣味も、もっと楽しみたい!」という要望を叶える「自動プッシュアップ機能」付の車いす用クッション「アルファプラソラクッション」を、6月下旬に発売すると発表した。

車いすを長時間使用する人たちにアンケート調査をしたところ、「プッシュアップを忘れても安心なクッション」、「エア量を自動で調整してくれるクッション」が求められていることが分かった。そこで同社は、これまで車いす利用者自身が行っていた定期的なプッシュアップを自動的に行う機能「自動プッシュアップ機能」を備えた車いす用クッション「アルファプラソラクッション」を開発した。

このクッションは、クッション内の20個のエアセルが前後左右交互に膨張収縮し、プッシュアップをした時と近い効果をもたらすのが特長だ。また、クッション内の圧力が自動的に管理されるため、体圧分散に優れ、エア量の調整をしなくても常時適正な状態に保つことができる。これにより、定期的な座り直しの心配をすることなく、仕事や趣味に集中でき、快適な車いす生活を実現できる。

【商品概要】
■商品名:「アルファプラソラクッション」

■サイズ(重量):
幅36×長41×厚8(1.4kg)
幅40×長42×厚8(1.5kg)

■特長:・
・安心の自動プッシュアップ機能
クッション内のエアセルが前後左右交互(千鳥格子状)に膨張収縮することで、プッシュアップを忘れても長時間の座位による床ずれの心配や下肢への負担を軽減。
・体圧分散を適正な状態で維持
静止型エアクッションは、エア量の調整に高い技術が必要だった。「ソラクッション」は、自動内圧管理システムにより、体圧分散に優れ、常時適正な状態に保つ。
・軽くて長持ち。ユーザーにやさしい設計
毎日使うものだから、軽くて普通のクッションのように扱えることにこだわった。約15時間連続使用ができて実用的なうえ、シンプルでスタイリッシュなデザインも飽きずに使える。

■材質:
カバー)[天面・側面> 表地 ポリエステル 裏地 ポリウレタン
[底面> 表地 塩化ビニール 裏地 ポリエステル 65% 綿 35%
中 身)ポリウレタンフォーム [エアセル部> ポリウレタンフィルム

■価格:157,500円(税込)

◎株式会社タイカ
http://taica.co.jp/

■2013.5.8  精神科病棟の患者が殴られ死亡、病院職員を逮捕 病院職員広川慶容疑者(23)
精神科病棟に入院中の男性を殴るなどしたとして、群馬県警富岡署は7日、同県安中市松井田町二軒在家、病院職員広川慶容疑者(23)を傷害容疑で逮捕した。

男性は事件から2日後の同日夕に死亡したため、同署は司法解剖して死因を特定し、暴行との因果関係を調べる。

発表によると、広川容疑者は5日午後7時10分頃、勤務先の同県富岡市の「西毛病院」で、入院していた男性(69)の顔を拳で殴るなどし、けがをさせた疑い。男性は6日朝になって意識不明の重体となり、7日午後7時頃、搬送先の病院で死亡した。広川容疑者は、男性のおむつを交換する際、暴れたことに腹を立てたといい、調べに対し「殴ったのは間違いない」などと供述している。

同病院によると、広川容疑者はシーツを替えるなど看護の補助を担当している。5日夜、看護師が男性の顔の腫れに気付き、広川容疑者が殴ったことを認めたが、冷やすなどの手当てをしただけで、警察には届けなかった。6日朝に男性の容体が急変し、同病院は同日午後3時頃、同署に通報した。

■2013.5.9  障害者雇用促進へ県が新制度 シンボルマーク制定で積極的企業を認証 山形
県は本年度、障害者雇用に積極的な企業を認証する制度を創設する。県内民間企業の障害者実雇用率は昨年6月1日現在で1.64%で、法定雇用率(同時点では1.8%、今年4月から2.0%)を下回っており、障害者の雇用を促進するため認証制度を新設する。現在認証基準などを策定中で、先進企業の取り組みは県のホームページなどで紹介し、啓発を強化していく。

山形労働局の調査によると、昨年6月1日現在、法定雇用率を達成している県内企業の割合は前年同期より2.3ポイントアップしたものの52.4%にとどまっている。調査対象となった759社(従業員56人以上)のうち、235社が1人も雇用していなかった。雇用されている障害者のうち、最も多いのは身体障害者で76.2%。知的障害者は19.9%、うつ病など精神障害者は3.8%で、障害別では知的、精神障害者の雇用拡大が課題になっている。

県は、障害の有無や性別、年齢に関わらず、全ての人の雇用対策強化を掲げており、全国と比較しても低い水準にある障害者雇用を進めようと、認証制度の創設を決めた。▽実雇用率が法定雇用率を上回る3.0%以上▽実雇用者数が2人以上―の双方を満たすことを認定基準とする方針。認証を受けた企業がイメージアップなどに活用できるようシンボルマークを制定する予定で、デザインも一般公募したいとしている。

県雇用対策課は「これまでも啓発してきたが、法定雇用率が4月から引き上げられたこともあり、県として取り組みを強化していきたい」と話している。

■2013.5.9  改定効果「いまひとつ」 障害者雇用率引き上げ 宮崎
障害者の働く場を増やす障害者雇用促進法が改定されて1カ月。企業の障害者法定雇用率が1・8%から2・0%に引き上げられるなど、当初は期待もあったが、思うような成果が上がっていない。

障害者法定雇用率が達成できない場合に納付金の支払いを求められる企業が「従業員200人以上」に限られ、関係者は「拘束力が弱い」と指摘。障害者からは「早く働きたい」と改定効果を待ち望む声が聞かれる。

■2013.5.9  川崎市消防局が障害者向け通報システム、スマホでも利用OK/神奈川
聴覚障害者などが、緊急時に携帯電話のボタン操作だけで119番通報できる川崎市消防局の「川崎WEB119」について、5月からスマートフォン(多機能携帯電話)でも利用できるようになった。スマートフォン利用者の増加に対応したもので、市消防局は「いざというときのために、より多くの人に登録してほしい」と呼び掛けている。

「川崎WEB119」は、聴覚や言葉によるコミュニケーションが困難な人が、携帯電話のインターネット接続機能を使って市消防局の指令センターへ通報し、消防車や救急車の要請を行えるシステム。事前登録制で2009年にスタートし、現在市内の66人が登録している。

画面では現在地に続き、「救急」か「火事」かを選択。救急の場合は「病気」か「けが」かを選び、火事の場合は「何が燃えていますか?」と表示され、「建物」か「その他」かを、それぞれボタン操作で選ぶ。チャットを使い、より詳しい状況を伝えることもできる。

利用できる機器は、▽iOS、Android搭載のスマートフォン▽第3世代以降の携帯電話。またこれまで、GPS(衛星利用測位システム)機能がある携帯電話でしか利用できなかったが、機能のない携帯電話でもチャットを活用することで利用可能になり、ほぼすべての携帯電話とスマートフォンでシステムが使えるようになるという。

登録方法は、申請書に必要事項を記入し、市消防局などに提出する。申請書は市聴覚障害者情報文化センター(中原区)などで配布しているほか、市のホームページからもダウンロードできる。

■2013.5.9  知的障害がある従業員用にグループホームを開設 大分
中津市犬丸の漬物製造業「中津漬物」(田畑昭一社長)が、知的障害がある従業員用にグループホーム「いもほり」を開設した。市によると、NPOや社会福祉法人以外で、一般事業所が開設するのは市内で初めて。

「中津漬物」は1950年創業。障害者の雇用に熱心で、2006年には厚生労働大臣表彰を受けた。現在は従業員約40人のうち半数近くを知的、精神の障害者が占めている。
 
「いもほり」は木造2階。会社の隣接地に新築した。宇佐、中津両市から主にバス通勤していた20〜30代の男性5人が入居した。社内に設けた世話人が住み込み、食事の世話や日常生活の相談に応じている。
 
男性の一人は「新しくて住み心地がいい。会社にも近くて便利」。田畑社長(61)は「自立へのステップとして、共同生活の中で思いやりの心などを身に付けてほしい」と期待する。
 
同社は今春も、宇佐支援学校中津校(現中津支援学校)から高等部1期生を2人採用した。田畑社長は「障害者が地元で働く受け皿として、今後もグループホームを充実させたい」と話している。

■2013.5.9  障害者虐待、1033件認定…「家族から」8割
障害者虐待防止法が昨年10月に施行されて以降、全国の自治体が少なくとも3103件の通報を受け付け、虐待として1033件を認定(疑いを含む)していたことが読売新聞が各都道府県に行ったアンケートでわかった。

障害者虐待を巡る国の統計はこれまでなく、1000件を超える虐待が明らかになるのは初めて。

アンケートは47都道府県に虐待の通報や対応状況について質問、23府県は3月までの半年分を、他の24都道府県は1〜5か月分を回答した。

その結果、全都道府県(政令市を含む)で通報数の3分の1の1033件を虐待と認定。このうち、家族からの虐待が81%を占め、福祉施設職員からの虐待が12%、職場の使用者からの虐待が7%だった。被害者のうち知的障害者が半数を占めた。自治体が被害者を一時保護したり、加害者側から離したりしたのは104件に上った。

■2013.5.9  名古屋市助成金を不正受給 視覚障害者用つえ材質偽る
視覚障害者の支援をしている「名古屋盲人情報文化センター」(名古屋市港区)が、つえ約60本を実際よりも高価に販売したと名古屋市に不正に申請し、助成金数万円を過大に受け取っていたことが9日、分かった。

名古屋市によると、センターは1本当たり3千円から5千円で、視覚障害者につえを販売。購入者が原則1割を負担し、残りは市の助成金を受け取っていた。2007〜11年に、市への申請で見積書を提出した際、滑り止めの有無や材質を偽っていたという。

センターの担当者は「調査中なのでコメントは控えたいが、大変申し訳ないと思っている」としており、当面つえの販売はしないという。

不正は内部調査で発覚し、2日に市に報告した。市はセンターへの聞き取り調査などを実施し、過大に支給した分について返還を求める方針。

■2013.5.9  <辞令の偽造等>不正手段による指定などで、デイサービス事業所を指定取消――新潟市 株式会社サン・ファミリー介護センター 
新潟市は、4月26日、不正手段による指定などを理由に、市内の通所介護・介護予防通所介護事業所の運営事業者を指定取り消し処分にすると発表した。処分は5月10日付け。

【事業者の概要】
■運営者:株式会社サン・ファミリー介護センター

■運営者の所在地:新潟市東区北葉町14番2号

■事業所名:あぁデイサービスセンターよろこんで(通所介護・介護予防通所介護)

■事業所の所在地:新潟市東区北葉町14番2号

【処分の理由】
■不正の手段による指定
平成24年7月、通所介護・介護予防通所介護事業所「あぁデイサービスセンターよろこんで」の指定申請にあたり、従事予定のない者を従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表に記載し、辞令を偽造して提出した。

■人員基準違反
虚偽の申請により、生活相談員及び機能訓練指導員が配置人員不足となり。運営基準を満たした適正なサービスの提供ができていなかった。

■運営基準違反
運営規程で定める定休日に恒常的に営業を行っていた。

■虚偽報告
書面監査の際、実際には勤務していない者を勤務したこととした偽造の勤務実績を提出した。

■2013.5.10  障害者の自立支援 生活介護事業所が開所 NPO法人「ふきのとう」 奥出雲町
障害者の自立支援を目的にした生活介護事業所「あすなろ」(村尾美由紀所長、13人)が奥出雲町横田に完成し、開所式がこのほどあった。同町で初の生活介護事業所となり、関係者約70人が祝った。

同事業所は、18歳以上の知的障害者や重度身体障害者などを対象に生活訓練や創作、生産活動の機会を提供する。定員20人。木造平屋で、軽作業や軽スポーツなどができる多目的室、和室、食堂・台所、相談室、浴室を備える。

障害者の自立支援事業に取り組む地元のNPO法人「ふきのとう」(伊藤正幸理事長)が県、町の補助を受け、事業費1200万円で整備した。

近くの定住促進センターで行われた開所式で、伊藤理事長が「地域に必要とされ、利用者に愛される施設にしたい」とあいさつ。利用者13人と職員らが祝いの和太鼓演奏を披露した。

この後、全員が同事業所へ移動し、看板を除幕。利用者が出席者をコーヒーでもてなした。

■2013.5.10  力抜き障害者と交流を 伏見であす京都文教大生が催し
京都文教大(宇治市)の学生と障害者、地域住民が交流するイベント「脱力系まちカレッジ」が11日、京都市伏見区役所で開催される。障害者とまち歩きした体験を即興劇やかるた作りで表現し、誰もが暮らしやすいまちづくりを考える。

同大学の教職員や学生でつくる実行委が主催する。肩の力を抜いて障害に向き合おうと、「脱力系」と題した。

イベント前に、障害者らが区役所周辺を散策。区役所ホールで、まち歩きの体験や感覚を語ってもらい即興劇に仕立てる「プレイバックシアター」に取り組む。専門の劇団員や来場者が役者となり、車いすでの移動の困難など障害者の暮らしを表現する。また、障害者が日常生活で感じることを句に詠んで、かるたの札を制作する。

司会を担当する同大学臨床心理学部3年の杉立智沙子さん(20)は、「障害者も同じ地域で暮らす住民であることを感じてほしい」と意気込む。午後1時から。入場無料。問い合わせは同大学フィールドリサーチオフィス

■2013.5.10  まちかど美術館で「エコアート展」 「小山こすもす園」 小山
知的障害者がペットボトルのキャップや古新聞などで創作した作品が並ぶ「エコアート展」が12日まで、中央町2丁目のまちかど美術館で開かれている。NPO法人で市委託の地域活動支援センター「小山こすもす園」(犬塚3丁目)の利用者による5年間の創作活動の集大成。来場者は「環境を考えながらアートに仕上げた感性が素晴らしい」と、自由な発想と個性が光る作品約40点に見入っている。

小山こすもす園は1987年に福祉作業所として設立された。現在の利用者は20〜40代の10人。ボールペンや自動車部品組み立てなどの生産活動のほか、創作活動に力を入れている。アルミ缶・古紙回収活動から発展し、2008年から古新聞を使った「エコアート」作りを始めた。

今回の作品展は、これまでに障害者文化祭などに出品したものが中心。古新聞のちぎり絵は2点で、下野新聞に09年4月に掲載された写真がモチーフになったという作品「思川桜と菜の花の中で」には、利用者の自画像も描かれている。

午前10〜午後6時(最終日は午後4時)。入場無料。作品の販売もある。10〜12日には各日午前10時半と午後1時半からオリジナルコースター作り体験も行う。定員は各5人。問い合わせはまちかど美術館

■2013.5.10  工賃アップめざし自家焙煎コーヒー販売 天童の福祉施設 「天童ひまわり園」
福祉施設で働く障害者の工賃が伸び悩む中、天童市の障害福祉サービス事業所「天童ひまわり園」は、福祉施設では県内初となる自家焙煎(ばいせん)のコーヒー販売に乗り出した。売れる商品開発が県内各施設の課題となっており、同施設は「日常的に購入してもらえる商品としてヒットさせ、収入の安定につなげたい」と意気込む。

天童ひまわり園は就労継続支援B型で、利用者は22人。主に段ボール会社、スリッパ製造会社などからの下請け作業を手掛けているが、1人当たりの工賃は月平均1万1千円前後で、県が工賃倍増計画(2007〜11年度)で示した月額2万円には程遠いのが現状。

県内の各施設では、こだわりのパンや焼き菓子などで売り上げアップを図っているケースもあるが、同施設は独自色を出そうとコーヒー豆の焙煎に着目した。県の補助制度を利用し専門店も利用する約130万円の焙煎機を導入。厳選した生のコーヒー豆を使い、酸味が広がりこくのある「ブラジル・サントス」、苦みがやわらかい「グアテマラ」、味に厚みがある「コロンビア」など5種類の商品を仕上げた。

現在は取引のある会社、知り合いなどからの注文販売が主だが、今後は観光施設での販売のほか、各種法人による定期購入につなげる考え。同施設は「工賃を2万円まで引き上げることが目標。さらに、工賃と年金で障害者が自立できようにしたい」と話している。コーヒーは100グラムで350円。問い合わせは023(654)6560。

■2013.5.10  利用者虐待の障害者施設 運営法人に改善命令 NPO法人「リブロ」
佐賀、福岡両県の障害者施設で職員による虐待が繰り返されていた問題で、両県は9日、施設を運営する福岡県小郡市のNPO法人「リブロ」(坂本勉理事長)に、障害者総合支援法に基づく改善命令を10日に出す方針を固めた。

同法人は三養基郡内と福岡県内に知的・精神障害者の就労支援などの10施設を運営。両県は1月、坂本理事長の長男の元統括部長(48)=暴行罪で起訴=が4施設の8人に身体的虐待などを行ったと認定、第三者による虐待防止組織の設置▽被害者や保護者への説明と謝罪▽施設ごとの再発防止計画の策定−などを求める改善勧告を出していた。

両県が2月末までに受けた報告では、第三者組織に同法人の役員ら利害関係者が入るなど改善策が不十分だった。釈明を求めても納得できる説明は得られなかったという。命令では月内の改善措置実施を求め、守られなければ、事業者の指定の取り消しや一時停止などを検討する。

■2013.5.10  県などが補聴器購入を助成 長崎
身体障害者手帳の交付対象ではない軽度、中等度難聴者のうち18歳未満を対象に、県などは本年度から補聴器購入助成事業を始めた。県こども家庭課などによると、補聴器(耐用年数約5年)は両耳で10万円程度。県と市町で3分の1ずつ助成し、本人負担は「めがね並み」の3万円台となる。対象者は県内で年間約40人を見込み、関係者からは歓迎の声が聞かれる。

「この子は軽度難聴だから大体聞こえてます。でも言葉の発達に少し問題があって。最近補聴器を着けて積極的になったって保育園の先生が言ってくれました」。長崎市内の病院で、大村市の女性(32)が長女(4)を見詰めて語った。

長男も軽度難聴。長女にも補聴器が必要だと分かった時はショックだったが、今は「目が悪いからめがね、耳が悪いから補聴器。そういうことなんです」と話し、助成事業を喜ぶ。

難聴は、見た目では障害があると理解されにくく、軽度、中等度難聴は聞こえないわけではないため一層分かりにくい。長崎大医学部耳鼻咽喉科臨床教授で神田E・N・T医院(長崎市若草町)の神田幸彦院長(52)によると軽度、中等度難聴は▽一対一の会話はできるが4〜5人の会話は聞き取れない▽離れた人の声が聞こえない▽普通の会話が聞き取れない−など。低音は聞こえるが高音が聞こえにくいなど音の高さでも個人差があり、断片的にしか聞き取れないという。

県内では、10年前から全新生児を対象に聴覚を調べるスクリーニングが導入され95〜97%の高い実施率。全新生児対象は本県と長野、岡山両県だけ。だが補聴器が比較的高額な上、軽度、中等度は親が見過ごしがちで、補聴器の装着が遅れるケースも少なくない。小児の場合、聴覚を通じた脳への「入力」が少ないと言語力が付かず、コミュニケーション障害や知能の遅れにつながりかねない。

このため神田院長ら県難聴児を支援する会(県難聴者・中途失聴者協会、医師や教育者らで構成)は「軽度、中等度も早期に両耳装着を開始すべき」として昨年、2624人分の署名を添えて購入助成を県などに陳情、事業につながった。

県立ろう学校(大村市)で聴覚管理に携わった田中補聴研究所(同市)の田中英雄さん(66)は、教師の声をFM電波で補聴器やスピーカーの受信機に送るFM補聴システムの導入など、教育環境の整備も今後の課題と指摘する。

一方、難聴は多くの高齢者が直面する問題でもある。神田院長は「80歳以上で男性は2人に1人、女性は3人に1人が軽度、中等度以上の難聴。補聴器を着ければ家族だんらんの会話ができたり、情報がしっかり入ることで認知症や疎外感の防止につながる」と述べ、高齢者の聴覚検診や補聴器装着の大切さも指摘している。

■2013.5.10  車いすで入浴できるケアホームが開所 NPO法人「鹿陽会」 佐賀
重度障害者向けのケアホーム鹿陽(ろくよう)(鹿島市高津原)が、6月開所する。車いすのまま入浴できる設備などがあり、介助や支援を受けながら生活できる。

ケアホームは自然に囲まれた蟻尾山のふもとに建てられ、19の個室に加えて食堂や休憩所などの共用スペースを設けた。車いすを乗せた床が昇降する入浴設備を九州で初めて取り入れている。

入居できるのは6段階の「障害程度区分」が4以上の障害者で年齢は18〜65歳まで。基本は食事や寝泊まりに使用してもらい、日中は市内の生活介護事務所で作業やレクリーエーションを行う。ケアホームには看護師が常駐し、生活支援員が食事などの世話をする。利用料は月額7万7千円(光熱費と一部食費を含む)。

入居者を募集中しており、問い合わせはNPO法人「鹿陽会」

■2013.5.10  災害時の高齢者避難で地域差 廿日市市
災害時に自力避難が難しい高齢者と障害者向けに、廿日市市が住民組織と協力して進める支援計画づくりに地域差が出ている。都市部を中心に、避難を助ける支援者が決まらない例もある。市は「高齢化の進行で支援が必要な人は今後も増える」として早期策定を促す。

市の想定では、高齢者たち要援護者と避難を助ける住民、一人一人の避難場所と経路を記した支援計画を住民組織がつくる。市は2011年度に要援護者の名簿を作成し、ことし3月末時点で1509人が登録。市内28地区のうち、廿日市、大野、宮島地域の16地区で昨春以降、名前や住所などの個人情報を提供した。

廿日市地域の原地区では自主防災会が昨夏までに、高齢者たち66人に支援者1〜3人ずつを割り当てた。藤原豊会長(70)は「農村地区で住民の結びつきが強く、スムーズに引き受けてもらえた」と振り返る。今後は個別の避難計画をつくり、訓練の実施を目指す。

一方で市によると、「日中は仕事のため不在で助けに行けない人が多い」「町内会の未加入者が増え、会長も住民の状況を把握できていない」などの理由で支援者が決まらない例もある。廿日市地区防災協議会の橋本節男会長(70)は「非常時に支援が行き届く態勢づくりには時間がかかる」と打ち明ける。

また、山間部の佐伯、吉和地域などの12地区は、要援護者の名簿提供を受けていない。市は、消防団活動などで住民間の連携が十分取れていると判断した地区もあるとみる。今後は地区ごとの集会で、支援者探しを担う町内会長たちへの説明や助言に力を入れる。市社会課は「地域との連携を密にして、効果の高い仕組みづくりを進める」とする。

■2013.5.10  ハンセン病患者の骨格標本、昭和初期に20体作製…熊本大
熊本大医学部は9日、同学部の前身である熊本医科大が昭和初期、ハンセン病患者の骨格標本を20体作製していたことが内部資料で判明したと発表した。

同大が戦災で焼失するまで保管されていたとみられる。識者は「重大な人権侵害の恐れがある」と指摘。ハンセン病回復者は「患者が非人間的な扱いを受けてきたことを裏付ける資料だ」とし、国に経緯の調査を求める方針。

記者会見した竹屋元裕・熊本大医学部長によると、病理解剖の記録を載せた「剖検台帳」に、1927年(昭和2年)から29年まで、患者43人の遺体を解剖し、うち20体の骨格標本を作製したとの記述があった。

遺体は、すべて国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)の前身、九州療養所の入所者。中心になって標本作製したのは、当時、熊本医科大病理学教室の教授(故人)。教授は、転任した別の大学の研究誌に、50〜60体を解剖し大部分の標本を作製したことや、標本は戦災で焼失したことを記述した。

■2013.5.10  福祉施設を応援 京都府が認証制度
京都府は、人材育成に積極的に取り組む府内の福祉関連事業所に太鼓判を押す全国初の認証制度を始めた。

新規採用者の育成計画を策定するなど条件を満たした認証事業所に、支援施策を展開。就業後のキャリアアップに対する就職希望者らの不安を軽減し、福祉業界の雇用拡大や待遇改善を後押しする。

「きょうと福祉人材育成認証制度」と銘打ち、府内の介護・障害者福祉施設、児童養護施設、保育園などを対象に実施。

認証を希望する事業所は、人材育成に取り組む宣言書を府に提出し、▽新規採用者の育成計画策定と全職員への公表▽今後10年間にわたる仕事の計画作成▽出産後の職場復帰の取り組み▽育児・介護を両立できる柔軟な勤務制度の導入――など17項目の基準を全て満たしているか、審査を受ける。

すでに募集を始めており、9月にも初となる認証事業所を決定する予定。審査を通過した事業所は、専用サイトで公表する。

府は認証を得た事業所を対象に、人材育成のための研修費助成のほか、専門家による経営アドバイスを受けられる支援を実施。取り組みを通じて、就職希望者らが就業後の展望を描けるようにし、福祉業界への就職を促したい考えだ。

▼「見えぬ現場」人手不足の要因

府が認証制度を設けた背景には、福祉業界が慢性的な人手不足に悩んでいる現状がある。

高齢化を背景に府内の介護福祉施設は6462か所(2月末)と、介護保険制度が始まった2000年に比べ約1000か所増加。

一方、介護職の就業者は4万5348人(2011年)と、01年より1万6000人余り増えたものの、1年以内の離職率は5人に1人にあたる21%に上る。福祉事業所の就職セミナーを開いても人集めに苦心するケースが目立つといい、府の河島幸一介護・地域福祉課長は「仕事内容がきつい割に給料が安いという印象が先行し、やりがいや現状が正しく伝わっていない」と分析する。

実際、学生の中には「長年昇進がなく、現場で働き続けるイメージがある」との声があり、府が昨年12月に学生102人に行った福祉業界の就職に関するアンケートでも、「知りたい情報」として、仕事内容や待遇に加え、人材育成方針を上げる回答が目立った。

福祉業界への就職者が多い佛教大の本城江理・進路就職課長は「キャリアアップの仕組みに加え、結婚や出産時に対応できる職場であるか、見えにくい面がある」と指摘。その上で、「認証制度は学生にとって一つの判断材料になり、福祉業界も積極的に人材育成に取り組もうという方向性が出てくるのではないか」と期待する。

■2013.5.10  信号機:歩行者用ボタン一新 見やすく押しやすく 徳島県警
徳島県警は今後、県内の信号機に設置した歩行者用押しボタンを順次、一新する意向だ。従来の「おまちください」などと表示される赤色の文字を、色覚障害者にも見えやすいよう「白」に変える。表面から突起物をなくし、子どもや高齢者でもボタンを押しやすいように工夫した。上部には点字を打ち、側面に反射板も取り付ける。

県警によると、09年に警察庁の規定が変わり、文字の色の指定がなくなったため、利用者にとって、より見やすい色を検討。かつて信号機用LED電球を共同製作した県立工業技術センターや建材メーカーの日本フネン(吉野川市)と協力し、新しい押しボタンを開発した。

試みに昨年1月、色覚障害者にも見やすい白い文字を使った押しボタンを徳島市南矢三町の県立障害者交流プラザ前の交差点に設置したところ、好評だったという。県民へのアンケートでも「文字を大きくしてほしい」「軽い力で押せるボタンにしてほしい」などの要望が寄せられていた。反響は大きく、愛媛県警や北海道警なども同じような押しボタンの導入を検討しているという。

県警交通規制課の杉本雅昭課長は「子どもや障害者だけでなく、あらゆる人にとって使いやすいものができました」と話す。

■2013.5.10  佐賀の3事業所が50万円 NPO法人「リブロ」
佐賀県は10日、福岡県小郡市のNPO法人「リブロ」の同県内の3事業所が、自治体の自立支援給付費約50万円を不正受給していたことを明らかにした。

同県によると、3事業所は昨年4〜11月、事業所が閉所日なのに障害者が通ってサービスを受けた▽入所者が外泊していたのに、入浴介助など生活介護のサービスを受けたなど、利用実態がない給付費を請求するなどし、計約50万円を不正に受け取ったとしている。今月8、9日の監査で判明した。同県の調べに対し、事業所は「不注意だった」と説明しているという。

■2013.5.11  障害者アートのカタログ初作成 金沢・愛育学園の教室
金沢市北袋町の障害者支援施設「愛育学園」の利用者らの美術教室「Hart」が作品を紹介するカタログを初めて作った。発行を記念し、十一日から隣接するカフェ「ゆずOrange」で作品展が開かれる。

カタログは「The Hart Book」というタイトルで、教室に通う利用者ら三十人のうち、十四人の作品十九点を収録。赤や青のクレヨンで自分の名前を画用紙にびっしりと書き込んだものや、ラップとティッシュ箱に色を付けて組み合わせたオブジェなど、個性が光る作品を紹介している。二百五十部作り、保護者らに配るほか、ゆずOrangeにも置く。

教室は二〇〇六年に学園内で設立。美術家村住知也さん(38)=金沢市扇町=が講師を務め、他の施設の利用者とともに月三回活動してきた。中には、東京で開かれた展覧会に入賞する腕前の持ち主も。

作品展は、カタログに掲載した全作品を並べる。村住さんは「作品を見ていると作者の人生が垣間見え、どきっとする瞬間がある。ぜひ多くの人に見てほしい」と力を込める。三十一日まで。入場無料。

■2013.5.11  障害者が接客、調理 神戸にレトルトカレー専門店 NPO法人「ウィズアス」
障害者の就労機会を確保しようと、神戸市中央区のNPO法人「ウィズアス」(鞍本長利代表)が、レトルトカレー専門店「しおかぜ食堂」を中央区波止場町にオープンする。身体、知的障害のあるメンバーが、注文の受け付けや会計、調理、給仕などを行う。13日のオープンに向け、メンバーらは作業の確認に追われている。

同NPOに登録する障害者は、車いすの無料貸し出しや障害者向けの観光案内、手芸品の製造販売などを担っている。さまざまな特性を生かせるようにと、新たに飲食業も始めることにした。

メンバーはNPOスタッフの助けを借りながら、カレーを温めたり、炊飯やサラダに使う野菜のカット、盛り付け、後片づけをこなしたりする。

脳性まひの女性(34)=長田区=は「お金を扱う仕事で責任は大きいけど、早く慣れるよう頑張りたい」と話していた。

メニューは全国のご当地カレー25種類以上。持ち帰りも可能で、1食300〜840円。店内で食べる場合はご飯とサラダ付きで200円増し。

平日午前11時〜午後2時。店内ではポストカードやストラップなどの手芸品も販売する。神戸ユニバーサルツーリズムセンターTEL078・381・6470

■2013.5.11  18歳未満の男性、脳死で臓器提供…国内4例目
日本臓器移植ネットワークは11日、広島県の国立病院機構呉医療センターで10日夜、脳血管障害で入院中の15歳以上18歳未満の男性が、改正臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。18歳未満からの提供は国内で4例目。

発表によると、提供は家族が承諾した。東大病院で10代の女性に心臓が移植されるほか、肝臓、膵臓すいぞう、腎臓が広島大病院などで移植される予定。

■2013.5.11  こども病院に宿泊施設建設へ、市民に募金呼びかけ
来年11月、福岡市東区の人工島に移転、開院する市立こども病院の敷地内に、患者に付き添う家族の宿泊施設「ふくおかハウス」が建設される。

公益財団法人「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」が開設するが、建設費の半分を賄うため、王貞治・ソフトバンク球団会長らを発起人とする建設募金委員会が発足し、募金活動を展開している。

同財団は、ハンバーガーチェーンの日本マクドナルドが設立。全国の店舗などで募った募金や寄付金を活用し、東京や北海道など全国9か所に患者家族向け宿泊施設を設けており、市が同財団へ新病院の敷地への設置を働きかけていた。

こども病院は、患者の約半数が、市外から通院や入院している。同市中央区の現在地にも宿泊施設はあるが、5部屋しかないため、1家族連続2泊までの制限がある。

ふくおかハウスは、新病院の南西に建設予定で、延べ床面積約1500平方メートル。16部屋を設け、共用のキッチンやリビング、図書室なども備える。共用スペースでは、家族同士が交流し、励まし合うことなどを想定している。利用料は1人1日1000円の予定で、年間約1000家族の利用を見込む。財団職員のほか、地元のボランティアも運営を手伝う。

建設費約4億円は、財団と委員会で折半する。委員会は、王会長らスポーツ関係者のほか、地元経済界や患者団体などで構成。同市・天神で今月1日、買い物客らに募金を呼びかけた。福重淳一郎・こども病院長は「ハウスができれば、患者家族も助かる。多くの方に協力をお願いしたい」と話していた。

募金箱は同病院に置くほか、市へのふるさと納税で寄付を受けることも検討している。

■2013.5.11  水俣病研究者、原田正純さんの足跡紹介…新潟
水俣病研究の第一人者で、母親の胎内で有機水銀の影響を受けた「胎児性患者」の存在を明らかにし、昨年6月11日に死去した熊本県の医師、原田正純さん(享年77歳)の一周忌を前に、新潟市北区の県立環境と人間のふれあい館(新潟水俣病資料館)で「原田正純追悼展」が開かれている。7月7日まで。

原田さんは1961年に熊本県水俣市を訪れて以降、水俣病患者の診察や病症の研究に従事。その過程で母親の胎内でメチル水銀を摂取して生まれた胎児性患者の存在を究明し、胎児性患者の水俣病認定につなげた。

原田さんは、熊本県内だけでなく、世界中の公害発生現場に自費で出かけて患者の診察や原因の調査に尽力。新潟県内でも新潟水俣病の第1次、第2次訴訟の原告側証人として出廷するなど、患者やその支援者、県内の水俣病研究者らと親交があった。

原田さんは2001年に開館した県立環境と人間のふれあい館の1周年、10周年で記念講演した経緯があることから、同館で追悼展を行うことになった。

追悼展では、原田さんの過去の講演内容を紹介しているほか、世界中を飛び回り、テープに声を吹き込むなどして記録した内容を文字にした20冊以上の著書を展示。「物腰が柔らかく人懐っこかった」という人柄を表す宴席での記念写真なども掲示されている。

原田さんと交流があった同館の塚田真弘館長は、「水俣病の正しい情報発信がされない中で、症状について研究し続けてきた人。たくさんの人に見てもらい、水俣病について考えるきっかけにしてほしい」と話している。

■2013.5.11  創作ダンスグループ:「ルード・フェアリー」あす公演会、泉佐野で /大阪
泉佐野市の知的障害者とその家族らで結成した創作ダンスグループ「ルード・フェアリー」の公演会が12日、同市立文化会館で開かれる。タイトルは「シナジーの森へ行こう」。代表の藤原光さん(61)は「それぞれの個性が集まり、シナジー(相乗)効果で素晴らしい踊りになった」と話す。

メンバーは、泉佐野市や貝塚市などに暮らすダウン症や自閉症、発達障害のある子どもと母親。00年4月に結成され、現在のメンバーは8家族18人で、月3回練習を行っている。

当初から大阪体育大学の伊藤美智子教授や同大創作ダンス部の学生が指導を担当。伊藤教授にとって障害者への指導は初めてだった。振り付けを覚えさせるのではなく、いい動きを引き出す指導を心掛けたという。伊藤教授は「こちらがはっとさせられるようなダンスが出てくる。体を使って表現する楽しさを伝えられたら」と話す。

今回の公演では、母親が初めて振り付けを担当。それぞれの子どもをイメージした踊りを考案した。藤原さんは、作業所でスイートポテトを作るのが好きなダウン症の娘をイメージしたという。「踊りを通じて娘は、自信が持てるものを見つけた。親子にとって踊りは生活の一部です」と話す。

特別出演として、作業所に通う知的障害者や特別支援学校の生徒も一緒に踊るほか、ダウン症のメンバーがいるプロの音楽グループも特別ゲストとして演奏する。

■2013.5.12  視覚障害者の映画製作ドキュメンタリー 横浜の支援団体「View−Net神奈川」が公開
視覚障害者がSF映画の製作に取り組む過程を追ったドキュメンタリー映画「INNERVISION(インナーヴィジョン)」が都内で公開されている。プロデューサーを務めたのは視覚障害者支援団体「View−Net神奈川」(横浜市西区)理事長の新城直さん(56)。自身も視覚障害がある新城さんは「目が見えないと普通は『映画なんて作れないだろう』と考えるが、視点を変えれば作れると実証したかった。啓蒙(けいもう)的ではなく、若い人が楽しんで感じてもらえるドキュメンタリー映画に仕上がった」と話す。

「View−Net神奈川」で企画が持ち上がり、会員でシステムエンジニアの加藤秀幸さん(37)が脚本と音楽を任される。映画づくりのヒントを得るため映像製作会社や映画監督を訪ね、SFアクションの構想を固めていくまでの姿を友人の佐々木誠監督(37)が記録。45分のドキュメンタリーにまとめた。

「3Dというよりも、まず2Dが分からない」

「美人って何? 誰がその顔が美しいって決めたの?」

生まれつき視覚がない加藤さんの“視点”は、「見えないのが当たり前」という世界と同時に「見えること」をあらためて考えさせる。

加藤さん自身が「衝撃的だった」と振り返るのはホラー映画を得意とする山本清史監督のアドバイスだ。主人公が立ち向かう敵の存在を考える際、ホラー映画に出てくるような空想のキャラクターの風貌や動きが想像できず、脚本には「人型とは限らない」とだけ記していた。

「そこは考えなくていい」。山本監督は、イメージを言葉にして伝え、形にしてくれる人がいれば映画は成り立つと説く。加藤さんは次第に、見える/見えないにかかわらず、作品を作りあげる際のコミュニケーションの問題に行き着く。

4月、都内で行われたドキュメンタリーの先行上映会後のトークイベントに新城さん、加藤さん、佐々木監督が登場。映画づくりの難しさや狙いを語り合った。

佐々木監督は「『加藤君の世界はこうです』と結論づける映画にはしたくなかったし、分からなくてもコミュニケーションを取るのが大事。映画は人に頼らないとできないし、人と分かり合うにはコミュニケーションしかない。感想を言い合うなど、映画がそのツールになれば」と期待した。

東京都渋谷区のアップリンクで17日まで公開。一般1500円。詳細はホームページhttp://www.uplink.co.jp/

■2013.5.12  刑罰ではなく福祉の手を 触法障害者 司法に更生期待の動き
罪を犯してしまった障害者(触法障害者)に対し、刑罰を与えるのでなく、社会での更生を期待する司法の動きが出ている。知的障害で罪悪感のないまま罪を犯したり、繰り返したりするケースもあり、関係者は福祉支援の重要性を説く。有罪判決を受けて刑期を終えた後、社会復帰を支える仕組みづくりも始まっている。

千葉地検は二月、有罪判決の執行猶予期間中、自転車を持ち去ったとして占有離脱物横領罪に問われた知的障害のある男性の公判で、懲役十月、保護観察付きの執行猶予を求めた。検察側の執行猶予付き求刑は異例だ。

千葉地裁は「福祉や行政の支援が再犯防止につながる」として、この男性に検察の主張に沿った執行猶予付き判決を言い渡した。

福祉の観点を重視した同様の判決は、長崎地裁でも三月に言い渡されている。東京地検は、起訴猶予になった障害者と福祉施設を仲立ちするため、一月に社会福祉士を非常勤職員として初めて採用した。

刑務所などを出所した障害者の社会復帰を支援するため、厚生労働省は二〇〇九年度から、全国に支援拠点の配置を始めた。県内では一〇年十月、国の委託を受けた福祉団体が「県地域生活定着支援センター」を設立し、支援に携わっている。

センターでは、刑期を終えた後の生活基盤を確保するため、本人の代わりに生活保護や障害者手帳を申請。その後、条件に合った福祉施設など受け入れ先を探し、入所後の生活もフォローする。設立から二年半ほどたち、これまでに罪を犯した知的・身体障害者ら約四十人を支援した。なかには犯行当時未成年だった障害者もいた。

十代で傷害事件を起こし、少年院に入っていた知的障害のある男性(22)は、十代のころから両親と離れて暮らし、身寄りのないまま独り、社会に放り出される恐れがあった。センターの支援で、県内の福祉施設に入所できた。男性は「ちゃんと規則正しく暮らせるし、自分のことを考えてくれる人がたくさんいる」と、前向きに社会復帰に取り組んでいる。

県支援センター長の岸恵子さんは、窃盗などを繰り返す触法障害者について「適切な福祉サービスの受け方が分からず、生きるために万引などを繰り返すことが多い」と指摘する。

〇六年の法務省特別調査でも、知的障害やその疑いがある受刑者の約四割が、犯行動機を「困窮・生活苦」と答えている。適切な福祉の支援があれば再犯も減る可能性があり、「まず福祉につなぐことが重要」(岸さん)という。

センターの現状の課題は、受け入れ先の確保だ。要支援者の障害区分と、受け入れ意思を示した施設の入所基準に差があるためだ。罪を犯した経験のある人を福祉で支える取り組み自体が、まだ社会的に認知されていないという事情もある。

刑務所などの施設は法務省、出所後の支援は厚労省と、国の所管が分かれている点も、情報が共有できないなどスムーズな支援の壁になっている。岸さんは「二省の中間組織があれば」と強調する。

■2013.5.12  福祉用具の悩み解決へ 県が草津に窓口、6月1日開設
滋賀県は、高齢者や障害者向けの補装具や福祉用具を体験し、選べる総合窓口「県福祉用具相談プラザ」を県立長寿社会福祉センター(草津市笠山7丁目)内に6月1日に開設する。

補装具の適合判断などを手がけるリハビリテーションセンター更生相談担当(身体障害者更生相談所、草津市笠山8丁目)を同長寿社会福祉センター内の県福祉用具センターに移転する。関連機能の集約で高齢者や障害者の利便性を高める。

身体障害者福祉法に基づく補聴器や義肢、車いすなどの補装具だけでなく、入浴用のいすや歩行補助具などの用具を一緒に紹介することで選択の幅を広げ、生活の質(QOL)の向上を目指す。両機関のノウハウを生かし、連携して個別事例の課題解決にあたる。

リハビリテーションセンター更生相談担当は、補装具に関する市町への支援や情報提供、研修などの業務も引き続き担当する。

■2013.5.12  北波多の福祉作業所にパン工房オープン NPO法人地域みらいず
障害者が住み慣れた町で暮らせる環境をつくろうと、NPO法人地域みらいず(井田基貴代表)が佐賀県唐津市北波多の福祉作業所で開設準備を進めていたパン工房が11日、オープンした。通所者5人がスタッフ3人と協力しながら製造・販売。地域住民とのふれ合いを通して就労意欲を高め、社会的自立を目指す。

名称は「universal cafe ソラシド」。北波多地区では初の作業所で、1カ月前に開所した。この日のオープンに向けて試作や販売研修を重ね、あんパンやクリームパン、調理パンなど約30種類がそろう。

市内には福祉事業所が少なく、希望者の半数近くが市外の施設に通い、待機者も多いという。こうした現状を受け、社会福祉士や精神保健福祉士として10年間、多久市の施設で働いていた井田さん(32)=北波多=が開所を決意。1年前から準備を進めてきた。

工房では、19歳から44歳までの通所者がパンの製造や袋入れ、接客など個々の特性に合った業務を担当。開店直後は大勢の客に戸惑いながらも、「遠方から来ていただいてありがとうございます」と元気な声を響かせた。

通所者の中には大規模の施設に適用できず、家に引き込もりがちだった人も。井田さんは「接客業なので環境の変化に慣れるのは時間がかかる。焦らず、じっくりと歩んでいきたい」と話す。

ダウン症で知的障害を持つ通所者の山崎悠希さん(19)=北波多=は「大勢来ると緊張するけど、お客さんが笑顔になるパンを作りたい」。母の美代子さん(64)は「ここは仕事の種類が多いので、一人一人の個性が生かせる。こうした障害者施設は敬遠されがちだが、多くの方に働きぶりを見てもらい、障害に対する理解が深まれば」と期待する。

営業時間は午前10時半から午後5時。15日と毎週土日は店休。

■2013.5.13  働きやすい職場「あるある」 障害者雇用へ事例集 京都
障害者雇用促進法の改正で4月から民間企業に障害者採用の拡大が求められたことを受け、京都府は障害者が働きやすい職場づくりのヒントを記した企業向け冊子「知的障害者と共に働く あるあるガイドブック」を作成した。

改正法で、企業に義務づけている障害者雇用率が1・8%から2%に引き上げられ、雇用義務がある企業も従業員56人以上から50人以上に拡大した。知的障害者は身体障害者に比べ、障害の特性への無理解から継続雇用につながるケースが低いという。

冊子には、知的障害者を雇用した企業から寄せられた相談を基に、15の事例と解決例を示した。倉庫内の仕分け棚の配置が覚えられなかったケースには、棚ごとに色分けしたり番号で表記したりすることで作業のスピードアップが図れた例などを紹介している。

3千部作成し、希望する企業に無料配布しているほか、京都ジョブパークのホームページでも公開している。


■2013.5.13  日田市の身障者福祉協が60周年記念大会
日田市身体障害者福祉協議会(野田清人会長)の創立60周年記念大会が12日、市内のパトリア日田であった。会員ら約200人が出席し、功労者を表彰するなどして60年の活動を振り返った。
 
野田会長が「障害者一人一人が安心して暮らせる地域社会を目指そう」とあいさつし、障害者の利用料金割引などを実施している「かんぽの宿日田」「豊後大山ひびきの郷」に感謝状を贈呈。同会の歴代会長3人や各地区代表として長年運営に携わってきた会員55人を表彰した。
 
来賓の衛藤征士郎衆院議員らは「4月から施行された障害者総合支援法は万全ではない。国の立場から全力を挙げて改善に取り組んでいく」と述べた。
 
記念講演があり、精神障害者の小規模作業所を運営するワトソン・ロバートさん(54)=大山町公民館長=が「認め合う、助け合う、喜び合う『万華鏡』のような社会づくり」と題して講演。「障害があってもなくても、お互いのいい部分、足りない部分を認め合う社会になってほしい。万華鏡のようにみんな違うから面白い」と話した。
 
藤蔭高校吹奏楽部や地元の障害者でつくるバンドの演奏などもあった。

■2013.5.13  諏訪湖のナックルフォア 知的障害の若者出場 5人の息ひとつ
諏訪郡下諏訪町漕艇場で12日、信毎諏訪湖レガッタとともに開いた第14回全国ナックルフォア大会に、障害者ボート競技の普及に取り組む「日本アダプティブローイング協会」(東京)所属の知的障害の若者5人が初めて出場した。出場3チーム中3位だったが、目標タイムを切る力漕。5人は「大きな湖でこぐのは楽しい」「もっと速くなりたい」と声を弾ませた。

ナックルフォアは、5人乗りボートにこぎ手4人とかじ取り役1人が乗り込む。5人は横浜市二つ橋高等特別支援学校の元同級生で、カストロ純さん、金子彰一さん、平田昌也さん、加藤颯太郎(そうたろう)さんの19歳4人と高橋京(けい)さん(20)。いずれも同市に住む会社員だ。

ボート競技に参加し始めたのは、中学時代から経験があったカストロさんが同校3年の時に声を掛けたのがきっかけ。チーム名は鉄腕アトムから「アトム」と名付けた。当初は集中力が続かずに止まったり、蛇行したりと苦労したというが、仕事の傍ら月2回ほどのペースで練習を積んできた。

5人でレースに臨むのは今回が2回目。男子1000メートルに出場したアトムは序盤から他チームに先行されたが、かじ取り役のカストロさんは「大きくこいで」と懸命に指示。4人が全身を使って湖面をこぎ進み、目標タイムを3秒上回る5分27秒でゴールした。

カストロさんは「最後まで息を合わせてこげたけれど、1位を目指していたので悔しい。もっと練習して来年は優勝したい」と話していた。

アダプティブローイング協会は毎年、諏訪湖で障害のある選手たちの合宿を開いており、地域と交流してきた縁で出場が実現した。岡本悟理事長(63)=横浜市=は「最後まで諦めずよくこいだ。力を付けて大会で結果を出してほしい」と期待していた。

この日は同協会の身体障害者チームもナックルフォアの男子500メートルに出場した。

■2013.5.13  ハンセン病療養所・長島愛生園 心通うカフェ…岡山
国立ハンセン病療養所・長島愛生園(岡山県瀬戸内市)で、入所者と園外の人たちがコーヒーカップを傾けながら悩みなどを語り合う「カフェ」が毎月1回、開かれている。

来園者は過酷な人生を歩んだ先達から前向きに生きる術(すべ)を学び、入所者は交流で心を和ませる。不登校や引きこもりの若者も訪れるようになり、長島はちょっとした「人生相談の場」となっている。

同園で生活する入所者は現在約300人、平均年齢は82・8歳。明治時代に始まって長年続いたハンセン病患者の隔離政策など激しい差別にさらされ、子どもの頃から同園で暮らさざるを得なかった人も多い。

昨年7月、医師として心のケアを目的にがん患者と対話を重ね、残された人生を歩む意味を見いだしてもらう「がん哲学外来」に取り組む樋野興夫・順天堂大教授が園を訪れた際、「辛苦を伴う人生経験を持つ入所者なら、悩みを抱えている人々との対話役が務まるのでは」と提案。前副園長・大和豊子さんがカフェという形にアレンジし、同9月にスタートさせた。

これまでに6回開かれ、入所者は延べ29人、園外から延べ52人が参加。同園の集会所でソーシャルワーカーらを交えて4、5人ごとにテーブルを囲み、肺がんの闘病経験から日常生活のことまで話し合っている。

4月30日に開かれたカフェでは、入所者7人と園外の8人が参加。園外の女性(50)は次男が高校1年で不登校になったと嘆き、「原因はいじめ。いじめは子どもから生きるという選択肢を奪う」と憤った。これに対し、入所者の男性(84)は「ハンセン病患者も同じ状況でしたが、あなたの子どもは親がそばにいて救われましたね」と力づけた。

ゼミの人間関係が原因で大学に通えなくなった男性(23)は、最初は口数が少なかったものの、入所者の話を聞くうちに自らの生活について語るようになり、「もっと体験を聞きたい」と話した。

入所者の中には、「話せば分かり合える」「自分の今後を見つめ直そうと思った」などとし、カフェを通じた交流を心待ちにする人も増えている。

毎月最終火曜の午後1時30分〜3時10分。事前申し込みが必要。無料。問い合わせは同園(0869・25・0321)

■2013.5.13  認知症731施設で防火違反…誘導灯・排煙など
全国の認知症グループホームのうち731施設で、防火や避難に関する建築基準法令の規定に違反していることが、国土交通省の緊急調査でわかった。

全施設の約6%に違反があり、繰り返し指摘を受けながら是正されていない施設も含まれることから、同省担当者は「自治体を通じて迅速な改善を求めていきたい」と話している。

今年2月、長崎市の「ベルハウス東山手」から出火し、5人が死亡した火災では、排煙設備などに違反があったため、2月から3月にかけて都道府県を通じて緊急に行った。

国交省によると、全国の施設は1万1745か所。731施設で判明した違反のうち、最も多かったのは、誘導灯が切れているなど非常用照明に関する違反で約300件。ほかに排煙設備で約200件、壁の防火対策などで約170件の違反があった。複数の項目で違反が見つかった施設も多いという。

■2013.5.13  フットサルで心にパワー  青森
フットサルを経験して気持ちが積極的になった。心の病が軽くなった−。青森市雲谷の芙蓉会病院に通う精神障害者と病院スタッフが、フットサルチーム「グラウベン青森」を結成し練習や試合に励んでいる。統合失調症や発達障害、うつ病を伴う患者が、フットサルを通して自分の気持ちを相手に伝える大切さや、前向きに生きる喜びをかみしめている。

「マンネリ化した生活を脱して、充実した毎日を送ってもらいたい」

芙蓉会病院のデイケア主任で、自身もフットサルプレーヤーの古川和外さん(34)=精神保健福祉士=が、そんな思いを込めて昨年10月、グラウベン青森を結成した。

20〜30代を中心とした男女6人と病院スタッフが、週2回の練習を行っている。精神障害者のフットサルチームは全国に約100チームあり、競技人口は千人と言われているが、グラウベンは県内唯一のチームだ。

11日、青森市の県立保健大で行われた地域の大会「カラーズカップ」で、一般チームと対戦。メンバーが声を掛け合い、パスを回して、シュートにつなげた。

メンバーの1人・浅利司さん(38)=青森市=は26歳で統合失調症を発症。幻聴や体調不良などに悩まされていたが、フットサルを始めて生活が変わった。「生き方が積極的になった。人とコミュニケーションを取れるようになった」と語り、今後の就職活動にも前向きな姿勢を見せた。

うつ症状と学習障害のある女性(20)は、走ることも嫌いで家にいることが多かった。しかし、今はフットサルが大好きな趣味となっている。「本当に楽しい。シュートが決まった瞬間は気持ちいい」

古川さんによると、フットサルは目まぐるしく展開が変わるため、瞬時の判断が求められる。仲間との意思疎通は必須。ストレスに弱く、コミュニケーションが苦手な患者にとって社会復帰への良いトレーニングになるという。

「患者さんの目の輝きが違ってきた」と語るのは芙蓉会病院診療部長の村上拓也医師。「生きがいを感じたり、社会のルールを学ぶ点で、フットサルは大変有効」と説明する。

チームの当面の目標は、6月の「北海道チャンピオンズカップ」で、全力を尽くすこと。さらに10月の全国障害者スポーツ大会(東京)で北海道・東北地区の選抜選手になること。何よりも、精神障害者フットサルの輪が広がり、さまざまな人と交流することで、世間の誤解や偏見がなくなることが願いだ。

古川さんは「メンバーがこれほどまでコミュニケーション能力を持っているとは思わなかった。これからも小さな失敗でくよくよしないで、前向きに、次を考えるような生き方をしてもらいたい」と期待を寄せた。

■2013.5.13  新鮮野菜や加工品販売 和歌山で第1回 /和歌山 社会福祉法人「一麦会」(麦の郷)
地域の農産物や加工品、作業所の製品などを販売する「第1回麦マルシェ」が12日、和歌山市岩橋のスーパー跡地で開かれた。売り上げの一部は一般財団法人「地元力財団」に寄付される。

障害者やひきこもりの人の就労支援をしている社会福祉法人「一麦会(麦の郷)」が主催。地元の農家15軒が生産した清見オレンジやサニーレタス、ホウレンソウ、かんきつ類や、紀の川市の農家5軒が無農薬で生産した米やイチゴなど新鮮な農産物、加工品など計約80品目1500個が並んだ。

近くに住む大城花さん(85)は「たくさん品物があって、値段も安い」と話していた。次回は6月9日開催の予定。

■2013.5.13  <孤独死対策(1)>社会的に孤立しやすい高齢者とは?――総務省調査
総務省は4月、「高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」を公表した。

高齢者の社会的孤立の防止対策と災害時の保護を推進する観点から、国庫補助などによる関係対策の実施状況や支援が必要な高齢者の実態把握の状況、災害時の高齢者の避難支援の取り組み状況などを調査し、必要な改善措置について勧告することを目的としたもの。
同調査から、高齢者の社会的孤立の状況や対策を中心に紹介する。

■超高齢化社会が進展し、社会福祉サービスを利用する高齢者が増加
平成23年現在、65歳以上の高齢者人口はの総人口に占める割合が23.3%と、超高齢社会に突入した日本。世帯構成で見ると、65歳以上の高齢者のいる世帯は1,942万世帯で全体の41.6%。このうち、高齢者単身世帯の数は470万世帯、高齢夫婦世帯は460万世帯となっている。今後高齢化率は上昇を続け、高齢者単身世帯・高齢夫婦世帯も増加が見込まれている。
高齢社会の進展に伴い、社会福祉サービスを利用する者も増加し、介護保険サービスの利用者数は、平成12年の149万人から23年は417万人に。 また、生活保護を受給している高齢者世帯も年々増加し、平成12年度の34万1,000世帯から23年度には63万6,000世帯となり、受給世帯全体の42.5%を占めている。

■孤立死とは、生存中の孤立状態が死によって表面化したもの
一人暮らしの高齢者が、死後かなりの期間を経過して発見される事例が報道されるようになったのは昭和50年代後半。その後、阪神・淡路大震災後の仮設住宅での誰にも看取られない高齢者の死や首都圏の団地での孤独死の発生などで、高齢者の孤立死への社会的関心は高まっている。
『平成22年版高齢社会白書』では、死後長期間放置されるような孤立死は、人間の尊厳を損なうものであり、また、身内や周囲の人に心理的衝撃や経済的負担を与えることから、孤立死を「生存中の孤立状態が死によって表面化したもの」として捉え、生きている間の孤立状態への対応を迫る問題として受け止めることが必要であるとしている。

■社会的孤立に陥りやすい高齢者の特徴
『平成22年版高齢社会白書』では、社会的孤立に陥りやすい高齢者の特徴として、単身世帯、暮らし向きが苦しい、健康状態がよくないなどをあげている。さらに、高齢者の社会的孤立の背景には、高齢者単身世帯や高齢夫婦世帯の増加といった世帯構成など経済・社会の変化が関係し、社会的孤立のリスクはますます高まっているとしている。
また、同白書では、高齢者の社会的孤立が生み出す問題について、生きがいの低下、孤立死の増加、消費者契約のトラブルの発生などをあげている。

高齢社会対策基本法第6条に基づき定められている「高齢社会対策大綱」(平成24年9月7日閣議決定)では、社会的に支援を必要とする人々に対し、社会とのつながりを失わせないような取り組みを推進していく必要性を指摘。一人暮らしの高齢者等が住み慣れた地域で孤立することなく安心した生活を営むことができるよう、民生委員やボランティア、民間事業者などと行政が連携し高齢者の社会的孤立を防止することを定めている。

■高齢者の社会的孤立を防止する対策
高齢者に対する福祉・介護等のサービスは、生活保護制度や介護保険制度によるもののほか、社会福祉法に基づき市区町村が主体となって実施する地域福祉活動がある。国は、各種の地域福祉活動を支援するために以下のような補助事業を実施している。

1.安心生活創造事業
安心生活創造事業は、介護保険サービスの対象外でも高齢者が地域で安心して暮らすことができるよう、孤立死などを予防するための見守りや買物支援など定期的な支援事業で、国が費用の一部を補助する。 平成21年度から23年度まで全国58市区町村でモデル事業として実施し、平成24年度以降も引き続いて実施する。

2.24時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業など

「介護保険法等の一部を改正する法律」(平成24年4月1日施行)では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の創設などが盛り込まれ、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取り組みの推進が定められた。
これに先行する取り組みとして、厚労省では、24 時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業、地域包括支援センター等機能強化事業、日常生活自立支援事業などを実施してきた。
このうち、「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業 」は、平成23年度に全国52の地方公共団体にてモデル事業として実施。平成24年度から介護保険制度に定期巡回、随時対応型訪問介護・看護が導入されたことで終了した。

・地域包括支援センター等機能強化事業
市区町村が実施主体のモデル事業で、地域包括支援センターなどのコーディネート機能の強化や、地域課題に対応した問題解決の仕組みづくりを行い、国がその費用の一部を補助する。同事業は2年限りのモデル事業だが、厚生労働省は平成24年度以降、生活困難な課題を抱える高齢者の個別のケア方針について検討する「地域ケア会議」を推進することで、多職種連携やインフォーマルサービスを活用した見守り支援など多様な機関による包括的支援を強化するとしている。

・日常生活自立支援事業
社会福祉法第81条の規定に基づき、認知症高齢者など判断能力が不十分な者に対し、地域において自立した生活を送れるよう支援する事業で、国がその費用の一部を補助する。同事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会または指定都市社会福祉協議会で、市区町村社会福祉協議会に委託して実施するケースもある。

援助内容は、日常生活上の消費契約や住民票の届出など行政手続きに関するもので、具体的には、預金の払戻しなど日常の金銭管理や生活変化を察知のするための定期的な訪問。
事業を担当する専門員は、生活支援員の手配や支援内容の指示などを行なう。厚生労働省は、専門員1人当たりの契約件数について、ケアマネジャーなどの制度を参考に、良質な支援を提供する観点から35件と設定している。

なお、厚生労働省は、平成23年3月の社会・援護局関係主管課長会議において、「事業の普及が不十分だと消費者被害や経済的虐待が増加し、高齢者や障害者が地域で安心した生活を継続していく上で大きな壁になり、権利擁護の観点からも大きな問題になる」とし、都道府県・指定都市に対し、事業の充実を図るための財源措置などについて積極的な対応を求めている。

◎高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告
http://www.soumu.go.jp/main_content/000217313.pdf

■2013.5.13  <孤独死対策(2)>高齢者の孤立防止対策、行政の限界は?――総務省調査
総務省は4月、「高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」を公表した。その中から社会的に孤立している高齢者の把握の状況についての要旨を紹介する。

■社会的に孤立している高齢者の把握(情報の一元化)の必要性
「高齢社会対策大綱」では、社会的に支援を必要とする人々が社会から孤立することなく生活を営むことができるよう、体制の整備とそのための施策を推進していくことを言及している。
施策を推進するためには、まずは、対象となる「社会的に支援を必要とする人々」がどの程度存在しているのか、リスクの状態や必要な支援、行政に対してどのようなニーズをもっているのか、その動向や孤立に至る要因はどのようなものか、実態を的確に把握することが必要となる。

そこで、厚生労働省は、市区町村など福祉担当部局で生活困窮者についての情報を一元的に受け止める体制を構築するため、市区町村の関係部局や他機関との連携の強化を進めている。以下に、それらの連携の形を紹介する。

■市区町村の関係部局・他機関との連携
厚生労働省は、「生活に困窮された方の把握のための関係部局・機関等との連絡・連携体制の強化の徹底について」(平成24年2月23日)において、生活に困窮した者に関する情報が地方公共団体の福祉担当部局に確実に伝わるよう、関係部局・他機関との連絡・連携体制について強化を図り、生活に困窮した者の把握や必要な支援に努めるよう依頼してきた。

しかし、生活困窮から滞納し、水道・電気などライフラインが止められ、死亡に至る事件が発生していることや、一部の地方公共団体で連絡・連携体制が十分に図られていない実態も見受けられるとして、改めて地方公共団体の福祉担当部局にこれらの情報を一元的に受け止める体制を構築するよう依頼している。

■市区町村から民生委員に対する高齢者の個人情報の提供
地域で孤立するおそれのある高齢者の見守り活動において、日頃から高齢者等の家庭を訪問し、相談援助活動を行う民生委員の役割を重視。平成23年1月20日に開催された全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)において、都道府県などに対し、市区町村が民生委員に高齢者の個人情報を提供するよう依頼している。

■市区町村から地域包括支援センターに対する個人情報の提供
都道府県などに「地域包括支援センター等において地域の見守り活動等を構築していく際の支援を必要とする者に対する個人情報の取扱いについて」(平成22年9月3日付・老健局振興課長事務連絡)を発出し、地域包括支援センターと市区町村が保有する情報の共有化の推進を依頼している。

また、同じ事務連絡にて、「要援護者に係る情報の把握・共有及び安否確認等の円滑な実施について」(平成19 年8月10日付)を引用し、「本人からの同意がない場合でも、地方公共団体の個人情報保護条例で保有個人情報の目的外利用・第三者提供を可能とする規定を整備することにより、個人情報を他の機関と共有することができる」とし、他機関との情報の共有に積極的に取り組むよう依頼している。

■要保護高齢者を把握するための福祉事務所と関係機関の連携
平成22年に生活困窮者が公共料金等を滞納し、電気・ガス等の供給が止められた中、記録的な猛暑により死亡した事例が発生したことから、都道府県等に対し、「要保護者の把握のための関係部局・機関等との連絡・連携体制の強化の徹底について」(平成22年10月1日付・援護局保護課長通知)を発出。電気などの供給停止に際し、事業者と連携して福祉事務所の連絡先を紹介する取り組みや、事業者が生活困窮者と把握できた場合に供給停止について柔軟な対応がとれるよう、事業者と認識を共有する措置を講ずるように依頼している。

また、この翌年には、「要保護者の把握のための関係部局・機関との連絡・連携体制の強化の徹底について」(平成23年7月8日付・援護局保護課長通知)を発出し、前述の通知内容を実施するための体制づくりや関係機関の連携を十分に図ることを依頼している。

■高齢者の孤立の防止などを踏まえた地域福祉計画等の策定
社会福祉法第107条・108条の規定により、市区町村は地域福祉の推進に関する事項を定めた「市町村地域福祉計画」を、都道府県は市区町村の地域福祉の支援に関する事項を定めた「都道府県地域福祉支援計画」を策定することとされている。

厚生労働省は、「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画の策定及び見直し等について」(平成22年8月13日付・援護局地域福祉課長通知)にて、これらの計画は高齢者などの孤立にも対応可能なものであるとし、都道府県に対し、地域福祉計画を策定していない市区町村に対する支援や働きかけの強化などを適切に行うよう要請している。

すでにこれらの計画を策定している場合は、高齢者の孤立の防止などを踏まえた対応に有効な内容となっているか点検し、必要に応じて見直しを行うなど対策を講ずるよう言及。
また、地域福祉計画には、前述の通知「要援護者に係る情報の把握・共有及び安否確認等の円滑な実施について」により、地域における要援護者について情報の把握・共有方法などを盛り込むこととしている。

国は、「高齢社会対策大綱」においても、要援護者についての情報の把握・共有・安否確認などの方法を盛り込んだ地域福祉計画の策定を都道府県と連携しながらより促していくこととしている。

レポートにはこれら社会的孤立の防止対策のほか、災害時における高齢者の保護についても言及されている。

◎高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告
http://www.soumu.go.jp/main_content/000217313.pdf

■2013.5.14  聴覚障害者の震災体験証言 DVD常時放映 神戸
阪神・淡路大震災が起きたとき、聴覚障害者はどんな体験をしたか‐。情報がなく、孤立した震災直後の様子を障害者自ら証言したDVDが人と防災未来センター(神戸市中央区脇浜海岸通1)の西館3階で常時放映されている。公の場での放映は初めてで、制作した県立聴覚障害者情報センター(同市灘区)は「聞こえない人の災害体験に目を向け、南海トラフ巨大地震の対策などに生かしてほしい」と話す。

放映されているDVDは「阪神・淡路大震災〜ろうあ者の1・17」(字幕付き)。聴覚障害者情報センターが2010年に500枚を制作し、図書館や自治体に配った。

DVDには、家族や自宅を失うなどした聴覚障害者11人が、手話で被災体験を振り返る様子を収めた。「多くの人に見てほしい」という要望を受け、今年3月から人と防災未来センターでの放映が始まった。

先天性の聴覚障害がある水野秀章さん(61)=同市西区=は「災害時の課題を知ってもらうきっかけになれば」と放映を喜ぶ。水野さんは18年前、明石市で被災した。自宅は一部損壊だったが、聴覚障害者の災害を記録しようと、2カ月以上にわたってビデオカメラで神戸の知人らの状況を記録し続け、その一部がDVDに収められた。

2011年の東日本大震災では、避難を呼び掛ける防災無線の内容が聴覚障害者に伝わらないなど、阪神・淡路の教訓が十分生かされなかった。テレビの災害報道でも、手話付きの番組はごく一部。携帯電話のメール機能で改善された部分はあるが、水野さんは「今度大きな災害があったら、また情報が閉ざされるのでは」と不安を抱く。

聴覚障害者情報センターによると、県内で聴覚の障害者手帳を持つのは約1万8千人。嘉田眞典所長(48)は「いざという時は、日頃の近所づきあいが鍵になる。DVDを見て災害弱者への対応を考えてほしい」と話す。

■2013.5.14  べてるの家から音楽CD 浦河
精神障害者の活動拠点「浦河べてるの家」の利用者やスタッフなどで結成した音楽グループ「ぱぴぷぺぽ楽団」が初めてのCD制作を進めている。自らの障害体験などが歌詞になっている歌もあり、楽団メンバーは「べてるのみんなの歌だ」と話している。

「ぱぴぷぺぽ」はべてる内の用語で、精神が安定しない状態を指す。楽団は、音楽好きの利用者が中心となって、オリジナルの曲を作ろうと昨年3月に結成。同8月の「べてるまつり」などで歌を披露してきた。

歌や演奏の録音は楽団メンバーを中心に、べてる利用者の半数に当たる38人の当事者やスタッフ、支援者など計56人が参加。CDには22曲を収録する予定で、ほとんどの歌詞や曲は当事者が作った。歌詞で「いいじゃありませんか精神病 神からもらった宝物」と、症状と向き合うことを呼び掛けた「べてるのずんどこ節」や、仲間の大切さを歌う「住居っていいな」などがある。

録音は今年2月までに完了した。現在、6月の発売を目指し、録音した演奏と歌の調整作業と同時に、練習風景の写真や歌詞を載せた小冊子の作製が進められている。東京の製作会社でCDにし、通信販売で1枚2100円で販売する。

中心メンバーの松本康一さん(44)は「音楽を通じて、ハンディキャップを持っていても引け目を感じる必要がないというメッセージを伝えたい」と話している。

■2013.5.14  色覚障害助けるアプリ開発 端末カメラで画像変換
赤と緑が見分けにくい色覚障害者でも色合いが分かるように画像を変換するスマートフォン(多機能携帯電話)用のアプリケーションを、鹿児島大の大塚作一教授(認知心理学)が開発し、14日発表した。企業と協力して、数カ月から1年程度で商品化を目指す。

日本眼科学会によると日本人の男性の約5%、女性の0・2%は、本来は反対色である赤と緑が同系色に見えて識別が難しい色覚障害を持つ。

開発したアプリは、赤と緑を、色覚障害者でも反対色に見える黄色と青にそれぞれ変換する仕組み。

■2013.5.14  障害者支援に NTT西日本がNPOに寄付
NTT西日本佐賀支店(佐賀市、田中光二支店長)と、社員でつくるH&Nボランティア基金九州総ブロックは13日、発達障害者を支援している佐賀市のNPO法人「それいゆ」に30万8千円を寄付した。

贈呈式では、田中支店長と井手康博九州総ブロック副代表が「少しでも役に立てれば」とあいさつ。目録を受け取ったそれいゆの伊藤博教理事長が「支援者の療育や生活活動支援に使います」とお礼を述べた。

寄付は、社会貢献を目的に社員から募金を集め、それと同額を会社も寄付する「マッチングギフトプログラム」制度に基づき、佐賀では17回目となった。

■2013.5.14  障害者等級上げろと脅迫 山口組系幹部を逮捕
自らの身体障害者等級を上げるよう市職員を脅したとして、大阪府警は14日、職務強要容疑で、大阪府豊中市桜の町、山口組系暴力団幹部、西田弘一被告(66)=恐喝罪などで公判中=と同市立花町、無職、谷内実容疑者(52)を逮捕した。西田容疑者は「威圧、脅迫をしていない」と否認しているという。

逮捕容疑は昨年11月8日、豊中市役所で、障害福祉課の職員らに、「市民運動を起こしてクビにするぞ」などと脅し、西田容疑者の腎機能障害の等級をより重い1級に変えるよう不当に要求したとしている。

府警によると、西田容疑者は昨年9月に3級の障害者手帳を取得したが、その後、5回にわたって市役所を訪れ、認定の変更を求めていた。

西田容疑者は、山口組ナンバー2の弘道会会長、高山清司被告(65)=恐喝罪で実刑判決、控訴=らとともに建設業の男性から4千万円を脅し取ったとして京都府警に逮捕、起訴され、現在は保釈中だった。

■2013.5.14  障害者差別解消法の今国会成立目指す 参議院会館で緊急集会
障害者差別解消法の今国会成立を目指す緊急集会が14日、東京都千代田区の参議院会館で開かれた。集会は13の障害当事者団体で構成する日本障害フォーラム(JDF)の主催で、障害当事者やその家族など支援者のほか障害者施策に関わる国会議員らが同法の早期成立の必要性を訴えた=写真。

4月26日に閣議決定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」は、政府の障がい者制度改革推進本部が国連の障害者権利条約批准に不可欠となる障害者差別禁止法を改称して閣議提案したもので、今国会で成立すれば2016年4月から施行される見通し。

集会では、130カ国が批准している国連の障害者権利条約に日本がまだ批准していない▽障害者法の制定には当事者の参画が不可欠である▽差別解消法は障害者が社会に依存することなく、自立できるための環境整備である▽差別解消法案では民間企業の事業主への被雇用障害者への合理的配慮の達成は努力義務にとどまる−−などの不満が残ることが説明された。

JDF差別禁止小委員会委員長の太田修平さんは「世界初の障害者差別禁止をうたった1990年のADA(アメリカ障害者法)から20余年を経てようやく日本にも障害者のための法律が成立しようとしている。国会議員のみなさんには今国会成立のために尽力いただきたい」と訴えた。

なお、同日午後の参議院予算委員会では公明党の山本博司参議院議員が安倍首相に障害者差別解消法の成立についてただすと「当事者関係団体が法案策定に尽力されたと聞いている。政府与党として成立を目指す」と答弁した。

■2013.5.14  発達障害の子を犯罪から守る 北区、19日 /岡山
発達障害の子を犯罪から守る方法をテーマとした講演会「身近に潜む危険から自閉症スペクトラムの子どもたちを守る」が19日午後2時から、北区南方2のきらめきプラザである。発達障害の子の親や専門家でつくるNPO県自閉症協会主催。

講師は、自閉症の息子を持ち障害者の権利擁護に取り組んできた弁護士、辻川圭乃(たまの)さん(大阪弁護士会所属)。発達障害のある被告の刑事弁護を担当してきた経験から、コミュニケーションが苦手な発達障害の子どもたちが事件に巻き込まれた場合の対処法や、司法制度の課題について話す。

■2013.5.14  田植え:福祉施設利用者、千枚田で 小豆島町中山 /香川 NPO法人「あすなろの家」社会福祉法人同仁会「のぞみ園」社会福祉法人「ひまわりの家」NPO法人「風の家」
「日本の棚田百選」の一つ、小豆島町中山の千枚田で13日、同県や岡山県玉野市、広島市の福祉施設に通う利用者が集まり、田植え作業を体験した。

担い手不足で農地の荒廃が進む農業分野で、障害者の就労を目指そうと小豆島町が取り組む「障がい者農業就労体験交流事業in千枚田」の一環。同町のNPO法人「あすなろの家」や岡山県玉野市の社会福祉法人同仁会「のぞみ園」、土庄町の社会福祉法人「ひまわりの家」、広島市のNPO法人「風の家」の利用者や保護者、ボランティアら約70人が参加した。

地元の農家4人が代かきなどをして準備した約5アールの田んぼで作業があり、参加者は田植え定規を使った昔ながらの手植えに取り組み、コシヒカリの苗を植えていった。水が張られた田んぼに恐る恐る足を入れた参加者は「冷たい。ヌルヌルする」などと声を上げ、農家の人に教わりながら苗をていねいに植えていた。9月中旬ごろには収穫体験も行う。

■2013.5.14  <資格失効で不正請求>居宅事業所、他人名義で業務を行い指定取消――千葉県  株式会社灯屋
千葉県は、4月30日、介護報酬の不正請求で、野田市の居宅介護支援事業者の指定を取り消しにすると発表した。
事業所に介護支援専門員の資格者がいないにもかかわらず、他人の名義を借りて業務を行い、介護報酬を不正に請求したことなどが理由。処分は4月30日付。

【事業者の概要】
■事業者の名称:株式会社灯屋

■事業者の所在地:野田市日の出町26-4

■事業所の名称:株式会社灯屋(居宅介護支援)

■事業者の所在地:野田市日の出町26-4

【処分の理由】
■不正請求
事業所の介護支援専門員の資格が失効しているにもかかわらず、他の者の名義を借りて業務を行い、この間の介護報酬を不正に請求した。

■虚偽の報告
県の検査に対し、虚偽の報告を行った。

■サービス計画・モニタリングの不徹底など
虚偽の変更届を提出したほか、利用者ごとに適した居宅サービス計画の作成を行わず、毎月1回の定期的なケアプランの実施状況の把握(モニタリング)をも適切に行っていなかった。

■2013.5.14  笑う介護士 袖山卓也のFacebook
この度は、皆様方に大変な御心配とご迷惑をお掛けいたしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。

色々と不確かで不鮮明な情報が飛び交う現代社会の中、たくさんの方々がたくさんのご想像をされながら生きていることでしょう。
ですが、今のわたしから申し上げられることは唯一つです。
法の定めの元、身に覚えのないことに対しずっと否認を続けまして、示談に頼る事なく、無事に疑いが晴れ、自由を頂きました。

真実は皆様の想像を絶する所にありますが、これ以上は控えます。
憶測は憶測を生みます。悪意や敵意も悪意や敵意を生むのみです。
諍いは諍いを生み、争いは争いを生むだけだと思います。
大変苦しい現状ではあれど、命がありますので、これから命を懸けて活動し、大切な人々を守りつつ、天命を全ういたします。
わたしを信じて下さる方が一人でもいる以上、わたしはがんばり続けられます。
まだこれから考えますが、今後の活動等はHPに載せていきます。
死ぬ気でマイナスから積み上げて、今を超えるつもりです。
もう大丈夫ですので、これ以上のお言葉は要りません。
お気持ちだけ頂戴いたします。
ただただ、末永くどうぞよろしくお願い申し上げます。

■2013.5.14  強姦容疑の「笑う介護士」処分保留で釈放 東京地検
東京地検は14日、強姦(ごうかん)容疑で警視庁に逮捕された介護福祉士の袖山卓也・介護関連会社役員(41)=名古屋市熱田区一番3丁目=を処分保留で釈放し、発表した。理由は明らかにしていない。

警視庁は4月、袖山役員が3月上旬に都内のホテルの一室で20代女性に「愛人になってほしい」などと迫り、強姦した疑いがあるとして逮捕した。警視庁によると、袖山役員は「合意のもとでやった行為だ」と容疑を否認していたという。

袖山役員は「笑う介護士」や「ヤンキー介護士」として、マスコミで活動が紹介されていた。

■2013.5.14  自閉症の子どもは「動き」を素早く認知
自閉症の子どもは、他の子どもよりも単純な動きを素早く捉えることを、新たな小規模研究が示した。自閉症者が雑音や明るい光に強く反応する理由が、動きに対する極端な敏感さによって説明できると考えられ、自閉症に関連する複雑な社会的・行動的問題の一部にもこのことが関連している可能性があると、研究グループは述べている。

研究の筆頭著者の1人である米ロチェスター大学(ニューヨーク州)助教授のDuje Tadin氏は、「自閉症の子どもは社会的交流に葛藤を生じることが多いため、自閉症は社会性障害と考えられるが、見落としがちなのは、人が身の回りのことを知るとき、そのほとんどを知覚により捉えているという点である。ものの見え方や聞こえ方に異常があると、社会的コミュニケーションに大きな影響を及ぼすことがある」と述べている。

今回の研究は、8〜17歳の自閉症の子ども20人および定型発達の子ども26人を対象に実施された。全被験者に、白と黒の棒が動くビデオクリップを見せ、どのくらい素早く動きを感知できるかを評価した。全体として、自閉症の子どもはその他の子どもの2倍の早さで動きを捉えることができた。最も成績の低かった自閉症の子どもの検知スピードは、自閉症でない子どもの平均とほぼ同等だった。

これまでの研究から、自閉症者は静止画を見る視覚能力が高いことが明らかにされていたが、動きの感知にも優れることが示されたのは今回の研究が初めてという。研究結果は、「Journal of Neuroscience」5月8日号に掲載された。

研究のもう1人の筆頭著者で米エール大学小児研究センター(コネチカット州)博士研究員のJennifer Foss-Feig氏は、「動きを知覚する能力が劇的に高いのは、刺激の強度が増すにつれて自閉症者の脳の反応が高まり続けることを示唆するものである。これを有利な能力であると考えることもできるが、神経反応が適切なレベルで止まらないと、感覚への過負荷につながる可能性がある」と述べている。

■2013.5.14  フードバンクで食料支援、小林由卓さん /広島
◇粗末にしないで 多くの人を救える 小林由卓さん(41)=福山市

賞味期限が迫っていたり規格外などで食べられるのに販売できない食べ物を譲り受け、施設の高齢者やホームレス支援団体などに無償で提供する市民団体「フードバンク福山」を2011年10月に設立し、代表を務める。

社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持ち、川崎医療福祉大学(岡山県倉敷市)卒業後は福祉一筋。現在は福山市神辺町で高齢者や障害者のための福祉事務所を運営。仕事の合間を縫って、福山、府中両市の約10人のメンバーとともに、食品加工会社を回って米や野菜、レトルトカレーなどを寄付してもらう活動を続けている。

きっかけは、広島市を中心にフードバンクの活動をしている「あいあいねっと」(原田佳子代表)の存在を、たまたまラジオで聞いたことだった。長く福祉の仕事に携わり、貧しい境遇でも、一生懸命に生きている人の姿を見てきたが、以前、テレビで見た「市場価格が下がる」といった理由で、出荷できずに廃棄される野菜の映像が頭に浮かんだ。「今の日本でも、食べたくても十分に食べられない人がいる。市場原理の理由で食べ物が粗末にされるのはおかしい。必要な人に届けることができれば、多くの人を救える」

最初は、相手にしてくれない企業もあったが、自分たちの思いを伝え、次第に人脈も広がり、これまで10社ほどから食べ物を提供してもらっている。ただ、大手企業に災害備蓄用の食べ物を提供してもらおうと交渉していた時、担当者から「社会的な信用があるNPO法人だったら、提供できます」と言われることもあり、県にNPO法人格を申請。今月中には法人格を取得できる見通しで、今後、活動の幅も広がる。

毎週1回は福山市内である、食べ物の提供先のホームレス支援団体の炊き出しにも参加。自分たちが集めた食材で作られた弁当を配り、口に入る所まで見届ける。「喜んで食べてくれる姿を見ると『やっててよかった』と実感できます。これから活動の幅も広げ、役目を果たしていきたい」と目を輝かせる。

■2013.5.15  県内障害者の犠牲113人 震災の津波で被災 福島
東日本大震災の影響で亡くなった県内の障害者の人数は身体、知的、精神の各障害がある人を合わせて113人に上ることが14日、分かった。このうち視覚障害者は11人。震災に伴う避難で体調を崩すなどして亡くなった「震災関連死」は含まれず、いずれも津波による犠牲者だった。県視覚障がい者福祉協会などの要望に県が明らかにした。
 
障害者の犠牲者数は、障害者手帳が交付されている人を対象に、県が市町村から情報提供を受けて初めてまとめた。
 
内訳は、身体障害者が106人と9割以上を占め、次いで知的障害者6人、精神障害者4人(重複を含む)だった。逃げ遅れなどが亡くなった原因とみられる。
 
障害者には平常時でも社会の情報が伝わりにくいことが課題となっており、災害発生時には一層迅速な情報伝達や安全な場所への避難誘導が求められている。

■2013.5.15  視覚・聴覚障害者24時間サポート共同住宅 函館のNPO、来月着工 NPO法人ユニバーサルホーム函館をつくる会
NPO法人ユニバーサルホーム函館をつくる会(和泉森太理事長)は視覚、聴覚障害者向けの共同住宅を函館市日吉町2に建設する。手話通訳ができるスタッフが常駐し、入居者を24時間サポートする。日本盲人会連合(東京)は「福祉施設ではなく、一般の賃貸住宅でこうしたサービスを提供する例は全国でも初めてでは」と注目している。

名称は「はこだての家 日吉」。鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積1300平方メートルに2DK5部屋とワンルーム32部屋、食堂などを備える。

■2013.5.15  12年度、障害者6万8千人就職 過去最多を更新
厚生労働省は15日、全国のハローワークを通じて2012年度に就職した障害者が、前年度比15・1%増の6万8321人だったと発表した。3年連続で過去最多を更新した。

新規求職の申し込みも最多で、9・2%増の16万1941人だった。厚労省は「企業に障害者雇用を義務付ける『法定雇用率』をことし4月から引き上げた。それに合わせて企業が採用活動を活発化させたのが一因」と分析している。

就職者のうち、精神障害者は26・6%増の2万3861人で、高い伸びを示した。身体障害者は6・9%増の2万6573人、知的障害者は11・9%増の1万6030人だった。

■2013.5.15  「ポッターくん」ストラップ作る 四日市の自立支援施設通所者
四日市市西日野町の障害者自立支援施設「共栄作業所」の通所者たちが、萬古(ばんこ)焼のマスコットキャラクター「ポッターくん」のストラップを、さをり織りで作った。形や色、大きさが一つ一つ違い、手作りの温かみが伝わってくる労作だ。

手のひらサイズのストラップは、施設で日ごろからさをり織りの製品を作っている八人が役割分担して製作。数種類の糸で織り込むため、カラフルな色づかいが目を引く。大半が針を使って縫い合わせる手作業で、一つ作るのに三十〜四十分かかるという。

十九日に四日市ドームで開かれる四日市こどもまつりで先行販売した後、同市陶栄町のばんこの里会館で限定販売する。価格は六百三十円。

障害者支援の一環で、萬古陶磁器振興協同組合連合会が作業所に声をかけた。連合会が運営するばんこの里会館では二〇一〇年から、衣服や雑貨など通所者手作りの作品を販売し、人気を集めている。

問い合わせは、同連合会=電059(330)2020

■2013.5.15  障害者と地域、ふれ合うカフェ NPO法人「ドアドアらうんど青森」
青森市石江に障害者や高齢者、地域住民が集い交流するユニークなカフェと創作工房が今春、オープンした。NPO法人「ドアドアらうんど青森」(佐藤智子代表)が運営する癒やし空間「ほ・だあちゃ」だ。カフェで障害者が温かいコーヒーを提供し、工房では夢あふれる版画や絵画、陶芸などを創作。一般の人も障害者も、共に楽しく生きる姿を提案している。

佐藤代表は2006年から、自宅の敷地内で障害者の創作工房を運営してきたが今回、国の補助を受けて建物を増改築して一新。「就労継続支援B型」に登録し、障害者が働きながら地域と接するオープンスペースをつくり上げた。

白で統一された建物は、おしゃれで開放的な雰囲気。カフェや創作室のほか、高齢者や障害者が住めるアパート6室も兼ね備えている。農作業を楽しめる小さな畑もある。「ほ・だあちゃ」は、「ほっとする」と、ロシア語で田舎の邸宅を意味する「ダーチャ」をつなげ、津軽弁の「ほんだじゃ」(そうだね)をかけた。

カフェでサービスするのは、統合失調症の佐藤豪さん(43)と、知的障害を伴う葛西剛志さん(36)。2人は「おいしいコーヒーを入れます。気軽に立ち寄ってください」とPR。市内の喫茶店で“修行”した成果を生かしたい−と目を輝かせる。

佐藤代表は「休日には、ダンスや焼き物教室などを開き、障害者と高齢者が楽しめる面白い空間を運営していきたい」と夢を語った。

カフェは、月曜から金曜までの午前11時から午後2時までオープン。6月にはランチも提供する予定。

■2013.5.15  障害との接点 就労支援NPO、JR氷見駅前に開店 「4人の社会貢献見て」 /富山 NPO法人「b-らいふ」
障害を持つ人たちの就労支援を行っている氷見市のNPO法人「b-らいふ」(岡實理事長)がこのほど、JR氷見駅前にカフェ「とまとCafe」(氷見市伊勢大町)を開いた。知的障害などを持つ人たちが働いており、障害者の雇用の場とともに地域との接点となる拠点作りを目指す。運営する「b−らいふ・かんぱにー」所長の永森栄一さん(41)は「働くことは社会のために自分の体を使うこと。障害があっても社会に貢献していることを見てもらいたい」と話している。

カフェのオープンは先月26日。障害者の雇用の場としては、昨年9月に始めた「たまねぎCafe」(氷見市丸の内)に続いて2店目だ。ワッフルやソフトクリームなどの軽食の他、氷見の食材をふんだんに使ったランチセットもある。トマト、タマネギといずれも野菜の名前を使ったのは「健康的なメニューを出す店」との思いを込めた。

とまとCafeでは障害者4人が接客や皿洗いなどをしており、NPO職員3人も働く。カフェが入居しているビルには、先日オープンしたばかりのミニシアター「氷見キネマ」もあり、シアター利用者はカフェでの割引サービスが受けられる。

永森さんによると、職員の中には店の前に「障害者が働いています」というメッセージを掲げた方が良いのではないかとの意見があったという。しかし、最終的には「書いてしまったら障害に理解のある人や関係のある人しか利用しなくなる」と判断。永森さんは「狙いは、障害を理解してもらえない人たちとの接点をどうやって作るかだ。そのような人たちに見てもらって『よく頑張っているな』と思ってもらい、それが社会の中に広がっていってほしい」と話す。

また、市の玄関口にあたる駅前に店を構えていることから「観光地としてウエルカムの気持ちを持って迎え、町興しにもつなげたい」と話す。木・日曜定休。問い合わせは、「とまとCafe」

■2013.5.15  島根大が年2回のオープンカレッジ 知的障害者にも大学で学ぶ機会を /島根
◇強い意欲に感銘 周囲の理解、徐々に拡大

島根大(松江市)で今春、「知的に障害のある人のオープンカレッジ」があった。障害があっても大学で学ぶ機会を得てもらおうと学生たちが企画し、2008年から年2回開いている。今回は松江市周辺から24人が集まり、学生や社会人ボランティアたちと一緒に2日間の大学生活を体験した。

受講生は2年間、秋と春に通学し、計8日間の授業を受けて「卒業」する。今回は1年生の後期で、初日は栄養について学んだ後、マナーやヨガ、国語の中から好きな講義を選択した。

「肩こりがある人いますか?」。ヨガの授業では講師の蔦田博司さんの問いかけに、受講生たちは「はい」と元気よく答えた。脳の構造などを学んだ後、学生たちの「サポーター」とペアを組み、心身をリラックスさせる脳体操に挑戦した。

楽しそうに体を動かしていたのは、松江市の佐々木史恵さん。「運動不足だったので久しぶりに体を動かしてすっきりした」と笑顔。佐々木さんは県立松江養護学校を卒業後、病院で弁当を配る仕事などを経験した。歴史に興味があり、オープンカレッジには2年前から参加している。「もっと勉強したいし、いろんな人と話せるのがいい」。学生や仲間と交わす会話も楽しみだ。

2日目は出雲市の県立古代出雲歴史博物館で歴史を学んだ。

   ◇

オープンカレッジは98年に大阪府立大で始まり、同大大学院を修了した京俊輔・島根大准教授(37)の呼びかけで島根大でも始まった。京さんは、受講生の学びたいという強い意欲、受講生と学生が関わり合う姿に感銘を受けたといい、「いつか自分が教える学生たちと経験を共有したい」と思った。

島根大では法文学部福祉社会コースの学生らの実行委が中心になり、受講生集めから講義の企画、講師の手配などを進める。市社協や知的障害者支援グループの協力も得て、今回は計12人がスタッフとして参加した。

実行委の奥田麻菜さん(4年)は2年前からオープンカレッジに取り組んできた。卒業後は高齢者福祉関連での就職を希望している。「障害のある人と関わる機会がこれまでなかった。もっと介助が必要なのかと思っていたが、学びたい、知りたいという意欲が強く、印象が変わった。教えられることの方が多い」と話す。

学外の講師が他の講師を紹介したり、専門学校生がサポーターになってくれるなど、周囲の理解は徐々に広まってきている。

■2013.5.15  トヨタ自動車九州:福祉施設で汗 新入社員研修 /福岡
トヨタ自動車九州(宮若市)は14日、福祉施設3カ所で新入社員の研修を実施した。この日は18人の新入社員が参加。残る34人も6月に同様の研修を行う。

直方市感田の「なおみの会第1作業所」には6人が訪れた。精神障害者らと一緒に空き缶を選別したり、岩塩から異物を取り除いて商品にする作業をした。

参加した原靖裕さん(22)は「楽しく話しながらお手伝いできた。社内外で障害者の方と接する機会もあろうが、いい関係が築けると思う」と話した。

■2013.5.15  宇治山田商高:3年7人、障害者施設とコラボ、今年度商品開発へ 伊勢 /三重 NPO法人ステップワン
県立宇治山田商高の課題研究「ネットショップ」に取り組む3年生7人が、障害者の生活介護事業所を運営するNPO法人ステップワン(伊勢市楠部町)と共同で今年度の商品開発に向け動き出した。

同校は、商業教育の一環として2009年度からホームページ上にネットショップを開店。高校生が考えた地元商品や商店街からの提供商品を販売してきた。

ステップワンは90年に作業所を開設。04年に利用者の作品を販売する「すてっぷ・わん」を開店、売り上げやバザー収益金を運営資金に充てている。作業所には、知的障害を持つ男女7人が通い、さおり織りや木工製品などを作っている。

同校とステップワンとのコラボは今年で2年目。12年度は、同校の女子の制服の形を生かしたペットボトルホルダーを製作。木札をネームホルダーとしてつけて販売し、好評だったという。

今年度の1回目の会合となった9日、担当の生徒6人が、ステップワン作業所を訪問、自己紹介した。最初は緊張していたものの、次第に打ち解け「式年遷宮に合わせた商品ができないか」「前年に勝るものを作りたい」などと商品開発について意見を交換した。今後、作業所と高校を行き来しながらアイデアをまとめ、ネットショップがオープンする10月までに商品を完成させる。

東谷美佑さんは「利用者と一緒に作業をしたり、触れ合いを深め、皆でアイデアを考えたい」と意欲をみせた。

■2013.5.15  給食で誤食12・6%…調布の小中、学校ミスも
東京都調布市立の全28小中学校で、食物アレルギーのある児童・生徒のうち1割以上が、給食で誤って原因食品を食べた経験があることが、市教育委員会が保護者を対象に実施したアンケート調査で明らかになった。

昨年12月の女児死亡事故を受け、市が設置した再発防止検討委員会の第3回会合で14日、市教委が調査結果の速報値を公表した。

調査は4月下旬から5月上旬、食物アレルギーのある児童や生徒がいる保護者350人(全児童・生徒の2・5%)を対象に郵送で行い、9日までに190人(54・3%)から回答を得た。

アレルギーのある子ども用に原因食品を除いて調理・提供される「除去食」を巡り、「誤食が起きた(原因食品を食べた)ことがある」と答えたのは、回答者の12・6%に当たる24人に上った。

誤食が起きた具体的な状況として、「担任不在時に子供だけで配膳し、後から来た別の先生は除去食の有無を知らなかった」(小学生)、「本人は除去食を取ったが、担任がさらに通常食を配膳した」(同)、「小魚の腹に卵があったのに、栄養士が入っていないと思っていた」(同)など、学校側のミスを指摘したものや、「親切心から他の子がスパゲティに粉チーズをかけた」(中学生)などといった回答があったという。

また、他の設問で、「見えない形で原因食品が入っていて不安に思ったことがある」と答えた人が26・3%(50人)、「原因食品を見落としそうになったことがある」と答えた人が28・4%(54人)いた。

市教委は「今後、詳細を分析し、再発防止に生かしていきたい」としている。

■2013.5.15  上峰の介護事業所指定取り消し相当…佐賀 「デイサービスつどい」
佐賀県は14日、介護報酬の不正請求や運営基準違反などを行っていた通所介護事業所「デイサービスつどい」と運営会社「つどい」(いずれも上峰町坊所)について、介護保険法に基づき、「指定居宅サービス事業所」の県知事指定取り消し処分相当と判断して、事業所名などを公表した。

県によると、同社は、デイサービスつどいの利用者の入浴回数を実際より水増し請求するなどして、過去2年間で100万円以上の介護費を不正に請求した。また、看護師資格のない職員が、食事ができない利用者の胃に直接、栄養を管で流し込む「胃ろう」の処置をしていたという。

昨年4月以降、「利用者の扱いが乱暴」などとする情報が寄せられ、県などが調査。その過程で不正が判明した。3月13日に県などが事業所に監査を実施したところ、同社は同27日に事業所の廃止届(4月30日付)を提出。同社も同31日付で解散した。

元社長は、「不正ととられても仕方ない実態があった」と話したという。

介護保険法では、指定取り消し処分を受けたり、相当と認定されたりした事業所などの役員は5年間、ほかの介護サービス事業所の役員などに就けないと定めている。

■2013.5.15  不正受給:介護業者が100万円以上 サービス費を架空請求、すでに解散 /佐賀 「デイサービスつどい」
県は14日、高齢者向け通所介護事業所「デイサービスつどい」(上峰町)を運営する「株式会社つどい」(同町)が、実際には行っていない入浴介助などのサービス費を請求し、少なくとも介護報酬100万円以上を不正に受給していたと発表した。事業所は県などから監査を受けている途中に廃止届を出し、同社も解散した。

県によると、介護保険の事務を担う鳥栖地区広域市町村圏組合に昨年4月「高齢者の扱いが乱暴だ」などと通報があった。県などが調査したところ、虐待の事実は確認できなかったが、入浴介助をしていないのにサービス費を申請▽来所していない人がサービスを受けたように装った▽介護職員に認められていない医療的ケアを行っていたなど、介護保険法に違反する事実が発覚したという。

県などは今年3月から監査を実施。その最中に運営会社は事業所の廃止届を提出したため、県は介護事業所としての指定取り消し処分を行わなかったが「処分に相当する」として公表した。運営会社の元社長は「不正請求と受け止められても仕方がない」と事実を認めているという。

■2013.5.16  障害者働く「カフェ デ ソル」オープン1カ月、地域へ根差した憩いの場に/南足柄 社会福祉法人「足柄緑の会コスモス学園」
知的障害者の自立支援を目的とした南足柄市和田河原のカフェ「カフェ デ ソル」がオープン1カ月を迎えた。農薬を使わずに栽培した米や野菜を使ったメニューをそろえ、少しずつリピーターが増えている。地元商店との連携を図り、地域に根差した憩いの場として定着を目指している。

障害者の就労支援や介護事業などに携わる社会福祉法人「足柄緑の会コスモス学園」が運営。知的障害者に社会参加の機会を提供しようと、伊豆箱根鉄道大雄山線和田河原駅に隣接した空き店舗を借りて4月にカフェをオープンした。

ゆったりと過ごしてもらいたいと、約100平方メートルの広々とした店内に設けた席は30席。調理は同学園の職員が担当し、4人の障害者が交代で注文を受けたり料理を運んだりしている。

別の場所で水耕栽培で育てたレタスやサヤエンドウ、タマネギなどを使ったサラダやスープのほか、地元パン屋の食パンを使ったトーストや奈良県の知的障害施設で作られたハンバーグなどがメニューに並ぶ。

付近の男性が毎週のようにランチタイムに訪れたり、会社員が仕事帰りに立ち寄って一服したりするなど、少しずつ常連客が増えているという。

カフェで働く湯山友季美さん(28)は「最初は緊張したけれど、今は自然体。お客さんに気持ち良く過ごしてもらえるように、笑顔で接客したい」と意欲的だ。福岡新司園長は「地域の人との接点が増えるように、メニューなどを充実させたい」と今後を見据えていた。

営業時間は平日午前7時半〜午後6時半。営業終了後の団体の貸し切りも可能という。

■2013.5.16  水墨画の奥深さ堪能 風景、草花、多彩に100点 墨の県展 障害者福祉施設「つつじ園」 千葉県
千葉県水墨会(河瀬蛙友会長)主催の公募水墨画展「墨の県展」(千葉日報社など後援)が千葉市中央区の千葉市美術館市民ギャラリーで開催されている。県内出身、在住、在勤者から作品を募った優秀作品や会友有志が描いたうちわなど100余点を展示。美しい作品が並び、水墨画ならではの奥深さを堪能できる。

風景、草花の絵が中心だが、技法は古典的な水墨から洋画風までさまざま。風景画には海外の名所、街並みを描いた作品もあり楽しい。また障害者福祉施設「つつじ園」で利用者がすいた和紙を使って絵やうちわを制作した。

■2013.5.16  手話人材確保、県内急げ 市町に養成義務化 愛媛
手話通訳や要約筆記など、聴覚障害者のコミュニケーションを支援する人の養成事業が、今春から強化された。全市町が手話通訳の入り口である「手話奉仕員」を育てることになり、裾野の広がりが期待される。愛媛では全国障害者スポーツ大会の開催も4年後に迫り、人材確保が急務。だが受講希望者がゼロの地域もあり、容易ではなさそうだ。
 
手話支援は、厚生労働省の試験に合格した通訳士▽県などの研修を終え、全国統一試験に合格した通訳者▽市町が養成する奉仕員―の3種がある。4月施行の障害者総合支援法で、市町に奉仕員の養成が義務付けられた。
 
県内では伊予市と東温市を除く9市が以前から養成研修を実施。2013年度スタートの11市町は、砥部町が単独開催し、他は近くの市と共同で開く。

■2013.5.16  県産米粉のせんべい製造販売へ 障害者就労継続支援事業所(B型)「ワークスペースかん」 佐賀市 
佐賀市神野西の障害者就労継続支援事業所(B型)「ワークスペースかん」が県産の米粉を使ったせんべいを製造、販売を始めた。米粉のせんべいは県内でも製造所がほとんどなく、農業生産法人からの製造委託にもこぎつけた。看板商品に育てることで、製造販売を担う障害者約20人の工賃アップを目指している。

商品名は「ぱりせん」。焼きせんべいと揚げせんべいがあり、塩やしょうゆのほか、いりこ、ごまなど、なるべく県産品を入れた商品を順次追加する。

米粉は県産ヒノヒカリ、さとじまんを使用する。塩、しょうゆなど他の材料も県産や県内企業の商品を中心に使い、県産色を高めている。

佐賀市農業振興課の橋渡しで、農業生産法人イケマコ(佐賀市川副町、池田大志代表)が販売予定の米粉せんべい製造も委託された。今後、川副町特産のノリなどを使って商品化する。

県内では小麦粉でのせんべい製造が大半といい、同事業所を運営するライフサポートはる管理者の福島知子さん(42)は「米粉の味わいと触感を楽しんで」と話している。

米粉せんべいは10グラム100円から。袋詰めのサイズは要望に応じる。当面は注文販売で、6月から隣接する建物で店頭販売を始める。問い合わせ、注文はライフサポートはる

■2013.5.16  障害者装いわいせつ、容疑の40歳男再逮捕/埼玉
障害があると装い女性に介助を依頼し、トイレ内で女性の体を触った事件で、県警子ども女性安全対策課と熊谷、鴻巣署は15日、準強制わいせつ容疑で、茨城県筑西市茂田、無職高津真一容疑者(40)=同罪で起訴=を再逮捕した。

再逮捕容疑は1月28日午後6時半ごろ、鴻巣市内の複合商業施設で買い物中の熊谷市の女子高校生(16)に「腰が悪く、トイレを手伝ってくれ」と介助を依頼し、身体障害者用トイレで、わいせつな行為をした疑い。

同課によると、買い物中の女子高校生に「腰が痛いので身体障害者用トイレに連れていってくれ」と依頼。女子高校生が同容疑者の支えになるため、便器に背を向けて立っていたところ、同容疑者は女性の下半身に顔を付けるなどわいせつな行為をしたという。

同容疑者は4月に熊谷市の複合商業施設で、同様のわいせつ行為をしたとして逮捕されたが、報道を見て事件を知った女子高校生の家族が被害を届け出た。

高津容疑者は、容疑を大筋で認め「女の子がかわいくて、気持ちを抑えられなかった」と供述しているという。県内では同様の被害が10件以上確認されており、県警は関連を調べている。

■2013.5.16  障害者に働く楽しさを 配膳・接客 「給料日待ち遠しい」 松山のNPO法人運営レストランNPO法人家族支援フォーラム 
民間業者撤退で一時閉鎖された松山市大可賀2丁目のアイテムえひめ1階レストランを、同市のNPO法人家族支援フォーラム(米田順哉理事長)が2012年12月から、障害者の就労継続支援B型事業所「キッチン 夢家(ゆめや)」として運営している。知的障害者ら14人が支援スタッフと共に、施設関係者やイベント来場者らに食事を提供している。

「どうぞ、親子丼です」。4月30日、客席に盆を運ぶ松田秀輝さん(22)=同市余戸西1丁目=が落ち着いた口調で声を掛けた。
 
県立第三養護学校(現県立みなら特別支援学校)を卒業後、同法人が運営する生活介護を経て、夢家ではオープン時から働く。給料日を翌日に控え「DVDをレンタルしたり、レストランで食事したりするのが楽しみ」とほほ笑んだ。
 
就労継続支援B型事業所は、就労に必要な知識や能力向上に向けた訓練を行う。同法人は08年以降、うどん店やカフェ、清掃などのB型事業所を市内で運営してきた。
 
アイテムへの出店は、県庁で運営していた食堂が耐震化工事のため12年秋から2年間休業したのがきっかけ。アイテムでは16年間レストランを経営していた業者が12年5月末で撤退、県が新たな経営者を公募していた。
 
大型施設内にあるが、立地面などから集客は容易でなく、イベント開催日などを除く平常時は約120席のうち約40席で運営する。メニューはうどんやカレーなど約30種類。人気はかつとじうどん(710円)という。
 
米田理事長(49)は「暮らす、働く、楽しむ。この三つを備えた地域生活なしに人間の生活は成り立たない。不完全さや多様性を認める社会であってほしいが、求められるサービスはクリアしていきたい」としている。

■2013.5.16  県内障害者就職最多464人 前年度比16・9%増 高知
高知労働局は15日、2012年度に県内のハローワークを通じて就職した障害者は、全体で過去最多の464人だったと発表した。前年度比16・9%の増加。

■2013.5.16  企業・団体向けにパンフレット 「障害者アート使って」 埼玉
障害者アートや関連グッズを企業や団体で利用してもらい、障害者の経済的自立へつなげようと、県は、企業・団体向けに作品をPRするパンフレット「うふっ。埼玉かわいいイラスト・グッズ集」を作成した。県経営者協会とも協力し、セミナーなどでも配布している。自治体の仲介でこうした事業を後押しするのは全国でも珍しいという。

具体的には、企業のホームページ(HP)や社内報の表紙にイラストを使ったり、グッズを記念品にしてもらうことを想定。パンフレットには「デイセンターウィズ」(嵐山町)のアーティストで、覆面レスラーをモチーフにユニークなイラストと文字を合わせる二人組ユニット「マスカラ・コントラ・マスカラ」の作品のほか十一人のアーティストを紹介し、Tシャツなどのグッズへの展開例なども掲載している。依頼によっては新作描き下ろしの相談にも応じる。

パンフレットは五千部作成。「株主総会のおみやげにトートバックを作りたい」と、企業との成約に至った例も既にある。問い合わせは県福祉推進課

■2013.5.16  脳性まひサッカー元代表選手が講演
脳性まひサッカー元日本代表の大橋佳介さん(37)=新潟市東区=の講演会が15日、新潟市中央区のホテルで開かれ、大橋さんは「好きなことをあきらめずに生きることが大事」などと語った。

異業種交流団体「新潟ABCグループ」が主催した。大橋さんは約20人を前に、右半身に障害を抱えながらもサッカーに打ち込んできた半生を振り返り、「障害者を弱者と見ないで」と呼び掛けた。

小中高校と健常者と一緒の学校に通った大橋さんは、運動会ではいつも最下位だったと明かし「人生は順位ではない。最下位でも努力し続ける姿勢を認めてくれる人がいる」と力を込めた。

■2013.5.16  福祉施設に野菜届け12年 小山の農家有志
武井の農業斉藤治美さん(64)ら農家の有志6人は、知的障害者の就労を支援する多機能型事業所「くわの実」(犬塚)と「第2くわの実」(西黒田)に年2回、生産した野菜を無償で提供し続けている。新鮮な野菜は施設のイベントで販売され、収益は利用者に還元されている。この春で12年目を迎えた斉藤さんは「地域で支え合うのは当たり前のこと。背伸びせずに続けていきたい」と、縁の下の力持ちに徹している。

「くわの実」は社会福祉法人つむぎが2002年4月に開設。パンや焼き菓子の製造販売を通した就労支援や生活介護を行う施設で、春と秋に地域住民らを招いた「くわの実まつり」を行っている。

先月28日には「第2くわの実」の開所1周年記念のまつりが行われ、野菜提供は通算23回目に。斉藤治美さんらは早朝、2トントラックに野菜を積み込み会場の同施設に運んだ。

■2013.5.16  小郡の障害者虐待:「被告に言い知れぬ怒り」 2市民団体、地裁久留米支部に要望書 /福岡 障害者就労支援施設「ひまわり」
小郡市の障害者就労支援施設「ひまわり」での虐待事件で、障害者の人権保護活動に取り組む久留米市の市民団体「日本脳性マヒ者協会 福岡青い芝の会」と「障害者の社会保障を創る会」は15日、福岡地裁久留米支部に要望書を提出した。

青い芝の会の中山善人(よしと)会長(59)ら3人が、同支部を訪れ、職員に要望書を手渡した。要望書は事件担当の裁判官宛てで、「私達障害者は被告に対して言い知れぬ怒りを感じます。法の平等性に沿った刑を要望します」などと書かれている。

中山会長らはその後会見し、「障害者に人権を確立していくという立場から、こういう行動になった。この事件は氷山の一角。(施設職員らには)障害者の面倒をみてやっている、という差別的な感覚がある」と訴えた。

事件を巡っては、「ひまわり」元支援次長、坂本静治被告(48)が50代男性通所者にエアガンを撃つなどしたとして、3件の暴行罪で起訴されている。4月23日にあった初公判では起訴内容を認めた。次回期日は17日。

■2013.5.16  苫小牧市 大久保測量・企画部 障害者用「あかすり」開発 /北海道
◇女性らしい細かな工夫

浴室で使うナイロン繊維の「あかすり」。身近なグッズに女性らしい細かな工夫を加えたアイデア商品が、隠れたヒット商品になっている。とりわけ、半身不随になった人が片手で使える「あかすり」は「使いやすい」と口コミで広がり、愛用者が増えている。

「健康あかすり&洗うシリーズ」を製造販売するのは苫小牧市の「大久保測量・企画部」。創業社長の大久保一三二(いさじ)さん(故人)の妻で同社役員の光子さん(75)が、工夫をこらした手作り商品だ。

光子さんが苫小牧発明協会のメンバーになったのが開発のきっかけ。「何か発明を」と促され、1998年に新しいタイプのあかすりを試作したのが始まりだった。ナイロン生地で幅約10センチ、長さ1・2メートルのタオルを作り、その中央にやはりナイロン地で作ったタワシ状の突起を縫い付けたのが特徴。背骨付近のくぼみもよく洗えるという。第1号の「健康あかすり・たわし付き」は2001年に特許を申請。7年の審査期間を経て08年に一発で特許を取得した。

第1号の商品開発と併せ、大久保さんは脳梗塞(こうそく)などで半身が不自由になった人が片手で使えるタイプの開発にも取り組んだ。知人の紹介で知り合った地元の60歳代の女性が、「不自由な右半身は自由な左手で洗える。自由な左半身、特に左の肩口が洗いにくい」と訴えた。

「試作を繰り返し、使い勝手を聞いて手直しする作業の連続でした」。5カ月間の試行錯誤の末、あかすりタオルの両端に指をかけられる二重の輪っかを取り付けた。両端の輪っかを重ねて片手で握り、左右に動かすと背中全体を洗える。「障害を超えて自立したい女性の思いに応えたかった」と大久保さんは振り返る。

片手で使える三角タワシからストレッチグッズまで商品は30種。主力の「健康あかすり」は胆振や日高、札幌近郊の温泉の売店などでよく売れている。「頭を使え!」。大久保さんを励ました苫小牧発明協会の前会長、西川辰美さんが3月に急逝した。「自分で考えろと、西川さんに言われて今がある」。大久保さんは人のつながりの大切さを改めて思う。

■2013.5.16  <グループホーム火災>41%の施設で違反が是正されず――GHの防火・避難体制の調査結果
国土交通省は、4月26日、認知症高齢者グループホームの防火・避難状況についての調査の結果を発表した。

同省では、平成25年2月8日に長崎市の認知症高齢者グループホームで発生した火災を受け、都道府県を通じて全国の特定行政庁に「認知症高齢者グループホームにおける違反是正の徹底等について」を発出(2月12日に公表)し、防火・避難関係規定についてフォローアップ調査を依頼、このほどその結果をとりまとめた。

その結果、建築基準法令(防火・避難関係規定)に関する違反を把握し、是正指導を行った1,778件の41.1%にあたる731件で是正が進んでいないことが判明した。

結果を受け、同省では都道府県に通達を出し、引き続き未是正物件に対して消防部局・福祉部局と連携し点検や是正指導を行うこと、所有者に対して建築物の具体的な改善についての計画の提出を求めることなどを要請した。

今回の調査結果は、3月22日までに都道府県から報告があったもので、次回のフォローアップ調査は9月末時点の状況について行う予定。

■2013.5.16  <人員基準違反>介護報酬の不正請求で、訪問介護事業所を効力停止処分に――大阪市  訪問介護ステーションレインボー
大阪市は、介護報酬の不正請求で、市内の訪問介護事業者を3カ月間指定の全部の効力の停止処分にすると発表した。
不正請求額55,850円を返還させるとともに、返還金額に100分の40を乗じて得た加算額22,340円を支払わせる。
処分は5月1日より同年7月31日までの期間。

【事業者の概要】
■事業者の名称:株式会社レインボー(代表取締役 新庄悟)

■事業者の所在地:大阪市旭区清水四丁目3番17号

■事業所の名称:訪問介護ステーションレインボー(訪問介護、介護予防訪問介護)

■事業所の所在地:大阪市旭区清水四丁目3番17号K'sコート清水1F

■指定年月日:平成25年1月1日

【処分の理由】
■人員基準の違反
・平成25年1月の事業者指定時から常勤の管理者やサービス提供責任者を配置していなかった。
・平成25年1月の事業者指定時から厚生労働省令で定める訪問介護員等の員数(常勤換算で2.5名以上)を確保していなかった。

■介護給付費の不正請求
・上記の人員基準を満たしていない状態であるにもかかわらず、利用者に対して訪問介護サービスを提供し、不正に介護給付費を請求し、受領した。

■2013.5.16  <自動体外式除細動器>AEDの適切な管理・点検を注意喚起――厚労省
厚生労働省は4月19日、自動体外式除細動器(AED)の適切な管理等の実施について資料を作成し、広く注意喚起を行った。

自動体外式除細動器(AED)については、平成16年7月に救命の現場に居合わせた市民による使用の取扱いを示して以降、国内において急速に普及している(平成20年12月現在の推計:約20万台弱)。

一方で、AEDは、適切な管理が行われなければ、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器でもある。これらを踏まえ、AEDの適切な管理等を徹底するため、AEDの設置者等に対して日常点検や消耗品の管理等の実施を呼び掛けている。

施設や病院等でAEDを見かけることが増え、ケアマネジャーの中にも講習会に参加した、あるいは実際に使ったことのある人もいることだろう。勤務している事業所にAEDが設置されている場合、緊急時にAEDを正常に使用するために、日頃からAEDの点検を行うこと。また、バッテリ等には使用期限や寿命があり、設置してから日時が経過している場合には、注意が必要となる。

いざというときに、AEDをきちんと使用できるように、AEDの設置者は、特に以下の点に注意して、日常点検等を実施されたい。

■インジケータの確認:
AEDには、正常かどうかを示すインジケーターが付いている。点検担当者は、日常点検として、このインジケーターの表示を日常的に確認、記録すること。

■電極パッドやバッテリの交換:
AEDの電極パッドやバッテリには、使用期限や寿命がある。AEDを正常に作動させるために、これらの消耗品の交換時期を表示ラベルで把握し、適切に交換すること。

■問合せ:厚生労働省医薬食品局安全対策課

■2013.5.16  障害者らのネット閲覧支援…高松のソフト会社
高松市のソフトウエア開発「フェロー」は、インターネットサイトの文字の大きさや色を閲覧者が自在に変えられる自社ソフト「UD大文字ん。」に、高齢者らの文字入力を支援する機能を追加した。

視覚・色覚障害者の閲覧を助けようと開発・改良を進めてきた古市努会長(56)は「障害の有無や年齢に関係なく使いやすいユニバーサルデザイン(UD)を、ネットの世界で一歩進められた」と話している。

このソフトは、サイトの開設者側がサーバーなどに用意。閲覧者は、機能をまとめたパレットを画面上に呼び出し、文字を大きくしたり、文章の行間を広げたりできる。

文字と背景の色を白と青、青と黄などの組み合わせに変える機能もある。特定の色を識別しにくい色覚障害が、自分の見やすい配色を選ぶことが可能だ。

ボランティアで障害者支援を続けてきた古市会長が「サイトが見づらい」との声に応えて2004年に開発。これまでに高松市など約100の自治体や公共施設に導入されてきた。

追加した新機能は、画面上のひらがなをクリックし、文字入力する「ソフトキーボード」。銀行のATM(現金自動預け払い機)の画面のように、かなが50音順に並ぶ。通常のキーボードに対し「ローマ字入力が面倒」「ひらがなを探しにくい」といった不満を抱く高齢者のために、県から100万円の助成を受けて開発した。

古市会長は「今回の改良を契機に、サイトのUD化が遅れている一般企業への売り込みも進めたい」としている。

■2013.5.16  特別支援教育、幼稚園・高等学校では依然として体制整備に遅れ…文科省
文部科学省は5月14日、平成24年度特別支援教育に関する調査の結果について発表した。調査によると、全体として体制整備が進んでいる状況がうかがえるが、小・中学校に比べ、幼稚園・高等学校は依然として体制整備に遅れが見られることがわかった。

調査期日は2012年9月1日で、国公私立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校および中等教育学校を対象として実施した。

年度別推移としては、全調査対象の合計が、「実態把握の実施」を除いては、比較できるすべての調査項目で平成23年度を上回っており、全体として体制の整備が進んでいる状況がうかがえる。

公立小・中学校においては、「校内委員会の設置」「特別支援教育コーディネーターの指名」といった基礎的な支援体制はほぼ整備されており、「個別の指導計画の作成」「個別の教育支援計画の作成」についても着実に取り組みが進んでいるといえる。

今後は、障害のある児童生徒一人一人に対する支援の質を高めていくことが課題となる。また、公立高等学校はここ数年で着実に進みつつあるという。

しかし、依然として小・中学校に比べ、幼稚園・高等学校は体制整備に遅れが見られ、さらには国公立に比べ、全体的に私立学校の体制整備に遅れが見られる。「校内委員会の設置」、「特別支援教育コーディネーターの指名」などの基礎的な支援体制づくりに対しても、遅れが見られる状況である。

ただ、「校内委員会の開催回数」は3回以上が全体で50%を超えている。また、特別支援教育に関する教員研修の受講状況については、全体で72.1%の教員が受講しており、うち管理職(校長、副校長、教頭)の受講率は85.2%となっている。国公私立ともに、研修受講率が平成23年度よりも上昇しており、今やすべての学校が抱える特別支援教育への関心の高さ、さらには質を上げる必要性を感じていると言えよう。

今回の調査では平成24年度通級による指導実施状況調査結果についてもあわせて発表されている。

■2013.5.16  障害者支援の拠点に 北見の法人 介護事業所を開所 社会福祉法人北の大地
北見市の社会福祉法人・北の大地(たいち)(鈴木正末理事長)が15日、旧アークホテル北見の幸町1丁目ビルに、障害者の就労支援事業所を移転し、共同生活介護事業所「ケアホーム幸」を新たにオープンした。開所式で、同法人関係者が精神保健福祉の推進を誓った。

北9条ビルにある同法人事務所はそのまま残る。移転したのは地域生活支援センター「サポートネット北見」、軽食・喫茶のレストラン「てんてこまい」、自立訓練事業所など。

ビルは6階建て。1階にサポートネット北見の事務所など、2階に一般の市民も利用できるてんてこまい、3、4階は障害者が生活しながら24時間対応の介護を受けられる「ケアホーム幸」、5、6階は北見赤十字病院の入院患者の家族などの宿泊施設として利用する。

開所式には約50人が出席。鈴木理事長が「期待に応えるため、いろいろな事業を進めたい」とあいさつし、テープカットで施設の完成を祝った。

開所を祝い、同法人は15日、北見市の特別養護老人ホーム北寿園を慰問し、琉球民謡の前川琥峰さんらの演奏も行った。

■2013.5.17  障害者支援不正 宮城県、利府の施設も指定取り消しへ 「エコライフ」
仙台市の障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」(菊地幸郎社長)による給付金不正受給疑惑に関連し、宮城県は、職員の配置基準を満たしていなかったとして障害者総合支援法に基づき、同社が利府町で運営する施設の事業者指定を近く取り消す方針を固めた。

県が指定を取り消すのは、利府町加瀬に2011年4月開設した障害者支援施設「バンビの杜利府」。関係者によると、同年11月以降、法律で兼務が認められていない「看護職」と「サービス管理責任者」を1人の職員が実質的に兼務する状態が続いていた。
 
エコライフが虚偽の申請書類で仙台市内の施設を開設した疑いがあるとして、県や仙台市などが3月に関連施設の立ち入り検査をした際に判明した。会社側は虚偽申請を認め、仙台市内の2施設の指定が取り消されており、県は、利府町の施設も運営改善が見込めないと判断したとみられる。
 
施設には運営費として給付金が支給されており、支給した利府町などが今後返還を求める見通し。施設の定員は20人。利用者が別の施設で生活支援などが受けられるよう町などが調整する。
 
仙台市は今月、障害者就労支援施設2カ所について、一定の実務経験が必要な「管理者」「サービス管理責任者」の経歴を偽造して事業者指定を受けたと認定、指定を取り消した。訓練給付金など計約3億1800万円の返還を求める方針で、刑事告訴も検討している。

■2013.5.17  障害者に働く場を提供/新法施行で三豊総合病院 香川県
障害者に働く場を―。障害者優先調達推進法の施行に合わせ、香川県観音寺市豊浜町の三豊総合病院は、市内の障害者就労施設に花壇や庭園の管理を委託した。NPO法人香川県社会就労センター協議会(香川県三木町)を通じた共同受注で、市内の4施設が水やりなどの業務を請け負い、毎日交代で花の世話に汗を流している。香川県などによると、同法による取り組みとしては香川県内第1号という。

同法は障害者らの経済的な自立を進めるため、4月から施行された。障害者が集う就労施設や作業所に対し、国や地方公共団体、独立行政法人などは役務や物品購入といった「仕事」を積極的に発注することが求められている。

小規模施設が水やりなど毎日の作業を必要とする仕事を請け負うのは負担が大きいため、今回は同協議会が開設する共同受注窓口を通じての委託となった。市内の地域支援センターまるやま、地域活動支援センターやまもも、スマイルハウスぷちふらわぁ、NPO法人あゆみの4施設が日替わりで月曜から金曜までの毎日1時間、花壇の水やりや除草などを行っている。

4月から毎週花の世話に通うぷちふらわぁの堀口育実さん(31)は「これまでケーキ作りなどをしてきたが、外に出る作業は気持ちがいい。患者さんにも喜んでもらえれば」と中庭を見下ろすウッドデッキのベランダで作業に励む。

同施設の支援員、曽我部厚さん(58)も「障害者に働く場を提供してもらえてありがたい。できる作業は限られるが、報酬までいただき、働く喜びが実感できているようだ」と話す。

同病院は9月の全面オープンに向け、改築工事を進めており、順次、玄関や中庭など作業場所を増やしていく予定。病院を運営する三豊総合病院企業団の広畑衛企業長は「障害者の社会参加のために、これからも協力できれば」と語り、花の種類や植え方などのアイデアも出してもらい、花壇作りや緑化に積極的にかかわってもらうという。

■2013.5.17  障害者支援:「ゆうあい」、古本販売が好調 書籍増、事業拡大へ /島根 NPO法人「プロジェクトゆうあい」
障害者支援に取り組むNPO法人「プロジェクトゆうあい」(松江市)の中古本販売が好調だ。一般企業への就職が難しい障害者を支えようと昨年6月に始まり、ネット通販などで5月上旬までに約4700冊を売り上げた。参加したスタッフはやりがいを感じている様子で、今後は取り扱う書籍を増やして事業拡大を目指す。

ゆうあいは2004年に設立され、バリアフリーの促進や視覚、聴覚障害者向けの情報機器の開発などに取り組んできた。昨年5月、県から障害者の職業訓練などを行う就労継続支援施設としての指定を受けた。

古本販売もその一環で始めた。身体、知的、精神といった障害を抱えるスタッフ13人が参加。それぞれの技能に応じ、本の仕分けやクリーニング、値段付け、梱包(こんぽう)などを担当する。

スタートから加わっている青木豊さん(34)=松江市=は、対人関係がうまくいかず、印刷会社など10カ所近くを転々とした。だが、ゆうあいでは週5日働き、古本の回収やイベントでは販売もする。城北公民館ではゆうあいのスタッフが古本を持ち寄り、公民館の職員がコーヒーを販売する「ブックカフェ」も開催。青木さんは「人の喜びの中に自分の喜びが発見できる」と話す。

古本は市民の提供を受けている。スタート直後は在庫が少なかったが、活動が徐々に知られるようになり、本を持ち寄る人も増えた。これまで約250人から計2万2000冊の寄贈を受けたという。

◇松江で7カ所に本棚、無人販売も

インターネットの通販サイト「アマゾン」を通じ、これまで約2000冊を販売。昨秋からは市内のスーパー「みしまや」や松江生協病院など7カ所に本棚を設置し、無人販売も始めた。在庫数や種類が増えるほど販売も増える傾向という。売り上げは人件費などに活用している。当面の課題は保管場所の確保で、スタッフの増員も検討中だ。

県によると、松江市内では障害者向けの就労継続支援施設が計36カ所あるが、ゆうあいだけが古本販売に携わっている。

ゆうあい職員、川瀬篤志さんは「本が好きだから、本に囲まれたいといって就労を希望する人が多い。本をもっと買ってもらい、事業を活発化させたい」と期待を込める。

■2013.5.17  障害者雇用:過去最多 法定雇用率引き上げ前に 高知労働局 /高知
県内のハローワークを通じて12年度に就職した障害者が延べ464人(前年度比16・9%増)で、統計を開始した00年度から過去最多となったことが高知労働局のまとめで分かった。同局は「今年度から障害者の法定雇用率が引き上げられたのを前に事業者側の意識が高まったほか、回復傾向にある経済状況も影響したのではないか」と分析している。

新規求職申し込みは941人(同4・8%増)で、就職率は49・3%(同5・1%増)とともに上昇。障害別では、身体障害155人▽知的障害109人▽精神障害178人▽その他22人−−で、精神障害者の就職が初めて身体障害者を上回った。

業種別では、医療・福祉が170人で最多。次いで卸売・小売89人▽製造34人▽サービス33人−−と続いた。職種別では、生産工程の職業が201人と、就職者全体の4割以上を占めた。

同局は「求職申し込みから見ると、就職は半数にも満たない。今後も問題意識を持って、各企業に障害者雇用に対する理解の促進などを図りたい」と話している。

■2013.5.17  >映画:「盲学校教諭」の心見て 竹内さん、謝礼ためモンゴルに学校 市民ら「映画に」 岡山
モンゴルの視覚障害者の職業訓練学校設立に尽力した元岡山県立盲学校教頭、竹内昌彦さん(68)=岡山市中区=の半生を映画にしようと、岡山の市民らが募金活動を始めた。目が不自由ながら卓球でも活躍。自らの経験を語る講演も行い、ため続けた謝礼を訓練学校建設に充てた。「命を大事に」と演壇で伝える姿と慈善の心。映画化支援の輪は、モンゴル出身の横綱・白鵬関ら各界の著名人にも広がっている。

「いじめっ子の家に、ぶわーっと缶に詰めた砂をぶちまいて反撃しましたわ。わはは!」。竹内さんは講演で子ども時代を豪快な語り口で振り返る一方、「親からもらった命、大事にせにゃいけん」と真剣に説く。

病気で小学生の時に失明。いじめに遭ったが屈することなく、1964年の東京パラリンピック卓球で金メダルを獲得し、その後、同盲学校の教員となった。「障害者の理解に」という依頼で91年から講演活動を始めた。

2003年、熊本県の盲学校のモンゴル人留学生が、マッサージなどの国家試験に合格したと聞いた。当時モンゴルは、視覚障害者が職業としてマッサージ技術を十分には学べなかったという。「(留学生が)モンゴルで指導者となり、技術を学びたい生徒がいるなら学校を建てよう」。寄付した約830万円は、「教員として給料を頂いている。自分のためだけに使えない」とためていた講演の謝礼などだった。11年3月、首都ウランバートルに職業訓練学校ができ、現在は10〜30代の約30人が学んでいる。

竹内さんの人柄や活動に心を打たれた市民たちが昨年、「映画にしたい」と、手始めに竹内さんを紹介する動画「拝啓 竹内昌彦先生」を制作した。動画サイト「ユーチューブ」で公開している。

動画を監督した映像会社の山本守社長(57)は「竹内先生のように『誰かのために』と思う人が増えれば、世の中はもっと良くなるはず。みなさんから共感を得て映画を作りたい」と話す。14日現在の募金額は480万円。目標は2000万円という。

問い合わせは映画化実行委

■2013.5.17  小松菜栽培:障害者、収穫や出荷などに汗流す 大口・支援施設 /愛知 「グリーンファーム」
大口町二ッ屋の知的障害者支援施設「グリーンファーム」で働く利用者たちは連日、小松菜の収穫や出荷などに汗を流している。ハウス内では「仕事が楽しくて仕方がない」と利用者の笑い声が響く。

同施設は知的障害者を支援しようと2年前に建てられ、約1200平方メートルのビニールハウス計3棟で作業している。町内外から20〜43歳の男女12人が土日を除き毎日作業している。小松菜を水耕栽培しているため、天候に左右されず安定した収穫ができ、収穫量は毎月1トンにもなる。利用者たちは種まきや収穫、梱包(こんぽう)、出荷などの作業を行う。午後に収穫した小松菜は町内のスーパーに出荷され、翌日には店頭に並ぶ。

同施設の倉知好一理事長代理は「名鉄岩倉駅まで通勤できる知的障害者なら誰でも作業できる。作業工程がシンプルで清潔ですから、みんなと一緒に働いてみませんか」と呼びかけている。作業は午前9時45分〜午後4時まで。問い合わせは同ファーム

■2013.5.17  災害時要援護者避難支援プラン:県内18万人、自治体の計画作成難航 個人情報提供に難色 支援者不足も深刻 /茨城
災害時要援護者一人一人の避難計画を定めた「災害時要援護者避難支援プラン」の作成作業が各市町村で難航している。県福祉指導課によると、県内全44市町村のうち、作成完了もしくは一部完了した市町村は4割強の19市町村。要援護者の支援者不足が背景にあるほか、個別計画の作成には要援護者の個人情報が必要になることから、要援護者本人が情報提供に難色を示すケースもあり、作業難航の一因になっている。

内閣府は05年3月、高齢者や障害者など災害時に避難が必要な要援護者への対策を示した「避難支援ガイドライン」を策定。各市町村には要援護者の名簿作成のほか、要援護者の避難場所や支援者などを定めるよう求めている。

県心身障害者福祉協会によると、県内でも東日本大震災で「知的障害者が大声を出すなどパニックに陥ったが、対応可能な介護者がいなかった」「自閉症児の保護者が周囲への影響を考えて、避難所に行けなかった」という例があった。同福祉協会は「重度の知的障害者などは表情のみで(気持ちを)読み取る必要があり、普段から勉強している人でないと対応が難しい」という。

県福祉指導課は「事前に個別計画を作っておかないと災害時に対応できない」として、早期に支援プランを作成するよう働きかけている。

同課によると、県内の要援護者は推計18万人。高齢者らは体調などが日々変化することから、正確な把握は困難だという。避難支援プランを作成中の高萩市は「要援護者がいても近所に支援者が見つからず、計画作成が進まない」、茨城町も「昼間に働きに出ている人が多いので、支援者になってもらえない」と支援者不足を未作成の理由に挙げる。

要援護者が安心して避難できる「福祉避難所」を指定している自治体は3月1日現在で約6割の26市町村。水戸市は震災以降、県内市町村で2番目に多い38施設を福祉避難所に指定したものの、避難支援プランは作成できていない。市は3地区(国田、吉田、常磐)をモデル地区に指定し、プラン策定の課題などを探る。

■2013.5.17  高齢者に化粧、施設訪問300回…千葉・松戸
お年寄りなどに化粧を施して明るい気持ちになってもらう「メークセラピー」が16日、千葉県松戸市六高台のデイサービスセンター松寿園で行われた。

同市在住のイメージコンサルタント郡司美千子さん(64)が2005年からボランティアで県内各地で取り組んでおり、これまでで約300回に上る。郡司さんは「笑顔を見るたびに、女性はいつになってもきれでいたいということを実感する」と話す。

郡司さんは警察官だった20代の頃、一人暮らしの高齢者宅を巡回する仕事を担当。いつも化粧をして正座で迎えてくれる女性から「あなたが来るから化粧をして待っているの。きれいでしょ」と言われ、化粧の持つ力に目覚めたという。

30歳代前半で退職後、カラーコーディネーターの資格を取得。服装などの色彩をアドバイスする仕事を始める一方、肌の色や顔立ちなど個人の特徴に合った化粧の方法について学んだ。

01年に都内でメークセラピーに取り組むボランティア団体に参加した後、05年から県内を中心に高齢者、障害者施設などで活動を始めた。当初は「化粧品の販売目的では」と誤解されることもあったが、次第に受け入れ先も増え、現在の訪問先は約25か所。交通費や使った化粧品代の実費程度の金額で、月約20人のお年寄りたちを華やいだ気持ちにしている。

松寿園で行われたメークセラピーには、5人のお年寄りが参加。化粧が終わるたびに、周囲から「きれいになったね」「すてき」などの歓声とともに拍手が起きた。メークセラピーを受けた大野みち子さん(79)は「ピンクの口紅は普段つけないけれど、とてもきれい」とうっとりした表情を見せた。

郡司さんは「化粧は商品も手法も若い女性向けが中心。今後も活動を通じ、お年寄りに合った化粧を広めていきたい」と話し、メークセラピーを学ぶ講座の受講生も募集している。メークセラピーや受講の問い合わせはイリス色彩研究所

■2013.5.17  高齢者の異変即対応…東京・町田市
東京都町田市が、一人暮らしのお年寄りなど高齢者の異変を察知した場合、速やかに市や警察、消防などへ通報することを内容とした民間事業者との協力協定を拡充している。

15日には、新たに、電力会社やガス会社と協定を結んだほか、協力事業者であることを示す「見守り支援シール」を作成し、今月から支給し始めた。

市内には75歳以上の高齢者が約4万2000人おり、独居老人の孤独死などを防ぐのが目的だ。

市は昨年10月、市新聞販売店同業者組合、都エルピーガス協会町田部会との間で初めて協定を結んだ。新聞やプロパンガスの配達員が、郵便受けに新聞がたまっているなどの異変に気付いた場合、市などに通報する仕組みで、実際に同11月には、新聞配達員から市に通報があり、UR(都市再生機構)の職員が団地内の高齢者宅を訪れ、留守を確認した。

市はこの仕組みが有効とみて、15日には東京電力八王子支社、東京ガス神奈川西支店、東京ガスライフバル澤井の3社とも協定を結び、協力先は計5者となった。

また、市民の理解や協力を得るために、アリの図柄に「変わりは『あり』ませんか」などと記した協力事業者用のシールを作り、クルマやバイクに貼ってもらうことで活動しやすくするという。

市高齢者福祉課の担当者は「電気やガスの使用量の激減などから住民の異変が分かることも多い」と、協定の効果に期待している。

■2013.5.18  養護施設で性的虐待 アルバイトの20代女性が男子高校生にわいせつ行為 大阪
大阪府が管理する民間の社会的養護関係施設で、アルバイトの20代女性が平成23年9月〜24年5月、入所していた当時18歳未満の男子高校生2人に、キスや性行為などの性的虐待を加えていたと、大阪府が17日発表した。女性は24年6月に懲戒解雇された。府内では今月、府立高の女性教諭による性風俗店でのアルバイトが発覚したばかりで、「性」にまつわる不祥事が相次いでいる。

社会的養護施設は、保護者のいない児童らを養育する施設。府子ども室によると、女性は23年4月からアルバイトを始め、入所児童の衣服の洗濯、炊事など身の回りの世話をしていた。

しかし、23年9月〜24年5月に複数回、男子高校生を自宅に呼び寄せ、キスをしたり、胸や下半身を触ったりするなどのわいせつ行為を繰り返したという。

男子高校生が女性との関係を別の職員に話したことから問題が発覚。施設の報告を受けて府が調査に乗り出し、女性と男子高校生への聞き取りを続ける中で、別の男子高校生への性的虐待も判明した。

この男子高校生によると、女性は24年5月の深夜、施設内で男子高校生と性行為に及んだという。話の内容が詳細かつ具体的で、府は事実と判断した。

ただ、2人とも「女性からの無理強いはなかった」と話しており、被害感情や処罰感情が薄いことから、府は刑事告発については見送る方針。女性は「好意を感じていた。やってはいけないことをしてしまった」と反省しているという。

■2013.5.18  胃がんリスク検診20歳も無料 兵庫・篠山市40歳に加え
兵庫県篠山市は、胃がん発症の可能性を判定する「胃がんリスク検診」無料化の対象を、従来の40歳に加えて今年度から20歳の市民にも拡大する。

若い世代から予防に取り組むことで胃がんの発症を抑えるのが狙い。市によると、県内では三木市や明石市など5市町が検診費用の補助などを実施しているが、無料化は篠山市のみという。

検診は採血し、胃がん発症につながるとされるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染の有無と胃の粘膜萎縮の程度を測定。胃がんになりやすい状態かどうかをA〜Dの4種類に分けて判定し、危険度が高いB〜D群では内視鏡による精密検査を勧める。さらに医師が必要と判断した場合、除菌の治療を行う。

篠山市では昨年度、満40歳を迎えた市民を対象に検診の無料化を実施。対象となった492人のうち64人が無料受診した。この結果を踏まえ、今年度からは満20歳となった市民にも対象を広げた。年齢の基準日は4月1日時点で、今年度は20歳の442人と、40歳の558人の計1000人が対象となる。

検診は毎月1回、同市網掛の丹南健康福祉センターで。対象者には今月、無料クーポン券を郵送しており、第1回は今月24日。20歳と40歳以外の住民も自己負担額2千円で受診できる。

ピロリ菌は、乳幼児期に飲み水などから胃に感染し、国内の感染者は3500万人と推計される。胃がん患者の約9割はピロリ菌が原因との研究者の指摘もある。国も除菌への保険適用を2月から、胃、十二指腸潰瘍などに加え、慢性胃炎にも拡大するなど対策に乗り出している。

市健康課は「20歳と40歳という節目に検査することで、早期の治療につながる。医療費の抑制も期待できる」としている。

■2013.5.18  苫小牧に障害児の支援施設「くれよん」オープン
苫小牧市音羽町に15日、障害を持つ子供たちの支援施設「くれよん」が開所した。市内の建設会社「緒方」が運営母体。高校生までの児童生徒の放課後等デイサービスを実施する他、運動や遊びを通じて社会性を養ってもらうために未就学児も受け入れる。同様の施設は市内で3カ所目。

「くれよん」は主に未就学児を対象とした「児童発達支援」、就学児を受け入れる「放課後等デイサービス」、支援スタッフが保育園や小学校などを訪問し、対象の子供が円滑に集団生活を送れるよう支援する「保育所等訪問支援」を行う。

受け入れの定員は全体で1日当たり10人。開所時間は、児童発達支援が平日午前9時〜午後5時と土曜午前9時〜午後1時。放課後等デイサービスは平日午前9時〜午後5時。施設利用時には市内全域の送迎も行う。

市内の同様の施設は、市心身障害者福祉センターおおぞら園と、市内で障害者や高齢者介護サービス施設を展開する健康会(本社・札幌)の療養通所介護センターしらかば=ときわ町=がある。しかし、定員を超えるほど利用希望者が多いことから、障害児の保護者などから受け入れ体制の充実が求められていた。

「くれよん」を運営する同社の緒方砂織さんは「施設内での通常の活動に加え、行事や畑作業などで地域との交流も図りたい」と話している。

■2013.5.18  1日40分運動する高齢者、がん・認知症リスク2割減
1日に40分ほど体を動かす高齢者は10〜15分程度の人より、がんや生活習慣病や関節痛、認知症になるリスクが平均21%低いことが、厚生労働省研究班の研究でわかった。結果から厚労省は、65歳以上の高齢者について「1日合計40分体を動かすこと」とする健康づくりの活動基準をまとめた。高齢者についての基準は初めて。

研究班(主任研究者=国立健康・栄養研究所健康増進研究部の宮地元彦部長)が国内外の論文を分析し、リスク低下を確かめた。活動量が増えると、がんのもとになる細胞ができにくくなるほか、血の流れが良くなることが理由らしい。

無理をして体を壊さないよう注意が必要だが、散歩やストレッチ、皿洗いなどどんな動きでも効果があるという。

■2013.5.18  障害者施設の虚偽書類作成:エコライフ、県が指定取り消し 補助金不正受給も /宮城
仙台市青葉区の障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」(菊地幸郎社長)が虚偽の書類を作成し、障害者総合支援法に基づく障害福祉事業所の指定を不正に受けていた問題で、県は17日、同社の福祉施設2カ所の指定を取り消した。うち1施設では補助金約980万円の不正受給も判明。県は返還を求めるとともに、県警に刑事告訴する方針だ。

不正受給が判明したのは、今年2月に事業を休止した利府町加瀬の障害福祉事業所「バンビの杜利府」。県によると、10〜11年度の障害者自立支援基盤整備事業の補助金交付決定後に浴室改修などをしたとする偽造書類で補助金を申請、約980万円を不正受給した。

同事業所は、県への申請と異なる職員配置で運営していたことも判明。管理者のほかに看護職員を置く必要があるが、看護職員が管理者を兼任していた。

また、同事業所と同じ敷地内の高齢者通所介護事業所「デイサービスバンビの里」でも同様の違反があり、管理者や介護職員ら計5人が他の施設と兼任するなどしていた。

両事業所は違法な配置で計約1011万円を不正受給し、給付した仙台市などが返還額を確定する予定。県は近く、県内全事業所の職員配置を確認する。

同社は県内と大阪市などで計11事業所を運営していたが、問題を受けて仙台市などが指定を取り消した。同市は障害者訓練給付金など国や市の交付金計約3億1800万円の返還を請求する方針を示している。

■2013.5.18  不正受給:介護報酬を 運営会社の指定取り消し 久留米市 /福岡 「有限会社ケイテック」
久留米市は17日、市内で訪問介護事業所などを運営する同市城島町内野の「有限会社ケイテック」(福井里美社長)を、介護保険法に基づき、指定取り消し処分にしたと発表した。無資格の職員に介護をさせたり、サービスを行っていないにもかかわらず介護報酬を請求するなどし、計770万円を不正受給していたため。

市によると、ケイテックは同町内野で高齢者の訪問介護施設「仲間館・ぽっかぽか」や通所施設「仲間館・ありがとう」などを運営する。昨年11月、市の調査で書類に不審な点があることが判明。監査や事情聴取で不正受給がわかった。

不正受給があったのは11年4月〜昨年11月で、虚偽のサービス実施記録を作製して市に提出していた。福井社長は裏付け資料がないことについては「昨年の水害(九州北部豪雨)で書類が流されてなくなった」などとうその答弁を繰り返していたという。

市はケイテックに対して加算金(40%)を含む計1080万円の払い戻しや利用者約20人から不正に受け取った料金の返還を求める。また、今月31日から「ぽっかぽか」を5年間の事業停止。「ありがとう」を3カ月間の新規受け入れ停止にする。

福井社長は「不正があったことに弁解の余地はない」と話しているという。

■2013.5.20  金曜に出店、物品販売 長岡京市役所で6障害者施設
京都府長岡京市内の障害者福祉施設の商品を販売するコーナーが毎週金曜、同市役所に開設される。各施設が週替わりで登場し、利用者の手がけたパンや手芸品などを出品する。

障害者の収入や、就労へのきっかけに結びつけるため、同市が市民の多く集まる本庁舎1階ロビーを無償で貸し出すことにした。

あらぐさ(同市井ノ内)や乙訓若竹苑(同)、乙訓福祉会(勝龍寺)、やよい工房(久貝)、バスハウス(開田)、カメリア(調子)の6施設が交代で出店。パンや焼き菓子、草木染、押し花しおり、ビーズアクセサリーなど、各施設が得意とする商品を売り出す。

初日の17日はカメリアの職員や利用者が手作りのパンやスープを並べ、市役所を訪れていた市民や市職員らが次々と買い求めた。

カメリアの栗森雄児所長は「市民が多く集まる所なのでありがたい。うちのパンは味に自信があるので、ぜひ一度買いに来てもらいたい」と話していた。

■2013.5.20  成長記録で発達障害者支援 自立支援協、「ファイル」作成 和歌山
発達障害などの障害がある子どもが適切な支援を受けられるよう、和歌山県田辺市とその周辺自治体、福祉施設などでつくる「西牟婁圏域自立支援協議会」は、保護者が子どもの成長を記録する「発達支援ファイル」を100部作成した。希望者に配布しており、協議会は「子どもの発達の支援にファイルを利用してもらいたい」と話している。

「発達支援ファイル」は、生後1カ月から高校3年生までの成長の様子を記録する。赤ちゃんの頃は、おなかがすいた時や機嫌が良い悪い時のサインなどを記し、就学後は生活・行動面、学習面、家庭での様子など各年齢に分けて様子を書き込む。

成長過程で集中できず落ち着きがない、コミュニケーションがうまくできないなど発達障害の懸念がある子を持つ保護者らに記録してもらい、進学時や社会に出る場合、支援を受ける場合などに役立ててもらいたいという。

協議会の管内は田辺、みなべ、上富田、白浜、すさみの5市町。田辺市高雄1丁目の市民総合センター内にある障害児・者相談支援センター「ゆめふる」が協議会の事務局を務め、ファイルを配布している。

「ゆめふる」には発達障害に関する相談が増えている。基幹相談支援センター等機能強化事業担当の龍田俊夫さん(42)は「障害児の保護者の中には幼稚園、小学校、中学校、高校の入学の際、子どもの特性について何度も同じ説明をしなければならないケースが多い。記録したファイルを見せれば子どもに対する理解が進むだろうし、支援を受ける足掛かりになる。社会に出る時に役立ててほしい」と話す。

協議会会長で田辺市障害福祉室の梶垣吉良室長は「来年度以降もファイルを作っていきたい。ファイルの使用が定着するように取り組みたい」という。

文部科学省の調査によると、公立小中学校の通常学級には、発達障害のある児童生徒が6・5%在籍していると推定される。このうち発達障害の可能性があっても学校で特に支援を受けていない児童生徒は約4割に上ると推定されている。

発達支援ファイルについての問い合わせは、ゆめふる(0739・26・4923)へ。

■2013.5.20  障害者就労支援:姫路に「アロマサロン」開業 専門的な研修で施術取得 /兵庫 NPO法人・姫路自立生活支援センター
障害者の就労訓練の場にしようと、身体障害者や知的障害者がアロマセラピーを施術する店「アロマサロン りぷるす」が今月、姫路市市之郷の健康福祉施設・市すこやかセンターに開業した。市によると、アロマセラピーを就労訓練に取り入れるのは、県内では珍しいという。

同市白国1のNPO法人・姫路自立生活支援センターが運営。働くのはNPOの事業所に通所する女性4人で、開業に備えて足つぼマッサージやアロマセラピーの専門的な研修を受けてきた。

女性らは香りの付いたオイルを使って、客の手や足を丁寧にマッサージ。中島綾香さん(20)は障害のため手が動かしにくいが、「練習して、自分がやりやすい方法を探し、工夫を重ねてきました。お客さんが喜んでくれることがうれしい」と話す。

営業時間は祝日を除く火、木、金曜の午前10時半〜午後4時。マッサージは5〜50分の4コースがある。料金は400〜2100円。予約・問い合わせは同店(080・6159・2069)

■2013.5.20  幸福度:本県が全国1位、民間シンクタンクのランキング 知事「各分野でバランス」 /長野
民間シンクタンクの日本総合研究所(東京・寺島実郎理事長)が発行した「日本でいちばんいい県 都道府県別幸福度ランキング」で、長野県が幸福度全国1位に躍り出た。医療福祉や運動に関わる「健康分野」が1位、待機児童率や下水道処理人口普及率などの「生活分野」が2位と高順位を占めた。阿部守一知事は「飛び抜けてはいないが、(各分野で)バランスが取れていることの形だと思う」と喜んだ。

同研究所が幸福度ランキングを発表するのは初めて。調査は客観的なデータとなりうる国の統計などを使用し、人口増加率などの都道府県の構造を示す「基本指標」と、健康▽文化▽仕事▽生活▽教育−−の「分野別指標」から計55指標で実施。指標ごとに順位を決め、総合順位を判定した。

総合順位は1位の長野の他、2位東京都▽3位福井県▽4位富山県▽5位滋賀県−−など。長野県の分野別の順位は、基本指標7位▽健康1位▽文化12位▽仕事5位▽生活2位▽教育23位。55指標のうち、1位だったのは高齢者有業率(2010年に26・7%)や保育所の待機児童率(11年に0%)など4指標だったが、20位以上は過半数を超える34指標あり、同研究所は「おおむね各指標で平均以上の順位となり、バランスが取れていることが総合順位1位につながった」と分析する。

一方、教育分野は、学力▽不登校児童生徒率▽悩みやストレスのある者の率−−の3指標が30位以下となり、課題も見つかった。知事は「まだまだ伸びる余地があると思うので、結果を参考にしたい」と話した。

◇長野県が上位だった指標◇

 【基本指標】

▽国政選挙投票率      3位

 【健康分野】

▽生活習慣病受療者数    8位

▽体育・スポーツ施設数   1位

▽スポーツの活動時間   10位

 【文化分野】

▽教養・娯楽支出額     6位

▽書籍購入額       10位

▽姉妹都市提携数      8位

 【仕事分野】

▽高齢者有業率       1位

▽インターンシップ実施率  7位

▽大卒者進路未定者率    6位

▽本社機能流出・流入数   9位

 【生活分野】

▽待機児童率        1位

▽1人暮らし高齢者率   10位

▽下水道処理人口普及率   7位

▽一般廃棄物リサイクル率  3位

▽エネルギー消費量    10位

 【教育分野】

▽社会教育費        7位

▽社会教育学級・講座数   9位

▽余裕教室活用率      1位

■2013.5.20  人口推計 全都道府県で65歳以上人口が3割超へ
◇40年の人口 大都市部が猛烈なピッチで高齢化

2040年には全都道府県で65歳以上の高齢者の割合が人口の3割を超す−−。このような人口推計を厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がこのほど公表した。10年から40年にかけて65歳以上の人口が1・6倍に増える神奈川県のほか、埼玉、千葉、東京、愛知、滋賀などで高齢者人口が1・4倍以上になると見込まれ、都市部で猛烈なピッチで高齢化が進む。医療や介護、年金などの社会保障制度の再設計や、働き手の減少を補う移民の検討も課題に浮上してきそうだ。

公表されたのは「地域別将来推計人口」。10年の国勢調査をもとに死亡率や人口移動などのデータを参考に、40年までの市町村別と都道府県別の人口を推計した(福島県は県全体のみ推計)。

10年の65歳以上の高齢者の割合は全国平均で23・0%。それが25年には30・3%、40年には36・1%にまで上昇する。都道府県別にみると、40年に最も高くなるのは秋田(43・8%)で、次いで青森(41・5%)、高知(40・9%)の順。北海道(40・7%)、徳島(40・2%)も4割を超す見込みだ。

高齢化率は大都市を抱えていない人口の少ない県で高くなる傾向がある。しかし、そのような県はすでに現状でも高齢化が進んでおり、高齢者人口の規模は大きくは増えない。少子化で若年層が減るために高齢者の比率が高まる格好で、その傾向が顕著な秋田では高齢者人口は25年から逆に減少に転じるとみている。

高齢者人口は沖縄でも急増する。それ以外は大都市圏でのお年寄りの人口の増加が目立つ。75歳以上人口となると、これまで人口が急激に増加してきた埼玉、神奈川の両県は10年の2倍以上になり、千葉、東京、愛知、滋賀、大阪、沖縄の6都府県でも10年の1・7倍以上になると推計される。

 ◇団塊ジュニアも高齢者に

都市部での高齢者人口の増加について同研究所の小池司朗・人口構造研究部第2室長は「高度成長期に団塊世代が全国から大都市圏に職を求めて進出し家庭をつくった。この層が今、65歳を超え退職の時期を迎え始めている。40年には71〜74年生まれの団塊ジュニアも65歳以上になってくる。一方、若者が都会に出て行った非大都市圏では団塊世代の比重が低い。これが大都市圏での高齢化のスピードが速い理由だ」と説明している。

一方、全国の総人口は10年(1億2805万7000人)を100とした場合、40年(1億727万6000人)は83・8。05年から10年にかけては38道府県で総人口が減少したが、15年から20年の間に沖縄を除く46都道府県で総人口が減少する。20年から25年にかけて沖縄県の総人口も減少に転じ、40年にはすべての都道府県で総人口が10年を下回る。

減少が最も緩やかなのが沖縄(98・3)で、次いで東京(93・5)、滋賀(92・8)、愛知(92・5)、神奈川(92・2)の順となっている。逆に減少が最も激しいのが秋田(64・4)だ。それに続いて青森(67・9)、高知(70・2)、岩手(70・5)、山形(71・5)と、現状でも過疎化が進み限界集落などの問題が顕在化している地域を抱える東北地方の各県などの落ち込みが大きい。

 ◇市町村の半分が高齢化率40%超へ

市町村別の高齢化をみると、全体(福島県を除く1683自治体)のうち、現在65歳以上が5割以上を占める市町村は、群馬県南牧村、同県神流町、奈良県川上村、和歌山県北山村など九つしかないが、40年には167に増え全市町村の1割近くに達する。また40%以上の市町村は現在の87(全体の5・2%)から約半分の836に増加するとみられる。

一方、0〜14歳人口の割合が10%未満の自治体は10年の192(全市町村の11・4%)から40年には970(同57・6%)まで増加する。小中学校などの統廃合が避けられない地域がさらに増えることが予想される。

このような少子高齢化が進行すれば、社会保障制度を大きく揺るがすことはすでに大きな政治問題になっている。

現行の高齢者医療や介護保険の各制度は、保険料を納めている現役世代からの「仕送り」で財源が賄われる仕組みとなっているからだ。現状のままで放置すれば、若い世代が負担増に耐えられなくなり、制度が近い将来に破綻することが避けられないということは以前から指摘されている。

さらに、65歳未満の人より約5倍の医療費がかかるといわれる75歳以上の後期高齢者の割合は10年には11・1%だったが、40年には20・7%に達すると推計されている。医療と介護の給付増の圧力は一層強まると予想される。

特に75歳以上の人口の伸びは、人口が多い関東や近畿などの大都市圏とその郊外で特に大きい。このためこのような地域では療養施設が不足することが予想され、在宅医療・介護など高齢者をケアする新たな体制づくりが大きな課題となりそうだ。

高齢化の急速な進展は15〜64歳の生産年齢人口の目減りにもつながる。この年齢の人口は10年の8173万人が25年には7084万人と約1000万人減少する。40年には5786万人と約3割も目減りする。労働力の減少を補うには元気な高齢者や女性労働力の活用に加え、移民の受け入れも必要になってくる。

小池第2室長は「高齢者の割合が3割を超える時代には、今は高齢者と呼ばれる65〜74歳の層の社会貢献、活用が必要になってくるのではないか」と指摘している。

■2013.5.21  昨年度の障害者就職 過去最多846人
大分労働局は昨年度の障害者の就職件数をまとめた。県内では846人が就職、前年を51人上回り過去最多を更新した。特に精神障害者は前年より39人増え、290人となった。
 
846人の内訳は精神障害者のほかに、身体障害者390人、知的障害者129人、その他(発達障害や高次脳機能障害など)37人。業種別にみると、最も多かったのは医療・福祉で27.8%。次いでサービス業13.8%、卸売業.小売業13.5%となった。
 
同局職業対策課によると、障害者の就職件数は4年連続増加しており、背景として雇用率制度の改正が考えられるという。
 
厚生労働省は2010年に、建設業など障害者の就業が一般的に困難とされる業種に設けられた「除外率」を一律で10%引き下げた。また今年4月には法定雇用率を2%に引き上げた。精神障害者に関しては、06年から雇用義務の対象者とみなされるようになったことも影響しているという。
 
職業対策課は「障害者の就労意欲の高まりや、事業主の理解が深まったことも要因ではないか」としている。

■2013.5.21  食通じて自立支援 頴娃に障害者雇用の給食センター 社会福祉法人「更生会」
南九州市頴娃の社会福祉法人「更生会」は、障害者が給食やみそ、菓子などを調理・加工する給食センター「つどい」を開設した。一般が利用可能なレストランもあり、食を通じて自立支援を図る。17日に記念式典があり、約140人が地域の交流拠点を目指す施設の発展を祈願した。
 
給食業務は無休で、軽食や定食、スイーツなどを提供するレストラン(午前11時半〜午後8時)は水曜定休。

■2013.5.21  知的障害者の社会参加促す “やわらぎの里”カフェ開業、延岡市 「蒼空−SORA−」
知的障害者の社会参加や就労の促進を目的としたカフェ「蒼空(そら)−SORA−」が宮崎県延岡市の延岡総合文化センター1階喫茶コーナーにオープンした。市内で障害者支援施設「やわらぎの里」を運営する社会福祉法人愛育福祉会が出店、文化センターにとっても2年ぶりの喫茶コーナー再開となり、関係者は張り切っている。

ガラス張りの明るい75平方メートルの店内にテーブルやカウンターなど35席を設け、ひさしを出した屋外もオープンテラス席とした。スタッフは、やわらぎの里の職員2人のほか、施設に通う2人が接客を担当。少しずつ増やしていく予定という。

希望してスタッフになった広瀬芳美さん(53)と富山真都可さん(30)は開店の17日、セレモニーの後、さっそく大勢の客に対応。多少緊張しながらも「ごゆっくり」と声をかけながらコーヒーなどを提供していた。広瀬さんは「仕事を頑張って親孝行できるようになりたい」。富山さんも「初めての(客に応対する)仕事で緊張するけど、恥ずかしがらずに頑張ります」と話していた。

メニューはパスタやカレー(いずれもサラダ、ドリンク付き700円)、日替わりランチ900円、カプチーノ400円など。イタリア製エスプレッソマシンも入れて本格的な味わいを目指すという。黒木和磨店長(31)は「まずは大勢の人がくつろげる店を目指し、その先で就労などにつながれば」と話している。

営業時間は午前11時〜午後6時。火、水曜定休。

■2013.5.21  介護で活躍期待「脚型ロボット」開発
立命館大理工学部ロボティクス学科の玄相昊(げんそうこう)准教授(ロボット工学)(40)は20日、人間の脚をモデルに、主に油圧システムで制御する「脚型ロボット」を開発したと発表した。将来、介護や災害現場などで活躍するロボットの技術に生かしたい考えだ。

現在、ロボットの設計ではモーターとギアを使った電気駆動のタイプが主流。しかし、玄准教授は、パワーショベルなどで使われている油圧システムでの研究を進めてきた。

今回、披露された試作品はロボットの片方の脚で、高さ76センチ、重さ6キロ。腰と膝関節にあたる部位にシリンダー(管)を付け、ポンプでオイルを送り込むことでその圧力を利用する。

パワーショベルなどとは違い、どの程度の圧力をかければ、想定した速度で歩けるかといった計算を自動的に行う電子回路を搭載している点が優れている。

両脚と地面に接する足の部分がそろえば、人間の大人が走るのと同じ程度のスピードで走ることができる可能性があり、さらに8月頃をめどに腰と連結した人間の下半身型ロボットを開発する計画を進めている。片脚では重さ約40キロまでしか支えられないが、実現すれば、最大で200キロの重みが加わっても移動が可能だという。

■2013.5.21  車いすダンサー・鈴木剛さん /奈良
 ◇心動かす真の芸術へ−−鈴木剛さん(39)=三郷町

車椅子の障害者と健常者がペアを組んで踊る「車いすダンス」のコンビ。約50年前にドイツで始まり、約20年前に日本にも入ってきた。23歳の時、初めて踊った。ビートルズのバラード曲「イン・マイ・ライフ」に合わせ、人と手を取り合い、温かさを感じながら自分を表現する。新鮮だった。

1997年に仲間と設立した団体は「ジェネシスオブエンターテイメント」。「娯楽の起源」という意味だ。障害者らのグループとは分かりにくい団体名で、活動を説明する苦労はあったが、素直な自分たちの思いを名前に込めた。

競技会ではサンバ、ルンバなど5種目を続けて踊る。1種目約1分半。種目の間に各10秒程度の休息があるだけだ。1種目が陸上の800メートル走に匹敵するとされ、体力、持久力が求められる。今は来年の世界大会を大目標に練習を続けている。

子ども向けを中心に、ダンス公演や教室にも積極的に取り組む。ダンスを披露した後、自らの経験に触れながら「明日、車椅子の生活になっても変わらぬ友情で接してくれる友人をつくってほしい」と訴えかける。10月には、母校・光明中生徒にダンスを披露する場が初めて設けられる。

車いすダンスを「ほんまもん(本物)、真の芸術として確立する」ことが目標だ。一般の芸術家と同じ、公演などで生活できるプロの「車いすダンサー」を目指し、研さんを積む。

大阪市生まれ。会社員。生駒市立生駒小、光明中卒業後、高2の時のバイク事故の影響で車椅子生活を送る。全日本車いすダンススポーツ選手権5連覇中(08〜12年)。10年の世界大会で8位。三郷町在住。

■2013.5.21  ドクターヘリ:島根のヘリ、県中・西部でも運航 時間短縮、緊急対応の不安解消へ /鳥取
島根県立中央病院(出雲市)に配備されている同県のドクターヘリが27日、県境を越えて鳥取県中・西部に運航範囲を広げる。県は現在、兵庫、京都と3府県共同でドクターヘリを運用しているが、基地病院は公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)で、県中・西部まで時間がかかるという問題があった。島根県のヘリの乗り入れ開始で、同地域での緊急対応の不安が解消される。

県医療政策課によると、出動対象となるのは米子、境港、倉吉市など14市町村で、同地域を管轄する中・西部消防局の要請を受けて医師や看護師を乗せて出動する。これにより、これまで要請から到着まで米子市で約40分、日南町で約50分かかっていた時間がほぼ半分に短縮。西部地域の多くが、一般的にドクターヘリの運航による救急治療が有効性を発揮するとされるエリア(到着まで70キロ、30分以内)に入った。

中部地域にヘリが飛来する場合は従来に比べ約5分短縮と大きくは変わらないが、どちらかが既に出動中の時に、一方が別の依頼に対応できるなどメリットは大きいという。

平井伸治知事は「すぐに命を助けられる体制づくりに前進することができた」と歓迎。一方、広島県が今月から運航を開始し、中国5県では鳥取が唯一ドクターヘリを所有しない県となったことについては、「独自にドクターヘリを持つことを放棄しているわけではないが、運用には結構な費用がかかる。今後の検討課題としたい」と発言するにとどまった。

◇救急搬送増加で需要も

鳥取、兵庫、京都の3府県で2010年度から運航している公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)のドクターヘリの出動件数は増加傾向にある。10年度の就航開始から、今年3月末までの出動件数の合計は3383件。うち、鳥取県への出動件数は10年度33件、11年度35件、12年度54件−−と増えた。それに伴って、県の負担額も11年度553万8000円(決算)、12年度669万4000円(決算見込み)と増えている。

県は「近年は高齢者の救急搬送の件数が増えており需要もある」としており、島根県のドクターヘリの運航が始まっても豊岡病院のドクターヘリが県全域をカバーする体制は維持していく方針だ。

豊岡病院のヘリの出動費用は出動回数などに応じて、3府県で応分して負担。県中・西部エリアへの出動には通常より多くの燃料を使うため、同病院から50キロ圏内の出動に比べ、1回あたり40万円多くの負担金を払っている。

■2013.5.22  障害者支援施設 指定を取り消し 虚偽申請で さいたま市 「バンビの杜さいたま」
虚偽の申請で障害福祉サービス事業所の指定を受けたとして、さいたま市は二十一日、同市北区土呂町一の障害者就労支援施設「バンビの杜(もり)さいたま」の指定を取り消したと発表した。市は、昨年九月の指定以降、国と市が交付した給付金計三百七十万円の返還を求めると同時に、施設利用者十四人の新たな受け入れ先を探す。

市によると、バンビの杜さいたまは昨年秋、配置予定のない従業員を配置するかのように偽造した申請を市に提出して指定を受けた。今年二月、静岡県からの情報提供により不正が発覚した。

施設の運営会社「福祉支援センター」(本社・東京)は別の関連会社とともに、全国で障害者就労支援施設を十カ所運営している。

■2013.5.22  仮設住宅入居者「看護支援必要」…宮城
宮城県気仙沼市の仮設住宅入居者7704人のうち5・1%にあたる395人が精神的不安やアルコール依存を理由に、看護師らの継続的な訪問が必要な状態にあることが、同市のまとめで分かった。

調査結果は3月末現在のもので、約4・4%だった前回の同時期調査(8212人が対象)と比べ、微増しており、市地域包括支援センターは「仮設住宅での生活の長期化に伴って支援が必要な方が増える傾向がみられる。今後、さらに綿密な見守りが必要」と話す。

同センターによると、訪問が必要な理由の内訳は、うつ病などを含む精神不安がみられ、心のケアが必要な人が全体の約4分の1にあたる92人。続いてアルコール依存が45人、認知症が30人だった。障害や持病など「その他」に分類された人も228人いた。

同センターは重度の人については病院などに知らせるなど根本的な解決を図っているが、避難生活の長期化で、新たに精神疾患やアルコール依存に陥り、継続訪問が必要と判断される人も多いという。

■2013.5.22  大分・別府温泉が脳卒中予防? 毎日入浴の人発症少なく
日本一の湧出量を誇る大分県別府市の別府温泉で、温泉の医学的な効能を研究している九州大病院別府病院などは21日、毎日温泉に入る人は、そうでない人に比べ、脳卒中と心筋梗塞・狭心症の割合が低いとする中間報告を発表した。

「温泉で血流がよくなり、脳卒中などの予防につながっている可能性がある」としている。24日に同市で開かれる日本温泉気候物理医学会で報告する。

生活習慣病の予防などに温泉を生かすことを目指し、同病院や地元医師会、別府市は昨年11月、無作為に抽出した65歳以上の市民2万人を対象に健康に関するアンケートを実施。55・7%にあたる1万1146人から回答を得た。

発表によると、回答では毎日1回以上、温泉に入る人が約半数を占めた。温泉の利用状況と既往症の関係を分析したところ、毎日入浴する人のうち脳卒中を起こしたことがある人は2%だったのに対し、その他の人では3・4%と高い値が出た。心筋梗塞・狭心症も、毎日入浴は6・1%だったが、その他は8・2%と高かった。

■2013.5.22  障害者施設の虚偽書類作成:虚偽文書で事業所指定 県、取り消しへ /長崎 「エコライフ」
県は21日、障害者就労支援施設運営会社「エコライフ」(菊地幸郎代表、仙台市)が虚偽の文書を作成し、佐世保市の「バンビの杜ハウステンボス」が不正に障害福祉サービス事業所の指定を受けていたと発表した。31日付で指定を取り消し、佐世保、大村市と川棚町が交付した障害者訓練の給付費約650万円の返還を求める方針という。

県によると、事業所指定には福祉施設で2年以上の実務経験がある管理者配置義務があるが、実際には経験もなく、佐世保市での勤務実態もない仙台市居住の社員を管理者とする虚偽の証明書を県に提出。昨年7月に指定を受け、昨年9月から今年3月にかけて13人の利用者に職業訓練などを施し、2市1町から報酬を受け取っていた。県は詐欺などの疑いでの刑事告発も検討するという。

■2013.5.22  生活困窮者支援 社会福祉法人が担え
生活困窮者自立支援法案が国会に提出された。生活保護引き下げへの批判をかわすためとも言われるが、受給者が増え続ける現状を見れば、保護から就労への流れを作ることは意味が大きい。問題は実効性だ。

法案を見ると、自立や就労に向けた相談、住居確保の給付金、宿泊場所や衣食の提供、家計相談や貸し付けのあっせん、子どもの学習支援などが並ぶ。無報酬の活動から就労まで段階的に支援する「中間的就労」の認定制度も新設する。これまでも就労促進は取り組まれてきたが、容易に成果は出なかった。個々の実情に合ったきめ細かさ、時間や人手や忍耐が必要な難しい事業なのだ。

法案では自治体のほか民間団体にも委託できることになっている。実際、困窮者の救済で活躍しているNPOもある。しかし、最も責任を担うべきは社会福祉法人である。

全国には2万近い社会福祉法人があり、特別養護老人ホーム(特養)など介護保険の事業や障害者施設、保育園などを営んでいる。法人税や固定資産税が非課税で、各種の助成金も優遇されている。同じ制度で事業を営んでいるNPOや営利企業が両税とも課税されているのと比べて著しく優位だ。

厚生労働省の最新の調査では社会福祉法人経営の特養で1施設あたり平均3億1373万円の内部留保があった。全体で約2兆円とも推定される。同省は社会福祉法人の財務諸表の公表を指導すると規制改革会議に報告したが、当然であろう。

戦前、民間の慈善家が私財を投じて孤児や高齢者を救済したのが社会福祉法人の源流という。戦後は行政からの委託で公的福祉を担ってきたが、2000年に介護保険が始まり福祉が契約制度に移行すると、新規参入を認められた株式会社やNPOと同じ条件で収益事業を行う立場となった。

社会福祉法人が優遇される理由として「営利目的の企業はサービスの質が低く、利益が上がらなければすぐに撤退するから」とも指摘されるが、利用者のニーズに合わせる努力をしている営利企業やNPOは多い。むしろ大規模な収容型施設や雑居部屋を温存するなど古い体質を残す社会福祉法人は少なくない。

収益事業だけ行い内部留保をふくらませている社会福祉法人が今のまま存続できるとは思えない。一方で、「生活困窮者レスキュー事業」を行う大阪府社会福祉協議会、国に先駆けて「ユニバーサル就労」(中間的就労)を実践している生活クラブ風の村(千葉県)など収益を度外視して生活困窮者の救済に努める法人も出てきた。今こそ社会福祉法人は原点に立ち返るべきである。

■2013.5.22  障害者就職:大幅増、294増の1254件に 12年度労働局調査 /三重
三重労働局は、2012年度の県内ハローワークでの障害者の就職状況をまとめた。新規求職申込件数は前年度比398件増の2436件、就職件数は同294件増の1254件と大幅に増え、就職率は同4・4ポイント増の51・5%だった。

労働局職業対策課によると、就職件数は障害種別でも全てで増加。517件の身体障害者が最も多く、次いで精神障害者の465件。知的障害者の249件、その他の障害者23件が続く。6人を解雇する企業があったことなどから解雇者数も増え、同15人増の30人となった。

産業別の就職件数で最も多かったのは「医療、福祉」で同278件増の526件。全体の41・9%を占めた。144件で11・5%の「製造業」、141件、11・2%の「サービス業」が続く。

職業別では「運輸・清掃・包装等の職業」の484件が最多。「生産工程の職業」219件、「事務的職業」211件など。

就職件数を大幅に押し上げたのは、精神障害者の就職件数が同172件増と大幅に増えたことが要因という。医療機関などが受け入れに向けた働き掛けを積極的に行っているほか、企業側の偏見も弱まっているという。

一方で課題もある。障害者雇用促進法では50人以上の企業に対し、障害者を全従業員の2%以上雇用することを義務づけるが、昨年6月現在の県内の障害者雇用率は1・57%。全国平均の1・69%を大きく下回り、全国45位となっている。

担当者は「多くの企業に働き掛け、改善に努めたい」としている。

■2013.5.22  虐待防止で要求書/知的障害の団体 「柏の実学園」
別海町内の知的障害者施設「柏(かし)の実学園」(堀込哲夫学園長)で職員が入所者をたたくなどの虐待が表面化した問題で、知的障害を抱える当事者でつくる団体「ピープルファースト北海道」(土本秋夫会長、札幌市)のメンバーとアドバイザー9人が21日、同施設を訪れ、施設側に対する抗議と再発防止などを訴える要求書を提出した。

同団体は4月下旬に発覚した入所者への暴力は障害者の人権を侵害するものと主張。土本代表が「障害者である前に一人の人間であることを認識してほしい」と堀込学園長に要求書を手渡した。

■2013.5.23  特養の元職員、入所者殴り逮捕…埼玉・春日部
埼玉県警春日部署は22日、春日部市内の特別養護老人ホームで2010年2月、入所者の女性を殴ったとして、元職員の介護福祉士大吉崇紘(おおよしたかひろ)容疑者(29)=埼玉県松伏町松伏=を傷害の疑いで逮捕した。

発表によると、大吉容疑者は同年2月17日午前11時半頃、同市一ノ割の特養老人ホーム「フラワーヒル」で、入所する女性(当時84歳)の胸やあごを殴り、1か月のけがをさせた疑い。調べに対し、大吉容疑者は「いらいらしてやった」と話しているという。

読売新聞の取材では、同ホームで当時、事件のあった日を含む4日間のうちに、ほかにも入所者3人が相次いで死亡していたことが分かった。入所者が相次いで亡くなったり、けがをしたりしたことについて、施設は虐待が疑われるとして市に通報していた。

市の報告書によると、同年2月15日に入所女性(当時78歳)が、16日には別の女性(同78歳)がそれぞれ死亡した後、18日にはさらに別の女性(同95歳)が胸の骨を折って死亡した。3人は施設の理事長が経営する病院に搬送された。死因はそれぞれ「急性心筋梗塞」「脳梗塞」「胸部大動脈瘤(りゅう)破裂」だった。死亡した3人の容体の急変や、大けがをした女性のあざは、大吉容疑者が最初に見つけ、施設長に届けたという。

施設は、高齢者虐待防止法に基づき、20日に市に通報し、遺体は遺族に引き渡した。20日夜に市から連絡を受けた春日部署が本格捜査に乗り出す前に遺体は火葬されたため、司法解剖できなかったという。埼玉県警は、死亡した3人については、事件としての捜査を見送る方針。

■2013.5.23  通報「精一杯の決心」と施設長 行政も検証へ 埼玉 元職員の大吉崇紘
「介護に携わる方は心が優しい人が多い。考えられないこと」。入所者への傷害容疑で元職員の大吉崇紘(おおよし・たかひろ)容疑者(29)が逮捕された高齢者介護施設「フラワーヒル」。同時期に入所者の死亡や負傷が相次いだ問題で23日、施設の理事長(72)が記者会見し、複雑な心境を語った。一連の容体急変に関連はなかったか埼玉県警の捜査が進む中、虐待を見抜けなかった春日部市も検証を始めた。

同施設では平成22年2月15〜18日のわずか4日間に当時78〜95歳の女性3人が死亡し、1人が大けがをした。大吉容疑者は死亡した2人の急変を最初に発見。暴行された女性のけがも最初に確認し、死亡した別の1人の容体の変化も同僚らと見つけていた。

大吉容疑者は同月13日に勤務を始めたばかりだった。入所者の容体急変への対応が相次いだことを心配した施設が大吉容疑者と面談したところ、虚偽の履歴が発覚。前の職場を「自己都合退職」としていたが、実際は「解雇」だったことを明かしたという。「信頼できない」と感じた施設が解雇勧告すると、着任からわずか6日で自主退職した。

当初、施設側は入所者の死亡の経緯を疑わず、県警による検視や司法解剖など死因の究明がされないまま、遺体は荼毘(だび)に付された。施設によると、1人の胸に内出血があったが、高齢者は皮下出血するケースが多く、虐待との認識はできなかったという。

「きびきびとよく動き、てきぱきと仕事する。昼休みもとらず、一生懸命働いていた」。大吉容疑者の仕事ぶりについて、施設長(68)はこう振り返る。また「入所者と同じ目線になるよう膝をついて話す。良い介護士が入ってきたと思った」と語り、肩を落とした。 

入所者の死亡が相次ぎ、22年2月20日になってようやく、高齢者虐待防止法に基づいて春日部市へ虐待の疑いを通報。この対応に、施設長は「精いっぱいの決心だった」と説明した。

一方、春日部市は通報を受け約2カ月、現地調査や大吉容疑者を含めた施設関係者全員に事情聴取をした結果、県には「虐待の事実はなかった」と報告した。市福祉部の大沢雅昭部長は「当時は適切に対応したと考えているが、あらためて検証したい」としている。

大吉容疑者が住むアパートの住人によると、大吉容疑者は妻や子供と生活。近隣の女性は「休みの日は家族でベビーカーを押して歩いていた。優しいお父さん、というイメージだった」と話した。

県警は23日、大吉容疑者の自宅を家宅捜索し、関係する資料を押収した。

■2013.5.24  特養傷害、春日部市聴取せず「虐待なし」と報告
埼玉県春日部市の特別養護老人ホームで入所者の女性を殴ったとして、春日部署が元職員で介護福祉士大吉崇紘容疑者(29)=同県松伏町松伏=を傷害容疑で逮捕した事件で、施設から虐待の疑いがあると通報を受けた市が、職員から直接聞き取りをせずに「虐待は認められない」と結論付け、県に報告していたことが23日、市への取材で分かった。

市によると、施設は2010年2月20日、同18日までの4日間で入所者3人の死亡と女性のけがが続き、第一発見者がいずれも大吉容疑者であることや、女性に不自然なアザがあることなどから、市に虐待の疑いを通報。しかし20日に訪問した市の担当者は、県に「先入観を持った調査は望ましくない」と指導されていたことなどから、大吉容疑者を含む職員に直接事情を聞かず、施設を通じて書面での聞き取りにとどまった。

■2013.5.24  春日部・特養で死傷 市「あらためて検証」 近く組織設置へ
春日部市の特別養護老人ホーム「フラワーヒル」で二〇一〇年二月、入所者三人が四日間に相次いで死亡した問題。当時、施設から市に「入所者虐待の疑いがある」と通報があったが、市は約二カ月後、「虐待は発見できなかった」との報告書をまとめ、県に提出していた。市は「当時としては適切に対応したと思うが、あらためて検証したい」として、近く検証組織を設ける。

施設によると、傷害容疑で逮捕された大吉(おおよし)崇紘容疑者(29)=松伏町=がこの施設で働き始めたのは一〇年二月十三日。採用の際に提出した履歴書に虚偽内容が含まれていたことが発覚して十九日に依願退職したが、大吉容疑者が勤務していた七日間に、入所者三人が相次いで死亡した。三人の容体急変を最初に発見したのは、大吉容疑者だったという。

一方、一〇年二月二十日に、施設から「虐待の疑いがある」と報告を受けた春日部市は、既に辞めていた大吉容疑者を含むすべての職員に、施設を通じて虐待の有無を書面で調査した。その報告書に大吉容疑者から回答がなかったため、市は再度、書面で回答を要求した。その後、「虐待は見聞きしていない」という趣旨の回答が文書であったという。

大吉容疑者の逮捕について、施設長の女性(68)は「捜査中のことでコメントできないが、けがをした女性や家族には大変申し訳なく思う」と話し「施設としてどんな管理責任が生じるか、今後検討したい」としている。

■2013.5.24  埼玉・春日部の特養3人死亡:「介護士」採用後に異変 「虐待の疑い」報告
2010年2月の4日間に入所者3人が死亡、1人が重傷を負った埼玉県春日部市の特別養護老人ホーム「フラワーヒル」は23日、記者会見を開いた。4人の異変は、重傷を負った当時84歳の女性への傷害容疑で県警に逮捕された介護福祉士、大吉崇紘(おおよしたかひろ)容疑者(29)=同県松伏町=が施設に採用された2日後から始まったことを明らかにした。

施設によると、死亡したのは78歳の2人と95歳のいずれも女性。嘱託医の鑑定で78歳の2人に外傷はなく、95歳の女性は胸に小さな内出血があったが骨折などはなく、いずれも急性心筋梗塞(こうそく)など病死の疑いがあると判断されたという。

大吉容疑者は10年2月13日採用。異変は15〜18日に相次いだ。18日に施設が大吉容疑者と面談した際、経歴の虚偽を申告したことから解雇しようとしたところ、自己都合退職を願い出たため認めたという。退職は19日。

市によると、20日になって施設から「虐待の疑いがある」と報告を受け、職員から聞き取り調査をしたが「事実を確認できなかった」としている。大吉容疑者からは書面で「虐待を見たことはない」と回答されたという。

■2013.5.24  知的障害持つ娘と父、明るくも残酷に あす公開「くちづけ」 こんな現実、冗談じゃない 劇団「東京セレソンデラックス」
知的障害者たちのグループホーム「ひまわり荘」での、ある親子愛を描く「くちづけ」(東映配給)が25日、公開される。昨年末に解散した、宅間孝行(42)主宰の劇団「東京セレソンデラックス」の伝説の舞台を映画化したもの。笑いと涙を媒体にして、強烈な不条理を突きつける。脚本は宅間自身が書き、出演もしている。

宅間がこの芝居を作るきっかけは、十数年前に読んだ短い新聞記事だ。余命わずかの男性が、知的障害のある息子を殺したという。心に引っかかり、さまざまな施設を取材して回った。知的障害者がホームレスや犯罪加害者になった例に衝撃を受け、「無知こそが罪だ」と感じた。「くちづけ」の結末は残酷だが、知的障害者を家族に持つ人が舞台を見た後、「これが現実だ。自分も何度も心中しようと思った」と言ったという。舞台を見て感動した堤幸彦(57)が映画版のメガホンをとる。

主人公は30歳のマコ(貫地谷しほり)。心は7歳のままだ。父(竹中直人)は「愛情いっぽん」というペンネームの漫画家だったが、マコを男手ひとつで世話するために休業している。いっぽんはひまわり荘に住み込みで働き始めた。元気過ぎるうーやん(宅間)や写真を撮りまくる仙波さん(嶋田久作)、下ネタを連呼する島ちん(谷川功)たちが暮らしている。オーナー一家も住人と本音で向き合う。こわばっていたいっぽんとマコの心は解きほぐされていく。うーやんはマコと結婚すると宣言する。いっぽんは再び漫画を描けるのか?

ひまわり荘でのやり取りは愉快だ。宅間いわく「映画版ではシリアス一辺倒の選択もあったが、知的障害者たちと一緒にいると、本当に笑ってしまう。わがままもうそも言う」。しかし、ユートピアは長く続かない。いっぽんには病気が見つかった。映画初主演の貫地谷は「結末の撮影はとてもつらかった。本番前は集中力を保つため、竹中さんと見つめ合った。カットがかかるたびに泣いてメークし直して……。初めて、早く家に帰りたくなった」と振り返る。

■2013.5.24  障害者優先発注、7割増を目指す方針 /栃木
国や自治体が障害者施設などに商品やサービスを優先的に発注することを求める「障害者優先調達推進法」が4月に施行されたのを受け、県は23日、今年度の推進方針を発表した。2012年度の約7割増の発注額1250万円の目標達成を目指す。

県によると、対象施設は▽障害者支援施設▽就労移行支援事業所▽雇用者数5人以上で、全従業員のうち障害者が2割、重度身体障害者などが6%以上の条件を満たす事業所−−など。パンなどの食品や農作物などの商品を積極的に購入したり、清掃作業や袋詰めといった軽作業などの仕事を優先的に発注する。対象施設は約120に上る見込みだ。

12年度の発注額は746万2000円。13年度の目標は、商品が約716万円、仕事の発注額が約534万円の計1250万円。発注実績は翌年度の5月末までに県のホームページで公表する。

■2013.5.24  子の発達障害向き合い歩む
発達障害の一つ、アスペルガー症候群の2人の子を持つ愛知県一宮市の会社員谷口容子さん(53)が、26日に岐阜市のふれあい福寿会館で「アスペの子とともに歩んできて」と題して講演する。谷口さんは「発達障害への理解が広がり、同じ障害の子を持つ母親たちの励ましや救いになれば」と話している。

「診断を受けた時、子どもの心に近づけたような感じがした」。長男の年規さん(28)、長女の絵美子さん(25)は、ともに中学1年の時、アスペルガー症候群と診断された。

コミュニケーションがうまくできず、特定のことに執着する2人。団体行動が苦手だった年規さんは中学1年の時、教諭の勧めで精神科を受診したが、まだ発達障害への理解が進んでいない頃で、医師から「子どもを病気にしたいの」と言われたこともあった。

名古屋市のクリニックで同症候群と診断された時、谷口さんは「障害児だと言われたのに、不思議とほっとした」。今までの言動が障害からきていると分かったことで対処法も考えられるようになり、その後に診断を受けた絵美子さんへの接し方も変わったという。

年規さんは鉄道、絵美子さんは絵を描くのが好き。10年前、喫茶店を営む知人に勧められ、店で絵美子さんの個展を初めて開いた。これまで愛知、岐阜県内で17回開催し、6回目からは年規さんが描いた鉄道の絵も展示する「兄妹(きょうだい)展」になっている。

「認められている」と感じることで自信をつけ、2人は生き生きとした表情を見せるようになった。谷口さんは「心の余裕がなかったのは私の方。でも、2人のお陰で、いろんな場所でいろんな人に出会えた。人より楽しい人生を過ごしています」と話す。講演では、年規さんと絵美子さんも登壇する予定だ。

同会館では26日まで、兄妹展が開かれており、絵美子さんの絵に詩が添えられた作品もある。その一つには、「かくすということは自分の存在もなくなるということ(中略)絵美子が絵美子でいられる訳は絵美子自身がありのままの姿で生きているから」と、自身の障害を受け入れて生きていこうという決意が表されている。

■2013.5.24  入所型福祉施設のスプリンクラー設置に助成 佐賀県
佐賀県は、スプリンクラーの設置義務がない入所型の老人福祉施設と障害者福祉施設に対し、設置費用を独自に助成する。県内では約200施設が未設置で、資金不足が背景にあるため、全額を補助金で賄えるようにする。6月補正予算に事業費約2億5800万円を提案する方針。

2月に長崎市で起きた認知症グループホームの火災を受け、県は2〜3月、全ての入所型福祉施設の防火設備を調査した。スプリンクラーについては、906施設のうち334施設が未設置で、全て消防法による設置義務がない施設(延べ床面積275平方メートル未満など)だった。

今回の助成は、福祉施設の中でも自力避難が困難な人が多い老人福祉施設と障害者福祉施設が対象。スプリンクラー設置には国の補助制度があるが、対象から外れたり、自己負担が生じたりする場合があり、県がカバーすることにした。県の担当者によると、「標準的な設備の場合、ほぼ全額を補助金で賄えるようになる」という。

県によると、入所型の老人福祉施設と障害者福祉施設748施設のうちスプリンクラーの未設置は213施設あり、「費用の問題」を理由に挙げる施設が多かった。

■2013.5.24  スプリンクラー9割が未設置 厚労省、障害者施設調査
厚生労働省は24日、介護が必要な障害者が利用するケアホームや、障害者向けのグループホームで、スプリンクラーの未設置の施設が89・3%に上るとの調査結果を発表した。

設置義務がないことを理由に挙げる施設がほとんどだった。ただ、設置義務がある重度障害者向けケアホームなどでも、未設置の施設が4・9%あった。

設置や維持の費用面で懸念があるとみられる。厚労省は「義務のある施設には、実態を把握した上で指導を行うよう自治体に通知した。義務がなくても交付金を活用し設置を促進したい」としている。

自動火災報知設備などは全体のほぼ半数が設置していた。

■2013.5.24  「障害者のグループホーム・ケアホームにおける防火安全体制等に関する実態調査、訪問調査」の結果 厚生労働省
平成25年2月10日の新潟県新潟市の障害者グループホームにおける火災の発生を踏まえて実施した標記調査の結果
調査の結果
http://social-welfare.rgr.jp/databox/chosa_mhlw_ghch_01.pdf

■2013.5.24  美術展:“生き生き”作品30点 「障害者、理解深めて」 中京 /京都 障害者支援施設「DO」
障害者支援施設「DO(ドゥ)」(城陽市)を利用する知的障害のある人たちの美術展「DOアートジャンクション2013」が、京都市中京区の同時代ギャラリーで開かれている。26日まで。

「いちばんLOVE(好き)」なものをテーマに、DOの利用者全員が太陽などを描き、自動販売機に貼り付けた合作や、施設内の「アトリエクラブ」のメンバーの個性豊かな作品、コラボレーション・アーティストのイラストレーター、JUNICHIさんの作品など約30点を展示している。

DOは知的障害のある人たちの自立や社会参加をアートを通じてサポートしている。同展は2003年から始まり今年で8回目。白樫(しらかし)孝施設長は「それぞれの作品の“生き生き感”を見ていただくことで、障害者への理解も深まるのではないか」と話している。

入場無料。正午〜午後7時(最終日は6時まで)。問い合わせは「DOアートジャンクション」

■2013.5.24  地域医療を考える 骨粗鬆症 圧迫骨折に注意を
高齢になると、骨や関節、筋肉などの「運動器」の働きが衰え、要支援や要介護の状態となる危険性が高まります。骨では年齢とともに強度が低下して骨折しやすくなる病気である骨粗鬆症(こつそしょうしょう)がみられます。そのため、ちょっとした動作で背骨の圧迫骨折が起こりやすくなります。高杉内科外科小児科脳外科(徳島市)の高杉晋輔理事長にその症状や治療法について聞きました。

◇転倒しにくい住環境に

 ◇食生活や運動で強度保つ

 ◇骨セメント注入で痛み軽減

 骨粗鬆症とは?

 ◆骨粗鬆症の「鬆(しょう)」は、大根の「鬆(す)」と同じ意味です。年を取るとともに骨の量が減り、骨がスカスカになってもろくなり、骨折しやすくなった状態です。患者は閉経後の高齢女性に多いのです。女性は男性の4倍といわれます。骨折すると寝たきりになることも多く、そこから認知症になることもあります。骨粗鬆症の患者数は1000万人以上とみられています。

 女性が多いというのは?

 ◆骨はずっと同じままではなく、古くなった骨の破壊(骨吸収)と新しい骨の生成(骨形成)という「骨代謝」を繰り返して、強さと柔軟性を保っています。女性は閉経に伴い、女性ホルモンの分泌が減少します。そのため、骨をつくる骨芽細胞と骨を吸収する破骨細胞の働きのバランスが崩れ、骨の形成が破壊に追いつかなくなることが起こります。

 自覚症状は?

 ◆背中に違和感があるとか、背が低くなったり、自覚症状もあまりなかったりします。また、痛み、こりがあり、仕事や打ち身のせいと思っている場合もあります。おかしいと思い、MRI(磁気共鳴画像化装置)検査をうけて、骨折していることがわかり、骨粗鬆症に気付くこともあります。

 診断は?

 ◆骨密度を測定して、その値を20〜44歳の平均値(若年成人平均値、YAM)と比較します。YAMの70%以上〜80%未満が「骨量減少」、70%未満が「骨粗鬆症」と判断されています。しかし、骨密度が高い人も骨折することがありますので、「骨の質」にも注目するようになっています。

 予防は?

 ◆骨の強さを保ち、骨折を予防するには、毎日の食事や運動習慣が大切です。カルシウムを摂取することが不可欠です。日本人はもともとカルシウムの摂取量が不足ぎみです。まず牛乳を飲むことです。ヨーグルトなども摂取しましょう。じゃこなどの小魚にもカルシウムは多いですね。野菜では小松菜などがいいでしょう。

 一般に、スポーツを若い頃から長年やっている方や、農業など体を使うお仕事をしている方は骨密度が高く、骨粗鬆症になりにくいと思います。しかし、中高年になってから急に運動を始めても足腰に負担がかかります。適度に体を動かすこと、歩くことが大切です。宇宙飛行士は宇宙空間で重力がかからないので、骨がやせます。常に重力に抗するような運動による刺激が骨の形成には必要です。また、戸外に出て日光を浴びると体内でビタミンDがつくられカルシウムの吸収を助けます。

 気をつけることは?

 ◆骨粗鬆症による骨折は、大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)、胸腰椎(きょうようつい)、手関節、上腕骨頸部、肋骨(ろっこつ)に多くみられます。掃除など日常生活の動作でも起こります。靴下をはこうとして尻餅をついたり、手をついて骨折することもあります。

 転倒しにくい生活環境をつくることが大切です。家の中で手すりを設置したり、段差をなくしたり、夜でも足元やトイレは明るくすることなどです。重い物を持ち上げるときも注意しましょう。

 最近問題となっているのは、がんとの関係です。がんを患うと骨粗鬆症になりやすい、骨折しやすくなります。

 治療法は?

 ◆生活習慣病として食事療法や運動療法に加えて薬物療法を行います。治療薬は、活性型ビタミンD3製剤▽SERM製剤(閉経後に女性ホルモンが低下したとき)▽ビスフォスフォネート製剤(骨吸収を抑える作用)▽ヒト副甲状腺ホルモン製剤(骨形成促進作用)−−があります。薬によっては、毎日飲まなくても、1週間に1回や1カ月に1回でいい薬も登場しています。

 骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折について教えてください。

 ◆背骨は、骨である「椎体(ついたい)」と、その間でクッションとなる「椎間板」が連なっています。骨粗鬆症でもろくなった椎体に、日常のふとした動きで衝撃が加わり、体の重みに耐えきれなくてつぶれてしまうのが圧迫骨折です。

重い物を特に持ったわけでなく、軽い物でも中腰になったり姿勢によっては負担がかかります。お昼の仕事で傷めて、その時は大丈夫でも、夕方になって痛みだすことがあります。

 症状は?

 ◆日常生活に支障がでるほどの痛みがあります。痛みで呼吸に影響が出る場合もあります。じっとしているとき、寝ているときは痛まなくても、起き上がろうとしたり、動作をしようとすると痛みます。そして、多数の圧迫骨折を起こすと腰が曲がってしまいます。その結果、腰が曲がって胃を圧迫し、逆流性食道炎の大きな原因になります。

 治療法は?

 ◆安静にして寝かせておく、コルセットを着用する、鎮痛剤を投与する、というのが一般的な治療法です。これでは、高齢者は安静にしている間に筋肉が弱まって寝たきりになったり、認知症になる場合もあります。痛みが十分に取れない人もいます。

 当院では、「経皮的椎体形成術」という治療を2002年から行っています。欧米では90年代から盛んに行われています。つぶれた椎体に、「骨セメント」と呼ばれる材料を金属針で注入し、骨折した背骨を固定して痛みを取ります。ほとんどの方で痛みが取れ、有効という評価を受けています。2011年からは保険が適用されています。

 どんな手術ですか?

 ◆まずは、治療を行う前に、圧迫骨折が痛みの原因なのかどうか、MRIなどを使って診断します。発症から時間がたちすぎて、椎体の破壊が著しい場合などでは効果が期待できません。

 手術は、うつぶせになり、局所麻酔をして、針を正確に刺すためにCT(コンピューター断層撮影装置)などで針の位置を慎重に確認しながら行います。針を椎体に刺して、セメントを目的部位に注入して、1、2時間のうちに手術処置は終了します。

 手術処置後、骨セメントが完全になじむまで時間がかかるので24時間くらいは安静にしていただいています。比較的若い方では、手術後2、3日で会社に出勤された方もいます。

 注意する点は?

 ◆骨セメントが脊椎(せきつい)以外に漏れ出た場合、肺塞栓(はいそくせん)や脊髄損傷の可能性がありますが、CTで最適なセメント注入部位を決め、術前診断や術中支援でセメントの注入量や、セメントの管理など、放射線科、臨床工学科のスタッフの協力を得て、こうした合併症の発生を防いでいます。

また、弱い骨に固いセメントを入れましたので、高齢者では治療した部位の周辺の弱いままの骨が折れることのないよう、徐々に動いていただきます。骨粗鬆症の治療もしながら、リハビリテーションを続けてもらいます。

■2013.5.25  異常ないびきに気づいた…急変「発見」の容疑者
埼玉県春日部市の特別養護老人ホーム「フラワーヒル」で死傷者が相次いだ問題で、4日間のうちに死亡した入所者3人について、傷害容疑で逮捕された介護福祉士大吉おおよし崇紘容疑者(29)が、ホームの同僚らに「異常ないびきをしているのに気づいた」などと説明していたことが、市が作成した報告書でわかった。

市の報告書によると、大吉容疑者は2010年2月15日、女性(当時78歳)の呼吸が止まっているのを発見。女性はその後、急性心筋梗塞の疑いで死亡した。大吉容疑者は「タオルをしまいに来て様子をうかがったところ、顔が白くなっていたので手をかざすと呼吸が止まっていた」と説明したという。翌16日には、別の女性(当時78歳)の呼吸異常に大吉容疑者が気づいたといい、「自分の指導者を捜しに部屋に入ったところ、異常ないびきをしているのに気づいた」と話したという。女性もその後、死亡した。

■2013.5.25  カブトムシ:幼虫贈る 白石の知的障害施設、今年も園児らに /宮城 社会福祉法人「白石陽光園」
白石市福岡長袋の社会福祉法人「白石陽光園」が運営する知的障害者通所厚生施設「生活介護とも」は24日、市北保育園の園児にカブトムシの幼虫25匹を贈った。順調に生育すれば7月上旬には成虫になるという。

同施設の利用者47人は、施設内でシイタケ原木や腐葉土を使ってカブトムシを飼育。毎年、市内の園児や児童たちに贈っている。今年も市内六つの保育園と幼稚園に計120匹を寄贈するという。

この日受け取った園児たちは施設職員から「カブトムシは森の掃除屋さん。霧吹きなどで適度な水分を与え、暗く涼しい場所で育ててください」などと説明を受けると、「大事に育てます。ありがとうございました」とお礼を述べ、興味深げに幼虫に見入っていた。

■2013.5.25  仙台・障害者就労支援不正 エコライフ、自己破産へ
障害者就労支援施設などの運営をめぐる給付金不正受給が発覚した仙台市の株式会社「エコライフ」は24日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンク仙台支店によると、負債総額は3億円を超える見通し。従業員40人は全員解雇された。

エコライフは2009年に設立。「バンビの杜」の名称で、関連会社とともに同市や宮城県利府町、大阪市など計11カ所で就労支援施設や老人介護施設を運営していた。12年3月期には約2億円の収入があった。
 
偽造書類を使った給付金の不正受給がことし4月に発覚。6カ所の事業所指定が取り消され、自治体から計約3億4000万円の返還請求を受けている。
 
同社の代理人弁護士は「返還請求には応じられない可能性が高い」と説明している。

■2013.5.25  災害に備え、全小学校にリヤカー配備 松山
愛媛県松山市は災害時の主要な避難所となる市立59小学校全てに折り畳み式リヤカーと非常用小型発電機を各1台配備する方針を固めた。野志克仁市長が24日朝の街頭演説で明らかにした。6月6日開会の定例議会に提出する一般会計補正予算案に費用を計上する予定。
 
市によると、リヤカーは物資運搬のほか高齢者や障害者の避難に利用。発電機は停電時の照明や避難者らの携帯電話の電源確保などを想定している。
 
2013年度当初予算で9校分の導入費1208万円を計上済みで、自主防災組織が既に保有している地域もあるが、「行政側の準備」として市立全小学校への配備を検討。追加50校分の予算は計800万円程度を見込んでいる。
 
リヤカーは担架を載せられるタイプなどさまざまな種類があり、予算案が可決されれば、配備場所などのスペースや地元のニーズなどを考慮して種類を決めたいとしている。

■2013.5.25  障害者施設から優先調達 目標1250万円 栃木
障害者の収入向上を図るため、県は24日までに、県教委や県警を含むすべての部局が発注する物品や作業を、障害者が働く施設から優先的に調達することを定めた県障害者優先調達推進方針を制定した。4月の障害者優先調達推進法施行を受けた取り組み。初めてとなる本年度の調達目標額は1250万円。福田富一知事は定例記者会見で「チーム県庁として全庁挙げて取り組んでいく」と表明した。

同法施行を前に、県は1月に庁内連絡会議を設け、目標額の検討を始め「いち早く(方針を)制定した」(県障害福祉課)という。

対象となる調達先は、障害者就労支援事業所や重度障害者を多数雇用する事業所、在宅就業障害者など約120カ所。ちらしなどの印刷物、会議で提供する弁当、機密文書細断、清掃、袋詰め作業などの発注を進める。

県はこれまでも対象施設からの調達を行っており、2012年度の実績は746万円だった。方針制定によって13年度はその1・7倍を目指す。目標額は毎年設定し、実績も公表する。

■2013.5.25  支援学級生徒にいじめ、集団で服脱がそうと
長崎県佐世保市の市立中学校で、複数の3年男子生徒が同校の特別支援学級の3年男子生徒2人に対し、ズボンや下着を脱がせようとするなどのいじめ行為を繰り返していたことが分かった。

同校や市教委によると、生徒7人が8日の昼食会の後、特別支援学級の生徒1人をあおむけにして手足を押さえつけ、ズボンの上から下半身を触ったり、ズボンと下着を脱がそうとしたりした。被害生徒が泣いて抵抗したことなどから発覚した。

被害生徒らに対する聞き取り調査の結果、4月22日にも、この7人を含む8人が被害生徒を羽交い締めにして下着を脱がそうとするなどしていたことが判明。また、今月14日に全校アンケートを実施したところ、特別支援学級の別の男子生徒が「うざい」「くさい」などの暴言を吐かれていたことも分かった。同校は「昨年夏頃からいじめが繰り返されていたようだ」としている。

■2013.5.26  災害弱者、県内に5万4千人 最多は秋田市
災害時に自力で避難できない高齢者や障害者ら「災害時要援護者」(災害弱者)が、県内で5万4437人(4月1日現在)に上ることが25日、秋田魁新報社の調べで分かった。国は2005年に災害弱者の具体的な避難方法を記した「個別計画」の策定を市町村に求めたが、県内での計画策定は9市町村にとどまる。

災害弱者は、最多の秋田市で2万3540人。由利本荘市6655人、大仙市5021人がこれに続き、3市で全体の65%弱を占める。高齢化と一人暮らし世帯の増加が進む本県では、要援護者が年々増えると見込まれる。

要援護の対象は市町村が独自に定めているため、県は全県の人数を把握していない。

■2013.5.26  介護職員、送迎先の住宅で現金を盗んだ容疑 介護職員瀬藤渡容疑者(44)
新潟県警新潟東署などは25日、同県五泉市石曽根、介護職員瀬藤渡容疑者(44)を窃盗と住居侵入容疑で逮捕した。

発表によると、瀬藤容疑者は22日午前9時45分頃、新潟市中央区の住宅に侵入し、現金2万円を盗んだ疑い。瀬藤容疑者は、介護施設に通う人を送迎する運転手を務めており、被害にあった住宅は送迎先で、当時留守だったという。

調べに対し、瀬藤容疑者は「家の中には入ったことがない」などと話しているという。

この住宅が以前にも1度同様の被害にあっていることから、同署は余罪を含め詳しく調べている。

■2013.5.26  手話通訳士資格を持つ益田市職員・田根亜由子さん /島根
◇田根亜由子さん(33)

4月に益田市に採用され、県内で初めて手話通訳士の資格を持つ自治体の正規職員となった。生活福祉課に配属となり、民間の仕事では経験しなかった行政の事務にまだ慣れない様子だ。聴覚障害者を含め市民が抱えるさまざまな困難に向き合いたいと望むが、「今は、まず仕事を覚えることが先決ですね」と笑う。

手話通訳士は厚労省が認定する合格率約20%の公的資格。手話でコミュニケーションする人には不可欠で、手話の個人差も理解して意思疎通する。ただ、県内には現在12人しかおらず、なかなか育たないのが現状という。

原点は小学生時代。下校時に出会う大人にあいさつする中、1人だけ通じない男性がいた。「耳が聞こえないのかも」と思い、手も挙げるようにし、卒業まであいさつだけは続けた。高校時代、手話の存在を知って男性を思い出した。「手話ができれば話ができるんだ」。

高校卒業後、地元の手話サークルで手話を学び、聴覚障害者と交流を重ねた。1983年の水害など、いざという時に障害者が直面する苦難を知った。「必要とされた時、資格がないからできないとは言いたくない」。仕事の合間をぬって県認定の手話通訳者、さらに手話通訳士の資格を得た。

自身、難病の全身性エリテマトーデスを抱え、足などに障害を持つ。「障害者や高齢者、難病者らの目線をまちづくりに反映させれば、すべての市民にとって住みやすい安全で安心な町になる」と意気込んでいる。

■2013.5.26  救われた犬たちがセラピーで人救う
殺処分寸前の捨て犬や、東日本大震災で飼い主を失った被災犬を保護し、セラピードッグ(治療犬)に育成している大木トオルさんの活動報告会が二十五日、大木さんが代表を務める「国際セラピードッグ協会」(中央区銀座)で開かれた。

「犬たちの生誕祭」と称した会では、大木さんが育てたセラピー犬第一号で、七年前に病死したチロリの功績を紹介。中央区の高齢者施設で実施している動物介在療法を説明した。

「セラピードッグは、高齢者や障害者に『アイコンタクト』で話し掛ける」と大木さん。認知症の男性や、脳障害で長年寝たきりだった高齢女性が、犬たちとの触れ合いで笑顔を取り戻し、困難だった歩行ができるようになったり、不自由な手が動くようになったりした実例を挙げた。

大木さんは大震災以来、被災地での犬の保護、セラピードッグによる被災者への心のケアなどに取り組んでいる。

被災犬八匹も会場に登場。やせ細り、恐怖からか凶暴な目つきだった保護された際の映像を見た参加者は、除染してもらい、わずか数カ月で健康な身体と穏やかな表情を取り戻した犬たちの姿に、安堵(あんど)していた。「いずれ彼らも立派なセラピードッグになって福島で被災者のために活躍してくれるでしょう」と大木さんは期待を込めた 

■2013.5.26  全盲の柳川さん、トライアスロンで世界へ
アトランタパラリンピック(1996年)男子フルマラソン全盲の部金メダリストの柳川春己さん(57)=佐賀市=が、6月1日にフランスで開かれるトライアスロン世界選手権の視覚障害者部門に出場する。「努力を怠らず、人生を磨き続けたい」と鍛錬を重ねてきた柳川さんは佐賀大トライアスロン部のサポートを受け、過酷な鉄人レースで優勝を目指す。

柳川さんは昨年、長崎県五島で開かれた大会に出場。55〜59歳の部で2位になり、世界ロングディスタンストライアスロン選手権の切符をつかんだ。世界選手権はスイム4キロ、バイク(自転車)110キロ、ラン30キロの長丁場。佐賀大大学院2年の湧川盛洋さん(24)が伴走を務める。

2人はゴムひもで体をつないで泳ぎ、ランはロープを握って走る。2人乗りの自転車は湧川さんが前に乗り、ギア変速や右左折、カーブの指示、路面状況などの情報を伝える。月2回のペースで練習を重ね、大会に備えてきた。

柳川さんがトライアスロンを始めたのは05年。唐津市で開かれる大会で出場の打診があったが、まだ25メートルほどしか泳げなかった。それでも「25メートル泳げるなら、長い距離も不可能じゃない」と前向きに取り組み、徐々に力を付けた。ただ、50歳で挑んだ大会では自転車で制限時間内にゴールできずに失格の悔しさを味わい、得意のランでさえ脱水症状になったこともある。

さまざまな経験を重ね、大会で出会った友人からもノウハウを学んで力を伸ばしていった柳川さん。一緒にトレーニングに励む佐賀大トライアスロン部の渡邉啓一監督(57)は「柳川さんの前向きな姿勢、心の底からわき出す情熱に触れると、私たちの気分も高まってくる」と話し、湧川さんも「夢に向かい、常に努力し続ける大切さを学んでいる」と刺激を受けている。

「目が見えないと不自由さを感じるが、目標を持たずにいる人より幸せな日々を送っていると思う。これからも人生を磨き、輝かせたい」と柳川さん。トライアスロンが正式競技となるリオデジャネイロパラリンピック出場も見据え、世界の強豪に挑む。

■2013.5.26  焼酎ラベル10万枚突破 鹿屋の知的障害者手作り
知的障害者が手作りするラベルを貼った丸西酒造(志布志市有明)の芋焼酎「深海 うなぎ」が足かけ8年で出荷10万本を突破した。全国の酒販店の共感を呼び、同社の代表銘柄の一つに成長。「コツコツ積み上げた結果」と、施設通所者の自信につながっている。
 
ラベル作りをしているのは、鹿屋市のNPO法人一歩会eすぺーす(新小田幸代理事長)が運営する知的障害者の就労継続支援施設の通所者13人。2005年に開所、社会に貢献できる仕事を探していたところ、同市の酒販会社の仲介で丸西酒造との縁ができた。06年に初出荷、今年4月末に累計10万本を超えた。

■2013.5.26  「しょうぶ学園」施設長・福森伸さん /鹿児島 パーカッションバンド「otto&orabu」
◇ピュアな感性引き出す−−福森伸さん(53)=鹿児島市

女優の広末涼子さんが出演するファッションブランドのテレビCM。鹿児島市の障害者支援施設「しょうぶ学園」の利用者と職員でつくるパーカッションバンド「otto&orabu」のオリジナル曲がBGMに採用され、話題になった。民族楽器の即興的でふぞろいな音色が、見る者、聞く者を圧倒する。施設長の福森伸さんが指揮を執る。

木々に囲まれたしょうぶ学園は、大学のキャンパスのような開放感がある。そば屋やパン工房。奥へ進むとパスタ&カフェ店が目を引く。知的障害者が職員と働き、商品を近隣住民に提供している。父操(みさお)さんと母悦子さんが1973年に設立した。

自身は日本体育大学を卒業後、アメリカを1年間旅し、東京で「今で言うフリーターのような仕事」をした後、83年にUターンした。

福祉の経験がなかったことが、かえって良かったのだろう。障害者と木工作業の下請けの仕事をするうちに、疑問が膨らんでいった。下請けは発注主の求め通りに商品を仕上げないといけない。しかし、彼らが得意としない仕事を一から訓練することが「彼らにとってハッピーなのか」。そこで施設の方針を一大転換した。

例えば布の工房「nui project」。15人ほどの利用者が黙々と布や洋服に刺しゅうを重ねる。模様や色遣いは利用者のセンスに委ねられており、職員がその布をワイシャツやかばんに装飾として張り付け完成させる。仕事ありき、ではなく利用者ありき、が「しょうぶ学園」では貫かれている。1枚の布が完成するまでに3年かかることもある。

「otto&orabu」も利用者の感性を大事にするため、曲は全てオリジナルだ。結成10年。今は6月にある名古屋公演に向け練習に余念がない。

「彼らには、他者に左右されない『ピュア』な才能がある。それを引き出し、コーディネートするのは私たちの役目。こちらが彼らに合わせる方が楽ですよ。私たちにはその知恵がある」

■2013.5.27  法定雇用率引き上げ 障害者適性、見極め戦力に
企業が障害者雇用を増やす動きが広まっている。企業に義務づけられた障害者の法定雇用率が4月に引き上げられたためだ。

ooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo

法廷雇用率の推移
1976年 1.5%身体障害者の雇用を義務化
 88年 1.6%知的障害者も算入可能に
 98年 1.8%知的障害者の雇用を義務化
2006年  精神障害者も算入可能に
 13年 2.0%
 18年  精神障害者の雇用を義務化へ

ooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo

ただ、軽度の身体・知的障害者などに求人が集中し、障害の種類や程度によっては、依然として就職が困難な人も多い。採用後の定着を支援する取り組みも課題だ。

■就労時間や教え方工夫

人材派遣大手「パソナ」のグループ会社「パソナハートフル」(東京都千代田区)では、様々な障害を持つ人が働く。営業資料の作成、文書のコピーやファイリング補助、郵便物の発送。パソナグループ各社から請け負ったオフィス業務を、適性に応じて受け持っている。

同社は、雇った障害者を親会社の雇用率に参入できる特例子会社で、従業員の9割以上が身体、知的、精神などの障害を持つ。採用した障害者にはジョブコーチがつき、適している仕事を見極めたうえで、就労時間や教え方を工夫するなど必要な支援を行っている。10年以上勤務している知的障害のある男性(31)は、「作業の優先順位がわからなかったりするけど、同僚に教えてもらえるから働ける。頼まれたことがちゃんとできるとうれしい」と話す。

同社では、企業向けの障害者雇用のコンサルティング業務も行っている。白岩忠道・管理統括部長は、「会社の業務を分析して、障害者に適した仕事を切り出すことが重要。必ずそうした仕事はあり、障害者も戦力として十分活用できる。他の社員は本来業務に専念できて効率が上がり、会社の業績にとってもプラスになる」と話す。

大阪市の中堅貨物会社も、6年前から障害者雇用に積極的に取り組んできた。ここ数年は法定雇用率を上回る知的障害者らを雇い入れ、荷物の仕分け作業や清掃を任せてきた。漢字が読めない従業員のため、仕分けの分類を数字で示すなど工夫。「仕事を覚えれば、まじめに休まず一生懸命取り組み、あいさつもきちんとしてくれる。会社にとって欠かせない人材」(人事担当)。当初は採用を不安視していたベテラン作業員の意識も変わり、協力を惜しまなくなった。

■求人が軽度者に集中

障害者雇用に本腰を入れる企業が増えてきた。

企業に義務づけられた障害者の法定雇用率が4月に引き上げられ、従来の1・8%から2・0%になった。達成していない企業は、労働局などの指導対象となり、改善できなければ社名を公表される。一定規模以上の企業であれば、不足1人あたり月5万円の納付金も課せられる。これまで法定雇用率の達成企業は半数以下にとどまってきたが、企業は負担増を避けるためにも採用増を迫られ、人材確保に必死だ。

「就労経験のある障害者などは引く手あまたで、採用数を大幅に増やさなければならない大企業が確保してしまい、中小企業は雇いたくても雇えない状況」と、社会保険労務士の吉本俊樹さん。

ただ、企業の求人は軽度の知的・身体障害に集中し、それ以外の障害者の就職は依然として厳しい。

昨年3月に大学を卒業した大阪府吹田市の男性(24)は、難病の網膜色素変性症のため極度の弱視。大学に入ってから症状が悪化し、黒板の字もテレビも見えなくなった。就職活動では障害者の求人をしている企業を回ったが、どこも不採用。「視覚障害でパソコン操作ができるのか、オフィス内の移動が危ないんじゃないか、などと疑っているようだった」

障害者への職業訓練を実施する社会福祉法人日本ライトハウスの関宏之常務理事は「重度、軽度を問わず、適切な支援があれば働ける人は多い。最初から無理と断定せず、企業は雇用を前向きに検討してほしい」と話す。

■採用後の定着支援を

採用後の定着支援も課題だ。せっかく就職しても、仕事が本人の適性と合わず、働き続けられないケースも目立つ。埼玉県の調査では、離職する障害者の6割が勤続期間の短い20〜30歳代の若者。障害特性を理解しておらず、サポートの仕方が分からない企業が多いことなどが原因とみられる。

都道府県の障害者職業センターなどでは、障害者の職場環境について助言する「ジョブコーチ」を希望する企業に派遣している。東京学芸大学の松矢勝宏名誉教授は、「専門知識を持つ特別支援学校や障害者職業センターと企業の連携を強化し、障害者が職場に定着できる取り組みを進める必要がある」と強調する。

企業の障害者雇用の義務は、今後も拡大される見込みだ。現在は身体・知的障害者だけが対象だが、今国会で予定される障害者雇用促進法の改正では18年度から精神障害者も加えることにしている。難病患者も加えてほしいとの要望も強い。障害者手帳を持つ発達障害者も増えている。「欧州並みに3%程度まで上がる」とみる専門家も多い。

多様な障害を持つ人の就労を支えるには、企業が医療や福祉の専門職と協力することも必要になってくるだろう。

障害者が働き続けられるよう配慮する職場は、高齢者や子育て・介護中の人など様々な事情を抱える労働者にとっても働きやすいはずだ。すべての人が能力と意欲に応じて働ける環境作りが求められている。(梅崎正直)

法定雇用率 障害者雇用促進法で一定規模以上の企業に義務づけられた障害者の雇用割合。2012年の実雇用率は1.69%。対象企業が4月に従来の「従業員56人以上」から「50人以上」に拡大された。従業員200人超(15年度以降は100人超)の企業については、未達成なら不足1人あたり月5万円の納付金が課せられ、達成していれば超過1人あたり月2万7000円の調整金が受け取れる。

■2013.5.27  接客任せ障害者にやりがい カフェやキッチンカー  「ソーシャルカフェ サインウィズミー」
障害者が接客に関わって自立的に働いたり、仕事の能力を高めたりできる場が広がっている。聴覚に障害があるスタッフが手話や筆談でもてなすカフェや、知的障害者が軽食を販売して就労経験を積むキッチンカーなど。単調な作業ではなく、障害者がやりがいを持って働ける環境を整える狙いがある。

 ◆手話・筆談で注文

東京都文京区本郷のビル2階。スープが人気の「ソーシャルカフェ サインウィズミー」は、手話と筆談を「公用語」とするカフェだ。経営者の柳匡裕さん(40)とスタッフ6人は全員、聴覚に障害があり、お客は手話や筆談のほかメニューを指さしてやりとりする。

壁には筆談に使えるホワイトボードが張られ、クラシック音楽が流れる店内で話し声は時折聞こえる程度で、落ち着いた雰囲気だ。中には手話で話しかけられて驚き、注文せずに帰ってしまうお客もいるが、次第にリピーターが増えた。1日平均で約60人の来店客の中には外国人も多い。

自動車メーカー研究所や障害者の就労支援会社での勤務経験から、障害者が継続して仕事することの難しさを痛感した柳さんが「聴覚障害者も自立して能動的に働ける場をつくりたい」と2011年末に開店した。

スタッフは「ここではコミュニケーションが難なく取れ、やりがいを感じる」(店長代理の岡本記代子さん)と満足そう。柳さんも「環境が整えば、聴覚に障害があってもおもてなしができることを示したい」と接客力の向上に余念がない。

東京都渋谷区の公園「みやした こうえん」。チキンサンドやコーヒーの香りが漂うキッチンカー「シブヤパークカフェ」では、区内の福祉作業所に通う知的障害者約10人がシフトを組み、接客や清掃、付き添いの職員の調理補助をこなす。

飲食店を営む入江洋仁さん(42)が「人から感謝されてやりがいを感じる障害者向けの就労機会をつくりたい」と今年1月に区と協力して始めた。「ここで培った力と経験を自信につなげ、本格的な就労への可能性を広げてほしい」と期待する。

スタッフは「お客からありがとうと言われるとうれしい」(本田しのぶさん)、「掃除も、人が行き交うのを見ているのも好き」(大鐘那欧也さん)と充実した様子だ。

 ◆戦力として雇用

厚生労働省によると、民間企業で働く障害者は年々増え、12年は38万人強。従来は仕分けといった単純な作業が多かったが、障害者の就労支援会社ウイングル(東京都港区)によると、最近は経理やパソコン関連、介護など専門知識・技術が必要な職種に就く人も増えている。

企業に義務付ける障害者の法定雇用率が4月に1.8%から2.0%に引き上げられ、「戦力として障害者を雇いたいという企業の相談も多くなっている」(ウイングル広報の三谷郁夫さん)。接客サービスを含め、働きがいを求める障害者に応える機会は着実に広がりつつあるようだ。

■2013.5.27  障害者施設の商品券配布 京都市の式典記念品
京都市は、市の式典などの記念品としてギフトカード(商品券)を配り、障害者施設の製品や飲食と交換できるシステムを導入した。障害者施設の製品を購入する機会を増やし、販路の拡大につなげる。全国的に珍しく、政令市では初の取り組みという。

市では、市民を対象とした行政調査の謝礼や式典での記念品として、障害者施設などでつくられた製品を配っている。しかし、一時的な大量発注になるため、手作りでは追いつかないこともあったという。

今回、障害者施設の製品を展示・販売するアンテナショップ「はあと・フレンズ・ストア」(下京区)が、事業主体としてギフトカード(1枚100円券)を新たに発行。市は同ストアからギフトカードを購入し、記念品として市民に配布する。受け取った市民は同ストアや市内で各施設などが運営する32店舗で、クッキーや陶製品、コーヒーなどと交換できる。施設側は受け取ったギフトカードを同ストアで現金にする。

従来の仕組みに加え、新システムの導入で、施設側の販路拡大につながるほか、ギフトカードを使う人は、気に入った製品を選択できるメリットがある。

市は厚労省の国民生活基礎調査を約3600世帯に始めており、100円券3枚を謝礼として各世帯に配布し始めた。今後、市社会福祉大会の功労者表彰などでも配る予定。

市保健福祉総務課は「市民に製品を知ってもらえる機会が増える。取り組みを広げていきたい」としている。

■2013.5.27  ホンダ労組が支援教材寄贈 狭山市障害者就労
ホンダの「本田技研労働組合埼玉支部」(狭山市、太田光紀執行委員長)が、障害者向け就労支援教材を、狭山市の「市障害者就労支援センター」に寄贈した。「市のために役立ちたい」と組合員がカンパし、購入したという。

教材は、ノートや鉛筆などの文具類、それらを収納するラック、パソコンなどで構成。文具やラックは仕分け作業の訓練に、パソコンは文書作成や計算などに使用する。就職のための能力向上や、適性を判断するための材料になるという。

企業の障害者法定雇用率は今年四月、それまでの1・8%から2%に拡大されたが、仕事が続かず辞める人が少なくないという。市障害者福祉課は「寄贈は大変ありがたい。能力向上や適性判断に利用させていただき、一人でも多く、職場に定着できるようにしたい」と話している。

■2013.5.27  「競馬やサラ金の返済に使った」 元事務局長9200万円着服 神戸、関西最古の老人ホーム 社会福祉法人神戸老人ホーム
神戸市東灘区の社会福祉法人「神戸老人ホーム」は27日、同法人の元事務局長の男性(57)=懲戒解雇=が、昨年10月までの12年間にわたり約9200万円を着服していたと発表した。同法人は業務上横領罪で兵庫県警東灘署に告訴する方針。

同法人によると、元事務局長は平成11年に会計担当の事務員となり、12年から事務長、20年からは事務局長を歴任。法人内の各事業所の従業員から源泉徴収した所得税や住民税を一括納付する際、一部を着服していたという。

昨年8月、財務担当の理事が会計処理に不審な点があると元事務局長を追及して発覚。元事務局長は法人の調査に「競馬などのギャンブルやサラ金の返済に使った」と着服を認めたという。

同法人は明治32年に設立された関西初の老人ホーム「神戸友愛養老院」が起源。現存する老人ホームとしては国内で最も古いとされ、神戸市内に特別養護老人ホームやデイサービス施設など13事業所を展開している。

■2013.5.27  自閉症の長女が画家、小野崎静さん /秋田 「アウトサイダーアート」
新感覚のアートで知られる娘の晶さんに寄り添い、「内なる言葉」を一つずつ引き出した。「いくつですか」「17歳でーす」「いくつですか」「はたち、はたち!」

言葉が遅い。普通の子と違うようだ。よちよち歩きの頃から行く末を案じ、焦がれるほど切望した母と子のコミュニケーション。それが獲得でき、「今では言葉も増えた。家庭での会話に不自由はない」と感謝する。

知的障害者らが制作した美術品は、現実に名利を追わず、人間の根源、生きる喜びを表す芸術「アウトサイダーアート」と言われる。晶さんはコンピューターグラフィックス、パステル、水墨、水彩、アクリルなど多彩な画法を駆使する。大曲養護学校中学部当時から、自宅に近い大仙市大曲中通町3の画廊喫茶ブランカで個展「akiponワールド」などを連続的に開いてきた。

「小野崎晶」の存在を確定的にしたのは昨年7月に秋田公立美術工芸短大(現秋田公立美術大)であった全国規模の「いのちのありか生きる力がここに!」。同大助教で、実質的に県内初のアウトサイダーアート展を手掛けた安藤郁子さんが述懐する。「作品をお借りすることになり、家に伺って晶さんの部屋を見せてもらった。創造力を自由に伸ばし、楽しく描けるような雰囲気、家族のフォローのようなものを感じた」

それを伝え聞き、「孤軍奮闘で」子育てをした母親は涙をこぼした。「本当にうれしい。一番の理解者の25歳の息子と、『絵をやらせたら』と言ってくれた大曲小の校長先生たちに感謝したい」

3冊の大判ノートを取り出し、ページを繰りながら「夢中になって描いている時は、パニックになって脱走する心配はない。紙と鉛筆を切らさないようにしただけ」とちゃめっ気たっぷりな笑みを浮かべた。表紙に「お母さんの勉強ノート」と書いてあった。

グッズやポスターなどで少しずつ収入が得られるようになった。「親があきらめたらダメ。可能性を信じて頑張る」と前を向く。

■2013.5.28  障害者カフェ、就職への一歩 支援事業所が都留にオープン  社会福祉法人「小さな花」
障害のある人の就労支援事業所「チャレンジ・ドリーム」(都留市つる1丁目)は、事業所利用者らが栽培した野菜をメニューに取り入れたカフェ「はなちゃんカフェ&ショップ」(同市上谷5丁目)をオープンした。フロアスタッフも事業所利用者が担当していて、関係者は「経験を積み、就職へのステップアップにしてほしい」と期待している。

同事業所は社会福祉法人「小さな花」(石田一夫理事長)が運営しており、これまでにも同市内に利用者が栽培した野菜の直売所などを開設している。この時季は約50種類の野菜や果物を育てており、同事業所事務局長の志村裕一さんは「野菜を味わってもらうとともに、事業所利用者には働いてお金を稼ぐこと、必要とされることの喜びを感じてほしい」と話す。

カフェは同所にある野菜直売所「環の拠点」奥の店舗で営業。10〜30代の利用者8人が接客や配膳などを担当しており、志村さんによると、カフェで働いていた利用者が市内の企業に正社員として就職が決まった例もあるという。

カフェは昨年7〜12月に完全予約制で試験的に営業。接客練習や新メニューづくりのための休業をはさみ、ことし4月に本格オープンした。カフェでの仕事について、ある女性利用者は「最初は緊張したが今は接客が好き。仕事も楽しい」などと話している。

ランチとデザート&ティーメニューがあり、ランチは千円で、カレーとピザの2種類から選べる。どちらもサラダ、前菜、デザートなどが付く。午前10時〜午後5時(ランチは午前11時半〜午後2時)。日、月曜と祝日は休み。

■2013.5.28  「あじさい御膳」 障害者支援のカフェで提供 宇土市 「銀河カレッジ」
知的障害者が働く宇土市石小路町の「昭和カフェ銀乃船」が、市の花となっているアジサイの季節に合わせて「あじさい御膳」を提供している。涼しげで優しい味わいが特徴で女性客に人気だ。6月15日まで。

カフェは障害者の支援センター「銀河カレッジ」(梅田伊津子施設長)が運営。築70年の木造洋館を改築し、季節ごとに地元野菜を使った料理を出す。

あじさい御膳は前菜やメーン、デザートの全14品。オクラのあんがかかった冷製茶わん蒸しやアサリの酢みそがけ、トマトのシロップ蒸しなど季節感たっぷり。同市のパート女性(59)は「手が込んでいて心も癒やされます」と楽しんでいた。

1500円。1日10食限定で予約が必要。6月8日は午後2時から市民吹奏楽団有志の無料コンサートもある。

■2013.5.28  病院で高齢者防犯教室…宮崎・都城
受診前の空き時間に高齢者の防犯意識を喚起しよう――。宮崎県都城市の病院事務長に転じた元警察署長が企画した出前防犯教室が注目を集めている。

高齢者を中心に振り込め詐欺などの被害に遭う人が後を絶たないことから、「古巣で築いた人脈や経験を役立てよう」と思い立った。

防犯教室が行われているのは、都城市年見町の病院「ベテスダ・クリニック」(釘宮博志理事長)。循環器内科や脳神経外科があり、早朝の患者の大半はお年寄りが占める。1階の待合室で13日に行われた教室には、都城署都城駅前交番の飯迫仁志所長(34)が講師役で訪れ、診察を待つ約30人に「送り付け商法」と呼ばれる詐欺の手口を紹介した。

自宅に突然電話があり、名乗らずに食べたい物や住所を尋ね、答えると、頼んでもいない海産物や健康食品が届く。高額な代金を要求し、拒んでも強引に言いくるめ、押し切られるケースもあるという。飯迫所長は「おかしいと思ったらはっきり断り、受け取る必要はない。困った時は警察に相談を」と呼びかけた。

同病院での防犯教室は4月から始まり、これまで3回開かれた。企画した椎(しい)康一(やすいち)事務長(64)は県警捜査1課や捜査2課に長く勤め、2010年3月、都城署長で定年退職した。今年4月に知人の紹介で事務長になった。

県警によると、振り込め詐欺など特殊詐欺の件数は県内で今年に入って15件(4月末現在)。被害額は7000万円に上る。前年同期と比べて件数で5件、被害額は5600万円増えている。過去最悪の被害額1億9500万円だった昨年を上回るペースだ。

手口は多様化しており、株や債券など金融商品の購入を呼びかけたり、宝くじの当選番号を教えるとうそをつき、金を要求したりするケースが増えているという。

「高齢者が集まる病院なら注意を呼びかけやすい」と考えた椎さん。「新手の犯罪が増えている。積極的に情報発信し、被害の防止に貢献したい」と語る。今後は交通安全教室も開く考えだ。

受講した三股町樺山の金丸福海さん(88)は「最新の手口を聞くことができて良かった。被害に遭わないように気をつけたい」と気を引き締めていた。

県警もOBの取り組みを歓迎する。都城署地域課の高橋広治係長は「警察官が直接語ると説得力があるようで、高齢者にも伝わりやすい。要請があれば積極的に協力する」と話している。

■2013.5.28  不正受給:障害福祉事業の運営会社、和歌山市が指定取り消し /和歌山 「日本おんがえし」
和歌山市は27日、知的・精神障害者を対象とした居宅介護事業所などを運営する会社「日本おんがえし」(和歌山市東小二里町、小嶋治子社長)の障害福祉サービス事業所指定を取り消すと発表した。架空請求で不正受給していた給付費など計約3370万円を返還請求する。指定取り消しは31日付。

市障害者支援課などによると、同社は2011年4〜6月、知的・精神障害者居宅介護など3事業所について、勤務予定のない従業員を記載するなどの虚偽の書類を作成、提出して県の指定や同市の登録を受けた。その後、今年2月までの間、この3事業所で利用者にサービス提供を行ったように装って架空請求を繰り返し、給付費として約2460万円を不正受給したとしている。

同市が昨年10月18日に実地指導した際に不正受給の疑いが判明。その後も調査を続け、今年2月から事業所の利用者や従業員たちに事情聴取していた。利用者14人は他の事業所など受け入れ先を確保する。

市は、詐欺容疑で県警に告訴する方針。

■2013.5.28  障害者カフェ、就職への一歩 支援事業所が都留にオープン  「チャレンジ・ドリーム」
障害のある人の就労支援事業所「チャレンジ・ドリーム」(都留市つる1丁目)は、事業所利用者らが栽培した野菜をメニューに取り入れたカフェ「はなちゃんカフェ&ショップ」(同市上谷5丁目)をオープンした。フロアスタッフも事業所利用者が担当していて、関係者は「経験を積み、就職へのステップアップにしてほしい」と期待している。

同事業所は社会福祉法人「小さな花」(石田一夫理事長)が運営しており、これまでにも同市内に利用者が栽培した野菜の直売所などを開設している。この時季は約50種類の野菜や果物を育てており、同事業所事務局長の志村裕一さんは「野菜を味わってもらうとともに、事業所利用者には働いてお金を稼ぐこと、必要とされることの喜びを感じてほしい」と話す。

カフェは同所にある野菜直売所「環の拠点」奥の店舗で営業。10〜30代の利用者8人が接客や配膳などを担当しており、志村さんによると、カフェで働いていた利用者が市内の企業に正社員として就職が決まった例もあるという。

カフェは昨年7〜12月に完全予約制で試験的に営業。接客練習や新メニューづくりのための休業をはさみ、ことし4月に本格オープンした。カフェでの仕事について、ある女性利用者は「最初は緊張したが今は接客が好き。仕事も楽しい」などと話している。

ランチとデザート&ティーメニューがあり、ランチは千円で、カレーとピザの2種類から選べる。どちらもサラダ、前菜、デザートなどが付く。午前10時〜午後5時(ランチは午前11時半〜午後2時)。日、月曜と祝日は休み。

■2013.5.29  ADHDは作られた病であることを「ADHDの父」が死ぬ前に認める GIGAZINE
多動性、不注意、衝動性などの症状を特徴とする発達障害の注意欠陥・多動性障害(ADHD)は治療薬にメチルフェニデートという薬を必要とするとされていますが、「ADHDの父」と呼ばれるレオン・アイゼンバーグ氏は亡くなる7カ月前のインタビューで「ADHDは作られた病気の典型的な例である」とドイツのDer Spiegel誌に対してコメントしました。

http://www.spiegel.de/spiegel/print/d-83865282.html

当初「幼少期の運動過剰反応」と呼ばれており、後に「ADHD」と名付けられた注意欠陥・多動性障害は1968年から40年以上にわたって他の精神疾患と並んで精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-IV-TR)に名を連ねています。

障害の定義付けに伴いADHDの治療薬の売上も増加し、1993年に34kgだったものが2011年には1760kgになり、18年間で約50倍に跳ね上がっています。薬の投与が広まった結果、アメリカでは10歳の男の子10人のうち1人がすでにADHDの治療薬を飲んでいます。アイゼンバーグ氏によれば、実際に精神障害の症状を持つ子どもは存在するものの、製薬会社の力と過剰な診断によってADHD患者の数が急増しているとのこと。

「ADHDの父」であるレオン・アイゼンバーグ氏の作り出したADHDは過剰な診断と相まって薬の売上を増加させました。そして結果的に2006年から2009年までの精神障害の診断と統計の手引き(DSM)Vや疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)XIIにも貢献。子どもおよび思春期の精神医学研究に対する賞も受賞し、彼は40年以上もの間、薬理学での試みや研究、教育そして自閉症や社会医学のリーダーでした。

一方で、アメリカの心理学者リサ・コスグローブさんらが調査したところ、DSMの委員会のメンバー170人のうち95人、つまり約56%は製薬会社と金融的な関係があることが発見されました。気分障害と統合失調症およびその他精神異常については100%のメンバーが製薬会社とつながっていたとのこと。精神病の治療としてまず薬が投与されるタイプの病気に関しては、特にこのつながりが強かったそうです。

また、カリフォルニア大学のアーウィン・サヴォドニック教授は「精神医学の用語はまさしく製薬会社によって定義されているのです」と語っており、その一例として、マサチューセッツ総合病院の小児精神薬理学科やハーバード・メディカル・スクールの准教授は2000年から2007年までの間に製薬会社から100万ドル(約1億円)以上を受け取っていたことが発覚しています。

Wikipediaによると、DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長も、DSM-IV発表以降、米国で注意欠陥障害が3倍に増加したことについて、「注意欠陥障害は過小評価されていると小児科医、小児精神科医、保護者、教師たちに思い込ませた製薬会社の力と、それまでは正常と考えられていた多くの子どもが注意欠陥障害と診断されたことによるものです」と指摘。

「米国では、一般的な個性であって病気と見なすべきではない子どもたちが、やたらに過剰診断され、過剰な薬物治療を受けているのです」と述べています。医者や教育者、心理学者の果たすべき役割は子どもたちを薬漬けにすることではなく製薬市場から自由にすることであり、もう一度「教育とは何か」「心理学とは何か」ということに立ち返る必要がありそうです。


---------2010年08月19日 -------------------------------------------------------
100万人近くの児童がADHD(注意欠陥多動性障害)と誤診か、学年の中で生まれが遅いことが背景に

幼稚園や小学校の低学年のころ、4月生まれの子どもは教師の話をよく聞き勉強やスポーツもできる「先生のお気に入り」が多く、3月生まれは逆にクラスのトラブルメーカーで「問題児」的な扱いを受ける場合が多い、と感じたことがある人も多いのではないでしょうか?

メディアの影響もありADHD(注意欠陥・多動性障害)の認知度が高く、ADHDを疑って受診する患者数も多いアメリカでは、現在18歳未満の子ども450万人以上がADHDの診断を受けていますが、そのうち100万人近くが誤診である可能性が高いことが明らかになりました。日本でも取りざたされ始めた感のあるADHDですが、アメリカ同様の誤診が発生する可能性を考えると、決して対岸の火事とは言えないようです。

これらの記事によると、ADHDと診断された450万人以上の児童のうち、5人に1人は学年の中で生まれが遅いことが原因で、つまり「5歳児が5歳児らしいふるまいをすると6歳のクラスメートと比べ落ち着きがなく見える」ことによりADHDと誤診されている可能性が高いようです。それらの児童が誤診によりリタリンの処方を受けているということであれば、長期的な健康への影響も懸念されるほか、年間5億ドル(約430億円)規模の金額が無駄になっていると、専門家が指摘しています。

映画やテレビドラマなどにADHDのキャラクターが登場することも多く、マジック・ジョンソンからパリス・ヒルトンまでさまざまな有名人がADHDと診断されことを公言しているアメリカでは、「ADHD」や「Hyper」といった言葉は人を形容する際日常的に使われ、落ち着きがなく衝動的な児童がADHDなのではないかと教師が疑い、専門家を紹介するのはごく一般的なこと。しかし、ADHDに処方されるリタリン(メチルフェニデート)はその覚醒剤的な作用から乱用も多く依存性も高い薬品であり、例えば血液検査や脳波測定といった神経学的な診断方法がまだ確立されていないため、一体どれだけのADHD患者が「誤診」や「詐病」であるのかという議論は絶えません。

ミシガン州立大学の経済学者Todd Elder准教授と、ノースカロライナ州立大学などの経済学者Melinda Morrill准教授らにより行われた2つの別々の研究で、「学年の中で生まれが遅いためADHDと誤診されている児童が多数存在する」という共通の結論を導く調査結果が出ています。

子どもがADHDであることに周囲の大人が気付かず、適切に診断され薬物治療を受けていれば改善されるはずの症状のために学業や社会生活で苦労する、というケースも防ぐべきことですが、逆にADHDでない子どもがADHDであると誤診され、薬の副作用や将来的に薬物依存となる可能性が高まるなどのリスクを負う場合も、子どもが被害者と言えます。

また、ミシガン大学のElder准教授の試算によると、年間3億2000万〜5億ドル(約275億〜430億円)程度の額が、ADHDと誤診された子どもの薬物治療に使われ、そのうち8000万〜9000万ドル(約69億〜77億円)はメディケイド(公的医療保険制度)が負担し税金の無駄遣いになっているそうです。

Elder准教授の研究では、Early Childhood Longitudinal Study(子どもの発達と幼児教育に関する長期的調査プログラム)から約1万2000人のデータを利用し、幼稚園の同じ学年の中で一番早く生まれた子どもと一番遅く生まれた子どもとの間で、ADHDと診断された子どもの割合や薬物治療を受けている割合を比較しました。

その結果、カットオフ・デート(アメリカでは州により異なりますが、「その日までに5歳になっていないと幼稚園に入れない」という日付、日本でいえば4月1日)に生まれた子どもは、カットオフ・デート直後に生まれた子ども(日本でいう4月2日生まれ)と比べ、ADHDと診断される割合が60%も高かったそうです。また、それらの子どもが8年生(日本でいう中学2年生)になった時点では、同じ学年で1番年少の子供は1番年長の子どもとくらべ、向精神薬を処方されている割合が2倍だったとのこと。

これは、カットオフ・デートが異なるさまざまな州でそれぞれの州内の子どもを比較しても、同じ時期に生まれたが住んでいる州のカットオフ・デートが異なるため「早生まれ」になったり「遅生まれ」になったりする子どもを比較しても、同じように明確なパターンが見られたとのこと。

例えば、カットオフ・デートが12月1日のミシガン州では、12月1日生まれ(学年で最年少)の子どもの方が12月2日生まれ(学年で最年長)の子どもよりADHDと診断されている割合が高く、カットオフ・デートが9月1日であるイリノイ州に住む8月生まれの子ども(日本でいう3月生まれにあたる)は、同じ8月生まれでもミシガン州に住んでいる子ども(日本でいう12月生まれにあたる)と比べADHD率が高いといった具合です。

ADHDの診断は専門の医師が行うわけですが、ADHDが発見されることが多い幼稚園〜小学校低学年の子どもでは、クラスでの子どものふるまいを観察した教師による所見が診断に大きく影響する、とElder教授は語ります。

Elder教授の研究では、ADHDと診断されたすべての子どものうち、20%が「学年の中で比較的幼い」ことに影響された「誤診」である可能性が高いというのが最終的な結論で、アメリカには現在、学年の中で生まれが遅いためADHDと誤診されている子どもが約90万人いるという計算になるそうです。

「注意力や落ち着きがなく、じっと座っていられない子どもがいても、それは単に、その子が6歳児の中に紛れた5歳児だからかもしれないということです」と語るElder准教授。「5歳と6歳というのは大きな違いです。教師や医療従事者は、子どもがADHDであるかを診断する際そのことを考慮すべきです」

一方、ノースカロライナ大学のMelinda Morrill准教授らの研究では、国民健康調査や民間の医療保険のデータを用い、Elder准教授と同様にさまざまな手法で、子どもが学年の中で年少であるか年長であるかによるADHDの診断を受ける率の違いを分析したところ、カットオフ・デート直後に生まれた子ども(学年最年長)はカットオフ・デート直前に生まれた子ども(学年最年少)と比べ、ADHDと診断されている割合が25%低いという結果が出たそうです。

仮に、寒い時期の生まれや暑い時期の生まれといった生まれた季節が、何らかの理由によりADHD発症率に影響していると仮定しても、研究では同じ季節に生まれた子どもたちの誕生日がカットオフ・デート直前であるか直後であるかによりADHDと診断される率に大きく差が出るということが示されたので、季節による影響は無視することができます。

「これは、潜在する生物学的・医学的な理由とは別の要素により、ADHDと診断されたりされなかったりする子どもたちがいることを示唆しています」とMorrill准教授は語ります。同じ季節に生まれた子どものADHD発症率は一定であるはずと考えると、診断された率の差は、「7歳児に囲まれた環境で6歳児が6歳らしくふるまっていたため落ち着きがなく見えた」あるいは「5歳児に囲まれた環境で6歳児が6歳らしくふるまっていたため落ち着いているように見えた」ことによる違いであるというのが、合理的な説明とのこと。

例えば、仮に同じような言動をとりADHD発症リスクも同じである一卵性双生児が、カットオフ・デートを挟んで生まれたため違う学年に入学した場合、先に生まれた子どもは自分より年上のクラスメートに囲まれクラスの中で幼く見られ、後に生まれた子どもは年下のクラスメートに囲まれ大人っぽく見られることも考えられるわけで、その双子がそれぞれのクラスで同じようなふるまいをしていても、ADHDかどうか診断を受ける際に2人のそれぞれの担任教師の所見がまったく異なる、ということもあり得ます。

学年の中で年少な子どもに対するADHDの誤診を減らすことができれば、医療費を削減でき、本来薬物投与が不要だったはずの子どもへの副作用などの健康リスクも軽減できるので、この先取り組むべき重要な課題となるかもしれません。教師が児童を観察する際、その子が学年の中で年長な方なのか年少な方なのかを考慮すること、「5歳児と6歳児の違いは大きい」と心に留めておくことが、誤診を防ぐためのポイントとなるようです。

なお、上記Elder准教授の研究に用いられたデータは1998年9月に始まる年度にアメリカのkindergarten(小学校1年生となる前の1年間、日本でいう幼稚園の年長組)に入学した子どものデータで、リタリンやそのジェネリックを含む薬物治療を受けていた割合のデータは、それらの子どもが5年生と8年生になった時点(2003年度と2006年度)でのもの。幼稚園のときにリタリンを処方されていたというわけではありません。

■2013.5.29  障害者丹精の陶器 宇和島市役所ロビー展 「八つ鹿工房」
宇和島市和霊元町2丁目の多機能型障害福祉サービス事業所「八つ鹿工房」(薬師神津一施設長)の利用者が丹精して作り上げた陶器作品のロビー展が27日、宇和島市役所で始まった。31日まで。
 
定期的な展示会を通じて、日ごろの活動を知り、障害者福祉への理解を深めてもらおうと同工房が2001年から毎年開催。今年は利用者20人の約500点が並んでいる。
 
作品は、マグカップや皿などの日用品のほか、形や色使いが個性的な花器、愛らしいネコやカエルの置物、メダカ鉢など多種多様。作品は即売されており、来場者らは品定めもしながら楽しそうに見入っていた。
 
同工房は「ちょっとした癒やしの空間にもなっている。ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けている。

■2013.5.29  新作富士山パン 世界遺産登録に合わせ披露へ 裾野 NPO法人裾野市手をつなぐ育成会
裾野市の障害者らが市役所の敷地内で運営する飲食店「グリーンカフェ花麒麟(きりん)」が、富士山世界文化遺産登録を見据え3種類の「富士山パン」を試作している。チョコレートを使って、裾野市から見える宝永山を表現するなどアイデア商品ぞろい。ほぼ出来上がり、富士山が世界文化遺産に正式に登録される6月下旬にお披露目する予定だ。
 
花麒麟はNPO法人裾野市手をつなぐ育成会が運営している。知的、精神の障害者5人を含む計10人が切り盛りし、食事の提供のほか、店内に併設する窯で焼いたパン約30種類を販売している。
 
富士山の世界文化遺産登録が勧告されたことを受けて「機運を盛り上げよう」(同店)と富士山の形をしたパンの製造、販売を決めた。
 
表面がサクサクしたデニッシュ、スポンジケーキのような食感の甘食、メロンパンの3種類。富士山形のデニッシュの“中腹”に切り込みを入れてチョコレートを流し込み、宝永山に見立てた。デニッシュと甘食には、冠雪をイメージしてホワイトチョコレートをかけた。メロンパンはマスクメロンの生地を使って、新緑の富士山を表現した。
 
「富士山パン」は1個150円で販売する予定。同店の責任者の片貝里絵さん(43)は「形も味も上々のでき。富士山パンを多くの人に知ってもらって障害者のやりがいにつながればうれしい」と話す。

■2013.5.29  「熱中症で錯乱」無罪…通行人襲った男性に判決
神戸市中央区の公園で2012年9月、通りかかった男性2人を殴るなどして重軽傷を負わせたとして、傷害罪に問われた香川県丸亀市の男性会社員(31)の判決が28日、神戸地裁であった。

片田真志裁判官は「会社員は犯行時、熱中症による急性錯乱状態で、心神喪失だった可能性がある」として無罪を言い渡した。弁護側によると、熱中症を理由に刑事責任能力を否定した判決は異例という。

判決によると、会社員は同月9日夜、神戸発香川行きのフェリーに乗り遅れ、野宿していたところ、かばんを盗まれたため、神戸市内を2日間にわたって徘徊(はいかい)。同月11日午後6時頃、散歩中の無職男性(80)を殴り倒した後、顔を踏みつけるなどし、高次脳機能障害の後遺症が残る重傷を負わせ、通行中の40歳代の男性の顔も殴り、軽いけがをさせたとして起訴された。

会社員は2人と面識がなく、目撃者には「殴りかかられたので倒した」と説明し、兵庫県警の調べには「なぜ襲ったのかわからない」などと供述していた。

地裁が職権で実施した精神鑑定では、会社員は2日間、睡眠や食事をとらず、犯行当日の気温が28度、湿度が60〜80%だったことから、「熱中症により、意識混濁や被害妄想などの意識障害が生じていた」との見解を示していた。

検察側は論告で「空腹や疲労のいら立ちを発散するための犯行」と述べ、完全責任能力の場合は懲役5年、心神耗弱の場合は懲役4年と求刑したが、判決で片田裁判官は「会社員は犯行時、人格的な意思決定をする余地はなかった。刑事責任能力が完全に失われていた可能性がある」と結論づけた。

判決後、弁護側は「主張が全面的に認められた」と評価。神戸地検は「コメントしない」としたが、幹部の一人は「猛暑のもとでの犯行であれば、刑事責任を問われないということにつながりかねない」と話している。

■2013.5.29  「リブロ」改善を報告 職員が虐待のNPO
障害者施設で職員による虐待が発覚したNPO法人「リブロ」(福岡県小郡市)は28日、佐賀、福岡両県から出ていた改善命令に対し、再発防止措置の実施報告書を提出した。

同法人は、三養基郡と福岡県に知的・精神障害者の就労支援など10施設を運営。理事長の長男の元総括本部長(48)=暴行罪で起訴=が利用者に身体的虐待や性的虐待を繰り返していたことが発覚し、今月10日、両県から障害者総合支援法に基づく改善命令を受けた。

改善命令では、第三者による虐待防止組織の設置や施設ごとの再発防止計画の策定などを求めていた。佐賀県障害福祉課は「真摯に対応しているか、内容を精査して今後の対応を決めていく」としている。

■2013.5.29  障害者丹精の陶器 宇和島市役所ロビー展 「八つ鹿工房」
宇和島市和霊元町2丁目の多機能型障害福祉サービス事業所「八つ鹿工房」(薬師神津一施設長)の利用者が丹精して作り上げた陶器作品のロビー展が27日、宇和島市役所で始まった。31日まで。
 
定期的な展示会を通じて、日ごろの活動を知り、障害者福祉への理解を深めてもらおうと同工房が2001年から毎年開催。今年は利用者20人の約500点が並んでいる。
 
作品は、マグカップや皿などの日用品のほか、形や色使いが個性的な花器、愛らしいネコやカエルの置物、メダカ鉢など多種多様。作品は即売されており、来場者らは品定めもしながら楽しそうに見入っていた。
 
同工房は「ちょっとした癒やしの空間にもなっている。ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けている。

■2013.5.29  「富山型」介護施設開所へ 新潟・障害者も受け入れ 一般社団法人「ななふく福祉会」
高齢者だけ、障害者だけと隔てるのではなく、共に過ごせることを目指した小規模多機能型居宅介護施設「つどいの家ななふく」が6月1日、新潟市東区海老ケ瀬に開所する。「富山型」と呼ばれる隣県発の取り組みを参考にした施設で、介護が必要な高齢者らに加え、障害がある人も通いや宿泊ができる。障害者を受け入れる小規模多機能型の施設は県内で初めてとなる。

東区の一般社団法人「ななふく福祉会」が運営。介護が必要な人が通いや泊まり、訪問介護を組み合わせて利用し、介護の利用枠に空きがある場合に限り、通いと泊まりで障害者を受け入れる。

こうした取り組みは、富山市のNPO法人「このゆびとーまれ」が20年前に始めた。「富山型」と呼ばれ、全国に波及している。

ななふく福祉会の宝寄(ほうき)佳代子代表理事(49)は介護福祉士でもあり、聴覚障害がある長女の子育てや訪問介護の経験を通じ、「いろんな人が共生できる富山型の施設をつくりたい」と思うようになった。「地域と連携し、誰もが集える場にしたい」と語る。

施設内には利用者が過ごす共有スペースや9部屋の個室、浴室などがある。介護の登録定員は25人で、1日につき通いは15人、泊まりは9人まで。新潟市の東区、中央区、北区が主な対象地域となる。将来的には障害のある子どもの受け入れもしたいと考えている。

新潟日報社が県内市町村に尋ねたところ、地域に障害者施設がないため、特別養護老人ホームなどで泊まりを受け入れているケースはあるが、小規模多機能型の施設で障害者の通い、泊まりができるのは、「ななふく」が初めて。県のまとめでは、ことし3月末現在で県内に小規模多機能型の施設は139カ所ある。

25、26日の両日は内覧会が開かれ、地元住民や障害者らが施設内を見て回った。脳性まひがある同市東区の住民(53)は「個室があってプライバシーが守れていて感じがいい。いつか使ってみたい」と話していた。

■2013.5.29  個展:兄と二人三脚、銀座で初個展 自閉症の画家、福岡の太田さん 独特の色、ユーモアで花や動物描く /東京 「絵届け問屋 kousuke」
重度の知的障害を伴う自閉症の画家、太田宏介さん(31)=福岡県太宰府市=の個展が29日から6月3日まで、中央区銀座5の柴山画廊で開かれる。「弟の才能を多くの人に知ってほしい」と話す兄信介さん(38)との二人三脚で、都内では初めての個展開催が実現した。

宏介さんは小学5年のころから絵画教室に通い始めた。現在は「アート」を活動の柱に据える福岡市内の福祉作業所に所属しながら、花や動物、魚などのアクリル画を描いている。本来の色や形にこだわらずに独特の色彩感覚で描く、大胆かつユーモアあふれる作風が特徴で、10代のころから毎年、福岡を中心に個展を開いてきた。

うまくコミュニケーションが取れない弟の個展開催を支えるのが信介さんだ。脱サラして、弟をはじめ、障害があるアーティストたちの作品販売やレンタル、展覧会企画を手がける会社「絵届け問屋 kousuke」を昨年春に設立。それまで宏介さんを支えてきた両親から引き継ぐ形で、本格的に作品を売り出す活動を始めた。

会社員時代に個展に誘った同僚が、障害の有無と関係なく、宏介さんの作品に素直に感動する様子を見て「弟の才能に気付かされた」と言う信介さん。「広く知ってもらうためには東京に出て行かないといけないと思っていた。開催が決まりうれしい」と話す。

今回の個展では作品約30点を展示即売するほか、人気が高いポストカードや一筆箋などのグッズも販売する。展示時間は午前11時〜午後7時で入場無料。問い合わせは太田信介さん

■2013.5.29  障害を持つ人たちの「アートフレンズ展」開催 千葉・中央区
障害を持つ人たちの総合美術展「第14回アートフレンズ展」(産経新聞千葉総局など後援)が、千葉市中央区の市美術館市民ギャラリーで開かれている。367点の個性豊かな作品が来場者の目を楽しませている。

開会式のあいさつで、熊谷俊人市長は「誰もが自分を表現できる世の中を作る種がここにはある」と同展を応援。主催者の千葉幕張ロータリークラブの寺川典秀会長は「レベルの高い作品に素直に感動してほしい」と述べた。

出品者代表としてあいさつした久保貴寛さん(42)は、「絵本作家になるのがずっと持ってきた夢。絵を描くのは本当に楽しい」と話した。6月2日まで。入場無料。

■2013.5.29  老人ホームに放火の疑い、歯科医師を逮捕 福岡
福岡県粕屋町の老人ホームに放火したとして、福岡県警は29日、福岡市早良区百道浜4丁目、歯科医師立石隆二容疑者(54)を現住建造物等放火の疑いで逮捕し、発表した。

県警によると、4月6日午前4時半ごろ、容器に油を入れて火をつけ、粕屋町仲原の有料老人ホーム「粕屋の杜(もり)」に投げ入れて放火した疑いがある。この火事ではエアコンの室外機2台や事務室の天井など4・5平方メートルが焼け、入所者や職員計15人が煙を吸って病院に運ばれた。

■2013.5.30  青森県内の生活保護受給世帯が最多更新
青森県の2012年度の生活保護受給世帯(月平均)が前年度比549世帯増の2万2983世帯となり、8年連続で過去最多を更新したことが29日、分かった。高齢者と傷病・障害者の受給世帯が全体の約8割に上っているのを踏まえ、県健康福祉政策課は「働いて収入を得ることが難しい人が多いため、今後も増加は続くだろう」とみている。
 
受給者数は前年度比553人増の3万202人で、15年連続の増加。人口千人当たりの受給者の割合を示す保護率は、前年度を0・63ポイント上回る

■2013.5.30  障害者の結婚を橋渡し 6月23日、川越で相談会 「心身障害者結婚相談所」
結婚を希望する心身障害者のキューピット役を務めているボランティア団体「心身障害者結婚相談所」(浜松市、一杉節子代表)は6月23日、川越市郭町の市民会館で、心身障害者の結婚に関する面接相談会を開催する。同相談所は全国各地で相談会を開いているが、県内で実施するのは初めてという。

同相談所は1981年、健常者と比べて、結婚に縁遠い障害者の橋渡しをしようと、静岡県心身障害者雇用促進協会の理事を務めていた一杉さんの夫喜与男さんが発起人となり発足。障害者の結婚相談所は全国的に例がなく、当初は3カ月間で7500人が登録するなど大きな反響を呼んだ。

10年後、喜与男さんが突然過労で死亡。相談所は閉鎖していたが、障害者らの強い要請を受けて、1年後に一杉さんが再開した。その後は要望に応じて全国各地で相談会を開催するなど精力的な事業を展開。2009年現在、登録者は約4千人、結ばれたカップルは329組に上っている。

当日は午前9時から午後8時まで、一杉さんら同相談所のメンバーらが面接に応じる。対象は真剣に結婚を希望し、親や家族が同席できる人。当日は障害手帳を持参する。相談は無料。

■2013.5.30  聴覚障害の少女がデフリンピックに 岡崎・久保さん
岡崎聾(ろう)学校高等部(岡崎市)の二年久保南さん(16)=豊田市配津町=が、七月からブルガリア・ソフィアで開かれる聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の水泳競技に出場することが決まった。日本代表六人のうち最年少といい、憧れの大会に「必ず入賞し、メダルを取りたい」と意気込んでいる。

久保さんは昨年、韓国で開かれたアジア太平洋ろう者スポーツ大会の水泳競技に出場。平泳ぎ200メートルで2分51秒33の日本新記録で優勝し、同50メートルも36秒41で二位に入った。この二種目で全日本ろうあ連盟スポーツ委員会が定めるデフリンピックの基準記録を突破した。大会では同100メートルでも優勝し、久保さんは二つの金メダルを獲得した。

三歳から水泳を始め、小学五年からはよりレベルが高いスイミングスクールに移って泳ぎを磨いてきた。練習がきつく、やめたくなることもあったが「もっと強くなってデフリンピックに出たい」と諦めなかった。

今月二十五日にあった同校の運動会で、全校生徒や保護者らに久保さんの出場が決まったことが発表された。運動会では、PTAがジュース販売の収益を渡航費などに充ててもらう活動を実施し、久保さんは「皆さんの支援に応えられるよう、力いっぱい頑張る」と思いを伝えた。

■2013.5.30  「生の芸術」拠点整備を 知事が国に予算配分要望 アール・ブリュット
嘉田由紀子知事は二十九日、来年度の政府予算編成に向けて県の重点課題への予算獲得などのため東京・霞ケ関で各省庁を回った。厚生労働省では、専門の芸術教育を受けていない人らの芸術「アール・ブリュット」の振興に力を入れる県の取り組みを伝え、美術館機能や相談支援、人材育成を併せ持つ振興拠点づくりや県内での整備を働き掛けた。

「生(き)の芸術」と訳されるアール・ブリュットは「障害者の芸術」とイコールではないが、知的障害者や精神障害者の作品が注目されており、アール・ブリュット振興は「福祉」と「芸術」の分野を近づける役割が期待される。

県内では、知的障害者福祉の父と呼ばれる糸賀一雄氏らの努力で、一九四〇年代から福祉施設などで障害のある人の造形活動が広がった。県も全国に先駆けて振興に力を入れており、魅力発信事業や障害者の造形活動の推進に取り組んできた。

嘉田知事は厚労省の金子順一次官と面会し、六月に開幕する現代美術の祭典「ベネチア・ビエンナーレ」に出品される草津市のアール・ブリュット陶芸作家沢田真一さんの作品が印刷された自身の名刺を手渡しPR。「国の取り組みを強化してほしい。国としての拠点整備を」と訴えた。

今年二月に県が呼びかけて設立されたアール・ブリュットを支える全国規模のネットワーク組織への国の参画も促し、作品の芸術性を評価できる人材育成などに取り組むようにも要望した。

嘉田知事はほかに、環境省や農水省、国交省、原子力規制委員会などを訪問。内閣府では森雅子少子化担当相と面談し、女性の社会参画を後押しする交付金創設などを要望した。

本年度の政府提案は七つの新規項目を含む二十六項目。嘉田知事と荒川敦副知事が手分けして提案に関わる主要省庁を回った。

■2013.5.30  長野の事業所 指定取り消し 申請より少ない職員配置 障害者就労支援事業所「バンビの杜ながの」
長野市は29日、同市徳間の障害者就労支援事業所「バンビの杜(もり)ながの」の運営会社「福祉支援センター」(東京都瑞穂町)が、虚偽の申請で不正に障害福祉サービス事業者の指定を受けていたとして、28日付で指定を取り消したと発表した。県障害者支援課によると、県内の障害者就労支援事業所で指定が取り消されるのは初めて。

市障害福祉課によると、同社は長野市の他、県外3市で同様の事業所を運営。長野市の事業所は障害者と雇用契約を結び、就労の場を提供する「就労継続支援A型」で、昨年11月1日付で市から指定を受けた。ことし2月5日に利用者から「仕事が少ない」との相談が同課にあり、調査を進めた結果、配置が義務付けられているサービス管理責任者を含め、申請では4人だった職員が実際は2人しか勤務していないことや、管理責任者の勤務実績を偽造して申請していたことを確認した。

市は、同社が同様の事業所を運営している県外の自治体に連絡したところ、長野市の事業所の職員が県外の事業所の職員と重複して届け出がされていることも分かった。

長野市の事業所は、事務所の賃貸借契約が延長できず、3月下旬に閉鎖。定員は10人で、延べ39人が利用した。

市は、同社に昨年11月〜ことし2月分の自立支援給付金計382万円余を支払った。28日付で、加算金と合わせた計535万円余の返還も求めた。同社は市の調査に、職員配置などで虚偽の申請をしたことを認めているという。同課は「刑事告訴も含め今後の対応を長野中央署に相談している」としている。

■2013.5.30  ベネチア・ビエンナーレ:自閉症男性、滋賀の澤田真一さん出展 緻密な陶芸作品、自然体で
イタリア・ベネチアで6月開幕する世界最大の国際美術展「第55回ベネチア・ビエンナーレ」に、滋賀県草津市在住の澤田真一さん(31)が陶芸作品を出品する。100年以上の歴史を誇り、世界的に注目される展覧会で、出展作家に選ばれただけでも一流のアーティストと評価された証しだ。澤田さんは自閉症と知的障害を抱え、ほとんど言葉を話さない。家族は「障害に関係なく、真ちゃんが評価されたことがうれしい」と喜ぶ。

--ベネチア・ビエンナーレに出品される澤田真一さんの作品--
http://social-welfare.rgr.jp/img/img-s9073b.png

動物や仮面、トーテムポールのような形をした作品は全て、細かいトゲのような突起に覆われているのが特徴。フランス語で「生(き)のままの芸術」を意味する「アール・ブリュット」に分類される。既存の文化や美術教育に影響されていない芸術のことで、評価や利益を求めず、内面をただ表現しているのが特徴とされる。

同県栗東市の山間の窯に隣接した小屋で1人、無言で作陶に打ち込む。粘土を成形する、少女のように細い指先は一切迷いがない。テンポ良く、素早く、小さなトゲを整然と並べる。制作時間は、大きさによって1〜2日。午前10時〜午後4時の作業時間ぴったりで仕上げる。出来上がると小さくほほ笑む。次の瞬間には帰宅の準備を始め、二度と関心を示さない。窯焼きは、陶芸を指導する池谷正晴さん(80)の作業だ。

澤田さんが陶芸に出会ったのは2001年。通所する栗東市の「栗東なかよし作業所」の運営団体が、窯と作業小屋を建てたことがきっかけ。制作を始めると、力強く独創的な作品が関係者の目に留まり、08年にはスイスでの展覧会で高い評価を得た。10年にパリで開かれた「アール・ブリュット・ジャポネ展」にも出展。今回のベネチア・ビエンナーレでは、「国際企画展」部門の総合ディレクターに認められ、37カ国150人以上のアーティストの一人として参加が決まった。

澤田さんの作品について、日本自閉症協会の石井哲夫顧問は「障害という特性がもたらした芸術ととらえるべきだ」とし、父正己さん(64)は「正直、私には何を訴えているかは分からない。ただ、だからこそ見た人がひかれるのかもしれない」と話す。

池谷さんは「一流の職人の『仕事』のようだ。頭の中にある独自の法則に従って制作している。その法則は西洋の建築様式に似ていて、緻密で複雑。だから海外で評価されたのでは」と語る。

■2013.5.30  障害者の絵画をカフェで販売 真庭にオープン
美術作品の制作を通じて障害者の自立を目指す共同作業所「スカイハート灯(ともしび)」(真庭市若代)の利用者が描いた絵画を展示販売するカフェ&ギャラリー「福祉の店 笑常(わらつね)」が同市久世にオープンした。作業所を運営するNPO法人・灯心会が開店。「大勢に作品を見てもらい、障害者の創作活動に理解を深めてほしい」と来店を呼び掛けている。

灯心会は創作活動を通じた障害者の自立支援に力を入れ、県展入賞者も輩出している。津山市や勝央町で作品展を開いているが、常設のギャラリー開設を目指していたところ、所有者の好意で空き店舗を無償で借りられることになった。

「常に笑いを」との思いを込めた店舗は約12平方メートル。カウンターとテーブル二つの計12席で、ボランティアがコーヒーや紅茶、ホットドッグなどを提供。作業所で作る紅茶やポストカードも販売する。絵画は店内の壁面に10点程度を展示し、随時入れ替える。

灯心会の藤原恒雄理事長は「常設できる会場があると絵を制作する利用者も張り合いが出る」とする。施設利用者にも手伝ってもらうことにしており、「気軽な交流や相談の場にもなれば」と話している。

営業時間は午前10時〜午後6時。月、木曜と第3日曜が定休日。問い合わせは笑常

■2013.5.31  石巻・狐崎浜のカキ直送 「かき小屋」オープン 仙台 アップルファーム
宮城県石巻市狐崎浜のカキ養殖漁業者らで設立した株式会社「狐崎水産6次化販売」が提供するカキを使った「杜のかき小屋」が31日、仙台市若林区の食品市場「杜の市場」にオープンする。従業員の半数は障害者で、東日本大震災で被災した漁業者の支援と障害者の雇用拡大を図る。
 
洋風のしゃれた店内は広さ約80平方メートルで、客席は60席。テーブルに鉄板が設置され、狐崎水産が直送するカキをその場で蒸して味わえる。
 
夏場はカキが抱卵して食用に適さないため、最も食べ応えがあるとされる抱卵前の春に水揚げしたカキを冷凍保存し、年間を通して質の高い商品を用意する。
 
運営主体は、農園や障害者が働くレストランを経営するアップルファーム(若林区)。被災した漁業者支援で狐崎水産の役員に就き、販売ノウハウなどを指南してきた渡部哲也社長(45)が「大消費地の仙台で直接、狐崎水産のカキを食べてもらいたい」と計画した。
 
従業員14人のうち7人は障害者。6月中旬には併設する牛タンレストランも営業を始める予定で、さらに多くの障害者を雇用するという。
 
渡部社長は農産物の生産から加工、販売までを手掛ける「6次産業化」と障害者雇用に取り組んできた。「漁業も6次産業化することで、消費者ニーズを意識して生産するようになる。漁業者も障害者も、やりがいを感じてほしい」と期待する。
 
オープンから3日間は狐崎水産の古内新一社長(48)らも接客する。古内社長は「カキは一年で今が最もおいしい時期で、自信を持って出せる」と意気込んでいる。
 
蒸しガキは45分間食べ放題で、料金は1人2500円。営業時間は午前11時〜午後7時。連絡先は杜のかき小屋

 

トップへ フッターへ