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残しておきたい福祉ニュース

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 2017. 9. 2 長島愛生園入所者の証言を後世に 職員が聞き取り、記録集公開計画
 2017. 9.10 障害者雇用 靴磨き、輝き上々 伏見の会社「革靴をはいた猫」 活動広げる 
 2017. 9.17 高山の施設5人死傷、発覚から1カ月 理事長「事故とみなす道も必要」
 2017. 9.17 高齢者 100歳以上最多6万7824人 47年連続増
 2017. 9.17 厚労省.障害者向け支援を促進 地域移行で報酬加算へ
 2017. 9.17 ジャマイカの117歳死去、鹿児島の女性が世界最高齢に


■2017.9.2  長島愛生園入所者の証言を後世に 職員が聞き取り、記録集公開計画
瀬戸内市・長島の国立ハンセン病療養所長島愛生園は、入所者の証言の保存プロジェクトを進めている。看護師や介護士ら普段入所者と接している職員が、これまでの人生や今の思いを聞き取って録音・保存するとともに、文字に起こして記録集として公開する計画で、語り部は約70人に上る。一つの療養所でこれだけの数の証言をまとめるのは珍しく、隔離の島で生き抜いた人々の思いを将来に伝える。

「ずっと頭の中が『死と』いうものばかりやった時もある。でも、なかなか死ねんのや」

8月下旬、愛生園で入所者の男性(83)が語るのを、副介護長の大住健夫さん(52)がうなずきながら聞く。

男性は1954年、20歳の時に三重県から入所。病気が判明した時の苦しさを打ち明けるとともに、家族や古里の親しかった人の話、30代の時に関西地方で社会復帰し会社の同僚らとバドミントンのクラブ活動を楽しんだ思い出などを1時間余り振り返り、「できるなら、もう一度社会復帰したい」と語った。

聞き手の大住さんは勤続30年余のベテランだが、それでも「若い時に結婚していたことなど知らなかった話も聞けた」と言う。

愛生園の証言保存プロジェクトは「近い将来、入所者から話が聞けなくなる」との危機感から始まった。現在、入所者は183人で平均年齢85・4歳。愛生園を訪れる人たちに体験談を語れる入所者も年々少なくなっている。

今回、園が協力を求めたところ、72人から手が上がった。その後、取りやめた人もいるが、「10年前、映像の証言を依頼した時はほとんど応じてくれなかっただけに驚いた」と田村朋久学芸員。「高齢となり、自分の足跡や思いを残したいという人が増えているのでは」とみる。

高松市の国立ハンセン病療養所・大島青松園で入所者17人の証言集の監修をした岡山大大学院保健学研究科の近藤真紀子准教授から、質問の仕方や内容について助言を受けながら実施。6月から看護師、介護士、ソーシャルワーカーが担当の入所者らに聞き取りをしている。時間や回数は入所者の希望次第で、4回聞いた人もいる。

証言の内容は家族や古里、療養所入所に至る経緯と入所後の暮らしや趣味、差別体験など。邑久長島大橋の架橋(1988年)、患者隔離を定めた「らい予防法」の廃止(96年)といった療養所を巡る大きな出来事についても聞く。入所者にとっては自らの人生を見つめ直すことになり、職員にとっても、入所者の背景を詳しく聞くことで、より深い理解につながるという。

愛生園はこの証言集とは別に5人の映像記録も撮影し、園内の歴史館で公開する予定。岡本悦子看護部長は「入所者の方が思いを語り尽くせるよう、何回でも話を聞くなど丁寧に聞き取りを進めたい」としている。

■2017.9.10  障害者雇用 靴磨き、輝き上々 伏見の会社「革靴をはいた猫」 活動広げる 
障害者をスタッフとする出張靴磨き会社「革靴をはいた猫」(京都市伏見区)が、丁寧な仕事ぶりで顧客を増やしている。12日には1日限定ながら、JR大阪駅ビルで対面型店舗も開設するなど、活動の場も広げている。社長の魚見航大さん(23)は「提供するサービスでしっかりと評価されるよう、人としても企業としても成長していきたい」と意気込んでいる。

「誰もが活躍できる社会に」

龍谷大政策学部出身の魚見さんは、今年3月まで龍大の学生団体「チーム・ノーマライゼーション」に所属し、若者や障害者の働き方についてシンポジウムを開くなどしていた。社会福祉団体から靴磨きによる障害者雇用の提案を受けたのをきっかけに取り組むことを決意。昨年春に靴磨き専門店「バーニッシュ」(大阪市中央区)を訪問し、理念に共感した同店から学んだ技術と知識を、団体で一緒に活動する障害者に伝え、大学教員の靴を教授会の合間に磨くサービスを開始した。

素材や色合いごとに使うクリームを変え、ウイスキーを使ったつや出しをするなど、本格的な職人技に評判は上々で、魚見さんは「商売として成立する」と自信を深めた。

「起業の方法も法律もわからなかったが、動かず後悔したくなかった」と、教員や友人から資金援助を受け、卒業間近の今年3月15日に会社を設立。社名は童話「長靴をはいた猫」から。誰もができないと思い込んでいることを、情熱と機転で乗り越える物語を、会社の未来像に重ねた。

今は知的障害、精神障害のある20代の男女4人が働くほか、龍大の学生もアルバイトに入る。大学やホテルに赴き、会議が行われている間に革靴を磨く出張サービスが中心だが、企業でまとめて預かった革靴を事務所で磨く集荷サービスも受け付ける。

今年4月から働く丸山恭平さん(25)は、仕上がりまでの時間を計測しながら作業に励む。「1足20分でできるよう努力している。私たちが磨くことで、靴が長持ちするのがうれしい」と笑顔を見せた。

12日にはJR大阪駅ビル・ルクアイーレ9階「バーニッシュ梅田店」の店舗を借り、1日限定の対面型店舗を出す。当日店舗に出る藤井琢裕さん(26)は「直接お客さんと話をし、喜ぶ顔が見られると思うとワクワクする」と話す。魚見さんは「靴磨きを通じて、誰もが活躍できる社会作りを目指したい」と意欲を燃やす。

料金は1足1000円。注文数に応じ割引もある。問い合わせは同社事務所(075・935・0160)。

■2017.9.17  高山の施設5人死傷、発覚から1カ月 理事長「事故とみなす道も必要」
高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で8月末から約半月の間に、入所者の男女5人が死傷した問題は18日で発覚から1カ月になる。「病死または事故」との見解を示してきた施設を運営する法人の理事長が本紙の取材に「事故と断言はしていない」と、事件性もあり得るとの考えを改めて示した。特別捜査本部を設け、捜査している県警は、事件と事故の両面から慎重に調べており、県も19日から5度目となる立ち入り検査に入る。真相解明には時間がかかりそうだ。

「事故である可能性が否定し切れないため、取りあえずは事故だとの観点に立った」。施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長は、こう切り出した。

一連の問題では、七月三十一日から八月十五日にかけ、門谷富雄さん(80)が窒息、石本きん子さん(93)が脳挫傷、中江幸子さん(87)が、胸骨と肋骨(ろっこつ)の骨折による外傷性血気胸でそれぞれ死亡。九十一歳と九十三歳の女性がともに胸を強打する大けがで入院した。

施設側は当初は「事故か、意図的かは分からない」としていたが、八月下旬に一転して「一件目の門谷さんは病死、残る四件は事故死とみられる」との見解を公表した。同二十三日に立ち上げた施設のリスクマネジメント委員会で、再発防止策などを協議している。

今回、折茂理事長は「これだけの事故が短期間で連続するのはあり得ない」と指摘。その上で「事件なら、警察の仕事。施設としてできるのは再発防止の取り組みだけだと思い、事故とみなす道も必要と考えた」と述べ、見解が変わった経緯を明かした。

県と岐阜市によると、それいゆと同様の介護老人保健施設は県内に約八十施設ある。過去三年を見ると、施設内での事故死亡者数は全県でも年間で三〜七人にとどまっている=表参照。一施設で半月間に三人が亡くなるのは「極めて異例なケース」とみて、県は施設の対応に問題がなかったか調査中だ。

県は介護保険法に基づき、施設の許可取り消しや勧告、命令ができる。県は五人に異変が起きた当時の状況を調べるため連休明けの十九日から三日間、同法に基づき立ち入り検査に入る。担当者は「さまざまな情報を整理している段階」と説明する。

一方、県警の捜査は長引くことも予想されている。監視カメラ映像や目撃談など、五人の死傷時の状況を裏付ける有力な情報が得られていないためだ。

現在、施設側の勤務状況や介護のやり方などを丹念に調べ、職員らの証言や物証と照らし合わせ、真相解明を進めている。捜査幹部は「勝負をかける時は必ず来る」と力を込める。

■2017.9.17  高齢者 100歳以上最多6万7824人 47年連続増
厚生労働省は15日、全国の100歳以上の高齢者が昨年より2132人増えて6万7824人となり、47年連続で過去最多を更新したと発表した。うち女性は5万9627人で約88%を占める。男性は8197人。医療の進歩や健康志向の高まりで、100歳以上の人口は10年前の約2倍、20年前の約8倍に増えた。

敬老の日を前に、15日時点で100歳以上となる人数を都道府県などを通じて1日現在で集計した。今年度中にちょうど100歳を迎える高齢者は昨年度より350人多い3万2097人で、こちらも過去最多を更新した。

人口10万人当たりの100歳以上の人数は全国で53.43人。都道府県別では島根が97.54人で5年連続最多。鳥取(92.11人)、高知(91.26人)、鹿児島(91.20人)と続いた。

最も少なかったのは28年連続で埼玉で32.09人。続いて愛知(35.01人)、千葉(37.83人)、大阪(40.29人)の順だった。日本人の平均寿命は2016年で男性80.98歳。女性87.14歳。

国内の最高齢者は、2年連続で鹿児島県喜界町の田島ナビさんで117歳。男性の最高齢者は北海道足寄(あしょろ)町の野中正造(まさぞう)さんで112歳だった。

100歳以上の高齢者は今後も増え続け、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、50年には約53万2000人になる。政府は長寿社会を見据え、有識者を集め教育や雇用、社会保障制度の在り方などを議論する「人生100年時代構想会議」を今月11日にスタートさせている。

人口10万人当たりの100歳以上の高齢者の割合が高い都道府県

(1)島 根 97.54人

(2)鳥 取 92.11人

(3)高 知 91.26人

(4)鹿児島 91.20人

(5)佐 賀 85.02人

(6)香 川 83.23人

(7)山 口 83.21人

(8)長 野 81.85人

(9)愛 媛 81.16人

(10)沖 縄 80.75人

割合の低い都道府県

(1)埼 玉 32.09人

(2)愛 知 35.01人

(3)千 葉 37.83人

(4)大 阪 40.29人

(5)神奈川 40.86人

(6)東 京 42.83人

(7)宮 城 44.21人

(8)栃 木 44.86人

(9)青 森 45.24人

(10)茨 城 46.71人


島根県は人口10万人あたりの100歳以上の高齢者数が97・54人と5年連続で1位となった。高齢化が進むなか、元気に活躍する高齢者も多い。県内最高齢の109歳7か月となった平こまえさん(浜田市金城町)は今も多い月には本を3冊読むという読書好き。平さんに長寿の秘訣

8人きょうだいの7番目に生まれた平さんは、三重県で生まれ育った。手先が器用で、若い頃は神戸で和裁の仕事をし、今も趣味で裁縫をしているという。「今は何でも既製品になってしもうたけど、当時は手縫い。今でもぼちぼちと縫えんことはない」

その後、三重県に戻って結婚し、米や野菜を作りながら一人娘の石田久代さん(79)を育てた。当時は戦時中。戦争では新婚2か月だった弟を亡くした。「弟の戦死も当時は珍しいことでもなく、世間は誰も気にするようなことはなかった。勝つことばかり考えてね。そんな世の中だった」と振り返る。

夫を亡くした後、70歳代になって久代さん夫婦の暮らす浜田市へ転居。久代さんの夫で調理師の兼英さん(75)が作る食事をはしで器用に食べ、庭の花の世話もする。週に1度訪れるホームヘルパーとの会話も楽しみだ。

本が大好きで、以前は久代さんと一緒に図書館に出かけ、今も久代さんが借りてきた本を読んだり、蔵書を再読したりしている。好みは西村京太郎のミステリーや池波正太郎の「鬼平犯科帳」、平岩弓枝の作品など。「小説が好きでねえ」と表情をほころばせる。

「長寿の秘密は?」。そう尋ねられた平さんは「何事も先案じ(心配)せんと、その場その場で解決できたら結構や」と即答して続けた。「自分だけでなく、はたのものも達者であってほしい。自分だけで生きているんじゃない。はたのもんのおかげだと、十分に心得ておかんとあきません」

■2017.9.17  厚労省.障害者向け支援を促進 地域移行で報酬加算へ
厚生労働省は、障害福祉サービスの事業所に支払う報酬について、来年4月の改定に向け有識者の検討チームで本格的な議論を始めた。病院や施設に長期間入っている精神障害者や知的障害者を地域生活に移行させる支援を後押ししようと、報酬を手厚くする方針を示した。今後、サービス種別ごとに検討を進め、年末の予算編成で全体の改定率を決める。

入所施設で長期間暮らす知的障害者の地域移行については、昨年7月に殺傷事件があった相模原市の「津久井やまゆり園」建て替え議論でもクローズアップされた。

厚労省は、精神科病院に長期入院している患者を含め、これまでも地域移行を進めてきたが不十分な面があるため、てこ入れする。実績を上げていたり専門職を手厚く配置していたりする事業所を対象に、新たに報酬を設ける考えだ。

長期入院の精神障害者がグループホームに移った場合は、相談援助に対する報酬も加算する。

6日の検討チームの会合では、重度障害者に対応する新たな類型のグループホームの創設や、アパートなどで1人暮らしする障害者を定期的に訪問する新しいサービスの導入などについても議論した。

■2017.9.17  ジャマイカの117歳死去、鹿児島の女性が世界最高齢に
世界最高齢だったジャマイカの女性バイオレット・ブラウンさんが15日、北部モンテゴベイの病院で死去したと、地元メディアが伝えた。117歳だった。国際研究者団体「ジェロントロジー・リサーチ・グループ」などによると、これによって鹿児島県喜界町の田島ナビさん(117)が世界最高齢となる見通しだ。

ジャマイカのホルネス首相は「世界最高齢のバイオレット・ブラウンさんが亡くなった。安らかにお眠りください」とツイートし、ブラウンさんの死を悼んだ。同首相によると、ブラウンさんは1900年3月生まれ。

田島さんは1900年8月生まれで、現在は同町内の介護施設で暮らす。鹿児島県によると「施設職員の声かけにも応じ、食事もしっかりと召し上がる」という。敬老の日の18日には、鹿児島県の三反園訓知事が田島さんを訪問する予定となっている。




子孫140人…発酵飲料好み、よく食べ 国内最高齢117歳の田島ナビさん

国内最高齢の女性田島ナビさん(117)は、鹿児島県・奄美群島の北東部にある喜界島(喜界町)の特別養護老人ホーム「喜界園」で暮らし、やしゃごの子の代まで子孫は140人を超える。今はベッドで寝ている時間が多いが、孫の広行さん(64)や他の親族によると、以前は奄美に伝わる発酵飲料を好み、魚や野菜を中心に何でも食べていたという。

1900(明治33)年に生まれ、ずっと島内で育った。広行さんによると、2歳年上の夫と結婚。サトウキビやゴマを数十年にわたり栽培し、7男2女を育て上げた。一時期は砂糖に加工する工場を持ったこともあるという。

92歳のときに夫を亡くし、長男夫婦と暮らしていた。約15年前にホームに入所後もつえを突きながら歩いていたが、転倒による骨折で車いす生活を余儀なくされた。

ホームに入る前は、コメや砂糖などを原料にした発酵飲料「みき」が好きでよく飲んでいた。今は1日3回、おかゆやみそ汁などの5品をミキサーにかけたものを食べる。「本当にしっかり召し上がっている」とホームのスタッフは感心しきりだ。

 

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