残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2014年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2014. 5. 1 累犯障害者の福祉支援 厳罰=再犯防止ではない
 2014. 5. 1 介護・福祉事業者やNPO向け融資が過去最高を更新、日本公庫が発表
 2014. 5. 1 袖ケ浦の少年死亡:虐待問題 県社会福祉事業団新体制1カ月 職場の「見ぬふり」なくす /千葉
 2014. 5. 1 「あすなろ会」障がい者虐待:加害職員は防止担当 マニュアル、通報義務記載なく /鳥取
 2014. 5. 1 障害者支援補助金不正受給:元理事長、起訴内容を認める 地裁初公判 /広島 NPO法人「青年育成グローバルステーションSeissu」
 2014. 5. 1 不正受給:障害者就労支援9人分340万円 事業所指定を取り消し /兵庫
 2014. 5. 1 運営法人に改善勧告 松の聖母学園の虐待問題
 2014. 5. 1 <年間9,600人>認知症の行方不明問題について厚労大臣が言及
 2014. 5. 1 ハンセン病療養所:重監房の歴史伝える 草津に資料館開館 /群馬
 2014. 5. 2 福祉施設虐待死事件で元職員2人を書類送検 千葉・袖ケ浦市「養育園」
 2014. 5. 2 障害者が配膳や接客、生き生きと 東員でカフェ開店 三重
 2014. 5. 2 入学時期は発見率が上昇!確認したい「子どもの自閉症チェック」12項目
 2014. 5. 3 焼きカレーパン:日野の新名物に 障害者製造きっかけ 11日のまつり、6店舗販売 /東京
 2014. 5. 3 児童施設職員の性的虐待:強制わいせつ罪で起訴 解雇処分 /岡山
 2014. 5. 3 福祉施設で昨年度10件の虐待 大分
 2014. 5. 7 変わるデイサービス…「パチンコでリハビリ」、スロットやカジノも
 2014. 5. 7 福祉施設の女性職員が男に包丁で腹部を刺された 四国中央市
 2014. 5. 7 <フランスベッド>ハンドル型電動車いす「スマートパル S637」を発売
 2014. 5. 8 パワハラ:福祉事業団が控訴断念 岡山地裁判決確定へ
 2014. 5. 9 ワタミ宅配弁当「イモ虫混入」報告書スッパ抜き!【全文公開】
 2014. 5.10 法人税:「福祉法人、課税強化を」 政府税調、法人減税の財源確保
 2014. 5.10 介護職員処遇改善法案:成立へ 与野党修正合意、賃上げ額明示せず
 2014. 5.14 買い手はどこに 土地無償貸与の老人ホーム 西宮市 一里山荘
 2014. 5.14 障害者就職、7.8万人=4年連続で最高更新―厚労省調査
 2014. 5.15 介護施設への入所や医療機関への入院の保証人、必要か 東京でシンポ
 2014. 5.15 第4回「忘れられない看護エピソード」 全国3,422作品から、最優秀賞が決定!
 2014. 5.15 「入所前に虐待被害」過半数…都内の児童・女性福祉施設調査
 2014. 5.15 発達障害の人、職場で支えるには 大阪のNPOが手引書
 2014. 5.15 手作りアイス就労に一役 福知山の作業所が商品化 第2ふくちやま作業所
 2014. 5.15 車いす用バイクで再び風を体感 大和の企業が開発、社員の島津さんが1100キロ一人旅へ
 2014. 5.16 障害者施設で暴行 神戸の男性ら、損害賠償求め提訴 北須磨保育センター
 2014. 5.16 入所者暴行認め、賠償支払い命令 高松高裁、逆転判決 社会福祉法人柏涛会
 2014. 5.16 緑茶で認知症リスクが低下 金大グループ 七尾で調査
 2014. 5.16 懲戒処分:風俗店でバイト 女性看護師を処分 大阪
 2014. 5.18 働きたい障害者と企業、つなぎたい 元会社員で社会福祉士・船越さん、春日に来月開設 /福岡 ワークオフィス絆結
 2014. 5.18 障害者支援施設いちょう園の元入所者に実刑 地裁姫路支部判決 /兵庫
 2014. 5.18 誠実な接客で浸透 知的障害者働くカフェ1周年
 2014. 5.18 大手6社が「リハビリ・デイサービス協会」設立
 2014. 5.19 社会福祉法人の売買横行 理事長私物化、数億円で取引も 社会福祉法人桜ケ丘福祉会//社会福祉法人ノテ福祉会
 2014. 5.21 脳性まひの中2男子が「ビワイチ」挑戦! 手こぎ自転車で200キロ走破へ
 2014. 5.21 発達障害への理解度の低さ浮き彫り 親「育て方が悪いと言われた」
 2014. 5.21 就労施設:教室に障害者作業所が開所 川崎・旧川内小 /宮城
 2014. 5.21 ウイングル、2013年度「障がい者就労支援実績」を発表
 2014. 5.22 「女性の嫌がる姿を見たい」 女子高生脅した男を逮捕 三重
 2014. 5.22 佐竹音次郎:「保育の父」をしのぶ 私財投じ孤児5571人救う 出身の四万十市、24日に講演会 /高知
 2014. 5.22 ハンセン病療養所を世界遺産に/25日に講演会
 2014. 5.22 障害者と地域住民ふれあい/観音寺でフェスタ 香川
 2014. 5.22 障害者と患者 交流の場に/三豊総合病院でバザー 香川県
 2014. 5.22 視覚障害者とボランティアはねられ死亡
 2014. 5.22 在宅「医療的ケア」担うヘルパー、養成に地域差
 2014. 5.22 広島の折り鶴、衣服として再生 阿南の企業
 2014. 5.22 今年もスズムシどうぞ 鳴門の障害者支援施設「板東の丘」
 2014. 5.23 長野に障害者プロレス愛好団体 脳性まひの男性2人が設立発表
 2014. 5.23 赤ちゃんポスト、昨年度は9人 設置から7年で101人 
 2014. 5.24 小学生の列に車突っ込む 6人軽傷、保護者重傷/運転手は介護福祉士
 2014. 5.25 障害者雇用に今後必要な「障害年金の知識と請求手続ハンドブック」
 2014. 5.26 自閉症・発達障害児育児での経験を語る…横浜
 2014. 5.26 記録不備 介護事業所指定を3ヶ月停止 岡山県
 2014. 5.27 「夢の里」の指定取り消し ケアプランなく報酬受け取りで /佐賀
 2014. 5.27 中野区:障害者の作品、常設の展示場を開設 /東京
 2014. 5.27 川崎市の社会福祉施設でオウム病の集団感染
 2014. 5.27 大町のGH、介護給付費返還取り消しへ提訴 ホームタナカ
 2014. 5.28 ソーシャルファームもぎたて:新事業所開所2カ月、販売順調 障害者12人が奮闘 紀の川 /和歌山
 2014. 5.28 不正請求で訪問介護事業所を指定取消 青森市
 2014. 5.28 介護、福祉職員の処遇改善法案//衆院本会議で、全会一致で可決
 2014. 5.28 持病で免許取り消し急増…来月の改正法施行前に
 2014. 5.28 認知症か…路上で保護の男性、特養で18年生活
 2014. 5.28 持病で免許取り消し急増…来月の改正法施行前に
 2014. 5.29 児童虐待3年ぶり増/県相談対応551件 香川
 2014. 5.29 AKB襲撃の梅田悟「発達障害」の診断
 2014. 5.29 子どもの病名、「障害」の多くを「症」に変更
 2014. 5.29 市役所で職員切り付け 京都・亀岡、容疑の男逮捕
 2014. 5.30 オウム病:12人が感染…ハトが原因か 川崎の社福施設
 2014. 5.30 まいづる福祉会、障害者の働くカフェ&弁当店をオープンへ
 2014. 5.31 ブラインドサッカーの企業研修「OFF TIME Biz」が人気
 2014. 5.31 介護福祉士:インドネシア人女性2人、資格目指し猛勉強 滋賀老健入所者の人気集める 「ありがとう」が支え /滋賀
 2014. 5.31 社会福祉法人の内部留保2兆円 「待遇改善の財源に」 財政審推計


■2014.5.1  累犯障害者の福祉支援 厳罰=再犯防止ではない
知的障害を抱え社会の居場所がなく、福祉支援からこぼれ落ちて軽微な犯罪を繰り返してしまう「累犯障害者」。処罰よりも社会復帰の受け皿が必要という認識が徐々に広がっている。厳罰重視の従来の検察には考えられなかった福祉とのつながりを一層強めたい。

2011年、再犯防止対策強化に伴い長崎、仙台、大津の各地検は福祉専門家らによる「障がい者審査委員会」を設置。助言を判断材料に取り入れる試みを導入した。東京地検もアドバイザーに社会福祉士を迎えている。累犯障害者の再犯防止に司法と福祉の相互支援は不可欠だ。緊密とは言えなかった両者の連携の制度化を急がねばならない。

2007年犯罪白書で全国15刑務所の受刑者2万7千人のうち知的障害者(疑い含む)は410人いた。平均年齢は48・8歳。福祉サービスを受けるのに有利な療育手帳を持っていたのはわずか26人。再犯者は285人で約7割に達し、5回以上の再犯は162人にもなる。再犯期間は前回受刑から3カ月以内が32%、1年未満が60%だった。

社会に出ても家族がいれば福祉の援助は受けやすいが、帰住先もなく福祉援助からもれた障害者は、孤立・困窮し生きるために犯罪を繰り返してしまう実態がうかがえる。

「知的障害者が反社会的なのではなく、社会が犯罪に追い込んでいる」と指摘する専門家もいる。こうした人たちを福祉に導くのも司法の責務となる。

最高検が昨年初公表した捜査・公判事例には福祉施設の受け入れ確約を得たことで起訴猶予にした累犯前科を持つ知的障害者や、実刑が想定される執行猶予中の窃盗再犯が福祉との連携で居場所を確保し執行猶予求刑となった社会復帰の優先例が紹介されている。

「厳罰=再犯防止」とする検察の意識が変わってきた。きっかけは大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件など相次いだ不祥事。検察改革に向け最高検が11年に複数の専門委員会を設置したその中に知的障害者の問題を扱う委員会があり、福祉関係者からの意見聴取で現状を知った経緯がある。

支援事業は現在、全都道府県に設置された「地域定着支援センター」を中心に急速に進められている。本県は県の委託先の済生会病院内に置かれ、保護観察所や福祉関係機関などと連携して出所者の帰住地調整や福祉サービスの申請支援といったコーディネート業務などを行っている。

累犯障害者が地域社会に溶け込むのは容易ではない。行政、民間のさまざまな機関・団体が連携し受け皿のネットワークを整えなければならない。まず累犯障害者の福祉支援を明確に法定化することが先決だ。

■2014.5.1  介護・福祉事業者やNPO向け融資が過去最高を更新、日本公庫が発表
日本政策金融公庫は28日、介護・福祉事業者やNPO法人を対象に行った融資の実績が、昨年度に過去最高を更新したと発表した。高齢者の介護や子育ての支援といった課題に取り組む団体が、少子高齢化の進展とともに増えていることが要因だという。

日本公庫によると、2013年度の介護・福祉事業者やNPO法人に対する融資の実績は、4987件、449億円。前年度と比べると、件数が12.5%、金額が8.6%増えた。増加は継続的なトレンドで、4年前の2009年度から件数が約2倍、金額が約2.2倍に伸びている。

融資の実績を業種別にみると、高齢者の介護や障害者の福祉、子育ての支援などを含む介護・福祉事業が、件数・金額ともに9割以上を占めている。残りの融資先は、環境の保護や観光の推進、教育などに取り組む団体だ。

融資の内容では、創業前や創業から5年以内の団体を対象にした「創業融資」が、全体の56.2%を占めている。介護・福祉事業者やNPO法人への融資は、他の分野より業歴の浅い団体を対象にするケースが多いという。

日本公庫では今年2月、新たに開業する介護・福祉事業者やNPO法人を対象として、特別に低い利率を適用する融資を開始した。ソーシャルビジネスの担い手を支えるのが狙いで、こうした枠組みを積極的に活用するよう呼びかけている。融資の内容や条件などは、日本公庫のLinkIconホームページでチェックできる。

https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_140428a.pdf
http://social-welfare.rgr.jp/databox/20houdou-topics_112.pdf

■2014.5.1  袖ケ浦の少年死亡:虐待問題 県社会福祉事業団新体制1カ月 職場の「見ぬふり」なくす /千葉
職員による虐待が問題化した袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の運営法人「県社会福祉事業団」の新体制が発足して1カ月。再発防止に向け、センターの当面の改善計画を発表した事業団の新しい理事長に就任した田中斎氏(68)が毎日新聞のインタビューに応じ、再建への決意などを語った。

子供(利用者)の最善の利益が担保できる施設を作っていかなければいけない。まだまだ、ハード面でも(職員の)人員配置の面でも、子供にとって暮らしやすい施設にはなっていない。これまで(センターの施設の一つである)養育園に支援の困難な子供を押しつけ、支援できなかったことを、知的障害者福祉協会の役員として申し訳なく思っている。問題が起きた背景を分析して(職員などの)支援者側の理念を見直していく。

19歳の少年が命を落とした無念を受けとめ、施設の子供の命を守ることをテーマにしたい。支援者側からみれば命を守れなかったことは、私たちが彼を殺してしまったということだ。どんな言葉を使っても許されることではなく、養育園の施設であったことは全ての施設の問題と捉え、施設で仕事をする人間すべての責任だ。

入所者を挟んで、保護者と支援者側が一つのファミリーでなければいけない。問題が発覚してから説明を行うのではなく、日常的に距離感を作った上で外部に情報公開をしていくべきだろう。例えば、施設に来たボランティアの方が不審点に気づく場合もある。それをモニタリングし、問題整理するようなことも必要だ。

景気が良くなると、社会福祉施設の勤務者が少なくなる。今いる人間が長く仕事を続けられる環境が必要になる。現在、各部署で新人職員の意見や感想を連絡ノートのようなものでやり取りをしている。どこの現場も紙一重だ。不適切な支援、暴行につながらないためには、職員が孤立しないようにしなければならない。(問題を)見て見ぬふりしない職場づくりが大事だ。

職員の人員配置基準について言えば、大人の入所者(に対応する)制度設計より、子供の入所者の制度設計が立ち遅れている。(支援が難しいとされる)強度行動障害で一度入所すれば、5年も6年も外には出て行けず、職員が傷つきながら彼らを受けとめているというのが、今の社会の構図だ。ニーズに応えた福祉政策、制度の構築が遅れている。当事者には喫緊の課題であり、国などの早急な対応が望まれる。

彼(少年)の死を無駄にしてはいけない。事業団としては、施設で暮らしている一人一人の豊かな人生が確保されるため、おだやかな生活の仕組みを作っていきたい。


◇たなか・ひとし

1945年、北海道生まれ。北海道教育大卒業後、柏市の障害児入所施設「桐友学園」に勤務。袖ケ浦福祉センター虐待事件を調査する県の第三者検証委員会委員を退任し、4月から現職。県知的障害者福祉協会、日本知的障害者福祉協会の副会長。

■2014.5.1  「あすなろ会」障がい者虐待:加害職員は防止担当 マニュアル、通報義務記載なく /鳥取
社会福祉法人「あすなろ会」(相沢英之理事長)が運営する障がい者支援施設「松の聖母学園」(鳥取市白兎、影井愛巳施設長)の職員2人が知的障害のある複数の入所者に虐待していた問題で30日、加害者の50代管理職男性が虐待防止の担当者だった事が分かった。同園の虐待防止マニュアルも法定の通報義務が欠落。障害者総合支援法に基づく改善勧告をした県は「実効性のある措置が不十分」と指摘した。

県によると、マニュアルは2010年に作成されたまま更新されておらず、12年施行の障害者虐待防止法が「虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は速やかに市町村に通報しなければならない」と定めた通報義務の記載が無かった。

同日付の勧告では虐待の全容調査や防止体制整備を要求。今回は内部告発で発覚したことから法人内の業務管理体制の見直しも求めた。6月30日までに改善報告をさせる。

同法人の木村宏副理事長は「指摘の通りで、深く反省し真摯(しんし)に受け止めている」と話し、連休明けにも調査委を設置するという。

県はまた、県内21カ所全ての障がい者支援施設の代表を集めた施設内虐待防止会議を5月中に開催する。

■2014.5.1  障害者支援補助金不正受給:元理事長、起訴内容を認める 地裁初公判 /広島 NPO法人「青年育成グローバルステーションSeissu」
障害者支援制度を悪用して補助金をだまし取ったとして補助金適正化法違反罪に問われた西区井口3のNPO法人元理事長、福田抄湖被告(34)の初公判が30日、広島地裁(岡崎忠之裁判官)であった。福田被告は起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で「補助金を受給しようと施設を開所し、要件を満たす人はほとんどないのに満たすよう装った」と指摘。現金は運営費のほか、無関係の家電製品の購入代などに充てたと述べた。

起訴内容は、福田被告は2011年2月〜9月、厚生労働省の障害者生活支援のための補助金を申請する際、運営する施設の利用者を水増しして窓口の広島市に申請。10、11年度分の補助金計約2400万円の交付を受けたとしている。

■2014.5.1  不正受給:障害者就労支援9人分340万円 事業所指定を取り消し /兵庫
障害者就労支援サービスの利用実績を架空・水増し請求したとして、神戸市は30日、障害者総合支援法による指定障害福祉サービス事業所「OhanaHaleKobe(オハナハレコウベ)」(同市長田区西丸山町1)の事業所指定を取り消した。同法に基づき、不正に受け取っていた訓練等給付費9人分、計約340万円の返還を求める。

市障害者支援課によると昨年8月〜12月、事業所に登録をしていたが利用実績が全くない身体障害者4人について、作業をしていたと申請。また、同11月〜12月、身体障害がある利用者5人について、利用実績を月20回程度水増しして申請し、給付費を不正に受け取っていた。給付費は1日当たり5220円で、月ごとに申請する。

この事業所ではまんじゅうやプリンにシールを貼る作業などを行っていた。利用者の知人からの通報で発覚した。運営するNPO法人「ウィズ」(同)の金井邦浩理事長は市の聴取に対し「管理がずさんで、認識が甘かった」と説明している。

市は昨年11月、この事業所について実地検査を実施していたが、不正を見抜けなかった。同課は「申請内容が整っていれば、見つけるのは難しい」としている。

■2014.5.1  運営法人に改善勧告 松の聖母学園の虐待問題
鳥取市の社会福祉法人あすなろ会(相沢英之理事長)が運営する同市白兎の障害者支援施設「松の聖母学園」で知的障害のある利用者への虐待が確認された問題で、鳥取県は30日、障害者総合支援法に基づき同法人に対して改善勧告した。虐待防止に向けた体制整備や虐待事案の全容解明、利用者の立場に立ったサービス提供などを求めている。

県は、同施設が利用者の人格尊重などを定めた県条例に従った事業運営をしていないと指摘。特に、利用者を虐待した50代の男性生活支援員が施設全体の虐待防止の担当者だった▽今回の問題が県への内部告発で発覚しており、自浄作用が機能していない−ことなどを問題視している。

報告書の提出期限は6月末。県福祉保健部の日野力参事監は「実効性のある取り組みがなければ改善命令を出す。それでも改善しなければ、指定取り消しなど次のステップに進む」としている。

県は、同施設の生活支援員2人が利用者5人以上に対して頭を湯船に押さえ付ける、外傷を負っても受診させないなど計7件の虐待を確認している。

県は今回の問題を受け、県内で障害者福祉サービス事業所を運営する192法人に虐待防止の文書を発送。近く会議を開く。

■2014.5.1  <年間9,600人>認知症の行方不明問題について厚労大臣が言及
田村厚生労働大臣は、4月22日の記者会見にて、認知症高齢者の身元不明問題について言及した。

警察庁では、毎年全国の行方不明の届け出状況を公表しており、2012年度の届け出は8万1,111人で、うち1万4,228人が70歳以上の高齢者だったことが報告されている。報告では、原因別の人数も計上しており、「疾病」による行方不明は約1万5000人。その中には高齢で認知症や認知症の疑いがある人が含まれると考えられるが、具体的な人数は公表されていなかった。

このほどNHKでは、全国の自治体に取材を行い、行方不明になり、保護された高齢者には認知症のために身元がわからず、施設などで暮らす人が4人いることが判明したと報道。記者会見では、記者がそのことについての厚労大臣の見解を訊ねた。

田村厚労大臣は、認知症初期集中支援チームなどの取り組みを例にあげながら、自治体との協力体制の中で認知症の行方不明問題にも対応していくことを強調。独居の認知症高齢者については、コミュニティや介護サービス事業者から情報を把握することの必要性についても言及した。

また、別の記者による「身元不明の状態のまま自治体が保護している人が全国的にどれぐらい発生していて、今後厚労省としてはどういう体制を築いていくのか」との質問には、「国がすべて管理することは難しいと思う」と前置きしながらも、都市部など独居が多い地域があれば、「どのような対策を組むべきかを自治体と協力して検討していきたい」と述べた。
会見の翌日の衆院厚生労働委員会では、さらに一歩踏み込み、自治体を通じた実態把握調査を進める意向を厚労大臣が示した、と報道されている。

また、警察庁は、25日の衆院厚生労働委員会にて、認知症が原因で行方不明になったとの届け出は、2012年に約9,600人だったことを明らかにした。

NHKの調査報道を機に、焦点が当てられた認知症の人の行方不明・身元不明問題。国や自治体の真摯な取り組みが求められるが、利用者の情報の把握、自治体や警察との連携など、介護事業者にも深く関わる問題として、注視していきたい。

■2014.5.1  ハンセン病療養所:重監房の歴史伝える 草津に資料館開館 /群馬
国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」(草津町草津)に30日、かつて懲罰のために患者を監禁していた「重監房」の一部を再現した資料館が開館した。記念式典には土屋品子・副厚生労働相や大沢正明知事らが出席。元患者らは「国による強制隔離政策を象徴する場所としてハンセン病問題の歴史を伝えてほしい」と期待する。

重監房資料館は、高さ4・5メートルの壁に囲まれた独房2室と医務室、野天の通路を再現し、園内の重監房跡地から発掘調査で出土した木製の弁当箱やげたなどを展示。再現映像も上映される。

04年に復元を求める10万筆以上の署名を受け取った厚労省が、08年に検討委員会を設置。13年夏に園内の跡地の発掘調査を実施し、元患者の証言や出土品から施設の再現にこぎつけた。

「負の遺産を残そう」と重監房の復元を求めてきた元患者らは、さまざまな思いでこの日を迎えた。楽泉園の入所者自治会長の藤田三四郎さん(88)は1947年、運用停止後の重監房の建物に入り、薄暗い房の壁に書かれた暦を見た。「監房には何も持って入れないはず」。指先を傷つけ血で暦を刻んだのではないかと考えている。「ここであったことを、若い人たちに知ってほしい」

国立ハンセン病療養所「多磨全生園」(東京都東村山市)の大竹章さん(88)は、残された記録で、子供が畑でジャガイモを盗んだ罪で親が重監房に入れられ死亡した例を知った。「盗みをしなければいけないほど子供を飢えさせたのはこの国だ。国を監房の中に入れたい」。理不尽な施策への怒りは消えない。

楽泉園に入所するハンセン病国賠訴訟全国原告団協議会会長の谺雄二(82)さんは、重監房を「日本のアウシュビッツ」と呼び、復元をいち早く提唱した。当時を知る元患者から谺さんが聞き取った証言は、施設再現の貴重な資料となった。体調を崩して入院中だが、30日は病棟から可動式のベッドで式典に参加し、開館を見届けた。

資料館は1日から一般公開する。入館無料。開館時間は午前9時半〜午後4時、月、火曜日休館(祝日の場合は翌日休館)。冬期は団体のみ。問い合わせは資料館

■2014.5.2  福祉施設虐待死事件で元職員2人を書類送検 千葉・袖ケ浦市「養育園」
千葉県袖ケ浦市の福祉施設「養育園」で知的障害のある男性入所者=当時(19)=が職員からの虐待後に死亡した事件で、県警は2日までに、男性に暴力を振るったとして、暴行容疑で20代の同園元職員2人を書類送検した。4月18日付。

書類送検容疑は昨年11月、施設内で男性に対し、殴ったり蹴ったりした疑い。

この事件では、男性の腹を蹴り死亡させたとして、傷害致死罪で元職員行方孝美被告(23)が3月に起訴された。県は、今回の2人と行方被告を含む計5人が、男性を虐待したとして昨年12月、全員解雇した。

■2014.5.2  障害者が配膳や接客、生き生きと 東員でカフェ開店 三重

障害者が働くカフェレストラン「くろがねもーち」が一日、東員町山田に開店した。町内の社会福祉法人「いずみ」が運営する就労支援事業所の一つ。二人が早速、働き始め、配膳などを担当している。

いずみはパンやみその製造など障害者の働く場づくりに取り組んできた。町内の農家とともに米や有機野菜の栽培も手掛ける。

こうした食材を使った料理を提供し、障害者の仕事の幅を広げようと新たにレストランを設けた。店名は敷地に植わるクロガネモチの木にちなんだ。

働く二人は、いずみの施設に通う二十人から希望を募って決まった。配膳や洗い物の補助などを担当する。これまで農作業や清掃作業をしてきた服部誠さん(36)は「お店が気に入って手を挙げた」。パン製造をしていた岡崎里奈さん(25)は「『いらっしゃいませ』と言って接客をしてみたかった」と新たな仕事に目を輝かせている。

店舗は木造二階建て延べ百四十平方メートルで、オープンテラスを含めると約四十席。建設費は四千七百万円。町から千五百万円の補助を受け、残りは自己資金や保護者らの寄付で賄った。和食のランチやそば、丼物、スイーツを提供する。営業時間は午前九時〜午後四時。定休日は月曜と祝日。いずみの工房で焼いたパンも販売している。

■2014.5.2  入学時期は発見率が上昇!確認したい「子どもの自閉症チェック」12項目
新学期が始まり大忙しのママさん、子どもが幼稚園や学校に慣れるために手助けすることの他に、実はもう1つ、気にかけたい大切なことがあるんです。

じつは筆者の住むアメリカでは、4月は“自閉症啓発月間”の月なのです。abcニュースの報道によると、アメリカの疾病対策予防センターの発表では、2014年の現在、全米で68人に1人の割合で自閉症の子どもがいるといいます。

そして自閉症の発見率は、入学の時期に大変高くなるそうです。いったい、それはどうしてなのでしょうか? 

そこで今回は、英語圏の情報サイト『abc NEWS』『Autism DELAWARE』『About.com』を参考に、入学の時期に自閉症の発見率が高くなる理由と、症状を見極めるチェックリストをご紹介します。



■なぜ入学の時期に自閉症の発見率が高いのか?

入学して数週間たつと、先生も子どもたちも、ようやく新しい環境に慣れて、子どもは落ち着きを取り戻し、先生もようやく子ども1人1人に目がいくようになりますよね。

そうすると、今までは目立たなかったことでも、勉強したり、運動したりしている姿を見て、「何かおかしい……」と気がつくようになり、発見に繋がるといいます。



■自閉症チェックリスト12項目

ではここで、自閉症かもしれない子どもに見られる12の兆候をご紹介しますね。

(1)小さい頃から本をスラスラ読んでいたのに、実は内容を理解していなかった。

(2)耳は聞こえているのに、先生の話を全く聞いておらず、反応しない。

(3)人の目を全く見ないし、他の子どもと遊びたがらない。

(4)痛みや光、音、触られることに異常に敏感で、親にさえ触られるのを嫌がる。

(5)笑う、泣くなどの感覚がズレており、親にさえも愛情表現をしない。

(6)言葉の遅れがあり、喋れたとしても喋り方がフラットでロボットのよう。

(7)同じことを繰り返して言ったり、運動能力に問題がある。

(8)テレビなどを観て興奮すると、手をヒラヒラさせたり、体を揺すったり、ピョンピョンジャンプしたり、つま先で歩いたりする。

(9)丸いものを回転させたり、おもちゃをひたすらキッチリ1列に並べたり、おかしな遊びをする。

(10)些細なことに、かんしゃくを起こし、手に負えなくなる。

(11)新しいことを学ぶのに、普通の学び方では学べない。

(12)何か1つのことに、ものすごい才能を発揮するが、それ以外のことは全くダメ。

この中で、半分以上の項目に当てはまったら、自閉症の可能性が疑われるそうです。



以上、アメリカでの状況を参考に、入学の時期に自閉症の発見率が高い理由と、兆候チェックリストをご紹介しましたが、いかがでしたか? もし疑わしいという場合は、いちど医師や専門家に相談してみるのをおすすめします。

親の立場として、子どもの自閉症を認めたくないという方は多いでしょう。でも、それでは子どものためにはなりません。キチンと診断してもらい、対策を立てて治療にのぞむことが、お子さんの将来の幸せにつながる近道かもしれませんよ。

■2014.5.3  焼きカレーパン:日野の新名物に 障害者製造きっかけ 11日のまつり、6店舗販売 /東京
障害者の作った焼きカレーパンがきっかけとなり、「新しい日野名物に」という動きが本格化している。日野市や同市商工会、観光協会などが市内のパン店に製造を呼びかけたところ、11日に市内で開く「新選組まつり」には6店舗の焼きカレーパンが登場する。

市内の福祉施設が共同参画する事業「日野わーく・わーく」で一昨年にパンを考案。障害者授産施設の「工房夢ふうせん」が製造し、「華麗になる『ひののめぐみ』焼きカレーパン」が完成した。

カレーには日野産樽トマトをふんだんに使い、地元産の柿が隠し味。パンを油で揚げずに、かりっと焼き上げたヘルシーさも特徴だ。昨年の「多摩フェスティバル」(立川市)で人気を集め、同11月にあった「ニッポン全国ご当地おやつランキング」(全国商工会連合会主催)の都代表に選ばれた。

47都道府県の代表メニューに来場者が投票するランキングでは、長崎の石畳をイメージした8段重ねチョコレートケーキ「オランダ坂の石畳」に続き、見事に準グランプリを獲得。この快挙を受けて、日野市や商工会が今年、市内のパン店に製造を呼びかけた。

11日の「新選組まつり」では、1個120〜200円程度で約1200個を甲州街道沿いの日野ケーブルテレビ社(同市日野本町4)脇で販売する。市産業振興課の小松利夫課長補佐は「まつりが終わっても市内のパン店や農業者、授産施設など横のつながりを広げ、焼きカレーパンを新名物に成長させたい」と話している。

■2014.5.3  児童施設職員の性的虐待:強制わいせつ罪で起訴 解雇処分 /岡山
社会福祉法人が運営する県内の児童養護施設で今年1月、20代の男の職員が入所者の男児に性的虐待し、県がこの法人に改善勧告した問題で、県警が男を強制わいせつ容疑で逮捕し、岡山地検が同罪で起訴していたことが2日、地検への取材で分かった。

地検によると、男は1月17日未明、就寝中の小学生男児の下半身を触ったという。

県子ども未来課によると、施設から1月20日、「職員が児童に性的虐待した」との通告があり、県が立ち入り調査。県は2月18日、「性的虐待があった」として、社会福祉法人に改善勧告したと発表していた。

法人は3月末で男を解雇し、関係各所と子どもたちの心のケアを続けていくことなどをまとめた改善計画書を提出したという。

■2014.5.3  福祉施設で昨年度10件の虐待 大分
高齢者介護施設や児童養護福祉施設での虐待件数が公表され、昨年度は、前の年を上回り、あわせて10の施設で虐待があったことがわかった。

県は法律に基づいて、毎年、高齢者介護施設や児童養護福祉施設での虐待件数を公表しています。
このうち、高齢者介護施設では、7施設で介護従事者が入所者の顔を叩くなどの虐待があり、各市町村が改善を指示している。

また、児童養護福祉施設は、3施設で虐待が発覚。内訳は職員が児童の口真似をして不快な思いをさせた心理的虐待が1件で、ゲンコツなどの身体的虐待が3件。いずれのケースもけがはなく、県は施設に対して改善対策の提出など指導をしている。

■2014.5.7  変わるデイサービス…「パチンコでリハビリ」、スロットやカジノも
“豪華クルーズ”体験、カジノゲーム、パチンコ、スロット…。高齢者の通所介護(デイサービス)が、あの手この手で趣向を凝らしている。施設数が10年間で3倍に増え、競争が激しくなっている中、差別化を図ろうという試みだが、高齢者にとっては、“お遊戯”ではなく本物のレクリエーションを楽しめるとあって、「行きたくなるデイサービス」と好評だ。

「ご乗船ありがとうございます」。午前8時半、船員服姿のスタッフに手を引かれ、白と黒を配した“豪華客船”に入る高齢者。足を踏み入れると、ふかふかの真っ赤な絨毯に豪華なシャンデリアがきらめく。全員がそろうと、屋上からテープを投げる“出港セレモニー”が始まり、ドラの音が響き渡る中、リンゴジュースを注いだシャンパングラスで乾杯−まるで本当にクルーズが始まりそうな雰囲気だが、ここは兵庫県姫路市広畑区のデイサービス「杏の里I・II」。施設の利用には介護保険が適用される。

客船の形をした建物内で、看護師や介護士、音楽療法士らスタッフは全員、白い船員服姿。部屋には、「ニューヨーク」「イタリア」「イギリス」などの名前が付き、壁にはステンドグラス、丸窓にはエーゲ海の風景動画が流れる。

施設内で流通する疑似通貨「アーム」を管理する銀行もあり、利用者はぞれぞれ口座を持っている。貨幣を手に入れるには、プールでのリハビリで600アーム、体操は500アーム、食器洗いは200アームといった具合に、リハビリに励むと“報酬”が支給される仕組みだ。

船旅には欠かせない、ルーレットやトランプなどのカジノゲームもある。照明を落とし、にぎやかな音楽が流れる中、今度はちょうネクタイに黒いベストのディーラーが着用する服に着替えたスタッフが登場する。そこで、利用者は「アーム」をかけて盛り上がる。

利用者の小畑希子さん(85)は、「週に2回、ここに来るのが生きがいになっています。リハビリするとアームがもらえて、やりがいがある。カジノゲームなんか、普段の生活では考えられない夢のような体験で刺激的です」と話す。

施設を経営する医療法人社団「石橋内科」の石橋正子事務長は、「外出すらままならない高齢者に、旅行気分を味わってもらいたいとの思いで施設を作りました。豪華客船並みのおもてなしで、日常から離れた気分を満喫してほしい」と話す。

広島県福山市加茂町のデイサービス「サテライト松風園」。利用者が絵を描いたり、切り絵をしたりする中、ひときわにぎやかな一角がある。置いてあるのは、「パチンコ」。音楽が鳴り響く中、パチンコの玉がジャラジャラと出てくる。大当たりが出ると、スタッフが拍手で盛り上げる。

同園では、系列の施設を含めて昨年夏にパチンコ台を導入。利用者にアンケートをとったところ、「パチンコをやりたい」と希望する声が多く、導入を決めた。中古のパチンコ台を購入、高齢者がつかまって立ち上がってもぐらついたりしないように木枠に収めた。車いすでも入れるように、木枠の幅は広くとった。

右手でハンドルを握り、左手で出てきた玉を投入箱に入れる作業が手の運動になる。また、玉を追うことで動体視力が鍛えられ、にぎやかな音と映像が脳の刺激になるという。

センター管理者の小林弘文さんは「施設も、利用者のみなさんに楽しんでもらえる工夫をして差別化を図っていく。それが、今の時代の流れです」と話す。

デイサービスは高齢者の増加を背景に、少ない設備投資で参入することができるといった理由から数が増え、厚生労働省の調べによると、ここ10年で3倍以上の約3万6千カ所(平成24年度)に増えた。

高齢者福祉に詳しい神戸市看護大学元教授で、国際高齢者医療研究所・岡本クリニック(兵庫県芦屋市)院長の岡本祐三さんは、「デイサービスでの歌やお絵描きなど、まるでお遊戯のようなレクリエーションを心から楽しんでいる利用者は少ない。施設同士が競い合うことで、高齢者の本当の思いや欲求をくんでさまざまな取り組みを行うことは、結果的に、高齢者の尊厳、そして生活の充実にもつながるのでは」と話している。

■2014.5.7  福祉施設の女性職員が男に包丁で腹部を刺された 四国中央市
7日、愛媛県四国中央市の障害者福祉施設で、女性職員が男に包丁で腹部を刺された。男は逃走していたが自ら警察に通報し、殺人未遂の疑いで逮捕された。

7日午前10時半頃、四国中央市土居町の障害者福祉施設「ともむぎ」のパン工房で、入ってきた男が女性職員(22)の腹部を包丁でいきなり刺した。女性職員は病院に運ばれ、全治1週間のケガをしたが、命に別条はなかった。

女性職員を刺した男は車で逃走していたが、犯行から約2時間半後に自ら警察署に居場所を通報し、殺人未遂の疑いで逮捕された。

逮捕されたのは市内に住む無職・近藤洋一容疑者(58)。近藤容疑者は施設に通っていた経験があり、刺した女性職員と面識があるということで、警察では動機を調べている。

■2014.5.7  <フランスベッド>ハンドル型電動車いす「スマートパル S637」を発売
フランスベッド株式会社は、自転車感覚で気軽に乗れるハンドル型電動車いす「スマートパル S637」を、4月下旬より発売する。

「スマートパル S637」は、3輪自転車をイメージさせるフレーム設計やスポークタイプの車輪を前輪に採用し、ハンドル型電動車いすに抵抗感がある方でも気軽に乗れるデザイン。

自転車に不慣れな方でも安心して走行ができるように、急な坂道などで運転者に注意を促す傾斜警告機能や、右左折時のハンドルの角度に連動して自動で減速する機能を標準装備し、安全性にも配慮をしている。高齢者の日常生活活動の向上を目指したブランド「リハテック」シリーズとして、主に家具販売店内で同ブランド商品と介護福祉用具を展示・販売する「悠悠プラチナコーナー」にて販売する。

加齢によるバランス感覚の衰えにより、自転車や3輪自転車に苦手意識のある高齢者は少なくない。また、「ハンドル型電動車いすや電動4輪車いすは大げさで恥ずかしいのでためらいがある」というニーズに対応した商品となっている。

【「スマートパル S637」商品概要】
■特長:
1.自転車のように軽やかなデザインの電動車いす
2.急な坂道などをお知らせする傾斜警告機能(前後約10度、左右約4度以上)
3.ハンドルの角度に連動する自動減速機能
4.乗り降りが簡単な回転シート
5.室内充電が可能な着脱式バッテリー

■価格(非課税):
月額レンタル価格/13,800円、介護保険利用者負担額/1,380円、販売価格/288,000円

■製造/販売:フランスベッド株式会社
■販売先:全国の家具小売店、ホームセンター、デパート、介護ショップなどを予定

◎フランスベッド
http://www.francebed.co.jp/

■2014.5.8  パワハラ:福祉事業団が控訴断念 岡山地裁判決確定へ
岡山県備前市のデイサービスセンターの男性介護員(当時42歳)が自殺したのは上司のパワハラが原因だとして、遺族3人が、同センターを管理する社会福祉法人「備前市社会福祉事業団」(同市)に損害賠償を求め、岡山地裁が請求通り5000万円の支払いを命じた判決に関し、同事業団は7日、控訴しないことを明らかにした。1審判決が確定する。

■2014.5.9  ワタミ宅配弁当「イモ虫混入」報告書スッパ抜き!【全文公開】
渡辺美樹「資産190億円」の陰で
「配達スタッフから『渡辺さんは17億円も持っているなら、1軒につき5円でもいいから、配達料をあげてくれ』としきりに言われました。たしかに、スタッフの報酬は、お弁当を1軒配って115円です。月収が数万円という人が多い。そう言いたくなる気持ちもわかりますよね……」

こう語るのは、弁当を配達するワタミタクショクの営業所長A氏だ。「17億円」とは、1月6日に公表された参院議員の資産報告書で、ワタミグループの創業者・渡辺美樹参院議員が公開した個人資産の金額だ。2位に10億円以上の差をつけてダントツの1位だった資産の内訳は、横浜駅にほど近いタワーマンションの3部屋、プレジャーボート、投資信託を約16億円など。ただ、公開された資産に自らが創業し、「爪の先まで自分のもの」と語っていた東証一部上場企業・ワタミの株式はなかった。ワタミ関係者が解説する。

「渡辺氏が100%株を保有し、長男が代表取締役を務める有限会社アレーテーという会社があります。同社は、ワタミの発行済み株式の25%以上を保有する筆頭株主。渡辺氏は同社を通じて、ワタミ株を保有している形です。アレーテー社保有のワタミ株は、最新の有価証券報告書をもとに昨年9月末の終値で換算すると約173億円。渡辺氏が公開した個人資産と併せれば、その額は約190億円にのぼります」

ただ、アレーテー社の株は、資産報告対象である「上場企業、もしくは資本金1億円以上の非上場企業」にあたらず、資産公開には含まれていなかった。そのため、〈株報告に抜け穴〉(読売新聞1月6日付夕刊)との見出しで報じられたが、当の渡辺氏は、〈「抜け穴」の見出しの横に自分の名前が掲載されるのは、気分の良いものではありません〉とブログで報道に不快感を表明、〈公開された資産は「経営者29年間の資産」です〉と胸を張った。

アレーテー社は、ワタミの筆頭株主であるだけではない。前出のA氏が明かす。

「弁当宅配事業の配達スタッフである“まごころさん”が使用する自転車の保険は、アレーテー社が扱っています。自転車1台につき年間1000円の保険料ですが、まごころさんは全国に約9200人います。全員が自転車を使用するわけでなくても、取引額はかなりの金額になるでしょう。ほかにもワタミの関連の保険はアレーテー社が取り扱うことが多いと聞いています」

2013年の有価証券報告書によると、ワタミグループの弁当宅配事業は、売上高は388億円で、経常利益は34億円。国内外食、介護とともにワタミグループの主力事業である。営業所は全国492カ所に設置され、北海道・沖縄と北東北3県を除く、全国42都府県で事業を展開。議員当選後も渡辺氏が広告に登場し、「ワタミの宅食」のブランド名で「売上シェアNo.1」と宣伝している。

毎日28万食を売り上げ、グループトップの経常利益をたたき出す弁当宅配事業だが、今、あるトラブルが頻発しているという。

「お客様から『お弁当の中に3cmほどのイモ虫が混入していた』というクレームが寄せられ、今回の異物混入が発覚しました。3cmもの虫が発見されないままお客様のもとに届けられるなんて……」

こう語るのは、ワタミの宅配弁当を製造するワタミ手づくりマーチャンダイジングの社員B氏である。

“イモ虫弁当”は、昨年12月4日に埼玉県の東松山センターで製造され、熊谷営業所管内で配達された。この東松山センターでは一日に約5万食を製造しており、弁当は都内を中心に西は静岡、東は福島まで配達される。ワタミの弁当宅配事業を支える中核工場だ。

賞味期限切れの弁当を宅配

小誌は、“イモ虫弁当”の社内報告書を入手した。〈異物鑑定報告書〉と題された文書では、イモ虫は〈体長36mm〉で、〈異物はカブラヤガの幼虫と鑑定〉。さらに、〈該当惣菜に使用された白菜に由来する可能性が高いと推測〉と記述されている。つまり、イモ虫は原料の野菜に付着したまま調理され、消費者のもとに届けられたことを認めているのだ。B氏が続ける。

「この報告書は工場内に掲示され、朝礼でも管理職が従業員たちに注意を促していました。しかし、異物混入はこれだけではない。もっと根本的な対応が必要なんです」

小誌は、証言を裏付ける別の資料も入手した。〈工内異物発見報告書〉と題された文書には、工場内で異物が発見された日付と場所、異物の種類や写真がまとめられている。昨年11月の文書を見ると、髪の毛やビニールなどが頻繁に見つかっていることがわかる。B氏によれば「ビニール片や植物片、人毛などがよく発見され、その数は毎月100件近い」のだという。

東松山センターに勤務する別の社員C氏も衛生面での不安を訴える。

「工場は外部の業者が入って消毒はしていますが、製造ラインとゴミ置き場が近く、廊下を挟んで10mくらいの距離しかない。調理の過程では当然生ゴミが大量に出ます。ゴミ置き場には虫がたかっていますし、朝出社すると、調理用の鍋にハエが止まっているなんてことが日常的にあるのです。加熱を担当するラインは、夏場は50度近くになりますが、冬場は逆に室内が暖かいから虫もよってくる。盛込み(盛付け)の担当者の中には『ゴキブリを見かけた』と言う人もいます」

異物混入弁当がそのまま宅配されることも多いようだ。前出のA氏が語る。

「ビニール片、木片、虫などが混入しているというお客様からのクレームは日常茶飯事です。過去には、輪ゴム、10円玉が混入していたなどのクレームもありました」

弁当宅配を巡るトラブルは異物混入だけではない。

「昨年、社内で問題になったのが賞味期限切れの弁当の誤配です。関西の営業所などで複数発生し、社内メールでも再発防止のために注意が呼びかけられました」(前出・ワタミ関係者)

この社内メールの文面からは、昨年8月と9月に前日分の弁当の誤配が発生していたことがわかる。

「お弁当は配達当日の午後10時までに召し上がっていただくようにお願いしています。ですから、前日のお弁当を配ってしまうというのは、期限切れのものを配ったということ。ワタミの宅食は毎日日替りのメニューなのですが、前日と同じお弁当が届いたお客様が気付かれたようです」(同前)

問題は、単純ミスにとどまらない構造的な欠陥の疑いも指摘されていることだ。社内メールにはこうある。

〈ゼロにならない=現状のルールでは不十分ということか?〉

一連の問題に対して、ワタミは次のように回答した。

「当該工場内でご指摘の異物混入が発生したこと、また昨年、前日分の弁当を誤配送したことは事実です。ご指摘のあった件については、発生当初から真摯に受け止め、全ての案件について原因を解明し再発防止策を講じております」

命に関わる食の安全。国会議員として、〈『経営力』を活かし、ひとつひとつ現実を変えていこう〉とFacebookで語る渡辺氏は、国の前に、変えるべきものがあるのではないか。

■2014.5.10  法人税:「福祉法人、課税強化を」 政府税調、法人減税の財源確保
政府税制調査会(首相の諮問機関)の法人課税検討グループ(大田弘子座長)は9日の会合で、特例で法人税が課されていない社会福祉法人の介護事業について、民間事業者との競争条件を公平にするため、非課税措置を見直すべきだとの意見で一致した。月内にまとめる予定の法人税改革の報告書に盛り込む。法人実効税率引き下げの財源にしたい考えだが、関係者の反発は必至で、見直しは曲折が予想される。

介護事業を行う社会福祉施設の経営主体は、介護保険制度が導入された2000年に社会福祉法人が全体の55%を占めていたのに対し、営利法人(民間事業者)は6%。しかし、11年度は社会福祉法人が45%に減り、営利法人は32%に拡大した。社会福祉法人の介護事業は公益性の観点から非課税だが、営利法人は同じ事業に25・5%の法人税がかかる。出席者からは「民業圧迫にならないよう課税強化はやむを得ない」などの声が相次いだ。

また、中小企業向けの優遇税制も議論。中小企業の基準は資本金1億円以下だが、「高収益でも税負担が軽く不公平」と見直しを求める意見が多く出た。ただ、異論もあり結論は出なかった。

■2014.5.10  介護職員処遇改善法案:成立へ 与野党修正合意、賃上げ額明示せず
衆院厚生労働委員会理事会は9日、民主党など野党6党が提出していた介護職員らの賃金引き上げを目指す処遇改善法案を修正することで合意した。与党も賛成し、今国会中に成立する見通しだ。修正案は2015年4月までに「財源の確保も含め検討を加え、必要があると認める時は必要な措置を講ずる」との内容で、時期は示しながらも賃上げ額の明示は避けている。

今年末に15年度の介護報酬改定率が決まるのをにらみ、賃金の低さが指摘される介護職員の給与アップを法案で後押しするのが目的。修正協議の過程で、与党側は賃上げ額の明示には消極的だったが、賃上げ対象に障害福祉に携わる職員を加えることは認めたため、野党側は法案成立を優先して修正を受け入れた。政府は賃上げ分の財源を介護報酬の引き上げで工面することを検討しており、実現すれば保険料アップにつながる。

審議中の野党案は助成金を設け、介護職員らの月額賃金を平均1万円上げることを目指していた

■2014.5.14  買い手はどこに 土地無償貸与の老人ホーム 西宮市 一里山荘
兵庫県西宮市が土地を無償で貸与する軽費老人ホーム「一里山荘」(同市一里山町)で、市が昨夏から施設の建て替えを含めた運営法人を募集しているが、2度も不調に終わっていたことが分かった。東北復興などに伴う建設費の高騰や、介護職員の不足が要因とみられる。施設は老朽化が進み早急な対策が必要で、市は募集条件の見直しなどを検討する。

1976年、市が無償貸与する敷地に、社会福祉法人「和光会」が開設。自炊が基本で、現在19人が暮らす。地元住民たちと地蔵盆や桜祭りを開くなど、地域とのつながりも強い。

施設は老朽化が進み、耐用年数が来年3月に満期を迎えるが、財政面などで同法人による建て替えが難しいと判断。同法人を吸収合併し、施設を新築して運営を継続できる別法人を募ることにした。

現在の入所者が暮らせる「サービス付き高齢者向け住宅」に加え、特別養護老人ホームの併設や健全経営などを条件とし、昨年8月から募集開始。1社から応募があったが、内部事情で辞退された。今年1月から再募集したが、期限の4月25日までに意向を示した法人は現れなかった。

市福祉のまちづくり課は大きな要因として、東北復興や東京五輪などに伴う建設業界の人手不足や建材の高騰、さらに介護職員の不足などを上げる。

厚生労働省福祉人材確保対策室によると、12年現在、全国の介護職員数は約153万2000人。団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる25年には、237万〜249万人の介護職員が必要になると推計しており、すでに、需要の高い都市部では高齢者施設を新設しても職員が集まらず、ベッド数を縮小せざるを得ないケースも出てきているという。

市は16年4月の新設開所を目指し、15年3月までには着工したい意向。同課は「条件を緩和することも含め、できるだけ早く運営法人を決めたい」としている。

■2014.5.14  障害者就職、7.8万人=4年連続で最高更新―厚労省調査
厚生労働省は14日、2013年度にハローワークを通じて就職した障害者が前年度比14.0%増の7万7883人になったと発表した。4年連続で過去最高を更新した。精神障害者の就職者数が大幅に増加し、初めて身体障害者を上回った。

内訳は、身体障害者が6.5%増の2万8307人、知的障害者が10.1%増の1万7649人、精神障害者が23.2%増の2万9404人。産業別では、医療・福祉や卸売り・小売り、製造業での就労が増えた。

 http://social-welfare.rgr.jp/databox/19houdou-topics_ds22.pdf

■2014.5.15  介護施設への入所や医療機関への入院の保証人、必要か 東京でシンポ
介護施設への入所や医療機関への入院で、ほとんどの場合求められる身元保証人。その必要性を議論するシンポジウムが十日、東京都内で開かれた。介護施設の約三割が、保証人のいない人の入居を認めないとの民間調査などが報告された。

シンポは法曹関係者でつくる保証被害対策全国会議が主催し、約百人が参加した。会場では、成年後見人を務める司法書士の団体、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート制度改善検討委員会の森田幸喜(こうき)さんが、昨年三月に実施した調査結果を報告。全国の療養型の病院と、高齢者向け住居を含む介護施設千五百二十一カ所に協力を求め、六百三カ所(病院九十七、介護施設五百六)が回答した。

病院などが求める保証人に法的根拠はないが、病院、施設ともに九割以上が身元保証人などを求めた。病院などが保証人に期待する役割(複数回答)は、緊急の連絡先、利用料金などの支払い、入院計画・ケアプランの同意、遺体や身柄の引き取り、医療行為の同意など。「一切の債務を負う包括根保証に近いもの」と森田さんは指摘する。

保証人がいないと入所先などが限られることは、一般的に知られているが、調査でも病院の22・6%、施設の30・7%が入院、入居を認めないと回答した。

身元保証人のあてがない人に、身元保証などを代行する民間事業者がある。解約時の金銭トラブルや、遺産をその事業者に寄付することを強要するなどの問題が起きていることを、多くの病院、施設が認識していない実態も分かった。成年後見人の役割が、施設や病院に十分伝わっていないこともうかがえた。

国は病院や施設が正当な理由なくサービスを拒むことを法令で禁じている。保証人を条件にした入院、入所の受け入れに対し、市町村に是正を求めるよう働き掛けるといった対応策を、森田さんは提案した。

一方、病院などが保証人のいない人に抱く不安にも理解を示し、不安解消の対応策も保証人を不要にする道筋と示した。例えば成年後見制度の利用者なら、入院費用や利用料の不払いはありえないことを知ってもらう啓発などを挙げた。後見人がいない人らを対象に、市町村が身元保証の機能を果たす団体を設立するなど、資産が少なくても保証機能を利用できる仕組みづくりも提言した。

三重県伊賀市社会福祉協議会の先進的な事例紹介もあった。保証人のいない人には、金銭管理などを代行する社協の「日常生活自立支援事業」を使ってもらい、利用料の支払い漏れをなくすなど、既存の制度を活用して地域ぐるみで対応。保証人がいなくても不安が減らせることを病院や施設に説明している。

また、東京都の社会福祉士からは、軽費老人ホームで、六十歳未満の所得証明を提出できる保証人をつけることを入居要件にしている例が報告された。同ホームは、身体機能の低下などで自立した日常生活に不安があり、身寄りのない人らを対象にした住居。「安心できる住まいが必要な人が、保証人の制約で入れない事態が起きている」と訴えた。

■2014.5.15  第4回「忘れられない看護エピソード」 全国3,422作品から、最優秀賞が決定!
最優秀賞は、豊ア幸子さん(看護職部門)、河上知子さん(一般部門)

日本看護協会は5月10日(土曜日)、日本看護協会ビルJNAホールにて、第4回「忘れられない看護エピソード」表彰式を開催し、受賞作品の発表と最優秀賞、内館牧子賞の表彰を行いました。

「忘れられない看護エピソード」は、「看護の日・看護週間」事業の一環として看護職、一般の方々から看護にまつわる心温まるエピソードを募集したものです。 今回の募集(2013年11月15日〜2014年2月28日)では、全国各地から過去最多の3,422作品が集まりました。

表彰式では特別審査員の内館牧子さん(脚本家)による講評や、ゲスト審査員の「看護の日」PR大使・蛯原英里さんのトークショーが行われ、抽選で招待された一般参加者、看護職などが参加しました。

http://www.nurse.or.jp/home/event/simin/episode/

第4回「忘れられない看護エピソード」集
http://www.nurse.or.jp/home/event/simin/episode/pdf/2014/episode-04.pdf

第3回「忘れられない看護エピソード」集
http://www.nurse.or.jp/home/event/simin/episode/pdf/2013/episode-03.pdf

■2014.5.15  「入所前に虐待被害」過半数…都内の児童・女性福祉施設調査
東京都内の児童・女性福祉施設に入所している人の過半数が、入所前に何らかの虐待を受けていたことが、東京都社会福祉協議会の調査で分かった。虐待の防止や早期発見のため、地域の役割に期待する声も目立った。

調査は昨年11〜12月、同協議会の「児童・女性福祉連絡会」に所属する児童養護施設、母子生活支援施設など140か所に調査票を配布し、106か所から回答を得た。

それによると、入所者計4191人のうち、53・4%に当たる2240人が、入所前に虐待を受けていた。殴る蹴るといった身体的虐待が36・5%で最も多く、育児放棄などのネグレクト(30・7%)、暴言などによる心理的虐待(24・3%)が続いた。

入所前に虐待を受けていた入所者を各施設5人ずつ選んでもらい、個別の状況を尋ねたところ、虐待を受けた相手は、実母(50・9%)、実父(29・6%)、配偶者(22・5%)の順に多かった。

虐待が早期に見つからなかった要因では、「本人が相談できる人や機関を知らなかった」(40%)、「本人が虐待を受けている認識がなかった」(34・3%)など、本人の認識不足が影響する例が目立った。

施設の90・6%が「虐待を防ぐ上で、地域住民にできることがある」と回答。具体的には、「あいさつや声かけにより、虐待の加害者、被害者となりうる人が孤独を感じないようにする」「気軽に立ち寄れる場所を地域に作る」などが挙がった。

同協議会は「この結果をもとに、今年度は地域住民や施設と連携して、虐待を防ぐための具体的な活動を模索していきたい」としている。

■2014.5.15  発達障害の人、職場で支えるには 大阪のNPOが手引書
発達障害の人が職場で抱える問題に、周囲はどう対応すればいいのか。大阪市のNPO法人が100人の体験をもとにマニュアルを発行した。予定外の仕事に混乱したり、複雑な業務を覚えられなかったり。その特性を知って対応に生かしてもらうのが狙いだ。

NPO法人は発達障害者らの支援団体「発達障害をもつ大人の会」と、「大阪NPOセンター」。3月に企業向けの「発達凸凹(でこぼこ)活用マニュアル2」(A5判、38ページ)を発行した。

自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害は、脳機能の先天的な障害などが原因と考えられている。

http://consul.piasapo.com/manual


発達凸凹活用マニュアル1
http://consul.piasapo.com/wp-content/uploads/2013/report/manual.pdf

発達凸凹活用マニュアル2
http://consul.piasapo.com/wp-content/uploads/2013/report/manual2.pdf

■2014.5.15  手作りアイス就労に一役 福知山の作業所が商品化 第2ふくちやま作業所
障害者の就労支援を行っている京都府福知山市上天津の第2ふくちやま作業所が、地元の農産物を使ったアイスクリームを手作りして販売している。イチゴやサツマイモなど五つの味があり「収穫のアイス」と名付け、障害者の仕事づくりに一役買っている。

社会福祉法人ふくちやま福祉会(同市奥野部)が運営する同作業所は8年前に開所し、障害者12人が靴箱の組み立てなどの軽作業に従事してきたが、受注が不安定だった。新たな仕事を作って施設利用者の賃金アップにつなげるため、アイスクリームの製造販売に取り組むことにした。

原材料は、自分たちが育てたサツマイモのほか、地元農家が栽培したイチゴやクリ、府内産の抹茶、京丹後産の牛乳を使用する。障害者らがサツマイモやクリの皮をむくなどの下ごしらえをし、職員2人が製造を担当している。味は甘さを控えて食べやすくしたという。

商品名「収穫のアイス」と、乳牛を描いたパッケージは綾部市の和紙作家ハタノワタルさん(42)が考案。ハタノさんは「福知山周辺の地元産ということが消費者に伝わり、覚えやすいデザインにこだわった」と話す。

職業指導員の桑原香代子さん(49)は「地元の人に支えてもらい商品化できた。安心して食べてもらえる自慢のアイスクリームです」と話している。

1カップ(120ミリリットル)310円。購入先は第2ふくちやま作業所TEL0773(33)3800。近隣市町で開かれるイベントにも出店販売している。

■2014.5.15  車いす用バイクで再び風を体感 大和の企業が開発、社員の島津さんが1100キロ一人旅へ
もう一度、風を感じながら旅をしたい。車いす利用者のそんな願いから一台のバリアフリーバイクが誕生した。二輪車の販売・製作を手掛ける片山技研(大和市)が開発したもので、車いすに乗ったまま運転でき、一人で乗り降りできる三輪オートバイ。

18日、開発者の一人で車いすを利用する同社社員の島津徹也さん(53)=横浜市神奈川区=が耐久テストを兼ねた一人旅に出る。日本海を望む石川県まで往復約1100キロ、手にした自由を体で満喫する旅となる。

市販のスクーターをベースに車いすごと乗り込めるボックス型の運転席とハンドルを取り付けた。

車いすを包み込むイメージから愛称は「コアラ」。こだわったのは運転席後部のスロープだ。「レバー操作で開閉し、乗り降りまで一人でできる」と島津さん。一般的な福祉車両は車いすから運転席へ乗り移るタイプが多く、手間が掛かったり、手助けが必要だったりする。

島津さんが車いす生活になったのは26歳の時。バイクを運転中、ひき逃げ事故に遭った。両足の神経を損傷し、16歳から乗っていたバイクの免許は返納した。

車体と一体となり、自在に風を切る爽快感をもう一度−。捨て切れぬ思いに光が差し込んだのは、同社代表の片山秋五さん(49)=同市旭区=との出会いだった。

島津さんは数年前、普通自動車免許で運転できる「トライク」と呼ばれる三輪バイクの存在を知り、自宅で自作を試みていた。IT企業に勤めながらで、やがて行き詰まった。ハローワークで目に留まった片山技研の求人。調べるとトライクの製造を手掛けていた。

昨夏、面接で訪問すると片山さんも高校時代にオートバイで事故に遭い、左足に大けがを負った経験があった。

「多くの福祉車両がそうであるように、誰かの手が必要な状況にとどまっていては本当の福祉とは呼べない。一人で家から出られて、帰れる環境をつくればいい」

採用は即決され、プロジェクトが立ち上がった。完成をみたのは今年2月のことだ。

今回の旅で向かう石川県七尾市は、かつて通った旧国立七尾海員学校(現在は閉校)があったところだ。「当時の思い出をもう一度味わえる」と楽しみにする。

2泊3日で山梨、長野、富山各県の一般道を走る。安房峠など山越えの道もあり、性能を試すまたとない機会になる。「車いすのまま走れる車両はほとんどない。安心な乗り物だと認識され、ユーザーの選択肢の一つになれば」と島津さん。

厚生労働省から福祉車両として認証され、自治体の購入助成金を受けられる場合もある。1台100万円程度での販売を考えており、片山さんは「バイクを使った仕事などにも活用してもらい、障害者の雇用拡大にもつながれば」と話している。

■2014.5.16  障害者施設で暴行 神戸の男性ら、損害賠償求め提訴 北須磨保育センター
入所先の障害者施設で職員から暴行され、多大な精神的苦痛を被ったとして、知的障害と身体障害のある神戸市の男性(34)と母親(55)が16日、施設を運営する北須磨保育センター(神戸市須磨区)を相手取り、慰謝料など約800万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

訴状によると、2012年3月、反抗的な態度を取っていた男性の右腕を、職員(当時)が後ろ手につかんでねじり上げた。男性は床に倒れ込んだが、職員が手を離さなかったため、右腕を骨折。この職員は同年に過失傷害罪で罰金刑を受けたという。

男性は職員らへの不信から施設を利用できなくなったといい、「障害者の安全を確保すべき法的義務に違反した」と主張している。同センターは「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。

■2014.5.16  入所者暴行認め、賠償支払い命令 高松高裁、逆転判決 社会福祉法人柏涛会
徳島県美波町の知的障害者施設で男性職員から暴行を受け重傷を負ったとして、入所者の男性(39)と両親が、施設を運営する社会福祉法人「柏涛会」などに約1億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、高松高裁であった。山下寛裁判長は請求を棄却した1審・徳島地裁判決を変更し、施設側の責任を認めて約370万円の支払いを命じた。柏涛会の海善好史副本部長は「上告を検討したい」としている。

1審判決は「暴行を認める証拠はない」としたが、山下裁判長は「故意に基づいて職員が暴行を加えたと推認するほかはない」と結論付け、けがは自傷行為などによるとする施設側の主張を退けた。男性の代理人弁護士は「知的障害がある本人が証言できない中、間接的に事実を積み重ね暴行を認めたのは画期的だ」と話している。

判決によると、男性は2006年3月26、27日、施設内で宿直の男性職員から暴行を受け小腸断裂の重傷を負った。

■2014.5.16  緑茶で認知症リスクが低下 金大グループ 七尾で調査
毎日飲む人「発症3分の1」


 緑茶を毎日飲む人は、飲まない人よりも認知症になるリスクが低いことが、金沢大の山田正仁教授(神経内科学)らの研究グループの調査で分かった。緑茶を飲む習慣が認知症予防につながる可能性もあるとみて、研究グループは期待を寄せている。成果は十五日、米国科学誌の電子版に掲載された。

研究グループは二〇〇七〜〇八年、七尾市中島町に住む六十歳以上の九百八十二人を対象に、緑茶やコーヒー、紅茶の摂取習慣を聞き取り、認知機能検査などを実施。このうち認知機能が正常で、約五年後に所在が確認できた四百九十人を再度調査した。

二回目の調査で認知症や軽度認知障害を発症していたのは、「緑茶を毎日一杯以上飲む」百五十七人のうち十八人(11・5%)、「緑茶を週一〜六回飲む」百九十五人のうち二十九人(14・9%)だった。これに対し、「緑茶を飲まない」百三十八人のうち認知症などの発症者は四十三人(31・2%)に上った。

この結果、認知症になるリスクは、緑茶を毎日飲む人は飲まない人に比べて三分の一に、また週一〜六回飲む人は二分の一に減ることが判明した。一方、コーヒーや紅茶の摂取習慣と認知機能の低下との関連は見つからなかった。

山田教授は「緑茶が認知症に予防効果があるという研究はこれまでもあったが、今回は経過観察できたことで信頼性が高まった。この成果を認知症の予防法の開発につなげていきたい」と話した。

■2014.5.16  懲戒処分:風俗店でバイト 女性看護師を処分 大阪
大阪府立母子保健総合医療センター(大阪府和泉市)を運営する地方独立行政法人・府立病院機構は15日、風俗店でアルバイトをしていた同センターの女性看護師(24)を停職1カ月の懲戒処分にした。

同機構によると、看護師は昨年8月〜今年4月、勤務時間外に大阪市北区のファッションヘルス店で接客のアルバイトをし、約160万円を稼いだ。4月上旬に外部から通報があった。内部規則で原則禁止している兼業に当たると判断した。

■2014.5.18  働きたい障害者と企業、つなぎたい 元会社員で社会福祉士・船越さん、春日に来月開設 /福岡 ワークオフィス絆結
働きたい障害者と企業をつなごうと、元西部ガス社員で社会福祉士の船越哲朗さん(47)が6月、春日市春日公園5に就労支援の事業所を開く。障害のある子を育てる一方、障害者就労の幅を広げられない企業の姿を見てきた経験から始めることにした事業所は、各企業の一般的な事務を受託し、発達障害や精神障害、難病を抱えた人を中心に就労と経済的自立を目指す。

今年中学1年になる船越さんの次男(12)には、知的障害と発達障害がある。父として将来的な自立を考えれば不安もあった。一方、2002年から約3年出向した福岡商工会議所時代に、多くの企業の担当者から「障害者を雇用したいが、どんな仕事ができるか分からない」という話を聞き、気になっていた。「障害者も企業の状況が分からない。企業も障害者のこともよく知る自分がコーディネーターになれれば」。12年、会社員生活にピリオドを打ち、専門学校に入学。社会福祉士の資格を取った。

開設する就労継続支援A型事業所「ワークオフィス絆結(ばんゆう)」は、名前に「人や企業を結ぶ」と願いを込めた。名刺や図面などをスキャンしてデータ化する作業や重要書類のシュレッダー廃棄、経理の記帳代行など基本的な事務作業を企業から引き受け、障害者が就労訓練として取り組む。さらに「絆結」での経験を基に、障害者が一般企業で働けるよう職場の開拓も目指す。

開設前にもかかわらず企業から仕事の依頼が届き、現在はスタッフと共に作業手順を分かりやすく示すマニュアル作りに取り組む。船越さんは「コミュニケーションが苦手な発達障害の人でも、パソコン作業を得意とするなど力を持っている。障害のある人にはここでチャレンジを重ねてもらい、企業側には障害者と共に働く環境作りを提案したい」と話している。

■2014.5.18  障害者支援施設いちょう園の元入所者に実刑 地裁姫路支部判決 /兵庫
佐用町の障害者支援施設「いちょう園」で入所者が蹴られて死亡した事件の裁判員裁判で、神戸地裁姫路支部は16日、傷害致死罪に問われた元入所者の竹本幹彦被告(59)に懲役4年6月(求刑・懲役7年)の実刑判決を言い渡した。

判決によると、竹本被告は入所者の男性(当時65歳)の言動に憤り、昨年7月9日、施設内居室の床に座っていた男性の顔を右足で2回蹴り、外傷性くも膜下出血で死亡させた。

溝国禎久裁判長は「取り返しのつかない重大な結果が生じた。刑の執行猶予はできない」と指摘。一方で「より適切に対応していれば、事件を未然に防止できた可能性もある」と施設の責任にも言及した。

■2014.5.18  誠実な接客で浸透 知的障害者働くカフェ1周年
知的障害者がスタッフを務める延岡市東浜砂町の「カフェ蒼空〜SORA」が17日、開店1周年を迎えた。

店舗は延岡総合文化センター内にあり、音楽公演などの行事がない日は集客が難しい中、誠実な接客や心遣いで利用客から親しまれている。運営する同市の障害者支援施設「清松園やわらぎの里」の職員で同店マネジャーの黒木和磨さん(32)は「失敗の連続だったが、お客さんの支えで続けられた」と喜ぶ。


2013年5月4日
知的障害者の社会参加や就労を目的とした延岡初のカフェ「蒼空〜SORA〜」が17日、延岡総合文化センター内にオープンする。運営は、延岡市大武町の社会福祉法人愛育福祉会(島登理事長)。2日には、大武町1区の地元グループ「スマイル会」(房野ハル子代表)を招待してプレオープン、“予行演習”を行った。

カフェは、愛育福祉会の障害者支援施設「清松園やわらぎの里」の就労継続支援B型事業出張所として開店する。場所は同センターの東側、平成22年から閉鎖していた喫茶室のスペースを改装した。同センターは「施設を活用してもらえてうれしい。利用者にも催し物と併せてくつろいでもらえる」とこの出店に大喜びだ。

店内は全体的に落ち着いた雰囲気。窓の景色は愛宕山や青空が広がり、そこから見える空をイメージして「蒼空(そら)」と名付けた。カフェの外には強い日差しや雨を避けるための電動式のルーフ(屋根)を設置した。外に置いた椅子に腰掛け、のんびりと過ごせるようになっている。

メニューは日替わりランチやパスタ、カレーのほかデザートやコーヒー、エスプレッソなど。調理は料理店経営の経験者が担当。県北でも数少ないイタリア製の本格的なエスプレッソマシンを導入するなど、おいしさも追求していくという。

同福祉会職員で店長を務める黒木和磨さん(31)は「イベントが無い日にもこの店を目的に来てもらえるようにしたい」と意気込む。スタッフは同園を利用する廣瀬芳美さんと富山真都可さん、同園の職員2人。今後、さらに増やしていくという。

2日のプレオープンでは、普段から交流のあるスマイル会の会員10人を招待した。この日のメニューは、和風ハンバーグや御飯、みそ汁などがセットになった「和風蒼空(そら)ハンバーグ定食」。廣瀬さんと富山さんが料理を運び、日頃の感謝を込め丁寧にもてなした。

そのサービスぶりに招待を受けた房野さん(88)は「料理もおいしかったし、きょうの姿を見て安心した。オープンしてからもみんなで来ます」と笑顔。食べ終えて店を出る際、房野さんらメンバーが2人とハイタッチしながら「頑張って」とエールを送ると、2人も「ありがとうございました」と笑顔で応えていた。

予行演習のプレオープンを終え、廣瀬さんは「会話や皿洗いなど楽しいです」。富山さんは「頑張りますのでお店に来てください」と話した。

同園の甲斐享博施設長は「本物の味を安く提供し、くつろいでもらいたい。ぜひ、たくさんの方に来てもらい意見をいただきたい」と来店を呼び掛けている。

定休日は火曜と水曜。営業は午前11時から午後6時の予定。オープンの17日は午前10時から式典、同11時30分から利用開始となる。

■2014.5.18  大手6社が「リハビリ・デイサービス協会」設立
リハビリ・デイサービス事業者6社にて設立発起
イー・ライフ・グループ株式会社、株式会社介護ネクスト、株式会社ウェルネスフロンティア、株式会社ポラリス、ベストケア株式会社、ベストリハ株式会社のリハビリ・デイサービス事業者6社は、2014年6月10日(火)に一般社団法人リハビリ・デイサービス協会を設立すると発表した。

設立の背景と目的
2015年度に実施される予定の介護保険改正により、訪問介護事業・通所介護事業は地域支援事業へと移行される予定となっている。また、小規模通所介護事業は地域密着型サービスへと移行される見通しだ。

このような背景をうけて、リハビリを取り入れたサービスを提供している通所介護事業所同士が連携を図り、情報交換することで、高齢者の運動機能の維持・向上を実現し、持続可能な介護保険制度を確立しようと同協会が設立された。

2006年に介護予防事業がスタートして以来、通所介護事業者たちは全国に多くの事業所を展開している。同協会の設立をきっかけとして、共に切磋琢磨し研鑽することで、業界全体のサービス品質の向上につながることが期待される。

活動内容、会費など
同協会は、通所介護事業、地域支援事業並びに介護予防給付の在り方に対する政策立案・提言を行う。また、「通所介護事業所」におけるリハビリを取り入れたサービスの普及推進活動や、それを提供する事業所全体のサービス品質向上のための活動を実施する。

会費は、通所介護事業1箇所あたり年額2,000円で、介護事業所以外の法人である賛助会員は年額100,000円。

初年度は会員獲得数1,000事業所・賛助会員10社、3年後には会員獲得数4,000事業所・賛助会員40社を目指していく。


プレスリリース
http://www.atpress.ne.jp/view/46421

■2014.5.19  社会福祉法人の売買横行 理事長私物化、数億円で取引も 社会福祉法人桜ケ丘福祉会//社会福祉法人ノテ福祉会
特別養護老人ホームや保育園などを多く運営する社会福祉法人(社福)を理事長が勝手に売り、多くの利益を得る例が相次いでいる。本来は福祉のための「非営利団体」で、個人が売買してはいけない。背景には、介護保険からの報酬や補助金をねらって社福を私物化する動きがある。

「3億円で理事長ポストを買わないか。何回かに分けて現金で払えばいい」

山口県下関市の会社社長(69)は2010年6月、横浜市の「朝日の里」の当時の理事長(75)からこう持ちかけられた。障害者施設などを運営する社福だ。

「もう年だし、やめるつもりだ」という理事長は、数億円にのぼる朝日の里などの預金通帳を見せてこう言ったという。「理事長に就いたら自由に使える」「理事を身内にすれば、理事長を引き継ぐという形で決められる。現金でもらえば売買は表に出ない」

この話は折り合わなかった。すると売却話は仲介者を通じて形を変え、東京都内の税理士と始まった。

「朝日の里への参入及び継承プロジェクト」。そう記す資料には3段階の売却シナリオが描かれている。

@税理士が理事長側の希望する土地を所有する
A税理士は4千万円を払い、(理事長側は)法人の理事1人、評議員2人の職を提供するB税理士が最後に1億円を払い、(理事長側は)理事長と理事2人、評議員1人の職を提供する。

税理士は11年8月に理事になり、前後して6千万円が渡った。だが、その後の約束は実行されず、理事長になれないまま。そこで今度は税理士が金を回収しようと、社福の売却話を持ちかけて回っている。

当時の理事長はこう話す。「みんな同じ穴のむじな。いずれは売却したいという話を聞きつけ、金の臭いを嗅ぎ取った連中が群がってきた。自分は『3億円』とは言っていない」

理事長ポストを利用した社福売買は広がっている。インターネットでは、社福の運営権の取得方法を紹介するホームページもある。

関東地方の行政書士は売買に十数回立ち会った。今年、首都圏の社福が数億円で売られた際には買い手の代理人として現金を渡し、引きかえに理事全員から辞任届を受け取った。仲介料は売買価格の5%だ。

「社福は介護報酬などの収入があり、財産がたまる。施設建設には補助金が出て、税金もかからない。買い手は多い」と言う。

■流用や不正請求、行政処分は計56件

社会福祉法は、社福を個人が所有するのを認めておらず、会社のような株主もいない。だが、一部の理事長らが私物化する例が後を絶たない。

朝日新聞が都道府県や政令指定都市、中核市に聞いたところ、この5年で26自治体が改善を命じる行政処分を計56件出していた。このうち、理事長の親族が社福のお金や施設を使ったり親族企業などに仕事を回したりする「私的流用」が21件、介護報酬などを水増しして利益を得る「不正請求」が15件、理事会を開かずに議事録を偽造するなどの「理事会の形骸化」が14件あった。



社会福祉法人「ノテ福祉会」(札幌市)の対馬徳昭理事長(61)は、これまでに何度か社福を買ってほしいと持ちかけられた。

「5億円を裏金でもらえないか。自分の社福をつくる時に5億円を寄付したので回収したい」。東京都内で特別養護老人ホームを運営する社福理事長はそう求めた。「退職金のために10億円を寄付してほしい」という誘いもあった。

これらはすべて断った。「理事長がお金を回収できる制度ではない」からだ。譲渡するなら、別の社福に施設や財産を引き継ぐしかない。

社福は篤志家らが土地などを寄付して設立し、理事長に就く場合が多い。土地などの財産の所有権は個人ではなく社福が持ち、会社のような株式もない。文字どおり福祉のために地域社会がみんなで持つ法人で、オーナーはいないのだ。

しかし、一部の社福幹部の間では、運営をめぐって多額の金が飛び交う。

「約束のやつ持ってきたばい」。そう言って、熊本市にある社福の幹部(56)が熊本市議(57)の事務所を訪れたのは、2006年8月7日だった。

当時、市議は別の社福「桜ケ丘福祉会」(熊本市)の理事長を務めていた。幹部が市議のそばに置いた二重の紙袋には、1億500万円の札束がぎっしり詰められていた。

前月末には「手付金」として2千万円も渡していた。合わせて1億2500万円。領収書をやりとりすることはなかった。

「桜ケ丘福祉会の保育園を買わないか、と市議に持ちかけられた」と幹部は振り返る。金を払えば、義兄を理事にして保育園長に就かせる約束だったという。

「義兄の息子も福祉の仕事がしたいと言っていた。将来、園長を継がせることもできる。安い買い物だと思った」。義兄とともに金を工面した。

この年、義兄は園児約100人の保育園長になり、息子も副園長に採用された。だが、園長になって2年後、理事会で「2年間の任期付き園長」にされて10年夏に園を追われた。

幹部は市議に対し、渡した金の返還を求める民事訴訟を起こした。市議は「受け取っていない」と主張して争ったが、昨年4月、金の受け渡しを認めて返還を命じる判決が確定した。

判決では、市議が06年5月に桜ケ丘福祉会の理事長に就く時に1億円が動いたことも指摘された。就任に反対する理事に現金を渡し、辞めさせたという。

市議は今は親族に理事長職を譲っている。朝日新聞の取材に「この件は終わりにしたい」と口をつぐむ。


〈社会福祉法人〉
特別養護老人ホームや訪問介護から、障害者施設、保育園まで幅広く福祉を担う。約2万法人あり、約16万カ所の福祉施設の約45%を運営する。もともと篤志家らが慈善事業のために土地などの財産を提供してつくった歴史がある。戦後は福祉を担うための公共性の高い法人と位置づけられ、利益を目的にしない非営利団体になっている。代わりに補助金や非課税などの優遇を受ける。

■2014.5.21  脳性まひの中2男子が「ビワイチ」挑戦! 手こぎ自転車で200キロ走破へ
脳性まひの影響で手足に障害がある滋賀県日野町の中学2年、北川海人(かいと)君(13)が、手こぎ式三輪自転車(ハンドバイク)で、琵琶湖岸を1周する「ビワイチ」に挑戦する。障害のため自転車に乗れなかった海人君だが、ハンドバイクとの出合いを機に「自分にも何かができるんだと証明したい」と挑戦を決意した。24日に同県近江八幡市内の湖岸を出発し、2日間で約200キロを走破する計画だ。

海人君は手足が自由に動かしづらく、自力で歩けるものの自転車には乗れなかった。自宅から学校まで約5キロ。以前は母親の和代さん(50)が車で送り迎えしてきた。昨年6月に父を亡くした海人君は、和代さんの負担を減らしたいと考え、「自転車に乗りたい」と相談した。自転車で登下校する同級生たちへのあこがれもあった。

「これまで自分から『ああしたい、こうしたい』と言い出すことはなかった」息子からの申し出は、和代さんを感動させた。「うれしくて、何とかしてやりたいと思った」という和代さんは、障害者が乗れる自転車をインターネットで探し、国内で唯一、ハンドバイクを本格製造している埼玉県朝霞市の「宇賀神溶接工業所」をみつけた。

「かっこいい!」。昨年9月に試乗した海人君は、オートバイのような外観にひと目ぼれし、購入が決まった。
小学校時代から、主に特別支援学級で先生と1対1の授業。同級生と過ごす時間が少なく、友人もなかなかできなかった。しかしハンドバイクと出合ってからは世界が一変。自力で登下校でき、友人の家や書店などにも行けるようになった。行動的になったことで体力もついてきた。

ハンドバイクで登校中、砂利道に車輪を取られて転倒したときには、通りかかった人が助けてくれた。チェーンが外れたときにも、同級生らが修理を手伝ってくれる。「ハンドバイクと出合い、家族だけでなく周りにも助けてくれる人がいることを知った。自信につながっているようだ」と和代さんも目を細める。

ビワイチには、リハビリに通う「びわこ学園医療福祉センター草津」(滋賀県草津市)の理学療法士やリハビリ仲間たちと一緒に挑戦する。和代さんは「中学生に母親がべったりするのも変」とゴールで帰りを待つ。海人君は「ゴールしたら、琵琶湖の景色や周りの観光地など、見たものをお母さんに伝えたい」とその時を待ちわびている。

■2014.5.21  発達障害への理解度の低さ浮き彫り 親「育て方が悪いと言われた」
「子供の発達障害は育て方が悪いせい、と言われた」−。障害者の就労支援を行っている「ウイングル」(東京都目黒区)が発達障害のある子供の保護者を対象に今春実施したアンケートで、このような回答がほぼ半数を占めた。同社は「発達障害への理解度の低さが浮き彫りになった」としている。

調査対象は、発達障害のある子供や発達が気になる子供を持つ家族向けに、同社が運営するコミュニティーサイトの会員330人(男性31人、女性299人)。このうち、子供が発達障害と診断されたことがある保護者は246人だった。診断されたとき、「自身の育て方に原因があると思った」と回答した保護者は49・2%とほぼ半数。内訳は「とてもそう思った」が34・6%、「ややそう思った」が14・6%だった。

発達障害と診断された子供の保護者の47・6%が「自身の育て方に原因がある」と周囲から指摘されたことがあると答えた。同社は「発達障害は先天的な脳機能障害が原因だが、正しい知識が不十分で、保護者が必要以上に自分を責めてしまう状況になりがち」と分析した。

発達障害に対する周囲の理解については、「理解されていると感じる」と回答した保護者は、「十分されている」「ややされている」を合わせても30・5%にとどまった。一方、「理解されていないと感じる」とした保護者は、「全くない」「あまりない」を合わせて39・0%だった。

調査は一般の20〜60代男女300人に対しても同時期、インターネットで実施。127人(42・3%)が、発達障害について「具体的な特徴も含めて知っている」「ある程度の特徴も含めて知っている」と回答した。

この127人に発達障害が起こる原因(複数回答)を尋ねたところ、「生まれつきの脳の発達が影響している」と回答した人が84・3%で最も多かった。

ただ、「親の育て方やしつけなどの家庭環境」「幼少期の教育環境」と答えた人もそれぞれ20・5%、26・0%と少なくなかった。

■2014.5.21  就労施設:教室に障害者作業所が開所 川崎・旧川内小 /宮城
少子高齢化に伴う児童数の減少で2012年3月末で閉校した川崎町の旧川内小学校の1階教室が、障害者の就労施設「レインボー川崎川内作業所」として生まれ変わった。19日には開所式が行われ小山修作町長らが教室を利用して働く障害者たちを激励した。

角田市や川崎町、多賀城市など県内8カ所で施設店舗を運営する障害者の多機能型就労支援施設「虹の園」など運営する社会福祉法人「臥牛三敬会」(角田市、湯村利憲理事長)が、教室を町から無償で借り受け、地元の障害者14人の新たな就労場にした。2階部分はすでに別会社が約30人が従事する「かわさきコールセンター」として活用している。

同法人が川崎町で運営する施設は、障害者26人が就労しピザ、パンなどを提供する「レインボー川崎」に次ぐ2施設目となる。川内作業所では、障害者は地元の印刷紙工場の下請け作業などを請け負う。今後は地区農家の畑を借り、野菜を作るなど食材の提供も予定している。

開所式には就労する障害者と同法人、町などの関係者が出席。湯村理事長が「町が提供してくれた広々とした教室で14人の利用者が仕事ができ、感謝している」とあいさつ。小山町長が「町にとってもありがたい。コールセンターの人々と共に仲良くし、働ける喜びを実感しながらいい仕事をしてほしい」と祝辞。関係者がテープカットして開所を祝った。

■2014.5.21  ウイングル、2013年度「障がい者就労支援実績」を発表
一法人として全国最多となる年間854名の就職者を輩出
全国平均を上回る前年度比伸び率17.9%増を達成

障がいがある方を対象とする就労支援センター、子ども一人ひとりの状況に即したオーダーメイドの幼児教室・学習塾を全国展開する株式会社ウイングル(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川敦弥 ※6月1日より「株式会社LITALICO」に社名変更)は、2013年度の就労移行支援事業実績をまとめましたのでお知らせいたします。

2013年度の就職者数は854名(全国38事業所)と、2012年度の724名(全国37事業所)を上回り、1事業所あたりの就職者数でも、19.6名から22.4名と大きく増加しました。伸び率では前年度比17.9%増と、厚生労働省が発表*した2013年度のハローワークを通じた障がい者就職件数の前年度比14.0%増を上回る、高い伸び率を達成いたしました。

ウイングルの就労移行支援事業について
当社では、精神障がい(統合失調症やうつ病など)・発達障がい(アスペルガーやADHDなど)・身体障がい・知的障がい・難病の方を対象とした就労移行支援サービスを提供しており、現在、全国41ヶ所で就労移行支援事業所を展開しています。

就労移行支援事業所とは、障害者自立支援法において定められた福祉サービス事業のひとつです。ウイングルの就労移行支援事業所では、就職を目指す障がいのある方に対して、実践的なビジネスマナー・パソコンスキル・企業実習・就職活動のトレーニングなどをおこない、企業が求める人材へのステップアップを障がいの種別を問わずサポートしています。就職までの支援だけでなく、職場定着のサポートを重視しているのも特長で、就職後半年から1年程度かけて、定期的な面談や就職先へのアドバイスなど、企業側とも連携した定着支援を実施しています。
 
■ 2013年度就労支援実績の分析
2013年度の就職者数が大きく伸びた背景には、昨年4月より障がい者の法定雇用率が民間企業でこれまでの1.8%から2.0%に引き上げられたことに加え、当就労支援事業所における様々なサービス向上施策によるものと考えております。

2013年度においては、指導カリキュラムの改善、開所時間の延長、施設環境の刷新、オリジナルテキストの導入や体験実習先の充実など、利用者の就労意欲を高める様々な施策を実施してまいりました。

特に、企業の体験実習では、利用者の希望に応じた新たな実習先の開拓に力を入れたことで、半数以上の利用者が実習に参加。実際の企業での経験を通して、自身の適正の正確な把握に大きな効果をもたらしています。

■ 今後の就労移行支援事業の見通しについて
障がい種別では、既に当事業所を利用された就職者のうち74%が精神障がいのある方ですが、2018年からの精神障がい者雇用の義務化に向け、今後、さらに精神障がいのある方の雇用が増えていくことが想定されます。当事業所でも一層、精神障がい者の雇用促進に注力していきます。

また、今後は雇用の「数」とともに雇用の「質」をより重視し、新たな職場の開拓や平均給与の向上に取り組んでいきます。今年度は既に開設済みの3拠点を含め、全国6ヶ所への新規拠点開設を予定しており、より多くの障がいのある方の就労を支援してまいります。


ハローワークを通じた障害者の就職件数が4年連続で過去最高を更新/精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を初めて上回る

平成25年度 障害者の職業紹介状況等
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000045834.html

■2014.5.22  「女性の嫌がる姿を見たい」 女子高生脅した男を逮捕 三重
高校1年の女子生徒(15)を脅すなどしたとして、三重県警名張署は22日、暴行と脅迫の疑いで、名張市百合が丘東5番町の介護施設職員、武田雄介容疑者(34)を逮捕した。武田容疑者は容疑を認め、「女性の嫌がる姿を見たかった。他にも十数件やった」と供述している。

逮捕容疑は19日午後8時ごろ、名張市の路上で、帰宅途中の高校1年の女子生徒(15)の口を手でふさぎ、千枚通しのようなものを突きつけて「静かにしろ。叫ぶと殺すぞ」と脅したとしている。女子生徒は声を上げ、武田容疑者がひるんだすきに逃げた。

同署によると、同市では平成24年3月ごろから数十件、女性が抱きつかれるなどの被害があり、関連を調べている。

■2014.5.22  佐竹音次郎:「保育の父」をしのぶ 私財投じ孤児5571人救う 出身の四万十市、24日に講演会 /高知
四万十市竹島出身で「保育の父」と呼ばれた佐竹音次郎(1864〜1940年)の生誕150年記念講演会が24日、市立竹島小(同市竹島)である。

音次郎は独学で教員となり、さらに医師となって神奈川県鎌倉市で開業し、子供たちの施設を併設。当時は一般的だった「孤児院」という言葉を嫌い「保育園」と命名した。これが「保育」という言葉の発祥とされる。関東大震災も乗り越え、私財をなげうち5571人の孤児を救った児童福祉の先駆者。

四万十市下田の児童養護施設「若草園」(小椋茂昭理事長)は、経営難に陥っていたのを音次郎の養子・昇さん(1899〜1973年)が1973年に鎌倉保育園中村支部として再建した。現在、生家には、侯爵・大久保利武が書いた「佐竹翁之生家」碑が、竹島神社には「夢」の記念碑、竹島集会所には「己れ死なば死骸は松の根にうめよ我がたましひの松のこやしに」と詠んだ辞世の句碑が残る。

記念講演会は24日午後2時からあり、玉里恵美子・高知大准教授が「保育の父・佐竹音次郎にまなぶ」と題して語る。当日は竹島小の児童らのほか、鎌倉から音次郎の親族も訪れる。墓前祭も行う予定。入場無料。

■2014.5.22  ハンセン病療養所を世界遺産に/25日に講演会
岡山県の国立ハンセン病療養所が中心となって、全国の療養所の世界遺産登録を目指す動きが起きていることを受け、香川県高松市の市民グループが25日、同市錦町の市男女共同参画センターで、運動の趣旨などを説明する講演会を開催する。

世界遺産登録に向けた動きは、国の誤った隔離政策の歴史や人権の大切さを後世に伝えるのが目的。日本最初の国立療養所・長島愛生園(岡山県瀬戸内市)と邑久光明園(同)が昨秋に準備会を設立。今年3月には岡山県や瀬戸内市などとつくる推進委員会が、全国13の療養所全体の登録を目指すとの基本方針を打ち出している。

今回の講演会は、大島青松園(高松市庵治町)のある香川でも運動の機運を高めようと、ハンセン病問題を考える市民の会が企画した。午後2時から、長島愛生園入所者自治会の中尾伸治会長と同園歴史館の田村朋久学芸員が講演する。資料代500円が必要(高校生以下は無料)。

現在、高松市などが大島の将来像を協議していることも踏まえ、同市民の会は「今後、県や高松市にも運動への支援を働きかけたい」としている。問い合わせは同会事務局の酒井さん

■2014.5.22  障害者と地域住民ふれあい/観音寺でフェスタ 香川
三豊広域福祉会・地域支援センターまるやまの「ふれあいフェスタ2014」がこのほど、香川県観音寺市流岡町の同センターであり、施設利用者が育てた花や野菜の苗の即売のほか、日ごろから交流のある団体のステージイベント、飲食バザーなどで終日にぎわった。

フェスタは障害者と地域住民、友好団体が交流を深めようと始まり、今年で16回目。ステージでは笠田高吹奏楽部や香川短大ダンスゼミ、みなみかじエイサー団が演奏や演舞を披露。爽郷(さっさ)やまもと連のよさこい踊りには、軽快な音楽に合わせて思わず踊りだす施設利用者も飛び出し、和やかな交流が繰り広げられた。

ペチュニアやマリーゴールド、サルビアなどの花や野菜の苗の即売は人気コーナーで飛ぶように売れ、地元の常磐小児童10人もボランティアとして販売をサポート。ゲームコーナー、飲食バザーにも長い列ができていた。

同福祉会は、知的障害者の授産施設として、1984年に観音寺・三豊の旧1市9町で設立し、昨年、30周年を迎えた。

■2014.5.22  障害者と患者 交流の場に/三豊総合病院でバザー 香川県
香川県観音寺市豊浜町の三豊総合病院で花壇の世話を行っている同市内の障害福祉サービス事業所が23日、患者らとの交流を目的に「福祉ふれあいバザー」と銘打ったイベントを開催する。

同病院は障害者優先調達推進法の施行に合わせ、昨年4月から院内の花壇や庭園の管理を4事業所に委託しており、各事業所が毎日交代で花の水やりなどを行い、院内の緑化にひと役買っている。

参加するのは、まるやま作業所、ぷちふらわぁ、やまもも、あゆみ作業所。花や手芸品、パンや焼き菓子などを即売するほか、お好み焼きやすしなどの飲食バザーで交流を深める。

時間は午前10時から午後2時半までで、会場は中央棟レストラン横のウッドデッキ。雨天時はくつろぎスペースに変更する。

■2014.5.22  視覚障害者とボランティアはねられ死亡
21日午後7時半ごろ、千葉県船橋市松が丘の市道を歩いて横断していた、同所の鍼灸(しんきゅう)師、三浦芳郎さん(64)と、同市習志野台の職業不詳、高田智代さん(69)が直進してきた軽乗用車にはねられた。2人は全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。

同署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の現行犯で、軽乗用車を運転していた同市古和釜町の会社員、江橋みつ江容疑者(65)を逮捕した。江橋容疑者は「ぶつかるまで2人に気づかなかった」と供述しているという。同署は容疑を同法違反(過失致死)に切り替えて詳しく調べる。

船橋東署によると、三浦さんは視覚障害2級の障害者で、ボランティアで介助をしている高田さんが自宅へ送る途中だったという。

現場は片側1車線の直線道路で、近くに信号機のない横断歩道があった。


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視覚障害者と介助者死亡 横断中はねられる 船橋の市道
船橋市松が丘5の市道で21日午後7時半ごろ、横断していた近くの鍼灸(しんきゅう)師、三浦芳郎さん(64)と同市習志野台3、高田智代さん(69)が軽乗用車にはねられた。2人は頭などを強く打っており、間もなく死亡した。船橋東署によると、三浦さんは視覚障害2級で、高田さんは三浦さんを介助していた。

同署は、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで軽乗用車の同市古和釜町、会社員の女(65)を現行犯逮捕した。容疑を同法違反(過失致死)に切り替え、詳しい事故原因を調べている。

同法は今月20日に施行された特別法。刑法から自動車運転過失致死傷罪など交通事故関連の規定が移行され、悪質運転の罰則も強化された。

同署によると、現場は片側1車線の直線。三浦さんら2人は横断歩道の近くに倒れていた。横断歩道に信号機はなかった。2人は三浦さんが趣味で通う音楽教室から三浦さん宅に帰る途中だったとみられる。女は「ぶつかるまで気付かなかった」などと供述している。

◆事故防止へ配慮訴え 千葉県視覚障害者協
亡くなった高田さんは2002年に船橋市福祉サービス公社(船橋市)へ登録以来、視覚障害者の外出支援サービスに従事してきたベテラン。現在も週3〜4日働いており、明るい人柄が利用者から好評だったという。

同公社は「(登録者の死亡事故は)今までにないことで非常に驚いている。詳細が明らかになっていないが、支援中に起きた事故であり、お二人の冥福を祈る」とコメント。

事故を受けて同公社は今後、事故防止のための研修の回数を増やすとともに、他の登録者らにも文書などで注意を促すという。

三浦さんもメンバーだった県視覚障害者福祉協会(四街道市)の御園政光理事(36)は「視覚障害者が交通事故で亡くなるケースは、県内では珍しいので驚いている」とした上で、「自転車や車を運転する人は白いつえを持つ人がいたら、徐行したり通過を待つなどしてほしい。障害者自身の注意には限界がある。今問題の“歩きスマホ”など健常者の無関心が視覚障害者の社会参画を妨げている」と訴えた。

■2014.5.22  在宅「医療的ケア」担うヘルパー、養成に地域差
在宅で人工呼吸器を使って暮らす重度障害者らへのたん吸引や胃ろう処置などの「医療的ケア」について、法改正で研修を修了したヘルパーら非医療職が実施できるようになってから2年がすぎた。だが、京都府と滋賀県では担い手の養成に大きな差があることが、厚生労働省の調査で浮き彫りになった。

厚労省が4月下旬に実施した全国調査によると、昨年度、在宅で特定の人のケアにあたる3号研修を修了した人数は、京都府が371人(全国5位)、滋賀県が12人(同43位)だった。大阪府は765人、兵庫県は420人いる。

指導看護師など講師養成も、京都府が431人、滋賀県24人と、地域格差が目立った。

調査によると、現場では▽医師や看護師の福祉制度への理解が不十分▽研修内容と家庭での実施方法の違いから、家族が不信感を持つ−など、医療と在宅福祉の連携に壁があることが課題になっている。

厚労省障害福祉課は「医療度の高い人が家で暮らしている割合や、自治体の姿勢、医療連携など、さまざまな地域格差があるのが実情」という。

府の委託で京都の研修を担当したNPO法人医療的ケアネット(京都市)の篠原文浩理事は「人工呼吸器を使っても、胃ろうを使ってもハッピーに生きる人のために、研修を広げていきたい」と話している。同ネットは24日午後1時半から、医療的ケア3号研修の支援充実をテーマにシンポジウムを神戸市中央区の市男女共同参画センターで開く。参加費1500円。問い合わせは同ネット

■2014.5.22  広島の折り鶴、衣服として再生 阿南の企業
平和を願って各地から広島に贈られた折り鶴が、阿南市の企業の技術で衣服に生まれ変わった。制服として採用する会社も現れており、開発担当者は「様々な製品を提案し、鶴を折った人の気持ちに応えたい」という。

折り鶴を再利用しているのは日誠産業(平尾昭一郎社長)。牛乳パックなどの古紙を溶かして繊維にし、製紙会社に出荷するパルプメーカーだ。一昨年、広島の古紙を使ったプロジェクトに参加したのを機に、広島に贈られた折り鶴がそのまま保管されていると知り、再利用に着手した。

開発部長の島大樹(ひろき)さん(33)はそれまで広島を訪れる度に、「飾られた折り鶴はその後どうなるのか」が気がかりだった、という。同年秋、社員が広島に出向き、約10トンの折り鶴を引き取った。

広島市へは年間約10トン、1千万羽の折り鶴が国内外から届く。市は以前、平和記念公園内に飾った後、別の施設で保管していた。だが、保存するより別の形で生かすべきだ、という松井一実市長の考えで方針を転換。一昨年以降は、学校の美術作品づくりなどに、無償で提供している。

日誠産業は独自の設備やノウハウを持ち、ひもや装飾のついた折り鶴でも処理が可能。牛乳パックを衣類の原料に使っている実績がある、大阪の繊維会社・オーミケンシに協力を呼びかけ、共同で商品化に向け動き出した。折り鶴から作った原料を数%含むポロシャツの試作品が完成し、販売まであと一歩だ。

こうした試みに、障害者を雇用し、資源リサイクルを行う板野町の「ハートフルコープとくしま」が賛同した。働く人にリサイクルの意義を実感してもらおうと、折り鶴が含まれたポロシャツを制服として採用することを決めている。

日誠産業の島さんは「広島以外の場所からも平和を発信していきたい」と話す。問い合わせは同社(0884・27・3323)。


オリヅルユニフォーム
http://www.nissey.net/201404022138

平和記念公園の折り鶴に込められた思いを
日誠産業
http://www.nissey.net/

■2014.5.22  今年もスズムシどうぞ 鳴門の障害者支援施設「板東の丘」
鳴門市大麻町板東の障害者支援施設「板東の丘」が約3万匹のスズムシを育て、郵送の準備を始めた。6月2日から送り出す。

スズムシは、施設の農園科飼育班が成虫になるまで4カ月間、世話をしている。大量孵化(ふか)が可能になった1989年から全国各地へ届けており、サンプルを置いてくれる神奈川県相模原市や大阪府高槻市などの郵便局で売り上げが伸びているそうだ。

観賞用ケースに入れるミニチュアの小屋や木柱は、ボランティアの手作りだ。飼育セットは、雌雄各4匹(送料・税込み2100円)と雌2匹、雄3匹(同1500円)のほか、雌雄各10匹だけの箱詰め(同2500円)もある。

■2014.5.23  長野に障害者プロレス愛好団体 脳性まひの男性2人が設立発表
長野市高田のNPO法人職員大越将史(しょうじ)さん(21)と、上田市下之郷の長野大4年生伊藤駿祐さん(21)の、ともに脳性まひで手足が不自由な2人が22日、長野市若里の信州プロレスアリーナで記者会見し、障害者のプロレス愛好団体「SkyRoad(スカイロード)」の設立を発表した。2人はそろって意気込みを口にした。

もともとプロレス好きだった2人は昨年6月、障害者と来場者が交流する市内のイベントでプロレスの試合をした。その経験が忘れられず、2人を支援してきたアマチュア団体「信州プロレスリング」(長野市)代表のグレート☆無茶さん(42)の協力を得て、愛好団体を立ち上げた。

会見で大越さんは「自分たちがプロレスをする姿を見て、他の障害者にも立ち上がってほしい」と語り、伊藤さんは「好きなプロレスに全力で打ち込みたい」と話した。会見後は公開練習をした。

2人は月2回、プロレスアリーナに通って練習し、同市若里のビッグハットで10月26日に開く「ハピスポひろば2014」のイベントに出場予定。大越さんは「これからもっとメンバーを増やして、障害者プロレスを多くの人に知ってほしい」と話している。

■2014.5.23  赤ちゃんポスト、昨年度は9人 設置から7年で101人 
熊本市は22日、親が育てられない子どもを匿名で預かる慈恵病院(同市西区)の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に2013年度は9人(男児4人、女児5人)が預けられたと発表した。12年度と同数で、07年の設置から7年間で累計101人になった。

発表によると、親の身元を特定できず、市が戸籍を作成したのは6人(66・7%)で、割合は過去最高。

生後1カ月未満の新生児は8人で、うち7日未満が3人。生後1カ月以上1年未満の乳児が1人。子どもを預けた父母らの居住地は熊本以外の九州・沖縄が1件、近畿地方、関東地方が各1件、不明が6件。出産場所は自宅(推測含む)が最多の6件、医療機関(同)は2件で、不明が1件。

ゆりかごを利用した理由(複数回答可)は「不倫」が2件で、「生活困窮」「未婚」が各1件、6件は不明。母親の年齢は30代が2人、40代が1人、不明が6人。9人の親の婚姻状況は、1人が離婚、2人が既婚、6人が不明だった。

■2014.5.24  小学生の列に車突っ込む 6人軽傷、保護者重傷/運転手は介護福祉士
23日午前9時50分ごろ、上尾市上野の県道を歩いていた市立平方小3年生の児童60人の列に軽乗用車が突っ込んだ。男児3人と女児3人が軽傷、付き添っていた保護者の女性(39)が胸の骨を折る重傷を負った。いずれも命に別状はないという。上尾署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで軽乗用車を運転していた鴻巣市松原4丁目、介護福祉士土岐多美子容疑者(61)を現行犯逮捕し、詳しい事故原因を調べている。

同署によると、現場は片道1車線の見通しの良い直線道路でガードレールはなかった。2クラスの児童60人は、社会科の校外学習「地域探検」の一環で、近くのスーパーから農園に向かう途中だった。
児童たちは、担任教諭や臨時職員、保護者4人の計7人の引率で道路左側から右側へ横断歩道を渡り、道路脇を1列で歩いていたところに、前から走行して来た軽乗用車が列の中央付近に突っ込んだ。

土岐容疑者は目立った持病や薬の服用はなく、「ぶつかるまで気が付かなかった。目がちかちかした」と供述しているという。
上尾市消防本部によると、現場にいた男性教諭が「小学生の列に車が突っ込んだ」と119番した。
車にはねられた保護者の女性が児童の列に倒れ込んだとみられ、児童6人は病院に搬送されたがいずれも擦り傷程度のけがという。

土岐容疑者の勤務先によると、介護ヘルパーの同容疑者は業務で利用者の自宅に向かう途中だった。
現場はJR高崎線上尾駅の南西約3・5キロの畑の中に住宅が点在する地域。

■2014.5.25  障害者雇用に今後必要な「障害年金の知識と請求手続ハンドブック」
障害年金と企業の関係
障害者雇用の対象者といえば障害者手帳の所持者である。しかしその雇用した障害者が障害年金を受給しているのかどうかを把握している企業の担当者は多くはないと思われる。

だが企業と障害年金は決して無関係ではない。厚生年金保険料は会社と労働者の折半であるが、労働者が障害年金を受給できるならば雇用した企業がそれを活用することはたいへんに有益である。

障害年金を学ぶ本
では障害年金の受給手続きとはどのようなものなのか。どんな制度なのか。それを知るための本が2014年5月20日(火)に株式会社日本法令から出版された「改訂版 はじめて手続きする人にもよくわかる障害年金の知識と請求手続ハンドブック」3456円(税込み)である。

この本は社会保険庁(現:日本年金機構)勤務をへて社会保険労務管理事務所を開業、障害年金請求専門チームの代表も務める社会保険労務士高橋裕典氏と、株式会社TKCにて人事給与システム開発に携わり、その後経営総合事務所を開業。特定社会保険労務士小嶋俊裕氏の共著。


障害年金手続きの代行方法を伝授
数多くの障害年金業務に携わってきた両氏が、相談を受けたときのヒアリング技術や話法からはじまり、その後の必要書類の整備の仕方といった具体的な手続きの流れを時系列に沿ってわかりやすく解説している。

多数の事例が盛り込まれていることもあり、請求手続きを手がける専門家から好評を博している。障害年金制度や関連他制度の基礎知識もコンパクトに整理されており、基本から学べるようになっている。改訂版では各種法改正情報などを加えて、より実践的に使いやすいものになっている。
株式会社日本法令ホームページ
http://www.horei.co.jp/

株式会社日本法令書籍詳細
https://www.horei.co.jp/shop/cgi-bin/shop2472366

■2014.5.26  自閉症・発達障害児育児での経験を語る…横浜
講演会「トータルセミナーin横浜 自閉症・発達障害児・者の支援を学ぶ」が24日、横浜市青葉区のアートフォーラムあざみ野で開かれた。自閉症、発達障害児の支援団体「ハルピース」(片山美穂子代表)の主催。

自閉症児の子育て経験などをもとにグッズを販売する会社「おめめどう」(兵庫県篠山市)を設立し、執筆活動もしている奥平綾子さんが講師を務めた。

奥平さんは「小学校低学年の運動会などで、子供がうまくできなくても構わない。私は『元気で満点』と考えていた。ただ、小学6年生は本人に障害を告知する時期。親子の関係性が問われる。思春期では子供に自己管理させることが大事」などと述べた。



2013/8/6
自閉症のガイド本出版 篠山・おめめどうの奥平さん

自閉症の人を支援している会社「おめめどう」(兵庫県篠山市味間奥)の社長、奥平綾子さん(50)が8日、ガイド本「自閉症・発達障害の人と伝えあおう、わかりあおう」(エスコアール出版部)を出版する。コミュニケーションを苦手とする自閉症の人が、相手とやりとりしやすくなる方法を、成長段階に合わせ丁寧に解説している。(井垣和子)

自閉症は生まれつきの脳障害。人が話す言葉や人の表情からその意図を読むことが苦手だったり、先のスケジュールが分からないことに不安感を持ったりするなどの特性がある。

奥平さんの次男は1995年、3歳6カ月で自閉症と診断された。障害について学ぶ中で、話して伝えるよりも、絵や文字を見せた方がコミュニケーションがスムーズなことが分かったという。そこで奥平さんは、目に見えない会話や予定を「見える化」した。その後、絵や予定を書く筆談用のメモ帳を作り2004年、それらを販売する会社を設立した。社名「おめめどう」は「視覚支援はどうですか」という意味を込めた。

メモ帳は「質問」や「選択」「予定」など16種類ある。人物から吹き出しが書かれたメモでは、誰から誰に向けられた言葉かを一目で分かるように工夫。山型を書いたメモは、下部に「雨」などの原因を、上部には「散歩に行けない」と結果を書くことで因果関係を「見える化」している。

出版するガイド本では、メモ帳を作るに至るまでの失敗やその成果などを紹介。自身や購入者の使用例を挙げながら、メモ帳が使えるようになる過程を丹念に解説している。奥平さんは「自閉症の人がいろいろな人と関わり社会の中で生きていく一助にしたい」と話している。

http://omemedo.tanba-sasayama.com/
ネットショップ
http://omemedo.ocnk.net/

■2014.5.26  記録不備 介護事業所指定を3ヶ月停止 岡山県
記録不備で処分
岡山県は、記録不備による処分として、岡山県津山市の「有限会社土居の里」が運営する訪問介護事業所「土居の里介護サービス」の事業指定を、6月1日から3ヶ月間停止すると5月20日に発表した。

岡山県によると、同事業所は、介護サービス提供についての記録が未作成や不正確な状態で、介護報酬を請求する時に必要となる「サービス提供票」を作成していた。

岡山県が、2013年6月から11月分について監査したところ、事実とは異なる内容も見つかった。不適切な介護報酬請求額は、約40万円に上ると見られている。

この他、サービス提供責任者が、訪問介護員などの業務の実施状況や介護予防訪問介護計画の実施状況を把握していないことも分かった。

介護報酬の返還を指導
岡山県では、サービス提供記録が未作成であるなど、介護サービスを実際に行ったことを証明できない場合には、介護報酬の返還を指導するとしている。

同事業所の介護事業所指定の全効力が停止される期間は、6月1日から8月31日までの3ヶ月間。

同事業所の利用者については、利用者の意向を最大限に尊重し、他の事業者が行うサービスに移行できるよう努めるとしている。

■2014.5.27  「夢の里」の指定取り消し ケアプランなく報酬受け取りで /佐賀
県は26日、ケアプランを作成せず報酬を受け取っていたとして上峰町の社会福祉法人「野菊の里」が運営する居宅介護支援事業者「夢の里ケアマネジメントサービス」(みやき町)の指定を取り消すと発表した。取り消しは31日付で、5年間事業者の指定を受けることができなくなる。また、関わった職員ら2人の介護支援専門員の登録を取り消す。

県によると、夢の里ケアマネジメントサービスは2009年4月から14年1月までの間、在宅の利用者約40人のケアプランを作らずに、報酬を請求していた。今年1月の県の立ち入り調査で違反が見つかり、所属するケアマネジャーは「忙しかった」と不正を認めているという。

サービス提供は他の事業所に手配しており、利用者への影響はなかった。約5年間での不正請求は計約1200万円に上り、今後、野菊の里が返還することになるという。

■2014.5.27  中野区:障害者の作品、常設の展示場を開設 /東京
中野区は、障害者福祉会館(沼袋2)1階に、区内の障害者団体を中心に作品を展示するギャラリー「アルモニー」を開設した。障害者のための常設展示スペースは全国的にも珍しいという。

区内には社会福祉法人を含め、大小さまざまな規模の障害者団体がある。しかし、生活介護や自立訓練の過程などで制作した作品を発表する拠点がなく、複数の団体が常設展示場などの設置を区に要望していた。同会館1階ロビーの福祉相談窓口だった場所が使えることが分かり、設備費など計約500万円をかけて開設した。

ギャラリーには絵画や陶芸、工芸品、写真などが展示できる。区内の障害者団体のほか、地元町会などを貸出先に想定している。利用は開館日の午前9時〜午後4時、展示期間は原則2週間で、貸出料は無料。3カ月前から申し込める。問い合わせは同館

■2014.5.27  川崎市の社会福祉施設でオウム病の集団感染
国立感染症研究所は5月22日、川崎市内の社会福祉施設でオウム病の集団感染が発生したと報告を受け、発表した。これまで国内では、動物園と鳥類飼育施設でオウム病の集団発生が幾つか報告されていたが、鳥や動物の飼育と関連のない施設での集団発生は今回が初めて。

オウム病は、細菌のオウム病クラミジアが原因の人獣共通感染症。主に感染した鳥の排泄物中に含まれる菌を吸入して感染する。1〜2週間の潜伏期間後、発熱や乾いた咳などの症状とともに、胸部X線撮影で肺炎(非定型肺炎)が認められる。オウム病は感染症法で4類感染症に定められているため、診断した医師は直ちに保健所に届け出る必要がある。

■2014.5.27  大町のGH、介護給付費返還取り消しへ提訴 ホームタナカ
杵藤地区広域市町村圏組合からの介護事業者の指定取り消し処分をめぐり訴訟で争っている杵島郡大町町の認知症高齢者グループホーム「ホームタナカ」は23日、組合が行った介護給付費約2400万円の返還命令処分の取り消しを求める訴えを佐賀地裁に起こした。

訴状によると、組合は昨年12月、同ホームに対し「介護給付費の不正請求の事実が認められた」として返還命令の行政処分をした。ホーム側は県介護保険審査会に不服審査請求を行ったが、今年3月に棄却された。

ホーム側は、組合が事実関係や理由を明示しないで処分したうえ、弁明の機会もなかった重大な手続き違反もあったと主張している。返還命令処分に関連し、不服審査請求を棄却した裁決の取り消しを求めて県を提訴している。

同ホームをめぐっては、入所者6人を医療機関に受診させずに放置し虐待したなどとして昨年11月、組合が介護事業者の指定取り消し処分を出した。ホーム側は処分取り消しを求め同地裁で係争中で、入所者に退去勧告した大町町に対しても業務妨害されたとして国家賠償請求訴訟を起こしている。

■2014.5.28  ソーシャルファームもぎたて:新事業所開所2カ月、販売順調 障害者12人が奮闘 紀の川 /和歌山
障害者の雇用拡大などを目指す社会福祉法人「一麦会」(和歌山市)が紀の川市平野に新事業所「ソーシャルファームもぎたて」をオープンさせて間もなく2カ月。規格外の地元産果物を使ったジャムなどの販売も順調で、今後は人手不足に悩む地元農家の支援にも取り組んでいく計画だ。

ソーシャルファームもぎたては4月1日、同法人の事業所「けいじん舎」紀ノ川出張所の事業を引き継ぐ形で発足した。地元産の規格外果物の加工販売のほか、農作物の減農薬栽培、手作りコロッケやおにぎりの販売などを展開し、現在、12人の障害者が働いている。

けいじん舎紀ノ川出張所の時には、高齢化などで人手が足りない農家の田植えや草刈り、収穫作業などを支援してきた。新事業所としてもさらに力を入れていく方針で、事業所代表の中原力哉さん(30)は「地域の基幹産業である農業を障害者が支援するという社会的な役割も果たしていきたい」と意気込んでいる。

ソーシャルファームもぎたての売店は午前9時〜午後5時営業。火曜定休。

■2014.5.28  不正請求で訪問介護事業所を指定取消 青森市
青森市は、5月19日、虚偽の記録による不正請求などで、介護保険法と障害者総合支援法に基づき、市内の訪問介護事業所を指定取り消し処分にすると発表した。
市は、同事業所が不正に受領した介護報酬に加算金を加え、約314万円の返還を求める。
処分の発効は6月15日。

■事業者の名称:合同会社美銀(代表社員 三浦正美)
■事業者の所在地:青森市奥野2丁目12番5号
■事業所の名称:ヘルパーステーション奥野
■事業所の所在地:青森市奥野2丁目13番18号 プリンセス荘1号
■サービス種別:訪問介護、介護予防訪問介護(介護保険)、重度訪問介護(障害者総合支援法)

■処分の理由
・虚偽の記録による不正請求
2010年12月から2013年7月にかけて、利用者への入浴介助サービスを実際よりも長い時間行ったという虚偽のサービス提供記録を作り、介護報酬を不正に請求した。

・施設的ケアの不正請求
2011年9月から2013年7月にかけて、有料老人ホームの入居者の入浴、モーニングケアなどについて虚偽のサービス提供記録を作り、介護報酬を不正に請求した。

・外泊期間中の架空請求(重度訪問介護)
2011年12月から2013年5月にかけて、有料老人ホームの入居者1名について、虚偽のサービス提供記録を作り、架空の介護報酬を請求した。

■2014.5.28  介護、福祉職員の処遇改善法案//衆院本会議で、全会一致で可決
介護や障害福祉の分野で働く職員の処遇改善に向けた法案は20日の衆院本会議で、全会一致で可決された。参院に送付され、今国会で成立する見通し。来年4月1日までに処遇改善につながる施策を財源も含めて検討し、必要な措置を講じる。

厚生労働省の2012年の調査では、ホームヘルパーや福祉施設の職員の月額の平均賃金は、全産業平均よりも10万円以上安く、勤続年数も5年程度と短い。

国内の介護職員は、25年度に12年度比で最大100万人増やす必要があると見込まれており、関係団体は賃上げを含む人材確保策を求めている。

■2014.5.28  持病で免許取り消し急増…来月の改正法施行前に
てんかんや統合失調症などの病状を理由に、運転免許を持っている人が免許の取り消しや停止などの処分を受けたケースが昨年1年間で2754件に上ることが警察庁のまとめでわかった。

同庁が統計を取り始めた2011年の1731件から1000件以上も増加。6月1日の改正道路交通法施行を前に、症状のある本人や家族からの相談が増えたことなどが要因だ。

同庁によると、昨年、運転免許を持っている人が病状を理由に免許の取り消しや停止などの処分を受けた2754件のうち、最も多かった病気はてんかん(788件)で、認知症(568件)、統合失調症(404件)と続く。

処分を受けたきっかけは交通事故が485件で最多。本人が相談し、安全性に問題があると判断されたのは369件で、11年の2倍に増えた。家族が相談した結果、同様に判断されたのは300件と、11年の68件増。同庁幹部は「本人や家族が病状や安全に対する意識を高めているからではないか」とみている。

これまでも運転免許の取得や更新時に病状の申告を求めていたが、任意で申告しなくても罰則はなかった。改正道交法では「質問票」の提出を義務付けた。

過去5年以内に〈1〉病気などで意識を失ったことがある
〈2〉思い通りに体を動かせなくなったことがある
〈3〉十分な睡眠時間を取ったが週に3回以上、眠り込んだことがある
などの5項目に回答し、虚偽の記載をした場合は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される。

■2014.5.28  認知症か…路上で保護の男性、特養で18年生活
埼玉県は27日、1996年10月に同県狭山市の路上で倒れているところを保護された認知症とみられる症状のある男性が、同市内の特別養護老人ホームで約18年間生活していると発表した。

男性は発見時、60歳前後で、県警が家族を捜したが、身元は分からなかったという。

また、同県日高市でも2005年9月に路上で倒れていて保護された70歳代前半の女性が、認知症とみられる症状で身元が分からないまま、現在も県内の病院に入院しているという。県は近隣の都県に2人の情報を提供し、身元の特定を進める。

群馬県館林市で07年に保護された認知症の女性の身元が判明したことを受け、調査していた。

■2014.5.28  持病で免許取り消し急増…来月の改正法施行前に
てんかんや統合失調症などの病状を理由に、運転免許を持っている人が免許の取り消しや停止などの処分を受けたケースが昨年1年間で2754件に上ることが警察庁のまとめでわかった。

同庁が統計を取り始めた2011年の1731件から1000件以上も増加。6月1日の改正道路交通法施行を前に、症状のある本人や家族からの相談が増えたことなどが要因だ。

同庁によると、昨年、運転免許を持っている人が病状を理由に免許の取り消しや停止などの処分を受けた2754件のうち、最も多かった病気はてんかん(788件)で、認知症(568件)、統合失調症(404件)と続く。

処分を受けたきっかけは交通事故が485件で最多。本人が相談し、安全性に問題があると判断されたのは369件で、11年の2倍に増えた。家族が相談した結果、同様に判断されたのは300件と、11年の68件増。同庁幹部は「本人や家族が病状や安全に対する意識を高めているからではないか」とみている。

これまでも運転免許の取得や更新時に病状の申告を求めていたが、任意で申告しなくても罰則はなかった。改正道交法では「質問票」の提出を義務付けた。過去5年以内に〈1〉病気などで意識を失ったことがある〈2〉思い通りに体を動かせなくなったことがある〈3〉十分な睡眠時間を取ったが週に3回以上、眠り込んだことがある――などの5項目に回答し、虚偽の記載をした場合は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される。

■2014.5.29  児童虐待3年ぶり増/県相談対応551件 香川
話題のテレビドラマの影響か―。2013年度に香川県が対応した児童虐待に関する相談件数は551件で、3年ぶりに前年度(493件)を上回ったことが、県のまとめで分かった。背景について、県子育て支援課は、国のガイドライン変更で「心理的虐待」に当てはまるケースが増えたことに加え、「児童養護施設を舞台にしたドラマが話題になり、児童虐待への関心が高まったことも一因ではないか」と分析している。

13年度の相談件数は、前年度から58件増加した。種類別にみると、暴言などで精神的に傷つける「心理的虐待」が212件で前年度より53件増、全体の38・5%を占めた。昨年、きょうだいら他者が暴力を受ける様子を見て恐怖を感じた事案なども虐待に計上するよう、国のガイドラインが改定されたことを受け、県でも下半期(10〜3月)から件数をカウント。52件の相談があり、全体件数を押し上げた。

最も多かったのは殴る、蹴るなどの「身体的虐待」で、前年度比7件増の214件(38・8%)。育児放棄「ネグレクト」も7件増の121件(22・0%)、「性的虐待」は9件減で4件(0・7%)だった。

ネグレクトでは、保護者が精神的に不安定で、子どもを学校に行かさないという事案もあった。登校を引き留めようとしてたたくなど、身体的な虐待にも発展し、昨年12月に学校が通告。県が状況を確認し、サポートに乗り出した。

虐待をする側で最も多いのは実母の296件で53・7%と、前年度(53・9%)とほぼ同程度だった。実父170件(30・9%)、養・継父65件(11・8%)、養・継母7件(1・8%)と続いた。虐待を受けた子どもの年齢は小学生が41・6%、3歳〜就学前が24・5%、3歳未満が14・5%で、前年度に引き続き小学生以下が8割を占めた。

県子育て支援課は「県民の関心が高まったことで、潜在化していた虐待が表に出てきたのでは」と指摘。「件数は依然、高水準で推移しており、未然防止に一層努めたい」としている。

■2014.5.29  AKB襲撃の梅田悟「発達障害」の診断
AKB48メンバーに刃物をふるってケガをさせ、殺人未遂で逮捕された梅田悟容疑者(24)の背景がだんだんわかってきた。「スッキリ!!」リポーターの西村綾子に母親が2時間にわたって話した。

梅田は警察の調べに、「以前からイライラしていた。AKBならだれでもよかった。切りつけたメンバーの名前は知らない」と供述していて、きのう27日(2014年5月)、身柄を盛岡地検に送られた。

俊足で評判だった中学時代。高校入学直後からひどいいじめ

梅田はどんな男なのか。中学時代の同級生は「凄く足が速い。いつもぶっちぎりで1位だった」「部活では憧れられる存在だった」という。陸上部に所属し、青森県大会で800メートル走で2位になるなど、地元で知られていたという。

変わったのは地元高校へ入ってからだった。ここでも陸上部に入ったが、入学から1週間経ったころ、母親に「学校をやめたい」と言ったという。母親は話す。

「『1週間って、まさかでしょ』と言ったら、『行ってみなきゃ、わかんないんだ』って。なんか嫌な人と会ったかもしれない。部活でもいじめにあって、先輩とかにも。暴力ではないんですよ、言葉で。なんか人間みたいじゃないとか、いろんなこといわれたって最初は泣いていました。『普通だったらもう死んでるよ』って言ったりしてました」

結局、2年生の夏に退学して通信制の学校に変わった。アルバイトもして、給料は全部家に入れた。体が弱い母親を助けたいという思いが強かったという。おととし(2012年)に大阪へ行った。

母親「『向こうは給料が高いから』って、ハローワークで自分で調べて。知り合いもいないし、都会は向かないから反対したんですけど」

大阪では警備会社に住み込みで勤務した。月給は約20万円で、3万円を残して全部母親に送っていた。

母親「私が丈夫じゃないから、楽させたいと思ったのかもしれない。言葉はあまりいわない。給料をもらうとすぐ振り込んでくれるんです」

その大阪で精神的に不安定となり、体調を崩して精神科を受診している。そこで発達障害(対人関係がうまくいかない。環境になじめない)と診断された。

母親「『オレは仕事ができないんだ』といっていましたね。自分は仕事がしたいのに、コミュニケーションとかが苦手だから友だちができない、話す人がいないと。仕事がしたかったと思うんだけどね」
青森県から「精神障害者保健福祉手帳2級」交付

昨年5月に実家に帰り、青森県から精神障害者保健福祉手帳2級の交付を受けた。母親は「自分で変だなと思ったから(病院へ)行ったのだと思うよ。頭が痛いとか、イライラするとか感じていたんじゃないかなと思います」と話す。

その後、青森で警備会社に仕事を見つけ、障害者手帳を十和田市役所に返却した。しかし、仕事は長く続かず、やめてずっと家にいた。今年1月からは仕事を探すこともしなくなった。

母親「ハローワークも行かない。自分が何もできない人間と思っていたのかもしれないですね。仕事は休みたくないという顔した子だった。だから体調が悪くても仕事に行く。仕事しているときは生き生きしている。じっとしていたくない子なんですよ、本当は…。何がしかしたかったけれども、ひととのコミュニケーションが下手で、会話ができないから、どうしてもやりたい仕事につけない。それがプレッシャーだったと思う。誰かに認めてもらいたかったのかもしれませんね。自分がいることを。面倒見なきゃと思ってて、それがだめになったから、自分はダメだと思ったのかもしれません」

先週土曜日早朝、「散歩に行ってくる」と自転車で出た。行き先はAKB握手会だったわけだ。「1時間くらいで帰ると思っていた」と母親は言う。

聞いているうちに、何ともやりきれなくなった。これまでいろいろ聞いた「引きこもり」「通り魔」とは違う。仕事がしたかった、家を助けたかった、しかしコミュニケーションできない。問題は彼を受け入れられなかった社会や学校の方にあったのではないのかとも思える。

しかし、司会の加藤浩次は「人それぞれですからね。家庭の事情とか、自分自身の問題とか…。それと犯行とはまったく違うと思う」という。

キャスターのテリー伊藤「対人関係がうまくいかない人はたくさんいますよ。でもつき合わなくてもできる仕事もある。いいわけにならない」

それは健康な人の話だろうに。被害者が自分たちのお仲間の芸能人でなかったらどうだろう。同じようにコメントをするのか。精神障害の手帳までもらった人の話なのである。加藤は「発達障害だというんですね」と軽く付け加えた。それがどんなに重大なことかがわかっていない。

西村は「母親はだから事件を起こしたというのではなく、母親として答えられる範囲でと語ってくれました」と報告する。まさに取材とはかくあるべし。

■2014.5.29  子どもの病名、「障害」の多くを「症」に変更
読み書きが困難な子どもの「学習障害」は「学習症」に――。日本精神神経学会は28日、精神疾患の病名を変更すると発表した。分かりやすい言葉を使うとともに、患者の不快感を減らすのが狙い。

米国精神医学会が作る精神疾患の診断基準「DSM」が昨年5月に改定されたのを機に、関連学会で病名や用語の和訳を検討してきた。

「障害」が付く子どもの病名の多くを「症」に変えた。親子がショックを受けたり、症状が改善しないと思われたりすることに配慮した。

対人関係などに問題が生じるアスペルガー障害や、自閉性障害は、「自閉スペクトラム症」に統一。衝動的に行動しがちな「注意欠如・多動性障害」は「注意欠如・多動症」にする。

大人に多い病気で、障害を症に変更した病名もある。動悸(どうき)や身震いなどの発作を繰り返す「パニック障害」は「パニック症」に。体の性と自ら感じる性が一致しない「性同一性障害」は、より分かりやすい「性別違和」に変える。

■2014.5.29  市役所で職員切り付け 京都・亀岡、容疑の男逮捕
29日午後1時20分ごろ、京都府亀岡市安町の亀岡市役所から「男が包丁で市職員を切り付けた」と110番があった。男は複数の職員に取り押さえられ、駆け付けた亀岡署員が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。市地域福祉課の男性職員(43)が左肩に軽傷を負った。

亀岡署によると、逮捕されたのは南丹市園部町の無職の男(35)で、「殺すつもりはなかった」と容疑を否認しているという。捜査関係者によると、男は近くのショッピングセンターで包丁を購入したと供述。同署の説明では、男は知的障害者らに交付される療育手帳を持っており、同署は動機とともに、責任能力の有無を調べる。

亀岡署によると、男は亀岡市から生活保護を受給していた。午後0時40分ごろ、市役所1階の生活保護を担当する同課窓口を訪れ、引っ越し費用について担当の男性職員に相談した。職員が「検討させてほしい」と答えたところ、「刺してやる」と激高し、その場を離れた。午後1時20分ごろ、再び来庁し、同課のカウンター内に入り、持っていた包丁で男性職員を切り付けた、という。

関係者によると、男は以前亀岡市に住んでいたが、昨年から南丹市のグループホームに転居していた。亀岡市によると、負傷した男性職員はケースワーカーとしてこの男を担当していた。

市役所の同じフロアには障害福祉課や高齢福祉課などの窓口があるが、市によると当時、来庁者はほとんどいなかった。男を取り押さえた男性職員の一人は「男は黙ってカウンター内に入り、座っていた担当者に向かって突き進んできた。担当者が後ずさりして逃げると、追いかけて奥で切り付けた」と話した。

地域福祉課を訪れた女性(56)は「相談で訪れたら警察官が大勢いて、窓口まで行けなかった。いつもは静かな場所でこんなことが起こるなんて」と驚いていた。

■2014.5.30  オウム病:12人が感染…ハトが原因か 川崎の社福施設
川崎市内の社会福祉施設で、通所者などが鳥から人間に感染するオウム病に集団感染していたことが、川崎市健康安全研究所への取材で分かった。施設では鳥を飼育していないが、職員を含む計12人が発熱などの症状を訴え、うち6人が肺炎を併発した。患者は全員回復した。鳥を飼っていない施設での集団感染は初めてという。

同研究所によると、2月24日〜3月10日に、19〜52歳の利用者や職員が発熱などの体調不良を訴えた。インフルエンザが疑われ投薬治療をしたが、病状が悪化して多臓器不全に陥る患者もいた。

同研究所が血液検査などを実施したところ、4人から細菌のオウム病クラミジアが検出され、施設2階の外壁で採取したハトのフンからも同じクラミジアが見つかった。昨年夏ごろから外壁の換気口付近でハトが巣を作っており、乾燥したフンが屋内に入り、感染したとみられる。

オウム病クラミジアはインコやオウムのほか、ハトなどの野鳥の多くが保有し、感染した場合は専用の抗生剤の投与が必要となる。同研究所の岡部信彦所長は「日常生活で感染することはほとんどないが、家の窓や軒下に鳥のフンがたまらないように注意し、掃除する際にはマスクを着け、手洗いを徹底してほしい」と話している。

■2014.5.30  まいづる福祉会、障害者の働くカフェ&弁当店をオープンへ
シックでスタイリッシュなカフェ&弁当店「BONO」
障害者の働く、人気の本格フレンチカフェレストラン「ほのぼの屋」を手がけ、障害者の就労支援における先進的事業に取り組んでいるとして注目を集めている京都府の社会福祉法人「まいづる福祉会」が、新たにカフェ&弁当店の「BONO」(ボノ)をオープンさせることがわかった。10月に舞鶴市字浜で開店する。

「BONO」は、旧海上保安学校修練館の未利用となっていた建物付国有地を、障害者就労継続支援施設として増改築。ブラックを基調とした2階建ての建物で、シックでスタイリッシュな外観の店舗にデザインした。

まいづる福祉会は、この未利用の国有財産であった建物付国有地について、近畿財務局京都財務事務所舞鶴出張所に対し、障害福祉サービス事業施設として活用したいと要望を提出、昨年10月25日に売買契約を締結し、取得していた。

女性をターゲットにしたカフェに夜はバー、テイクアウトや仕出しも
カフェ&弁当店としてオープンする「BONO」では、まず女性を主なターゲットとするカフェ営業を展開。ワッフルやフレンチトースト、パフェなどの人気スイーツ類を豊富にそろえるほか、ワンプレートディッシュといった食事系カフェメニューも提供する。夜にはバー営業も行うそうだ。

また、デリ弁当をテイクアウトできるスペースも設け、地域の高齢者らを主な対象とする弁当の仕出しも行っていく。20人の障害者がスタッフとして業務に従事する予定だ。

舞鶴市まちづくりデザイン賞を受賞した建物で、全国でも例を見ないといわれるほどの本格的なフレンチを提供し、近隣では知らない人がいないほどの評判レストランとなっている「ほのぼの屋」につづき、障害者が働く人気スポットとなりそうな「BONO」。今からその試みに注目が集まっている。

まいづる福祉会 ほのぼの屋 公式サイト
http://www.honobonoya.com/

近畿財務局 国有財産Topics ニュースリリース
http://kinki.mof.go.jp/content/000073594.pdf

■2014.5.31  ブラインドサッカーの企業研修「OFF TIME Biz」が人気
ユニバーサルなサッカー
「ブラインドサッカー」とは視覚障害者向けの競技で、視力の差を公正にするためのアイマスクをした4人のフィールドプレーヤーがかけ声をかけながらサッカーをおこなう。

マスクをしない晴眼者のゴールキーパー、コーチ、コーラーの3名はフィールドプレーヤーにエリア別に声のガイドをする。

コミュニケーションが競技のカギ
この競技の特徴は選手と、声のガイドをする側とのスムーズなコミュニケーションがプレーのカギとなることである。

日本ブラインドサッカー協会では競技においてそのプロセスを追求していく中で、健常者もアイマスクを付けて目をOFFにすることで、何かを発見できること、また競技以外のさまざまな場面で応用できることを認識。

これまでに学校向けの体験授業「スポ育」や企業における社員研修を目的としたワークショップを提供してきた。

特に紹介からスタートした企業研修は丸井グループ、渋谷区、NTTデータなど2012年は9件、2013年には17件と着実に広がりをみせている。


2014年から研修事業を拡大
そこで2014年4月からは企業研修プログラムを新たに「OFF TIME Biz」と名付け、広く申し込みを受け付けることになった。

この研修は実際に「ブラインドサッカー」をするのではなく、参加者はアイマスクをし、視覚をあえて奪われることで日頃感じ得なかった新しいことに気づけるというもの。

多様化の進む職場でのコミュニケーションスキルや障害者への理解など多くのことを学べるこの研修は、障害者を雇用する企業、担当者、同じ職場で働く人々にも大いに役立つ内容になっている。

日本ブラインドサッカー協会ホームページ
http://www.b-soccer.jp/

日本ブラインドサッカー協会プレスリリース
http://www.b-soccer.jp/6926/news/20140411pr.html

日本ブラインドサッカー協会教育機関・企業の方へ
http://www.b-soccer.jp/for_group_and_company

■2014.5.31  介護福祉士:インドネシア人女性2人、資格目指し猛勉強 滋賀老健入所者の人気集める 「ありがとう」が支え /滋賀
大津市富士見台の滋賀病院付属介護老人保健施設(滋賀老健)で、インドネシア人女性2人が働いている。経済連携協定(EPA)に基づく「介護福祉士候補者」で、2012年5月に来日した。日本で働き続けるには、4年以内に介護福祉士の国家資格を取ることが必要。試験勉強に加え、日本語の学習、介護技術の習得と乗り越えなければならない課題は多いが、入所者の「ありがとう」という言葉を支えに笑顔で仕事に取り組んでいる。

2人はレストゥさん(24)とファリダさん(24)で、共にインドネシア・ジャワ島出身。母国の看護大学を卒業後、「介護の質が高い日本で働きたい」と候補者に応募した。首都ジャカルタと横浜で計1年間、日本語を猛勉強。12年11月から滋賀老健で任期付き職員として働いている。

施設では、先輩スタッフの指示で、入所者の排せつや入浴、食事などの介護をする。入所者の顔と名前は全て暗記しており、話しかけるときには、目線の高さを合わせて丁寧な言葉を使うよう気をつける。一緒に歌ったり、体操をしたりと盛り上げ上手で、明るく気配りができる性格の2人は施設の人気者。入所者の一人、冨江とみさん(94)は「とても優しい。来てくれて本当によかった」と顔をほころばせる。

一方、外国人候補者を初めて受け入れた滋賀老健は、イスラム教徒で生活習慣の違う2人がなじめるよう、さまざまな配慮をしている。1日5回の礼拝をするために部屋を用意。日の出から日没まで飲み物を口にすることができないイスラム教の断食月(ラマダン)には、脱水症状を防ぐため、汗がでやすい入浴介助はさせない。宇野光子看護師長(59)は「2人はとても努力家で、若い介護士が減っている中で貴重な存在。できるだけ長くいてほしい」と話す。

2人が試験を受けるのは16年1月。異国で勉強と仕事を両立させるのは大変だが、2人は「『遠いところから来てくれてありがとう』と言われるのがうれしい。難しい専門用語を勉強しているとくじけそうになることもあるが、絶対に合格して日本で仕事を続けたい」と意気込んでいる。

労働力移動の促進などを行う経済連携協定(EPA)に基づく制度。2008年度からインドネシア、09年度からフィリピンの候補者を受け入れている。13年度までに来日したのは計1869人。介護施設や病院などで働きながら研修を受けるが、定められた滞在期間(介護4年、看護3年)で国家試験に合格しない場合は帰国しなければならない。13年度の候補者の合格率は、介護福祉士が36・3%、看護師が10・6%。

■2014.5.31  社会福祉法人の内部留保2兆円 「待遇改善の財源に」 財政審推計
財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は30日にまとめた報告書で、特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人(社福)が収益を巨額の「内部留保」としてため込んでいると指摘した。低賃金とされる介護職員の待遇改善に安易に税金を投入せず、まずは内部留保を人件費としてはき出すよう求めたものだ。

介護の現場では、低賃金や長時間労働による人手不足が問題になっている。一方、社福の一部では、理事長職の売買など私物化や乱脈経営の事例が判明している。報告書では、補助金や税の優遇を受ける社福は「収支状況が極めて良好」とし、全国の特別養護老人ホームで「少なくとも計2兆円の内部留保がある」との推計を示した。

来年度は、原則3年ごとの介護保険サービスの公定価格(介護報酬)の改定期。介護職の低賃金改善などを理由に、過去3回は増額改定が続いたが、報告書では「介護職員の処遇改善は、まずは社福の内部留保を活用すべきだ」とし、安易な税金投入にくぎを刺した。財務省は提言を受け、社福に対して財務内容の開示などを求めていく構えだ。

膨らむ医療・介護費を抑えるため、患者ごとの請求書(レセプト)データを活用し、都道府県ごとの数値目標をつくることも求めた。

また、景気回復で税収が想定より増えた場合に「差額分を歳出増や減税に充てるべきではない」とし、甘利明・経済財政相らが提案している「税収増を法人税率引き下げの財源に回す」という考え方に反対する姿勢を明確にした。

 

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