残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2014年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2014. 6. 1 社説:介護の人出不足 魅力ある仕事にしよう
 2014. 6. 1 埋もれた歴史に光 東庄・須賀山城跡 地元障害者が1年かけ整備
 2014. 6. 2 障害者の旅支援センター…交通、宿泊の情報提供
 2014. 6. 2 携帯・PCで「認知症チェッカー」
 2014. 6. 2 身近な死、悲嘆寄り添う…元看護師奔走
 2014. 6. 2 介護保険改正で特別養護老人ホームの新規入所が厳格化される
 2014. 6. 2 社会福祉法人、親族企業に利益 入札なし、自治体野放し
 2014. 6. 2 社福の公私混同が横行 身内企業から「月給220万円」
 2014. 6. 2 尊厳死考え、死を見つめて生きる意味問う 大分市
 2014. 6. 2 尿失禁改善する椅子型装置を新開発 日本光電工業
 2014. 6. 3 福祉に尽力、福田平治建設「愛隣会館」NPOが購入
 2014. 6. 3 社会福祉法人南高愛隣会の男性職員が女性利用者に性的虐待
 2014. 6. 3 富山市恵光学園、先月USB紛失 匿名の郵送で戻る /富山
 2014. 6. 3 障害者の再犯防げ 弁護士と社会福祉士ら連携 大阪で全国初
 2014. 6. 3 飲み込むことが困難な人向けの水分補給用ゼリー、新フレーバー2種類追加!
 2014. 6. 4 介護老人保健施設で、給食調理を受託している大阪市の会社が食材の分量をチョンボ
 2014. 6. 4 人口5万人未満の小規模自治体、自殺率高め
 2014. 6. 4 民生委員、実は暴力団幹部=融資詐欺容疑で逮捕―大阪府警
 2014. 6. 4 親法人の下に病院から介護まで、切れ目なく提供
 2014. 6. 4 医療、福祉現場は人手不足 自治労県本部など改善求め、山口で集会
 2014. 6. 4 町田市の社会福祉法人「共働学舎」常務理事・田中公明さん /東京
 2014. 6. 4 高齢者ら「識別しづらく危険」 点字ブロック 舗装面と同じ黒灰色 取手市
 2014. 6. 4 生活保護:最多217万人 増加傾向緩やかに 3月時点 厚生労働省
 2014. 6. 5 障害者の能力生かせ 神奈川の企業や福祉法人
 2014. 6. 5 デイサービスの指導・監査対応セミナー in 大阪【7月4日】
 2014. 6. 5 認知症行方不明者、昨年1年間で1万322人
 2014. 6. 5 糖尿病死亡率、6年連続ワースト1位の県は
 2014. 6. 5 教員の夢断念、差別・偏見も…片目失明者友の会
 2014. 6. 5 障害者就職、13年度に2000件超える…ハローワーク紹介
 2014. 6. 5 自殺率と出生率が19年連続ワーストになった県
 2014. 6. 5 兵庫県職員がいきなり高校生に殴る蹴る酒に酔って「覚えていない」 国立県営兵庫障害者職業能力開発校
 2014. 6. 5 根本的治療がない認知症 手術で治るタイプもあることが判明
 2014. 6. 7 福祉施設向け地震・水害BCP作成支援ツール無償提供
 2014. 6. 7 絆も育てる「福祉農園」 西和賀・新病院近くに開園
 2014. 6. 7 電動車いす、保険で備え…愛媛
 2014. 6. 7 「ハンセン病は体溶ける」授業で誤解の感想文
 2014. 6. 7 地図から驚くほど簡単に日本全国18万件の介護保険サービスやサービス付き高齢者住宅を検索できる    『HELPMAN JAPAN 介護サービス検索』オープン!
 2014. 6. 7 言葉がすぐには出てこない それって、認知症かも?  東京都がチェックリスト作成「20点以上なら相談を」
 2014. 6. 8 福祉施設併設の洋菓子店が人気 東近江 社会福祉法人蒲生野会
 2014. 6. 8 障害者らがカフェBONO 10月から京都・舞鶴に
 2014. 6. 9 発達障害者の支援体制づくりを進める通所型の生活介護事業所 ホープフルあすてーる 青森
 2014. 6.10 特養の地下室を促進 改正建築基準法が成立
 2014. 6.10 障害者に安らぐ場を 奔走する福島のNPO法人あさがお
 2014. 6.11 野菜づくり:障害者、益城町の休耕畑で 土に触れ、外に出る契機に /熊本
 2014. 6.11 グループホームは重度化の対応が焦点、介護と医療の連携強化へ
 2014. 6.12 湯梨浜の社福法人信生会の着服:立件総額7200万円に 元経理責任者を追送検 /鳥取
 2014. 6.12 広島・介護施設入所者殺害:被告、無罪主張へ 地裁公判前整理手続き /広島
 2014. 6.12 平川市長選選挙違反:公選法違反、新たに3市議起訴 20万円で票取りまとめ /青森
 2014. 6.12 詐欺:エコライフ経営者、容疑で逮捕 補助金不正受給で /宮城
 2014. 6.13 社会福祉法人あすなろ会 松の聖母学園 新たに6件 県の調査で確認 /鳥取
 2014. 6.13 累犯障害者・高齢者:支援、司法と福祉がタッグ 来月20日、水戸で初の研修会 /茨城
 2014. 6.13 75%が「老後は持ち家で」 高齢社会白書、初の意識調査
 2014. 6.13 盲導犬の育成支援を 自動車販売業社長がオリジナルタオル販売 松原 
 2014. 6.13 毎日の座る時間がラクになる日本製シートクッション
 2014. 6.13 「家族ではなく社会の問題」認知症の行方不明で奈良・荒井知事 実態調査を指示
 2014. 6.13 リハビリ応援 蛍200匹贈る…大分
 2014. 6.13 障害者虐待新たに6件 鳥取の支援施設  松の聖母学園
 2014. 6.13 8年間寄り添ったステラ 恵庭初の盲導犬引退 本田さん「人生が明るくなった」
 2014. 6.13 大東市、ホームページ上で「おおさか障がい者施設就労ガイド」を紹介
 2014. 6.13 大阪府内の障がい者就労施設ガイド
 2014. 6.13 清掃:手をつなぐ育成会200人、笑顔で武庫川を 尼崎 /兵庫
 2014. 6.14 女性押し倒し財布盗んだ介護職員逮捕 三重
 2014. 6.14 佐世保市、知的障害者専用の職場づくり…県内自治体で初
 2014. 6.14 市区町村の過半数策定せず 障害者施設からの調達方針
 2014. 6.15 社会福祉法人に地域貢献義務付け 内部留保批判で厚労省
 2014. 6.15 「リフカー」研修会:虐待被害、聞き取り方学ぶ 35人参加 尼崎 /兵庫
 2014. 6.15 介護施設で親が転倒したら?弁護士が教える「正しい損害賠償請求」のコツ
 2014. 6.16 ウエルシュ菌か? 滋賀県草津市の介護福祉施設で59人が食中毒
 2014. 6.16 ソバ打ち:入所者の目前で実演 横瀬の介護施設 /埼玉
 2014. 6.16 街角:苫小牧 古タイヤ無料引き取り /北海道
 2014. 6.16 社会福祉法人:「内部留保で公益活動」など柱に見直し案
 2014. 6.16 「重症心身障害者」を救え 迅速に搬送 大阪市の支援事業が始動
 2014. 6.17 介護報酬不正で調査委 監督不備の有無検証へ 夢の里ケアマネジメントサービス
 2014. 6.17 不正請求で居宅を3か月間効力停止に――久留米市
 2014. 6.17 福岡県内特養待機者1万8255人 在宅要介護3以上は3180人
 2014. 6.17 パナソニック、介護関連事業を倍増 19年3月期に500億円
 2014. 6.17 サービス付き高齢者向け住宅、大阪でなぜ多い? 人情の街、絆を重視 「老後は自分で」意識高く
 2014. 6.17 ハンセン病差別の実態、証言ビデオ作り…熊本
 2014. 6.17 車への積み込み 楽々…電動アシスト車いす
 2014. 6.17 大阪市の重症心身障害者支援 たらい回しの「どん底」に光 保護者、スムーズな受け入れ期待
 2014. 6.17 「重症心身障害者」を救え 迅速に搬送 大阪市の支援事業が始動
 2014. 6.18 オストメイト入浴拒否 県央部の公的施設
 2014. 6.18 介護保険負担2割に、年金収入280万円以上対象 医療・介護法が成立 特養入所厳格化に
 2014. 6.18 「4、5回入った」…元店長利用し勤務先に盗みに入った男があきれた供述 兵庫県警
 2014. 6.18 <社会貢献と成長>社会福祉法人伸こう福祉会がグレートカンパニーアワード大賞を受賞!
 2014. 6.18 < 「終の棲家」実態調査 >8割が子による介護を望まず――民間調査
 2014. 6.18 <認知症行方不明者>2013年は715人増の1万人強、151人が未だ行方不明、各自治体実態調査を開始
 2014. 6.18 要介護度
 2014. 6.18 障がい児の通所施設を設立
 2014. 6.18 「保健所」と偽り視察さす…和歌山・白浜の病院  公益財団法人 白浜医療福祉財団
 2014. 6.18 警察官が認知症対応学ぶ…大分
 2014. 6.19 平均寿命90年も 平成26年度高齢社会白書
 2014. 6.20 介護職の賃上げ目指す法律が成立
 2014. 6.20 ジム感覚で体力の向上を アシックスが介護施設運営 今秋から兵庫県西宮市で
 2014. 6.20 社会福祉法人制度見直しへ 厚労省
 2014. 6.20 介護老人福祉施設で59人が食中毒に 滋賀県
 2014. 6.21 規格外食品を福祉施設へ フードバンク始まる
 2014. 6.21 社会福祉法人を売買か…阪南市議
 2014. 6.21 身元不明11人、施設に暮らす…兵庫県内
 2014. 6.21 介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案
 2014. 6.21 衆法 第186回国会 10 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案
 2014. 6.21 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案 概要
 2014. 6.21 袖ケ浦の少年死亡:虐待問題 「入所を継続」8割超 保護者アンケート「環境変えたくない」 /千葉
 2014. 6.21 規格外食品を福祉施設へ フードバンク始まる
 2014. 6.21 障がい児、バッジでお知らせ…愛知・豊田
 2014. 6.21 総理の一日 安倍総理がロボットを活用する工場及び介護施設を視察
 2014. 6.22 生卵投げつけ 留学生暴行再発防止へ本腰 鳥栖
 2014. 6.22 養護施設の子供たちがカヌー体験 兵庫・豊岡
 2014. 6.22 社福のカネに群がる県議 福祉の名の下、多額が流れた 鳥取県 みのり福祉会
 2014. 6.24 社会福祉法人は公益的活動必須 厚労省検討会が報告書案
 2014. 6.24 宅の重度障害者 たん吸引、ヘルパー不足 有資格者32市町村でゼロ、解決策なく家族に負担 /茨城
 2014. 6.24 全国に広がる富山型デイサービス 就労の場や住まいも「共生」で
 2014. 6.25 佐賀)カブトムシの初出荷 太良の福祉事業所
 2014. 6.25 身元不明者:女性身元判明、埼玉で1人暮らし 通販記録、決め手に /静岡
 2014. 6.25 保育園で5歳男児が頭蓋骨骨折
 2014. 6.25 元京都府警幹部が銃所持認める 「趣味で収集」
 2014. 6.25  子供も無料で利用ができる開かれた介護施設
 2014. 6.25 『ふっくら雑炊』全7商品をリニューアル新発売
 2014. 6.26 「採用氷河期」人材の奪い合い
 2014. 6.26 介護費用:事前申請でバリアフリー改修費が10分の1に
 2014. 6.26 社福県議 票とカネ、支える福祉
 2014. 6.26 岐阜市の訪問介護事業所、780万円を不正受給 訪問介護そがや 有限会社輝らら
 2014. 6.26 介護報酬不正請求 介護付き有料老人ホームさくらの郷
 2014. 6.26 高知県内の3万人が介護サービス2割負担の対象に
 2014. 6.26 介護施設入所者殺害 「自白の誘導ない」 警察官が証人出廷 地裁公判 /広島
 2014. 6.27 はつらつ介護予防教室「わくわく脳トレ講座」を実施 高松市
 2014. 6.27 MRIで自閉症特有の脳の動きを発見 福井大
 2014. 6.27 懲戒解雇:施設入居者の現金、訪問介護職員盗む 練馬 /東京
 2014. 6.27 3つあったら要注意 「認知症」初期段階危険度チェックリスト
 2014. 6.27 外国人の看護師・介護福祉士、既に2割が帰国
 2014. 6.27 「自立へ共助」障害者の家 NPOシェアハウス
 2014. 6.27 障害者と銭湯に 尼崎のNPOが「おふろプロジェクト」
 2014. 6.28 認知症の母の財産、使い込む後見人を解任するには
 2014. 6.28 特養入所6人の預金800万円着服 北海道・鹿部の福祉施設職員
 2014. 6.28 1400万円着服 特養職員が入所者口座から 横浜市指導へ  社会福祉法人横浜博萌会
 2014. 6.28 昨年度の過労死133人…12年連続100人超
 2014. 6.28 「ケアごはんアイデアコンクール」のレシピを公開中 静岡県
 2014. 6.28 介護人材と中年童貞 介護という美名のもとに集う人々  
 2014. 6.29 胃ろうにしないと追い出される特養
 2014. 6.29 胃ろうをしても口から食べられるか?
 2014. 6.29 NPO法人PWL 不適切運営 横浜市が6810万円返還請求
 2014. 6.30 障害者ら丹精 マンゴー実る
 2014. 6.30 「虐待や生活保護ピンハネ被害」と、元入居者5人が高齢者向けマンションを提訴 
 2014. 6.30 虐待で高齢者向け賃貸経営者提訴 介護放棄や預金を勝手に引き出す ドクターズマンション天六苑
 2014. 6.30 高齢者マンション・虐待訴え提訴 ドクターズマンション天六苑
 2014. 6.30 三重県に通所介護の新規指定拒否を要求 桑名市
 2014. 6.30 高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの事例を紹介 建築研究所
 2014. 6.30 社福法人の私物化止めるには 識者が提言


■2014.6.1  社説:介護の人出不足 魅力ある仕事にしよう
飲食業や建設業を中心に人手不足が目立っているが、とりわけ深刻なのが介護や保育だ。非正規雇用の人を正社員にして労働力の確保を図る会社が増え、賃金アップの波が広がっていることは歓迎したいが、もともと賃金の低い介護や保育にとっては格差がさらに広がり、人手不足に追い打ちをかけているのだ。

安倍政権は女性の活用を打ち出している。社会で働く女性が増えると家庭内で担ってきた介護や保育を代替するサービスはますます必要になる。人口の多い団塊世代が本格的に介護を必要とする時期も迫っており、介護や保育の人材確保は火急の課題なのである。

今国会では議員立法で「介護・障害福祉従事者の人材確保特措法案」が提出され、全額国庫負担で平均1人月約1万円の賃上げを図ることになっている。介護など福祉現場で働く人の賃金の原資は介護保険や税金であり、賃上げは国民負担が増すということでもある。公費だけでなく、介護施設などを経営する社会福祉法人の自助努力も求めなくてはなるまい。小さなNPOや株式会社は同じ内容の福祉事業をしても税金が掛かるが、社会福祉法人は非課税で各種助成金でも優遇されている。多額の内部留保がある法人はもっと職員の賃上げに回すべきだ。

高齢者や障害者の施設では、認知症や行動障害の人の利用を断り、精神科病院へ安易に回すことがよくある。働く職員の賃上げとともに専門性も高め、支援の難しい利用者に対しても生活の質を高められるサービスを提供できるようにしてほしい。そうでなければ利用者や一般国民は納得できないだろう。

介護現場の仕事といっても車両による送迎や清掃、洗濯など比較的単純な作業から、支援計画の作成や2次障害の改善など高い専門性を要する仕事まである。一律の賃上げよりも、業務の難易度やスキルの高さを賃上げに反映させることも考慮に値する。終身雇用よりも、資格や実績に合った職場へ転職することが比較的一般化している業種でもある。個々の職員のやる気を高める賃金体系を目指すべきである。

やりがいは金銭だけではない。士気が低く劣悪な介護がまかり通っている施設では、職員は定着しない。介護や保育は本来、クリエーティブ(創造的)な仕事だ。最近は大企業や国家公務員より福祉の仕事を目指す大学生も珍しくなくなった。リーダーが高い理念を掲げて優れた実践をしている組織で目立つ。賃金を上げても魅力のない職場には人材は集まらない。職員が専門性を磨き、良い支援を実践し、やりがいを感じられる職場にしてほしい。

■2014.6.1  埋もれた歴史に光 東庄・須賀山城跡 地元障害者が1年かけ整備
長く荒れ果てていた東庄(とうのしょう)町笹川の須賀山城跡の本丸一帯を、近くの障害者支援施設「北総育成園」で暮らす知的障害者らが広場として整備し、山開きした。地域住民は「埋もれていた地元の歴史に光が当たる」と喜び、町おこしへの取り組みも始まった。

標高五〇メートルほどの小高い丘を登り始めてわずか五分。頂上部への最後の通り道は細く、落差のある空堀に囲まれ城の名残を残す。本丸跡は約三千平方メートル。周囲に林立する大木のわずかなすき間からは、広大な水田地帯が見渡せた。

須賀山城は十二世紀、中世の房総半島を支配した豪族の千葉氏一族に連なる東(とう)氏の初代当主胤頼(たねより)が居城とするため築いたと伝えられ、東庄の名前の由来になっている。

町は文化財としての重要性を認識し、二〇〇一年に城跡を示す看板を頂上部に立てた。ただ、私有地で人が立ち入れないこと、保護に必要な費用負担などから史跡指定を見送ってきた。

麓にある北総育成園は、城跡の中腹を借りて森を少しずつ切り開き、原木シイタケ栽培などをしてきた。手付かずだった頂上部の整備は、創立四十周年に合わせて発案した。

作業療法に位置付け二週に一度、利用者十三人と職員六人が弁当持参で丸一日山に入った。壁のように生い茂った高さ約三メートルの篠竹の伐採に挑み、一年余りで広場になった。

武井敏朗園長(64)は、「利用者にとって自然の中での作業は成果が分かりやすく励みになる。森があまりに手ごわく、くじけそうにもなったが、よくやれたと思う。地域貢献ができてよかった」と笑顔を見せた。

町の歴史を知り、感じてもらう場に−。施設側のそんな思いを受け止めた地主の男性も「自然が守られる形でなら、と快諾しました。おかげできれいになったので、多くの人に見てもらいたい」と満足げだ。

広場の整備は終わっていない。景観を楽しむための木立の間引きや、安全対策で柵などを設ける必要もある。このため、東庄郷土史研究会の会員らが「須賀山城址(じょうし)保存協力会」を設立し、花や木の植栽や案内板の設置を計画している。

平野剛会長(77)は「県内でも由緒ある城なのに、もったいないと思ってきた。山開きができたのは本当にありがたいこと。民間の力でさらに整備を進め、地域の歴史をPRできれば」と意気込む。

岩田利雄町長は「この場所は町民のよりどころになる。教育委員会にも現場を見てもらい、どう活用していくか町として考えていきたい」と話した。

■2014.6.2  障害者の旅支援センター…交通、宿泊の情報提供
障害者や高齢者などの旅行の手助けをしているボランティア5団体は、車いすで移動しやすい交通機関や宿泊先の情報を集め、障害者らに伝える「東京ユニバーサルツーリズムセンター」を共同で設立した。

2020年の東京パラリンピック開催を前に、障害者らが旅行しやすい環境整備を進めるのが狙いだ。

都内の「高齢者・障がい者の旅をサポートする会」(久保田牧子理事長)の呼びかけに、北海道、神戸市、沖縄県、熊本県の団体が応じた。移動しやすい都内観光の計画を作ったり、同行して介助するボランティアを手配したりする。福島県や仙台市などの他団体とも旅行の受け入れや送り出しで協力していくという。

久保田理事長は「各地の団体にはそれぞれに培った支援のノウハウがある。それらをセンターに結集したい」と話す。

特定非営利活動法人の認証申請を近く行う予定で、旅行などの相談は現在、高齢者・障がい者の旅をサポートする会で受け付けている。

■2014.6.2  携帯・PCで「認知症チェッカー」
東京都国分寺市は、認知症の早期発見につなげようと、認知症の簡易検査ができるホームページ(HP)「認知症チェッカー」を作成した。HPはパソコンやスマートフォンなどから利用可能で、自分自身を検査するものと、家族や介護者が身近な人について検査するものの2種類が用意されている。

自分自身を検査するものでは、「同じ話を無意識のうちに繰り返す」「物のしまい場所を忘れる」といった10の項目について、当てはまるかどうかを回答すると、認知症に進む可能性が3段階で示される。危険性が高い場合は、相談にあたる市地域包括支援センターなどの連絡先が表示される仕組みだ。

検査項目は、公益社団法人「認知症の人と家族の会」の協力などで作成した。同市福祉保健部高齢者相談室では「認知症について考えるきっかけを作り、早期受診につなげたい」と話している。

HPのアドレスは http://fishbowlindex.net/kokubunji/

■2014.6.2  身近な死、悲嘆寄り添う…元看護師奔走
身近で大切な人を亡くした悲しみを和らげるグリーフケアを県内でも広めようと、元看護師の浅原聡子さん(45)が、静岡市葵区で専門のカウンセリングや一般向けの講演会を開いている。

国内でのグリーフケアの認知度は欧米に比べて低く、県内でも専門のカウンセリングを開いているのは浅原さんだけだ。

浅原さんは2013年3月から同区御幸町で、グリーフケアを受けられるカウンセリングルーム「ivy(アイビー)」を始めた。交通事故や病気、流産などで家族や親しい友人と死別した人などが訪れ、浅原さんと約1時間半面談する。つらさや葛藤をじっくり話し合い、心理的な負担を和らげるとともに、気持ちの整理を後押しする。カウンセリングの時間や回数は、相談者によって異なる。

浅原さんは1990年から20年間、同区の県立こども病院に看護師として勤務した。元気になって退院する子どもたちがいる一方、懸命の治療が実らず、亡くなる幼い子どもたちをみとってきた。

2006年、出席した医療の国際会議でグリーフケアを知り、「日本にも、『よく頑張って生きたね』と遺族が思えるケアが必要だ」と痛感した。10年にこども病院を退職後、遺族が悲しみを乗り越える手助けをしようと、グリーフ・カウンセリング・センター(東京)の講座を約1年間受け、資格を取得した。

「ivy」はつらい宣告を受けたり、みとったりする病院と違う場所にあり、心理的には相談に来やすい。一方で、相談者がグリーフケアを知らないとたどり着けない短所もある。このため、浅原さんは13年6月から、グリーフケアに関する講演会も開いてきた。

浅原さんは「相談者が自らの歩みを進めるために、落としどころを見つける手助けをしたい」と話している。

問い合わせは「ivy」

グリーフケア 流産や病気などで、近親者を失った人が抱える悲しみや喪失感(グリーフ)を和らげること。日本では阪神・淡路大震災以降徐々に知られるようになり、東日本大震災後には、親を亡くした子どもを対象としたケアも各地で行われている。

■2014.6.2  介護保険改正で特別養護老人ホームの新規入所が厳格化される
5月15日に衆院を通過し、今国会の成立が確実になった「医療・介護推進法案」が日本の介護を大きく変える。

2000年にスタートした介護保険の理念は「家族だけでなく社会全体で介護を支える」だった。しかし、高齢化の進行で2010年度に7.8兆円だった介護費用は2025年度に21兆円に増加する推計で、“経費削減”のため国はこの理念を捨てて、“改悪”に走った。市民福祉情報オフィス・ハスカップの小竹雅子さんは、「今回の改正はサービスの抑制を狙ったもの」と強調する。

新しい介護保険制度は2015年4月から2017年3月までに全国の市区町村で実施される。この先、どのような地獄が私たちを待つのか。改正のポイントとともに解説する。

国は年金年収280万円以上を「高額所得者」として、介護保険の自己負担を1割から2割に増やす方針だ。しかし、この層は高齢者の5人に1人にあたり、決して高額所得者ではない。

現在、在宅サービスの平均的な利用料の目安は「要介護1」の月7700円から段階的に高額になり「要介護5」では2万1000円。これらが一気に倍に跳ね上がる計算だ。全国に1万人以上の会員がいる「認知症の人と家族の会」の小川正事務局長はこう話す。

「もちろん、一定の収入がある人にはより多く負担してもらいたいですが、年収280万円という線引きは低すぎる。年収300万円未満と億万長者が一括りであることも納得いきません。現在、介護認定を受けても介護サービスを利用しないかたが約100万人いますが、負担倍増でさらに多くの人が利用をあきらめるでしょう」(小川事務局長)

現在、「要介護1」から利用できる特養の新規入所が原則「要介護3」以上になる。国は自治体の判断で「要介護1・2」でも特養入りは可能とするが、その条件は厳しい。現在、52万人に及ぶ“特養待ち”を費用削減のため、国は何としても減らしたいからだ。

市民福祉情報オフィス・ハスカップの小竹雅子さんはこう話す。

「現在、必死で在宅介護を続けるかたたちは、『いざとなったら特養へ』という思いを支えにしています。『要介護2以下は門前払い』となれば、最後の頼みがなくなってしまい、心理的な負担も大きくなりかねません」

必要なのに特養に入れない場合、費用が高い有料老人ホームなどに託さざるを得ない。でも、お金のない人は、家族が看るほかないのだ。結局、負担を一身に背負うのは、主に女性なのだ。

「介護を担う家族の経済的、身体的、心理的負担が増せば、現在も頻繁に起きている高齢者虐待や介護殺人、介護心中が増えかねません。介護保険の利用者は男性より長寿の女性が多く、家族介護者の7割は女性です。介護問題は女性問題でもあるんです」

■2014.6.2  社会福祉法人、親族企業に利益 入札なし、自治体野放し
特別養護老人ホームや保育園などを運営する社会福祉法人(社福)の一部が、理事長ら幹部の親族企業に建物管理などの仕事を優先して回していることがわかった。社福はお金もうけを目的にしてはいけないことになっており、本来は複数の企業を競わせる「入札」をして適正に取引先を選ばなければいけない。だが、こうした手続きが取られずに「ファミリー企業」にお金が流れ、自治体も監視できていない。

特養などを運営する社福「あそか会」(東京都江東区)の近くに8階建てビルが立つ。あそか会を約30年にわたって取り仕切り、5月末で退任した前常務理事(70)の長男が社長を務める企業が所有し、あそか会の訪問看護ステーションや研修センターが入る。

ビルには長男が社長を務める建物管理会社も入る。あそか会理事を務める久間章生元防衛相(73)が出資していた旅行会社を前常務理事が買い取って建物管理会社に変え、1990年代後半からあそか会が運営する特養などの保守や清掃を一括して請け負ってきた。

その仕組みはこうだ。@あそか会は昔からつきあいがある宿泊施設運営会社と保守や清掃を一括契約する。Aその会社が1〜2%の手数料をとり、長男の会社に仕事をすべて回す。

年間の契約額は昨年度まで1億2千万円を超え、今年度は約9500万円だった。前常務理事は「長男の会社がかなり利益をあげていたので、値引きさせた」と打ち明ける。

厚生労働省は社福に対し、高額の契約(4月からは2700万円以上)は複数の企業に価格などを競わせる「一般競争入札」を義務づけている。だが、あそか会は入札せずに宿泊施設運営会社と契約してきた。

さらに、長男の会社は前常務理事が社長を務める会社と(助言などの)コンサルタント契約を結び、料金を払う。前常務理事は社福のほかにこの会社からも「月50万〜60万円程度」の報酬を得ているという。

前常務理事は朝日新聞の取材に対し、「長男が社長になる前から社福の仕事を契約し、更新してきた。良くないと気づかなかったことを反省している。(社福からお金を)吸い上げる気は毛頭ない」と話す。

朝日新聞が都道府県などを調べたところ、親族などの企業との取引を改善するよう命じる行政処分がこの5年で11件あった。

だが、都道府県などが社福の取引などを調べる検査は2年に1度しかない。社福からの報告を確認するのが中心で実際の入札方法や契約書をくわしく調べておらず、実態が把握されないままになってきた。東京都もあそか会が入札していると報告したのを信じ、処分していない。

大阪府内の社福理事長は「行政はファミリー企業におおらかだった。次第に厳しくなったが、別の企業に迂回(うかい)するなどして取引が続いている」という。



〈社福祉法人の私物化〉 社会福祉法人は特別養護老人ホームから障害者施設、保育園まで幅広く福祉を担う。全国に2万法人近くあり、約16万カ所の福祉施設の半数近くを運営する。公共性が高く、お金もうけを目的にしない「非営利団体」だ。だが、一部の社福で、理事長らが自分の利益のために社福を億単位で売却するなどの私物化の例が相次いでいる。

■2014.6.2  社福の公私混同が横行 身内企業から「月給220万円」
新潟市内の社会福祉法人「心友会」に5月9日、新潟県警の捜査員数人が家宅捜索に入った。前理事長(67)が関係する給食会社が、心友会の特別養護老人ホームなどに納めている給食の代金を水増し請求したなどの疑いだ。その10日後、前理事長は辞任した。

心友会は県内で特養などを運営している。2001年、事故車などを修理して販売する会社を経営していた前理事長が、土地を寄付してつくった。

給食会社は前理事長が事故車などを販売する会社を05年に衣替えした。心友会の施設には別の会社が給食を納めていたが、06年ごろから前理事長の給食会社へと切り替わっていった。

心友会のある施設では12年春、高齢者向けの流動食の請求額が月約25万円から約40万円に上がった。流動食の中身はそれまでと変わらず、つくっている会社も同じ。だが、この会社から前理事長の給食会社が約25万円で仕入れたうえで、施設に約40万円で納める仕組みになったという。

心友会はこの10年ほどで特養やグループホームなどを次々につくった。給食会社の売上高も増え、いまでは5年前の3倍以上の約1億4千万円に達する。

一方、心友会は施設建設のため借入金がふくらんでいる。ある職員は「心友会の借金がこんなに増えて大丈夫なのか」と不安に感じていたという。

前理事長は11年に給食会社の社長職を部下に譲ったが、社員として残った。内部資料では、社員として、多い月に額面で220万円の給料を受け取っていた。ほかの従業員は15万円前後だった。「周囲は低い賃金で働かせて、自分だけぜいたくしている」。心友会の職員の間では、ひそかにそんな声も出たという。

厚生労働省は社福に対し、契約額が160万円を超える物品を買う場合は原則として、業者が自由に参加する「一般競争入札」か、業者を指名して競わせる「指名競争入札」を義務づけている。新潟県によると、心友会は給食会社と毎年160万円を超える契約を結んでいたが、入札していなかった。


■架空取引で代金1150万円

理事長ら幹部の「公私混同」は全国でみられる。

三重県松阪市で特養などを運営する社福は、元理事長の関連企業2社と同じ場所に設立された。県によると、一つは事務機器リース会社で、社福はこの会社の借金返済のために5億円を提供していた。もう一つは不動産会社で、社福はこの会社から約1億4千万円で土地を買い、その代金を二重に支払っていた。

12年、県は2社に対し、これらの金を社福に戻すよう命じた。その後、社福の所管を引き継いだ松阪市によると、事務機器会社は5億円を返したが、不動産会社は返していない。いまは社福の理事長は交代し、適正に運営しているという。

長崎県によると、長崎県対馬市にある社福は「魚住良太」という人物が経営する「介護サービス対馬」に、食材代やガソリン代などの代金として計約1150万円を払っていた。

ところが、介護サービス対馬の所在地にあるのは前理事長が経営する携帯電話販売会社で、前理事長以外は魚住良太に会ったことがないという。県は昨年、取引は架空で、領収証も偽造されていたとして改善を命じる行政処分を出した。


■書類を信頼/検査、事前予告 自治体側

厚労省は、社福が理事長らの関連企業と取引するのを制限していない。福祉基盤課は「入札や複数業者から見積もりを取ることで、不当に高い契約にはならない」と説明する。

だが、入札のチェックも十分ではない。社福には2年に1度、都道府県などが検査をしているが、東京都は社福「あそか会」(東京都江東区)が入札をせずに建物管理の契約をしてきたことを把握できなかった。

都の指導調整課によると、検査は社福が取引について報告する「調査書」を提出させ、確認する。12年の検査では、建物管理について調査書に「入札」と書かれていたのを信じ、実際の契約書や関係書類を調べなかったという。都が行政処分を出したのは、近年では07年度に2件あるだけだ。

新潟県は今年3月、社福「心友会」にファミリー企業との取引などを改善するよう命じた。社福への新潟県の行政処分は初めてだ。

検査の担当者は「普通の検査では事前に日程を知らせて書類を用意してもらう。社福がそろえた書類の真偽を見抜くのは難しい」と打ち明ける。

県は検査で心友会が入札をしていないことを把握し、処分の前に指導もしていた。ところが、心友会は是正することはなかった。

社会福祉法では、社福の不正に対して都道府県などが改善を命じる行政処分を出し、従わなければ業務停止や理事長らの交代を勧告する。それでも改善されない場合、解散させることができる。だが、業務停止や解散は入所者への影響が大きいため、「軽々しく出せない」(新潟県)という。


■情報開示の義務化を 記者はこう見た

社会福祉法人は篤志家が福祉のために寄付をしてつくった歴史があり、法律や制度は「性善説」に基づいている側面がある。実際、多くの社福は理事長や職員がまじめに高齢者らと向き合い、福祉を担っている。

だが、こうした制度は悪用されるおそれもある。一部の理事長らが勝手に社福を売ったりファミリー企業に仕事を回したりして利益を得るのは、制度の不備があるからだ。

高齢化が進み、社会保障のための国民の負担は増す。負担が適正に使われているかをチェックする必要性は高まっている。

まず理事長らの私物化を許さないよう、罰則も含めて法律に厳しく定めるべきだ。運営内容や取引について公認会計士などがチェックする外部監査や情報開示も義務づけ、社福がより利用者や地域に開かれる制度にしなければならない。(北川慧一)


■「ファミリー企業」との取引で改善を命じられた主な社会福祉法人

 <処分時期>

処分の主な理由

 <2010年2月>

理事長や長男が経営する2社に約4500万円を不正に移した(三重県)

 <11年9月>

2780万円で購入した土地を理事長関連のゴルフ場会社に無償で提供(鳥取県)

 <12年4月>

理事長関連の事務機器リース会社の借入金返済に5億円を流用(三重県)

 <13年9月>

理事長の次男が取締役を務める食品販売会社に施設の給食用として計2170万円を支払い(鳥取県)

 <13年12月>

携帯電話販売会社を経営する前理事長が架空の業者への支出を装って約1150万円を着服(長崎県)

 <14年3月>

障害者施設を運営する社福が理事長の会社からクリーニングや菓子製造を請け負ったが、代金約4900万円を請求せず(熊本県)

 ※かっこ内は処分自治体。肩書などは処分当時

■2014.6.2  尊厳死考え、死を見つめて生きる意味問う 大分市
日本尊厳死協会九州支部おおいた(麻生宰会長)主催の講演会が1日、大分市であり、豊の国宇佐市塾頭で住職の平田崇英さん(65)らが死を見つめて生きる意義を約300人の聴衆に語りかけた。

平田さんは、太平洋戦争末期に宇佐の海軍飛行場から154人の若者が特攻機で出撃して帰らぬ人となった歴史や、自身の仏門体験を語り「最近は自己中心の見方が広がり、争いやむさぼり、愚かな振る舞いが多い。

平和の大切さを知ってそれを守り、死をみつめて生きた若者たちがいた事実を受け継ぎたい」。その上で「おかげさまの人生で、毎日充実して生きれば素晴らしい死を迎えることになると思う」と結んだ。

日本尊厳死協会九州支部長の原信之さん(75)は尊厳(平穏)死について「終末期が迫っている時、単に亡くなる時期を引き延ばす措置を断り、心身の苦痛を和らげる医療を自分の意思で受ける権利」と説明。質疑では「延命治療を拒否できるというが、患者や家族側には病院に対して悪いなという思いもある」との意見が出た。

■2014.6.2  尿失禁改善する椅子型装置を新開発 日本光電工業
尿失禁の治療薬を飲めない患者に磁気で治療
現在、日本国内では40歳以上の男女のうち、8人に1人が尿失禁を伴う過活動膀胱(OAB)の症状を持っており、患者数は約810万人にのぼると言われる。

OAB治療では薬物療法が一般的だが、副作用が出る、思うような効果が得られなかったなどの理由で、服薬を中止する人も多い。

日本光電工業は、このような悩みを解決するために、骨盤底領域の神経を刺激してOABの症状を改善する磁気刺激装置「TMU−1100」を開発した。

椅子に座るだけ。副作用の心配も不要
磁気刺激装置「TMU−1100」は、外見は椅子とほぼ同じ。椅子に座ると、内蔵されたコイルからパルス磁場が流れ、骨盤底領域の神経を刺激する。

尿失禁治療薬が服用できない患者への、新たな治療方法として、2013年6月に厚生労働省の薬事承認を取得済みだ。

服を着たまま、椅子に座った状態で治療を受けることができるため、衛生的で体への負担も軽い。治療時間は約25分。刺激強度を徐々に上げていき、出来る限り我慢できる強度で刺激を与え続けるることで、症状の改善を促す。

刺激時間や強度はICカードに自動で記憶され、次回からはICカードを挿入するだけで、適切な強度での治療が開始される。



日本光電工業株式会社のプレスリリース
http://www.nihonkohden.co.jp/news/14052901.html

■2014.6.3  福祉に尽力、福田平治建設「愛隣会館」NPOが購入
山陰で社会福祉事業の先駆者として戦前に活動した福田平治(1866〜1941年)が建てた「愛隣会館」(島根県松江市北田町)を、地元のNPO法人が募金を集め、松江市から購入した。恵まれない子どもを預かる松江育児院の一部だったが、老朽化が激しく、市は取り壊す予定だった。NPO法人は修繕の上、国の登録有形文化財指定を目指す。

福田は明治初期に市内で印刷所を起業。1893年10月に松江を襲った大水害で家屋と親を失った子どもたちを助けようと、私財をなげうち印刷所を「松江育児院」にした。老人ホームや、障害のある人が学ぶ学校の設立にも尽力した。

会館は1931年に建設され、外壁はモルタル、屋根や床は木造の洋館94平方メートル。育児院の礼拝堂だった。戦後は別の施設が事業を引き継ぎ、建物は48年に松江市へ売却。地元の町内会が剣道場や集会所として利用していた。

市は耐震診断の結果、2006年度に取り壊しを決めたが、福田の業績顕彰と建物の保存を求める住民有志がNPO法人「福田平治・与志顕彰会」を結成。08年から建物買い取りを目指して募金活動を始めた。

7年がかりで集まった募金総額は約730万円。市から購入後、5月からNPO法人で建物を管理し、文化財指定をにらんだ調査を始めた。

県建築士会の足立正智会長(59)を招いて調べたところ、屋根裏から福田直筆の棟札「愛隣会館棟桁之銘」(縦95センチ、横25センチ)を発見。福祉事業に尽力する福田の思いが記されており、NPO法人理事長の石橋博さん(84)は「棟札があったことに驚き、平治さんの気持ちが伝わる」と話した。

NPO法人は調査の一環で昔の会館内部を撮影した写真を探しており、石橋さんは「できるだけたくさんの人に協力してほしい」と呼び掛けている。連絡先は顕彰会事務局、電話0852(22)1979

■2014.6.3  社会福祉法人南高愛隣会の男性職員が女性利用者に性的虐待
6月2日
職員による利用者に対する業務中の不適切な行為について
理事長 田島光浩の御言葉

http://social-welfare.rgr.jp/databox/ooooqoow7qq.png

■2014.6.3  富山市恵光学園、先月USB紛失 匿名の郵送で戻る /富山
障害児教育などを行う富山市恵光学園(同市石坂新)は2日、同園利用者の個人情報などのデータが入ったUSBメモリーを先月紛失していたと発表した。USBは見つかっており、同園は「現在のところ悪用はされていない」としている。同園は窃盗の可能性もあるとして富山西署に相談しているという。

同園によると、先月2日午後2時半ごろ、女性保育士(27)が職員室のパソコンに挿していたUSBの紛失を確認し、園内を捜したが発見できなかった。しかし、同30日に匿名の郵送で「道路に落ちていた」などと書かれた手紙と共に、USBが県障害福祉課に送られてきたという。

USBには園児ら約40人分の氏名や住所、障害の程度、保護者の名前などのデータを保存。同園はUSBの利用を禁止していたが、女性職員が私的に利用していたという。橋本伸子園長(56)は「利用者にご迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝した。

■2014.6.3  障害者の再犯防げ 弁護士と社会福祉士ら連携 大阪で全国初
刑事事件の容疑者や被告となった障害者の再犯を防ごうと、大阪弁護士会は3日、社会福祉士らと連携し、釈放後の生活場所を確保するなどの福祉支援制度を導入したと発表した。万引事件などで起訴猶予や執行猶予の可能性がある障害者が対象。生活保護や年金の手続きもサポートする。

連携するのは、大阪社会福祉士会と大阪府地域生活定着支援センター。弁護士会が福祉機関と連携する制度は全国で初めてという。これまでは弁護人が障害者の釈放後の福祉支援にまで考えが及ばず、再犯に至るケースがあった。

福祉分野に詳しい弁護士15人でつくる事務局を弁護士会に設置。障害者から依頼を受けた弁護人に対し、支援の必要があると判断すれば、社会福祉士や支援センターの相談員を紹介する。社会福祉士らは弁護人とやり取りしながらグループホームといった定住先の確保などを進め、検察や裁判所に提出する「更生計画書」を作成する。

新制度担当の鈴木一郎弁護士は「計画書があれば起訴猶予や執行猶予にもつなげやすい。弁護士にとって福祉は難しい問題。実績を重ねたい」と話している。

■2014.6.3  飲み込むことが困難な人向けの水分補給用ゼリー、新フレーバー2種類追加!
「ラクーナ飲むゼリー3S(スリーエス)」に新フレーバー
バランス株式会社は、高齢者・介助が必要な人向けの水分補給用ゼリー飲料「ラクーナ飲むゼリー3S(スリーエス)」の新フレーバー2種類を、2014年5月29日に発売した。

飲み込む力が弱まった人にとって危険な「むせる」ということ
飲み込む際にむせる原因は、液体は固形物に比べ喉に進むスピードが速いため、飲み込む準備が整わないうちに流れ込んでしまうことにあるという。

むせるということは、飲み込む力が弱い人にとっては、誤嚥(ごえん)にもつながり、酷いときには誤嚥性肺炎を発症する恐れもあり危険である。


「ラクーナ飲むゼリー3S」について
「ラクーナ飲むゼリー3S」は、加齢や障害などが原因で飲み込む力が弱くなった人のために、効率よく水分補給ができるよう開発された、ゼリータイプの水分補給用商品だ。

「ラクーナ」は、「楽(ラク)に飲み込む」、「楽(ラク)に水分を摂る」ことができるようにという願いを込めたネーミング。“3S”は、Safety(安全)、Smooth(スムーズな飲み込み)、Save(低価格で節約)の3つの頭文字Sから取っている。

同商品は、固形のゼリーと水分が分離しにくい特徴をもち、飲み込みやすい食感や水分吸収スピードなどの機能性を実現している。

要望に応え、味のラインアップを追加
今までの「りんご風味」に加えて、今回新たに「もも風味」と「白ぶどう風味」の2つのフレーバーを追加。全国病院用食材卸売業協同組合を通じて、全国の病院、高齢者施設を中心に提供を開始するとのことだ。

http://www.balance-b.jp/news/news0271.html

■2014.6.4  介護老人保健施設で、給食調理を受託している大阪市の会社が食材の分量をチョンボ
「あれ?カボチャが少ない」栄養士が見抜いた食材無断減量 箕面の介護老人保健施設で給食サービス会社

大阪府箕面市は3日、市立介護老人保健施設(同市萱野)で、給食調理を受託している大阪市の会社が半年間にわたり、献立で規定されている食材の分量を無断で減量していたと発表した。会社側によると、約88万円分の食材が減量されていたという。

同施設の指定管理者である市社会福祉協議会は損害額を確定したうえで会社側に請求、利用者に返還する方針で、会社との契約解除を検討している。

食材を減量していたのは給食サービスなどを行う魚国総本社(本社・大阪市西淀川区)。

市によると、昨年11月1日から今年5月1日にかけ、食材を管理していた同社の男性管理栄養士(26)が、野菜やハムなどの食材を献立表で規定された量よりも少なく発注していた。この男性管理栄養士は「給食の廃棄物(残飯)の量を減らすために、発注量を調整した」と釈明しているという。

市社福協の女性管理栄養士が5月1日に検食した際、配膳(はいぜん)されたカボチャの分量が少ないことに気づいた。

■2014.6.4  人口5万人未満の小規模自治体、自殺率高め
人口5万人未満の自治体は、全国平均よりも自殺率が高い――。こんな実態が内閣府の分析でわかった。2013年に自殺した人は2万7283人と4年連続で減少し、全体としては改善しているが、今後は地域ごとのきめ細やかな対策が求められそうだ。

分析結果は、3日に閣議決定された「自殺対策白書」に盛り込まれた。自殺者数は1998年に3万人を突破。その後、14年連続で3万人を超えて横ばいとなっていたが、10年に減少に転じ、12年からは2年連続で3万人を下回った。自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)も、03年の27人をピークに減少傾向が続く。

一方で自殺率は自治体間で「格差」があることもわかった。規模が小さいほど自殺率が高い。全国平均の21・6人に対し、人口1万人未満26・1人▽1万人以上2万人未満25・8人▽2万人以上3万人未満23・4人。5万人未満の自治体で全国平均より多かった。

白書によると、60歳以上の高齢層の自殺率の高さなどが小規模の自治体の自殺率を押し上げていた。原因別では、身体の病気を中心とした「健康問題」が目立つ。高齢層の健康問題が、小さな自治体の自殺率を押し上げていることがうかがえる。白書では、人口規模の小さな自治体について、「医療や介護サービスの充実が必要」と指摘した。

■2014.6.4  民生委員、実は暴力団幹部=融資詐欺容疑で逮捕―大阪府警
暴力団員であることを隠して融資を受けたとして、大阪府警枚方署は4日までに、詐欺容疑で指定暴力団山口組系幹部、貴島章夫容疑者(46)=枚方市上島町=を逮捕した。同署によると、同容疑者は組織内で「本部長」の肩書を持つ幹部だった一方、同市で民生委員も務めていた。

逮捕容疑は2012年7月、枚方市内の信用金庫に暴力団員であることを隠して口座を開設したほか、翌8月に300万円の融資を受けた疑い。調べに対し、容疑を認めているという。

市によると、貴島容疑者は同年12月から、自宅のある地区で民生委員を務めていた。民生委員は非常勤の特別公務員に当たり、暴力団員を任用できない規定だが、同容疑者は地区や市の民生委員推薦会などの推薦を受け、厚生労働相から委嘱を受けた。13年12月には再任され、高齢者や障害者の福祉相談に乗ったり、生活を支援したりしていたという。

市の担当者は「地域福祉の担い手を暴力団員が務めていたとは気付かなかった。逮捕されたことは遺憾で、厳正に対処したい」と話している。 

■2014.6.4  親法人の下に病院から介護まで、切れ目なく提供
政府は、病院と老人ホームなどの介護施設を一体運営できるようにする新制度を2015年から始める方針を固めた。

6月下旬にまとめる成長戦略に盛り込む。

地域の病院や介護施設が一つのグループになることで、病院から在宅介護サービス、介護施設への移行をスムーズにし、高齢者一人一人に応じた切れ目ないサービスを提供できるようにする。

具体的には、民間企業の持ち株会社にあたる「親法人」の下に医療法人と社会福祉法人を置き、運営を統合する。厚生労働省が新法の制定や関連法の改正を含め検討を進める。

現状では、医療と介護は経営主体がバラバラなため、病院から退院後、介護施設に入所したり、在宅介護サービスを受けたりしたくても、事業者を見つけるのが難しいことが多い。

■2014.6.4  医療、福祉現場は人手不足 自治労県本部など改善求め、山口で集会
自治労県本部などが、医療や福祉現場の人材拡充、待遇改善を求める集会を山口市で開いた。組合員ら約130人が参加し、改善のための抜本的な政策実現を求めるアピールを採択した。

集会は5月24日にあった。岡本博之執行委員長が「医療現場では看護を中心にマンパワーの確保が長年の課題だが、この10年で保育現場での人材不足も顕著になっている。地域ニーズに合わせられるよう保健、医療、福祉全体の人材確保を求めていこう」とあいさつ。続いて、現場からの問題提起があった。

慢性的な人手不足に悩む看護業界は、大病院が中小病院から看護師を引き抜くなどの実情を報告。「大都市よりも地方での看護師不足はより深刻だ」と語った。また、保育業界も、低賃金のため資格を取得しても実際に勤務する人が少ないなどの問題を指摘。「子どもの命と健康を守るのに評価が伴っていない」などと訴えた。

■2014.6.4  町田市の社会福祉法人「共働学舎」常務理事・田中公明さん /東京
町田市の社会福祉法人「共働学舎」は、市内九つの入所・通所型施設で障害者支援に取り組んでいる。他の施設に利用を断られた重度の障害者を受け入れながら、リサイクル事業を大規模に展開するなど、地域に開かれた法人として不可欠な存在だ。常務理事の田中公明さんに、障害福祉のあるべき姿や、障害を持つ人との向き合い方を尋ねた。

法人の目標に、障害者が自立して職業を持つことを掲げています。どんな事業を展開しているのですか。

町田市や稲城市など自治体の清掃センターから、年間1000トン規模のペットボトルを回収し、卵パックの原料となるフレークに加工しています。施設の中に加工設備があり、他にも古新聞や古雑誌を町田市全域などから回収してトイレットペーパーを作ったり、廃油からバイオディーゼル燃料を作ったり。大きな太陽光パネルで発電して施設の照明などに使い、余った電力は東京電力に売って障害者の作業収入にしています。

支援体制の特徴は。

健常者でいうところの「ごく普通」なことができるように、選択肢を多く提供しています。例えば他にも陶芸や菓子作り、農作業などさまざまありますが、ほとんどは障害者自身が「やりたい」と提案したのがきっかけです。生活の場であるグループホームも、数寄屋建築、ログハウスなど多様な外観、設備を用意しています。

知的、肢体、精神の各障害の区分ごとに受け入れ先を分けることもしていません。「それでは管理がしにくい」という指摘を受けることもありますが、それは受け入れ側の都合です。施設の主人公はあくまで障害者自身。いろんな人と、いろんなことができるのが普通の社会だから、その状態に近づけるべきです。

障害者本位の支援を実現するためには、何が必要ですか。

職員には「人としてちゃんと付き合いなさい」といつも指導しています。職員として働いて、障害者のことが理解できたなんて思うのは勘違い。毎日一緒に過ごして、本気でけんかして、そうする中で関係を深めていかなければいけない。
それと、リスクを取ることも必要だと思います。障害者を自由にさせれば、人によっては外に出て交通事故に遭う恐れもある。知らない間にいなくなって、約1カ月間行方不明になった障害者もいました。でも、それを避けるために鍵を掛けて閉じ込めるようなことは、私はしない。格子なき牢獄(ろうごく)とリスクとどちらかを取るなら、私はリスクを取ります。

今後の課題は。

人間同士のコミュニケーションにゴールはありません。健常者一人一人がどう障害者と関わっていくかという課題は、いつまでも残る。自分を含めた健常者は、いつも差別をしています。例えば、障害者に対しては気軽に「おーい」などと呼びかけがちです。人間関係が深まっていない健常者に同じことをすると変ですが、喜怒哀楽の表情に乏しい障害者だと許されてしまう。そういう自分を認識して、自己点検し続けることが大切です。

 ◇記者の一言

取材した2日の都内は気温30度を超す真夏日。汗がにじむ室内でインタビューしていると、田中さんがふいに中座した。しばらくして戻ると「クーラーをつけるかどうか障害者に多数決を取っていて、結果を聞きに行った」と言う。下された判断は「クーラーはつけない」。「まったく、本当かよー」と大きな声を出して笑う田中さんに「障害者本位」の姿を垣間見た思いがした。


 ◇たなか・こうめい

京都府出身。都職員を経て、1982年に町田市の「桜ケ丘共働学舎」で障害者の受け入れを開始。86年に社会福祉法人「共働学舎」として国の認可を受けた後、市内に次々と障害者施設をつくり、現在は約50人の職員が約70人の障害者を各施設でケアしている。

■2014.6.4  高齢者ら「識別しづらく危険」 点字ブロック 舗装面と同じ黒灰色 取手市
取手市がJR取手駅北C街区で進める「ウェルネス・タウン事業」で、事業者が整備した医療モール(四階建て)公道出口の点字ブロックが舗装面と同じ黒灰色で、高齢者らに分かりづらく、つまずく可能性もある「障害物」となっている。公道を管理する市は「確かに危険なので早急に対応したい」としている。

市は、取手駅前と、公募で選定した同事業の事業者が建設した医療モールの二階部分を歩行者デッキで接続。医療モール二階部分は公道とし、高低差のある市道に接続するルートとした。

点字ブロックは、市道までの区間に設置されているが、それぞれ色が違う。駅から医療モールまでの歩行者デッキ約百十メートル区間は黄色で目立つが、医療モール内約五十メートルは床面の色に近い灰白色。モールの出口では舗装面と同じ黒灰色になり、色の面では同化してしまう。

国などの視覚障害者誘導用ブロック設置ガイドラインには、点字ブロックの色についての規制はない。しかし、弱視者などに配慮し「識別しやすい色調」にするよう指導しており、原則黄色が主流となっているという。

識別が難しい点字ブロックは、弱視者やわずかな凹凸でも転倒しやすい高齢者には、危険な存在。市の担当者は「公道出口の点字ブロックは医療モールの事業者が設置したが、建設段階では色まで指示していなかった。同色では、高齢者などの社会的弱者に識別しづらいのは確か。事業者と相談して早急に対処したい」と話している。 

http://social-welfare.rgr.jp/img/hhhht3c3bb.PNG

■2014.6.4  生活保護:最多217万人 増加傾向緩やかに 3月時点 厚生労働省
厚生労働省は4日、今年3月時点の全国の生活保護受給者数が217万1139人だったと発表した。これで2013年度は月平均で216万1606人(概数)となり、12年度の213万5743人(同)を上回って3年連続で過去最多を更新した。昨年度の月平均受給世帯数も過去最多を更新し、159万1804世帯(同)となった。厚労省は「経済情勢の改善もあり増加傾向は緩やかになった。頭打ちは近いのでは」と分析している。

今回発表の今年3月統計は、受給者数、世帯数とも過去最多。世帯数は初めて160万を超える160万2163世帯だった。世帯の内訳は、高齢者世帯が最も多く74万4355世帯(46・7%)。続いて、働ける年代層を含む「その他世帯」28万6003世帯(17・9%)▽傷病者世帯27万2356世帯(17・1%)▽障害者世帯18万3018世帯(11・5%)▽母子世帯10万8399世帯(6・8%)。

都道府県別の受給者数は、大阪府の30万3659人と東京都の29万4909人が突出して多かった。都市別に公表した政令市と中核市では、大阪市が15万850人と最多。札幌市7万4950人▽横浜市7万583人▽名古屋市4万9393人▽神戸市4万9038人−−と続いた。

受給者数は戦後の混乱期の1951年度の204万6646人が長らく最多だった。08年秋のリーマン・ショックを機に増加傾向に拍車がかかり、月別で11年7月、年度別集計では11年度にこの記録を更新した。

生活保護費の14年度予算は国と地方で計約3・8兆円にのぼり、財政を圧迫している。政府は日常生活費にあたる「生活扶助」の切り下げを昨年8月にスタートしており、3カ年で最大10%切り下げる。

■2014.6.5  障害者の能力生かせ 神奈川の企業や福祉法人
神奈川県内の企業や事業所で、障害者の能力を引き出す動きが広がっている。社会福祉法人の進和学園(平塚市)は5日、障害者が働く食品工場を新設。作業工程や器具を工夫することで、健常者と同水準の生産性を目指す。ファンケルは視覚障害者に目の不自由な人向け表示シールの開発に参画してもらう。

進和学園は、知的障害者らが働く就労支援施設「しんわルネッサンス」(平塚市)に9100万円を投じ、食品加工工場を新設する。既存の施設の空きスペースに346平方メートルの作業場を設置、当初は10人程度が就労する。地元の農家からトマトなどを仕入れ、トマトジュースやトマトピューレ、ジャムなどを製造する。「湘南工房」のブランド名で販売し、5年で20〜30人体制に拡大し、年5000万円の売り上げを目指す。

同工場では障害者らが作業をしやすいように、通常は包丁を使うトマトの芯を取り除く作業に専用の器具を導入。製造工程を細かく分けることで、複雑な作業を減らした。進和学園の久保寺一男統括施設長は「1人で1人分の作業ができなくても、個々人の長所を生かせば3人で3人分の作業ができる」と話す。

ファンケルは5月、目の不自由な人が化粧品の入った容器を区別できるように凸凹を付けた「タッチマークシール」を刷新した。指で触れてすぐに分かるように凸凹の部分を改良。弱視の人が見やすいようにシールを黒く縁取りし、文字を大きくした。視覚障害者の従業員3人をシールの改良チームに加え、具体的な助言や改善案などを取り入れた。

同社は1998年にタッチマークシールを導入。目の不自由な人が通信販売などで化粧品を注文すると、個別に容器にシールを貼り、使い方の音声ガイドと一緒に発送する。2012年に同社が商品を刷新したのを受け、容器も大幅に変更。シールを分かりやすく作り直す必要があると判断した。

神奈川県内で介護・保育事業を展開する社会福祉法人伸こう福祉会(横浜市)は19人の障害者がケアマネジャーや介護職員などとして働いている。給与は健常者と同じだが、週20時間以上の勤務で可能とし、体調面などにも配慮する。

製造派遣の日総工産(横浜市)の特例子会社で事務代行業や清掃業などを手掛ける日総ぴゅあ(同)は、障害者雇用のコンサルティング事業を昨秋から始めた。障害者雇用率が7割を超す同社のノウハウを他社に提供する。

■2014.6.5  デイサービスの指導・監査対応セミナー in 大阪【7月4日】
日本通所ケア研究会は、7月4日、デイサービスの指導・監査対応セミナーを大阪で開催する。
指導検査前、内部点検したら怖くて冷や汗…9割以上のデイで書類が不完全との調査データ(同研究会調べ)もあり、指導監査前の自主点検では、なにをどうすればいいか、多くの事業所の悩みの種になっている。

今回のセミナーでは、以下のような悩みを解決する。
@調査でわかった!ココの記録不備や間違いが多かった!
Aサ付併設デイの危険!巨額返還金の恐れ大!要至急対応!
B営業時間・サービス提供時間・延長時間、利用者数・定員数など、運営の基本を理解出来ていない管理者も多い
C「2年以上前の記録は破棄してもOK」ではない!解釈注意
D「通所介護計画書」この一文書いたばかりに何千万円もの賠償責任が生まれる!
E対応を間違えると特別監査が来る!「苦情対応」!
なお、今回の参加者には、参加特典として自己採点シートなど4種類の書式がもらえる。

■日時:7月4日(金)10:00〜15:00

■会場:大阪科学技術センター(地下鉄四つ橋線本町駅下車徒歩3分)

■受講料:20,000円
※定員になり次第締め切り。

■内容:
1)今年度の指導・監査重点事項
2)最近の報酬返還・指定取消の傾向
3)基準の理解(人員基準の特殊な場合等)
4)記録の保存期間
5)掲示を義務付けられている書類とよくある間違い
6)個別機能訓練加算Uで多発する間違い
7)運動器機能改善で多発する間違い
8)とっても危険な通所介護計画書の記入例
9)甘く見ると損害甚大!通所介護計画書
10)多くの人が間違っているケアプランの理解 他

■講師:妹尾 弘幸氏(株式会社QOLサービス 代表取締役)

■申込方法:以下の申込フォームより申し込む。
http://www.tsuusho.com/cgi-bin/order_t/sformmail.php

◎日本通所ケア研究会
http://www.tsuusho.com/

■2014.6.5  認知症行方不明者、昨年1年間で1万322人
全国の警察が把握した認知症の行方不明者が、昨年1年間で1万322人に上ることが5日、警察庁のまとめでわかった。このうち1万88人(98%)は昨年中に警察の捜索などで見つかったが、今年4月末時点で151人の所在が分かっていない。

前年分も含めると、所在の分からない人は計258人に上る。

認知症の行方不明者に関する集計は2012年から実施され、今回で2回目。12年の不明者は9607人で、このうち107人の行方が今年4月末時点でも判明していない。

警察は主に、家族などから「行方不明者届」を受理し、認知症の不明者を捜す。昨年中に所在が分かった人のうち、受理から1週間以内に見つかった人が9949人で、6443人は受理当日に判明していた。一方で、1〜2年後に発見されたのは11人、2年を過ぎていた人も32人いた。

発見時に生きていた人は9509人、388人はすでに死亡していた。残りは、親戚宅に立ち寄っていたなど、行方不明でなかったことが判明したケースだった。

■2014.6.5  糖尿病死亡率、6年連続ワースト1位の県は
厚生労働省が4日に発表した2013年の人口動態統計で、徳島県内の人口10万人に対する糖尿病での死亡率は17・6人と、6年連続で全国ワースト1位だったことが明らかになった。

死亡者数、死亡率ともに前年より減ったものの、死亡率では全国平均を大きく上回っており、県健康増進課の鎌村好孝課長は「残念な結果。野菜の摂取量増加を呼びかけるなど、病気を防ぐ取り組みを根気強く続けていくしかない」と話している。

統計によると、同年の糖尿病による県内の死亡者数は135人で、前年より8人減。死亡率は17・6人で前年より0・9人減ったものの、全国平均(11・0人)を6・6人、上回った。

県内の糖尿病による死亡率は、07年のワースト7位を除き、1993年から同1位となっている。県は小売店などと協力し、県民に野菜摂取量を増やすよう呼びかけたり、野菜を使ったレシピコンクールを開いたりして「食」の面からの改善を働きかけ。運動不足を解消してもらおうと、徳島大と連携して阿波おどりの動きを取り入れた体操を考案した他、各地でウォーキングイベントを開催するなどしている。

■2014.6.5  教員の夢断念、差別・偏見も…片目失明者友の会
片方の目の視力を失い、視覚障害者としての認定を求める人たちでつくる全国組織「NPO片目失明者友の会」(事務局・広島市)のメンバーの60歳代の男性が、兵庫県たつの市内にいる。

右目が不自由なため、教員になる夢を断念するなど憂き目に遭ってきた。同会は3日に厚生労働省に認定を求める署名を提出したばかりで、男性は「せめて同じ境遇の子どもたちを、これからの社会が支援してほしい」と願う。

男性は今年4月に会の活動を知って入会。生まれつき右目の中央の視野が欠損しているという。

高校卒業後、大学の教育学部に進学。健康診断の視力検査で右目が見えないことがわかり、2年生になって専門課程に入る際、大学側から「私は将来、教師になれなくてもかまいません」と書かれた書類を渡され、署名して判を押すよう促されたという。

男性は「片方の目が見えなくとも普段、皆と同じ授業を受けていた。なぜ自分だけがこのような物を書かされるのかショックだった」と唇をかむ。教育実習の際に教壇に立つと、「もう俺は教師になれないのだな」と寂しさが募ったという。

右目の不自由を利用されたこともあった。電子部品会社に勤務していた約20年前、障害者の雇用人数に応じて会社が報奨金をもらえる制度に、障害者として申請することを了承するよう会社から求められたという。男性は「都合のいい時は障害者として扱われた」と打ち明ける。

男性は、今でも親しい友だち以外は右目の不自由のことを明かしていない。「どんな差別や中傷を受けるのか分からず怖いから」と不安を口にする。それでも同会に加わったのは、若い人々や子どもたちに自分と同じような経験をさせたくないからだ。男性は国に対して「差別や偏見を無くすのはもちろん、片方の目が見えなくても子どもが不自由なく生活できる状況を作ってほしい」と注文をつけた。

健常者扱いに疑問 署名3万6000人分

トランクケースにびっしりと詰まった約3万6000人分の署名の束は、重く思えた。

「NPO片目失明者友の会」発起人の久山公明さん(64)ら6人が3日午後、障害認定を求めた署名を厚労省へ提出するのに同行した際、久山さんが「みんなの思いの結果です」と入庁前に見せてくれた。

同会は昨年9月の設立以来、インターネットなどで活動の輪を広げ、会員は全国で約360人に上り、会員らが街頭などで署名を集めた。

佐藤茂樹副大臣に面会したメンバーの1人、東京都多摩市、会社社長渡辺勝之さん(48)もインターネットで同会を知り、今年3月に入会した。海上自衛官だった20歳頃に公務でけがをして右目を失明し退官し、「やりがいを感じていたので悔しかった」と振り返る。遠近感がとりづらいなど日常生活で不便を感じながら、健常者として扱われることに長年疑問を感じていたといい、渡辺さんは「会の活動は多くの人が感じていた疑問に応えるものだった」と話す。

ただ、認定までのハードルは高い。厚労省内で有識者を交えた検討会が開かれ見直し案を策定後、分科会で審議される必要がある。だが、集まった3万6000人の「声」は活動の後押しとなるはずだ。会は今後、他の障害者団体や眼科医など専門家の支援も得る考えで、久山さんは「まだまだ闘いが続いていきます」と力を込めた。

■2014.6.5  障害者就職、13年度に2000件超える…ハローワーク紹介
広島県内の公共職業安定所(ハローワーク)の紹介による障害者の就職件数が2013年度、初めて2000件を超えた。

法定雇用率の引き上げや企業の理解が進んだことなどによりこの10年で倍増したが、就職率は50%台にとどまり、求職しても就職できていないのが現状だ。広島労働局では「企業への働きかけを強め、環境整備を進めたい」としている。

同局によると、県内の障害者の就職件数は03年度は937件だったが、13年度は2008件に増加。背景には障害者雇用促進法に基づく法定雇用率が昨年4月に1・8%から2・0%に引き上げられたことで企業が雇用を進めたことや、働く環境が整ってきたことによる障害者の就労意欲向上などがある。

特に増加が著しいのは、精神障害者の就職。03年度は130件で身体(614件)、知的(187件)を下回っていたが、06年度から法定雇用率に精神障害者の雇用件数を算入できるようになってから急増し、13年度は869件で身体(676件)、知的(412件)を大きく上回った。

一方、求職しても就職に結びつかないケースも多い。13年度の新規求職件数は3855件で、このうち就職できたのは2008件。就職率は52・1%にとどまる。03年度の44・4%と比較すれば改善しているが、依然として求職件数の半数近くが就職できていない。

法定雇用率を達成している企業も44・2%(昨年6月1日現在)にとどまるため、同局は「未達成の企業の取り組みが就職率の向上に欠かせない」という。このため、企業に対して障害に応じた具体的な職務を提案したり、合同面接会の規模を拡大したりして、雇用推進を図ることにしている。

■2014.6.5  自殺率と出生率が19年連続ワーストになった県
厚生労働省が4日に発表した2013年の人口動態統計(概況)で、秋田県の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)が前年比1・1ポイント減の26・5で、前年に続いて年間300人を下回ったものの、19年連続で全国ワーストだったことが分かった。

出生率(人口1000人当たりの出生数)は、全国平均より2・3ポイント低い5・9で、これも19年続けてワーストだった。

自殺者は277人で、前年から16人減少した。県健康推進課によると、仕事や経済的な問題を理由にした30〜50歳代の自殺が減ったことや、再び自殺を図る可能性が高いとされる自殺未遂者の対策を始めたことが影響しているとみられる。同課は「引き続き、働き盛り世代や自殺未遂者への対策を強化し、減少につなげたい」としている。

一方、出生数は前年比366人減の6177人で、1人の女性が一生に産む子供の推計値を示す合計特殊出生率は、前年比0・02ポイント減の1・35だった。また、死亡者数は同33人減の1万4823人。死亡率(人口1000人当たりの死亡者数)は同0・2ポイント増の14・2となり、2年続けて全国で最も高かった。

出生数から死亡者数を引いた自然増減数はマイナス8646人で、前年から333人拡大した。人口1000人あたりの自然増減率も拡大し、マイナス8・3で2年連続でワーストだった。

死因別では、がん死亡率(人口10万人当たりのがんの死亡者数)が前年比6・1ポイント増の392・8で、全国平均(290・1)より100以上高く、17年連続ワースト。胃がんなど消化器系のがんが多い傾向にあり、県がん対策室は「食生活や喫煙など、生活習慣が影響している可能性が高い。酒、たばこ、漬物の『秋田スタイル』の宴会は控えるべきだ」と話している。

同対策室では今年度、がん予防対策として、検診の受診を促す通知を郵送し、それでも受診しない人には電話などで促す「コール・リコール」を全市町村で展開することにしている。

■2014.6.5  兵庫県職員がいきなり高校生に殴る蹴る酒に酔って「覚えていない」 国立県営兵庫障害者職業能力開発校
路上で男子高校生を殴ったなどとして、兵庫県警神戸西署は5日、暴行容疑で、国立県営兵庫障害者職業能力開発校(兵庫県伊丹市)勤務の県課長補佐、坂本健一容疑者(49)=神戸市西区伊川谷町潤和=を現行犯逮捕したと発表した。「覚えていない」と容疑を否認しているという。逮捕容疑は、4日午後9時45分ごろ、自宅近くの市道で、同町の男子高校生(18)の顔を殴り、下腹部を蹴ったとしている。

■2014.6.5  根本的治療がない認知症 手術で治るタイプもあることが判明
根本的な治療のない認知症において最近、一部に“治る認知症”があることがわかってきた。

「歩行障害や尿失禁が併発している認知症の症状の場合、実は手術で治ってしまう可能性がある」

そう話すのは、脳神経外科専門医の東京共済病院・桑名信匡院長だ。同氏が指摘するのは、iNPH(特発性正常圧水頭症)という病気によって引き起こされる認知症だ。発症原因は未解明なのだが、脳と脊髄の表面を循環する脳脊髄液が過剰になり、脳を圧迫して歩行障害や認知症を引き起こすというもの。iNPHにかかった患者は、80%が認知症の症状を来す。

だがiNPHが通常の認知症と違うのは、手術によって「治る」ということだ。

「幸いiNPHは治療法が確立している。腰部を切開して行なう『L-Pシャント手技』という手術で、過剰な髄液を体内から抜き取ると症状は劇的に改善する」(同前)

東京共済病院での手術例では、立つこともできなかった人が歩き出したり、声をかけても何の反応もなかった人が明るく会話を始めたりと、別人のように回復したケースさえあるという。

問題は、iNPHは症例が少ないため、アルツハイマー病と誤診されるケースが多いことだという。

「認知症=アルツハイマー病という誤った認識は、医師の間でも根強い。何の効果もない治療を続けながら、薬の副作用などで、逆に体を壊してしまう恐れもある」(同前)

桑名氏によれば、日本の高齢者全体の中で、iNPH患者は1.1%ほど存在すると推定されている。“治る認知症”が、見逃されてはいないか。

■2014.6.7  福祉施設向け地震・水害BCP作成支援ツール無償提供
三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、インターリスク総研の
3社が共同開発

MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、インターリスク総研は、3社共同で福祉施設向け「地震・水害BCP作成支援ツール」を開発し、6月5日から無償配布を開始した。同グループでは三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保を中心としてグループの機能別再編を進めているが、その相乗効果を上げるための取り組みとして共同開発した。

老人ホームやデイサービスセンターなどの福祉施設利用者の多くは、日常生活や健康管理のほか、生命維持の大部分を施設が提供するサービスに依存しているため、福祉施設事業者は災害発生時の対応について万全の準備が求められる。同ツールは福祉施設事業者からの「BCPを簡単に作成するためのひな形が欲しい」という要望に応えたものだという。

ツールは解説編とひな形編で構成し、解説編を参考に必要な項目を検討し、ひな形に入力していくことでBCPに最低限必要な項目を網羅することができる。大規模地震だけでなく、水害にも対応した。

BCPは通常、「災害発生前の平時」「発災直後の初動期」「復旧期」を対象とするが、今回のツールでは主に平時と初動期の対応を中心に構成した。無償で配布することで、福祉施設全体の災害対策力の底上げを狙う。三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の代理店から提供を行い、初年度は500事業所を目指す。

支援ツールの目次


1.平常時の対応

1−1.立地の確認


1−2.建物設備の確認(地震)


1−2.建物設備の確認(水害)


1−3.職員の参集


1−4.災害対策の役割と組織


1−5.緊急連絡網の整備


1−6.優先業務の選定


1−7.災害用備蓄の準備


1−8.施設内避難の検討


1−9.施設外避難の検討


1−10.利用者情報の持ち出し


1−11.水害時の避難情報の確認


2.初動対応

2−1.利用者・職員の安全確保


2−2.建物・設備の被害点検


2−3.利用者・職員の安否確認


2−4.電気が止まった場合の業務継続策


2−5.水道が止まった場合の業務継続策


2−6.トイレが使用できなくなった場合の業務継続策


2−7.暑さ・寒さ対策


3.地域貢献

3−1.地域貢献のための準備


4.事業中断

4−1.事業中断の対応

■2014.6.7  絆も育てる「福祉農園」 西和賀・新病院近くに開園
西和賀町のにしわが安らぎの郷(さと)づくり協議会(高橋雅一会長)は5日、同町沢内に10月開院予定の町立西和賀さわうち病院近くに「福祉農園」を開園した。地域住民や障害者施設の利用者、町外の学生らが協力して野菜づくりに励む。新病院を核にして、町民が高齢になっても古里で生き生きと暮らせる地域づくりを目指す。

初日は近隣住民や就労継続支援B型事業所ワークステーション湯田・沢内(高橋典成施設長)の利用者、盛岡市の盛岡医療福祉専門学校の2年生ら約60人が来場。

青空の下、住民から借りた約10アールの畑にジャガイモやサツマイモ、サトイモなどの種イモと苗を植えた。住民は畑作業が初めての学生にくわの使い方を丁寧に教え交流を深めた。

今後は地域住民や同事業所の利用者、学生が一緒に農園の手入れや管理をする。同協議会は将来的に農家レストランの建設や、温泉などを活用した病気予防、健康増進ツアーの実施も検討。未来の医療福祉モデルの創造を目指す。

■2014.6.7  電動車いす、保険で備え…愛媛
県交通安全協 事故増で新設
お年寄りの利用が増えている電動車いすの事故を対象にした保険制度を、愛媛県交通安全協会が今月新設した。

道路交通法では電動車いすは歩行者の扱いで、運転免許などは必要なく気軽に使うことができる一方、水路への転落や車との衝突など事故が後を絶たないためだ。協会は「安全を心がけながら、リスクに備えて」と呼びかけている。

協会が保険の代理店登録を行い、松山市勝岡町の協会内に2日、事務所を開設した。保険会社の委託で電動車いす専門の保険を提供。▽運転、乗降中の利用者がけがをした▽人をけがさせたり物を壊したりした▽車いすの破損や盗難――を補償する。掛け金は月3000〜1万円程度という。

県警交通企画課によると、2013年に県内で発生した電動車いすが絡む人身事故は6件。12年は2件で、増加傾向にある。今年はすでに3件発生しており、5月25日には新居浜市内で80歳代の男性が交差点を横断中に軽トラックにはねられ、重体となった。

一方、協会によると、電動車いす利用者の半数近くが、一般の傷害保険などを含め、事故を補償する保険には未加入という。協会の宮脇哲専務(64)は「正しいマナーを守って安全運転に努めるのは当然として、もしもの時に備えておき、安心して利用してほしい」と話している。

■2014.6.7  「ハンセン病は体溶ける」授業で誤解の感想文
福岡県内の小学校で昨年11月、人権教育担当の男性教諭からハンセン病に関する授業を受けた児童が、「ハンセン病は体が溶ける病気」などと誤った内容の感想文を書き、熊本県合志市の国立ハンセン病療養所「菊池恵楓けいふう園」に送られていたことがわかった。

園側の指摘を受け、福岡県教委は「指導が不十分だった」として謝罪した。

県教委によると、男性教諭は6年生12人に自作の教材を使い、ハンセン病に関する偏見や差別についての授業を行った。教材の冒頭に、過去の偏見として「手足の指とか身体が少しずつ溶けていく」などの記述があった。

約10日後、この授業に同席していた担任教諭が児童に感想文を書かせたところ、「怖い」「友達がハンセン病にかかったら、離れておきます」「うつらないようにマスクをする」など、ハンセン病を誤解したものが多く見られた。感想文に目を通した担任教諭は病気への知識がなく、そのまま恵楓園に送ってしまったという。

■2014.6.7  地図から驚くほど簡単に日本全国18万件の介護保険サービスやサービス付き高齢者住宅を検索できる    『HELPMAN JAPAN 介護サービス検索』オープン!
株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:水谷智之)は、日本最大級の介護サービス検索サイト『HELPMAN JAPAN 介護サービス検索』
http://search.helpmanjapan.com/を6月3日にオープンした。

詳しい内容
http://www.recruitcareer.co.jp/news/2014/06/03/2014_0603.pdf

介護サービスの情報検索をもっと簡単に!
日本はすでに超高齢社会を迎え、介護サービスを必要とする可能性の高い75歳以上の人口は、2010年に1407万人でしたが、2015年に1646万人、2025年には2179万人になると予測されています。(内閣府「高齢社会白書」)

介護保険サービスやサービス付き高齢者住宅を提供する事業者(以下介護サービスと総称)は2007年時点で24万事業所、2011年に28万事業所(厚生労働省「平成25年厚生労働白書」)と年々増加傾向にあります。

さらにこれらの情報は点在しているため、ケアプランを作成するケアマネジャーの情報収集に負荷がかかっています。本サービスは、情報収集に関する部分を効率化することでケアマネジャーの負荷軽減を実現し、介護サービスを必要とする人がより良い介護サービスに出会える機会を増やします。

●日本最大級の情報量、約18万件の介護サービス事業所・サービス付き高齢者向け住宅を網羅
厚生労働省、国土交通省から公表されている介護サービス事業所とサービス付き高齢者住宅情報を統合し、本サービス上で一括で検索すること ができます。

また、各事業者の詳細画面では、CGM機能により、すでに手元にあるパンフレット情報などの資料(PDFや画像)を無料でアップロードすることができ、介護サービスに関する情報発信を後押しします。今後は、世の中のさまざまなプレイヤーと連携し、情報の量・質の充実を図ってまいります。

●使い方は、「住所や駅名」を入れて、後は地図から選ぶだけ。
家族の家から近い場所、利用者の自宅から近い場所の中で介護サービスを探したい。このニーズに応える為、トップページの検索窓に住所や駅名、施設名などのキーワードを入れるだけで、近隣エリアの介護サービスが地図上に表示されるユーザーインターフェースを採用しました。

例えば、区の境目に居住している人に、居住区でのサービスが遠い場合、となり町のサービスを見つけることができるなど、より柔軟に探すことが可能です。また、地図をズームアウトすれば対象から東西南北に存在する介護サービスの数を簡単に把握することが可能です。

■2014.6.7  言葉がすぐには出てこない それって、認知症かも?  東京都がチェックリスト作成「20点以上なら相談を」
認知症の早期発見につなげるため、東京都は「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を作成した。「物を置いた場所がわからなくなる」「五分前に聞いた話を思い出せない」など十項目の質問に対し、どのくらい当てはまるかを点数化して判定する。

都と健康長寿医療センター研究所(板橋区)が町田市内の高齢者を訪問調査した結果を分析し、質問項目を選んだ。本人や家族が、認知機能や社会生活に支障がないかを確認できる仕組みで、四十点満点のうち二十点以上なら医療機関などに相談を促している。

都の推計では、都内の認知症高齢者は二〇一三年に三十八万人で、二五年には六十万人に増える見込みだ。担当者は「薬を飲めば進行を遅らせられる場合もあり、早期発見が非常に大切」と話している。

都の認知症に関する公式サイト「とうきょう認知症ナビ」で、チェックリストや専門医療機関などを紹介している。

http://social-welfare.rgr.jp/img/llollllllldlllxall.PNG

■2014.6.8  福祉施設併設の洋菓子店が人気 東近江 社会福祉法人蒲生野会
東近江市の社会福祉法人「蒲生野会」が今月、同市垣見町にオープンした洋菓子店「エクレレ」が盛況だ。主力商品エクレアは毎日完売となる人気ぶりで、閉店時間を待たずに一〜二時間早じまいする日が続いている。勤務する軽度知的障害の男性も「働くのが楽しい」と生き生きしている。

「あ、もうチョコバナナがない」。昼すぎ、若い女性たちがショーケースをのぞき、落胆の声を漏らした。モカや抹茶、ブルーベリーなど販売する十種のエクレアの中でも、チョコバナナは特に人気だ。午前十時の開店から数時間で完売することが多いという。

口コミで店の評判が広がり、毎朝開店前に並ぶ女性もいる。エクレアは平日は二百〜二百五十本、来店者の多い週末は三百〜三百五十本を用意する。パティシエとして開店準備に奔走した西村俊さん(34)は「良いスタートでほっとしています」と笑顔をみせる。

エクレレは、蒲生野会が四月に開所した障害者就労支援施設の一階部分に併設した。製菓店に勤務経験のある職員三人と通所男性の一人が働いている。「軽度の知的障害や発達障害のある人が誇りを持って働ける場」を目指し、働ける通所者を増やしていく予定だ。

店で働く男性は、飲食店などに勤めたが、障害もあり職場になじめなかった。今は調理補助や接客を担当。「自分で包装したお菓子が売れると、やりがいを感じる」とうれしそうに話す。周囲は「明るくなった」と変化を喜ぶ。

就労支援施設には、軽作業に励む通所者が五人いる。施設長の宮崎建志さん(51)は「接客力を高めて店に移り、『自分はここで働いている』と胸を張れる人が出てほしい」と期待を込める。

店は午前十時〜午後八時(日曜は午後七時まで)。水曜定休。問い合わせはエクレレ=電0748(43)6225=へ。

■2014.6.8  障害者らがカフェBONO 10月から京都・舞鶴に
京都府舞鶴市の社会福祉法人まいづる福祉会(飯田仁理事長)が運営する事業所「ワークショップほのぼの屋」は、障害者らの新たな働く場として、カフェや弁当配達などの新事業「BONO(ぼの)」を10月に始める。

同市浜の旧海上保安学校修練館を1億2千万円かけて改修・増築し、1階は授産品などの販売店、2階は50席程度のカフェにする。カフェは主に女性客向けにスイーツやランチなどを提供。弁当は1人暮らしの高齢者などに戸別配送する。

ワークショップほのぼの屋は、同市大波下でフレンチレストラン「ほのぼの屋」を開いており、BONOと合わせて障害者のスタッフを現在の40人から60人に増やすとともに、シングルマザーなども積極的に採用する。

「誰もが分け隔てのないハッピー舞鶴」が目標といい、ワークショップほのぼの屋の西澤心施設長は「障害者の誇りある労働と、お客様が満足するサービスを実現したい」と話している。

■2014.6.9  発達障害者の支援体制づくりを進める通所型の生活介護事業所 ホープフルあすてーる 青森
階上町金山沢に、発達障害者の支援体制づくりを進める通所型の生活介護事業所「ホープフルあすてーる」がある。同町の社会福祉法人養正会(吉田廣太郎理事長)が運営。発達障害の中でも症状が重く、思いが伝わらないと暴力的になったり、大声を上げたりするなど対応の難しい人たちが「将来的に地域で生活できるようになれば」と活動に取り組んでいる。

目に見えないことを理解するのが難しいということが、発達障害者の特徴の一つ。このため、いつ、どこで、何を、どうやったら終わるのか―などの情報を構造化して視覚的に伝えるのが有効とされている。

同事業所は、建物自体にこの構造化を適応し一人一人が個室を使用。余分な情報を遮った空間で生活することにより、利用者の混乱などを防ぐ狙いだ。

施設はことし4月に開所。現在、20〜50代の14人が通所している。管理者の古川善朗さんは「支援の成果が表れて(利用者たちの行動は)落ち着いてきている」と2カ月間の手応えを語る。

同事業所では、2015年中に八戸市内にグループホームを整備する予定。古川さんは「親が先に亡くなったとしてもグループホームという形で地域の中で生活できるように利用者の『生活力』を高めていければ」と話している。

http://social-welfare.rgr.jp/img/yyyuyyyrrr5i.PNG

■2014.6.10  特養の地下室を促進 改正建築基準法が成立
特別養護老人ホームなどの容積率の算定方法を変更し、地下室を作りやすくする改正建築基準法が5月29日、衆議院本会議で可決、成立した。

地下室を物置スペースなどとし、地上階を居住空間として広く使えるようにする。参院で先に審議されていた。公布日から1年以内に施行する。

容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと。現在は延べ床面積に地下室を含めるため、地上階の面積が狭くなる。改正後は一定の上限内で延べ床面積から地下室の面積を差し引く。

対象となる福祉施設は今後決まるが、児童福祉施設、障害者施設も想定されている。改正後は現在の住宅と同様の扱いとなり、福祉施設を建てる際に居住空間を従来よりも確保しやすくなる。

このほか、防火設備に関する定期調査・検査報告制度の強化策が盛り込まれた。現在は市町村ごとに対象施設が異なるが、改正後は政令で全国一律に定める。公布日から2年以内に施行する。

衆院国土交通委員会の付帯決議は「高齢者等の入居する施設等」について、この定期調査・検査報告制度の確実な実施、その結果を踏まえた適切な是正指導を政府に求めた。

■2014.6.10  障害者に安らぐ場を 奔走する福島のNPO法人あさがお
障害者に心休まる居場所や仕事をーー。原発災害に苦しむ福島県南相馬市で民間の自立支援事業所が福祉拠点の再生に奔走している。東日本大震災(2011年3月11日)から4年目。遅々とした復興の歩みの影で増大するニーズと向き合うNPO法人「あさがお」を訪ねた。

ぎりぎり赤字

JR常磐線鹿島駅にほど近い就労継続支援B型事業所「きぼうのあさがお」。自宅や仮設住宅、法人直営の5カ所のグループホーム「いやしの家」(計29人)から週5日通う。大豆を原料にした豆腐やみそづくり、基盤組み立て、資源回収、メール便の配達、独居老人向けの弁当配食サービスに精を出す。身体、知的、精神のいずれかの障害をもつ20代から60代までが、笑いを交えてにぎやかだ。

「地元産の大豆は原発事故の風評で使えず、IT関連の基盤組み立ても放射能の微妙な影響か、震災前のわずか5%」と理事長の西みよ子さん。秋田県産の高い大豆を仕入れる一方、ビニール製デポジット袋の異物除去など新たな収入の道を開拓してきた。「一時下げた工賃に苦情があり、元に戻しました。ぎりぎり赤字です」。

とくに安心できる場の確保は急務だ。震災後、「いやしの家」を2カ所増やし、5カ所に。もともとの南相馬市内の利用者のほか、高放射線量で帰れない原発10`圏内の浪江町、双葉町、富岡町から移ってきた人も10人おり、広域化している。

このため「あさがお」は今秋にも生活介護・生活訓練施設「ともに」を新設の予定で、この春、工事入札を終えた。西さんは「建設業の人手不足を反映し、単価はどんどん上がった。借金はかさんだが、誰かがやらざるを得ません。ゆくゆくは高齢者介護を連動させた共生型施設にしたい」。表情は険しいものの、決して暗くはない。

人手足りない

もう一つの悩みは介護者不足。放射能不安から福祉を担う世代は市外へ出たままで、事業所の多くは「ツテで頼んだ主婦らでカバーしている」(南相馬市の青田由幸・NPO法人さぽーとセンターぴあ代表理事)のが実態だ。

「放射能を気にしてか、養成校は市内で実習をしないと聞いている」(市障がい福祉係)中で、教育を受けた職員がそろわず、なかには避難中に引きこもりになるなど重度化してしまった利用者らに対するケアへの不安は強い。

「でも、働きたい人へ『家にいてください』と言えません。障害者の家族も避難生活で弱り、高齢化していますから。震災後、全国から支援を受け、サービスに地域(自治体)格差があるのを知ったのは大きな収穫でした。それらを生かして活動していきたい」(西さん)。頑張りは続きそうだ。

■2014.6.11  野菜づくり:障害者、益城町の休耕畑で 土に触れ、外に出る契機に /熊本
益城町の障害者就労支援施設「そよかぜ福祉作業所」の利用者たちが、町内の耕作放棄地で野菜づくりを始めた。周囲の農家の助けも得て、27アールの畑でナスやカボチャ、オクラなどを作る。障害者を巡っては国が近年、入所施設より在宅での医療・介護を推進しているが、自宅に戻った障害者が引きこもるケースもあるという。同作業所は「土遊びでいい。家から出ておいでと呼びかけるきっかけにしたい」としている。

「そよかぜ農場」と書かれた看板が掛かった畑では、5月の連休明けに苗を植えたばかりのナスが早くも立派に実っていた。日ごろはパンの袋詰めやシール貼りに精を出す施設利用者たちがわいわい言いながら収穫する。

畑は施設の理事長、濱田龍郎さん(69)のつてで、3年間耕作されていなかった土地を借りた。当初はカヤが茂って荒れ果てていたが、周囲の農家やボランティアの人たちが重機を使って耕作できる状態に戻してくれた。

濱田さんたちは「畑はきっかけ作り」と言う。施設での作業では「仕事はきつい」とおっくうに思う障害者も、畑で土に触れ、作物の育つ様子を目の当たりにするのは楽しい。「農作業がきつければ、土や丸太で遊んでいていい。家を出て、来てくれるだけでも立派な仕事なのです」

畑での作業には誰でも参加できる。濱田さんたちは「引きこもらず気軽に遊びに来て」と呼びかけている。問い合わせは生駒さん

■2014.6.11  グループホームは重度化の対応が焦点、介護と医療の連携強化へ
利用者の重度化が進み、医療ニーズもかなり高くなってきたグループホーム ― 。来年度の介護報酬改定では、そうした現状への対策が打たれることになりそうだ。

厚生労働省は11日、2015年度の介護報酬改定に向けた議論を行う審議会で、グループホームの論点に医療サービスとの連携を強める方策をあげた。外部の訪問看護を利用しやすくするなど、重度化を踏まえた制度の改善に向けて協議を進める考えだ。

また、施設側が用意したものを使う仕組みの福祉用具について、本人の状態に合わせて柔軟に活用できる制度も検討する。これらを論点として議論を深め、具体的な制度を秋ごろに審議会で提案するという。

厚労省によると、グループホームの利用者に占める要介護3以上の割合は、昨年度で56.5%となっている。制度ができて間もない2001年度は、これよりも20ポイント低い34.6%だった。利用者の重度化は確実に進んできている。

厚労省が提案したのは、医療サービスとの連携を強める方策を検討すること。例えば、訪問看護に関わるルールの再考がある。

今の制度では、グループホームで外部の訪問看護を自由に使うことはできない。末期がんの患者や緊急の場合に限り、医療保険のスキームで利用が認められるだけだ。近隣の医療機関との連携などで体制を敷く加算(医療連携体制加算)があり、7割を超えるグループホームがその加算をとっているが、多くの重度者に対する頻繁なケアを想定した仕組みではない。

こうした現状に、審議会の委員からは「制度疲労の状態」との指摘も出た。厚労省は、介護保険での併給を認めることも選択肢に含めるとしたが、「具体策はこれから」と説明している。

■2014.6.12  湯梨浜の社福法人信生会の着服:立件総額7200万円に 元経理責任者を追送検 /鳥取
湯梨浜町の社会福祉法人「信生会」(山下慶久理事長)の着服事件で、県警捜査2課は11日、同法人の元経理責任者で同町門田の無職、前田幸寛被告(38)=詐欺などの罪で公判中=を業務上横領容疑で鳥取地検に追送検し、捜査を終了したと発表した。追送検は10日付。同課によると、立件額は総額約7200万円に上った。

追送検容疑は2012年7月〜13年5月、同法人名義の預金口座から13回にわたり計約2150万円を引き出し、着服したとしている。同課によると、前田容疑者は容疑を認めているという。

これまで同法人理事長名の銀行印の印影を印刷するなどして払い戻し請求書を偽造し、総額約5050万円をだまし取ったとして有印私文書偽造・同行使と詐欺の罪で起訴されていた。

■2014.6.12  広島・介護施設入所者殺害:被告、無罪主張へ 地裁公判前整理手続き /広島
東区の介護施設で入所者の高齢女性が布団に火を付けられ殺害された事件で、殺人と建造物等以外放火などの罪に問われている元介護福祉士、入沢亜加音被告(22)の第2回公判前整理手続きが11日、広島地裁であった。手続き後、入沢被告の弁護人が取材に応じ、「被告の自白には任意性や信用性がない」として無罪を主張することを明らかにした。

起訴内容は、入沢被告は2012年12月5日午後6時半ごろ、勤務先の介護施設で、殺意をもって加登久恵さん(当時85歳)の布団にライターで火を付け、加登さんに全身やけどを負わせて翌日に死亡させたなどとしている。

事件は裁判員裁判で審理され、初公判は18日にある。判決の言い渡しは7月16日の予定。

■2014.6.12  平川市長選選挙違反:公選法違反、新たに3市議起訴 20万円で票取りまとめ /青森
青森地検弘前支部は11日、平川市長選(1月26日投開票)を巡ってそれぞれ現金20万円を受け取ったとして、いずれも市議の小野長道(64)、小田桐信勝(73)、今俊一(58)の3容疑者を公職選挙法違反(被買収)の罪で青森地裁弘前支部に起訴した。また、この3被告に現金を渡したとして、同市町居山元、元社会福祉法人理事長で無職、水木貞被告=同法違反罪で公判中=を、同法違反(現金買収など)の罪で同支部に追起訴した。

起訴状などによると、水木被告は昨年8月9日から10日ごろにかけて、落選した前市長の大川喜代治被告=同法違反罪で起訴=のための投票や票の取りまとめの報酬として、平川市内の小野、小田桐、今の3被告の自宅などで、それぞれ現金20万円ずつを手渡し、3被告はそれを受け取ったとしている。

同市長選を巡っては、別の市議(当時)から同様に現金20万円ずつを受け取った3市議(同)を、地検弘前支部が3月に略式起訴。弘前簡裁が罰金30万円などの略式命令を出し、釈放されていた。その後、3人は正式裁判を請求し、6月6日に有罪判決を受け、10日に辞職している。

11日に起訴された3被告は勾留が続いており、違いについて青森地検は「3被告が選挙などで果たした役割や、現金をどうしたかなどの事情を考慮した」としている。

関係者によると、3被告は現金をいったん使ってしまったという。また、地検は大川被告の関与も含めて捜査を進める。

■2014.6.12  詐欺:エコライフ経営者、容疑で逮捕 補助金不正受給で /宮城
県警捜査2課などは11日、仙台市青葉区にあった障害福祉サービス事業所運営会社「エコライフ」(昨年11月に破産申し立て)が県の補助金を不正に受給したとして、実質的な経営者だった東京都瑞穂町長岡1、五十嵐幸生容疑者(42)を詐欺容疑で逮捕した。

逮捕容疑は、2011年12月〜12年1月、実際には250万6000円だった同社の福祉事業所の浴室工事費用の金額を偽った契約書などを県障害福祉課に提出し、県から補助金550万円を受け取ったとしている。

五十嵐容疑者は容疑を認めている。同社を巡っては市と県から5件の告発を受けており、県警捜査2課は、計数億円の不正受給があったとみて捜査している。

■2014.6.13  社会福祉法人あすなろ会 松の聖母学園 新たに6件 県の調査で確認 /鳥取
社会福祉法人「あすなろ会」(相沢英之理事長)が運営する知的障がい者支援施設「松の聖母学園」(鳥取市白兎、影井愛巳施設長)での虐待問題で、県の立ち入り検査で新たに6件の虐待が確認されたことが12日、分かった。同日の県議会常任委員会で報告され、同園での虐待は計13件になった。

県は先月27日〜今月6日、同学園を含む障がい者支援施設計21施設を調査。同学園では50代の男性管理職が入所者に風呂場で裸のまま動かないよう指示するなどの新たな虐待が確認された。

また、虐待のあったグループの職員は、知的障がい者の行動障害への対応など業務上必要な知識や技能を習得していなかった。

県は30日までに改善報告書の提出を求めており、内容をみて必要な措置を検討する。同法人の調査委員会は加害職員の刑事告発も検討しているという。

一方、その他の障がい者支援施設では虐待は確認されなかったとした。

■2014.6.13  累犯障害者・高齢者:支援、司法と福祉がタッグ 来月20日、水戸で初の研修会 /茨城
犯罪を繰り返す高齢者や障害者を支援しようと、県内の弁護士や社会福祉士らが来月20日、水戸市千波町の県総合福祉会館で、研修会「罪に問われた高齢・障害者の支援」を県内で初めて開催する。県内でも適切な福祉支援を利用できず、罪を重ねる障害者や高齢者が少なくないことから、司法と福祉がサポートに向けてタッグを組む。

受刑者2万7024人を対象に行った法務省の2006年特別調査によると、知的障害のある受刑者もしくは疑われる受刑者は約1・5%に当たる410人。このうち、福祉サービスの利用に必要な療育手帳所有者は26人にとどまっている。

矯正施設を出所した高齢者や障害者の支援に取り組む県地域生活定着支援センターの酒寄学センター長は「社会に適応できず、貧困に陥り、10、20回と罪を繰り返してしまう人もいる」と指摘する。

一方、法テラス茨城の飯田健太郎弁護士は「障害者を弁護し、減刑できたとしても、アフターフォローは難しい」として、約2年前から累犯障害者・高齢者の問題を社会福祉士らと勉強するようになったという。酒寄さんは「司法、福祉の関係者が関心を共有することで、どのような支援ができるのか考えていきたい」と話している。

研修会は県社会福祉士会▽県精神保健福祉士会▽県ソーシャルワーカー協会が共催。第1部では県弁護士会の弁護士や水戸地検の検事らが事例を報告し、第2部では弁護士▽検事▽保護観察官▽福祉施設関係者らがパネルディスカッションする。

主に社会福祉士や行政職員など専門職員を対象にしているが、定員(150人)未満の場合、一般の参加も可。問い合わせは県社会福祉士会事務局

■2014.6.13  75%が「老後は持ち家で」 高齢社会白書、初の意識調査
政府は13日、平成26年版「高齢社会白書」を閣議決定した。老後の備えに関する意識調査を初めて実施し、高齢期に住みたいのは一戸建てや集合住宅などの「持ち家」と答えた人が75・2%に上るなどの内容を盛り込んだ。

家賃の心配なく住み続けられることが理由と考えられるが、住まい選びの条件に「高齢者への支援・サービスの充実」(30・1%)「介護サービスを受けられる」(23・0%)も挙がった。白書は「今後、持ち家以外でも良質なものを適切に選択できるための支援が重要」と指摘している。

高齢期に住みたい住宅は「サービス付き高齢者向け住宅」が9・2%、公営住宅が4・6%と続いた。

老後に子と同居したいかについては、「近くにいれば別居でもよい」が38・2%と最多で、「孫ができたら」などの条件付きも含めた「同居したい」は計24・4%。昨年11〜12月、全国の35〜64歳の男女2707人が回答した。

■2014.6.13  盲導犬の育成支援を 自動車販売業社長がオリジナルタオル販売 松原 
盲導犬の育成を支援しようと、大阪府松原市岡の自動車整備・販売業「アサダ自動車商会」の浅田純一社長(51)がオリジナルタオルを製作して販売し、売上金を社会福祉法人「日本ライトハウス」(大阪市鶴見区)の盲導犬育成事業に寄付する活動を始めた。すでに売上金の一部2万8千円を寄付しており、今後も活動を続けていく。

浅田社長は約2年前、「盲導犬を育てる会」(千早赤阪村)の副会長に就任。活動を通じて盲導犬の必要性を痛感し、今回、オリジナルタオルの販売を手掛けた。

縦84センチ、横35センチのタオルを業者から仕入れ、浅田社長の長女が考えた店のオリジナルキャラクター「わにまろ」と盲導犬をプリントしている。

タオルの色はベージュとエメラルドグリーン、モスグリーン、ブルーの4色を取りそろえた。

活動に賛同する松原市内の美容院や羽曳野市内のゴルフ用品店の2店の協力も得て、1枚380円(税込み)で4月中旬に販売を開始。これまでに計約200枚が売れたという。

これまでに浅田社長は、オリジナルタオル以外にも昨年8月、東日本大震災の被災地復興を支援するオリジナルクリップ(紙挟み)を製作・販売しており、売上金13万円をあしなが育英会に寄付している。

浅田社長は「今後、タオルの取扱店を増やしていきたい。盲導犬の育成は大変なので、支援活動をもっと知ってほしい」と話している

■2014.6.13  毎日の座る時間がラクになる日本製シートクッション
パソコン作業をしていると一日中、座りっぱなしなんてことも珍しいことではない。長時間座っていると、いつの間にか姿勢も悪くなり、腰やお尻が痛くなってくる。そんな苦痛を解消するのがいす用シート「エクスジェル アウルフィット」だ。

エクスジェルは、医療・福祉、健康用品など樹脂製品を製造販売する株式会社加地(島根県仁多郡)が、高齢による体の変化や、障がいによる「座る」「寝る」場面での苦痛や悩みに応えて独自開発した素材。もともと褥瘡(床ずれ)のリスクを軽減するために開発された究極的に柔らかいジェル状の素材を、家庭用クッションとして応用した。衝撃吸収性はウレタンフォームの10倍以上。座りながらにお尻をずらすなどの、ちょっとした身体の動きも柔軟にサポートする。

食卓やオフィスのイス、床面、座いすなど、あらゆる座るシーンに対応。表の素材は吸汗性と速乾性に優れた高機能ファブリック、クールマックスを採用している。ブラック、ベージュの2色。1万9,440円(税込)。



http://sankeishop.jp/shopdetail/000000001976/?msn=20140613

■2014.6.13  「家族ではなく社会の問題」認知症の行方不明で奈良・荒井知事 実態調査を指示
徘徊(はいかい)して行方不明になる認知症の高齢者が年間1万人を超えるなど社会問題となっているのを受け、奈良県は身元不明者の保護について県警などとの連携を強化するため、担当者間の協議を始めた。県内39市町村には認知症などで保護された身元不明者数の調査を指示しており、今月半ばにも県内の状況を取りまとめる。

県によると、市町村の調査は平成24、25年度を対象として実施。身元不明者として保護した人数や状況のほか、身元が判明した場合はどのように特定したかについて回答を求めている。12日現在で37市町村から報告が上がっているといい、今後、必要に応じて聞き取り調査も行って実態把握に務める。

一方、県警によると、県内の認知症の行方不明者のうち、今年4月末時点で少なくとも5人が発見されていない。家族や福祉施設が県警に届け出た不明者は24年が172人、25年は187人だが、24年は2人、25年は3人が発見されていない。

これまで、認知症などによる身元不明者を最初に保護する場合が多い警察との情報共有については「不十分だった」とし、具体的な連携方法について協議を進めるほか、各自治体に委ねられてきた身元確認の方法についても、詳細な検討を始める予定。県警子供・女性・高齢者安全対策課の担当者は「家族がいなくなったときや、身元不明で徘徊している人が保護された場合、まず連絡が来るのは警察。市町村と連携を強化するほか、他府県との情報共有も進めていきたい」としている。

荒井正吾知事は12日の定例記者会見で、「認知症は、家族の問題ではなく、社会の問題だ」と強調。「まず、行政が実態を把握することが第一歩。家族の問題ではなく行政の課題として、認知症をどう扱うかについて、その場しのぎではない実質的な議論をしていくべきだ」と述べた。

また、奈良市内で進められている安心なまちづくりを目指す「地域包括ケアシステム」の構想に言及。「認知症の人が生活に不自由なく暮らせる安全な街ができないか」として、行方不明にならないよう「GPSをつけてもらうというアイデアもある」などと指摘。今後の対策検討に向け、「色々な事例を地域で実践していくのがよい」と述べた。

■2014.6.13  リハビリ応援 蛍200匹贈る…大分
竹田・南部小 別府の障害者センター訪問

リハビリに励む人たちを元気づけようと、大分県竹田市立南部小の6年生が12日、別府市南荘園町の別府重度障害者センターを訪れ、学校近くの川でつかまえた蛍約200匹を贈った。

今年で49回目の「友情の蛍」と名付けた行事で、1966年に当時の竹田市議会議長とセンター所長が、上京中の夜行列車で知り合った縁で始まった。

児童たちは、蛍を入れた虫かごや花束、夕日を描いた絵などをセンターの利用者に手渡し、児童会長の佐藤龍馬君(11)が「リハビリの励みになればうれしいです」とあいさつした。

利用者を代表して、松下豊和さん(36)が「リハビリに疲れたら贈り物を思い出して元気を出します」と感謝の言葉を述べた。

蛍は室内で蚊帳の中に入れて観賞した後、近くの川に放すという。

■2014.6.13  障害者虐待新たに6件 鳥取の支援施設  松の聖母学園
鳥取市の社会福祉法人「あすなろ会」が運営する知的障害者らの支援施設「松の聖母学園」の虐待問題で、県は、緊急立ち入り調査で新たに6件の虐待事案が判明したことを、12日の県議会福祉生活病院常任委員会で明らかにした。

県が把握した虐待事案は、入所者7人に対する計13件に上る。県は、同法人に提出を求めている改善報告書の内容を見て措置を検討する。

障害者総合支援法に基づく立ち入り調査は、5月27日〜6月6日、同学園など県内21の障害者支援施設で実施。施設長らに虐待事案の有無や、虐待防止の取り組み状況などを聞き取った。

県によると、同学園で新たに50歳代の男性管理職が、50歳代の知的障害のある男性入所者に、尻にアザができる暴行を加えるなどした計6件の虐待が判明した。県は、男性管理職が計12件の虐待を行ったと認定しているが、男性管理職は湯船に顔を付けるなど4件以外の関与は認めていないという。同学園が虐待防止の研修をせず、同法人本部が適切な施設運営を行っていないことも明らかになった。

同学園以外に虐待はなく、業務管理体制などにも問題点は確認されなかった。県では、県内320の障害福祉サービス事業所でも順次、緊急立ち入り調査を行う。

■2014.6.13  8年間寄り添ったステラ 恵庭初の盲導犬引退 本田さん「人生が明るくなった」
市内で初めての盲導犬となったステラ(9歳、雄)が、7月に引退することになった。視覚障害者の本田満喜子さん(72)=漁町=の生活を8年間支えた。「ステラのおかげで人生が明るくなった」。本田さんは感謝の思いを胸に見送るつもりだ。

本田さんの握るハーネス(胴輪)を付けたステラは、いつもぴったりと本田さんに寄り添って歩く。信号に合わせるだけではなく、不規則な車や人の動きを見ながら立ち止まったり、進んだり。歩行中は、ステラの後ろ足と本田さんの足が常に触れており、「安心します」と言う。帰宅すると、本田さんはステラの足や背中をマッサージする。体調把握の目的もあるが、「すごくかわいくて仕方ないんです」とねぎらいの思いを込める。

本田さんは、38歳で難病のため右目を失明すると、左目の視力も下がり続けた。2005年に参加した市内の障害者向け研修会で初めて盲導犬と歩き、「びっくりするほど歩きやすかった」という。すぐに盲導犬の育成・貸与を担う道盲導犬協会(札幌)に申請。06年に4週間にわたる泊まり込みの共同訓練を経て、少しやんちゃなラブラドルレトリバーが貸与された。1歳のステラだった。

当初はなんでも甘がみしてバスタオルに穴を開けたことも。それでも「今日はどこに行こうか」と話しかけながら毎日散歩するうちに「ステラとの距離が縮んでいった」。10年に伴侶を亡くして以降は、来客の訪問に気がつくと大きくほえるようになった。「それまでは鳴き声を聞いたこともなかったのに。私を守ろうとしてくれてるのかな」と本田さんは言う。

盲導犬の引退は通常12歳。本来ならば引退まではあと2年余りあるが、本田さんは高齢で、新しい盲導犬との共同訓練を早めに行う必要があったため、7月での返還を決めた。引退後はボランティアに引き取られるか、同協会内の「老犬ホーム」で余生を過ごす。

ステラは7月11日に返還する。「別れは本当につらい」という本田さんは、「ステラが雨で泥だらけになったことも一緒に旅行に行ったことも、全部大切に胸にしまっておきます」と話している。

■2014.6.13  大東市、ホームページ上で「おおさか障がい者施設就労ガイド」を紹介
大阪府の障害者就労支援
大阪府大東市の公式ホームページ上の福祉・子ども部、障害福祉課のお知らせページに「おおさか障がい者施設就労ガイド」のwebサイトが2014年6月5日付けで紹介されている。

市民にも見やすいページ
このwebサイトは大阪府内の障害者就労施設(就労継続支援B型事業所、就労継続支援A型事業所、生活介護事業所、地域活動支援センター)の情報を写真入りで一般市民にもわかりやすいように掲載しているもの。


この情報を参考に支援を
項目は地域で探す、商品・作業で探す、ショップ・店舗で探すと大きく3つに分かれており、さらに詳細に検索ができるようになっている。地域で探すのページには大阪各市の区名をクリックするとその地域の障害者就労施設がアップされる。

ショップ・店舗で探すのページはベーカリー、カフェ・喫茶店、食堂・レストラン、リサイクルショップ、福祉ショップなどの紹介となっている。

商品・作業で探すのページでは一般加工食品、繊維・皮革・木工製品、その他の雑貨製品、農産品、ギフト、その他に、また作業は受託業務の紹介で、一般作業、清掃・造園・クリーニング、データ管理、製品加工、その他の各項目に分類されている。さらに該当する商品、内容が細かく掲載されている。

このサイトが障害者支援施設などでつくられている授産製品の売り上げやショップの利用者数を向上させるとともに、業務の発注も紹介されていることから事業者に向けての情報源にもなる有意義なサイトとなっている。

大東市福祉・子ども部、障害福祉課のお知らせ
http://www.city.daito.lg.jp/kakukakaranoosirase/fukushikodomo/

おおさか障がい者施設就労ガイドwebサイト
http://kyodoweb.sakura.ne.jp/

■2014.6.13  大阪府内の障がい者就労施設ガイド

就労継続支援B型事業所、就労継続支援A型事業所、生活介護事業所、地域活動支援センターの情報を掲載しています。
http://kyodoweb.sakura.ne.jp/

■2014.6.13  清掃:手をつなぐ育成会200人、笑顔で武庫川を 尼崎 /兵庫
尼崎市内の知的障害者の保護者らでつくる「尼崎市手をつなぐ育成会」(井上三枝子会長)の会員らが12日、尼崎市の武庫川河川敷を清掃した。約200人が草刈りや落ち葉拾いをしたり、ごみを拾ったりした。

同会の清掃は1990年から毎年1回、行っている。市の委託事業で、委託金は同会の運営費や、市内の知的障害者が通う作業所の運営費や工賃に充てられる。井上会長は「面識がない保護者同士の交流の場にもなっている」と語る。参加した市内の女性(42)は「掃除しながら自然と打ち解けて、互いに子どもの育て方や悩みを話すことができた」と話していた。

■2014.6.14  女性押し倒し財布盗んだ介護職員逮捕 三重
三重県警名張署は6月11日、自転車で通りかかった女性を押し倒し、脅してリュックサックを盗んだとして、三重県名張市百合が丘東五番町の介護施設職員武田雄介容疑者(34)を暴行、脅迫、窃盗の疑いで再逮捕したと発表した。

同署管内では2013年3月から、若い女性を狙った暴行事件や強制わいせつ事件が数十件起きており、同署員が警戒していた。

武田容疑者は、5月19日午後8時ごろ、名張市の路上で帰宅途中の高校1年の女子生徒(15)の口を手でふさぎ、千枚通しのようなものを突きつけて 「静かにしろ 叫ぶと殺すぞ」 などと脅した疑いで、5月22日に逮捕されていた。

この容疑については6月11日、処分保留で釈放したが、十数件について犯行を認める供述をしており、うち1件で再逮捕した。

再逮捕の容疑は、3月28日午後11時ごろ、名張市青蓮寺の市道で同市内の女性店員(22)を自転車ごと押し倒したうえ、
「殺すぞ」 と脅し、自転車の前かごにあった、約4000円が入った財布などを入れていたリュックサックを盗んだ疑い。

武田容疑者は
「女性の嫌がる姿を見てストレスを発散したかった」 と犯行を認めているが、脅迫については容疑を否認している。

■2014.6.14  佐世保市、知的障害者専用の職場づくり…県内自治体で初
佐世保市は、臨時職員として雇用した知的障害者の仕事場「させぼチャレンジルーム」を庁内に開設した。

5月から男女2人が文書や資料の印刷などを担当している。市によると、知的障害者専用の職場づくりは県内の自治体で初めてで、作業を通じて民間事業所などに就職する能力を養ってもらうという。

佐世保市は現在、身体障害者35人を雇用しているが、知的障害者については「どういう仕事に向いているのか模索中」として採用実績がなかった。山口県宇部市などの先行事例を参考に、知的障害者専用の作業スペースを確保。臨時職員として川崎麻衣さん(29)と末竹隆宏さん(29)を採用した。

チャレンジルームは市役所6階の職員課にあり、2人は広報や啓発に使うチラシの印刷や国体用メッセージカードの裁断、書類の封筒入れや宛名のシール貼りなどをこなしている。作業を終えると自ら発注部署に持ち運び、「助かります」などと感謝されることもあるという。

川崎さんは「苦手な作業でも丁寧に仕上げることを心がけている」と話し、末竹さんは「だんだん慣れてきた」とやりがいを感じている。

雇用期間はおおむね3年。市役所の業務を通じて職場でのスキルを磨き、最終的には民間事業所への就職を目指す。チャレンジルームの支援員を務める臨時職員の杉中勝重さん(70)が2人を見守り、作業の指導や就職活動をバックアップする。

市職員課は「2人は業務の効率化に貢献してくれている。この取り組みを続けて知的障害者の就職を後押ししていきたい」と話している。

民間への橋渡し担う

障害者雇用促進法は、企業や自治体などに一定の割合で障害者の雇用を義務付けている。民間事業所(従業員50人以上)の法定雇用率2%に対し、県内企業の平均は2・1%(昨年6月1日現在)で、全国平均の1・76%を上回る。都道府県で上から7番目の水準で、雇用者数2617人(前年比8・3%増)は過去最高だった。

県や付属機関の雇用率は2・34%(前年比0・15ポイント増)、市や町などが2・36%(同0・11ポイント増)で、いずれも自治体の法定雇用率2・3%を上回っている。しかし、知的障害者を雇うケースはほとんどないという。

知的障害者の雇用が遅れている背景について、長崎労働局は「身体障害者と比べて就労支援の歴史が浅い」と指摘する。佐世保市の取り組みについては「自治体が率先して雇い、民間事業所への橋渡しを担うことで雇用の拡大につながる」と評価している。

■2014.6.14  市区町村の過半数策定せず 障害者施設からの調達方針
障害者が働く施設から優先的に商品を買うよう地方自治体などに求める「障害者優先調達推進法」で義務付けられた調達方針を、今年3月時点で市区町村の過半数が策定していないことが厚生労働省の集計で分かった。

同法は昨年4月に施行され、施設に発注する商品やサービスの数値目標などを調達方針として、毎年度まとめるよう定めている。地域の施設がどんな商品を手掛けているかを十分に把握しておらず、方針を決められない自治体が多かったためとみられる。

厚労省によると、3月3日時点で調達方針をまとめたのは、全国の市町村と東京23区の計1742自治体のうち811自治体で、46・6%。都道府県別では、福井が全自治体で策定したほか、富山(93・3%)、島根(89・5%)、大分(88・9%)、宮崎(88・5%)の4県で策定市町村が80%を超えた。

一方、和歌山(6・7%)、沖縄(7・3%)、山形(8・6%)の3県が10%を割り込み、取り組みの遅れが目立った。都道府県も同様に義務付けられ、3月までに全てが策定した。

■2014.6.15  社会福祉法人に地域貢献義務付け 内部留保批判で厚労省
補助金や公的保険に頼らず自前で福祉サービスを――。全国に2万弱あり介護施設などを運営する社会福祉法人に、厚生労働省は地域での社会貢献活動を義務付ける方針を固めた。施設職員や内部の余剰資金を活用し、無償・低額での生活困窮者支援などを手掛けてもらう。社会福祉法人は2兆円の内部留保を抱えるなど利益体質に批判があり、運営の見直しを求める。

16日に厚労省の有識者検討会が報告書をとりまとめ、年内に制度の細部を詰める。2015年の通常国会に社会福祉法改正案を提出し、16年度の施行を見込む。社会福祉法人改革については、政府の規制改革会議も13日に安倍晋三首相への答申に盛り込んだ。

社会貢献活動にかかる費用は、社会福祉法人を所轄する厚労省や都道府県、市へ同法人が毎年提出する会計報告に記すようにする。同法人の財務諸表も開示する。義務に従わない法人には、所轄の行政庁が業務停止や解散を命じるなど処分する方針だ。

社会福祉法人は行政からの助成や税免除などの優遇を受ける代わりに地域の福祉を担うが、利益が出やすい高齢者向けの施設運営などに注力する法人も多い。介護や保育に参入した企業からは「競争条件が不公平だ」との批判が強い。

今回の措置は、いわば社会福祉法人に原点に戻るよう求めるもの。活動の原資には、社会福祉法人が運営を独占する特別養護老人ホーム全体で2兆円ある内部留保(厚労省調べ)を使ってもらう。

政府税制調査会では社会福祉法人への課税論も浮上する。財政難で公費や社会保険で賄う福祉サービスを広げにくい厚労省は、同法人を活用したい考えで、組織運営の見直し論が強まりそうだ。

■2014.6.15  「リフカー」研修会:虐待被害、聞き取り方学ぶ 35人参加 尼崎 /兵庫
子どもから性的虐待などの被害を適切に聞き取る「リフカー」を学ぶ研修会が14日、尼崎市であった。小児科医や弁護士、家庭児童相談員ら約35人が、被害を受けた子どもへの接し方について理解を深めた。

米国で開発されたリフカーは「誰が何をした」という必要最低限の情報を聞き取ることに特化した技法。聴取結果を基に児童相談所などに通告することで、子どもの保護やケアへの反映が期待できる。

研修会は、リフカーの普及に取り組む神奈川県の認定NPO「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」(山田不二子理事長)のトレーナーたちが講師を務めた。子どもの話は驚かずに聞く▽安心感を持ってもらう雰囲気をつくる▽被害を小さく話そうとしたり、話したことをわざと撤回する子どももいるといった聞き取りの注意事項を説明した。

研修会を企画した県立塚口病院小児科部長、毎原敏郎さん(52)は「医師や福祉担当者は被害を受けた子どもに接する機会もある。最初から被害を打ち明けてくれることは少ないので、虐待を疑う目を持ってもらえれば」と話した。

■2014.6.15  介護施設で親が転倒したら?弁護士が教える「正しい損害賠償請求」のコツ
介護施設でのトラブルが増えているといいます。契約前に施設の入念なチェックを怠るべきではないことはもちろんですが、それでもトラブルが起きてしまった場合は、どのような対応をすればよいのでしょうか。

入居している親御さんや祖父母が施設内で転んだり、滑ったりして怪我をしてしまった場合、家族の対応によっては治療費が支払われないケースがあるというのです。

そこで今回は、介護問題に詳しい正田光孝弁護士に、介護施設に入居している家族が施設内で怪我をしてしまった場合、本来なら治療費が支払われてもおかしくないケースなのに、支払われない時の正しい損害賠償請求の仕方をうかがいました。大切な人のために何ができるのかを考えてみましょう。

■損害賠償請求ができるかどうかは家族の“証拠集め”にかかっている

正田弁護士によれば、損害賠償できる事案にするための“証拠集め”が重要になるといいます。

「施設側に損害賠償請求できる事案なのかどうか、まずこちらで把握する必要があります。床が滑りやすくなっていたために転んでしまい骨折したような場合や、麻痺があったり、筋力が落ちているような高齢者を一人で歩かせた結果、転んでしまい骨折したような場合は、治療費、慰謝料などの損害を施設に賠償することができます」

さらに「施設側は、入所者の心身の安全を確保するという安全配慮義務というものを負っています。そのため、施設がこの安全配慮義務に違反したり、施設の行為が不法行為といえる場合であれば、施設側へ損害の賠償を請求することができるのです。

このように、まず施設に損害の賠償を請求できるのかどうかを判断するため、事案を把握することが必要で、また実際に請求する場合には、入所者側が立証責任を負っているため、事実関係、施設側の責任を立証するための証拠を用意しなければなりません」

施設が“安全配慮義務”に違反していると主張するためには、入居者側に立証責任があるので、事故が起きてしまった場合には、家族がどこまで証拠を集められるかが重要になりますね。

■証言や写真、介護記録などの証拠を集める

続いて、正田弁護士に家族としてどのようなことに気をつければよいのかお聞きしました。

「証拠としては、まず、事故の発生状況や、日常的なサービスの様子が重要です。例えば“一人で歩けないのに常に一人で歩かされていた”などの本人の供述や、他の入所者の供述が考えられます。

転んだ原因が施設の設備の不良によるものであり、まだその不良が残っている状態などであれば、その写真を撮って証拠に残すことも考えられます。

その他には、介護施設では日常の介護状況について記録を残していますので、この介護記録の開示を受けて、当時の介護の状況や、日常的な介護内容に問題がなかったかどうか確認することもしてください。

この介護記録の開示は、施設側へ申し出て写しを得ることもできるほか、任意に開示されない場合や改ざんが疑われる場合は、証拠保全手続という裁判所を通じた証拠の開示を求める手続をとることもできますので、安心してください」

いかがでしたか? このような手続きを経て和解で合意できるのが望ましいのですが、今回ご紹介したように施設側に賠償の責任がある事案にもかかわらず、施設側が治療費、慰謝料等の支払いをしようとしない場合は、集めた証拠を揃えて、裁判を起こすことになると正田弁護士は話します。

万が一事故が起きてしまったら、今回の正田弁護士のアドバイスをもとに適切な対応ができるよう、心がけておきましょう。

■2014.6.16  ウエルシュ菌か? 滋賀県草津市の介護福祉施設で59人が食中毒
滋賀県草津市内の介護老人福祉施設で、提供された給食をた食べた入所者や職員59人(25〜104歳)が、下痢や腹痛などを発症したことが分かり、県が15日、発表した。

県は施設内で調理された給食による食中毒と断定。調理した飲食店「魚国総本社・滋賀草津一号店」(同市)を15日から、2日間の営業停止処分とした。

入院した1人を含め、全員快方に向かっている。

県によると、入所者らは9日夕、「ひじき煮」や「タラのトマトソースがけ」などの献立の給食を食べた。同日夜から11日昼にかけ、59人が下痢や腹痛などの症状を訴えた。

うち3人から、食中毒菌の一種のウエルシュ菌が検出された。

■2014.6.16  ソバ打ち:入所者の目前で実演 横瀬の介護施設 /埼玉
父の日の15日、横瀬町横瀬の社会福祉法人織舩会(荒舩紘一理事長)の地域密着型介護施設「絆の丘」の入所者に手打ちソバが振る舞われた。ソバ打ちを趣味にする「秩父そば打ち倶楽部」(上石良雄代表)が打ち方を実演。入所のお年寄り28人と職員らがゆでたばかりのソバに舌鼓を打った。

ソバ打ちしたのは認定4段の上石代表(71)と同3段、萩原良朗さん(68)ら有段者5人。ソバ打ち道具一式を持ち込み昼食に合わせて60人分を打った。見事な手さばきに車椅子で見ていた人の中には拍手を送る人も。

同倶楽部では希望日と時間などが合えば施設に出向きソバ打ちを行う。

■2014.6.16  街角:苫小牧 古タイヤ無料引き取り /北海道
知的障害者らがパンを製造・販売する苫小牧市の福祉施設「愛らんど」で14日、古タイヤの無料引き取りイベントがあった。パン工房のPRを図る森岡一裕施設長(65)が、旧知の産廃処理業「三光産業」と連携した初の試み。100人を超す市民がタイヤ約1000本を持ち込んだ。帰りにパンを買う人も多く、売れ行き好調。「続けようか?」と関係者は検討中だ。三光産業はタイヤを通年で受け入れている。

■2014.6.16  社会福祉法人:「内部留保で公益活動」など柱に見直し案
厚生労働省は16日、特別養護老人ホーム(特養)などを運営する社会福祉法人の見直しに関する報告書案を同省の有識者検討会に示し、大筋了承された。社会福祉法人に内部留保を使った地域での公益活動や、財務諸表の公開を義務づけることが柱。年内に具体案をまとめ、来年の通常国会に社会福祉法改正案を提出する。

社会福祉法人を巡っては、一部理事長らによる「私物化」が指摘されている。また同省の調査(2012年)によると、特養には1施設平均約3億1000万円の内部留保があり、法人運営の透明化を求める声は強い。

同省が想定する公益活動は、生活困窮者の自立に向けた支援や低所得者に対する介護保険の利用者負担軽減などだが、内容は各地域で定められるようにし、財源に内部留保を充てる。取り組まない法人は行政指導の対象とする。さらに内部留保額や用途に関し、説明責任を果たす仕組みも検討するとしている。

社会福祉法人は特養のほか、児童養護施設、保育所などを運営する非営利法人。法人税が原則非課税で、施設整備に補助金が出る。12年度末時点で全国に約1万9800法人ある。

■2014.6.16  「重症心身障害者」を救え 迅速に搬送 大阪市の支援事業が始動
重度の知的障害と身体障害がある「重症心身障害者」が、急病時にスムーズに医療機関で受診できるように仲介する大阪市の「医療コーディネート事業」が6月、スタートした。

障害者の診察には専門知識が必要なため急病時にたらい回しにされがちな状況を踏まえ、大阪市内の拠点施設に常駐する専門の医師らが病状にあわせて搬送先の医療機関を斡旋(あっせん)するとともに、医療機関を対象に研修も実施する。障害者の事前登録を受け付けた上で、10月から運用を本格化させる。

重症心身障害者は言葉が不自由で症状を十分に伝えられないことなどから、診療の難しさが指摘されている。障害者の保護者によると、診察した医師が障害者から症状を聞き出せずに転院を促すケースがある。

また、姿勢の変化などをきっかけに呼吸が困難になったり、体が硬直したりする特有の症状が出た際、経験の乏しい医師や看護師では対応できないこともあるという。

厚生労働省によると、全国に約4万3千人いるという専門家の推計もあり、受け皿となる医療機関の充実が急務となっている。対象となる大阪市在住の障害者は約2千人で、今回の事業は全国的にも珍しいという。

事業を受託した大阪発達総合療育センターの重症心身障害者向け入所施設「フェニックス」(東住吉区)に窓口があり、利用を希望する障害者の保護者らは事前に障害や持病などを登録。急病時に窓口に連絡を入れると、常駐する専門の医師と看護師が対応し、病状や事前登録の内容を踏まえて医療機関を仲介する。

本格運用に向けて7月以降、協力の意向を示している医療機関向けの研修会を開き、重症心身障害者への診察方法などについて指導するなど、医療機関側の充実も図っていく。

■2014.6.17  介護報酬不正で調査委 監督不備の有無検証へ 夢の里ケアマネジメントサービス
三養基郡みやき町の居宅介護支援事業所「夢の里ケアマネジメントサービス」が介護報酬約1200万円を不正請求していた問題で、みやき町は16日、町が委託した分に監督不備がなかったか、業務改善調査委員会を設けて検証する方針を明らかにした。町委託分の約135万円は事業所に返還を求める。

町包括支援センターが2006年から同事業所のケアマネジャーに5人分のケアプラン作成を委託していたが、県の監査で作成されていないことが分かった。返還は09〜13年の5年間分を請求する。

調査委員会は副町長、総務部長ら4人で構成し、今月末に当時の包括支援センター長などに聞き取りし、7月上旬までに調査結果をまとめる。末安伸之町長は「町側の担当者は書類の不備に気付けたはずで、指導、勧告の権限がありながら行使できなかった。原因を明らかにしたい」と話した。

不正請求問題で県は5月31日付で同事業所を指定取り消し、ケアマネジャー2人を登録抹消処分にした。

■2014.6.17  不正請求で居宅を3か月間効力停止に――久留米市
福岡県久留米市は、6月10日、居宅サービス計画の未作成などによる介護報酬の不正請求で、市内の居宅介護支援事業所を3か月間の一部の効力の停止処分にしたと発表した。

これにより、同事業所は6月1日から8月31日までの3か月間新規の受入れができなくなる。また、同期間の介護報酬の請求が上限の7割となる。
同市では、事業所が不正に受領した57万円の介護報酬に加え、加算金40%を付加した79万8000円の返還を求める。

■事業者の名称:有限会社有馬(代表取締役 原 京子)
■事業者の所在地:久留米市京町281番地
■事業所名称:有馬ケアプランサービス
■事業所所在地:久留米市京町281番地
■サービス種別:居宅介護支援

■処分の理由
・不正請求
居宅サービス計画を作成していないにもかかわらず、不正に居宅介護サービス計画費を請求し、受領した。
居宅サービス計画の内容について利用者またはその家族に対して説明し、同意を得ていないにもかかわらず、減算せずに不正に居宅介護サービス計画費を請求し受領した。
居宅サービス計画の実施状況の把握(モニタリング)の結果を記録していないにもかかわらず、減算せずに不正に居宅介護サービス計画費を請求し、受領した。

■2014.6.17  福岡県内特養待機者1万8255人 在宅要介護3以上は3180人
県内で特別養護老人ホーム(特養)への入所を待つ高齢者は昨年10月時点で、1万8255人に上ることが分かった。16日の県議会6月定例会の一般質問で、小川洋知事が明らかにした。法改正により、来年4月から特養への新規入居は原則、日常的な生活動作に介助を必要とする「要介護3」以上に限られる見通し。入りたくても入れない人はさらに増えるとみられる。

待機者のうち、要介護3以上は1万1643人で6割強を占めるが、要介護2以下も6612人いる。待機場所別では、在宅が最も多く6115人、次いで介護老人保健施設が4612人▽病院・診療所4441人−の順。在宅の要介護3以上は3180人だった。

今年6月1日時点の特養の定員は2万139人(計345施設)。本年度中に新設・増床し、来年3月末には2万2336人まで増える見込みという。県は第7次高齢者保健福祉計画の策定に入っており、知事は「高齢者の増加見込みや入所申込者の実態を勘案し、必要な整備量を検討する」と答弁した。

県によると、県内の65歳以上の高齢者数は今年4月時点で約123万2千人、高齢化率は24・1%。このうち要介護、要支援認定者数は約23万6千人で、認定率は19・1%。

■2014.6.17  パナソニック、介護関連事業を倍増 19年3月期に500億円
パナソニックは介護関連事業に力を入れる。現在は高齢者向けの集合住宅「サービス付き高齢者向け住宅」を2棟運営しており、今後4年程度で100棟に増やす。電動の介護用ベッドなど介護機器の輸出も本格的に始める。介護サービスを中心とする同社の介護関連事業の2014年3月期の売上高は265億円。19年3月期に500億円と、ほぼ倍増させる。

賃貸アパートに安否確認などを組み合わせたサービス付き住宅の運営が事業の中心。同住宅は土地オーナーなどが建設し、子会社のパナソニックコムハート(大阪府門真市)が運営する。

介護機器ではアジアへの輸出に力を入れる。現在は韓国に入浴用椅子を輸出しており、台湾への輸出も検討する。今後は電動介護ベッドなど輸出品目を増やす。

パナソニックは介護関連事業として介護サービスや介護用品のレンタルなどを手掛け、15年3月期の売上高は308億円を見込んでいる。

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2014/2/7
パナソニック、高齢者住宅事業で新会社

パナソニックは、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ付き住宅」事業を手掛ける新会社、パナソニック コムハートを2014年2月末に設立する。住宅設備・電気製品・介護機器の製造販売と、介護サービスを結び付けた事業を展開する。2018年には100棟のサ付き住宅の開設と、100億円以上の売り上げを目指す。

全ての施設にパナソニックの最新設備や機器を設置、体力向上や機能訓練、認知症などに対応したプログラムを開発し、導入する。既にパナソニックが運営している高齢者住宅などでは、同社の「デジタルミラー」を導入し、映像を見せながら体力向上プログラムを実施している。こうした体力向上プログラムに加え、将来には認知症対応のプログラム開発や、画面を使ってゲーム感覚で楽しめる機能訓練など、より質の高いサービスを提供する。

高齢者が安心して住める住宅プランの実現も図る。例えば、正方形の間取りを採用することで、ベッドとトイレを最短距離で配置する。これにより、身体的負担を減らして、できる限り自分でトイレに行けるよう配慮する。また、徘徊検知機や監視カメラ、「ナノイー」発生器の設置などを、介護設計のプロがプランニングする。

パナソニック コムハートの事業スキームは次の通り。まず、土地(200〜300坪)を所有するオーナーを募集し、建物(2億円程度)を建ててもらう。その土地と建物を20年以上の長期間借り上げて、オーナーに賃借料を支払う。サ付き住宅の入居者からは、住宅の賃借料や食事代を支払ってもらう。小規模多機能型居宅介護事業所などを併設し、介護報酬による収益も見込む。

■2014.6.17  サービス付き高齢者向け住宅、大阪でなぜ多い? 人情の街、絆を重視 「老後は自分で」意識高く
在宅介護と有料老人ホームとの中間的な存在として登場した「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)。整備開始からもうすぐ3年になるが、都道府県別に施設数をみると大阪府が圧倒的な首位。兵庫県は5位。高齢者人口は東京都が最も多いが、サ高住の数は大阪に及ばない。なぜ関西ではサ高住の整備が進むのだろうか。

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大阪市城東区のJR鴫野駅から徒歩15分、閑静な住宅街に真新しい5階建てのマンションがある。広い駐車スペース、バリアフリーの室内には広い浴槽、キッチンが備わる。一見すると普通のワンルームマンション。実は介護大手のメッセージが運営するサ高住だ。

「プライバシーもあるし、いざという時には職員が駆けつけてくれる。息子や孫も安心している」。4月に引っ越してきた須山寿夫さん(90)はこう話す。転居前は近くで一人暮らしをしていたが、室内で転倒して動けなくなったこともあった。入居後、トイレで転倒した際、近くにある非常用ボタンを押すと、常駐職員が駆けつけてくれた。

サ高住は住み慣れた地域を離れずに高齢者が安心して暮らせるように設計された賃貸住宅だ。すでに全国で約4600件(4月末時点)が登録された。大阪府は360件あり、2位の北海道(280件)を引き離して首位だ。

確かに大阪府は高齢者人口で全国2位の200万人を抱えるが、高齢者人口トップの東京都(280万人、210件)の1.7倍もある。大家族が多く、介護意識が高そうなイメージがある愛知県(高齢者150万人)でも175件だ。

なぜ関西ではサ高住が普及したのか。まず介護関連の企業数を調べてみたが、在宅介護や有料老人ホームなどの施設介護サービスを提供する大手企業はほとんどが東京が本社。サービス提供エリアもその周辺だ。

自治体の支援が充実しているのか。大阪府では2012年度、13年度に低所得者向けに家賃補助制度を独自に設けたが、こうした制度は東京都などにもある。府の担当者も「はっきりした理由は分からない」(居住企画課)と困惑顔だ。

関西福祉大学元教授で、社会福祉法人健光園(京都市)の小国英夫理事長を訪ねた。「関東と比べ関西は自身の暮らしや介護に対する関心が高い」という。「自分たちで老後の暮らしを考える。そんな自衛的な意識を持つ人が多いからではないか」と分析する。

実際、「認知症の人と家族の会」「マイケアプラン研究会」「男性介護者と支援者の全国ネットワーク(男性介護ネット)」など、介護の支援活動で知名度の高い組織・団体の多くは関西から生まれた。


◎ ○ ◎


地域コミュニティーの違いもありそうだ。立命館大学の津止正敏教授は「関西での地域社会を支える組織は市町村単位ではなく、より小さな校区単位で形成されることが多い」と話す。1980年に誕生した認知症と家族の会は京都から各地に支部を広げた。家庭で介護を支える意識の高い人材が各校区で活躍、介護の種をまき地域で育てたという。

京都市でボランティア団体「男性介護者を支援する会」の代表を務める山内輝昭氏は「地域のつながりの深さも関係しているのではないか」と指摘する。首都圏よりも、住み慣れた場所を離れずに世代を重ねてきた世帯が多い。「老人ホームなどの施設に移る『住み替え』に抵抗感、拒否感を示す人は多い」という。

さまざまな見方があるが関西は「意識が高く、介護が手厚いから」で、それは人とのつながりを重視する人情の街だから。この理由が一番納得できそうだ。

■2014.6.17  ハンセン病差別の実態、証言ビデオ作り…熊本
熊本県合志市の国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」にある資料館「社会交流会館」が、入所者の暮らしぶりに関する証言を映像に記録する取り組みを続けている。

入所者の高齢化が進んでいることを受け、かつて行われた隔離や差別の実態を伝える貴重な資料として、後世に残すことが目的だ。

「1943年(昭和18年)の入所当時、起床から寝るまでのことをびっちり書いた心得があり、がんじがらめだった」「発熱などで医師が往診してくる際、防護服のようなものを着て、畳にござを敷いて土足で上がり込まれた」――。

今月9日、園内でハンセン病の資料を展示する「社会交流会館」学芸員の原田寿真かずまささん(28)が、入所歴約70年の男性(86)に隔離政策下の暮らしぶりを尋ねた。男性はビデオカメラの前でせきを切ったように語り出した。

戦時中、園内で空襲に遭ったこと。入所後に母親に会えたのは3回だけだったこと……。「お母さんは最初、入所後1年で様子を見に来てくれた。2回目は妻との結婚祝い。3回目は、らい予防法廃止(96年)後の里帰りで会ったが、翌年に亡くなってしまった」。これまでのことを振り返った男性は「親、きょうだいと一緒に暮らせるのは、何よりも幸せなことだ」と訴えた。

社会交流会館には、ハンセン病に関する様々な資料が展示されている。一方、恵楓園の入所者307人(今月9日現在)の平均年齢は82歳。高齢化が進むにつれ、かつての生活実態などについて聞き取りが困難になることから、可能な限り映像として保存しておこうと、昨年9月から証言の記録を始めた。

原田さんは、同意が得られた入所者と1時間ほど話しながら、その様子をビデオで撮影。これまでに、園内の青年団活動で開墾作業に従事した男性や、キリスト教を信仰する男性など5人の証言を集めた。

9日に撮影に応じた男性は「差別や偏見があり、映像を残すことにためらいもあった。しかし、私たちのような人生を送らねばならなかったことを広く理解してもらうために、話さなければならないと思い直した」と応じた理由を明かした。

映像は公開目的ではないが、入所者の同意が得られれば啓発での活用を検討するという。原田さんは「期限を区切ることなく、腰を据えて証言を集めていきたい」と話している。

■2014.6.17  車への積み込み 楽々…電動アシスト車いす
電動アシスト車いす「JWスウィング」(ヤマハ発動機、36万3000円〜、福祉用品のため非課税)電動部分を取り外せるので、車へ積み込みやすい。

車いすの使用状況に合わせ、左右のタイヤへの電動補助力を調整できる。バッテリーは2種類あり、リチウムイオン電池なら、1回の充電で約40キロ走行できるという。

■2014.6.17  大阪市の重症心身障害者支援 たらい回しの「どん底」に光 保護者、スムーズな受け入れ期待
「どん底」の暗闇に苦しんだ重症心身障害者とその保護者に一条の光が差し始めた。大阪市が重症心身障害者を対象に、緊急時の医療機関の仲介を行う医療コーディネート事業。これまで専門的ケアが必要な障害者が医療機関を「たらい回し」にされ、保護者が絶望的な気持ちになるケースは多く、保護者の間ではスムーズな受け入れへの期待が高まる。専門家も「大阪市が実績を挙げてくれれば先例となって全国に広がる可能性もあり、意義は大きい」と評価する。

普段はにこやかな車いすの女性(50)が言葉にならない声を上げ、緊張した表情を見せた。2月14日午後5時半ごろ、大阪市阿倍野区の障害福祉施設「四天王寺さんめい苑」が運営するグループホーム。そばにいた職員は、車いすの背もたれに備え付けられた端末機を渡した。

女性の小指が端末機のボタンを押す。「い」「た」「い」。音声とともに画面に文字が並ぶ。女性は胸のあたりを手で押さえた。「胸、痛いの?」。職員の問いかけに女性は足首を曲げた。日頃のルールで足首を曲げれば「はい」、伸ばしたままなら「いいえ」。微熱も出ていた。

午後6時過ぎには救急車が到着したが、複数の病院が搬送を拒否。堺市内の病院への搬送が決まったのは、約1時間後の午後7時過ぎだった。
心電図やレントゲン撮影などが行われ、診察は午後10時ごろ終了。原因は分からなかったが、症状は収まった。だが女性の母親(75)は不安をもらす。

「娘は直接、不調を訴えられない。周囲が異変に気づいたときは、病状が進行してしまっている可能性もある。そんな中でまた、たらい回しになったら…」

自宅で車いすの生活を送り、昼間はさんめい苑に通う男性(34)は数年前、大阪市内の自宅で38度5分の熱に見舞われた。母親は男性を連れ、自宅近くの総合病院に駆け込んだ。

男性は脳性まひで両手足に障害を抱えていた。首が据わらず、てんかんの持病もあった。外来では一般患者に混ざって約3時間待ち続け、診察室に入ったときには熱は40度3分にまで上がっていた。そこで医師から発せられた“宣告”に母親は言葉を失った。

「こういう障害がある人をうちでは診られない。入院もさせられない」

 医師の紹介で堺市内の病院へ。男性は肺炎を起こしており、約10日間にわたり入院した。母親はこのとき、悲壮な決意をした。

「誰も頼れない。普段から自分で受け入れてくれる病院を探さないと」

さんめい苑を利用する保護者ら約50人は親の会を作り、不安や悩みを相談し合っている。会長の森田靖子さん(69)=大阪市都島区=も、障害がある長男(34)の母親だ。

「緊急時に病院に断られたときは、まさにどん底。かかりつけの病院をつくっても、夜間に担当医が不在なら受け入れてもらえない。こんな思いは二度としたくない」

10月から本格的に始まる大阪市の事業。森田さんは今の心境を打ち明けた。

「これまでは病院に受け入れを断られ、もがいてきた。その必要がなくなるなら、大げさな言い方ではなく、天国と地獄ほどの違いがある」

堺市立重症心身障害者(児)支援センターの児玉和夫センター長は「緊急時にどれだけコーディネート力を発揮できるかがカギ。重症心身障害者への支援の必要性を感じている自治体は少なくなく、大阪市の事業が全国の先例になってほしい」と期待した。

■2014.6.17  「重症心身障害者」を救え 迅速に搬送 大阪市の支援事業が始動
重度の知的障害と身体障害がある「重症心身障害者」が、急病時にスムーズに医療機関で受診できるように仲介する大阪市の「医療コーディネート事業」が6月、スタートした。障害者の診察には専門知識が必要なため急病時にたらい回しにされがちな状況を踏まえ、大阪市内の拠点施設に常駐する専門の医師らが病状にあわせて搬送先の医療機関を斡旋(あっせん)するとともに、医療機関を対象に研修も実施する。障害者の事前登録を受け付けた上で、10月から運用を本格化させる。

重症心身障害者は言葉が不自由で症状を十分に伝えられないことなどから、診療の難しさが指摘されている。障害者の保護者によると、診察した医師が障害者から症状を聞き出せずに転院を促すケースがある。

また、姿勢の変化などをきっかけに呼吸が困難になったり、体が硬直したりする特有の症状が出た際、経験の乏しい医師や看護師では対応できないこともあるという。

厚生労働省によると、全国に約4万3千人いるという専門家の推計もあり、受け皿となる医療機関の充実が急務となっている。対象となる大阪市在住の障害者は約2千人で、今回の事業は全国的にも珍しいという。

事業を受託した大阪発達総合療育センターの重症心身障害者向け入所施設「フェニックス」(東住吉区)に窓口があり、利用を希望する障害者の保護者らは事前に障害や持病などを登録。急病時に窓口に連絡を入れると、常駐する専門の医師と看護師が対応し、病状や事前登録の内容を踏まえて医療機関を仲介する。

本格運用に向けて7月以降、協力の意向を示している医療機関向けの研修会を開き、重症心身障害者への診察方法などについて指導するなど、医療機関側の充実も図っていく。

■2014.6.18  オストメイト入浴拒否 県央部の公的施設
人工肛門を持つ「オストメイト」と呼ばれる障害者の温泉入浴を施設側が拒否するトラブルが1月、県央部の公的宿泊施設であったことが分かった。腹部に着けた排せつ物をためる装具を隠そうと、70代男性が洗濯済みの下着で入浴したのが原因。「宮崎県内でオストメイトの入浴拒否はこれまで聞いたことがない」という県は17日、再発防止のため、温泉など県内すべての入浴施設に障害への理解と適切な対応を求める文書を通知した。

2014年6月18日
<u>宮崎県 オストメイトの公衆浴場への入浴について </u>

ストーマ(人工膀胱・人工肛門)を造設した方を「オストメイト」と呼びますが、外見では分かりづらい「障がい」であるため、社会的な理解が十分に進んでいない部分があり、様々な場面で生活のしづらさを抱えています。

このたび、オストメイトの公衆浴場への入浴について、公衆浴場の経営者及びオストメイトに対しての周知用パンフレットを作成しましたので公表いたします。

県民の皆様へ

オストメイトの方が、公衆浴場に入浴される際には、ストーマ用装具(人工肛門や人工肛門に装着する袋等)を装着した状態で入浴いただくことが必要です。また、ストーマ用装具の上に腹帯や保護シートをした状態で入浴する場合もあります。

衛生的に管理されたストーマ用装具を適切に装着した状態で浴槽等に入浴することは、公衆浴場法施行条例で禁止されている浴槽内においてタオル等を使用させる行為には該当いたしません。県民の皆様におかれましては、オストメイト及びオストメイトの公衆浴場への入浴について正しく理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

公衆浴場を経営する皆様へ

オストメイトの公衆浴場への入浴については、衛生的に管理されたストーマ用装具を適切に装着した状態で浴槽等に入浴することは、公衆浴場法施行条例で禁止されている浴槽内においてタオル等を使用させる行為には該当いたしません。公衆浴場を経営する皆様におかれましては、オストメイトに関する正しい理解のもと、オストメイトが他の利用者と同様に入浴できるよう適切なご対応をいただきますようお願いします。
 このたび、公益社団法人日本オストミー協会宮崎県支部にご協力いただき「オストメイトの公衆浴場での入浴の手引き」を作成いたしましたので、適宜ご活用ください。

オストメイトの皆様へ

公衆浴場では、国の法律や県の条例により衛生管理の基準が詳細に定められており、入浴者は、公衆浴場の衛生管理を損なうような行為を行うことが禁止されています。

このたび、公益社団法人日本オストミー協会宮崎県支部に「オストメイトの公衆浴場での入浴の手引き」を作成いただきましたので、公衆浴場へ入浴される際に、適宜ご活用ください。

県民向け
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000220403.pdf
公衆浴場の経営者向け
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000219620.pdf
オストメイト向け
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000219621.pdf
オストメイトの公衆浴場での入浴の手引き
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000219622.pdf

■2014.6.18  介護保険負担2割に、年金収入280万円以上対象 医療・介護法が成立 特養入所厳格化に
医療法や介護保険法の改正案を一本化した地域医療・介護総合確保推進法が18日午前、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。介護保険と地域医療の見直しに向け、社会保障制度改革の実施スケジュールを定めたプログラム法(昨年12月成立)を実行に移すための内容を盛り込んだ。

介護分野では、介護保険の自己負担割合(現行1割)を、年間年金収入が280万円以上の人に限って2割に引き上げる。特別養護老人ホームの入所要件を厳格化し、原則「要介護3」以上に限定。比較的軽度の「要支援1〜2」の人に対する訪問介護と通所介護は、段階的に市町村事業へと移管する。介護施設入所者への食費などの補助は、預貯金が1千万円を超える単身者らを対象から外す。

医療分野では、医療事故を調査する第三者機関を平成27年10月に設置。在宅医療・介護を推進するため、消費税増税分を活用した基金を各都道府県に創設することも盛り込んだ。

民主党など野党は、負担増や介護サービス低下につながると反発。医療、介護という異なる分野の法改正を一本の法律で行うことにも、「丁寧な議論の場を持たずに進めようとしている」と批判が相次いだ。

同法をめぐっては、参院本会議で審議入りした5月21日、厚生労働省が議員に配布した趣旨説明の資料にミスが発覚し、野党の反発によって本会議が中断、6月2日に趣旨説明をやり直すトラブルがあった。

■2014.6.18  「4、5回入った」…元店長利用し勤務先に盗みに入った男があきれた供述 兵庫県警
勤務先だったカラオケ店に侵入し、現金を盗もうとしたなどとして、兵庫県警三田署は17日、建造物侵入と窃盗未遂の疑いで、神戸市垂水区西脇の介護施設職員、橋本大介容疑者(37)を逮捕した。同署によると、「4、5回入った」などと容疑を認めているという。

逮捕容疑は、昨年10月、三田市三輪のカラオケ店「カラオケボックスおさるの村」に現金を盗む目的で合鍵を使って侵入したとしている。この時は、橋本容疑者は店内の現金を見つけられなかったという。

同署によると、橋本容疑者は昨年6月まで同店店長だったが、退職時に店の合鍵を返却しなかった。同店では、同年7月から今年1月まで4回、現金計約65万円がなくなっており、同署が関連を調べている。

■2014.6.18  <社会貢献と成長>社会福祉法人伸こう福祉会がグレートカンパニーアワード大賞を受賞!
社会に著しい貢献が期待できる法人及び個人の健全な発展を支援する「グレートカンパニーアワード」を開催している一般財団法人船井財団は、6月2日、2014年の「グレートカンパニーアワード」受賞8社を選定し、発表した。

グレートカンパニーとは、 社会的価値の高い「理念」のもと、その「企業らしさ」を感じさせる独特のビジネスモデルを磨き上げ、その結果、持続的成長を続ける会社のこと。そして、社員と顧客が「素晴らしい会社」と誇りを持つくらいの独特のカルチャーが形成されている企業を、グレートカンパニーと定義している。

今回は6000社を超える企業の中から、各業界別に選りすぐられた31社の企業をグレートカンパニーとしてノミネート。さらに31社のノミネート企業の中から、特に優れた企業8社に各賞を贈った。そして、今回、もっとも栄えある「グレートカンパニー大賞」として、神奈川県で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人伸こう福祉会が選ばれた。

伸こう福祉会が運営する特別養護老人ホーム「クロスハート栄・横浜」「クロスハート野七里・栄」「クロスハート幸・川崎」は、音楽スタッフやマッサージ、美容師などの専用スタッフを雇い、入居に対して「楽しく、きれいに、いつまでも」という方針のもと、本物のサービスを提供している。また、入居者だけではなく、家族や地域住民が気軽に利用できるセルフサービスのカフェコーナーがある。
ほかに、グループホーム11か所、有料老人ホーム2か所と、在宅サービス(居宅介護支援、訪問介護、通所介護、小規模多機能、ショートステイ)も運営している。

■グレートカンパニー大賞:社会福祉法人伸こう福祉会(介護・保育/神奈川県)
理事長:足立聖子氏

■受賞理由:
1999年の設立以降、神奈川県を中心に特別養護老人ホーム、グループホーム等の介護施設と保育所運営で47の事業所を展開する同社。高品質な施設空間やサービスレベル、革新的な活動は業界のモデル法人とされている。「独身寮改装型福祉施設」をはじめ、積極的な企業とのコラボレーションや海外展開、職員の多様化への対応など福祉の中に優れた経営感覚を取り入れることで成長を続けている。一体化のために取り組んだ、社員を中心に演じられた本格的なミュージカルにも象徴される同社の挑戦する姿勢と、業績を大きく伸ばし続けている実力が評価された。


◎伸こう福祉会
http://www.shinkoufukushikai.com/

■2014.6.18  < 「終の棲家」実態調査 >8割が子による介護を望まず――民間調査
シンクタンクのオウチーノ総研は、5月27日、「終の棲家」に関する実態調査の結果を発表した。

高齢化社会の進展にともない、特に東京など都会では1人暮らしの高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が多くの割合を占め、介護施設や介護サービスのニーズも高まりを見せている。
調査は、これから老後を向かえる人たちの本音として、自宅以外で老後を過ごすことや子どもと離れて老後を過ごすことをどう考えているのかを探ることを目的に実施した。
その結果、65.9%が終の棲家を自宅と考えており、66.3%は子どもとの同居を望んでいないことがわかった。また、81.1%は子どもに介護されることを望んでいないという結果となった。

【調査の概要】
■調査の対象:東京都に暮らす50〜69歳の男女556名
■調査方法:インターネットによるアンケート調査
■調査期間:2014年5月15日(木)

調査の結果は、以下のとおり。

■65.9%が「自宅を『終の棲家』としたい」と回答
「あなたはどこを『終の棲家』としたいと考えていますか?」という質問をしたところ、「自宅」と回答したのが65.9%、「老人福祉施設・老人ホーム」が9.9%、「サービス付き高齢者向け住宅」が13.8%、「その他」が10.4%だった。高齢化が進む現代、高齢者向けの施設やサービスは多様化を見せている。その一方で、「自分の家で最期を迎えたい」という思いを持つ高齢者が多いこともまた事実のようだ。

「自宅」を選んだ人に理由を聞いてみると最も多かったのが、「一番落ち着けるから」(59歳/男性)で、一番心安らげる場所で余生を過ごしたいと考える人が多いと思われる。次に多かったのが「住み慣れた場所だから」(64歳/男性)で、「自宅で一生を終えたいから」(60歳/女性)、「気兼ねなく住めるから」(51歳/男性)、「一番思い入れがあるから」(52歳/女性)が続いた。
「老人福祉施設・老人ホーム」を選んだ理由は、「家族に迷惑をかけたくないから」(62歳/女性)という回答が最も多く、次に「安心できるから」(60歳/男性)が続いた。
「サービス付き高齢者向け住宅」を選んだ理由で最も多かったのは「安心感があるから」(60歳/女性)で、「ある程度自立した環境で、必要なサービスを受けられるのが理想的だから」(52歳/男性)という回答が続いた。

■66.3%は、老後の子どもとの同居を望んでいない
子どもがいる人(350名)に、「あなたは老後、子どもと同居したいと思いますか?」という質問をしたところ、「同居したい」と回答したのが10.8%、「どちらかというと同居したい」が22.9%、「どちらかというと同居したくない」が28.6%、「同居したくない」が37.7%となり、「どちらかというと同居したくない」と「同居したくない」を合わせると66.3%で、半数以上が子どもとの同居を望んでいないことがわかった。

「どちらかというと同居したくない」「同居したくない」を選んだ理由として最も多かったのは「気楽に暮らしたいから」(67歳/男性)や「自由に暮らしたいから」(53歳/男性)で、子どもやその家族に気を遣わず自分たちの自由に暮らしたいという理由だった。次に多かったのが「子どもに迷惑をかけたくないから」(64歳/女性)で、「生活リズムが合わないから」(55歳/男性)、「面倒だから」(50歳/女性)が続いた。また実体験として、「自分が同居で苦労したので、同じようになりたくないから」(55歳/女性)といった声もあがった。一方で、「子どもとはスープの冷めない距離で暮らしたい」(64歳/女性)、「適度な距離の所に住んでほしいとは思う」(61歳/男性)など、同居はしたくないけれど子どもには何かあった時に頼れる距離にいて欲しい、という意見もあった。
一方、「同居したい」「どちらかというと同居したい」と回答した理由として最も多かったのは、「身近にいてくれる方が安心だから」(65歳/女性)という意見で、次に「にぎやかに暮らしたいから」(62歳/男性)が続いた。

■81.1%は、子どもに介護されることを望んでいない
子どもがいる人(350名)に、「あなたがもし介護が必要になったら、子どもに介護して欲しいと思いますか?」という質問をしたところ、「して欲しい」と回答したのが2.9%、「どちらかというとして欲しい」が16.0%、「どちらかというとして欲しくない」が39.4%、「して欲しくない」が41.7%だった。「どちらかというとして欲しくない」と「して欲しくない」を合わせると81.1%もの人が子どもに介護されることを望んでいないことがわかった。

「してほしくない」「どちらかというとしてほしくない」を選んだ理由で突出して多かったのが「迷惑をかけたくないから」(61歳/女性) や「 面倒をかけたくないから 」(65歳/女性)、「 負担をかけたくない 」(62歳/男性)という意見で、親子関係とはいえ 、自分の介護が彼らの負担になることを心苦しく感じる人が多いようだ。
次に多かったのが「介護のプロにお願いしたいから 」(59歳/男性)、「 施設に入れるなら そちらに世話なりたいから」」(59歳/男性)という意見。 その理由としては様々だが、「気をつかわせたくないから 」(54歳/女性)、「介護は大変だから」(64歳/女性)といった子どもを気づかう声や、「介護の負担が親子関係をいびつなものにしてまうこともある から」(61歳/男性)、「介護はお金を出して人に頼んだ方が上手くいくから」 (65歳/女性)といった親子関係に配慮する声などがあがった。
また、「自分が親の介護をして色々経験したが、自分の子どもたちだけはあんなを苦労させたくい」(62歳/女性)などをあげた人もいた。一方、「娘の住まい近くで完全看護のところに住むが理想」(58歳/男性)、「介護施設に入ってお見舞いに来てもらいたい」(63歳/女性)など 介護は専門の施設・サービスに依頼しつつ、 子どもとの関係を持ち続けるのが理想だという声もあった。

「してほしい」「どちらかというとしてほしい」と回答した人の理由は、「子どもに看てらえた方が安心できるから」(55歳/女性)という意見が最も多かった。 その一方、「 迷惑をかけるつもりははないのでむりのない範囲で看てほしい」 (55歳/女性)、「 すべてではないが、 できる範囲で世話をしてほしい 」(63歳/男性)といった声もあがり、子どに介護をしてもらいたいと思う反面、子どもへの負担を懸念する人も多いようだ。

◎オウチーノ総研
http://corporate.o-uccino.jp/

■2014.6.18  <認知症行方不明者>2013年は715人増の1万人強、151人が未だ行方不明、各自治体実態調査を開始
警察庁は6月5日、「平成25年中における行方不明者の状況」を発表した。

発表によると、去年1年間に全国の警察には約8.4万人の行方不明者の届出があり、そのうち約1万322人が家族などから捜索願(行方不明者届)が出された認知症、またはその疑いのある人で、その数は前年より715人増えていたことがわかった。

また、平成24年、25年の2年間に届出のあった1万9,929人のうち、今年4月末の時点で151人の行方がわかっていない。さらに、警察が保護して自治体に引き継いだ人のうち、身元がわからない人が5月末現在で13人。去年、所在確認された人のうち388人は死亡していた。

今回のように認知症の行方不明者に的を絞った統計をまとめたのは初めてのこと。警察庁は全国の警察に対し、不明者照会データベースの積極的な活用、市区町村との情報共有の促進など、早期の発見と保護に向けて対策を取るよう指示を出した。

田村厚生労働大臣は6月6日の定例記者会見において、個人情報の保護に配慮する必要があるとしながらも、「他の自治体で行方不明で捜索している場合、捜しておられる方々にうまくマッチングできるような情報が、それぞれのところに伝わるような仕組をつくらなくてはいけない」と強調した。それに向けてまずは、認知症行方不明者の実態調査を各自治体に依頼。また、認知症の行動パターン、徘徊の行動パターンなどの研究も進めていくとしている。

■2014.6.18  要介護度
介護保険制度で、介護を必要とする程度を表した区分。要介護認定によって、軽い順から要支援1、2と要介護1〜5の7段階に分けられる。要介護度に応じてサービス内容や1カ月の利用限度額が決まる。要支援の人は、状態悪化を防ぐために「介護予防サービス」を受けられ、訪問介護や通所介護も含まれる。法改正によって特別養護老人ホームへの入所は原則、要介護3以上に限定される。要介護3は、寝返りや排せつなどの能力が低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態を指す。


【解説】地域医療・介護総合確保推進法案は今国会での成立が確実となったが、審議を通じて問題が指摘された介護サービス低下への対策や負担増となる利用者の所得水準などは今後の議論に持ち越された。詳細な詰めを行う過程では、利用者不在とならないよう丁寧な議論が求められる。


 ●「地域格差」利用者ら懸念

衆参両院の審議で批判が集まったのは、介護の必要度合いが低い要支援1、2の人向けの訪問・通所介護を市町村の事業に移行する点だ。野党や介護サービスの利用者、事業者らは「受けられるサービスに地域格差が生まれ、質が下がる恐れがある」と指摘した。

厚生労働省は懸念を拭い去るため、円滑に事業を実施するための指針を策定し、市町村を支援すると説明したが、審議中に具体的な内容は示さなかった。

一定以上の所得がある利用者の自己負担割合は2015年8月に1割から2割に引き上げる。厚労省は年金収入で年間280万円以上の人を引き上げ対象としたい考えだが、結論は法案成立後に政令で決められる。

医療事故調査制度では、事故を届け出るかどうかの判断が医療機関側に任される枠組みを疑問視する意見も出たが、踏み込んだ議論はなかった。厚労省は「詳細はガイドラインにまとめる」としている。

法案は生活に密着した計19本の改正を一括した巨大なもので、今後、多岐にわたる制度改正が行われる。運用面で、利用者の利益が守られるよう注視することが必要だ。

 ●特養入所制限に批判も

介護保険の制度見直しでは、特別養護老人ホーム(特養)への新規入所を原則的に要介護3以上の人に限ることや、一定以上の所得がある利用者の自己負担を1割から2割に引き上げることも法案に盛り込まれた。制度の理念にかかわる改正で、サービスの利用控えを招くと批判する声もある。

特養の「入所待ち」の高齢者は約52万人。対象者を絞るのは来年4月からで、要介護度が重い人を優先する狙いだ。

だが、NPO法人「特養ホームを良くする市民の会」(東京)の本間郁子理事長は「介護保険は自分らしい生き方を主体的に選べる制度として始まったはずなのに、制限を加えるのは趣旨に反する」と指摘する。

サービス利用の自己負担アップは来年8月に予定。国は年金収入が年280万円以上の人を対象としたい考えだが、具体的な基準は今後決める。

明治安田生活福祉研究所の内匠功主任研究員は「社会保障費が増え続ける中、やむを得ない面はある」とした上で「年金収入が同じでも、資産や持ち家があるかどうかで高齢者の生活実態は大きく異なる。節約のため必要なサービス利用を控える人が出てくる可能性もある」と懸念を示した。

■2014.6.18  障がい児の通所施設を設立
広中志乃さん (名古屋市名東区)

◇自らの経験生かして

4月に多機能型通所施設「こども発達支援・放課後等デイサービス にこまる」を尾張旭市に開設した。障がいのある子を預かり発達を支援する施設で、未就学児が対象の「児童発達支援」と学齢児が通う「放課後等デイサービス」を行っている。

介護福祉士や保育士、ヘルパーら専門の知識を持ったスタッフ7人と、自らも児童発達支援管理責任者の資格を持ち、ピアノを演奏し、歌を歌ったり、おやつの時間を過ごしたりして、子どもたちにマンツーマンで指導・支援する。

「障がいのある子どもたちは、同じ作業を毎日繰り返すことで、心に安心感が生まれ、自分の生活のリズムができ、社会性が育まれるのです」と、子どもたちを優しく見つめる。

6年前に生まれた長男が重度の脳性まひと診断された。唾液をのみ込むことができず、吸引が片時も欠かせない。「必要な医療的ケアがあまりにも多く、外出もできず、私自身が引きこもって見ていなければならない状態でした」

訪問看護のヘルパーに来てもらっても、「お母さん、いてください」と言われ、外出できない。長男を預ける所もない。自宅で悶々もんもんとする日が2年も続き、うつ病と診断された時期もあった。

そんな時に出会ったある事業所のヘルパーに「お子さんと30分間離れてもいいですよ」と言われたことが、行動するきっかけとなった。

外出できたことで、母子で通園できる施設に出会い、施設情報のネットワークに触れることもできた。気持ちが晴れやかになり、「重度の子を預けられる場所がないなら、自分で作ろう」と考えられるようになっていった。

大学卒業後、合わせて9年間幼稚園教諭を経験した。その中で障がい児を担当したことがあり、資格を取得するのに役立った。知り合いのヘルパーらには「手伝えることがあれば言って」と声をかけられるなど、起業を多くの人に支えられたという。

「障がい児を預かる施設ですから、人が一番大事です。とにかく温かい事業所にしたい」と話す。スタッフに長く働いてもらうことが、子どもたちにとってもよい環境となる。今は、「重度心身障害児施設」の指定を受けることを目指す。

指定を受けることで公的支援が増え、施設運営も円滑になると期待をかける。その場合は、常勤の看護師が必要となるが、焦らず、いい人との出会いを待ちたいと考えている。

長男は今年、小学1年生になった。就学前、母子通園施設に通った人たちと行政に働きかけ、小学校に病弱児クラスと肢体不自由児クラスの設置を実現した。長男は、3度の手術を経て、吸引回数を減らせるようになり、多くの人に助けられ、毎日通学している。

「こうして生活している子もいることを、他の子たちに知ってもらえるのが何よりうれしい」

重度の障がいを持った子たちが、大きくなっても地域の中でずっと生活していけること、それが今の夢だ。

◆愛知県出身。子どもが大好きで、子どもにかかわる仕事がしたいと考え、大学では幼児教育を学んだ。インストラクターとして子どもにダンスを教えたことも。一番つらい時期を支えてくれたのは、夫や両親、兄妹らだったという。問い合わせは「にこまる」

■2014.6.18  「保健所」と偽り視察さす…和歌山・白浜の病院  公益財団法人 白浜医療福祉財団
給食業者選定 財団幹部ら処分

和歌山県白浜町の白浜はまゆう病院を運営する公益財団法人白浜医療福祉財団(理事長・井澗誠町長)は17日、給食業者の選定を巡り、特定の業者の社員を「保健所員」と詐称し、競合関係にある業者が使用する院内の調理室を視察させるなど不適切な行為があったとして町議会全員協議会に報告した。

財団は13日付で副理事長や事務長ら7人を戒告や降格などの懲戒処分とした。井澗町長も減給処分の予定。

財団によると、病院は新本館の建設に伴い、旧本館と南館の病院食の提供業者の一本化を計画。昨年9月、提案企画を競うプロポーザル方式で、参加5社のうち、東京の給食業者が内定した。

契約締結に向けて交渉中、病院側が管理費などの減額を求めたのに対し、業者側は調理室の視察を要望。この業者の内定が公表されていなかったこともあり、病院側は同10月、業者の社員を「保健所員」と偽って、院内の調理室を視察させていた。

不審に思った当時の営業中の別の業者が、県などに問い合わせたところ、保健所の立ち入り検査は行われておらず、詐称が判明した。

「特定の業者を優遇したのでは」との指摘もあり、財団は今年1月、弁護士や学識経験者ら第三者を含めた調査委員会を設置した。

調査委は、関係者からの聞き取りなどを実施。「特定の業者を選定する意図はなかった」としながら、「公正な選考を行う能力の欠如が原因で、病院の社会的信用を大きく損なった」などと結論付け、契約解消を提言。財団は、業者と解消の交渉を行う。

井澗町長は「関係者に多大なご迷惑をおかけしたことをおわびする。職員に服務規程の順守を徹底し、町民の信頼回復に努めたい」と話した。

■2014.6.18  警察官が認知症対応学ぶ…大分
認知症のお年寄りが行方不明になるケースが社会問題化していることを受け、警察官向けの教室が17日、大分県警中津署で開かれた。署員約60人が認知症を取り巻く現状や応対の仕方を学んだ。

認知症を正しく理解し、迷い人の保護などの際に生かしてもらおうと県社会福祉介護研修センター(藤沢俊典所長)が呼びかけた。

講師の「認知症の人と家族の会県支部」代表の中野孝子さんは、全国の認知症患者は約460万人で、介護者の確保や徘徊(はいかい)、行方不明者対策といった問題があると指摘。

認知症患者は、虐待や詐欺などの被害者になるほか、高速道路を逆走したり、商品を万引きしたりして加害者になる恐れがあるとして、「丁寧な言葉で上手に話を合わせてほしい」と接し方をアドバイスした。

その後、署員が認知症の男性を交番で保護したとの想定で、模擬対応をした。会話を重ねて、男性を落ち着かせ、立ち寄った店舗や病院に電話をかけて、身元を確認し家族に連絡するまでを確認した。

藤沢所長は「警察は困っている人の保護や認知症と思われるお年寄りと接する機会が多い。講座を役立てて対応してほしい」と話した。

■2014.6.19  平均寿命90年も 平成26年度高齢社会白書
政府は、平成26年度版「高齢社会白書」を公表した。

現状と将来像
日本の総人口1億2,730万人(2013年10月1日現在)に占める、65歳以上人口の割合は過去最高の25.1%となり、65歳以上の高齢者人口は過去最高を記録、前年の3,079万人から3,190万人となった。

総人口が減少する中で、高齢化率は上昇。2060年には、高齢化率は39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上になると推計されている。

平均寿命は2012年現在で、男性は79.94年、女性は86.41年となっているが、こちらの推計も2060年には、男性84.19年、女性90.93年となり、女性の平均寿命が90年を超える日もくることが予測される。


自宅で最期を迎えたい
日常生活を送る上で介護が必要になった場合、どこで介護を受けたいかという質問には、男性で42.2%、女性では30.2%が「自宅で介護してほしい」と希望している。

「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」にも、「自宅」が最も多く、次いで「病院などの医療施設」となっている。


経済や就労に関して
高齢期への経済的な備えの程度についてみると、「備えはある」とする人は23.3%、「足りない」とする人は66.9%と、経済的な不安を抱える人も多いことが分かる。

就労に関する調査では、65歳を超えても働くことを希望する人は、50.4%と約半数いることが分かった。

働きたい理由としては、「生活費を得たいから」が76.7%と最も多く、次いで「自由に使えるお金が欲しいから」「仕事を通じて、友人、仲間を得ることができるから」「生きがいが得られるから」などがあげられる。


住宅に関して
高齢期に住みたい住居形態については、「持ち家(一戸建て)」とする人が62.2%と最も多く、次いで「持ち家(集合住宅)」「サービス付き高齢者向け住宅」となっている。

家賃の支払いの必要がないことや、引き続き住み続けられることが、住居を選ぶ際の条件となっているようだ。住宅における支援やサービスの充実を必要とする人も多いため、以降も良質なものを適切に選択できるための支援が重要となるだろう。



平成26年版 高齢社会白書
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/

■2014.6.20  介護職の賃上げ目指す法律が成立
介護施設や障害者施設で働く職員の賃金引き上げを目指す法律が20日、参院本会議で可決・成立した。同法は、公布に合わせて施行される。

この日成立したのは、「介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律」。

同法では、介護サービスや障害福祉サービスを担う人材を確保するため、来年4月1日に予定される次の介護報酬改定などを念頭に、「介護・障害福祉従事者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護・障害福祉従事者の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方についてその財源の確保も含め検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」としている。

■2014.6.20  ジム感覚で体力の向上を アシックスが介護施設運営 今秋から兵庫県西宮市で
アシックスが介護施設の運営に乗り出すことが20日分かった。高齢化が進む中で健康増進のために開発した商品や技術を生かし、需要を掘り起こす。9月中旬に兵庫県西宮市に施設を開業し、全国展開も視野に入れる。

アシックスが研究する効率的な運動に関するノウハウを取り入れて、個人ごとにプログラムを作成。ジムのような感覚で体力の向上を図る。

アシックスは中期経営計画で「高齢化社会で健康維持や介護に貢献する」と掲げ、健康関連の事業に力を入れている。昨年3月には、つまずきにくいようにつま先の形状を工夫した高齢者向けの靴「ライフウォーカー」を発売した。

スポーツ用品大手では、デサントが自治体などと組んで高齢者向けに管理栄養士や健康運動指導士を派遣するなどしている。

■2014.6.20  社会福祉法人制度見直しへ 厚労省
厚生労働省は、6月16日に開かれた有識者検討会で、社会福祉法人制度の見直しについて報告書案を提出し、大筋了承された。

特別養護老人ホームなどを運営する同法人へは、積極投資や地域還元せずに内部留保を蓄積する利益体質や、一部の理事長らによる私物化などの問題が指摘されており、法人運営の透明化が求められてきた。

厚労省は年内にも具体案をまとめ、2015年の通常国会に、内部留保を使った地域における貢献活動や財務諸表の公開の義務付けなどを盛り込んだ社会福祉法の改正案を提出する。

求められる透明化
法律で義務付けることが求められた「地域における公益的な活動」とは、生活困窮者が自立するための支援や低所得者に対する介護保険の利用者負担軽減などだ。内容については、地域ごとに定められるシステム作りを提案した。

実施しようとしない法人は、行政指導の対象とされる。この他、内部留保額や活動にかかった費用について説明しなければならないとする仕組みも検討する。

厚労省の2012年の調査によると、特別養護老人ホームには1施設あたり平均約3億1000万円の内部留保がある。「地域における公益的な活動」の財源には内部留保を充てる。

厚労省は、2016年度にも改正法の施行を見込んでいる。

社会福祉法人制度の見直しについての資料
http://www.mhlw.go.jp/file/

■2014.6.20  介護老人福祉施設で59人が食中毒に 滋賀県
滋賀県は、6月15日、草津市内の介護老人福祉施設で、食中毒が発生したことを発表した。

入所者、職員合わせて59人(25才〜104才)が、給食業者である「魚国総本社滋賀草津1号店」の提供した夕食を食べた後、下痢や腹痛などを訴えたという。

発生状況
県によれば、平成26年6月11日(水)午前8時30分頃、草津市内の介護老人福祉施設から「入所者多数が下痢等の体調不良を呈している。」旨の連絡があった。

草津保健所が調査したところ、6月9日(月)に施設で提供された夕食を食べた112人のうち59人が、下痢等を発症していたことが判明。

発症者の発症状況が類似していること、複数の発症者の便からウエルシュ菌が検出されたこと、発症者の共通食がこの食事のみであることなどから、「魚国総本社滋賀草津1号店」を原因施設とする「食中毒」と断定した。

なお、夕食の献立は、鱈のトマトソースがけ、ひじき煮、ご飯、みそ汁、香の物であったという。


全員快方へ
県は、「魚国総本社・滋賀草津1号店」を15日から、2日間の営業停止処分とした。

なお、入院した90代の女性1人を含め、全員快方に向かっているという。

発生日時

初発:平成26年6月9日(月曜日)23時 〜 終発:6月11日(水曜日)13時

発症者等

発症者数:59人(25才〜104才)

[内訳男性:15人(42才〜93才)、女性:44人(25才〜104才)(再掲 入院:1人)]

食べた人の数:112人

発生状況

(概要)

平成26年6月11日(水曜日)午前8時30分頃、草津市内の介護老人福祉施設から「入所者多数が下痢等の体調不良を呈している。」旨の連絡が甲賀保健所にありました。

草津保健所が調査したところ、6月9日(月曜日)に当該施設で提供された夕食を喫食した112人のうち59人が、下痢等を発症していたことが判明しました。

これら発症者の発症状況が類似していること、複数の発症者の便からウエルシュ菌が検出されたこと、発症者の共通食がこの食事のみであること、また、本日発症者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、草津保健所は、当該施設に給食を提供している下記施設を原因施設とする食中毒と断定しました。


症状

軽症: 58人

中等症: 1人

重症: 0人

下痢(1〜8回)、腹痛、嘔気、発熱(〜37.9℃)


現在の病状

全員快方に向かっている。


献立内容

鱈のトマトソースがけ、ひじき煮、ご飯、味噌汁、香の物

原因食品

調査中

病因物質

ウエルシュ菌


原因施設

施設所在地:滋賀県草津市上笠一丁目1-22

施設名称:滋賀草津一号店

業種:飲食店営業(給食)

営業者:株式会社魚国総本社 代表取締役社長 田所 伸浩(たどころ のぶひろ)


措置

草津保健所長は、上記飲食店に対して、平成26年6月15日(日曜日)から6月16日(月曜日)まで営業停止処分としました。

なお、6月13日(金曜日)から6月14日(土曜日)は営業を自粛しています。


検査材料

微生物検査:47検体[糞便14検体、食品23検体、ふきとり:10検体]

■2014.6.21  規格外食品を福祉施設へ フードバンク始まる
規格外の野菜や包装・印字ミスの加工品などを寄付してもらい、必要としている福祉施設や団体に無償で届ける活動「フードバンク」が、県内でも下関市を拠点に始まった。食べられる状態で廃棄される「食品ロス」を減らすのが主な狙いで、市民団体が農家やスーパー、商店などに提供を呼びかけている。

団体は、フードバンク山口(事務局・下関市、7人)。フードバンクに関心がある県内の主婦らで3月に発足させた。

事務局長の矢代裕子さん(54)(下関市小月京泊)は元青年海外協力隊員で、図書館司書としてアフリカ・マラウイへ派遣された経験がある。昨年10月から個人的に活動を始め、農家などから余った米や贈答品を分けてもらい、県内のホームレスの自立や、母子を支援する団体などに届けてきた。

今年に入り、環境問題の啓発活動をしている会長の畑尾光子さん(66)(同市壇之浦町)らと知り合い、「アフリカなどで栄養不足の人がいるのに、食べられる食品を廃棄するのはもったいない」と意気投合。団体の設立につながった。

提供を呼びかけているのは、収穫期が過ぎるなどして市場に出せない野菜のほか、米、カップ麺、乾物、缶詰など主に長期保存できる食料品。会員たちがちらしを街頭で配るなどしているが、なかなか賛同してくれる企業や団体が増えないのが悩みだという。また、会員が少ないため、食料品の受け取りや配送が可能な地域は、今のところ下関、山陽小野田、宇部、旧山口市の県西部に限られる。

将来は会員を増やして団体を法人化し、県内全域に活動を広げる方針。畑尾会長は「『もったいない』を『ありがとう』に変える助け合いの仕組み作りをしているので、多くの人に協力してほしい。作り過ぎ、食べ残しなどを反省するきっかけにもなれば」と話している。

問い合わせは平日午後7時以降に矢代さん(090・7509・8930)へ。

【フードバンク】 流通せずに捨てられる賞味期限内の食品を、困っている人に提供する活動。米国が発祥。国内初のフードバンク「セカンドハーベスト・ジャパン」(東京)によると、国内では兵庫、群馬、鹿児島、沖縄などで計約40の個人・団体が活動中。農林水産省の推計では、国内では年間約500万〜800万トンの食品のロスが発生しており、米の年間収穫量にほぼ匹敵するという。

■2014.6.21  社会福祉法人を売買か…阪南市議
大阪府阪南市の有岡久一市議(60)は20日、同市内にある社会福祉法人の理事長に2011年に就任する前、理事長就任を打診してきた仲介者に計1億6000万円を支払ったことを明らかにした。同市も、同様の事実を監査で把握しており、法人が売買された可能性があるとみて経緯を調べる。社会福祉法では、社会福祉法人は非営利団体とされ、厚生労働省は「売買は営利目的の行為であり不適切だ」としている。

登記簿などによると、この法人は老人ホームや通所介護事業所を運営しており、00年に「幸進会」として設立。理事長は堺市の医療法人理事長が務め、10年11月にこの仲介者に交代、11年8月に有岡市議に交代した。12年には名称を「レーベンダンク」に変更した。

有岡市議によると、09年12月29日に2000万円、10年3月30日に1億4000万円を、個人口座から、仲介者が役員を務める会社の口座に振り込んだ。

有岡市議は読売新聞の取材に「地元の人から施設の改善や理事長就任を要請され、同じ頃に仲介者から金額も含めて連絡があった」としたうえで、「売買の意図はなく、法人設立時にかかった土地や建物の対価のつもりだった。無知で恥ずべきこと。(代金が初代理事長に渡ったかどうかは)知らない」と話した。仲介者は今月10日、取材に対し「お金の話は何も知らない」と、金銭の授受を否定していた。

市は18日、有岡市議に確認を求めたところ、有岡市議が支払いを認め、20日、個人口座の通帳も示したという。市は「引き続き、理事長交代の経緯や法人の実態を調べる」としている。

厚労省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」が今月16日にまとめた報告書案は、「一部の社会福祉法人では、(理事長による)私物化とも取られかねない運営が行われているとの批判がある」「多額の現金をやりとりするといった不適切な事例も発覚」と指摘。社会福祉法には法人売買禁止規定がなく、同省は明文化などを検討している。

■2014.6.21  身元不明11人、施設に暮らす…兵庫県内
認知症や知的障害などを抱える身元不明者が各地の自治体で保護されている問題で、兵庫県は20日、県内で保護され、病院や福祉施設などで暮らしている身元不明者は11人に上ると発表した。保護されてから50年近くたつ人もいるという。

県は、5月末時点の生活保護受給者を対象に調査を実施。11人は神戸、尼崎、明石など5市町で保護された男性8人、女性3人で、推定40〜80歳代。いずれも精神障害や知的障害などで、保護当時、認知症だった人はいなかった。

最も長く身元がわからないままなのは、神戸市内の病院に入院している精神障害の女性(推定72歳)。1965年、同市に生活保護受給の相談に訪れ、そのまま保護されたという。

一方、認知症で自宅などを出たまま行方不明になっている人は同県内で8人おり、不明期間は最長で約4年だった。これは、各市町が家族らから連絡を受けたケースで、警察の集計とは別という。

■2014.6.21  介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案
衆議院

●介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案


第一八六回

衆第二一号

   介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案

 政府は、高齢者等並びに障害者及び障害児が安心して暮らすことができる社会を実現するためにこれらの者に対する介護又は障害福祉に関するサービスに従事する者(以下「介護・障害福祉従事者」という。)が重要な役割を担っていることに鑑み、これらのサービスを担う優れた人材の確保を図るため、平成二十七年四月一日までに、介護・障害福祉従事者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護・障害福祉従事者の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方についてその財源の確保も含め検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律の廃止)

2 介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律(平成二十年法律第四十四号)は、廃止する。


     理 由

高齢者等並びに障害者及び障害児が安心して暮らすことができる社会を実現するために介護・障害福祉従事者が重要な役割を担っていることに鑑み、介護又は障害福祉に関するサービスを担う優れた人材の確保を図るため、平成二十七年四月一日までに、介護・障害福祉従事者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護・障害福祉従事者の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方についてその財源の確保も含め検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

■2014.6.21  衆法 第186回国会 10 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案

介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案要綱

第一 総則
 一 目的(第1条関係)
   この法律は、加齢により心身の機能が低下した高齢者等が安心して暮らすことができ、並びに障害者及び障害児が自立した日常生活及び社会生活を営むことができる社会を実現するために介護・障害福祉従事者が重要な役割を担っているにもかかわらず、その賃金が他の業種に属する事業に従事する者と比較して低い水準にある現状等に鑑み、介護・障害福祉従事者の賃金の改善のための特別の措置を定めることにより、優れた人材を確保し、もって高齢者等並びに障害者及び障害児に対する支援の水準の向上に資することを目的とすること。

 二 定義(第2条関係)
  1 この法律において「介護・障害福祉事業者等」とは、次に掲げる者をいうこと。
  (1)介護保険法の指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定介護老人福祉施設の開設者、介護老人保健施設の開設者、指定介護予防サービス事業者及び指定地域密着型介護予防サービス事業者並びに基準該当居宅サービスを行う事業所の設置者及び基準該当介護予防サービスを行う事業所の設置者
  (2)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の設置者並びに基準該当事業所の設置者及び基準該当施設の設置者
  (3)児童福祉法の指定障害児通所支援事業者及び指定障害児入所施設の設置者並びに基準該当通所支援を行う事業所の設置者
  (4)(1)から(3)までのほか、これらの者に類する者として政令で定めるもの
  2 この法律において「介護・障害福祉従事者」とは、介護・障害福祉事業者等の従業者であって専ら当該介護・障害福祉事業者等が行う介護保険法の保険給付に係る保健医療サービス又は福祉サービス、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の障害福祉サービス、児童福祉法の障害児通所支援又は障害児入所支援その他の保健医療サービス又は福祉サービスのうち政令で定めるものに従事するものとして政令で定めるものをいうこと。

第二 介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給
 一 介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給(第3条関係)
  1 都道府県知事は、介護・障害福祉従事者の賃金を改善するための措置を講ずる介護・障害福祉事業者等に対し、その申請に基づき、当該措置に要する費用に充てるための助成金(以下「介護・障害福祉従事者処遇改善助成金」という。)を支給すること。
  2 介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給の要件、額、申請の方法その他介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給に関し必要な事項は、政令で定めること。
  3 2の額は、加齢により心身の機能が低下した高齢者等が安心して暮らすことができ、並びに障害者及び障害児が自立した日常生活及び社会生活を営むことができる社会を実現するために介護・障害福祉従事者が重要な役割を担っていること並びに介護・障害福祉従事者が従事する業務が身体的及び精神的負担の大きいものであることを踏まえるとともに、介護・障害福祉従事者が従事する業務の種類、介護・障害福祉事業者等における介護・障害福祉従事者の職責等に応じた処遇の体系、他の業種に属する事業に従事する者の平均的な賃金水準等を勘案して定められるものとすること。

 二 介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支払に関する事務の委託(第4条関係)
   都道府県知事は、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支払に関する事務を国民健康保険団体連合会に委託することができること。

 三 不正利得の徴収(第5条関係)
   偽りその他不正の手段により介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給を受けた者があるときは、都道府県知事は、国税徴収の例により、その者から、その支給を受けた介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができること。

 四 交付金(第6条関係)
  1 国は、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給に要する費用の全額に相当する金額を都道府県に交付すること。
  2 国は、毎年度、予算の範囲内で、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金に関する事務の執行に要する費用に相当する金額を都道府県に交付すること。

第三 雑則
 一 報告等(第7条関係)
  1 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、介護・障害福祉事業者等若しくは介護・障害福祉事業者等であった者若しくは当該介護・障害福祉事業者等の従業者であった者(以下1において「介護・障害福祉事業者等であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、介護・障害福祉事業者等若しくは当該介護・障害福祉事業者等の従業者若しくは介護・障害福祉事業者等であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該介護・障害福祉事業者等の事業所若しくは施設、事務所その他その業務に関係のある場所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができること。
  2 1による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならないこと。
  3 1による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないこと。

 二 事務の区分(第8条関係)
   第二の一の1、第二の三及び第三の一の1により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法の第一号法定受託事務とすること。

 三 厚生労働省令への委任(第9条関係)
   この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、厚生労働省令で定めること。

第四 罰則(第10条関係)
  第三の一の1の報告をしなかったこと等に対して所要の罰則を設けること。

第五 施行期日等(附則関係)
  1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
  2 この法律は、介護保険制度並びに障害者及び障害児に対する支援に係る制度について見直しが行われ、介護・障害福祉従事者に関し、優れた人材の確保に支障がなくなったときは、廃止するものとすること。
  3 関係法律について所要の改正を行うこと。

■2014.6.21  介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案 概要
1 目的
この法律は、介護・障害福祉従事者が重要な役割を担っているにもかかわらず、その賃金が
他の業種と比較して低い水準にある現状等に鑑み、介護・障害福祉従事者の賃金の改善のため
の特別の措置を定めることにより、優れた人材を確保し、もって高齢者等並びに障害者及び障
害児に対する支援の水準の向上に資することを目的とする。
2 定義
(1)この法律において「介護・障害福祉事業者等」とは、次に掲げる者をいう。
@ 介護職員処遇改善加算の対象となっている介護保険法の指定事業者等
A 福祉・介護職員処遇改善加算の対象となっている障害者総合支援法の指定事業者等
B 福祉・介護職員処遇改善加算の対象となっている児童福祉法の指定事業者等
C @からBまでのほか、これらの者に類する者として政令で定めるもの
(2)この法律において「介護・障害福祉従事者」とは、介護・障害福祉事業者等の従業者であ
って専ら当該介護・障害福祉事業者等が行う介護サービス、障害福祉サービス等のうち政令
で定めるものに従事するものとして政令で定めるものをいう。

3 介護・障害福祉従事者処遇改善助成金
(1)都道府県知事は、介護・障害福祉従事者の賃金を改善するための措置を講ずる介護・障害
福祉事業者等に対し、当該措置に要する費用に充てるための助成金(以下「介護・障害福祉
従事者処遇改善助成金」という。)を支給する。
(2)介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給の要件、額、申請の方法その他介護・障害福
祉従事者処遇改善助成金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
(3)(2)の額は、介護・障害福祉従事者の役割、業務の身体的及び精神的負担を踏まえると
ともに、業務の種類、介護・障害福祉従事者の職責等に応じた処遇の体系、他の業種の平均
的な賃金水準等を勘案して定められるものとする。
(4)国は、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金の支給に要する費用の全額に相当する金額を
都道府県に交付する。
4 施行期日等
(1)この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施
行する。
(2)この法律は、介護保険制度並びに障害者及び障害児に対する支援に係る制度について見直
しが行われ、介護・障害福祉従事者に関し、優れた人材の確保に支障がなくなったときは、
廃止するものとする。

※ 平均して1月当たり1人1万円賃金を上昇させることを想定
※ 対象者概数 約122.2 万人(介護 96.4 万人、 障害福祉25.8 万人)
予算規模 約1,466 億円(介護1,156 億円、障害福祉310 億円)
=対象人数×月額1万円×12 か月

■2014.6.21  袖ケ浦の少年死亡:虐待問題 「入所を継続」8割超 保護者アンケート「環境変えたくない」 /千葉
知的障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の虐待問題を調査している県の第三者検証委員会は20日、センター各園の保護者を対象にしたアンケート結果を発表した。今後も継続して各園に入所させることを希望する人が8割を超える一方、安定した生活環境の実現を望む実態が浮かんだ。

アンケートは「養育園」と「更生園」の両施設入所者の保護者を対象に実施。150人に質問を郵送し、98人から回答を得た。

結果によると、他施設への転所について聞いたところ、「引き続き入所希望」が78人(81・3%)と最も多く、「どちらとも言えない」が17人(17・7%)と次いだ。

入所継続を望む理由(複数回答可)を聞いたところ、「利用者の環境を変えたくない」が68人と最も多く、次は「(運営法人の)事業団の改善に期待している」が55人だった。そのほかに「事件は運営者の責任であり、責任を持って今後も利用者を処遇すべきだ」(35人)や「事件は行政(県)の責任で、責任を持って今後も利用者を処遇すべきだ」(33人)という回答もあった。

■2014.6.21  規格外食品を福祉施設へ フードバンク始まる
規格外の野菜や包装・印字ミスの加工品などを寄付してもらい、必要としている福祉施設や団体に無償で届ける活動「フードバンク」が、県内でも下関市を拠点に始まった。食べられる状態で廃棄される「食品ロス」を減らすのが主な狙いで、市民団体が農家やスーパー、商店などに提供を呼びかけている。

団体は、フードバンク山口(事務局・下関市、7人)。フードバンクに関心がある県内の主婦らで3月に発足させた。

事務局長の矢代裕子さん(54)(下関市小月京泊)は元青年海外協力隊員で、図書館司書としてアフリカ・マラウイへ派遣された経験がある。昨年10月から個人的に活動を始め、農家などから余った米や贈答品を分けてもらい、県内のホームレスの自立や、母子を支援する団体などに届けてきた。

今年に入り、環境問題の啓発活動をしている会長の畑尾光子さん(66)(同市壇之浦町)らと知り合い、「アフリカなどで栄養不足の人がいるのに、食べられる食品を廃棄するのはもったいない」と意気投合。団体の設立につながった。

提供を呼びかけているのは、収穫期が過ぎるなどして市場に出せない野菜のほか、米、カップ麺、乾物、缶詰など主に長期保存できる食料品。会員たちがちらしを街頭で配るなどしているが、なかなか賛同してくれる企業や団体が増えないのが悩みだという。また、会員が少ないため、食料品の受け取りや配送が可能な地域は、今のところ下関、山陽小野田、宇部、旧山口市の県西部に限られる。

将来は会員を増やして団体を法人化し、県内全域に活動を広げる方針。畑尾会長は「『もったいない』を『ありがとう』に変える助け合いの仕組み作りをしているので、多くの人に協力してほしい。作り過ぎ、食べ残しなどを反省するきっかけにもなれば」と話している。

問い合わせは平日午後7時以降に矢代さん(090・7509・8930)へ。

【フードバンク】 流通せずに捨てられる賞味期限内の食品を、困っている人に提供する活動。米国が発祥。国内初のフードバンク「セカンドハーベスト・ジャパン」(東京)によると、国内では兵庫、群馬、鹿児島、沖縄などで計約40の個人・団体が活動中。農林水産省の推計では、国内では年間約500万〜800万トンの食品のロスが発生しており、米の年間収穫量にほぼ匹敵するという。

■2014.6.21  障がい児、バッジでお知らせ…愛知・豊田
愛知県豊田市で障がいを持つ子どもたちの支援をしている市民団体「発達障がい児支援くらっぷ」が、見た目では判断できない障がい者の見守りやサポートをスムーズにできるようにするための「お知らせバッジ」を作った。

バッジの表側には「しょうがいがあります」と書いてあり、「自閉症」「発達障がい」「声がでません」など5種類のシールが貼れるほか、自由に記入したり、そのまま使ったりすることもできる。

同団体代表の波賀野里美さんが、知的障がいを伴う自閉症の我が子と買い物に出かけた時、子どもが店内で走り回って迷子になった。その時、「何かあってからでは遅い」と名札を作ることを思いついた。

波賀野さんは大地震の発生などを想定し、「緊急時の対応は障がいのある子どもを持つ親にとって大きな不安の一つ」と話す。そのうえで、「さりげない啓発と支援の大切さや、地域の中で生活をしていく思いをバッジに込めた。どこかでこのバッジを付けている人を見かけたら、優しく温かい気持ちで見守ってほしい」と呼びかけている。

バッジは1個200円(通販の場合は郵送料込みで280円)。問い合わせ・申し込みは「くらっぷSTORE」(http://store.lunacolor.com/)。

■2014.6.21  総理の一日 安倍総理がロボットを活用する工場及び介護施設を視察
総理がロボット工場と介護施設を訪問
安倍総理は、平成26年6月19日、埼玉県加須市のロボットを活用する工場及び東京都墨田区の介護施設を視察した。

総理は、始めに訪れた工場では、双腕産業用ロボットを導入した生産ラインを視察し、従業員等との意見交換を行った。次に、訪れた介護施設では、介護ロボットを自ら体験した後、介護職員等との意見交換を行ったという。

ロボットを成長戦略の柱として
総理は今回の視察で、介護現場においては、70%が重労働による腰痛に苦しんでいることから、ロボットを活用することで軽減させたいとしている。

また、生産現場においては、単純作業をロボットに任せて、人を解放することで、その人の能力を生かした仕事ができると位置づけた。

なお、生産現場、介護、農業など様々な分野でロボットが今後活躍することで、生活や産業が大きく変化すると確信。ロボットを成長戦略の大きな柱にしていく考えを述べたとされる。

2020年ロボットオリンピックをめざす
総理は、「ロボット革命実現会議」を立ち上げ、2020年までに現在のロボット市場を3倍の2.4兆円にしていくかまえだ。

また、2020年、世界中のロボットを集め、技能を競う、ロボットのオリンピックをめざすとしている。


首相官邸・総理の一日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201406/

■2014.6.22  生卵投げつけ 留学生暴行再発防止へ本腰 鳥栖
鳥栖市で留学生に生卵を投げつけたとして、少年3人が暴行容疑で逮捕された事件は、県内で最も多くの留学生が暮らす同市や市民に大きなショックを与えた。市内の日本語学校「弘堂国際学園」の複数の生徒が読売新聞の取材に対し、同様の被害体験を証言。県警は留学生らを標的に、暴行を繰り返した共犯者がほかにもいるとみており、市や住民は再発防止に乗り出した。

「日本は安全な国と思っていたので、ショックでした」。日本で自動車修理の仕事に就こうと、同校で日本語を勉強するネパール人留学生の男性(22)は、事件と同様の被害に遭ったときの衝撃を振り返った。5月24日未明に自転車でアルバイト先に向かう途中、鳥栖市内のトンネルですれ違った若い男性4人が乗った乗用車から、マヨネーズを浴びせられたという。

ベトナム人留学生の女性(23)も、同市内のスーパー前の路上で、数人の男から生卵などを投げつけられた体験を証言。「とても怖かった。誰かに言うと、また狙われると思い、相談できなかった」と明かした。

同校は、5月中旬に生徒からこうした被害報告が寄せられたことをきっかけに、在校生に聞き取り調査を実施。ネパール、ベトナム、スリランカからの留学生計19人が昨年12月〜今年5月に、被害に遭ったと答えた。エアガンで撃たれたり、「あなた何人なにじん?」と尋ねられ、国籍を答えると、いきなり生卵を投げつけられたりした生徒もいたという。

こうした事態を受け、県警は5月26日、ネパール人留学生の顔や腹に生卵を投げつけたとして18〜19歳の少年3人を暴行容疑で逮捕。佐賀地検は、3人を暴行の非行事実で佐賀家裁に送致した。捜査関係者によると、少年の1人は「いたずら目的でやった」という趣旨の供述をしているという。

県警は留学生の証言などから、3人以外に共犯者がいるとみて捜査を継続。同校の山本由子理事長は「再発しないよう、しっかり捜査してほしい」と願う。

◆全国から激励

「日本人として申し訳ない」「日本と日本人を嫌いにならないで」。事件が報じられると、同校には、全国から謝罪や激励のメッセージが60件以上届いた。

地域住民は留学生を支えようと交流を開始。6月上旬、同校の近くの畑で行われた新入生によるサツマイモの苗植えに参加した田代外町の平川通流とおる区長(72)は「留学生が鳥栖で楽しく生活できるよう、見守りたい」と力を込めた。

県によると、県内在住の留学生は昨年12月末現在で593人。このうち、鳥栖市には、市内や福岡県の日本語学校に通う生徒ら294人が住んでいる。

同市は今月下旬から、市内全戸に「外国人の人権を尊重しましょう」「悲しい事件は繰り返さない」などと人権尊重や再発防止を訴えるチラシを配る。市役所などには、同様のポスターを貼り出す予定だ。篠原久子市民福祉部長は「今回の事件を、人権侵害として憂慮している。二度と起きないよう、啓発に努めたい」と話している。

■2014.6.22  養護施設の子供たちがカヌー体験 兵庫・豊岡
子供たちに美しい海辺でのスポーツを体験してもらおうと、兵庫県豊岡市竹野町の切浜海岸で21日、社会福祉法人・南但愛育会が運営する児童養護施設「若草寮」(同県朝来市山東町大内)の子供たちがカヌーを体験し、のんびりと海上散歩を楽しんだ。

インターネットのコミュニティーサイトを開設している「クーポンスタイル但馬」(豊岡市塩津町、山田幸四郎編集長)が、社会福祉貢献の取り組みとして、切浜海岸の「民宿よどや」に企画を持ち掛けて実現。若草寮を利用している小学3年から高校2年までの男女14人が参加した。

民宿よどやの宮崎秀平専務(38)が「きれいな海で楽しんで」とあいさつ。子供たちは、インストラクターからパドルの使い方やカヌーの乗り降りの方法などを教わり、1人乗りと2人乗りに分かれてカヌーに乗り込んだ。

周辺の海岸線には、波の浸食でできる急崖(きゅうがい)や洞門などの奇岩があり、平成22年に「世界ジオパークネットワーク」に加盟が認定された名所。最初はぎこちない動きだった子供たちも、すぐに慣れてパドルを巧みに操り、海上から自然公園の景色を満喫していた。

■2014.6.22  社福のカネに群がる県議 福祉の名の下、多額が流れた 鳥取県 みのり福祉会
6月半ば、約5万人が住むこの街の郊外を社会福祉法人「みのり福祉会」の村田実前理事長(76)が前事務長を従えて回っていた。

村田氏は県議会議長も務めた県政の実力者だった。だが、2011年の県議選で落選し、復活を期す。

「施設の入居者の7、8割は後援会員の家族だし、地域のためにこれからもがんばって施設をつくると言って回っている」

鳥取県は「県議の社福王国」だ。社福理事長を歴代議長の7人が務めていた。ここ10代では5人もいる。

こうした元議長が運営する社福3法人がこの数年で、立て続けに県から改善を命じる行政処分を受けた。理事長らが私物化している例があると認定されたからだ。村田氏のみのり福祉会もその一つだった。

倉吉市郊外に、みのり福祉会が運営する特別養護老人ホームなど20あまりの施設の多くが集まる「福祉の里」がある。県は11年9月、ここから村田氏側に多額のお金が流れていたとして処分を出した。

県が指摘した仕組みの一つが、特養の駐車場や菜園、園庭などから得る「高額な賃貸料」だ。

村田氏や親族の土地をみのり福祉会に購入させながら、所有者の名義を変えず貸し出す形にしていた。賃貸料として毎年800万円近い金が払われたという。

社福の運営と県議の活動を混同する例もあった。県の調べでは、みのり福祉会から村田氏の支援者らの葬儀の香典代として約630万円も出されていた。

みのり福祉会が運営するグループホームの元職員(53)は選挙にかり出された経験がある。「上からの指示で戸別訪問や後援会の名簿づくりをやらされた」

名簿集めのノルマは200人だったという。投票日の1カ月前になると、自分が住む地区の支持者宅などを回り、勤務時間中も入居者が昼寝をする午後に出かけた。

障害者施設の元職員(69)は、後援会長といっしょに金を配ったこともあるという。金は後援会長が持ってきたが、「施設で余った金ではないかとみんなで話していた」と語る。

鳥取県東部の八頭(やず)町にある社福「やず」も13年9月、県から処分を受けた。議長を務めた山根英明元県議(81)が理事長をする。

やずでも「高額の賃貸料」が問題になった。山根氏の土地を山根氏の建設会社グループの関連会社が買った後、やずが特養の駐車場に使って賃貸料を払っていた。その関連会社の社長は山根氏の次男だった。

「土地を関連会社が買っていたとは知らなかった。賃貸料も試算した額より7割ほど高かったが、理事長から『まあそうせえや』と。従うしかなかった」。元専務理事はそう話す。

長男と次男がほとんどの株式を持ち、役員をしていた食品販売会社にも金が流れる仕組みができていた。施設の給食や食材などはこの会社を窓口にして購入され、この会社には「加工代」の名目で納入価格に10〜15%が上乗せされた分が施設から支払われていた。

その分の総額は06年から計2170万円に及ぶ。だが、購入していたのは、加工する必要のない調味料や健康飲料、切り身の魚などだったと県は指摘する。

■原点忘れ建築不振を穴埋め

「県議は地元のまとめ役で、地域の問題解決を託される。社福の理事長と共通する」。社福の理事長を務めたことがある鉄永幸紀元議長はいう。

福祉が充実していない時代に、地域や親の求めにこたえて保育所などを始めた社福もあった。村田氏は「先祖の田んぼをつぶして施設をつくり、地域に貢献してきた」と言い、山根氏も「社福は地域のためにやってきた」と強調する。

だが、「福祉の原点が忘れられた」と関係者はいう。県議の社福に厳しい目が向けられるようになったきっかけが、09年秋に鳥取市にある社福「あすなろ会」で約15億円の不正流用が明らかになった問題だ。

当時、議長も務めた浜崎芳宏元県議(85)が理事長、長男の晋一県議(59)が副理事長をしていた。

県の調べでは、あすなろ会から、介護報酬や施設建設のために銀行に借りた金が建築資材販売会社の運転資金などに流用され、半分以上が返せなくなっていた。この会社は父の芳宏氏が起こし、長男の晋一氏が社長を務めていた。

「本部から各施設長に余剰金を上納するよう指示がきた。社福の理事もいいなりの人を選んでいたから誰も止められなかった。個人商店のようだった」。退職した元施設長はそう話す。

県内では、米子市などの西部、倉吉市などの中央部、鳥取市などの東部で、それぞれ議長経験者が理事長をする社福が施設整備などで影響力を持ってきた。

なかでも、浜崎氏は「建設」と「福祉」という地方を支える仕事を持つ県議として知られていた。公共事業の削減で建築資材販売会社の経営は不振に陥ったが、その穴を埋めたのが介護保険から安定した報酬が入る社福の金だった。

浜崎氏の建築資材販売会社は結局、破綻(はたん)した。だがそのやり方をみていて、ほかの県議や建設業者らが福祉に乗り出していた。(西井泰之、村井七緒子)


■行政との二人三脚も背景

県議の社福王国ができた背景の一つには行政との二人三脚もある。00年に介護保険制度ができ、特養などの施設整備を急ぐ必要ができたのがきっかけだった。

「前からも特養は不足していて、保険料を負担するのに施設に入れないとなれば不満が強まる。そこで力のある社福に声をかけ、施設をつくるなら乗っかろうというのはあった」。当時の県の担当者は振り返る。

その担い手が県議の社福だったという。当時の担当者は「県議もそれを感じ取った。県議は情報が早いから、(施設建設の認可を出す)市町と話をつけ、公募もせずに県議の社福がつくることが決まっていった」と打ち明ける。

鳥取県の人口は約57万人で、10年の国勢調査では65歳以上の高齢者の割合が26・3%と全国で13番目に高かった。高齢化とともに社福の存在感は高まっていった。

ある県議は「介護事業計画でどこに施設を重点的につくるかがわかり、土地の確保も早めに手を打てる。議員バッジをつければ、役所が説明にも来る」と話す。別の県議は「地元からの要望も福祉関連が増えた。特養に入るのも就職の世話も社福を持っていればできる。企業が少ない鳥取では社福は雇用の受け皿だ」という。

1999〜07年に鳥取県知事を務めた片山善博・慶大教授はこう分析する。「県議は施設が増えるほど選挙に有利になり、政治家として力が増すメカニズムが働いていた」

■2014.6.24  社会福祉法人は公益的活動必須 厚労省検討会が報告書案
厚生労働省は16日、社会福祉法人の在り方等に関する検討会(座長=田中滋・慶応義塾大名誉教授)に報告書案を示し、大筋で了承された。報告書案は社会福祉法人が厳しい現実に置かれているとし、「地域における公益的な活動は、社会福祉法人が地域住民から信頼を得続けるために必須」とした。厚労省は義務化する方針。早ければ7月にも社会保障審議会福祉部会を立ち上げ、2015年の通常国会で社会福祉法など関係する法律を改正する。

体制の強化・透明性も論点

厚労省は報告書案について「あくまでも論点整理。検討会は今日で終わりだが、これからがスタートだ」(社会・援護局)とした。

柱となる論点は「地域における公益的な活動の推進」「法人組織の体制強化」「法人運営の透明性の確保」で、報告書案はこの三つを社会福祉法人の必須事項とした(表参照)。

http://social-welfare.rgr.jp/img/ccccceccc3cc.PNG

「法人の規模の拡大・協働化」「法人の監督の見直し」という論点については、「公益的な活動を柔軟に実施していく上で必要な環境整備だ」とした。

「地域における公益的な活動」とは、政府の規制改革会議が義務化を求めた「社会貢献」を言い換えたもの。施設入所者だけでなく、施設のある地域にとって役立つことを指すものと見られる。

同会議は介護、保育分野で、営利企業と社会福祉法人の「イコール・フッティング」(競争条件の同一化)を求めたが、介護、保育にとどまらず、社会福祉法人全体の問題に議論が発展している。

報告書案は、社会福祉法人に義務付ける「公益的な活動」の内容を固定化せず、地域ごとに決める仕組みにする方針。活動に要した費用を会計上明示することを求めつつ、「本業(社会福祉事業)をおろそかにして実施されることのないよう、義務付ける内容は慎重に検討する」とした。

委員から義務付けそのものへの反対意見は上がらなかったが、社会福祉法人を経営する立場の委員からは「地域における公益的な活動が副業であるかのように読める。どちらも社会福祉法人の本業だ」「特別養護老人ホームは介護のノウハウを地域に応用することで貢献すべきだ」との意見が上がった。

自治体の指導によって「1法人1施設」となっている法人や、措置事業を行う法人の立場が、議論の中心から外れていることへの不満も漏れた。

「本業」と「地域における公益的な活動」を明確に切り分けることが技術的に可能なのかという問題もあり、そもそも論に立ち返る必要がありそうだ。

報告書案は、社会福祉法人制度が大きく見直されるのは2000年の社会福祉基礎構造改革以来だとした上で、「社会福祉法人は近時の社会的な変化に対応しきれていない面がある」と分析した。



【解説】

特別養護老人ホームの「本業」は決まりきったことをこなす「施設管理」だ。「福祉」は薄れた。それならば営利企業にも参入させてほしい。ダメならば、せめて社会福祉法人には余り銭を使った社会貢献を義務付けよ&#8722;。規制改革会議のそんな論理の展開で今日に至った。最も重要な論点は、「施設管理」と見られても仕方ないのか、なぜそう見られるのかということだ。今回の報告書案は「施設管理と見られてもやむなし」という前提に立ち、見えにくくなった「福祉(社会貢献)」を「本業」の外に位置付けてアピールしようという方針だ。さて「本業」が「施設管理」と見られたままで、そのアピールが通用するか。そんな疑問が残る。

■2014.6.24  宅の重度障害者 たん吸引、ヘルパー不足 有資格者32市町村でゼロ、解決策なく家族に負担 /茨城
人工呼吸器を装着している在宅の重度障害者が欠かせない「たん吸引」。呼吸確保のため必要な医療行為だが、県内では在宅の重度障害者にたん吸引を行える介護職員(ヘルパー)は2014年4月現在、12市町135人にとどまっており、32市町村ではゼロとなっている。家族がたん吸引を行わざるを得ないケースが多く、重い負担を強いられている。

◇母が常に見守り

結城市で暮らす特別支援学校高等部1年生、石塚昂大さん(15)は先天性の筋疾患「ネマリンミオパチー」を抱える。手足を自力で動かすことはできず、食事、風呂、トイレなど24時間全介助が必要。呼吸する筋力も弱く、生後1歳を過ぎたころに気管を切開し、人工呼吸器を装着した。呼吸する筋力が弱まると、たんを自力で排出できなくなり、定期的に吸引器で取り除く必要がある。

石塚さんの場合、母(42)が口や鼻を数分に1回吸引し、気管も日中に数回吸引。2&#12316;3年前までは、古河市の介護事業所からたん吸引を行えるヘルパーを派遣してもらっていたが、担当のヘルパーが退職後、派遣はストップ。以後1カ月に2日間ある看護師の訪問日以外、母が常に見守っている状態だ。

通学時はもちろん同行が必要となり、ちょっとした買い物などもままならない。母は「1時間でも2時間でもいい。見守ってもらえる態勢がほしい」。多くの患者家族にとって、24時間全介助が最大の負担になっている。

◇135人どまり

石塚さんの母が参加する家族会「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)茨城支部」は12年8月、医療的なケアができる介護事業所を増やすよう県に要望。県は当時、「12年度までにたん吸引ができるヘルパーを約350人養成する」と回答した。県によると、研修を受けた有資格者は13年度までに約500人。しかし、実際に在宅の重度障害者にたん吸引を行っているのは135人にとどまっている。

135人がケアしている重度障害者も約60人に過ぎない。ヘルパー数人が交代でケアしているからだ。在宅の重度障害者でたん吸引を必要とする障害者数は県も把握していないが、県は「潜在的ニーズもある。足りていないのは事実」とヘルパー不足を認める。

■2014.6.24  全国に広がる富山型デイサービス 就労の場や住まいも「共生」で
年齢や障害の有無を問わず、誰もが身近な地域でケアを受けられる「富山型デイサービス」。20年以上前に、対象者を選ばない福祉サービスとして注目を集めたが、現在は県を挙げての取り組みに発展。「共生」をキーワードに、障害者が働く場や、障害者や高齢者が一緒に住めるグループホームなど、さらなる広がりを見せている。

落ち着いた雰囲気

「毎日楽しんでますよ。あの世は間近ですけどね」ーー。

NPO法人おらとこが運営する富山型デイに通う90代の利用者がそう話すと、周りがどっと沸いた。すぐに次々と「まだまだ元気だよ」と突っ込みが入る。

おらとこは、介護保険法に基づくデイサービスや、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス、乳幼児の一時預かりなどを行う富山型。建物は明治時代に建てられた民家を改装した。

「近所に遊びにきているような雰囲気を心がけています。家に閉じこもっていた人も、ここでは笑ってくれるんですよ」と野入美津恵理事長は話す。今後は駄菓子屋の運営などを核としたコミュニティーづくりなどにも力を入れるという。
理念を優先

富山型は1993年7月、看護師の惣万佳代子さんが仲間とともに民家を改装したデイケアハウス「このゆびとーまれ」が最初だ。

当時は介護保険制度もない措置制度の時代。公的な制度を利用せず、1日2500円の利用料を徴収する「自主事業」だった。西村和美副代表は「誰も排除しないという理念を優先して始まった」と振り返る。

その後、徐々に利用者が増えるにつれ、県も無視できなくなる。1998年に県は、高齢者と障害者を1日5人以上受け入れれば補助金を出す制度を創設。理念に共感する輪も広がり、2013年度末時点で県内には105カ所に上っている。

また県は03年、高齢者デイサービスで知的障害者の受け入れを認める特区を申請。06年から全国でも可能となった。県によると、12年度末現在、富山型事業所は全国に1400カ所以上あるという。

就労の場として

そんな富山型が新たな展開を見せている。

13年から始まったのが、富山型の事業所が連携し、一般企業で働くのが難しい障害者を受け入れる取り組みだ。本来、利用者20人以上が法律上の要件だが、特区を活用して進めている。

具体的には、このゆびとーまれの運営する就労継続支援B型の事業所「はたらくわ」が県内13カ所の富山型の事業所と請負契約を締結。はたらくわの利用者22人は富山型事業所で、介護や清掃、皿洗いなどの仕事をする。職員4人はそれぞれ巡回する。

利用者の給与は、時間給や日給さまざまだが、平均で月額4万3000円。西村副代表は「建物などを用意せずに、障害者が安定して働ける効果は大きい。今後は職種の幅を広げたい」と話す。
特区申請でクリア

富山型は日中活動の場にとどまらない。同じ屋根の下で高齢者や障害者が暮らす「共生型グループホーム」もある。

県内4カ所のうち、最初にできたのが、社会福祉法人にいかわ苑が09年に開設した「双葉」だ。1階に認知症高齢者の9部屋、2階に知的障害者の8部屋がある。

当初は法律上、高齢者と障害者で別々の基準に基づき整備しなければならなかった。このため、1階と2階で玄関や食堂を分ける必要があった。しかし、これも県による特区申請でクリアし、今では共有できている。

若林清彦理事長は「誰でも受け入れる共生の取り組みは人間社会の原点。利用者は道路清掃など地域活動にも積極的に参加し、地域社会に溶け込んでいる」と語る。

双葉の仕組みでは、知的障害のある子どもと高齢の親も一緒に住める。このため、全国から入居希望の問い合わせがあるという。

県内に200カ所

県は20年以上富山型を推進してきたことで、「共生の理念が広がっている」と見る。

02年から始めた富山型の運営方法や資金集めなどを学ぶ「起業家育成講座」には、毎年定員を超える人が集まる。昨年は56人のうち、半数が県外からだったという。

今後も、さまざまな取り組みを通じて富山型の事業所を後押しする方針だ。21年度までに、小学校区にあたる200カ所を目標に掲げる。県の担当者は「分野にとらわれない福祉の拠点が増えれば、気軽に生活相談もできる。居場所が増えれば、住民が安心して住み慣れた地域で暮らすことにつながる」と話す。

富山県の取り組みは、全国各地のさまざまな課題への解決策となる可能性を秘めている。


富山型

高齢者や障害者、子どもなど年齢や障害の有無にかかわらず受け入れる福祉サービス。一般住宅を改装するなど家庭的な雰囲気を重視するケースが多い。1993年に誕生した時は、縦割りの制度ではない柔軟なサービスとして注目を集めた。県が特区を申請することで民間事業者を後押し、結果的に規制緩和につながっている。県によると、2012年度に富山型デイは全国に1427事業所。

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■2014.6.25  佐賀)カブトムシの初出荷 太良の福祉事業所
太良町大浦乙の佐賀西部コロニーにある障害福祉サービス事業所「昆虫の里」でカブトムシの初出荷があった。2匹ずつ虫かごに入れられ、同コロニーが営む白石町福吉の白石作業所福祉の店「こだわり館」へ、100匹が出荷された。

昆虫の里で飼育されたカブトムシは、体長7〜8センチでオスが380円、メスは170円で販売される。今年は計9千匹を出荷する計画で、武雄市や嬉野市の旅館・ホテル、夏祭りのイベント向けなどに8月上旬ごろまで出荷されるという。

飼育責任者は「生育状況は良好で、平年並みの初出荷になった」と話している。問い合わせは、佐賀西部コロニー(0954・68・3211)へ。

■2014.6.25  身元不明者:女性身元判明、埼玉で1人暮らし 通販記録、決め手に /静岡
4月20日にJR静岡駅北口で静岡市に保護された身元不明者は、埼玉県で1人暮らしの70代女性と24日分かった。認知症などが原因で行方不明となり、県内で保護された身元不明者は推定30〜80代の男女計8人いるが、身元確認は初めて。

静岡駅で保護された時の女性は、よそ行きの格好。黒い帽子をかぶり、白いレースの春物ジャケットに緑色の花柄ブラウス、黒いスラックス姿だった。黒の肩掛け鞄もあったが、身元につながるものは所持していなかった。

女性は「病院に行きたい」と希望したが、行き先や住所、名前が言えず、市が保護。市内の病院に入院し、生活保護を受けている。病状が安定したことから、市葵福祉事務所の高齢介護課職員2人が6月10日に面会し、2時間以上にわたって保護されるまでの生活状況を聞き取った。

「新幹線で来た」。聞き取りは方言を意識して行われたが、話しぶりから特徴はつかめず。しかし、富士山について「その日は曇っていたから見えなかったかな」という言葉を引き出せたことで、女性は関東圏から来たと確信できたらしい。

さらに食べ物の好みを聞いたところ、数年前の記憶として、通販で取り寄せていた静岡銘菓の名前が出た。住所や名前などが記された販売記録が決め手となり、2日後に身元確認された。

女性は4通りの名前を挙げていたが、自分の本当の名前を伝えられても、自分が誰かを認識できる状態にはない。写真で身元を確認した親族とは、まだ対面できていないという。

■2014.6.25  保育園で5歳男児が頭蓋骨骨折
京都市伏見区の保育園で5歳の男の子が頭蓋骨を折る重傷を負いました。園の女性職員による男の子の扱いに問題がなかったか京都市などが調べている。

京都市伏見区の保育園「春日野園」で、今月13日、跳び箱をしている途中、棚に寝転んだ園児たちを女性職員が庭に放り出した。およそ1時間後、そのうちの5歳の男の子がぐったりして倒れているのを見つけ、病院に搬送。男の子は頭蓋骨を骨折する重傷。

園長は、「園で起こったこと。その重みをすごく感じている。本当に心よりお詫び申し上げたい」と話している。市は、女性職員が放り出した後に男の子の頭が置いてあった太鼓にぶつかったのではないかとみて調べている。

■2014.6.25  元京都府警幹部が銃所持認める 「趣味で収集」
京都府城陽市のレンタル倉庫で拳銃3丁を所持したとして銃刀法違反(所持)の罪に問われた元京都府警銃器対策課次席で介護施設職員の早崎文夫被告(65)=城陽市寺田深谷=の初公判が25日、京都地裁(後藤真知子裁判長)で開かれ、早崎被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

冒頭陳述で検察側は「平成11年に銃刀法違反などの罪で実刑判決を受けたのに、仮釈放後に趣味で拳銃の収集を再開した。23年4月にはレンタル倉庫で収集物を保管するようになった」と述べた。

起訴状によると、早崎被告は今年4月25日午後、城陽市内のレンタル倉庫で拳銃3丁を所持したとしている。京都府警は6月14日、拳銃1丁を買い取ったとして、銃刀法違反の疑いで早崎被告を再逮捕している。

■2014.6.25   子供も無料で利用ができる開かれた介護施設
デイサービスを提供する通所介護施設は通常、高齢者のための施設だが、岩手県盛岡市にある「フキデチョウ文庫」は、子供も大人も誰でも無料で利用ができる。

ずらりと書棚が並ぶ1階の図書室では、本を読みふける学校帰りの子供たちや近所の親子がいたり、パソコンで仕事をする人がいたりと、思い思いの時間を過ごすことができる。

2階のデイサービスのフロアは、おしゃれなカフェのような空間。運営には岩手大学の学生たちが関わっているほか、町内会や子供会などが企画を持ち込み、ワークショップや交流会などを開催している。「本の沢山ある屋根の付いた公園」を目指し、閉鎖的になりがちな施設を地域に開放することで、ユニークなコミュニティースペースとなった。詳細は一般社団法人「しあわせ計画舎」

■2014.6.25  『ふっくら雑炊』全7商品をリニューアル新発売
和光堂株式会社の高齢者向け食品「食事は楽し」シリーズで人気の高い『ふっくら雑炊』全7商品が、リニューアルして、2014年7月8日(火)より全国で新発売されます。

食べやすさや栄養バランスなどにこだわった雑炊
「食事は楽し」シリーズは、かむ力や飲み込む力などが弱くなっている人でも、見た目や食べやすさはもちろん、自分の好みから選べるラインアップと栄養バランスにこだわったサポートフードで、そのシリーズのなかでも『ふっくら雑炊』は、高級感のある食事を手軽においしく食べられるように、素材選びにこだわった雑炊です。


だしのうま味が利いた『ふっくら雑炊』に刷新
また、今回のリニューアルで新たに、鰹節専門店・株式会社にんべんと共同で、メニューの素材に適しただし選びにこだわり、素材の風味が引き立てるだしのうま味が利いた本格的な味わいの『ふっくら雑炊』に刷新されています。

「高齢者向け食品 「食事は楽し」シリーズの人気商品『ふっくら雑炊』リニューアル」和光堂株式会社
http://www.wakodo.co.jp/company/release/20140620_

和光堂株式会社ホームページ
http://www.wakodo.co.jp/index.html

■2014.6.26  「採用氷河期」人材の奪い合い
飲食業や製造業など幅広い業種で、パートやアルバイトなどの非正規社員を正社員化する動きが広がってきた。背景には、景気回復に伴う人手不足の解消だけでなく、若年労働力人口の減少が招く「採用氷河期」を見据えて主婦などの女性を戦力としたい企業の狙いもある。増え続ける非正規社員の流れが変わる潮目となるのか。正社員の確保に乗り出した企業の現場を追う。

「長年の経験があり、店舗の主力となっているパート主婦を確保する」。カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが今月から進めている非正規社員の地域限定正社員化制度。制度の狙いについて、広報担当者はこう語る。

計画では、数年かけて非正規社員の半数超にあたる、約1万6000人を転勤を伴わない正社員とする。7月1日までに410人が正規雇用に切り替わる見込み。同時に中途採用も行い、制度の説明会には約3000人が集まった。

実は、ファストリがこうした取り組みをするのは今回が初めてではない。2007年にも全国で5000人の「地域限定正社員化」を掲げた。しかし、実際に手を挙げた社員は1400人にとどまった。フルタイム勤務を条件としたため、育児や介護などで勤務時間を増やせない非正規社員が多かったからだ。

前回の反省もあり、今回は柔軟な対応を取る。時短勤務や土日の出勤可否などの要望を可能な限り受け入れることで、正社員への契約変更を促す。

うどんやそばのチェーン店を展開するグルメ杵屋(大阪市)も7月から、パートやアルバイトを対象に、時間や地域を限定した正社員への転換制度を始める。直営店440店で最低1人ずつ、正社員を増やす計画だ。同社の加藤誠久総務担当執行役員は「人事管理ができる中核人材を増やし、店舗の質を上げる」と話す。

両社が正社員化に本腰を入れるのは、「スタッフを募集しても何カ月も集まらない店舗がある」(ファストリ)など、パートやアルバイトの人材確保が難しくなっている現状もある。

期間従業員を採用する自動車産業などのある工業地帯を中心に、人材の奪い合いは深刻化している。ファストリの場合、愛知県や静岡県の一部で、店舗に必要な人員の充足率が80%台前半という厳しい事態に陥っている。

グルメ杵屋の店舗も、学生を含めた非正規社員が8700人おり、毎年3000〜4000人が入れ替わる。このうち1000人は勤務4カ月目に辞めているといい、人材の定着化が課題だ。

ただ、正社員化に伴う懸念もある。ファストリの場合、非正規社員から正社員になれば、年収は20%増える見込みで、能力次第で年収500万〜600万円を稼ぐ店長への登用もある。会社側にとっては、福利厚生費などの人件費負担は約2割増となる。

ファストリは「景気に伴う一過性の問題ではない」と見越したうえで制度改革に乗り出した。グルメ杵屋の加藤氏は「(人材が定着すれば)サービスが向上し、採用・教育コストが減る」と断言する。両社とも、パートやアルバイトの人材難は続くとみており、長期的な視野で非正規社員と向き合う。

経済の低成長が続いた1990〜2000年代、企業はコスト削減を目的に人件費抑制に取り組んできた。新卒採用を控え、安価で雇用調整しやすい非正規の労働力に依存してきた。

その結果、非正規雇用者数は1988年の755万人から2013年には約2.5倍の1906万人に膨れあがった。雇用者に占める非正規雇用者の割合も、90年の20.2%から13年には36.7%へ急増した。

しかしこの流れが、人手不足と押し寄せる少子高齢化の波により変わろうとしている。24日に閣議決定した安倍晋三政権の新しい成長戦略は、人口減少社会への危機感を前面に打ち出した。働き手として女性や若者を重視し、学童保育の拡充や多様な正社員制度の普及を掲げている。企業も、待遇改善で人材を確保しようとしている。

大和総研の広川明子主任コンサルタントは、人口減少社会において「デフレ経済下の人件費をコストとする考え方は変わらざるを得ない」と指摘。「うわべだけの正社員化ではなく、人件費を投資と考えて魅力的な職場にしてこそ、真の人材確保やサービス向上につながる」と話す。

■2014.6.26  介護費用:事前申請でバリアフリー改修費が10分の1に
一口に介護費用といっても、介護保険が適用され1割の自己負担で済むサービスの利用額だけではありません。デイサービスの食事代やおむつ代、ショートステイの部屋代などさまざまな費用がかかります。「ヘルパーさんが来るからみすぼらしい格好は……」とパジャマを新調することもあるでしょう。介護が始まると、思った以上に出費がかさむものです。

究極の節約術はすべて自分たちで介護することですが、これは絶対にお勧めできません。家族が共倒れになるからです。共倒れになると、仕事をしている方なら何百万円、何千万円という将来の収入を失ううえに、医療費がのしかかってきます。自前で全部やろうとは思わないほうが賢明です。

実は、介護費用の節約にはいろいろな方法があります。たとえば介護保険サービスの中身を変えず、費用だけ減らす方法。

介護保険が適用される金額は要介護度に応じて決まっており、その枠内に収まらない金額は全額自己負担になります。ところが2012年から始まった定期巡回・随時対応型訪問サービスの料金は、1カ月いくらの定額制。つまり、ヘルパーさんに何回来てもらっても負担金額は変わりません。こうした定額サービスはほかにもあるので、ケアマネジャーと相談しながらうまく使うと、サービスの質・量を落とさず見直しができるのです。

福祉用具も見直す余地があります。車いすや杖などいろいろなものが福祉用具としてレンタルできますが、借りても使用せず玄関でホコリを被ったままというご家庭をよく見かけます。こうした必要のない出費は見直しましょう。塵も積もれば山となります。

実際に使っている福祉用具でも、レンタル料はまちまちです。たとえばベッドはひと月1万円から2万5000円くらいまで幅があります。これを高いほうから安いほうに替えると、1割負担の差額は月額1500円。年間1万8000円の違いになります。

同機種であっても業者によって費用が異なる場合もあるので、レンタルするときは複数の業者から見積もりを取ることです。

こうした見直しは高齢者が自分でやるのは大変ですから、現役世代がケアマネと相談しながら、ぜひ手助けを。

介護保険外の費用についても、自治体が補助している場合があります。補助内容は自治体によってさまざまで、それを知るにはケアマネか、各市町村が設置している地域包括支援センターに聞いてみることです。地域包括支援センターは各中学校区に1カ所くらいの割合で設置されており、お住まいの介護保険課に問い合わせればどこにあるか教えてくれます。

とくにバリアフリー改修工事を行う場合は、事前に地域包括支援センターへ問い合わせてみるべきです。体が不自由になると手すりの設置など住宅改修をする方が多くなりますが、住宅改修は、介護保険で最高20万円までは自己負担2万円ででき、自治体によってはさらに改修費を上乗せしているところがあります。

ただし利用には事前申請が必要。事前に問い合わせるべきというのはそのためです。後から「そんな制度は知らなかった」と言っても後の祭り。こうした介護費用を安くする手段は、いずれも事前に申請書類の提出が鉄則です。

まさに「介護は情報戦」。「お金がないから自分で介護しよう」と考えるのは、ドツボにはまる最悪パターン。情報はお金に代わる強い味方です。すべてを知っている必要はありませんが、ちょっと引き出しを持っているだけで、ケアマネや地域包括支援センターの対応も変わってきます。

■2014.6.26  社福県議 票とカネ、支える福祉
鳥取県の中ほどにある倉吉市には、江戸から明治にかけて建てられた白壁の土蔵など古い街並みが残る。

6月半ば、約5万人が住むこの街の郊外を社会福祉法人「みのり福祉会」の村田実前理事長(76)が前事務長を従えて回っていた。

村田氏は県議会議長も務めた県政の実力者だった。だが、2011年の県議選で落選し、復活を期す。

「施設の入居者の7、8割は後援会員の家族だし、地域のためにこれからもがんばって施設をつくると言って回っている」

高額な賃貸料

鳥取県は「県議の社福王国」だ。社福理事長を歴代議長の7人が務めていた。ここ10代では5人もいる。

こうした元議長が運営する社福3法人がこの数年で、立て続けに県から改善を命じる行政処分を受けた。理事長らが私物化している例があると認定されたからだ。村田氏のみのり福祉会もその一つだった。

倉吉市郊外に、みのり福祉会が運営する特別養護老人ホームなど20あまりの施設の多くが集まる「福祉の里」がある。県は11年9月、ここから村田氏側に多額のお金が流れていたとして処分を出した。

県が指摘した仕組みの一つが、特養の駐車場や菜園、園庭などから得る「高額な賃貸料」だ。

村田氏や親族の土地をみのり福祉会に購入させながら、所有者の名義を変えず貸し出す形にしていた。賃貸料として毎年800万円近い金が払われたという。

社福の運営と県議の活動を混同する例もあった。県の調べでは、みのり福祉会から村田氏の支援者らの葬儀の香典代として約630万円も出されていた。

みのり福祉会が運営するグループホームの元職員(53)は選挙にかり出された経験がある。「上からの指示で戸別訪問や後援会の名簿づくりをやらされた」

名簿集めのノルマは200人だったという。投票日の1カ月前になると、自分が住む地区の支持者宅などを回り、勤務時間中も入居者が昼寝をする午後に出かけた。

障害者施設の元職員(69)は、後援会長といっしょに金を配ったこともあるという。金は後援会長が持ってきたが、「施設で余った金ではないかとみんなで話していた」と語る。

鳥取県東部の八頭(やず)町にある社福「やず」も13年9月、県から処分を受けた。議長を務めた山根英明元県議(81)が理事長をする。

やずでも「高額の賃貸料」が問題になった。山根氏の土地を山根氏の建設会社グループの関連会社が買った後、やずが特養の駐車場に使って賃貸料を払っていた。その関連会社の社長は山根氏の次男だった。

「土地を関連会社が買っていたとは知らなかった。賃貸料も試算した額より7割ほど高かったが、理事長から『まあそうせえや』と。従うしかなかった」。元専務理事はそう話す。

長男と次男がほとんどの株式を持ち、役員をしていた食品販売会社にも金が流れる仕組みができていた。施設の給食や食材などはこの会社を窓口にして購入され、この会社には「加工代」の名目で納入価格に10〜15%が上乗せされた分が施設から支払われていた。

その分の総額は06年から計2170万円に及ぶ。だが、購入していたのは、加工する必要のない調味料や健康飲料、切り身の魚などだったと県は指摘する。

「県議は地元のまとめ役で、地域の問題解決を託される。社福の理事長と共通する」。社福の理事長を務めたことがある鉄永幸紀元議長はいう。

福祉が充実していない時代に、地域や親の求めにこたえて保育所などを始めた社福もあった。村田氏は「先祖の田んぼをつぶして施設をつくり、地域に貢献してきた」と言い、山根氏も「社福は地域のためにやってきた」と強調する。

■15億円を流用

だが、「福祉の原点が忘れられた」と関係者はいう。県議の社福に厳しい目が向けられるようになったきっかけが、09年秋に鳥取市にある社福「あすなろ会」で約15億円の不正流用が明らかになった問題だ。

当時、議長も務めた浜崎芳宏元県議(85)が理事長、長男の晋一県議(59)が副理事長をしていた。

県の調べでは、あすなろ会から、介護報酬や施設建設のために銀行に借りた金が建築資材販売会社の運転資金などに流用され、半分以上が返せなくなっていた。この会社は父の芳宏氏が起こし、長男の晋一氏が社長を務めていた。

「本部から各施設長に余剰金を上納するよう指示がきた。社福の理事もいいなりの人を選んでいたから誰も止められなかった。個人商店のようだった」。退職した元施設長はそう話す。

県内では、米子市などの西部、倉吉市などの中央部、鳥取市などの東部で、それぞれ議長経験者が理事長をする社福が施設整備などで影響力を持ってきた。

なかでも、浜崎氏は「建設」と「福祉」という地方を支える仕事を持つ県議として知られていた。公共事業の削減で建築資材販売会社の経営は不振に陥ったが、その穴を埋めたのが介護保険から安定した報酬が入る社福の金だった。

浜崎氏の建築資材販売会社は結局、破綻(はたん)した。だがそのやり方をみていて、ほかの県議や建設業者らが福祉に乗り出していた。


■行政との二人三脚、背景に

県議の社福王国ができた背景の一つには行政との二人三脚もある。00年に介護保険制度ができ、特養などの施設整備を急ぐ必要ができたのがきっかけだった。

「前からも特養は不足していて、保険料を負担するのに施設に入れないとなれば不満が強まる。そこで力のある社福に声をかけ、施設をつくるなら乗っかろうというのはあった」。当時の県の担当者は振り返る。

その担い手が県議の社福だったという。当時の担当者は「県議もそれを感じ取った。県議は情報が早いから、(施設建設の認可を出す)市町と話をつけ、公募もせずに県議の社福がつくることが決まっていった」と打ち明ける。

鳥取県の人口は約57万人で、10年の国勢調査では65歳以上の高齢者の割合が26・3%と全国で13番目に高かった。高齢化とともに社福の存在感は高まっていった。

ある県議は「介護事業計画でどこに施設を重点的につくるかがわかり、土地の確保も早めに手を打てる。議員バッジをつければ、役所が説明にも来る」と話す。別の県議は「地元からの要望も福祉関連が増えた。特養に入るのも就職の世話も社福を持っていればできる。企業が少ない鳥取では社福は雇用の受け皿だ」という。

1999〜07年に鳥取県知事を務めた片山善博・慶大教授はこう分析する。「県議は施設が増えるほど選挙に有利になり、政治家として力が増すメカニズムが働いていた」


■鳥取県の指摘と理事長側の言い分

【あすなろ会】
◆鳥取県の指摘(改善を命じる行政処分を出した年月)
介護報酬や社福名義の借入金が理事長の会社で使われ、流出した9億2千万円が未回収(2010年2月)
◆理事長(前理事長)側の言い分
「専務理事らが独断でやった。社福からの流用は知らなかった。父親は福祉を純粋にやっていた」(浜崎芳宏前理事長の長男で副理事長だった浜崎晋一県議)
*回収されていない資金の返済をめぐり、銀行と社福が係争中


【みのり福祉会】
◆鳥取県の指摘(改善を命じる行政処分を出した年月)
不明朗な土地取引や理事長への高額な賃貸料、香典代など1億1千万円の不適切な支出(11年9月)
◆理事長(前理事長)側の言い分
「土地取引は社福のためにした。賃貸料も大半は行政書士らに聞いて決め、施設の投資などに使った。選挙資金も議員報酬を使ってきた」(村田実前理事長)
*社福が前理事長に対して約2億円の損害賠償を求めて提訴。土地を社福名義に書き換え、賃貸料も一部返還


【やず】
◆鳥取県の指摘(改善を命じる行政処分を出した年月)
理事長の親族会社への高額な賃貸料や実態のない加工代金など、5500万円の不適切な支出(13年9月)
◆理事長(前理事長)側の言い分
「賃貸料は高額とは考えない。支払いを(親族会社に)一元化したのは効率化などがねらいで、社福に損害を与えていない。社福をやったのは地域のためだ」(山根英明理事長)
*賃貸料は3割引き下げ、加工代は返還額を交渉中

■2014.6.26  岐阜市の訪問介護事業所、780万円を不正受給 訪問介護そがや 有限会社輝らら
岐阜市は、6月16日、訪問介護計画書の未作成などによる介護報酬の不正請求で、市内の訪問介護事業所「訪問介護そがや」を運営する「輝(き)らら」に対して、運営事業者の指定を取り消すと発表した。

不正が認められたのは2013年6月から2014年3月までの10ヶ月間。同市では、事業所が不正に受領した介護給付費計約780万円(概算額)に加算金を含めた約1,080万円(同)を返還するよう、輝ららに求めるとしている。

■事業者の名称:: 有限会社 輝らら(代表者 桐山禮子)
■事業者の所在地:: 岐阜市曽我屋6丁目37番地6
■事業所名称::訪問介護そがや
■事業所所在地: :岐阜市曽我屋6丁目36番地2
■サービス種別:訪問介護・介護予防訪問介護
■指定取り消しの日:2014年6月16日

■処分の理由
・不正請求
事業開始時から、介護支援専門員が作成した居宅サービス計画に基づいた訪問介護計画書の作成や、訪問介護計画書の変更に係る一連の手続きを行わず、居宅サービス計画によってのみ介護サービスを提供していた。それにもかかわらず、介護給付費を不正に請求・受領した。
・虚偽の報告
 監査において、サービス提供責任者が実際に勤務していなかった2013年6、7月分の虚偽の「タイムカード」及び「給与明細書」を提出した。

■2014.6.26  介護報酬不正請求 介護付き有料老人ホームさくらの郷
介護報酬を不正請求したとして、横浜市は25日、同市緑区鴨居4の介護付き有料老人ホーム「さくらの郷」について、介護保険法に基づき介護報酬を7月1日から9カ月間、3割削減する処分を発表した。市は時効が成立していない過去2年間分の不正請求額計約899万円を確認、加算金約359万円を合わせた計約1258万円を返還請求する。

市高齢施設課によると、さくらの郷は2009年4月、横浜、相模原、座間市で5事業所を運営する事業者「Brain」(桜井政紀社長)が開設。昨年9月に匿名の情報が市に寄せられたため調査したところ、基準の人員を満たしていないにもかかわらず、減算手続きを行わずに10年10月〜13年5月まで、介護報酬を全額請求していたことが発覚したという。

桜井社長は市の聞き取りに、「収入が減ることを恐れ、不正請求をしてしまった。反省している」と説明したという。

■2014.6.26  高知県内の3万人が介護サービス2割負担の対象に
公的介護保険のサービスを受ける場合、現在は原則1割となっている利用料の自己負担率が来年8月以降、一定以上の所得がある人は2割に引き上げられる。所得の「線引き」は政令で今後定められるが、国が想定している水準に基づくと、高知県では65歳以上(第1号被保険者)人口の約14%、3万人余りがサービスを受ける際に負担増の対象になることが25日、分かった。

■2014.6.26  介護施設入所者殺害 「自白の誘導ない」 警察官が証人出廷 地裁公判 /広島
東区の介護施設で2012年12月、寝たきりの高齢女性が布団に火を付けられ殺害された事件で、殺人と建造物等以外放火などの罪に問われた安芸太田町の元介護福祉士、入沢亜加音被告(22)の裁判員裁判の公判が25日、広島地裁(伊藤寿裁判長)であり、取り調べ担当の男性警察官が証人として出廷し、「自白の誘導は全くしていません」と述べた。入沢被告は捜査段階では犯行を認めていたが、公判では一転して無罪を主張しており、自白の任意性や信用性が争点となっている。

男性警官は検察側の尋問に対し、入沢被告の自白について「(火災現場の状況と内容が異なっていても)私からどこが違うとは言っていない」として誘導はしていないと主張。威圧的な取り調べもしていないと話した。

■2014.6.27  はつらつ介護予防教室「わくわく脳トレ講座」を実施 高松市
ゲーム機を使って脳トレ
高松市では、はつらつ介護予防教室として、「わくわく脳トレ講座」を高松市保健センターにて実施する。

この取り組みは、要介護状態になるおそれのある者が、ゲーム機(Wiiなど)を使い、気軽に楽しみながら脳を活性化することで、自ら介護予防をすることを目的とし、香川高等専門学校と協働して行われるという。

講座内容
「わくわく脳トレ講座」は、7月4日(金)から全6回。初回のみ、「脳が活性化する仕組みについて」等の講演を予定しており、講師は香川高等専門学校教授と在校生10名だ。

講座の対象者は、70歳代の、基本チェックリストにて生活機能低下が認められ、介護予防に取り組むことが望ましい者とし、先着50名を予定している。

子どもたちに親しまれているゲーム機を使った、脳トレや、やったことのないスポーツも簡単かつ気軽に楽しめる内容で、介護予防についての軽い運動時間もあり、栄養、口腔ケアの話も聞くことができるという。

なお、参加費は無料だ。


問い合わせ先
当日は身軽な服装で、お茶などの水分やメガネを持参するよう呼び掛けている。

問い合わせは、高松市地域包括支援センター「あんしんサポート」介護予防係まで。

■2014.6.27  MRIで自閉症特有の脳の動きを発見 福井大
幼少期の早期発見や治療などの応用に期待
福井大子どものこころの発達研究センターを中心とした共同研究チームが、磁気共鳴画像装置(MRI)で、発達障がいの一つである「自閉症スペクトラム障がい」特有の脳の動きを確認したと6月18日に発表した。

研究により、脳にある2つの部分の連携が、障がいのある人は弱い傾向にあることが分かった。今回の発見は、6月11日の電子版英科学雑誌「Molecular Autism」に掲載された。

自閉症スペクトラムの診断は、診断基準もあるが行動観察によって診断される。このため、医師によっては判断に差がつくことがあるという。そういった点からも、今回の発見が客観的な判断指標につながることが期待される。


安静状態の脳活動パターン
自閉症スペクトラムの傾向は、脳の中にある、相手の気持ちなどを理解する内側前頭前野と、過去の出来事を思い出したり、他人と自分を比較したりする後部帯状回(たいじょうかい)の活動の連携が弱いことにある。

MRIで撮影する時間は約8分。目を閉じてリラックスした状態で調べる。同センターの調査で、自閉症スペクトラムと診断された16〜40歳の男性19人と、障がいがない19〜35歳の男性21人をMRIで調べたところ分かった。これが判断の目安となるかもしれない。

女性や幼児などでも同じような結果になるのか。今後の研究に注目していきたい。



福井大子どものこころの発達研究センター
http://www.med.u-fukui.ac.jp/cdrc/

研究成果の発表
http://www.med.u-fukui.ac.jp/cdrc/img/20140618_presshappyou.pdf

■2014.6.27  懲戒解雇:施設入居者の現金、訪問介護職員盗む 練馬 /東京
練馬区社会福祉事業団(萩原潔理事長)は26日、訪問介護の利用者の所持金11万円を盗んだとして、50代の女性常勤職員を18日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。

事業団によると、職員は3月下旬、担当していた高齢者介護施設に入居する女性の部屋で、棚にあった現金11万円を盗んだ。2日後に金を返そうと部屋を訪れ、女性の家族と鉢合わせ。不審に思った家族が翌日面会すると、盗みを認め返金した。職員は「出来心で盗んでしまった」と話したという。

■2014.6.27  3つあったら要注意 「認知症」初期段階危険度チェックリスト
まずは、次の項目を見てほしい。

◆自分でできる「認知症初期段階の危険度チェック」

□このごろ、物忘れがひどいと思う
□頻繁に置き忘れや探し物をする
□何かしようと思っても、何をしようとしたかすぐ忘れてしまう
□億劫で、何事もやる気が起きない
□覚えていたはずの漢字が書けないことがよくある
□今日が何日だったか、よく忘れる
□家電製品やスイッチの操作にまごつくことが多い
□会話で、言葉がすらすら出てこない
□新聞を読むことが以前より少なくなった


物忘れや、置き忘れなど認知症の初期の段階の症状を自分自身で確認するものだ。9つの項目があるが、いくつあてはまるものがあっただろうか。

この「簡単チェックシート」を作った浴風会病院精神科の須貝佑一医師が言う。

「医薬品メーカーなどがよく使う、ボケの危険度セルフチェックです。一般的には、3つ程度の該当項目があれば要注意だといわれています」

そもそも認知症の症状には、次のようなものがあるという。須貝医師はこれを「認知症であるための三つの条件」と呼んでいる。

(1)
記憶障害(覚えられない、思い出せない)がある

(2)
以下の項目が一つ以上あてはまる ・計算や書字など習い覚えた能力の低下 ・思考力や判断力の低下 ・言葉を忘れ、話がまとまらない(失語) ・慣れた動作、操作ができない(失行) ・物や人が識別できなくなる(失認)

(3)
(1)、(2)で該当した項目のために以前と違って社会生活や日常生活に支障が起きている(ただし、精神疾患などでない) 「こうした3つの条件がそろってはじめて認知症だといえます。物忘れを自覚してセルフチェックの該当項目が多くなっても、必ずしも認知症とは限らないのです」(須貝医師)  

■2014.6.27  外国人の看護師・介護福祉士、既に2割が帰国
インドネシア、フィリピンとの経済連携協定(EPA)に基づき、両国から看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる制度で、国家試験合格者の約2割にあたる82人が既に帰国したことが26日、明らかになった。

日本政府は今月発表した成長戦略で、介護分野の働き手として外国人留学生の活用を掲げている。資格取得後も外国人が日本に定着するための制度見直しが求められそうだ。

厚生労働省の集計によると、制度を利用して入国した看護師・介護福祉士の候補者は2008〜13年度に計1869人。

このうち計402人が国家試験に合格して資格を取得したが、今年6月現在、就労しているのは計320人にとどまり、残る82人は帰国していた。合格後に帰国したのは、インドネシア人が68人(合格者の26・7%)、フィリピン人が14人(同9・4%)だった。

■2014.6.27  「自立へ共助」障害者の家 NPOシェアハウス
障害者の就労を支援する神戸市のNPO法人「ウィズアス」が、障害者同士が助け合いながら自立生活を目指すシェアハウス「Re-Smile(リ・スマイル)」を同市内に開設し、5月から5人が入居を始めた。

「自分の好きなように笑顔で暮らしたい」との障害者の要望に応えるため、男女別の個室のほか、車いすで調理しやすい設計の台所も完備。食事や入浴、就寝の時間を入居者が自由に決められるように配慮した。

旅行中の障害者の介助にも取り組んできたウィズアスのメンバーは、介助を担う障害者の父母が高齢化するにつれ、負担が増している現状を目の当たりにした。軽減のため、施設のショートステイを利用するケースもあるが、施設では決められた時間に入浴や食事、就寝しなくてはならないことを、窮屈に感じる障害者も多いという。

そのため、NPOでは、プライバシーが守られた空間で、障害者が自分の思い通りに生活できるシェアハウスの建設を発案。JR新長田駅の北側の市有地を競売で取得した。総工費1億8000万円をかけて昨年10月に着工し、今年4月末に4階建て延べ約700平方メートルのシェアハウスが完成した。名称には「もう一度みんなでニコニコしよう」との願いを込めた。

1階は住人らの交流スペースで、4階は児童向けのデイサービスに活用する。2階は女性用、3階には男性用の個室を各4室設け、共同の台所やトイレ、風呂も設置した。入居者は外部の介護サービスなどを利用できる。家賃は、月額4万5000円〜5万5000円に設定した。

入居者の坂田暢子さん(33)は「買い物に出かけて行動範囲も広がり、地域に溶け込んでいる実感が出てきた」と喜ぶ。

脳性まひの迫田博さん(37)の母・歌子さん(66)は「いずれは親元を離れて自立させないといけないので、入居できて安心した。今後は一人暮らしが目標です」と話した。

今月14日には、福祉関係者ら約80人を招き、見学会を開催。7月には新たに男女2人が入居予定だという。 同NPOの鞍本長利理事長は「こうした形態の家を必要としている人は多いはず。取り組みが全国に広がってほしい」と話している。

シェアハウスでは、利用者をサポートするボランティアも募集している。問い合わせは、「Re-Smile」(078・642・0977)まで。

■2014.6.27  障害者と銭湯に 尼崎のNPOが「おふろプロジェクト」
重症心身障害者のヘルパー派遣を行う尼崎市のNPO法人「月と風と」(兵庫県尼崎市東園田町4)が29日、利用者と一緒に銭湯で入浴を楽しむ「劇場型銭湯2014」を開く。銭湯に行く前に、法人事務所で、利用者が自身の人生について語りながら、歌を披露するライブのほか、スタッフが書き下ろした脚本による演劇「のばす手」なども行われる。

同法人は2006年に発足し、ヘルパー派遣事業とともに、事務所で書道や詩を作る教室などアート活動もしている。

障害者と地域住民が気軽に出会えるきっかけづくりとして、13年から地元の銭湯に行く「おふろプロジェクト」を開始。今回で4回目となり、これまで約150人が参加している。

清田仁之代表(39)は「障害者と話したこともないけど、音楽や演劇が好き、銭湯を楽しみたい人に一度参加してほしい」と話している。

午後1時開始。同1時半からライブ、同3時から演劇。同4時から銭湯で入浴する(無料)。他の障害者団体の商品の販売やカフェも開く。銭湯体験に参加するとオリジナル手ぬぐいをプレゼントする。

■2014.6.28  認知症の母の財産、使い込む後見人を解任するには
認知症の母の財産を管理する「後見人」として、家庭裁判所から1年前に選任されたAさん。そのAさんについて最近、「金遣いが急に荒くなった」という噂が立っている。ひょっとしたら母の預金を使い込んでいるのではと、心配する弟のBさん。どんな対応が考えられるのか。

認知症や知的障害などにより判断能力が不十分である人を想定し、その財産を守るための仕組みとして成年後見制度があります。家庭裁判所に申し立てることにより、親族か、弁護士や司法書士といった専門家が「後見人」となり、財産管理や契約行為をする役を担います。


後見人には、子どもや配偶者などの親族が選ばれるケースが全体の4割です。身内でありながら後見人としての務めを果たさず、預金を勝手に引き出して使ってしまうといった例が起きています。

後見人は、財産管理の実情について帳簿などの提出を通じて家裁に報告しなければなりません。後見人の中には、そうした報告を頻繁に怠る人もいます。

後見人に不正行為や職務怠慢が見つかった場合、周囲の親族などはその解任を求めて家庭裁判所に申し立てることができます。悪質な場合には、家裁は職権によって後見人を解任することが可能です。

家裁に相談すると、まずは後見人とよく話し合って解決するよう促されます。話し合いで済まないのであれば、解任理由を文書に書いて家裁に提出します。不正についてはその証拠を掲げることも重要です。

後見人に問題あり、と家裁が判断したとしましょう。その後の対応は主にふたつあります。ひとつは、解任の申し立てを受理するケース。家裁は後見人の陳述を聞いたうえで解任し、別の人に替えることができます。

もうひとつは、後見人に自主的に辞任を求めるケースです。後見人は辞任しても責任から逃れられるとは限りません。例えば私的流用があった場合、損害賠償などの民事責任や業務上横領罪などの刑事責任を問われる可能性があります。

最近では、親族ではなく、弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選ばれることが増えています。最高裁判所の2013年統計によると、親族以外が後見人になった比率は57.8%と、前年より6ポイント強高まりました。親族間で予想されるトラブルを家裁が避ける狙いもあります。

後見人がきちんと仕事しているかをチェックする仕組みもあります。「後見監督人」といい、必要に応じて家裁が職権によって選任します。

司法書士の村山澄江さんは、「親族が後見人となる案件で裁判所が後見監督人をつけるケースが増えてきた」といいます。管理する財産が多額で内容が複雑であるほど、後見人はより重大な責任を求められます。

■2014.6.28  特養入所6人の預金800万円着服 北海道・鹿部の福祉施設職員
社会福祉法人渡島福祉会(渡島管内鹿部町、佐々木博史理事長)が経営する渡島リハビリテーションセンターの男性職員(39)が、同センター内にある特別養護老人ホームに入所する高齢者6人の預金約800万円を無断で引き出し、着服していたことが27日、分かった。職員は全額を弁済しており、刑事告訴しない方針。同センターは、この職員を30日付で懲戒解雇処分にする。

同センターによると、この職員は2012年から14年の初めごろにかけて、入所者6人の預金について「(入所者が)自分の家族に渡すために払い出ししたいと言っている」などと虚偽の申請を行い、口座から引き出していた。入所者からの預かり金の取り扱いは、この職員1人に任されており、被害額が500万円近い人もいるという。

■2014.6.28  1400万円着服 特養職員が入所者口座から 横浜市指導へ  社会福祉法人横浜博萌会
横浜市戸塚区にある特別養護老人ホーム「しらゆり園」の40代の男性職員が入所者の通帳から無断で金を引き出し、総額約1400万円を着服していたことが27日、分かった。施設側から事実関係について報告を受けた横浜市は近く立ち入り調査し、実態を把握した上で行政指導する。

市や施設関係者によると、男性職員は入所者から預かった通帳や印鑑を1人で管理する立場にあった。2009年7月から今年5月にかけ、物品を購入したことにするなど架空の名目で現金を口座から引き出していた。

約120人の入所者のうち施設が通帳を預かっているのは14人で、うち10人が被害に遭っていた。いずれも身寄りがなく、大半は認知症の症状があるという。

今月2日、別の職員が施設の台帳を確認したところ、領収書のない出金が複数見つかったため男性職員を問いただしたところ、無断引き出しと私的流用を認めた。生活費などに充てていたと説明しているという。

男性職員は既に全額を返済。施設側は23日付で懲戒免職とし、管理職を減給処分とした。

施設を運営する社会福祉法人「横浜博萌会」(同市戸塚区)の常務理事は「最も許されない不正行為を長期間見過ごしてしまった。再発防止のため対策を講じ、被害者に謝罪するとともに信頼回復に向け一丸となって取り組む」と話した。

横浜市高齢健康福祉部は「被害が高額で、長期間にわたって放置されている点は重くみている。事実関係を把握した上で厳しく指導する」としている。

■2014.6.28  昨年度の過労死133人…12年連続100人超
過労で脳出血や心筋梗塞などを起こして死亡し、2013年度に労災認定された人は133人で、12年連続100人を超えたことが、厚生労働省の調査で分かった。

27日には過労死等防止対策推進法が公布され、今後は背景の調査研究や、効果的な防止策が課題となる。

発症前の残業時間の1か月平均は「80〜100時間未満」50人、「100〜120時間未満」28人と多く、同省は「長時間労働が過労死の大きな要因」としている。

業種別では、トラック運転手などの「運輸業、郵便業」41人が最も多く、次いで「製造業」19人、「建設業」17人など。

また、職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症し、13年度に労災認定された人は436人で、1983年の調査開始以来、2番目に多かった。うち自殺や自殺未遂を図った人は63人。436人のうち3割は、発症前の残業時間の1か月平均が80時間以上に達していた。

■2014.6.28  「ケアごはんアイデアコンクール」のレシピを公開中 静岡県
静岡県は6月23日、「2013年 ケアごはんアイデアコンクール」で入選した作品のレシピを公開した。

「ケアごはんアイデアコンクール」は、「介護」への関心と理解を高めるために、「おじいちゃん、おばあちゃんが喜ぶ食べやすくおいしそうな料理のアイデア」をテーマにした、「ケアごはん」のレシピコンテスト。

2013年のコンクールには、151作品が応募があった。その中から選ばれた、最優秀賞をはじめとする9作品のレシピが、現在公開中だ。

飲み込みやすく、おいしそうな9つのレシピ
作品は「親子の部」、「中・高校生の部」、「一般の部」の3部に分けて募集された。

「親子の部」最優秀賞の「かぼちゃのつめもの・桜海老入りあんかけ」、「中・高校生の部」最優秀賞の「ふわふわがんもどきのあん仕立て」といった、栄養バランスがとれている上に、高齢者でも食べやすい“とろみ”のある作品。富士山を型どった見た目も美しい作品など、食卓を明るくする料理がそろった。

静岡県では2014年も、「ケアごはんアイデアコンクール」を開催する。現在作品を募集中だ。応募期間は、6月23日〜9月30日で、応募用紙は静岡県のホームページからダウンロードできる。

静岡県/2013年ケアごはんアイデアコンクール入選作品のレシピを公開します
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/keagohan.html

静岡県/2014年「ケアごはんアイデアコンクール」作品募集中!
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-220/kaigo.html

■2014.6.28  介護人材と中年童貞 介護という美名のもとに集う人々  
中村 淳彦
日本のノンフィクション作家

私は出版不況の煽りで別の仕事にも挑戦してみようと08年から、小さなデイサービスの運営に数年間関わった。高齢者の人数は団塊世代が後期高齢者になる2025年まで右肩あがりであり、高い重要があるのでなんとかなるだろうと思っていたが、介護施設を運営するのは本当に大変だった。よく言われる重労働とも違う。とにかく精神的に追い詰められる。

介護業界は「特殊」と言われているが、本当に「特殊」である。一言で言えば、異常な介護人材が著しく多いのである。

私を含む本業に暗雲が立ち始めた零細経営者、すでに社会から弾かれた人材、お金と社会的名誉の両方を掴みたい自己顕示欲の強い経営者や社会起業家、安定だけを求める個のない人々、圧倒的需要を利用しようとする雇用政策関係者、そして行き場のない中年童貞などが介護福祉という美名のもとに群がり、様々な思惑が複雑に絡ませあっておかしな状態を生んでいる。私はライターとして一般的に壊れているとされるAVや性風俗、裏社会の取材を続けてきたが、介護ほど深刻に壊れている世界を過去に目撃したことがない。どんなに巨大な需要が待っているとわかっていても、離職が高く、逃げる人が多いのは現状を眺めていると当然だと思う。

介護人材には大量の中年童貞が存在している。異常な人材不足のため、誰でもほぼ無条件で採用される敷居の低さと、社会的に必要というアナウンスが招いた実態である。性体験と仕事の能力は直接関係するわけではないので、全員が該当するとは言わないが、性経験のない介護職員が、介護施設でどのような行動をしているのか描写をしたい。

お泊り小規模デイサービスの常勤介護職員である坂口(仮名)は、女性と性体験や恋愛をした経験のない44歳である。

子供の頃から肥満体質で30代後半から髪の毛も薄くなってきた。住んでいる家は実家で親元を離れたことは一度もなく、自室の掃除や家事洗濯などは今年78歳になる母親にやってもらっている。いわゆるパラサイトシングルである。

小規模デイサービスは24時間営業、週5回シフトに添って勤務をしている。週に一度のペースで夜勤があり、持病で糖尿病を持っているため疲れやすく、時間が不規則なのがキツいようだ。 

坂口は前職、契約社員として倉庫で仕分けの作業をしていた。

09年の世界的不況の煽りで会社が事業を整理縮小することになり、次年度の契約更新はしないと通達されている。介護の道に進もうと思ったのは、ハローワークの相談員に薦められたからである。ハローワークから同じような倉庫の仕事をいくつか紹介してもらって面接に行ったが、採用されることはなかった。相談員に「年齢経験を問わない求人は、介護施設が多いです。ヘルパー2級講座(現介護初任者研修)を無料で取得できる制度がありますし、挑戦しているのがいいのでは?」と提案をされたのだ。

坂口がハローワークから提案されたのは、厚生労働省による「重点分野雇用創出事業」の失業者を対象としたヘルパー2級講座の受講である。

介護事業所に異常な人材や中年童貞が激増したのは08年、世界的な金融危機で景気がさらに落ち込んで失業者が激増したリーマンショック以降である。麻生政権時に厚生労働省が失業者対策として大々的に「緊急雇用創出推進事業」を打ち立て、民主党に政権交代してから長期雇用に結びつく「重点分野雇用創出事業」に移行している。

厚生労働省のホームページによると、事業概要は「地域の雇用失業情勢が厳しい中で、都道府県に造成した雇用創出のための基金を活用し、介護、医療、農林、環境等成長分野として期待される分野における新たな雇用機会を創出するとともに、地域のニーズに応じた人材を育成し雇用に結びつけるための事業を実施するものです」として、「介護、医療、農林、環境・エネルギー、観光、地域社会雇用の重点分野における雇用の創出を図る事業です」と、介護は筆頭に掲げられている。

要するに失業者を人材不足の産業に送り込むという国策である。介護は高齢者の命を預かる専門職だが、この政策以降、介護現場の末端は全国的にムチャクチャなことになっている。この「重点分野雇用創出事業」は厚生労働省が主導となり、地域の実態に合わせてそれぞれの都道府県が実行したが、極めつけだったのが、ホームレスの自立支援として実地された東京都の「TOKYOチャレンジ介護」である。

歌舞伎町にある東京都健康プラザハイジアに「離職者、一定所得以下の者を対象に、ホームヘルパー二級を取得する意思があって介護職への就職を目指す」ことを目的とした相談所が、平成21年3月5日に開設されている。

離職者支援コースと資格取得コースがあり、離職者支援業務は住宅を用意して生活資金45万円、就職一時金50万円を上限に資金貸付、ホームヘルパー二級講座の受講料は全額助成という手厚いもので、金銭目的で参加するには十分すぎる条件である。所得制限のある資格取得コースは、講習費の10万円を助成で、どちらかのコースで資格取得した失業者を六か月以上採用した事業者には、60万円の助成金が支給される、という内容だった。東京都が公表している「実施計画」を見てみよう。


東京都が平成十六年七月、「ホームレスの自立支援等に関する東京都実地計画」を策定してから五年が経過します。この間、都区共同事業による緊急一時保護センター及び自立支援センターを柱とする自立支援システムや、公園等のテント生活者に借上げ住宅を二年間低家賃で提供し、自立を促す「ホームレス地域生活移行支援事業」の実施効果もあり、都内ホームレスは5500人から2600人へと大幅減少しました。

しかしながら、現下の厳しい経済・雇用情勢のもと、特に昨年秋以降の派遣労働者の解雇、雇止め等もあり、ホームレスを取り巻く状況は予断を許さず、引き続き積極的にホームレス対策に取り組む必要があります。

ホームレス問題は個々の自治体の取り組みだけではその抜本的解決は困難であり、第一義的には国がその責務を果たすべき課題です。そのため、都はこれまで国に対して就労・住宅・福祉などの総合的な対策の確立や自治体の取り組みに対する財政負担の拡充を求めてきました。

同時の独自の取り組みとして「ホームレス地域生活移行支援事業」を実施するとともに、住宅喪失不安定就労者を支援するための生活相談・居住相談・就労相談を行う「TOKYOチャレンジネット」や、離職者支援と介護人材確保を図る「TOKYOチャレンジ介護」を新たに開始するなど、社会経済状況の変化に的確に対応する施策を展開してきました。(平成二一年十月 ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画)



介護は専門的知識と経験に基づいてサービスを提供する専門職であるのに、目を疑う内容である。ホームヘルパー2級講座は8時間の座学を8日間、介護施設で2日間の研修で取得できてしまう簡単なもので、資格が介護人材としての能力やスキルを担保する資格ではない。訪問介護ではホームヘルパー2級の有資格が必須であるが、ほとんどの施設ではホームヘルパー二級は無資格未経験と同じ扱いとなっている。 

介護事業所に社会人として首を傾げる異常な人材や、中年童貞などが激増したのが、この都道府県の「重点分野雇用創出事業」が始まってからである。
ズレっぱなしの日常

介護―――坂口は、その職業のことを考えたこともなかったが、これからは超高齢化社会が来ることは知っている。国の補助があって無料で資格がとれる、しかも将来性があって仕事にあぶれるってことはなさそうだ。坂口は介護という職業は、社会貢献ができて人から尊敬される、素晴らしい仕事だと思った。介護の道に進むことを決めた。

週一回、日曜日に開催される2カ月間講習、特養老人ホームでの2日間の実習が終わってヘルパー2級を取得した。

ヘルパー2級講座の修了証をもらったとき、坂口は倉庫で働いていた同僚より何段階も上の人間になったと思った。講習中から介護施設で働くことを決めていた。平日の空いている時間を使って、どんな施設で働こうかと考え続けた。

坂口はヘルパー2級の受講中、近所の特養老人ホーム、介護健康保険施設、グループホーム、デイサービスと、いくつもの施設に足を運んで見学をしている。様々な種類の施設をまわって、案内をしてくれる職員たちと介護のことについて語った。自分が社会に参加しているような気がして楽しかったが、足を使って念入りに調べた一番の理由は、どの介護施設が一番楽かということだった。介護は重労働で大変と聞いている。少しでも仕事が楽で、職員同士の上下関係がなく、すぐに立場が上になるような施設がよかった。

特養と老健は、入居者と職員の数が膨大だった。訊けば職員だけで80人を超えているという。見学をしたときも、勤務している介護職員たちは忙しそうに動きまわっていた。特養老人ホームは大変な上に、上下関係がありそうで嫌だなと思った。サービス業の世界ではその店に入った順番のヒエラルキーがあったりする。大きな施設は、年下に偉そうにされそうだなと思った。グループホームとデイサービスは職員も利用者も少なく、楽そうで悪くなかったが、職員に若い女性や男性が多く、やっていけるか不安がよぎった。最後に見学をしたお泊り小規模デイサービスは開設からまだ3カ月、上下関係があっても知れている。それに利用者が数人しかいないので、なにより仕事が楽そうだった。非正規の時給からスタートで短期間での社員昇格もあるようだし、小規模デイサービスが、最も坂口が求めている職場環境に近かった。

介護は不人気職の筆頭で、さらに離職が高く、常に人手不足の状態が続いている。景気が上向くと不人気職はさらに避けられる傾向があり、需要があるので新設の施設ばかりが増えて人が足りないという深刻な状態に陥っている。

全国的に介護職を希望して、職にあぶれるという人は存在しない極端な売り手市場である。健康な人間が面接に行けば採用されるのは当然であり、未経験の中年男性でも採用をされる。採用の敷居が極端に低いので、自分にマッチする職場か見学をしたいという求職者が現れる。「自分のマッチ」などとカッコつけて言っているが、その多くはどの施設が楽かという職探しである。

無条件の採用はなにか不満があればすぐに隣の施設が採用してくれるため、高い離職率の原因の一つになっている。

新設の小規模デイサービスに働きたい意思を伝えると、すぐに採用となり、明日からでも来て欲しいとのことだった。坂口はヘルパー2級の資格を取得した自分は、どこからも必要とされるすごい人間になったのだ、と思った。

デイサービスなので送迎、バイタル計測、レクレーション、入浴、食事介助といろいろ仕事はあり、介護職の女性現場リーダーである山崎に仕事を教えてもらうことになった。山崎は未婚の37歳、利用者や利用者家族、職員たちに信頼される優しく真面目な女性だった。

「○○さんは認知症の方なので、見守りは怠らないでください。転倒の可能性があるので立ち上がったときは、必ず介助してください」

山崎は坂口の年齢を考慮しながら、一日も早く一人前の介護職員になってもらうために丁寧な言葉を使いながら指導をした。新人研修はOJTと呼ばれている。介護は高齢者ひとりひとりの状態や性格、習慣が異なるため、伝えることは必然的に細かくなってくる。

「あなたに言われたオムツの補充をしていたんですよ!」

坂口は逆キレした。山崎に指示されてオムツの補充している最中で、注意されたことに納得がいかなかった。

3日後にまた同じ認知症の利用者さんが突然立ち上がって転倒しそうになったとき、山崎から「ちゃんと見守りしてください!」と厳しく注意をされた。坂口は同僚のパート職員である平井が転倒しそうな利用者の近くにいたので、「近くにいた平井さんもまったく見てないじゃないか!」と怒鳴って言い返した。

平井は無資格者で、介護福祉士どころかヘルパー2級も所持していなかった。

どうして、ヘルパー2級を所持している俺が、そんな無資格者と一緒に働かなくてはならないのだ。坂口はそう思っていた。挙げ句に俺だけが注意されるなんて、山崎は平井を贔屓している、なんて腐った職場だ――坂口は不満で爆発しそうだった。

介護施設では高齢者を事故によってケガさせること避けるため、見守りという安全を確保する作業が最優先される。役割分担された仕事をこなしながら、高齢者の安全を確認し続けるというのは介護の基本の基本であり、坂口は当然のことを注意されただけである。介護現場の末端では、このような些細な日常から人間関係がこじれてく。


誰かに助けてもらうのはアタリマエ

介護職員は利用者にケアをした内容を介護経過表に記録しなければならない。

坂口は簡単な文章すら書けなかった。小学校で習う簡単な漢字もわからない。午前中に入浴介助をしたので、介護経過表には「おふろ」とだけ書いた。そして、いつもは丁寧な言葉を使って指導をする山崎に厳しい口調で注意をされた。

「いくらなんでも、これはないでしょう。『○時○分、入浴介助。着脱は自立で、介助にして洗身をする。浴槽ではゆっくりと楽しまれた』みたいな文章にしてください!」と言われた。

坂口は中卒である。高校入試はせずに、当時の担任に薦められた隣市の町工場に就職している。文章を書いた経験は中学校卒業アルバムに書いた作文くらいで、今さら漢字と文章を書けと言われてもまったくわからない。

他の介護職員が書いた文章を見よう見まねで、入浴、介助、着脱、自立、先身、浴槽、楽しむと携帯で一字一字を変換しながら介護経過表に記入をしたら二行程度を書くのに1時間もかかってしまった。

坂口が座ったまま、携帯電話を片手にずっと文章を書いているので現場がまわらなくなった。予定していた入浴人数がこなせずに時間が押し、午後に予定されていたレクレーションはできなくなった。坂口が簡単な文章すら書けないことが原因で現場が混乱して、サービス提供がストップとなった。

施設長が怒ってやってきた。「なにをしているんだ!」と、職員たちは全員注意をされた。坂口は必死に漢字を調べて文章を書いていたので、他の奴らはなんて怠けているんだと思っていた。

「私は早く仕事を覚えようと、必死に利用者様の記録を書いていました」

施設長に事情説明を求められたとき、坂口は自信満々にそういった。

介護施設は管理者や生活相談員が利用する高齢者ごとに作成した通所介護計画書に添って介護職員がケアをする。介護職員はその行った行為を、書類として記録することが義務づけられていて、小学校高学年程度の整合性のある文章を書けることは介護職員にとって必須の能力になっている。

介護施設は常時人手不足で一部の施設以外は、まったく人を選べる状況にない。求人をしても人は来ないので、明日明後日を乗り切るためにどんな人もなんとか使っていくしかないのである。

介護経過表はその都度、他の介護職員が書くことになった。

さらに坂口は肥満体質で何事も仕事が遅く、要領が悪く、送迎、レクレーション、入浴、食事介助、身体介助なども常に誰かが助けていた。坂口は実家住まいでマザコンの傾向があり、子供の頃からなにもかもを母親に助けられ続けいていた。義務教育時の小学校や中学校の作文なども、母親が手伝っていたという。坂口は44歳になっても、誰かが自分のことを助けるのは、あたりまえのことと思っていた。

いつまで経っても自立ができない坂口に、同僚から不満や苦情はあがるようになった。入職して一か月が経った頃には、完全に事業所のお荷物になっていた。

周囲に迷惑をかけ続けてかなり厳しい立場だったが、坂口は自分だけは丁寧にいい仕事をしているのに、事業所の上司や同僚は自分の仕事の質をなにもわかっていないと思っていた。文章が書けずに介護経過表の記入を免除されたことも、自分は介護をするためにヘルパー2級を取得して施設に雇用されているので、文章を書くことは仕事ではない。書類記入の免除は当然であり、介護経過表を書いている職員は仕事をさぼっているんんじゃないかと思うようになった。

政治家や行政が机上で計画した失業者問題や雇用政策が、現場で働く介護労働者のさらなる負担になって、結果的に高齢者たちの損失になっている。未経験な上に人間的な問題を抱え、常に誰かに依存している人物に社会常識から教えて、職業訓練をするのは日常の介護労働と比較にならないほどの精神的重労働である。

一般常識がなかったり、大きくズレていたり、まったくやる気がなかったり、覚える気もなかったり、同じミスを繰り返したり、その人物がどうすれば一般的になれるのか職員間で何度も話し合ったり、他の職員や利用者とトラブルを起こしたりするので、その人が存在することで担当者は当然、多くの職員の膨大な時間が割かれることになる。

その無駄な時間は利用者のサービスを削るか、残業で補てんするしかなく、運悪く社会性のない「重点分野雇用創出事業」流れの人材を採用してしまった施設は、相当な負担が強いられている。本来ならば社会常識を教えるなどは親兄弟や教育機関がするべきことで、どうして介護事業所や介護職員がしなければならないのか、といった状況なのである。

攻撃は弱者から弱者へとむかう

坂口が入職して半年が経った。

比較的に仕事が楽な新設の小規模施設は、職員同士の人間関係が密接で閉鎖的になる。坂口のような人物が発端となる負の連鎖で深刻な事態に陥りやすい。介護の経験のない経営者や施設長のマネイジメントの能力不足も重なって、新設の小規模施設は大規模より離職が高い傾向がある。

非正規職員を中心にどんどんと辞めていく。文章が書けず周囲に迷惑をかけ続けた坂口も、現場の一人として数えられるようになり、新人パートに仕事を教える担当を任されることになった。本来ならば教えられれば誰でもできるはずの記録や請求業務の補助、各種書類整備、備品の管理発注は坂口には無理と判断され、苦肉の役割分担だった。

 「おまえはオムツ交換もまともにできないのか!」
「○時○分に薬を飲ませろっていっただろ。利用者さんを殺す気?」
「車椅子の扱い方も知らないで、よくこの仕事をやろうと思ったね」
「ヘルパー2級を持ってないのに介護職になって、恥ずかしくないの?」

新人教育を担当した坂口は、新しく入ってきた新人パートたちに横暴な態度で威張り散らした。自分のできること、知っていることを相手ができないと激しく中傷し、新人パートや周囲に対して力を誇示するようになった。威張っているにも関わらず、記録や介護保険法のことなどを質問されると「そんなことはどうでもいい、介護とは関係ない」と一蹴した。

高額な求人費を使って採用した新人パートが数日間で離職するという事態が続き、坂口の態度は施設内で大問題になった。坂口は施設長から呼びだされて事情説明を求められたが、「やる気がないから辞めただけ。やる気がない人に介護をしても利用者さんの不利益になるから」という主張を繰り返した。

元々、不人気職で人材が不足しているにも関わらず、東京、大阪、千葉、埼玉、神奈川などの大都市圏では介護事業所が次々と増え続け、さらにアベノミクスの景気回復によってサービス業全般で人手不足という状態になり、一部の施設は存亡が危ぶまれるほど深刻な事態に陥っている。多額の費用をかけて採用した新人職員に対して横暴な態度をとって離職するなど事業所にとっては死活問題である。

また、中年童貞や中年童貞的な人物が唯一積極的にすることは、日課である悪口や愚痴から発展する弱者イジメである。女性や上司、社会性のある一般男性に楯突いても敵わないことを知っているので、暇を見つけては自分たちより弱い人間を探索する。ターゲットになるのは自分たちより仕事ができない気の弱い男性、精神疾患を抱えて対人関係に問題のある気の弱い女性、中年童貞の大半は国の雇用政策によってヘルパー2級講座を受けて介護職に流れているので、経験が浅くて気の弱い無資格者も彼らのターゲットになる。坂口が象徴しているが、彼らの行動パターンを眺めていると、本当に見事に弱者から弱者へと向かっていく。

介護施設ではイジメやパワハラがよく問題なっているが、この“弱者から弱者”への構造が理由であることが多い。

20年前の恋愛を引きずっていることを告白

坂口は事業所のお荷物というだけでなく、不利益や損失を次々と生んだ。

教育担当をした山崎は優しい性格で性善説が強く、「彼にもいいところはある、介護に対して真面目とか遅刻しないとか」と最後までフォローしたが、施設長の意向で新人教育担当を外されて「もう、手におえない」と四面楚歌になった。

坂口は新人パート職員に対する横柄で横暴な態度を、施設長や生活相談員、同僚たちに散々怒られたが、どうして自分が注意されているのかさっぱり理解できなかった。中学校時代は太っていて運動も勉強もまったくできない、当然の如くイジメられていた。暗黒だった中学生時代から始まって、今まで働いてきた工場や倉庫でもずっと一番下の立場である。ヘルパー2級を取得して介護職員になり、半年間継続して、自分より下の立場の人間ができた。坂口は自分が今までされてきたことを、そのまま相手に返しただけという認識だった。下の人間に対して、横暴になり、偉そうにするのは先に入ってきた者の当然の権利だと思っていた。

新人パート職員に対する態度を何度も注意されたが、誰に怒られてもなにを言われているのか理解できなかった。

見守り、入浴、レクレーション、食事介助と介護職員として最低限の仕事しかなくなった坂口は、時間を見つけては自分を有効活用しない事業所や上司や最後までフォローした山崎の愚痴や悪口を言い続けた。

施設の中で相手にしてくれるのは、威張り散らしても辞めなかった36歳の男性パート職員・平沢だけだった。平沢は地元の最低偏差値である工業高校を卒業して、工場や倉庫などを転々として介護に流れついている。正社員で働いたことは一度もなく、実家住まいである。平沢はひたすら続く坂口の事業所や上司の悪口を「そうですね、そうですね」と聞き続けた。出勤をして拒絶をしない平沢を捕まえては、施設や上司や山崎の悪口をひたすら言う、それが坂口の生活となった。

年末、施設の近所にある居酒屋で忘年会があった。

利用者の話や物真似から始まって、女性を中心に恋愛の話に華が咲いた。彼氏がいる者、辞めた男性職員が好きだった者、複数の男と付き合っている者と、女性職員同士でそれぞれ恋愛の話で盛りあがっていた。

坂口の相手をする人間は事業所に誰もいない。坂口は誤解から始まった周囲のイジメだと思っていて、挽回するキッカケを狙っていた。

坂口は今年44歳になったが真正童貞である。工場や倉庫時代に何度も先輩や同僚から性風俗店に行こうと誘われたが、頑なに断ってきた。女性には興味はあるが、知らない女性が出てくる性風俗はこわい。考えられなかった。

20代半ばのとき、性的な行為は好きな女性としたいという自分の論理が見つかった。最初はこわいことから逃げる言い訳だったが、自分は純粋で純情な人間であり、将来的には必ず自分のことをすべて受け入れてくれる女性が現れるはずで、風俗に行くような人間は汚らわしいし、間違っていると思うようになった。

44年間生きてきたが、自分以上に女性や性に対して純情で純粋な人間は見たことがない。それは自慢だった。楽しそうに恋愛の話をしている女性介護職員たちに、自分の純情で純粋で真っ直ぐな心をわかってもらえば、誰にも相手にされない現状をひっくり返せるのではないかと思った。

坂口は思い切って恋愛話で盛りあがる女性たちの席に近づき、自分は童貞であり、汚らわしい性風俗には行ったことはなく、セックスは好きな人としたいという持論を語りまくった。

女性介護職員たちは一気に静寂し、全員の表情は凍った。

坂口が最後に恋愛をしたのは20年前、24歳のときである。

コンビニ向けの弁当工場で働いていた。2歳下の由香ちゃんという女の子が短期パートとして入ってきた。由香ちゃんは2ヶ月先輩の坂口を慕って、いろいろ仕事の質問をしているうちに仲良くなり、一緒に食事をする仲になった。坂口は告白しようか迷った。朝から晩まで由香ちゃんのことを想って、迷いに迷っているうちに由香ちゃんの契約期限は切れて、坂口に挨拶もなしに職場からいなくなった。それっきりである。

坂口は由香ちゃんを今でも好きで、その恋愛を引きずっていることを忘年会中の全職員の前で堂々と告白した。純情で綺麗な心を持っていると、女性職員たちから見直されると思っていた。

「おまえはもう喋るな、酔いすぎだ、いい加減にしろ」

焦った表情の施設長にそう言われて、まるで何事もなかったように仕切り直しの乾杯が始まった。その日、坂口に話しかける者は誰もいなかった。

それから坂口は何度も退職を勧告されたが、固辞して、その小規模デイサービスでまだ介護職員を続けている。新しく入ってきたパートの男性職員を捕まえてはフォローしてかばい続けてくれた山崎や、自分の能力を理解しない施設のこと、そして女性職員たちの悪口を言い続けている。

中年童貞には精神年齢の低さからくる女性に対する純粋さ、幼児性ともいえるものがある。すでに完全に取り返しのつかない四十代に突入すると、いつかすべてを受け入れてくれる天使のような素敵な女性が現れるという妄想が強くなる。

私は介護業界に関わって、坂口と出会って衝撃を受けた。出版業界周辺には、絶対にいない人物である。坂口によって何度も現場は混乱し、どうしてこうなるのかと悩み続け、ズレっぱなしの原因は童貞にあるのではないかという仮説にたどりついた。施設を健全化するために、坂口を筆頭に、30代、40代の中年童貞や中年童貞の疑いのある人物に性風俗や流行りの婚活パーティーに参加することを薦めたのは、一度や二度ではない。彼らは全員、顔を赤くして絶対に拒絶をした。

自信がなくて閉じ籠る中年童貞は、見知らぬ世界や女性は恐怖の対象である。気持ちはわからないではないが、一歩踏み出さないと本当になにも始まらない。モテないことを自覚して、性欲を肯定して性風俗に行きまくる、みたいな男性の方がまともである。

この坂口のような人物が介護という女性社会の中で、チームとして働くことや、年齢が上の経験豊富な高齢者がなにを求めているかなどをわかるはずがなく、ズレて間違った判断と言い訳の山となって極めて迷惑な存在となっている。加えて子供の頃から遡っても、なにかを成功させたという経験がないので、施設や利用者の利益のための前向きな話になると、まったく関わってこない。長年の負け続けた人生によって、誰かの悪口や愚痴以外に思考ができなくなっているのである。

説明した通り、些細な成功体験すら皆無なので何事においても自信がない。仮に社会人としてやりたいことがあっても、最初から諦めることが自然なので、その時代によって採用されやすい業種を転々としながら、受け身の流される人生を送っている。バブル以前だったら零細の工場、九〇年代は大量生産のための単純作業、〇〇年代は非正規雇用の単純作業みたいな職業か。そして現在は、慢性的な人手不足の介護事業所が彼らの受け皿となっているのだ。

■2014.6.29  胃ろうにしないと追い出される特養
胃ろうは病院の先生が勧めるものだと思ったら間違いです。
施設の管理者(医者以外)が、勧めることが増えています。
それに関する相談がよく舞い込みます。

特養には「胃ろう枠」というものがあります。
特養は、胃ろう患者さんを受け入れる社会的義務があります。
しかし施設によって「定員」があります。

その定員は、看護師さんの数で決まります。
胃ろうからの注入は、看護師さんの管理下で行われます。
介護福祉士さんは、胃ろうの注入は原則できません。

1人の看護師さんが何人の胃ろう注入の見守りができるのか?
10人だったらできるかもしれませんが、100人なら無理。
かくして、看護師数に応じた「胃ろう枠」が自然にできます。

食事介助は、手間暇がかかります。
介護者1人が入所者1人に1時間かかりっきりのことが多い。
人手が足りないと同時に2〜3人の食事介助を行うしかない。

介護の現場は、慢性的な人手不足です。
アベノミクスで株価が上がっても介護福祉士の給料は上がりません。
食事介助だけでも相当な人手が必要ですが人材は不足してます。

さらに、食事介助をして誤嚥させた結果、誤嚥性肺炎に至り、
最悪の場合死亡することが充分、ありえます。
これは施設に限らず、病院でも自宅でも、同じことです。

しかし介護施設で誤嚥性肺炎を起こして亡くなった場合、
ご家族が施設側を訴えることがあります。
裁判判例を見ると、なんと、施設側が負けています。

だから施設は訴訟に対応すべく「保険」に入ってます。
医療裁判は有名ですが、介護裁判も増えています。
争いごとになりそうな時は、それを回避しようとするのが人間です。

かくして「食べられるのに食べさせない」という現象が生じます。
昨年8月18日のアピタルにそう書いたら凄い反響で驚きました。
良い悪いではなく、現実です。

以上のような経緯で、施設長は早めに胃ろうを勧めることになる。
早めに決断をして胃ろうをやるなら早く造設したほうがいいです。
しかし「胃ろうは絶対にやりません」というご家族も必ずいます。

すると施設長は「ではこの施設ではみきれません」となります。
もちろん嘱託医も同調しての結論です。
「胃ろうを断ったら出て行ってくれと言われた」とは上記の事情。

そのような経緯で、東京の特養を追い出されて介護タクシーで
尼崎まで25万円かけて移送された認知症の人がおられました。
10年間もお世話になった特養を、本当に追い出されたのです。

嘱託医がそう書いた紹介状を、私はたしかに見ました。
だから「胃ろうを拒否したら追い出される特養」は
日本に存在します。

その患者さんは、私の知っている施設に入られました。
口から食べてしばらくして枯れるように旅立たれました。
「平穏死」です。

本当は認知症の人でも最期まで食べられる、という事実は
あまり知られていないのかもしれません。
食べられるのにどこからか食べることを禁止されるだけなのです。

「そんな特養はけしからん」という声もよく聞かされます。
しかしそんな特養を作ったのは、実は市民の「訴訟」です。
訴えられるのなら「防衛しておこう」が施設側の言い分です。

実は病院も同じことです。
「けしからん!」と怒る人が多いのですが、その根っこには
訴訟恐怖があり、それを作ったのは市民とマスコミなのです。


長尾和宏
1958年、香川県生まれ。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業、院長をしている。

■2014.6.29  胃ろうをしても口から食べられるか?
胃ろうから栄養を入れているが、口から食べてもいいか?
そのような質問を、よく頂戴します。
もちろん「全然問題ない」のですが。

食べたらダメと言われていますが実際は食べていますが?
この質問も、よく頂戴します。
いいも悪いも、もう食べているんだからそれでいいでしょうに。

胃ろうをしている=口から食べてはいけない。
これは完全な誤り、間違った刷り込み、です。
しかし若い医師や看護師は、みなそう信じています。

なぜか?

それは、やはり訴訟恐怖です。
実際に食べさせて、訴えられて裁判で負けているのです。
司法の判断は「誤嚥リスクのある人は食べさせてはダメ」です。

医療や介護の現場は、司法の判断に大きく左右されます。
訴えられたら仕事ができなくなる。
医者を辞めないといけなくなる。

そんなリスクぐらい負え、というマスコミが多くいますが、
それは当事者でないからで、単なる野次馬の戯言です。
現場が萎縮するには、それなりの理由があるのです。

認知症の方がJRの線路内に入った事故に対する名古屋地裁、
名古屋高裁の判決では、家族に賠償責任が命じられました。
それに従うと、認知症の人は閉じ込めておけ、となります。

脱線しました。

以上のような理由から
「公式には食べてはいけないが、実際はパクパク食べている」
という奇妙な現象があちこちでおきています。

実際、私が診ている中にも、病院側は完全胃ろう栄養である
ということになっている患者さんがおられます。
1日に何回かのインスリン注射も家族に命じられています。

しかし実際には、その患者さんは口からパクパク食べています。
ドアの隙間から覗き見ると、朝からビールもグイグイ飲んでいる。
しかし通院している病院では「胃ろう栄養患者」さんなのです。

「そんな馬鹿げたことがあるのか!」と言う人がいます。

しかしそんな奇妙な現象を生みだした原因は、実は
マスコミや司法にある、と私は思います。
あるいは、それを容認している市民にあるのです。

私自身の持論は「生きるとは食べること」
「誤嚥と誤嚥性肺炎は違うもの」
「誤嚥性肺炎は治るものは治るし、治らないものは治らない」。

それを実行しているのは、「覚悟」があるからです。
医者を辞める覚悟、牢屋に入る覚悟、です。
そんな覚悟を多くの医者や施設長に求めるのは無理だと思います。


長尾和宏
1958年、香川県生まれ。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業、院長をしている。

■2014.6.29  NPO法人PWL 不適切運営 横浜市が6810万円返還請求
障害者支援事業などを手掛けるNPO法人「PWL」(横浜市中区、箕輪一美理事長)に対し、運営が不適切だとして横浜市が返還を求めている総額が、約6810万円に上ることが28日、分かった。人員配置基準を満たしていないなど、不適切な請求が多数確認されていた。国から交付を受けていた事業所改修費など計1800万円についても市は返還を求めるか国と調整しており、返還請求額はさらに増える可能性がある。

PWLは13カ所の障害者グループホーム(GH)と就労移行支援など七つの日中活動事業を運営してきたが、不適切な運営実態が相次いで発覚。昨年4月以降、市が各事業所に改善を指導するとともに、不適切な自立支援給付費などの返還を求めていた。

市障害支援課によると、日中活動事業の返還請求額は約4704万円。定められた人員配置基準を満たしていなかったほか、支援実態がないのに給付費を請求したなど不適切な実態が多数確認された。

また放課後デイサービスでは専従での配置が必要な児童発達支援管理責任者が1年以上不在だったとして、市障害児福祉保健課が障害児通所給付費約527万円の返還を求めている。

GH事業の返還請求額は約1579万円。作成が義務付けられている個別支援計画の未作成や人員配置基準違反が確認された。任意のイベント参加時にも通常のサービスを提供したとして自立支援給付費を請求していたケースもあった。

さらに、国からの交付として日中活動用の事業所開設時の整備費約1700万円とGHの消防設備改修費約100万円を受けており、市は国と返還額について調整しているという。

PWLは神奈川新聞社の文書による質問に対し、28日までに回答していない。

これ以外にも、PWLは介護保険事業所の指定取り消しに伴い市から運営費補助金の返還を求められているほか、GH入居者から過大に徴収していた家賃を入居者に返還するよう指導されている。

PWLは昨年12月、GHや日中活動について「継続した運営が困難」として市に支援を申し出た。GH13カ所の運営は、市の要請を受けて社会福祉法人同愛会(横浜市保土ケ谷区)が今年2月に引き継いでいる。

■2014.6.30  障害者ら丹精 マンゴー実る
◇瀬戸内の施設で収穫開始

瀬戸内市牛窓町長浜、障害福祉サービス事業所・せとうち旭川荘のビニールハウスで、マンゴーの収穫が始まった。施設に通う障害者の収入を少しでも増やそうと、今年5月から栽培している。

マンゴーハウス(336平方メートル)では、施設に通う18〜65歳の5人が、市内の農家の指導を受けてアップルマンゴーの果樹24本の世話を続け、熟して落下する前にはネットも据え付けた。

7月中に約400個を収穫する計画で、市内の道の駅などで販売するという。

28日の収穫祭では、通所者や家族が赤く熟したマンゴー約20個をもぎ取り、参加者が「甘くておいしい」と味わった。社会福祉法人旭川荘の江草安彦名誉理事長は「本人や親の高齢化が進む中、障害者が少しでも収入を増やせる施設に育てたい」と意気込みを語った。

栽培する岡本卓也さん(45)は「来年もおいしいマンゴーが収穫できるよう、がんばります」と話していた。

■2014.6.30  「虐待や生活保護ピンハネ被害」と、元入居者5人が高齢者向けマンションを提訴 
医療サービスの24時間提供をうたった大阪市北区の高齢者向けマンションに入居していた生活保護受給者5人が、胃ろう用チューブを交換してもらえないなどの介護放棄を受けたり、生活保護費を含む預金を勝手に引き出されたりしたとして、経営者らに計約3千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。原告側代理人が30日、記者会見して明らかにした。

マンションは「ドクターズマンション天六苑」。寝たきりや車いすの高齢者らが入居し、併設された診療所が医療サービスを提供していた。大阪市が昨年2月、高齢者虐待防止法に基づいて立ち入り調査し、入居者12人のうち9人への虐待を確認。全員を医療機関や特別養護老人ホームに移送していた。

訴状などによると、5人は64〜94歳の男性1人と女性4人。平成20年8月〜24年12月に入居したが、いずれも要介護4〜5の寝たきり状態で、判断能力が著しく低下していたという。

市の調査では、医療用チューブやカテーテルの衛生不良、床ずれ、足の指の壊疽などが認められたほか、生活保護費が入金される5人の預金口座からほぼ全額(約50万〜約700万円)が引き出されていたことが判明した。

原告側代理人によると、5人中3人の賃貸契約書が見当たらず、介護記録も残っていなかった。また、預金口座は入居後に作られたもので、金銭管理契約もなかったという。

原告側は「高齢者を囲い込み、不法に財産を奪っている。生活保護受給者の介護報酬が狙われた可能性がある」と主張。マンションは事実上の有料老人ホームであり、届け出をしないことで規制を免れているとも訴えている。

■2014.6.30  虐待で高齢者向け賃貸経営者提訴 介護放棄や預金を勝手に引き出す ドクターズマンション天六苑
高齢者向け賃貸住宅「ドクターズマンション天六苑」(大阪市北区)に入居していた生活保護受給者5人が30日までに、介護放棄の虐待を受けたり、預金を勝手に引き出されたりしたとして、経営者らに計約3千万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

市が昨年2月、高齢者虐待防止法に基づき立ち入り調査し、身体拘束や介護放棄などを確認していた。原告代理人は「判断能力が著しく低下した高齢者を囲い込み、財産を奪った」と訴えている。

5人は60〜90代の男性1人と女性4人。いずれも要介護度4〜5の寝たきり状態で、十分な意思疎通ができず、認知症を発症している高齢者もいる。

■2014.6.30  高齢者マンション・虐待訴え提訴 ドクターズマンション天六苑
大阪市内の高齢者マンションで虐待があったとして、元入居者が裁判を起こした。

大阪市北区に7年前オープンした、高齢者用住宅「ドクターズマンション天六苑」。訴状によると6年前からおととしにかけて、「天六苑」に入居していた64歳から94歳までの寝たきりの高齢者5人は、適切な介護がされず医療用のチューブが不衛生なまま放置されるなど、身体的に虐待されたという。

「これは両手を写した写真なんですが、このあざになっている部分が拘束されていた跡ではないかと考えいています。これは、足の指の皮がめくれてしまった状況になってますね」(元入居者の代理人弁護士)

この女性の息子によると女性は、入居のための一時金600万円のほか、賃料など月々25万円ほど支払っていました。

女性は栄養補給のチューブを自らはずすという理由から、ずっと手を縛られていたという。

「胃ろう造設とともに寝たきりにされて、身体拘束された。寝たきりにされた」(元入居者の息子)去年2月、通報を受けた大阪市は立ち入り調査を行い、12人の入居者のうち、7人が介護放棄にあたるネグレクト、2人について身体的な虐待があったと認定し、他の施設に移した。

「身寄りのない方がかなり多かったので、生活保護の受給者をとっていたみたい。朝から体をずっとくくりつけられていた人もいる間違ったことをしていたことを謝って欲しい」(通報した元入居者の息子)弁護士によると、原告5人の財産は天六苑が管理していたが、使い道の分からない支出が約1,900万円にのぼっているという。

元入居者らは運営する医療法人「一心会」などに対し、慰謝料とあわせて3,000万円余りを請求しています。

今回の提訴について代表の医師は「運営に問題はなく、今後、書面で主張していく」と話しています。

■2014.6.30  三重県に通所介護の新規指定拒否を要求 桑名市
指定居宅サービスの増加に悩む桑名市
桑名市では、従来型のデイサービス事業を新規で始めるのが難しくなりそうだ。

桑名市は6月26日、三重県に対して「通所介護(デイサービス)」を希望する指定居宅サービス事業者の指定に関する協議を求めたと公表した。

これは桑名市で、デイサービスの事業者が増えているためだ。デイサービス事業者の指定の権限は都道府県が有しているため、協議を求めた。東海3県では初めての試みとだという。

今後、三重県は、桑名市が求めた協議の結果に基づいて、デイサービスを希望する指定居宅サービス事業者の指定と更新について拒否したり、必要な条件を付けたりできるよようになる。

デイサービス給付金の重圧
桑名市のデイサービス給付金は全国的に見ても、非常に高いレベルにある。例えば平成25年10月の給付金をサービス別に見てみると、デイサービスへの給付金が全国平均で3,744円、三重県の平均で4,855円であるのに対し、桑名市では5,668円となっている。


そこで桑名市では、デイサービスに偏らない介護サービスを提供するために、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、「小規模多機能型居宅介護」、「複合型サービス」を普及させたい考えだ。


桑名市では今回の協議について、
「地方分権の試金石」と称される介護保険制度で市町村に介護保険の保険者として認められた機能を発揮しようとするもの
(桑名市ホームページ「地域包括ケアシステムのお知らせ」より引用)

と述べている。



桑名市における「地域包括ケアシステム」の構築に向けた通所介護に係る指定居宅サービス事業者の指定に関する協議について
http://www.city.kuwana.lg.jp/index.cfm/24,36474.pdf

■2014.6.30  高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの事例を紹介 建築研究所
地域参加しつつ安全に暮らせるまちづくりを目指す
独立行政法人建築研究所は6月24日、建築研究資料「高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの手引き」をウェブサイトにて公表した。

建築研究所が重点的研究課題として取り組んできた「高齢者等の安定した地域居住に資するまちづくり手法の研究」の一環として、高齢者が暮らしやすいまちづくりの先進事例を調査した結果をとりまとめたものである。

高齢化が急速に進展する我が国では、買い物や福祉・医療などの生活に必要なサービスを、十分に受けられない高齢者が急増すると懸念されている。

高齢者が地域社会でいきいきと暮らすためには、これらの生活利便性を維持させるシステムに加え、犯罪や事故の心配なく出かけられる環境づくりや、社会参加の機会確保が重要な課題といわれる。

高齢者にやさしいまちづくり、ポイントは4つ
「高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの手引き」では、「買い物がしやすい場所づくり」、「居場所づくり」、「社会参加の機会提供」、「安全・安心な環境づくり」の4つの取り組みに着目した。

地域が主体となって、これら4つの取り組みを進める際に参考となる、全国の先進事例を紹介している。

建築研究所ではこの手引を、自治会、福祉団体、商店会などの地域団体と、団体を支援する自治体職員や専門家に活用してほしいと述べている。

「高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりの手引き」は、建築研究所のウェブサイトからダウンロードできる。



独立行政法人建築研究所のニュースリリース
http://www.kenken.go.jp/japanese/information355.pdf

独立行政法人 建築研究所 - Building Research Institute -
http://www.kenken.go.jp/index.html

■2014.6.30  社福法人の私物化止めるには 識者が提言
社会福祉法人の実態を伝えています。特別養護老人ホームや保育園などを運営する社会福祉法人が、介護や子育て支援の中心になっているからです。保険料や消費税が上がり、国民の負担が増えていく時代にどうあるべきか。福祉業界や経済界、専門家に意見を聞きました。

■「もうけ」が目的ではだめ 茨木範宏・社会福祉施設経営者同友会長

介護保険ができる前は、税金から赤字にならない安定した介護費用が出ていた。社会福祉法人はその費用のすべてを老人ホームに暮らす人たちのために使うのが当たり前だった。

建物が古くなれば、修繕や建て替えも必要だ。かつては特別養護老人ホームの建て替え費用の4分の3を補助する制度などもあり、安心して介護ができた。

ところが、2000年に介護保険が始まり、日々の利用者の数で介護報酬が左右されるようになった。建て替え費用の補助も少なくなった。運営を続けたり建て替え費用を蓄えたりするため、介護報酬を利用者のためにすべて使うことができなくなっている。

本来、社会福祉は税金で運営されるべきだ。介護保険では、職員の給料を上げるために介護報酬を上げると、利用者の1割負担分も上がる。利用者と働き手の間に対立が生まれ、利用者負担を払えない人はサービスも受けられない。

いまは「民間へ、民間へ」となっているが、福祉を成長産業にしようとして「もうけ」の概念がどんどん入っている。憲法が定める「生存権」に基づく社会福祉が、お金のあるなしで左右されていいのか。国がしっかり責任を持つように制度を見直すべきだ。

社会福祉法人そのものはいい制度だと思う。それがきちんと運用されているかが問題だろう。行政の監査や監督はしっかりできているか。財務諸表の公表は当たり前で、それを分析できる専門家が問題を発見する仕組みがあってもいい。

社会福祉法人を守るのではなく、社会福祉を守らなければならない。地域やNPOなどと連携して福祉を支える役割があり、貧困や格差が広がる社会で希望にならなければならない。

こうした福祉の分野で、企業はどういう役割を果たせるのか。もうけを目的にする限り、いっしょにやりましょうというのは難しい。

     ◇

いばらき・のりひろ 57年生まれ。10年から大阪市の社会福祉法人「大阪福祉事業財団」の理事。11年から大阪府内の社会福祉法人の経営者230人が入る社会福祉施設経営者同友会の会長を務める。

■質や料金、比較のしくみを 御立尚資・経済同友会副代表幹事

高齢化社会で持続可能な福祉にするには、低コストで良質なサービスを提供してもらわなくてはいけない。そのために社会福祉法人も見直していかなければならないと考える。

高齢者介護のように企業もできる分野は、社会福祉法人への補助や税の優遇も減らすべきだ。そうすれば、企業も需要を取り込むことができる。

 

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