残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2014年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2014.12. 1 勾留延長で社会復帰支援 検察が試行、高齢者らの再犯予防
 2014.12. 2 障害者がスタッフ、カフェ開店へ 京都・舞鶴で5日
 2014.12. 2 三菱商事が支援の被災地団体が福島・白河に農場を建設
 2014.12. 2 特養ホームでメーク エステなど4店舗の有志 静岡・清水区
 2014.12. 2 巨人の菅野智之投手、福祉活動「続けていく」難病と闘う子どもたちに元気と笑顔プレゼント
 2014.12. 3 生活保護受給 高齢者世帯増で過去最多
 2014.12. 3 エボラ感染者、1万7千人超 死者6070人 WHO
 2014.12. 3 デイサービスの利用時間、上限拡大の方針 厚労省
 2014.12. 3 職員の保険番号“拝借”患者でっち上げ…医療法人理事長のあきれた“錬金術”
 2014.12. 3 NHK障害福祉賞 贈呈式
 2014.12. 3 幸せ運ぶクリスマスマスケーキ 児童福祉施設へ
 2014.12. 3 障害者週間 関心そして支え合い
 2014.12. 3 2027年、献血85万人不足…日赤試算
 2014.12. 3 社会事業、75%が採算割れ 日本公庫調べ
 2014.12. 3 「お泊まりデイ」の届け出義務化、具体的な報告の内容は?
 2014.12. 3 保育園やNPO、企業連携し介護予防 園児交流や買い物送迎 鹿児島県
 2014.12. 4 <日和幼稚園訴訟>園側が責任認め和解成立
 2014.12. 4 <日和幼稚園訴訟>遺族「後世に教訓残せた」
 2014.12. 4 自閉症の家族との旅、音楽朗読劇に 障害者週間
 2014.12. 4 障害者雇用率全国3位 県内企業
 2014.12. 4 福祉施設利用者が新聞バッグを製作し買い物客がレジ袋代わりに
 2014.12. 5 紙風船バレーで健康に 宮崎市のNPO 普及活動
 2014.12. 6 車いすのままOKです 利府の美容室 宮城県
 2014.12. 6 清掃通じ世代間交流 生徒 高齢者宅を訪問 宮崎県
 2014.12. 7 散髪、こわくないよ 発達障害児向け、NPO設立
 2014.12. 9 犯罪を繰り返す高齢者 〜負の連鎖をどう断つか〜
 2014.12.10 介護保険受給者500万人超え 前年比4.6%増
 2014.12.10 厚労省 「強化型」介護療養病床の新設を提案
 2014.12.10 中小などの課税強化先送り 政府、社会福祉法人も断念
 2014.12.10 障害者虐待 施設職員の質向上急務
 2014.12.10 殴られ蹴られ、暴言…虐待被害の障害者21人 和歌山県内で厚労省調査
 2014.12.11 高齢者、障害者に防災ラジオ配布…宮城
 2014.12.11 「本当に幸せ」今泉さん、地元・福山に凱旋 最年長将棋プロ入り
 2014.12.11 県内障害者実雇用率、5年連続全国1位 民間企業2.46% /山口
 2014.12.11 介護ショートステイ拡大へ 緊急時は居室以外使用も
 2014.12.12 笑顔の障害者 働く複合店
 2014.12.12 ハンセン病療養所に特養老人ホーム建設
 2014.12.12 障害者虐待、認定37件 横浜市
 2014.12.12 被害障害者23人 県まとめ、7割以上肉親から 昨年度 /茨城
 2014.12.12 なぜ90歳女性の1000万円は引き出されたのか
 2014.12.13 地域の人と餅つきで交流会 八幡浜の作業所
 2014.12.13 各党の衆院選公約の要旨
 2014.12.13 後見制度悪用し2000万円横領 姉に実刑判決
 2014.12.13 世界に類を見ない「超高齢化社会」に突入する日本 一方で三十代の孤独死も…
 2014.12.14 退職手当共済 障害分野の助成廃止へ
 2014.12.14 おみやげグランプリ、茶処ラスク最終選考に 京都・木津川
 2014.12.17 第64回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール  11月15日、東京都文京区のトッパンホール
 2014.12.17 障害者雇用率が過去最高 和歌山県内の民間企業
 2014.12.17 2014年度グッドデザイン賞の“むせにくいコップ” 「レボ Uコップ W」12月17日に発売!  〜最後まで顎を上げずに飲める嚥下障がいや幼児にやさしいデザイン〜
 2014.12.18 JR高架下 障害者働く農園
 2014.12.18 子どもの入院 “遠距離看病” 家庭の実態 往復4時間以上でも「毎日付き添う」62.4%
 2014.12.18 ケアマネ試験 受験者約3万人増加
 2014.12.18 医療・介護者と薬局を繋げるサイト「訪問薬局ナビ」がサービス開始
 2014.12.19 介護施設団体が介護報酬引き下げに反対を訴え
 2014.12.19 炭酸泉で足指の壊死改善
 2014.12.20 列島1万km「児童虐待防止」啓発ランの男性が高松訪問
 2014.12.20 浜松市で64人からノロウイルス検出
 2014.12.20 フードバンク:7.6トン190世帯に 過去最高実績 /山梨
 2014.12.20 介護報酬改定方針案:特養など引き下げ
 2014.12.20 視覚障害者4割「転落した」後絶たぬ駅ホーム事故…ホームドア設置僅か「6%」、「自ら危険避けて」に不信感も
 2014.12.20 冬に多い入浴中の死亡事故!ヒートショック予防のポイントは?
 2014.12.20 働く障害者全国63万人余 過去最多に
 2014.12.21 黒田裕子さん、ありがとう 偲ぶ会に650人 神戸
 2014.12.21 JR鯖江駅「駅ナカ」はにぎわいの場 2階に交流施設プレオープン
 2014.12.22 今年も匿名サンタからケーキ 福祉3施設に  福知山市
 2014.12.22 高齢者ホームに無届け施設が増加中 虐待まがいの介護実態も
 2014.12.22 地方の特養、東京進出 新設計画の半数、都外の法人 
 2014.12.22 厚労省調査 「65歳まで働ける企業」過去最高71%
 2014.12.22 犯罪白書 刑法犯32年ぶり200万件下回る  再犯者率最高46% 高齢化進む
 2014.12.23 特養などの高齢者関係施設の耐震化率92.8%―厚労省
 2014.12.23 福島の大笹生学園 新園舎完成祝う
 2014.12.23 食中毒:障害者施設で17人が症状 東大和 /東京
 2014.12.23 クリスマスケーキ:100個、園児にプレゼント 那須の業者 /栃木
 2014.12.23 うぃる工房:プレハブ冷凍庫設置 みずほ福祉助成受け 大淀 /奈良
 2014.12.23 茅ケ崎市:音と光で「火事だ」 住宅用自動消火装置、共同開発 /神奈川
 2014.12.23 「特養の内部留保と介護報酬引き下げ報道に対するケアマネジャー意識調査」結果を発表
 2014.12.23 囲い込み」是正へ  接待、金品…業者が地域包括支援センターに攻勢 要介護の高齢者紹介目当て 
 2014.12.24 介護従事者限定 「若年性認知症介護研修」を実施 埼玉県
 2014.12.24 元受刑者の社会復帰支える一時宿泊所 大津のNPO開設
 2014.12.25 特養の相部屋代、15年8月から全額自己負担に
 2014.12.28 身元不明者情報を家族に公開 福岡県警が顔写真「台帳」 [福岡県]
 2014.12.28 優良高齢者ホームの「大賞」獲得の施設 従来のイメージ一変
 2014.12.28 健康寿命延ばそう 横須賀で「スロー筋トレ」好評


■2014.12.1  勾留延長で社会復帰支援 検察が試行、高齢者らの再犯予防
窃盗など軽微な犯罪を繰り返す高齢者や障害者らの再犯防止のために、検察が勾留期間を最大10日間延長して住宅確保や就労支援をする取り組みが、全国の少なくとも23の地検で始まっていることが1日、検察当局への取材で分かった。

勾留延長の活用は、容疑者が送検容疑を認めていて、10日間の勾留期限内には支援ができない場合に限定され、本人や弁護人の同意が前提となる。

試行が始まった地検では、取り調べの後に検察事務官が容疑者と面談。老人ホームなどの福祉機関の担当者が同席することもあり、起訴猶予で釈放された場合を想定し、就職先や居住先を確保する。面談での容疑者の姿勢は起訴・不起訴の処分や、裁判で求刑する際の参考にしている。

全国に先駆けて専門チームを発足させた仙台地検では、支援の対象を勾留中に限らず、在宅捜査の容疑者にも拡大。高齢者や知的・精神障害者に対応するため、保護観察所や自治体、NPO法人などと連携し、日常生活や金銭管理の指導、対人関係の改善、親族らへの助言の他、ドメスティックバイオレンス、ストーカー事件では認知行動療法に基づくカウンセリングも実施している。

勾留延長は本来、捜査に時間がかかりやむを得ない場合に限られるため、日弁連幹部の一人は「積極的な再犯防止として評価するが、容疑を認めさせるために利用しないことが大前提だ」と話している。

2014年版の犯罪白書では一般刑法犯の46%超を再犯者が占めた。政府は12年、刑務所の再入所割合を10年間で2割以上減らす目標を設定。再犯者の7割超が無職とのデータ(法務省調べ)もあり、効果的な就労支援が課題となっている。

■2014.12.2  障害者がスタッフ、カフェ開店へ 京都・舞鶴で5日
京都府舞鶴市浜、潮路通二条角の港を望む地で5日、スタッフの障害者がカフェの接客や調理、弁当配達、授産品販売などを担当する店舗「BONO(ボノ)」がオープンする。スタッフらは接客や調理の練習に励み、張り切っている。

同市の社会福祉法人まいづる福祉会(飯田仁理事長)の事業所「ワークショップほのぼの屋」の新店舗。ほのぼの屋は2002年に同市大波下にフランス料理店を開業。障害者授産施設の平均工賃が月1万数千円にとどまる状況にあって、5万円以上を確保、利用者の自立を後押ししている。BONOは海上保安学校の旧研修施設を改修、障害者20人が働く計画だ。

「いらっしゃいませ、ごゆっくりどうぞ」。2階のカフェで、事業所利用者でホール担当の長柄光徳さん(37)の声が響く。オープンを前に、接客練習にも熱が入る。「お客様の前に出るのは初めて。難しいけど、練習もすごく楽しい。みんなに頼ってもらえる人になりたい」

1階の調理場では、スタッフたちが「一押しメニュー」のパンケーキ作りを学ぶ。レシピを丁寧に確認し、生地をきつね色に焼き上げた。「特別な意識はないが、繰り返し言って、慌てさせないようにしている。一つ一つ覚えてもらうことが、将来の力になる」とBONO料理長の小森克洋さん(48)。

30日に施設完成記念の祝賀会があり、スタッフたちが接客。「マイペースで頑張りたい」「いろんな仕事をしてみたい」と一人一人が抱負を発表すると、詰めかけた来賓から拍手が送られた。

BONO店長で福祉会職員の薗田唯史さん(38)は「当たり前に求められる質のサービスで当たり前の対価を受け取れるようにしたい。ここで自信をつけ一般企業への就労にもつながれば」と話す。

BONO営業時間は午前10時〜午後6時。木曜休。1階でコーヒーやケーキ、米や調味料、木工品などを販売。弁当配達事業は来年4月開始予定。

■2014.12.2  三菱商事が支援の被災地団体が福島・白河に農場を建設
三菱商事復興支援財団が5000万円を出資した、しらかわ五葉倶楽部(福島県白河市)は2日、同市に食品加工工場「しらかわ・きずな農場」を建設したと発表した。

併設する植物工場で栽培するホウレン草や地元契約農家が生産するトマトなどを使い年間750万食の高齢者向けムース食品を生産する。地元病院や高齢者施設向けに販売し、付加価値を高める。

風評被害を自ら払拭し、農家の自立や雇用創出を目指している。5年後に6億円の売上げを目指し、現在の30人の陣容を事業拡大に合わせ100人に拡大する計画。給食センター事業への参入や敷地内に高齢者向け福祉施設も併設し働く環境も整備する。

■2014.12.2  特養ホームでメーク エステなど4店舗の有志 静岡・清水区
静岡市内のエステサロンやネイルサロンなど4店舗の有志4人が1日、同市清水区の特別養護老人ホーム「こもれび」を訪れ、同所のデイサービス「ひだまり教室」の利用者にボランティアでメークやハンドマッサージなどを行った。

有志4人は「メナードフェイシャルサロンMe」(駿河区)のオーナー森田みどりさん(41)を中心に集まった。各店舗の技術を生かして地域貢献をしようと今年から活動を始めた。70〜90代の利用者34人の爪を磨いたり、香りがあるクリームで手をマッサージしたりしてプロの技を披露した。利用者と一緒にアイシャドーや口紅の色を選ぶなどして交流も深めた。

メークを体験した同区吉原の女性(84)は「本格的なお化粧は孫の結婚式以来で3年ぶり。気持ちが明るくなります」と目を細めた。

森田さんらは今後も、県内の介護施設や障害者福祉施設などでボランティア活動を展開していく。

■2014.12.2  巨人の菅野智之投手、福祉活動「続けていく」難病と闘う子どもたちに元気と笑顔プレゼント
巨人の菅野智之投手(25)が1日、社会貢献活動に積極的に取り組むことを誓った。橋本到外野手(24)、鬼屋敷正人捕手(23)と神奈川・伊勢原市内の東海大学医学部付属病院を訪問。難病と闘う子供たちと交流し、「こういうことも含めてプロ野球選手の仕事だと思う。これからも続けていきたいし、続けていかないといけない」と決意を新たにした。

子供たちの無邪気な笑顔に力をもらった。菅野は、骨髄移植を受けるなど、難病と闘う子供たちと交流。「本当にみんな元気いっぱいで楽しい時間でした。どんどんこういう活動ができたらいいなと思いました。そういうことも含めてプロ野球選手の仕事だと思います」と、社会貢献活動への思いを強くした。

今回は、巨人が06年から取り組む骨髄バンク支援活動の一環。過去、背番号19の先輩・上原らが同病院を訪れた。初参加の菅野は、サンタクロースの帽子をかぶって院内学級のクリスマス会に参加。巨人グッズをプレゼントし、一緒に「ジングルベル」などを歌った。無菌室も訪れ約2時間半、滞在。「元気をもらったし、楽しかった」と振り返った。

入団以来、菅野は社会福祉活動に関心を寄せていたが、病院を訪問して患者と触れあったのは今回が初めて。「これからも続けていきたいし、続けていかないといけないと思った」。チームの先輩、内海は児童養護施設に毎年、ランドセルを贈っている。「いずれ自分もそのような寄付、活動ができる選手になりたい」と力強く言い切った。

社会福祉に貢献した選手をたたえる賞として、米国ではロベルト・クレメンテ賞が有名だ。72年のニカラグア大地震で、救援物資を空輸中に事故死した大リーガー・クレメンテにちなんで73年に制定され、今ではMVPと同等の価値があるとされる。日本でも同賞にならって99年からゴールデンスピリット賞が制定された。菅野は「具体的にはまだです」と活動内容は検討中だが、グラウンド内外で実績を積めば、受賞候補に名前が挙がるに違いない。

この日は、質問コーナーで子供から野球の魅力を聞かれ、「見ている人を感動させたり夢を与えることができる」と答えた。「みんな野球のことを知っていてくれたのでうれしかった。微力ながら、少しでも力になれたらと思います」。菅野サンタは、支援の輪を広げることを胸に誓った。

◆ゴールデンスピリット賞 日本のプロ野球球団に所属する人の中から、積極的に社会貢献活動を続けている人を表彰する。毎年1回選考委員会を開き、球団推薦と選考委員推薦で選ばれた候補者から1人を選定。欧米のスポーツ界では社会貢献活動が高く評価され、中でも米大リーグの「ロベルト・クレメンテ賞」が有名で、球界での最高の賞として大リーガーの憧れの的になっている。日本では試合での活躍を基準にした賞がほとんどで、球場外の功績を評価する表彰制度は初めて。いわば「球場外のMVP」。受賞者にはゴールデントロフィー(東京芸術大学名誉教授・絹谷幸二氏作成のブロンズ像)と阿部雄二賞(100万円)が贈られる。また、受賞者が指定する団体、施設などに報知新聞社が200万円を寄贈する。

 ◆過去の主なゴールデンスピリット賞受賞者と選考理由(所属は当時)

 ▽松井秀喜(巨人)99年の第1回受賞。神奈川県主催の「人権メッセージ展」に参加して「いじめ撲滅」を訴えるなど、92年の入団以来、チャリティー活動を継続。

 ▽赤星憲広(阪神)04年第6回受賞。03年から盗塁1個につき車いすを寄付。全国の施設や病院などに、2年間で計106台を贈呈した。

 ▽小笠原道大(巨人)09年第11回受賞。日本ハム時代の2000年から千葉・市川市の社会福祉協議会へ寄付を続け、06年12月には北海道家庭生活総合カウンセリングセンターへ500万円を寄付。08年からは小児がん患者らを支援。

 ▽ダルビッシュ有(日本ハム)10年第12回受賞。07年3月、開発途上国に対する資金援助を目的とした「ダルビッシュ有水基金」を設立。08年からは出身地の大阪・羽曳野市に「子ども福祉基金」設立。10年には宮崎県の口蹄(こうてい)疫被害を支援。1アウト3万円、合計981万円を寄付。

■2014.12.3  生活保護受給 高齢者世帯増で過去最多
生活保護を受けている世帯は、ことし9月の時点でおよそ161万2000世帯となり、高齢者世帯の増加で過去最多を更新した。

厚生労働省によりますと、ことし9月に生活保護を受けた世帯は、前の月より2123世帯増えて161万1953世帯。
受給世帯の増加は5か月連続で、昭和26年に統計を取り始めてから最も多くなった。

内訳は、65歳以上の「高齢者世帯」が最も多く、前の月よりおよそ2000世帯増えて75万9000世帯余りと、全体の半数近くを占めている。
次いで、働くことができる世代を含む「その他の世帯」が18%、けがや病気などで働けない「傷病者世帯」が17%、「障害者世帯」が12%などとなっている。

このうち、「その他の世帯」は4か月連続で減少していて、働くことができる世代で仕事に就く人が増えたことが背景にあるとみられる。
一方、生活保護を受けた人の数は、前の月より1757人増えて216万4909人だった。

厚生労働省は、「雇用情勢の改善や就労支援を行った結果、働くことができる世代では受給世帯が徐々に減っているが、1人暮らしの高齢者が増えているため全体として増加が続いている」と分析している。

■2014.12.3  エボラ感染者、1万7千人超 死者6070人 WHO
世界保健機関(WHO)は2日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の、疑い例も含む感染者と死者数のデータを更新し、合計がそれぞれ1万7145人と6070人になった。

国別では、最多のリベリアが感染者7635人で死者3145人。シエラレオネの感染者は7312人、死者は1583人。ギニアの感染者は2164人、死者数は1327人。

マリ(感染者8人、死者6人)や米国(感染者4人、死者1人)はいずれも増減はなかった。終息が宣言された国々では、スペインが感染者1人、ナイジェリアが感染者20人で死者8人、セネガルが感染者1人。

■2014.12.3  デイサービスの利用時間、上限拡大の方針 厚労省
自宅で介護を受けている人が施設に通うデイサービスの利用時間の上限について、現在の1日12時間から延長する方針を厚生労働省が固めた。仕事と介護を両立している家族らの負担を軽減する狙い。どのぐらい延長するかは今後詰める。介護保険サービスの値段にあたる介護報酬を改定する来年度から実施したい考えだ。

介護保険のデイサービスは、要介護の高齢者が施設に通い、入浴や食事をしたり、機能回復訓練を受けたりする。介護保険を使える利用時間は9時間までだが、家族の事情などで必要なら最長3時間まで延長できる。これ以上使う場合は介護保険の対象外となり全額が自己負担となる。この最長12時間の保険適用時間を延ばす方向だ。

■2014.12.3  職員の保険番号“拝借”患者でっち上げ…医療法人理事長のあきれた“錬金術”
診察したかのように装って診療報酬をだまし取ったとして、奈良県警捜査2課などは詐欺容疑で奈良市南登美ケ丘、精神科医で医療法人「光優会」(同市)理事長、松山光晴容疑者(54)を逮捕した。

法人職員の保険証番号を悪用してウソの病名や治療内容などを書き込む手口で、“患者”をでっち上げていたという。県警はほかにも「高額療養費」制度や障害者の自立支援給付金など数千万円をだまし取った疑いもあるとみて、“錬金術”の全容解明を進めている。

■元従業員の保険証番号を悪用

県警によると、松山容疑者は自らが運営する「クリニックやすらぎ八木診療所」(同県橿原市)で唯一の医師として、精神科や心療内科の診察にあたっていた。医療法人の理事長を務める一方で、一般社団法人「光優会」理事の肩書も持ち、同法人傘下のクリニックや事業所を実質的に経営していたという。

松山容疑者は、こうした「光優会グループ」傘下の事業所で以前に勤務していた男性の保険証番号を悪用。平成20年1月〜21年9月の21カ月間にわたり、診察したとする虚偽の「診療報酬明細書(レセプト)」を県国保連合会に提出し、計360万円の診療報酬をだまし取ったとされる。県警が10月に詐欺容疑で逮捕し、松山容疑者は11月に同罪で起訴された。

その後、同じ手口で5人の元従業員の保険証番号を悪用していたことが判明。診療報酬計約1400万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で再逮捕。妻(31)と男性事務長(53)も共犯として書類送検された。

捜査関係者によると、松山容疑者は「鬱病」などと勝手に病名を付けてレセプトを作成していたが、名前と保険証番号を悪用された男性らは「一度も診察されたことはない」「鬱病で通院したことはない」などと話しているという。

松山容疑者は県警の調べに対し、「患者だと認識していた」と容疑を否認しているという。

これまでに県警が押収した資料の中には、レセプトがあってもカルテが存在しないケースもあった。さらに、職員が光優会グループに就職する前の分についても、診察したと装って診療報酬を請求していたことがわかった。捜査関係者は「就職する際には、それまでの保険確認のために保険証のコピーを取ることもある。(松山容疑者は)こうした情報を悪用した」とみている。

「病院がこんなとんでもないことをしていても、本人たちに通知が届かないので気づかない。警察の捜査が及んで初めて悪用されたことを知った人もいる」(捜査関係者)

■巧妙な不正に審査も見抜けず

不正は実に巧妙に行われていた。

月々の窓口負担額が高額になった場合、一定の金額が還付される「高額療養費」制度の対象になり、患者本人に通知が届くことになる。ところが、松山容疑者は「高額にならないように金額を“調整”してぎりぎりで申請していた」(捜査関係者)という。

こうした不正を県国保連合会も見抜けなかった。

レセプトは毎月10日締め切りで前月分が集められ、医師や歯科医、薬剤師らで作る「審査委員会」にかけられる。書類に不備があったり、不審な点があったりすれば審査するが、連合会担当者は「連合会や審査委には、カルテを取り寄せる権限がない」と説明する。

審査委員会では、病名と診察、投薬内容が明らかに不自然な場合は不正を見抜けるが、カルテを取り寄せて照合できない以上は最終的に不正があったかは判断できないという。

さらに、同連合会に持ち込まれるレセプトは、1カ月に80万枚と膨大な量に及ぶ。それだけに、この担当者は「つじつまの合うレセプトが提出されていれば、嘘を見破るのは非常に難しい。保険者一人ひとりに確認を取ることも、事実上不可能」と指摘する。

こうした制度の穴をついて、不正に診療報酬を受け取っていた松山容疑者。捜査関係者は「『医師』や『病院』という社会的に信用のある職業を利用した悪質な詐欺事件だ」と語気を強める。

■4千人分の患者リスト…全容解明が急務

松山容疑者や光優会グループにかけられている疑いは、診療報酬の不正受給だけではない。

自立訓練をさせていたとの虚偽の書類を作成し、計約170万円を不正受給していたことがわかり、奈良県は25年3〜4月、光優会傘下のクリニックや事業所に対して指定医療機関の取り消し処分を行っている。また、高額療養費についても不正に取得していた疑惑も浮上しているという。

事件をめぐっては、内部告発などを受けて、橿原市が24年11月に県警に告発。県警は25年10月にクリニックなどを家宅捜索して大量の資料を押収し、レセプトとカルテなど膨大な資料をつき合わせて実態解明を進めてきた。

現在は2回目の逮捕に伴う取り調べが進められているが、松山容疑者がクリニックを開設したのは10年5月。いったい、いつからどれだけの不正受給を行ってきたのか。押収した資料には、約4千人の患者リストがあったとされ、捜査関係者は「捜査は年明け以降も続き、春先までかかる可能性もある」と話している。

■2014.12.3  NHK障害福祉賞 贈呈式
障害のある人やその家族がつづった優れた体験記に贈られる「NHK障害福祉賞」の贈呈式が、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた。

「NHK障害福祉賞」は、障害のある人とその家族の体験や活動を広く知ってもらおうと、NHK厚生文化事業団とNHKが設けている。
49回目のことしは、寄せられた381編の作品の中から11編が入選し、最優秀賞には、沖縄県の主婦、福峯静香さんの作品「ほほえみだけが、未来を語る」が選ばれた。

この作品は、重い障害のある息子を1歳11か月で亡くした後、障害のある子どもとその家族を支援する活動を始め、本当に必要な支援は何かを模索しながら活動する様子をつづったもの。

福峯さんは、ビデオレターで、「息子が亡くなってから周囲の助けが救いになってきた。受賞をきっかけに支援活動を頑張っていきたい」と話していた。

また、高齢化社会の生き方をテーマにした「NHK銀の雫文芸賞」の贈呈式も行われ、最優秀賞は、団地で1人で暮らす主人公が、親友の死をきっかけにほかの住民と次第に打ち解け、そのなかで起こった出来事を描いた埼玉県の薮本孝一さんの小説「春子の竹ボウキ」に贈られた。

入選作は作品集にまとめられ全国の図書館などに配られるほか、最優秀賞などの作品は、NHK厚生文化事業団のホームページで紹介される。

■2014.12.3  幸せ運ぶクリスマスマスケーキ 児童福祉施設へ
沖縄県洋菓子協会は3日、県内の福祉施設に贈るクリスマスケーキ260個を那覇市通堂町の沖縄製粉サービスセンターで作った。県共同募金会と県社会福祉協議会を通し、4日に、障がい児が通うデイサービス施設など86カ所に届けられる。

ホテルや洋菓子店で働く職人や専門学校生ら約50人がボランティアで参加。前日に焼いたスポンジにバタークリームを塗ってチョコレートをかけ、サンタクロースの砂糖菓子を飾った。材料は円安や消費増税で値上がりしているが、取扱企業が無料で提供した。

専門学校大育の製菓衛生師科で学んでいる長堂佳苗さん(15)は「ケーキを食べて笑顔になってほしい。将来は自分の店を持って、おいしいお菓子を作れるようになりたい」と話した。

■2014.12.3  障害者週間 関心そして支え合い
二千六百五十九人−。今年三月までの一年間に虐待を受けた障害者の人数である。互いの違いを認め支え合う共生社会へ、道のりは遠く険しい。きょうから障害者週間。関心を高める機会としたい。

二年前に施行された障害者虐待防止法に基づき、厚生労働省は初めて年間を通じた集計結果を公表した。家庭や福祉施設、職場での深刻な実態が浮き彫りになっている。三人の命が奪われていた。

二〇二〇年に東京パラリンピックを開く先進国として、恥ずかしい限りである。

虐待の疑いに気づいた人は、自治体に通報する義務がある。寄せられた相談や通報は七千百件を超え、二千三百件近くが虐待と認められた。それでも氷山の一角に違いなく、発見力を強めたい。

暴行や暴言、わいせつ行為は無論、許されない。面倒を見ずにほったらかしたり、賃金や年金を搾取したりしても虐待に当たる。

殊に残念なのは、被害者の七割が家族ら身近な養護者から虐げられていたという現実だ。世話疲れや気苦労に伴うストレスが引き金になったのだろう。地域の無理解や無関心に追い込まれ、家族ぐるみで孤立していなかったか。

被害者の六割を知的障害者が占めた点も見過ごせない。精神や身体の障害者に比べ、標的になる危険性が高いようだ。意思疎通が難しく、虐待の自覚や抵抗力が乏しいといった特性が背景にある。

日本は一月に障害者権利条約を結んだ。障害のある人も、ない人と等しく自立して暮らせる社会の実現を世界に誓ったのだ。

まず市民一人ひとりが障害者の置かれた実情を知り、手を差し伸べる努力が大切だ。高齢化も進み、誰しも障害や疾病と無縁ではいられまい。福祉行政にげたを預けて済ますべき話ではない。

少子化や人口減少が問題化する一方で、出生前診断の技術進歩により“生命の選別”があらためて論議の的になっている。障害児の生きる権利と、産み育てる親の自己決定権がぶつかり合う形だ。

障害があっても安心して安全に成長できる環境が保障されない限り、この世に生を受けることは一層困難になるだろう。この機に考えたい問題でもある。

障害者の虐待にとどまらず、差別も一六年度から法律で禁じられる。障害のない人となるべく同じ土俵に立てるよう、心身の故障や失調を社会全体で補い、支えることが求められる。人間らしく生きるとは。思いを巡らせたい。

■2014.12.3  2027年、献血85万人不足…日赤試算
20〜30代、減少続く

少子高齢化が進んだ2027年に輸血用血液製剤の必要量を満たすには、約85万人分の献血が足りないとする試算を日本赤十字社がまとめ、2日の厚生労働省の専門家会議で公表した。

10年に初めて行った試算を最新のデータに基づき見直した。

日赤によると、07年時点の献血者は、ピーク時の1985年に比べ376万人減の494万人にまで落ち込んだが、啓発活動などで、13年に521万人と持ち直した。

10年の試算では、27年に約101万人分の献血が不足するとしていたが、直近の年代別の献血率や人口推計などを基に改めて計算したところ、85万人分と不足の幅は縮小した。

若年層の献血率は減少が続いており、13年で20歳代が7・4%、30歳代が6・9%となっている。

厚労省は、20年度までの中期目標として、献血率向上や企業・団体の集団献血を増やす働きかけなどを強化する方針だ。

■2014.12.3  社会事業、75%が採算割れ 日本公庫調べ
貧困など社会問題に取り組むソーシャルビジネスについて日本政策金融公庫がまとめた経営実態調査によると、回答した事業者の75.0%は最近1年間の採算が赤字だった。福祉や街づくりなど収益を見込みにくい分野が多いうえ、小規模な事業が多いためとみられる。一方、補助金や寄付金などにより全体では約7割の事業者が黒字だった。

調査は8月に実施した。貧困や高齢化、環境保護など社会的な問題の解決につながる事業を手掛ける企業やNPO法人など2562事業者が回答した。

売上高をみると、1千万円未満が28.8%と最も多く、次いで2千万円以上5千万円未満が27.8%、1千万円以上2千万円未満が18.3%だった。5千万円以上としたのは25.1%だった。最近1年間の事業が黒字だとした事業者は25.0%にとどまった。

補助金や寄付金、会員からの会費収入のある事業者が多い。補助金は1事業者当たり2317万円、寄付金は同494万円だった。それらを含めた採算をみると69.2%が黒字だった。

■2014.12.3  「お泊まりデイ」の届け出義務化、具体的な報告の内容は?
来年度から導入される「お泊りデイサービス」の届け出制は、具体的にどんな内容になるのだろうか?厚生労働省がこれまでに示した考え方をまとめた。

想定されている届け出の中身は、

・ デイサービスの事業所番号

・ 事業所の名称・所在地・連絡先

・ お泊まりデイの利用定員・営業日・提供時間

・ お泊まりデイ実施時の人員配置

・ 宿泊室の概要(個室かそうでないか、プライバシーが保護されているかなど)

・ 消防設備の設置状況


の6項目。お泊りデイを実施する事業所は、利用者が実際に宿泊している日数などにかかわらず、これらの実態を指定権者(都道府県・市町村)に報告しなければならない。さらに、サービスの途中で利用者に関わる事故が発生した場合には、自治体や家族、ケアマネジャーなどに連絡することが義務付けられる。「認知症デイ」でお泊りデイを行う場合も同じだ。

厚労省は、「介護サービス情報公表制度」のシステムを活用し、集まった情報を提供することにしている。

利用者1人あたり7.43u

厚労省は既に、お泊まりデイの運営に関するガイドラインの骨子案も明らかにしている。このなかには、東京都などが設けている独自の基準も参考にして、


・ 夜勤の職員を1人以上配置しておく

・ 利用者ごとに7.43u以上の床面積を確保する

・ プライバシーを保護する

・ 消防法に規定された設備を備える

・ 個別サービス計画をつくる

・ 栄養状態に配慮した食事を提供する

・ 定期的な避難訓練を行う

・ 自立支援の原則を堅持する

・ 虚偽・誇大な広告の禁止


などを盛り込んだ。ガイドラインの全容は、今年度中にも通知される予定。

■2014.12.3  保育園やNPO、企業連携し介護予防 園児交流や買い物送迎 鹿児島県
南大隅町で保育園を運営する社会福祉法人「栄光会」やNPO法人、民間企業などが連携して新たな高齢者支援を始めた。保育園児との交流や買い物送迎などで、お年寄りの自立を助け、介護予防を目指す。

事業は「隅っこ高齢者元気わくわく支援」。独立行政法人福祉医療機構の補助を受け、実行委員会には民生委員や公民館長らも入る。介護保険制度の適用外者を対象に、孤立しがちな独居高齢者が地域と関わることで健康維持につなげる。

栄光会は陶芸や合唱など趣味を楽しみ会食する場をつくり、園児が集落に出向き交流を図る。NPO法人「DREAMウェルネス」は転倒、認知症予防の運動教室。民間の「ネッピー館」(芙蓉商事)は家族風呂を提供して、介護福祉士やホームヘルパーの資格を持つ職員らが入浴を助け、隣接する「なんたん市場」(同)での買い物も支援。送迎には保育園バスを活用する。

11月26日は根占保育園の園児18人が根占辺田の集落を訪れ、高齢者4人にダンスを披露して一緒に昼食を取った。竹野ヨネさん(83)は「子どもと触れ合う機会がないので来てくれてうれしい。元気をもらいました」と、はしゃぐ園児に目を細めた。

12月はスーパーマーケットへの買い物送迎を予定し、将来的には農作業なども行うという。事務局を置く栄光会の中村剛理事長(69)は「多くの組織と連携して多様なサービスを提供し、町のために頑張ってきた高齢者を元気にしたい」と話した。

■2014.12.4  <日和幼稚園訴訟>園側が責任認め和解成立
◎裁判長異例の前文 防災対策向上求める

 東日本大震災の津波で私立日和幼稚園(石巻市、休園中)の園児4人が亡くなったのは、園側が安全配慮を怠ったためだとして、遺族が園側に計約2億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は3日、園側が和解金計6000万円を支払うことなどで仙台高裁で和解した。津波犠牲者をめぐり初の賠償命令が出た訴訟は、提訴から約3年4カ月で終結した。

 中西茂裁判長は和解項目に異例の前文を付け、「悲劇が二度と繰り返されないよう、被災園児らの犠牲が教訓として長く記憶にとどめられるべきだ」と言及。幼稚園や保育所など、幼い子どもを預かる施設の防災対策の向上を求めた。
 和解項目は和解金の支払いのほか、(1)仙台地裁判決が認定した法的責任を園側が認め、謝罪する(2)園側が、幼稚園や保育所などは日ごろから防災体制を構築することが重要だと認める−など十数点に上った。
 訴えによると、園児を乗せた園の送迎バスは2011年3月11日午後3時ごろ、園のある高台から海側の低地に向けて出発。約45分後に津波に巻き込まれ、提訴した遺族の子ども4人を含む園児5人が死亡した。
 遺族側は「園側の事前対策の不備を認めた極めて意義のある和解だ。趣旨が広く社会に伝わることを願う」と強調。園側は「司法の勧告を厳粛に受け止め、幼くして失われた尊い命に思いを致し、冥福を祈る」とする談話を出した。
 地裁は13年9月、園側は送迎バスを低地に発進させれば被災するという程度の予見はできたと認定し、園側に計約1億7700万円の賠償を命令。園側が控訴した。

◎和解項目の要旨
 仙台高裁が教育現場の防災対策などについて言及した3日の和解項目の要旨は次の通り。
 【前文】
 当裁判所は、私立日和幼稚園側が被災園児らの死亡について、地裁判決で認められた内容の法的責任を負うことは免れ難いと考える。
 被災園児らの尊い命が失われ、両親や家族に筆舌に尽くし難い深い悲しみを与えたことに思いを致し、この重大な結果を風化させてはならない。今後このような悲劇が二度と繰り返されることのないよう、被災園児らの犠牲が教訓として長く記憶にとどめられ、後世の防災対策に生かされるべきだと考える。
 幼稚園側と遺族側は当裁判所の和解勧告を受け止め、以下の通り和解する。
 【1】
 幼稚園側は法的責任を認め、被災園児らと遺族側を含む家族に心から謝罪する。
 【2】
 幼稚園側は、幼い子どもを預かる幼稚園や保育所などの施設で自然災害が発生した際、子どもの生命や安全を守るためには、防災マニュアルの充実と周知徹底、避難訓練の実施や職員の防災意識の向上など、日ごろからの防災体制の構築が極めて重要であることと、日和幼稚園では津波に対する防災体制が十分でなかったことを認める。
    (中略)
 【5】
 幼稚園側は、遺族側に和解金として計6000万円の支払い義務があることを認める。

■2014.12.4  <日和幼稚園訴訟>遺族「後世に教訓残せた」
東日本大震災で園児が犠牲になった石巻市の私立日和幼稚園の訴訟は3日、控訴審で和解が成立した。

幼稚園側の法的責任を認めるだけでなく、日ごろの防災体制の不備も指摘した仙台高裁の和解案を遺族が受け入れた。遺族は「子どもを守る教訓が残せる内容」と評価しながらも、帰らぬわが子を思い、表情は硬いままだった。

和解成立後、園児3人の遺族4人が遺影を抱いて記者会見に臨んだ。西城春音ちゃん=当時(6)=を亡くした父靖之さん(46)は「判断力のない子どもたちを守るためのメッセージを、裁判所から示してもらえた。後世に教訓として残せる形ではないかと思い、和解に応じた」と語った。

佐々木明日香ちゃん=当時(6)=の母めぐみさん(35)は「提訴してから今日まで長かったが、娘を失った苦しさはこれからも続く。判決を全国の人に知ってもらい、保育や教育関係者には子どもの命を守ってほしい」と絞り出すように訴えた。

父純さん(35)は「真実を知りたいと起こした裁判だったが、本当のことは分からず、幼稚園からの謝罪も受けていない。これからも真実を求め、違った形で闘っていきたい」と述べ、真っすぐ前を見据えた。

■2014.12.4  自閉症の家族との旅、音楽朗読劇に 障害者週間
今月3〜9日は障害者週間。県主催の「障害者アートフェスティバル」の第1弾で、障害者と共生する社会の実現を訴える音楽朗読劇「旅へ!自閉症の息子らと」が6日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)で開かれる。

劇は、社会福祉法人「けやきの郷」(川越市)の阿部叔子常務理事が執筆した旅行記が原作。自閉症の30歳前後の青年3人とその母親ら計6人が、初めての海外旅行でカナダを訪れた体験を、ドキュメンタリードラマに仕立てた。

舞台となった1992年当時、日本では自閉症に対する無理解から、学校への入学を拒否されたり、「けやきの郷」設立時には反対運動が起こったりしたという。一方、旅先のカナダのホテルでは、自閉症であることを伝えても「ノー・プロブレム」と温かく受け入れられた。この体験が阿部さんが共生社会を考える原点となったという。

劇のラストシーンでは、就労継続支援事業所「やまびこ製作所」で働く利用者らが登場し、朝礼の風景を再現。「けやきの郷」のテーマソング「やったね!」を観客と一緒に歌い踊る。阿部さんは「いろんな方に見に来ていただいて、自分に何ができるのか、考えるきっかけにしてほしい」と話した。

公演は6日午後1時と5時からの2回。チケットは全席指定で1千円。彩の国さいたま芸術劇場や同劇場のホームページなどで販売している。問い合わせは県障害者アートフェスティバル実行委員会事務局

■2014.12.4  障害者雇用率全国3位 県内企業
2・27%達成割合1位維持

佐賀県内の企業(従業員50人以上)の障害者雇用率は2・27%で、前年より0・10ポイント上昇し、全国3位と順位を一つ上げた。法定雇用率(2・0%)を達成している企業の割合は前年比2・8ポイント増の66・4%で、4年連続全国1位を維持した。

障害者の法定雇用率2・0%が適用される従業員50人以上の県内企業535社の状況について、佐賀労働局が6月1日時点でまとめた。

535社の労働者数8万8293人のうち、障害者数は2003人で、実雇用率は2・27%だった。法定雇用率達成企業数は前年比20社増の355社で、達成率は66・4%だった。

調査時点で、県、市町で法定雇用率2・3%(県教委は2・2%)を達成していなかったのは神埼市、上峰町、みやき町、玄海町、白石町、有田町教委の6機関だった。玄海町と白石町、有田町教委は現在、法定雇用率を達成している。

佐賀労働局は「県内企業は全体的にみれば、障害者雇用に対する理解が進んでいる。ただ、3分の1は法定雇用率を達成していないので、共生社会の機運を高め、全体を底上げしたい」と話す。

■2014.12.4  福祉施設利用者が新聞バッグを製作し買い物客がレジ袋代わりに
高知県高岡郡中土佐町久礼の商店街で6日、各商店がレジ袋の代わりに新聞バッグを利用する「ONEday新聞バッグデー」が開催される。

新聞バッグのインストラクター養成などを行う四万十町小野のNPO法人「RIVER」(畦地履正代表理事)が、久礼地区の商店主らに呼び掛け、初めて企画した。

RIVERでは、過疎地域の高齢者の仕事づくりに新聞バッグを活用する「ソーシャルビジネス」の可能性を模索。四万十町十和地域で、地元女性が折った新聞バッグを道の駅「四万十とおわ」のレジ袋として使用するなど、地域と企業が連携した取り組みの支援を進めている。

今回は、中土佐町の地域活動支援センター「つどい処」など福祉施設の利用者らが持ち手なしの新聞バッグを製作。大、中、小のサイズ計約千枚を中土佐町久礼のお宮さん通りと大正町市場内の各店舗が購入し、午前10時〜午後5時の間に買い物客に提供する。

RIVERの松尾貴沙子さん(28)は「昭和期にはいろんなものを新聞紙で包んでいた。観光客や地元の人に、懐かしさと、エコな新聞バッグの面白さを感じてほしい」と呼び掛けている。

■2014.12.5  紙風船バレーで健康に 宮崎市のNPO 普及活動
宮崎市のNPO法人宮崎21高齢者福祉研究会(濱門康三郎代表)は、紙風船を使ったバレーボールのレクリエーションを広める活動をしている。同NPOが考案したもので、その名も「お笑い紙ふうせんバレー」。関係者は「高齢者に楽しみながら体を動かしてもらいたい」としている。

使うのは紙風船一つ。2チームに分かれて床に座り、紙風船を落とさないようパスをつなぐ。相手チームから来た紙風船は2〜5回で相手に返す。1回や6回以上で返したり紙風船を床に落としたりした場合、相手チームに1点が入る。10点先勝だが勝敗にはこだわらないため、「審判が加勢をしてもいい」などの「てげてげルール」もある。

同NPOによると、手軽にできる運動として高齢者に楽しんでもらえ、続けることで反射神経などが鍛えられるという。多くの高齢者に知ってもらおうと、市町村の開く健康づくり教室や高齢者施設などを訪問して広めている。

11月29日は九州ろうきんの助成を受け、審判の養成講座を宮崎市総合体育館で初めて開催。県内から集まった40人に、同NPO副理事長の澤田孝子さん(65)がルールや審判の役割を伝授。参加者は実際にプレーし、楽しみながらルールを覚えていた。

澤田さんは「年齢や障害の有無にかかわらず、誰でも楽しくプレーできるのが大きな魅力。介護予防の見地からも、ぜひ多くの人に知ってもらいたい」と話している。

1月には小林市野尻町でも養成講座を開く予定。

■2014.12.6  車いすのままOKです 利府の美容室 宮城県
利府町赤沼の高齢者福祉複合施設「壱ノ町」1階に入居する美容室「アール・バイ・ドリーム」が、車いすに乗ったままサービスを受けられる店として施設内外で注目されている。バリアフリーの美容室は県内でも少数派という。店の関係者は「車いす利用者に、おしゃれの選択肢を増やしたい」と話す。

店は塩釜市で理美容室を経営する徳山良子さん(57)がオーナーを務める。2席分のスペースには固定椅子がなく、車いすを鏡の前に移動できる。

施設の正面から美容室まで段差はない。同じ1階に車いす用のトイレがあり、ヘアカットの来店客も使える。施設利用者や住民ら対象の完全予約制で、常駐の従業員1人が対応する。

徳山さんは塩釜市などの高齢者施設で訪問美容を続ける。この経験から、高齢者や障害のある人も気兼ねなく行けるサロンを模索。昨年5月オープンの施設を運営する社会福祉法人「萩の里」(同市)が、住民も利用できるレストランと美容室を募集していることを知り、応募して出店が決まった。

一般的に理容室や美容室はテナントとしてビル内に入る例が多く、バリアフリー化が難しい。徳山さんは「運転でき、自由に外出しておしゃれを楽しみたい車いす利用者はいる。少数派でもニーズはあるはず」と語り、同様の取り組みが広がることを期待する。

■2014.12.6  清掃通じ世代間交流 生徒 高齢者宅を訪問 宮崎県
新富町・新田学園(児玉晴男校長、363人)は3日、生徒が地域の高齢者宅を訪ね、年越し清掃などを手伝う世代間交流を開いた。中学部1年生48人が参加。1組3、4人に分かれ、校区内の13軒で障子の張り替えや窓拭きなどを行った。

総合的な学習の一環。交流は高齢者を敬う心や郷土への愛着を育てようと、同校が昨年から実施している。

同日、同町新田・末永地区の尾ア景子さん(74)方では、中学生4人が地区に住む高齢者ら7人と協力して障子の張り替え作業に挑戦。昔ながらの方法で小麦粉を水に溶いてのりを作った後、高齢者から「ほこりがたまらないよう下から紙を貼っていくように」といったアドバイスに従い、丁寧に作業を進めていた。

参加した奥野杏佳さん(12)は「慣れない作業で戸惑ったが、分かりやすく教えてもらえ、きれいに貼ることができた」と笑顔。尾アさんは「地域で子どもと交流する貴重な機会となった。楽しみながら作業できて何より」と話していた。

■2014.12.7  散髪、こわくないよ 発達障害児向け、NPO設立
不安が強かったり、じっとしていられなかったりして散髪が苦手な発達障害の子どもが安心できるよう、障害の特性に配慮してヘアカットに取り組む美容師がいる。理解ある理美容師を増やそうと京都市でNPOを設立。北海道や関東にも試みが広がっている。

京都市伏見区の美容院「ピースオブヘアー」代表、赤松隆滋さん(40)のもとには、関西各地から散髪が苦手な発達障害の子どもが来る。児童館などでも定期的に散髪の会「スマイルカット」を開いている。

11月上旬に伏見区であったスマイルカットに参加した近くの小学4年、恩田喜美恵さん(10)は幼少時から散髪を嫌がった。昼寝の最中に母の知恵子さん(42)が前髪を切るのがやっと。後ろ髪は腰に届いていた。歯科医では暴れて危ないため全身麻酔で治療する。

昨夏にスマイルカットに来た際、赤松さんがまず自分の髪を切って「痛くないよ」と教えたところ、前髪を1本だけ切れた。2回目は10本。最近は漫画の登場人物の髪形をリクエストする。この日は「サザエさんのカツオ」と冗談めかし、「カットは楽しい」と話した。

近くの小学2年、岡本真輝君(7)は幼少時、理容室で泣いて暴れ、来店を断られ続けた。昨夏に初めてスマイルカットに参加。赤松さんは30分ほど遊んで緊張をほぐし、時計を示して「針が5を指したら散髪は終わり」と提案した。真輝君は数字に関心があり、エレベーターの停止階の表示を飽きずに見つめ続ける。そのこだわりに着目して提案したところ、嫌がらずに散髪できた。母郁子さん(41)は「赤松さんの人柄と対応のうまさのおかげ」と喜ぶ。

近くの高校1年、植田燎(かがり)さん(15)は、散髪されながら笑顔を見せた。幼少時から母の千晴さん(42)がカットしたが、いつもおかっぱ。千晴さんは「赤松さんのおかげでおしゃれになれてうれしい」と言う。

4年前、発達障害の男児の母親から「散髪を嫌がり困っている」と相談されたのが取り組みのきっかけ。障害の知識がなく散髪を引き受けたところ、男児はバリカンの音でパニックを起こした。

赤松さんはショックを受け、本などで障害を学んだ。発達障害では、見通しが立たないことに不安を感じたり、感覚が過敏だったりする例がある。男児は聴覚が過敏で、耳の近くのはさみの音も苦手なことがわかった。「今から切るね」と声がけをするなどしたところ、次第に慣れた。

大学教授ら専門家の助言も受けた。赤松さんは必要に応じて、衣服の上からケープを巻いたり洗髪したりする手順を最初に絵カードで説明。見えにくい場所を合わせ鏡で見せることもある。取り組みは口コミで広がり、発達障害の子ども延べ約500人を散髪した。

美容専門学校や大学などに招かれ講演や発表もする。「嫌がる理由に気づき、不安をなくすことが大切」と話す。

4月には、発達障害に理解のある散髪を広げるため、美容師仲間や福祉関係者ら約10人とNPO法人「そらいろプロジェクト京都」を立ち上げた。現在は、散髪のコツを盛り込んだ動画を制作中だ。「配慮や工夫によって発達障害の子どもの散髪はできることを伝えたい」という。

活動は広がりを見せている。長男(8)がアスペルガー症候群の北海道浦河町の美容師、木下まりかさん(35)は6月、赤松さんを招き、美容師向けの講習会などを開いた。以後、自身も障害の特性に配慮した散髪に取り組み始めた。

発達障害の園児を指導している横浜市の幼稚園補助教員、山田利絵さん(43)も、年明けから東京や埼玉に住む美容師と一緒に、活動を始める。山田さんが、事前に保護者の希望を聞き、散髪の調整役を担う。



〈発達障害〉 生まれながらの脳の機能障害が原因とされる。対人関係などに困難がある「自閉症スペクトラム障害」や、落ち着きがない「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、計算など特定分野が極端に苦手な「学習障害(LD)」などをいう。「自閉症スペクトラム障害」には、自閉症や広汎(こうはん)性発達障害、アスペルガー症候群などが含まれる。

■2014.12.9  犯罪を繰り返す高齢者 〜負の連鎖をどう断つか〜
全国の刑務所で入所受刑者の高齢化が加速している。
65歳以上の受刑者は20年前の5倍、2200人に上っている。そのうちの7割が何らかの病気にかかっており、柔らかい食事の提供など介護施設のような対応が必要だ。重症化した受刑者を頻繁に外部医療機関に移送するため、保安職員の配置が必要となり、通常の業務に支障が出ている。

問題の根にあるのは、高齢者の多くが社会的に孤立し、出所しても犯罪を繰り返してしまっていることだ。犯罪グループによって振り込め詐欺に加わるよう誘い込まれているケースもある。

こうした事態を食い止めようと、司法が取り組みを強めている。検察は身寄りのない高齢者を起訴猶予にして福祉施設に橋渡しする支援などを始めた。さらに出所後の高齢者を地域の支援機関に引き合わせる仕組みも動き出している。

居場所を作り、社会的孤立から犯罪に走る根っこを断つ試み。増え続ける高齢者犯罪の問題を考える。

■2014.12.10  介護保険受給者500万人超え 前年比4.6%増
厚生労働省は11月26日、2014年9月度の介護保険事業状況報告(暫定版)を発表した。報告によると、介護サービスの受給者は昨年9月度より22万1,701人(4.6%)増加して502万2,555人となり、初めて500万人を突破した。

内訳は、居宅介護(介護予防)サービスの受給者が374万2,912人(昨年9月比18万2,006人、5.1%増)。要介護1の受給者が22.4%と最も多くなっており、軽度(要支援1〜要介護2)の受給者が72.0%を占めている。そのうちの第1号被保険者数は364万4,993人、第2号被保険者は9万7,919人となっている。

地域密着型(介護予防)サービスは38万4,625人(同3万2,724人、9.3%増)で、要介護3の受給者が24.6%で最も多く、重度(要介護3以上)が56.0%を占める。

施設サービスは89万5,018人(同6,971人、0.8%増)で、介護老人福祉施設48万6,856人(同1.6%増)、介護老人保健施設34万5,905人(同1.0%増)、介護療養型医療施設6万5,216人(同6.4減)。要介護4が最も多く、27万6,897人、重度(要介護3以上)が73万7,313人と82.4%を占めている。

認定者数も600万目前

65歳以上の高齢者(第1号被保険者)の数は、3,254万2,747人で、昨年9月より110万1,466人(3.5%)増加した。内訳は65〜74歳の前期高齢者が1,693万1,841人(同80万880人、5.0%増)、75歳以上の後期高齢者が1,561万906人(同29万1,586人、1.9%増)。

要介護(要支援)認定者数は、597万7,837人(同21万5,750人、3.7%増)で、600万人が目前となっている。

要支援が166万9,592人(8万6,209人、5.4%増)、要介護1、2が219万605人(同9万4,264人、4.5%増)、要介護3以上が211万7,640人(同3万5,277人、1.7%増)。

保険給付費は、全体で7,143億円(同4.5%増)となり過去最高。居宅サービスが3,918億円(同5.3%増)で、54.8%を占めた。地域密着型サービスは809億円(同10.3%増)で、11.3%を占め、施設サービスは2,417億円(同1.4%増)で、33.8%を占めた。各サービスとも過去最高額だった。

また、第1号被保険者1人あたりの給付費も、前年9月度比1.0%増となる、2万3,251円で、過去最高を更新。

■2014.12.10  厚労省 「強化型」介護療養病床の新設を提案
厚生労働省は11月6日、社会保障審議会介護給付費分科会(座長=田中滋慶應義塾大学名誉教授)で介護療養病床に「療養機能強化型」の体系を新設することを提案した。医療ニーズや看取りへの対応が充実した介護療養病床を、「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」として重点的に評価する考えだ。

厚労省案では@入院患者のうち、重篤な身体疾患を有する者及び身体合併症がある認知症高齢者が一定割合以上A入院患者のうち、一定の医療処置を受けている人数が一定割合以上B入院患者のうち、ターミナルケアを受けている人数が一定割合以上C生活機能を維持改善するリハビリテーションの実施D地域貢献活動の実施――の5つの要件全てを満たす施設が対象となる。

介護療養病床は2017年度末で廃止されることが法律で定められている。しかし、14年4月時点で6万7,000床が残っており、療養型老健などへの転換は進んでいない。さらに厚労省は現在、「介護療養病床の機能は引き続き確保する」方針を示しており、その対応について注目を集めている。

存続、廃止の判断は同省が現在行っている実態調査の結果を踏まえ、介護保険部会の場で検討される見込みだ。

■2014.12.10  中小などの課税強化先送り 政府、社会福祉法人も断念
政府は社会福祉法人や中小企業への課税強化を先送りする方針だ。財務省が法人実効税率の引き下げの代替財源にするため検討を進めてきたが、反発が強く断念する。来年度の法人実効税率下げは赤字大企業への負担増などでまかなう。

政府の税制調査会は社会福祉法人など公益法人等への課税強化を7年ぶりに検討していた。社会福祉法人や学校法人は原則非課税で、物品販売や飲食などの34の収益事業にのみ税がかかる。法人税率は19%と、通常の法人(25.5%)に比べ低い。さらに収益事業であげた利益を非営利事業で使ってしまえば一定額まで課税されない。

介護分野などでは企業の参入が進んでいる。税の公平性がゆがんでいるとして課税強化を求める声がでていたが、社会福祉法人は与野党問わず支持母体になっており政治的な反発が強い。2015年度税制改正議論では見送ることにした。

財務省が検討していた中小企業への特例の税優遇の廃止も見送る方向だ。リーマン・ショック後、中小企業の法人税率(国税)は年800万円以内の所得に対し、特例で15%の税率が適用されている。14年度末に期限が来るため廃止を検討したが、大企業に比べて業績回復が遅れている中小企業に配慮して延長する見通しだ。

もともと中小企業の税率は本則でも19%と大企業(25.5%)に比べて低い。ただ、中小企業からは現在の特例税率(15%)から、さらに低くするよう求める声も強い。

法人実効税率を下げる財源としては、赤字大企業への課税強化などが固まった。ただ、現在、約35%の法人実効税率を20%台に下げる政府方針を実現するには、ほかに1兆円を上回る財源が必要になる。

■2014.12.10  障害者虐待 施設職員の質向上急務
厚生労働省はこのほど、2013年度1年間の障害者虐待の件数を公表した。被害者は全国で2659人に上り、うち3人が命を落とした。

県内では156人が被害に遭った。このうち73・1%が家族から虐待を受けている。自宅で介護する家族が精神的にも肉体的にも追い詰められ、いつの間にか「加害者」となっているのが実態だろう。障害者本人とともに、介護家族に対しても公的な手厚い支援体制を早急に構築する必要がある。

今回公表された「加害者の7割は家族」という内容から、障害者虐待は家庭内の問題、と捉える向きがあるとすれば、認識を改める必要がある。県内では被害者の19・2%は利用する福祉施設で、7・7%は国を挙げて雇用を推進する職場で虐待を受けている。特に、障害者支援の専門家が集まっているはずの福祉施設が虐待の舞台になっている事実は、極めて深刻だ。

事業形態別の内訳を見ると、入所施設とグループホームが計55・2%と半数以上を占める。こうした施設は、障害者の「ついのすみか」であり、家族にとっては「親亡き後」を託せる数少ない場所だ。だが絶対数が足りず、対応に不満があっても施設を移ることは簡単ではない。おのずと障害者側が我慢することになる。障害者虐待が顕在化しにくいのは、そうした事情が影響している。公表された件数は、氷山の一角にすぎないと考えるべきだ。

虐待を行った職員の内訳も、問題の根深さを象徴している。年齢に偏りはなく、職種では4人に1人が経営者やサービス管理責任者ら管理職だ。家族から虐待を受けて入所した施設で、今度は障害者に寄り添い社会との橋渡し役となるはずの施設職員から虐待を受ける、という悲劇が起こり得る。数字をそう読み解くのは、決してうがちすぎとはいえまい。職員の質向上が急務であり、これまで以上の取り組みが必要だ。

都道府県別では、施設での相談・通報件数も虐待件数も、神奈川が最も多い。だが、前向きに捉えたい。障害者虐待防止法が施行されてまだ2年余り。通年の公表は初めてで、児童や高齢者に比べ、認知度は低い。そうした中でも本人や家族、職員が訴え出て、行政による指導につながっている。さらに被害を訴えやすい風通しのよい環境をつくることに、行政も施設も力を入れてほしい。

■2014.12.10  殴られ蹴られ、暴言…虐待被害の障害者21人 和歌山県内で厚労省調査
家族や福祉施設の職員から暴力や暴言などの虐待を受けた障害者が、昨年度に和歌山県内で21人いたことが、厚生労働省の調査で分かった。県障害福祉課は「施設職員への研修や周知活動を通じて虐待防止に努めたい」としている。

平成24年に障害者虐待防止法が施行されたことを受け、全国で調査。自治体への通報や相談などを基に、虐待と判断された事例を集計した。

まとめによると、親やきょうだいなどから虐待を受けたとの通報・相談は33件で、うち虐待が確認されたのは12人。一方、福祉施設の職員から虐待を受けたとの通報などは9件寄せられ、9人で虐待が認められたという。

虐待の種別では、殴る蹴るなどの「身体的虐待」が10件と最も多く、暴言を浴びせるなどの「心理的虐待」、不当に財産上の利益を得る「経済的虐待」などもあった。

認定された虐待の中には、施設の職員が数年間にわたり障害者に対して暴言を浴びせたり、パニック状態になった障害者を叩くなどのケースが確認された。同課によると、福祉施設での虐待では第三者委員会の設置など再発防止策を指導、家族による虐待では虐待された障害者の一時保護などの措置を取ったという。

調査初年度の24年10月1日〜25年3月末で、虐待が認められたのは計7件、7人だった。

■2014.12.11  高齢者、障害者に防災ラジオ配布…宮城
宮城県塩釜市は、高齢者や障害者に対し、今月下旬から防災ラジオの無償配布を始める。自然災害などの緊急時には、地域のコミュニティーFM局を通じて市の防災情報を自動受信する仕組みになっており、迅速な避難に役立ててもらう考えだ。

市はこれまでも地域FM局を経由して緊急情報を知らせてきたが、寝たきりなどの理由でラジオの電源を入れることが難しい人もいる。このため、防災ラジオは、電源が入っていない場合でも自動的に起動するほか、地域FM局以外の放送を聴いていても緊急放送が割り込むように設定した。

配布対象は、災害時に手助けが必要となる一人暮らしの高齢者や障害者。市はまず、「避難行動要支援者」として登録している約900世帯への提供を始め、その後、未登録の市民らにも配る。最終的には計3000世帯に配備する予定で、市民安全課は「災害の発生をいち早く伝えることが安全確保の大原則。市民の生命を守る仕組みを整えたい」としている。

■2014.12.11  「本当に幸せ」今泉さん、地元・福山に凱旋 最年長将棋プロ入り
将棋のプロ編入試験第4局で3勝目を上げ、戦後最年長でのプロ入りを決めたアマチュア将棋界の強豪、今泉健司さん(41)が、試験の行われた東京から地元・広島県福山市に凱旋(がいせん)した。介護ヘルパーとして勤務する同市引野町の老人介護施設で11日、祝勝会が開かれ、職員や利用者らと喜びを分かち合った。

今泉さんは福山市神辺町在住。市内の中学校を卒業後、プロ棋士を目指して大阪へ移り住んだ。その後、プロ棋士養成機関「奨励会」に2度入会したが、四段に昇格できず2度とも退会となった。

35歳で福山に戻り介護職員として就職したが、職員らの励ましを受けながらアマ大会への出場を重ね、9月にプロ編入試験の受験資格を初めて獲得。今月8日にプロ入りを決めた。

今泉さんは10日、老人介護施設「愛の郷引野」に合格後初出勤し、夜勤明けの11日午前に祝勝会が開かれた。今泉さんがくす玉を割ると、利用者らから「おめでとう」とお祝いの声があふれた。同僚の藤川紀代子さん(62)は「いっぱいの感動をもらった。本当におめでとう」と涙を流した。今泉さんは「本当に幸せ。1つずつ勝ちを増やし、記録に残る活躍をしたい」と感謝の言葉を述べた。

■2014.12.11  県内障害者実雇用率、5年連続全国1位 民間企業2.46% /山口
山口労働局が県内の障害者雇用状況(6月1日現在)を発表した。民間企業の実雇用率は、2・46%(前年比0・13ポイント増)で、全国(1・82%)を大きく上回り、5年連続で全国1位。しかし雇用先の拡大など課題は多く、同局は「障害者ができる仕事を創り出してもらい、一人でも多く採用してほしい」と呼びかけている。

調査は県内に本社機能を置く、従業員50人以上の844社を対象に実施。雇用障害者数は前年同期比8・4%増の3972・5人で過去最高を記録した。内訳は▽身体障害者2138人(前年同期比1・8%増)▽知的障害者1496・5人(13・5%増)▽精神障害者338人(37・7%増)だった。

ただ、障害者雇用促進法が義務づける、職場の労働者のうち2%を障害者から雇う「達成率」は52・5%で全国20位。

県内には山口市に、全国で「1店舗1人」を目標に障害者を雇用し、実雇用率6・64%を達成するカジュアル衣料品店「ユニクロ」経営の「ファーストリテイリング」本社があるため、県内全体の数値が押し上げられているという。

同局によると、今後は県内の公共職業安定所が障害者職業センターなど専門機関と協力し、障害の程度や個性に合った働き方を企業に提案する「提案型指導」を通じて働きかける。また、障害者の職場実習の積極導入も呼びかけていく。

一方、公的機関の雇用障害者数は▽県110人(実雇用率2・81%)▽県警本部14人(2・76%)▽県教委160人(1・92%)▽市町など332人(2・43%)だった。

■2014.12.11  介護ショートステイ拡大へ 緊急時は居室以外使用も
厚生労働省は、自宅で暮らす高齢者が短期間入所し介護や看護を受ける「ショートステイ」の受け入れを2015年度から拡大させる。緊急時には専用の居室以外の静養室を使えるようにするほか、介護付き有料老人ホームの空き部屋もショートステイに使用しやすいよう規制緩和する。特別養護老人ホームを希望しても入れない要介護の待機者が約52万人に上ることから受け皿機能を強める。

厚労省によると、ショートステイ施設は全国に9千超ある。今回の見直しでは、体調を崩した入所者用に設置されている静養室での寝泊まりを認める方針だ。

■2014.12.12  笑顔の障害者 働く複合店
 ◇1階ケーキ販売 2階カフェ 売り上げ伸ばし自立を
障害者らが働くカフェやマルシェ(物販店)の複合店舗「BONO(ボノ)」が舞鶴市浜にオープンした。2階のカフェから舞鶴湾を望めるのが魅力で、スタッフたちは明るい雰囲気のなか、「お客さんを迎えるのが楽しい」と生き生きとした表情で接客している。

作業所などを運営する社会福祉法人「まいづる福祉会」が、海上保安学校の施設だった建物などを購入して全面改装し、同法人が市内で経営する仏料理店「ほのぼの屋」の姉妹店として、5日に開店した。

1階のマルシェでは8種類の手作りケーキやコーヒー、クッキー、織物などを販売。カフェでは4種類のスムージーやパンケーキなどが目玉で、ランチメニューも人気が高い。来年4月頃からは仕出し専門の弁当店も開く予定という。

20人の障害者と同法人の職員10人が接客や調理などにあたる。障害者たちは約1か月間、あいさつや身だしなみなどの研修を受講。知的障害のあるスタッフのために、コーヒーマシンのボタンに動物のシールを貼り、Sサイズ1杯は「リスワン」という掛け声にするなど工夫している。

レジを担当する碓井美緒さん(26)は「お客さんに『ありがとう』と言われると、うれしい」と充実した様子。テイクアウト担当の岡野寿子さん(47)は「言葉遣いに気をつけている」と張り切っている。店舗責任者の内海あきひさん(55)は「売り上げを伸ばして、自立できるだけの給料を支払えるようにしたい」と意気込む。注文時間は午前10時〜午後4時。木曜定休。

■2014.12.12  ハンセン病療養所に特養老人ホーム建設
◇来年10月完成予定

国立ハンセン病療養所・邑久光明園(瀬戸内市邑久町虫明)で11日、特別養護老人ホーム「せとの夢」=完成予想図=の起工式が行われた。来年10月頃に完成予定という。

社会福祉法人・愛あい会(岡山市北区)が建設、運営する。国から約3900平方メートルの敷地を借り、鉄筋3階建て延べ約3100平方メートルに、入所用50床、ショートステイ用10床を用意。療養所の入所者と交流できるカフェスペースも設ける。総工費は9億7100万円。

起工式の後、同園の屋おく猛司・入所者自治会長は「地域の人たちと交流ができ、果たせなかった社会復帰を施設ぐるみで行える。うれしい」と喜び、愛あい会の前田計子かずこ理事長も「お花見や夏祭りなど、機会をとらえて親睦を深めたい」と話した。

同園では入所者の高齢化が進み、平均年齢は84歳。そのため、社会復帰は事実上難しいことから、ハンセン病療養所の将来構想をすすめる会・岡山で2011年4月、園を開放して交流を進めようと、施設の誘致を決めた。

■2014.12.12  障害者虐待、認定37件 横浜市
家庭や福祉施設からの暴行や暴言など、何らかの虐待を受けた障害者が2013年度、市内で37件あったことが県の発表で分かった。年間を通じた調査は今回が初めて。虐待が閉鎖的空間で行われやすい環境などから全容を把握するには難しい一面も残している。

これは12年10月に施行された障害者虐待防止法(以下、防止法)に基づき、市と県がまとめたもの。厚生労働省が実施した全国の調査発表にあわせ、県内市町村分が集計された。これまで防止法施行から13年3月までの6カ月の実態が発表された経緯がある。

人口が最も多い横浜市は、通報や届出、相談件数が491件で、このうち虐待と認定されたのが37件。県内では153件が虐待と認定された。市内の内訳は、家族や親族など養護者による虐待が27件で全体の7割を超え、施設従事者による虐待も7件報告された。県は「横浜市で通報件数が多いのは障害者虐待の周知が進み、制度そのものが浸透してきているのが一因なのでは」と分析する。

オープン化も対策の一つ

虐待は殴る、蹴るなどの身体的虐待や、言葉や態度で相手に苦痛を与える心理的虐待が多く、このほかに、性的虐待、放棄・放任(ネグレクト)、経済的虐待などに分類される。

今回、虐待の被害状況が明らかになったとはいえ、実態を把握するにはいくつかのハードルがある。虐待そのものが家庭や施設など、閉鎖的な空間で起こりやすい上、被害者が虐待を訴えることも、認識することもできないケースが多いからだ。この点について、横浜弁護士会の高齢者・障害者の権利に関する委員会委員長の内嶋順一弁護士は「公表された被害者数は氷山の一角。あくまでも待って集計した数で実態を把握することは難しい」と指摘。

防止法では虐待に気づいた人の通報が義務付けられているが、一方で、虐待の未然防止や早期発見に対する体制作りも求められる。内嶋弁護士は「地域住民が施設を利用するなど、外部の目が行き届く風通しの良い環境を作ることも対策のひとつ」と付け加える。

今回の調査結果は次年度以降、件数増減を判断する目安に。市は「支援や指導を行いながら地道に啓発活動を続け、件数削減につなげたい」と話している。

■2014.12.12  被害障害者23人 県まとめ、7割以上肉親から 昨年度 /茨城
2013年度に虐待を受けた県内障害者は23人だったことが、県障害福祉課のまとめで分かった。家族から虐待を受けているケースが多く、暴力など身体的虐待が目立った。また、古河市の障害者施設では、職員が知的障害と身体障害のある男性1人を虐待していた事例も判明した。

同課によると、市町村に寄せられた13年度の虐待通報・相談件数は計63件。調査した結果、21件が虐待と認定された。虐待内容(複数回答)は身体的虐待が最多の16件に上り、暴言など心理的虐待と育児放棄(ネグレクト)が各5件だった。

男女内訳は男性7人、女性16人。女性は男性より2倍以上多かった。障害種別(複数回答)は知的障害13人▽精神障害6人▽身体障害4人▽その他1人だった。誰に虐待をされたか調べたところ(複数回答)、母と兄弟・姉妹が最多の各4件。両親や配偶者、子どもなどを含めた肉親が7割以上を占めた。

県は虐待相談・通報の専用窓口「障害者権利擁護センター」を設置しており、防止マニュアルやパンフレットを配布して障害者の権利擁護の啓発に努めているほか、障害者施設の施設長らを対象にした研修を実施している。相談・通報は同センター

■2014.12.12  なぜ90歳女性の1000万円は引き出されたのか
◇介護関係者が定期的に面談に訪れていたが…

東京都台東区で今年9月、ほぼ寝たきりだったアパート経営の女性(90)の預金約1000万円を勝手に引き出したとして、同じアパートに住む女ら3人が窃盗容疑などで逮捕される事件があった。しかし同時期、認知症の症状もみられた女性の元には介護関係者が定期的に面談に訪れていた。なぜ事件は防げなかったのか。現場を歩くと、認知症患者を取り巻くシステムの「限界」や「盲点」が見えてきた。

「面倒を見てくれる人ができたの」

独身を通し、身寄りもほとんどいない女性が、数年間にわたり身の回りの世話をお願いしてきたヘルパーに突然解約を申し出たのは2012年7月のことだ。「これからは私がやるから」と、そばに付き添っていたのが事件の首謀格で、隣室に住む知人の女(78)=高齢のため逮捕後釈放され、在宅で捜査中=だった。

警視庁下谷署などの調べによると、女はそれ以降、被害女性の部屋に入り浸り、知り合いでヘルパーの山形百代被告(65)や仲間の女性を呼び込んだ。ノウハウのある山形被告が週1〜2回、女性の入浴や買い物を手伝っていたとされるが、その一方で、女らはすしやうなぎの出前を頻繁に取るなど、女性の金でぜいたくをするようになっていったとみられる。

13年4月。女性は「お金がなくなった」などと取り乱した様子で同署に駆け込んだ。被害は確認できなかったが住所も言えない状態だったため、同署は認知症の疑いがあるとみて区の「やなか地域包括支援センター」に連絡。職員が女性の元を度々訪れるようになったが、翌月から女らは女性になりすまして銀行で多額の現金を下ろすなど行動をエスカレートさせた。

同年11月、女性は認知症と診断された。区が代行して成年後見人の申し立てを行うため財産などを調べて事件が発覚した。立件できたのは通帳で確認できた分だけで、同年5〜12月に約10回、計約1000万円が引き出されていた。供述によれば、女は「『金は自由に使っていい』と言われ、飲食などには使ったが盗んでいない」と話したという。


「ヘルパーが解約された時点で(派遣元の)介護事業者や行政は女性に正常な判断能力があるか疑うべきだった」とみるのは認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長だ。

介護は公的事業であり、責任を伴うという考えが指摘の根底にはある。しかし、解約された女性ヘルパーは警察の任意聴取に「老老介護になると心配したが利用者の意思が優先なので反対しなかった」と話したといい、ある派遣業者も「私たちは民間業者で、相手はお客さま。それ以上口を差し挟めない」と語る。

成年後見制度は、認知症など判断能力が不十分だと判定された人の財産管理を代行するため00年4月に導入された。それは、医師の診断が出るまでは、疑わしい症状があったとしても周囲は財産管理には関与できないという意味でもある。職員が面談を繰り返していた包括支援センターの施設長は「通帳を見る権限はなく、金の出入りは把握できなかった」と釈明する。

永田研究部長は再発防止策について、「市区町村が初期の認知症患者と市民後見人の候補者との交流の場を設けるなど、早い段階から行政が間に入れば犯罪防止にもつながるのでは」と提案する。



10月上旬、釈放されてアパートに戻った女に会った。取材に対して、女性を「ママ」と呼び、「娘のように可愛がってくれた。盗んでいない」と警察での主張を繰り返した。

女性はいま、後見人の司法書士が仲介した台東区内のグループホームで暮らす。妹が1人、都内にいることが分かったが、高齢で介護はできない状態だという。

◇成年後見人

高齢による認知症や知的障害、精神障害などで判断力が衰えた人に代わり、財産管理や契約行為、法定手続きを行う。弁護士や親族ら個人だけでなくNPOなどの法人もなれる。本人や配偶者、親族、自治体(首長)らの申し立てで家裁が任命する「法定後見」と、本人が事前に決めて、家裁が監督する「任意後見」の2種類がある。

最高裁によると、制度の2013年末の利用者は17万人超で、集計を始めた10年以降最多となった。しかし65歳以上の認知症高齢者は推計約460万人で、精神・知的障害者も含めると利用率はわずか2%との推計もある。担い手の確保も急務で、厚生労働省は12年の改正老人福祉法で、研修を受けた市民による「市民後見人」を育成する努力義務を市区町村に課した。

■2014.12.13  地域の人と餅つきで交流会 八幡浜の作業所
愛媛県八幡浜市八代の精神障害者通所作業所「王子共同作業所」で12日、地域住民との「もちつき交流会」があり、湯気を上げて次々とつき上がる餅を囲んで、一年の無事を祝った。

1日平均約10人が働いている作業所に親しんでもらおうと、運営する八幡浜地域家族会(若宮宗由会長)などが毎年開催し、23回目。作業所で袋詰めを担っているクラッカーを参加者全員で鳴らして、餅つきスタート。交代しながらきねを振るい、約50キロのもち米をついていった。

■2014.12.13  各党の衆院選公約の要旨
---【自民党】---

〔経済・財政〕
経済再生と財政再建を両立させながら雇用や所得の増加を伴う経済好循環を拡大▽物価安定目標2%の早期達成に向け大胆な金融政策を推進▽基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を2020年度までに黒字化▽黒字化目標達成に向け具体的な計画を来年夏までに策定。

消費税率は17年4月に10%へ引き上げ▽軽減税率制度は関係事業者を含む国民の理解を得た上で税率10%時に導入。17年度導入を目指し、対象品目や安定財源などについて具体的に検討▽衆院選後速やかに経済対策を断行。

日本再興戦略を確実に実行し、民需主導の経済成長に向け環境整備を進める▽法人実効税率は来年度から数年で20%台まで引き下げることを目指す▽この2年間で農業、雇用、医療、エネルギーなどあらゆる岩盤規制を打ち抜く▽農協改革(中央会制度など)は与党でまとめた「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」に基づき議論を深め、着実に推進。
 
〔社会保障など〕
消費税は全額、社会保障財源とする▽消費税を再増税する17年4月までの間も着実に子ども・子育て支援、医療、介護などを充実▽医療保険制度改革を推進▽介護・障害者福祉サービスを担う職員の処遇を改善。

〔エネルギー〕
エネルギーミックス(適切な電源構成)の将来像を速やかに示し、責任あるエネルギー政策を構築▽原子力はエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付け活用▽原子力規制委員会が基準に適合すると認めた場合は原発の再稼働を進める。

〔地方〕
地方公共団体へのバラマキとならない地方創生交付金を創設▽地域商品券発行など地方の自主的な取り組みを支援する交付金創設▽「地方創生特区」の導入。

〔女性〕
20年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標の実現。

〔教育〕
道徳教育の充実▽幼児教育を無償化。

〔外交・安保〕
中国、韓国、ロシアとの関係改善▽いわれなき非難に断固として反論し、対外発信を通じ日本の名誉・国益を回復▽環太平洋連携協定(TPP)交渉は国益にかなう最善の道を追求▽平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備。

〔憲法改正〕
憲法改正原案を国会に提出し、国民投票を実施。

〔政治・行政改革〕
衆院議長の下に設けられた選挙制度調査会の答申を尊重し、より良い選挙制度改革に取り組む▽公務員再就職規制は厳格に運用し、「天下り」に関する国民の疑念を払拭(ふっしょく)。

〔その他〕
震災時に国と自治体の機関を機動的に動員・指揮命令できる「緊急事態管理庁(仮称)」設置を至急検討。



 
---【民主党】---

〔経済・財政〕
「厚く豊かな中間層」を復活
▽消費税引き上げは延期
▽給付付き税額控除導入を検討
▽異次元の金融緩和でなく、柔軟な金融政策を日銀に要求
▽生活の不安を希望に変える「人への投資」
▽予算を消化できないような「ばらまき公共事業」は見直し
▽グリーン(環境)、ライフ(医療)、農林水産業、中小企業に政策資源を集中
▽補助金交付を通じたガソリン・軽油などの価格高騰対策を実施。

〔社会保障など〕
公的年金制度を一元化し、最低保障年金を創設
▽労働者派遣法、残業代ゼロ制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)導入は認めず
▽非正規雇用の待遇改善
▽介護報酬・障害福祉報酬をプラス改定▽税金と医療、年金、雇用保険料を一元的に扱う「歳入庁」設置
▽子どもの貧困解消。

〔エネルギー〕
30年代原発ゼロに向けあらゆる政策資源を投入
▽政府の責任ある原発の避難計画がなければ再稼働に反対
▽再生可能エネルギーの導入を促進する「分散型エネルギー推進基本法」制定
▽エネルギーの地産地消で雇用創出。

〔地方〕
農業者戸別所得補償制度で農家所得を向上
▽地域産業の活性化を図り、コンパクトシティを形成
▽使いやすい一括交付金を創設▽ものづくりの起業・創業支援を中小企業担当相の下で一元化。

〔女性〕
子育て支援策を抜本拡充し、結婚・出産支援策を強化
▽妊婦検診、出産費用を助成▽ひとり親家庭への支援、仕事と育児・介護の両立支援を推進。

〔教育〕
義務教育の35人学級拡充
▽所得制限のない高校無償化制度を実現
▽大学などで給付型奨学金を創設
▽待機児童の解消へ予算確保。

〔外交・安保〕
集団的自衛権行使を容認した閣議決定は立憲主義に反するため撤回を要求
▽TPPは国益を確保するため脱退も辞さない厳しい姿勢で臨む
▽動的防衛力を強化し、日米同盟を深化▽近隣諸国との信頼醸成と関係改善
▽第三者機関による監視・関与を強化するまで特定秘密保護法施行を延期
▽領域警備法を制定。

〔憲法改正〕
国民主権・基本的人権・平和主義を守り、未来志向の憲法を構想。

〔政治・行政改革〕
衆参両院の1票の格差を是正し、議員定数削減を実現▽国家公務員総人件費の2割削減を目指す。

〔その他〕
NPO税制の維持・拡充で「新しい公共」推進
▽ヘイトスピーチ対策法制定
▽集中復興期間(5年間)を延長。
 



---【維新の党】---

〔経済・財政〕
消費税増税法の「景気条項」削除に反対
▽軽減税率ではなく給付付き税額控除を実現▽円安対策としてガソリン税を減税
▽税と社会保険料の徴収を一元化する「歳入庁」設置
▽徹底した競争政策▽新規参入規制の撤廃・緩和。

〔社会保障など〕
混合診療を解禁▽医療への株式会社の参入促進
▽公的年金制度は積み立て方式へ移行▽「同一労働同一賃金」を推進
▽保育・介護職員の低賃金対策として期間限定の処遇改善交付金を予算措置。

〔エネルギー〕
発送電分離を進め、電力の市場取引を拡大
▽再生可能エネルギーの導入促進▽原発依存から脱却▽既存原発はフェードアウトへ
▽「核のごみ」最終処分問題の解決がない限り原発再稼働を認めない「原発再稼働責任法」を制定。

〔地方〕
道州制移行
▽国の出先機関を原則廃止
▽20万人の職員を地方移管
▽消費税を地方税化
▽地方交付金制度を廃止し、調整財源配分を地方が決める「地方共有税」創設
▽減反廃止とコメ輸出の促進
▽戸別所得補償制度は主業農家に限定
▽全国農業協同組合中央会(JA全中)の抜本改革▽第二、第三の農協設立を推進。

〔女性〕
出産・育児期に就労率が下がる「M字カーブ」を解消
▽女性雇用率を設定
▽結婚や子育て資金を対象に贈与税を非課税に。

〔教育〕
公設民営学校の設置など多様な教育
▽教育委員会制度の廃止
▽教育予算の対国内総生産(GDP)比を先進国並みに。

〔外交・安保〕
他国への攻撃であっても、わが国の存立が脅かされる場合に現行憲法下で可能な「自衛権」行使の在り方を具体化
▽領域警備法を制定。

〔憲法改正〕
道州制を憲法に明記▽道州制導入後、一院制国会を実現
▽首相公選制を導入
▽憲法改正へ国民的議論を喚起▽政治、行政による恣意(しい)的憲法解釈を許さない憲法裁判所を設置。

〔政治・行政改革〕
国会議員歳費と議員定数を3割削減
▽国、地方の公務員総人件費を5兆円削減
▽企業・団体献金を禁止▽文書通信交通滞在費の使途を公開
▽独立行政法人の「埋蔵金」の国庫返還などで7.5兆円の財源創出▽日本たばこ産業(JT)、日本郵政などの株式売却で、25兆円以上の財源創出
▽首相が年100日海外に行けるような国会運営。

〔その他〕
統合型リゾート(IR)推進へ法整備▽ヘイトスピーチ規制の在り方を具体化。




---【公明党】---

〔経済・財政〕
消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率導入を目指す
▽軽減税率導入に向け対象品目などを早急に検討
▽簡素な給付措置の対象拡大など中低所得者世帯を支援
▽住宅ローン金利を引き下げ、住宅エコポイントを復活▽過疎地や社会福祉施設などへの灯油・ガソリン購入補助
▽20年度に基礎的財政収支黒字化を達成▽信頼できる「中期財政計画」を早期に策定。

〔社会保障など〕
消費税率10%への引き上げまでの間も年金・医療・介護・子育て支援を充実
▽がん検診受診率向上や先進医療を普及。

〔エネルギー〕
原発新設を認めず40年運転制限制を厳格に適用
▽原発に依存しない社会・原発ゼロを目指す
▽原発再稼働は国民、住民の理解を得て判断。

〔地方〕
地方自治体への新たな交付金設置▽地方への移住促進。

〔女性〕
15年4月から子ども・子育て支援新制度を確実に実施
▽約40万人分の保育の受け皿を確保。

〔教育〕いじめ防止教育を推進
▽養護教諭などの配置を拡充。

〔外交・安保〕
継続的な日中首脳会談を実現し、人的交流を促進
▽日韓首脳会談を早期開催
▽安全保障法制整備は7月の閣議決定を的確に反映した内容になるよう政府・与党で検討し、国民の理解が得られるよう丁寧に取り組む。

〔憲法改正〕
▽新たな条文を現行憲法に加える「加憲」が現実的で、対象は環境権など
▽憲法9条は第1、第2項を堅持。

〔政治・行政改革〕
選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げるため公職選挙法を改正
▽会計責任者に対する政治家の監督責任を強化するため政治資金規正法を改正。

〔その他〕
15年度までの集中復興期間後も必要な財源確保に努力
▽原発事故の被災者の早期帰還に向け除染を推進。
 



---【次世代の党】---

〔経済・財政〕
アベノミクスの基本的方向性は是とするが、軌道修正が必要
▽金融政策への過度な依存を是正
▽消費税率の10%引き上げは現時点で反対
▽「財政責任法」の制定による国家経営の責任明確化。

〔社会保障など〕
公的年金を積み立て方式へ移行▽「同一労働同一賃金」の徹底などによる非正規雇用労働者の待遇改善
▽生活保護制度を日本人に限定し、困窮した外国人には別の制度を設ける。

〔エネルギー〕
電源構成の多様化による脱・原発依存体制の構築
▽使用済み核燃料サイクル、最終処分場の選定問題に具体的な結論を出す
▽発送電分離を含む市場改革を通じた自然エネルギーの活用拡大。

〔地方〕
日本型州制度への移行により二重行政を解消
▽消費税の地方税化と地方共有税制度の創設。

〔教育〕
「独立自尊」の精神を養い、愛国心を育む教育。

〔外交・安保〕
集団的自衛権に関する憲法解釈を適正化し、個別的・集団的自衛権行使の要件(部隊行動基準含む)を明確化する安全保障基本法制を整備
▽平時の領域警備や武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に関する法整備
▽国境地域や基地周辺など安全保障上重要な土地の取引と使用を規制。

〔憲法改正〕
国民の手による新しい憲法(自主憲法)の制定
▽必要不可欠な自衛権および自衛隊(国防軍)に関する規定の新設。

〔政治・行政改革〕
徹底的な行財政改革、政策立案体制の向上と国会議員定数の削減。
 



---【共産党】---

〔経済・財政〕
消費税率の10%引き上げは先送りではなく中止
▽将来的に消費税を廃止し、品目を限った個別間接税を実施
▽相続税の課税評価額に準じた基準で5億円を超える資産保有者に課税する「富裕税」創設
▽法人税率引き下げ中止▽多額の為替取引に課税する「為替取引税」創設。

〔社会保障など〕
労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働を臨時的・一時的業務に厳格に制限
▽「解雇規制・雇用人権法案」の制定
▽低額年金の底上げを図り、全額国庫負担による最低保障年金制度を確立。

〔エネルギー〕無謀な原発再稼働と輸出をやめ、即時「原発ゼロ」の政治決断を行う
▽再生可能エネルギーの計画的な大量導入と省エネの徹底。

〔地方〕
集約化による新たな地方切り捨て政治、地方自治を変質させる道州制の導入に断固反対。

〔女性〕
国連の女性差別撤廃条約に基づく実効ある措置の具体化を進め、女性に対する格差と差別の是正を図る。

〔教育〕
日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を正しく伝え、公教育に侵略戦争の美化・肯定を持ち込まない。

〔外交・安保〕
集団的自衛権行使の閣議決定を撤回し、「海外で戦争する国づくり」に反対
▽沖縄の新基地建設をストップし、米軍普天間飛行場を即時閉鎖▽新型輸送機MV22オスプレイの全国展開に反対。

〔憲法改正〕解釈改憲や明文改憲を許さず、立憲主義を守る。

〔政治・行政改革〕
小選挙区制と政党助成金を廃止し、企業・団体献金を禁止
▽公務員の労働基本権を回復。
 



---【生活の党】---

〔経済・財政〕
消費税再増税は凍結▽予算の組み替え、特別会計の抜本改革により年金・医療・介護の財源を捻出
▽TPPには参加せず各国との自由貿易協定(FTA)を推進。

〔社会保障など〕
非正規雇用の正規化を推進▽最低保障年金と所得比例年金を構築し、年金制度を一元化
▽医師の適正配置、診療科の偏在是正のため「地域医療基本法」を制定
▽介護休業制度を拡充し、在宅介護に関する現金給付など介護手当を導入
▽給付型奨学金の創設など奨学金制度を拡充▽住宅ローン減税をし、住宅取得に係る税制優遇措置、給付措置を実施。

〔エネルギー〕
原発の再稼働・新増設は一切容認しない
▽原発は全て廃止し、太陽光、風力、地熱など再生可能エネルギーを普及
▽省エネ技術を普及し、高効率火力発電技術を活用。

〔地方〕
公共事業を持続的かつ適正規模で実施▽エネルギーの地産地消を推進し、地域経済の発展と雇用拡大を実現
▽農業者戸別所得補償制度を法制化▽就農支援策を充実させ、青年の就農・農村定住を促進。

〔外交・安保〕
対等な日米関係を確立▽米軍普天間飛行場の名護市辺野古移転を中止し、国外・県外への移設を検討
▽中国、韓国などアジア諸国との友好協力関係を発展
▽憲法の平和主義、国際協調の理念に基づき、国家を守り、世界平和、地球環境保全に貢献。

〔憲法改正〕
憲法改正なき集団的自衛権の行使容認は反対。

〔政治・行政改革〕
行政権限と財源を地方に大胆に移す。
 



---【社民党】---

〔経済・財政〕
消費税率を5%に引き下げ、高所得者や大企業への課税を強化
▽「いのち」(介護、医療など)と「みどり」(農林水産業、環境、自然エネルギー)の分野に重点投資
▽TPP参加に反対。

〔社会保障など〕
最低保障機能を備えた年金制度を創設
▽70〜74歳の医療費窓口負担1割を継続。

〔エネルギー〕原発再稼働は認めず、再生可能エネルギー導入を促進。
 〔地方〕地方分権・自治を推進
▽道州制導入に反対▽農業者戸別所得補償制度の法制化。

〔女性〕
選択的夫婦別姓の導入
▽クオータ制を導入し女性の社会・政治参画を推進。

〔外交・安保〕
集団的自衛権行使容認の閣議決定は撤回。

〔憲法改正〕
憲法改正に反対。

〔政治・行政改革〕
政党や政治資金団体への企業・団体献金を禁止。




---【新党改革】---

〔経済・財政〕
消費税再増税の延期は安倍晋三首相の判断を支持
▽アベノミクスを補強する具体策として家庭への投資を柱とする「家庭ノミクス」を推進▽複数税率導入を検討
▽法人実効税率を25%へ引き下げ。

〔社会保障など〕
国民年金、介護保険、医療保険の一体化
▽待機児童解消へ幼稚園・保育園の増設。

〔エネルギー〕
原発に依存してきた社会が抱える矛盾や格差、分断を乗り越え助け合う「超原発社会」の構築▽再生可能エネルギーや高効率火力発電、家庭用燃料電池を組み合わせ原発のない豊かな社会を実現。

〔外交・安保〕
国民の命や暮らしを守るため安全保障法制を整備。

〔憲法改正〕
新たな時代にふさわしい憲法改正の国民的議論を提起。

■2014.12.13  後見制度悪用し2000万円横領 姉に実刑判決
成年後見制度を悪用し、交通事故で重度の障害を負った弟の預貯金約2千万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた川崎市多摩区、無職の女(57)の判決公判が12日、横浜地裁であり、大森直子裁判官は懲役2年6月(求刑懲役4年)の実刑を言い渡した。

大森裁判官は判決理由で、「財産管理を委託した後見人の信頼を裏切り、弟の療養介護費のための預金を費やしており悪質」と指摘。借金返済やパチンコ代などに充てるためという動機についても「身勝手というほかない」と非難した。

判決などによると、同被告は障害を負った長弟の成年後見人として横浜家裁川崎支部から選任された次弟から委託を受け、長弟が受け取った保険金などの財産管理に従事。長弟が障害者施設に入所した直後の2009年9月から12年1月までの間、71回にわたり預金計1988万円を引き下ろして横領した。

◆見過ごし2年以上 家裁「不正 誠に遺憾」

判断能力が十分でない人を支援する成年後見制度を悪用した犯行に対し、横浜地裁は実刑という厳しい姿勢で臨んだ。一方、公判では、後見人を選任した家裁側が2年以上にわたり虚偽報告などの不正を見過ごしていた実態も明らかになった。

成年後見人は、被後見人の財産管理状況を家裁に報告することが義務付けられている。だが被告人質問などによると、家裁への報告を行っていたのは後見人だった次弟ではなく、同被告だった。長弟の障害者施設への入所を報告しなかったほか、書類作成を遅らせたり、入所後も在宅介護を続けているように記載したりするなど、不正を行っていた。

2年以上たってから家裁の調査で発覚。公判で「書類の書き方が分からなかった」と弁明した被告だったが、裁判官から「何も指摘を受けなかったので大丈夫かと思ったのか」と問い詰められると、「そういう気持ちもあった」とうなずいた。発覚後、新しく選任された後見人と毎月5万円ずつ返済すると約束したが、一度も守られていなかった。

横浜家裁は「不正が行われたことは誠に遺憾。今後一層、適切な後見人選任や不正への迅速な対応など、防止に努めたい」とコメントした。

■2014.12.13  世界に類を見ない「超高齢化社会」に突入する日本 一方で三十代の孤独死も…
「2025年問題」

国内人口で最大のボリュームを占める昭和22〜24年生まれの「団塊の世代」(約700万人)が、すべて75歳以上に突入するのがこの年だ。全体で2178万人、国民の5人に1人が後期高齢者になる。世界に類を見ない「超高齢社会」が出現する。

生涯医療費の4割を使うのは75歳を過ぎてからだ。年間医療費は92万円で75歳未満の4・6倍。要介護認定を受ける人の割合もこの年から上昇する。

厚生労働省の将来推計によると、社会保障給付費は109・5兆円(平成24年度)から148・9兆円に膨らむ。このうち医療は35・1兆円から54兆円に、介護は8・4兆円から2倍超の19・8兆円に達する。

社会保障と税の一体改革で「高齢社会の安定財源」とされたのが消費増税だった。10%引き上げの先送りは、2025年の社会にどう影響するのか。


若者の犠牲の上で…865万人、月370円で医療“放題”

 「もう少し慎重に検討する必要がある」

11月13日の衆院厚生労働委員会。塩崎恭久厚労相の答弁に明快さはなかった。民主の中根康浩氏から75歳以上の保険料の見直しについて追及を受けていた。

後期高齢者医療制度の給付費は公費が5割、現役世代の保険料からの支援金が4割、自己負担が1割。その自己負担分にしても全加入者の過半数にあたる865万人が、最大9割の特例軽減を受けている。毎月の保険料は平均でわずか370円に過ぎない。

現役世代との公平性の観点から、厚労省は特例軽減の段階的廃止を盛り込んだ医療制度改革試案をまとめていた。しかし、11月11日に解散風が吹き始めると、予定していた試案公表を急遽(きゅうきょ)見送った。

865万人に「痛み」を強いる改革が実行されるか否か。選挙を前にあいまいにされたままだ。


 「孤独死」の問題も切実になっている。

大阪府寝屋川市の社会福祉協議会は4月から、高齢者の自宅の鍵を預かる「緊急時安否確認事業」を開始した。全国的にも珍しい取り組みに視察が相次ぐ。

社協職員が希望者から鍵を受け取り、目の前で封印。職員が24時間常駐する介護施設などで管理し、緊急時には複数人で立ち入りを行う。鍵を預けた1人暮らしの高齢者はすでに424人を数える。

この半年間で鍵を使ったケースは6件。うち2件で、昏倒していた高齢者の発見につながった。

「鍵を預かることより、安否確認の協力者をいかに確保するかがポイント。地域で見守る力がないと回らない」と同社協地域福祉課の浜吉信彰課長は話す。

協力施設の特別養護老人ホーム「寝屋川苑」で管理する鍵は100人分を超えた。「周辺地区の独居の高齢者は1400人。もっと普及させたい」とホームの斉藤実さんは意気込む。



大阪市東淀川区では昨年11月、団地の一室で住人の無職女性(31)が餓死しているのが見つかった。電気、ガス、水道が止まり、同居している60代の認知症の母親は脱水状態で先に病院に搬送されていたが、別室にいた女性の存在には誰も気づかなかった。

人生の終末をどこで、どんな形で迎えるのか。その選択は、決して高齢者だけの問題ではない。

厚労省によると、2030年に医療機関で死亡する人は89万人、自宅は20万人、介護施設は9万人、その他は47万人と推定されている。社会保障と税一体改革で、政府は在宅医療の推進を提言。「看取りは病院ではなく、自宅で」という方向性を打ち出したが、1人暮らしの高齢者をどうフォローしていくか、議論は深まっていない。

■2014.12.14  退職手当共済 障害分野の助成廃止へ
厚生労働省は11月19日、社会福祉施設職員等退職手当共済制度について、障害者施設・事業への公費助成を廃止する考えを社会保障審議会福祉部会に示した。経営主体が多様化し、社会福祉法人にのみ助成する理由が乏しくなったと判断した。委員からは反対する意見があったが、厚労省は社会福祉法人改革の一環として2015年中の法改正を目指す。

公費助成を廃止すると社会福祉法人の負担する掛け金が増える。厚労省は障害福祉サービスなどの報酬(公定価格)にその負担増分を反映する方針。既加入職員の掛け金には、法改正後も公費助成する経過措置を設ける。

障害分野の経営主体に占める営利法人の割合(12年4月現在)は35%で、社会福祉法人と肩を並べるまで増えた。経営主体の多様化が進んだことから、厚労省は公費助成の廃止に踏み切る。

保育所への公費助成廃止も株式会社などによる保育団体がかねて求めていたが、厚労省は今回の法改正では見送る。15年度からの子ども・子育て支援新制度の施行状況を踏まえて判断する。


児童養護施設などの措置施設・事業も公費助成を維持する。

介護保険の施設・事業への公費助成は、営利法人とのイコール・フッティング(競争条件の同一化)の観点から、05年の法改正で廃止が決定。障害分野、保育所への公費助成の廃止は積み残し課題とされていた。

委員からは障害分野への公費助成廃止に反対する意見があったが、いつまでも反対はできないとするムードも漂う。共済制度を存続させるにはやむを得ないとの考えだ。

また、公費助成の廃止には理解を示しつつ、「イコール・フッティングを理由に廃止すると、さまざまな規制のある社会福祉法人は、営利法人と比べて逆に不利になる」とする見方もある。

このほか厚労省は、退職手当の額を16年以上の長期加入者に手厚くする考えも示した。辞めた職員が復帰した場合に加入期間を合算する仕組みも、利用しやすいものに改める。いずれも職員の定着を図ることが狙い。委員は大筋で了承した。



社会福祉施設職員等退職手当共済制度

公立の福祉施設職員との待遇格差を埋めるため、1961年に開始。福祉医療機構を実施主体とし、福祉施設を経営する社会福祉法人が任意で加入する。国と都道府県が掛け金の3分の1(14年度は約250億円)ずつ助成し、残り3分の1を法人が負担する。公費助成対象者の4割を保育所が、3割を障害分野が占める。今年4月1日現在の被共済職員数は約78万人。13年度の退職手当支給総額は約942億円。

■2014.12.14  おみやげグランプリ、茶処ラスク最終選考に 京都・木津川
京都府木津川市加茂町観音寺の障害者施設「ワーキングセンターいづみ」が地元産茶葉を使って商品化した洋菓子「いづみの茶処(ちゃどころ)ラスク」が、東京で開催中の「おみやげグランプリ2015」のフード・ドリンク部門で最終選考に残った。

一般の商品と同じ舞台で競い、味だけでなくアイデアやデザインなど総合評価で1次審査を通過した。関係者は「障害者施設の品としてではなく、商品として評価されてうれしい」と喜んでいる。

ラスクは同施設でパン製造を指導する職員が2年かけて商品化して昨夏、抹茶、煎茶、ほうじ茶の3種類が発売された。昨年10月に神戸市であった施設同士のコンテスト「スウィーツ甲子園」では初めて府代表となって出品した。茶の香ばしさと一口サイズの食べやすさが評判を呼び、現在はアルプラザ木津(木津川市)や和束茶カフェ(和束町)でも販売されている。

「見栄えも手土産や贈答品として恥ずかしくない物を」と味だけでなく、パッケージのデザインにもこだわった。市内のデザイナーに依頼し、職員も交えて何度も話し合い、高級感漂う特注の箱や趣のあるロゴを作った。

フード・ドリンク部門では全国の278品中、50品に残った。1月上旬に最終の結果発表がある。パッケージ開発などを担当した職員の濱茂さん(38)は「ラスクが有名になって一番喜ぶのは施設利用者。地元の特産品として長く根付いてほしい」と話した。ラスクは1袋450円。問い合わせは同施設

■2014.12.17  第64回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール  11月15日、東京都文京区のトッパンホール
社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会が主催する第64回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール(特別協賛:株式会社ナチュラリープラス、会場協力:トッパンホール、後援:東京都東京都教育委員会、東京都新宿区、全国盲学校長会、NHK厚生文化事業団、毎日新聞社、点字毎日、毎日新聞社会事業団)が11月15日、東京都文京区のトッパンホールで開かれた。

最も感銘を与える演奏者に贈るヘレン・ケラー賞はここ2年該当者がいなかったが、今年はピアノ1部に出場した小原檀さん(横浜市立盲特別支援・小2)が見事輝いた。小原さんは出場者中最年少。しかもトップの登場でいやが上にも緊張が強いられる中、小さな指が鍵盤に触れると珠玉の音色が鳴り出し「最初のフレーズを聴いたとたんにぞくっとした。何ときれいな音色だろう」と審査した先生方が異口同音に絶賛した。

今年の出場者は全国の小学生から高校生まで49人。器楽7部門、声楽3部門の10部門で日頃の練習の成果を披露した。

昨年出場者がゼロだったバイオリンは今回3人がエントリー。またその他の楽器の部には沖縄衣装をまとった三線奏者やフルート、ホルン、クラリネットが登場し、バラエティーに富んだ演奏を見せてくれた。

例年審査に当たっていた和波孝よし先生が今年は都合で欠席されたため、代わりにバイオリニストの桐山建志先生が初めて審査に入ってくれたが、「出場した皆さんのレベルの高さに驚きました。バイオリンの3人はとてもいい勉強をしていて、心に伝わってくる演奏が多く感動しました」と感心していた。

鍵盤楽器演奏家の武久源造先生は「毎年バッハを弾いてほしいと話してきたが、今年はピアノ部門でバッハが聴けてうれしかった。でも弾くときには左手と右手がお互いをリードするように弾くことを注意してください。一生懸命練習するうちに音楽がおもしろくなってきます。基本的な部分でバッハを学びましょう」と話した。

合唱指揮者の淡野弓子先生は「今年も素敵な演奏が聴けました。ぐっとレベルが上がってきました。演奏に対する集中力、聞いてほしいという意欲が活発になってきたのです。合唱を学ぶには自分のパートだけでなく他のパートも歌えるように練習するともっとよくなります」とアドバイス。

桐朋学園大学学長の梅津時比古先生は「お世辞ではなくレベルの高い演奏を聴けました。たくさんのコンクールを聴いているが、ヘレン・ケラー記念音楽コンクールが一番質が高いと感じています。出場する皆さんの集中力や緊張感が質を高め、大きな感動に導いてくれます」と賞賛した。

特別演奏は桐朋女子高校音楽科1年の古澤香理さんがバイオリンでモーツァルトの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタト短調KV301」など3曲を華麗に演奏、観客を魅了した。

ヘレン・ケラー賞
小原檀(横浜市立盲特別支援・小2)=ピアノ1部1位

ピアノ1部・出場4人
1位=小原檀(横浜市立盲特別支援・小2)
2位=石田乃彩(新潟県南魚沼市立浦佐小・3年)
3位=相原晴(筑波大附視覚特別支援・小2)

ピアノ2部・出場7人
1位=佐藤あかり(福島県相馬市立中村第二小・5年)
2位=善如寺風太(岐阜県立岐阜盲・小6)
3位=亀井康生(横浜市立盲特別支援・小6)
奨励賞=玉置陽南(横浜市立盲特別支援・小5)

ピアノ3部・出場4人
1位=工藤星奈(秋田県立盲・中2)
2位=該当者なし
3位=武井勇樹(千葉県立千葉盲・中3)、
   岩月かほり(愛知県立名古屋盲・中2)
奨励賞=川崎春香(新潟県立はまぐみ特別支援・中1)

ピアノ4部・出場4人
1位=該当者なし
2位=野翼(栃木県立盲・高1)
3位=渡邉麻菜美(岐阜県立岐阜盲・高2)
   水野隆(東京都立文京盲・高1)

弦楽器の部・バイオリン3人
1位=遠山作弥(群馬県立盲・小5)
2位=坂下行人(新潟県佐渡市立金泉小・4年)、
    池内風香(筑波大附視覚特別支援・中3)


その他の楽器の部・出場4人
1位=川添ミユ(フルート演奏 東京都立八王子盲・中2)
2位=坂田優咲(ホルン演奏 筑波大附視覚特別支援・高2)
3位=該当者なし


創作・編曲の部・出場4人
1位=該当者なし
2位=渡邉麻菜美(創作演奏 岐阜県立岐阜盲・高2)
3位=亀井康生(創作演奏 横浜市立盲特別支援・小6)

独唱1部・出場1人
1位=芳澤和子(長野市立南部小・5年)

独唱2部・出場4人
1位=宇木素裕(東京都立文京盲・高3)
2位=鈴木萌依(筑波大附視覚特別支援・高3)
3位=中畑友里(筑波大附視覚特別支援・専1)

重唱・合唱の部
1位=中畑友里・鈴木萌依(筑波大附視覚特別支援・専1、高3)
2位=該当者なし
3位=筑波大附視覚特別支援・中学部合唱部、
    東京都立文京盲・音楽部
奨励賞=ヘレン・ケラー学院

■2014.12.17  障害者雇用率が過去最高 和歌山県内の民間企業
和歌山県内民間企業の障害者雇用率は2・06%で、統計開始の1977年以降最高だったことが和歌山労働局の調査で分かった。全国平均は1・82%。雇用障害者数も1752人で過去最高だった。

法律は企業、国、公共団体などで障害者雇用を義務付けている。従業員数50人以上の民間企業の法定雇用率は2%。

調査は6月1日現在で実施。県内の雇用率は昨年より0・03ポイント上がり、全国では11位。産業別で見ると、医療・福祉の2・59%が最も高かった。

法定雇用率を達成した企業は、県内530社中302社。割合は57・0%(全国平均44・7%)で昨年より0・2ポイント低下。全国では7位だった。

和歌山労働局によると、県内の障害者雇用率、雇用障害者数、法定雇用率達成企業割合はこれまで常に全国平均を大きく上回っている。「雇用率未達成企業には採用をお願いするとともに、2018年の精神障害者雇用義務化を視野に入れて雇用を促していきたい」と話している。

■2014.12.17  2014年度グッドデザイン賞の“むせにくいコップ” 「レボ Uコップ W」12月17日に発売!  〜最後まで顎を上げずに飲める嚥下障がいや幼児にやさしいデザイン〜
介護用品を企画・製造・販売するファイン株式会社(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:清水 直子)は、2014年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した“むせにくいコップ”「レボ Uコップ W」を12月17日に発売いたしました。

「レボ Uコップ」をリニューアルした「レボ Uコップ W」は、より快適な使い心地を追求し、改良を重ねた結果、「よく考えられたユニバーサルデザインである。」との高い評価を受けました。
介護用品カタログやWEBにて販売予定で、初年度1万個の販売を目指します。

商品詳細ページ: http://www.fine-revolution.co.jp/special/ucupw.html


■“むせにくいコップ”「レボ Uコップ」とは
病気や加齢、服薬が原因で常にむせやすい方、嚥下障がい(飲み込み機能の障がい)のある方に向けた「むせにくいコップ」です。鼻側のコップの縁を低くしたことで、最後まで同じ姿勢を保持したまま飲みきることができます(頭を後屈させると、むせやすくなるため)。
また、成長段階にある障がい児にも使い易いため、自身でできることをサポートする食器としても役立ちます。取っ手を自由に動かすことが可能なので、要介護者の前側から飲用をサポートする場合に便利です。
本体は内容物が見えやすい半透明であるため、介助する方も傾け加減がわかり、本体にある目盛りにより飲んだ量の把握が容易です。主に病院、自宅、介護施設などでのご使用に役立ちます。


■主な特徴と改良点 〜より使いやすくなった「レボ Uコップ W」〜
取っ手を2本にしたことで両手でもコップを持つことができるようになり、握力の弱い方、介助の必要な方、お子様でも簡単に使用できます。また、シーンに合わせて取っ手が回転するため、介護者による補助をうけながら飲む等自由自在です。
指一本で外せる蓋を付けました。自立式なので外した際に場所を取らず、飲み残しても埃が入らないため衛生的です(蓋は現行品にも対応可)。また、目の弱った方でも認識しやすいユニバーサルカラーを採用し視認性を高めました。


■色弱の方にわかりやすく、食器や飲料との調和も考慮したデザイン
生きる楽しみとして一番に挙げられることの多い「食事」ですが、むせだけではなく、加齢と共に困りごとも増えてきます。このコップでは指に引っ掛けるだけで外せる蓋、指の間に挟み込むだけで持てる取っ手、健常者と色弱の方と共通で認識できる分かりやすいカラーリングを目指すなど、簡単な動作で扱えることを大切に、周りの食器や中に入れる飲料との調和も考慮し、食事がもっと楽しくなるようデザインしました。

・デザイナー
トイハウス株式会社 田路 光宏(本体)、曲尾 健一(パッケージ、カラー)


■グッドデザイン賞について
1957年に創設されてから、50年以上にわたって暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰し続け、その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,000件、55年間で約40,000件に及んでいます。

<グッドデザイン賞審査委員の評価>
特に高齢者や身体の不自由な方にとって嚥下(飲み込み)が問題になることが多い。また、小さな子どもにとっても液体を上手く飲むのは難しい。コップを使う時の行動についての詳細な知見に基づき、隅々にまで細やかな配慮がなされている。大きくカラフルな2つの取っ手は視認性が高く、さらに回転させて方向を変えることで適切な位置に合わせ、両手でも片手でも持ちやすい。液体が流れ出やすく、またこぼしづらく、身体を反らさなくても飲める飲み口、開けやすく目立つふたなどにも工夫がある。よく考えられたユニバーサルデザインである。


■「レボ Uコップ W」製品概要
<仕様>
材質   :本体     ポリプロピレン
      フタ・取っ手 ABS樹脂
本体サイズ:高さ(フタ含) 117mm
      内径     64mm
      重量     109g
      容量     200ml
色    :本体     半透明
      取っ手、フタ オレンジ
耐熱温度 :本体     100℃
      フタ/取っ手 80℃
製造国  :日本

発売日: 2014年12月17日
価格 : 1,800円(税別)
URL  : http://www.fine-revolution.co.jp/special/ucupw.html


■ファイン株式会社の概要
社名  : ファイン株式会社
設立  : 1973年10月(創業1948年)
資本金 : 2,000万円
代表者 : 代表取締役社長 清水 直子
所在地 : 〒140-0013 東京都品川区南大井3-8-17
工場  : 伊賀工場(三重県伊賀市)
事業内容: “不便を便利に、不安を安心へ”をモットーに、
      日用衛生用品(歯ブラシ・歯磨き剤)のほか、
      医科・理化学器具類洗浄剤、
      キシリトール入りグミキャンディなどを製造・販売。
      1998年より介護用品(機能回復自助具)の開発・販売を手がける。
URL   : http://www.fine-revolution.co.jp/

■2014.12.18  JR高架下 障害者働く農園
◇葉物野菜をビニールハウスで水耕栽培

社会福祉法人「大阪手をつなぐ育成会」が、知的障害者らが働くビニールハウスの農園を東大阪市のJRおおさか東線の高架下に開設し、葉物野菜の水耕栽培を始めた。鉄道の高架下の空きスペースを使った珍しい取り組みで、同法人は「生産を軌道に乗せ、多くの人が働ける場にしたい」としている。

農園は、JR俊徳道―長瀬両駅間の高架下にあり、同法人が、同線を保有する大阪外環状鉄道から土地を借りて、「アグリガーデンしゅんとくみち」として11月にオープンした。

ビニールハウス2棟(320平方メートルと140平方メートル)があり、その中に栄養のある溶液を張った栽培棚を並べ、サンチュやフリルレタスなど5種の葉物野菜を育てる。種まきから3〜5週間で収穫でき、フリルレタスだけを栽培した場合、年間に約15万株を生産できる。

知的障害者の生活支援などを行う同法人は、収穫の喜びが感じられることから、農業で収益を得る就労支援施設の運営を目指してきた。ただ、そうした農地は都市部には少なく、生産性が高いとされる水耕栽培の検討を進める中で、高架下のスペースに着目した。

土を使わない水耕栽培は、蛍光灯の明かりで野菜が育つため、太陽光が差し込まない高架下でも行える。また、高架下だと雨にさらされず、直射日光も当たらないため、ビニールハウスが劣化せずに長持ちする。開設にあたっては、民間企業から指導を仰ぎ、農林水産省から半額の補助を受けた。

現在、障害者1人が実習生として、支援員4人とともに働き、軟らかくて肉厚な食感が特徴というサンチュを焼き肉店に出荷している。同法人は今後、障害者を20人まで受け入れるとともに、販路を広げ、年間約2000万円の売り上げを目指す。

同法人の障害者職業生活相談員の藤井義久さん(57)は「ここなら駅からも近く、多くの障害者が通いやすい。将来は、障害者支援に興味のある企業とも連携し、より多くの工賃を渡せるようにしていきたい」と話している。

■2014.12.18  子どもの入院 “遠距離看病” 家庭の実態 往復4時間以上でも「毎日付き添う」62.4%
公益財団法人ドナルドマクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン
ドナルド・マクドナルド・ハウス 40周年を期した子どもの入院実態調査−“遠距離看病”家庭は「移動の負担」「時間の負担」「経済的負担」重く

公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(理事長 柳澤正義)は、
病気と闘う子ども達とその家族のための滞在施設 「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の取組みが1974年にアメリカで始まって以来、世界で40周年となることを機に、病気と闘う子どもと、その家族のための滞在施設への支援の必要性を広く伝えるため、子どもの入院実態に関する調査を実施いたしました。
子どもがいる男女のうち「自分の子どもに入院経験がある」方は、37.5%。うち、入院先となる病院と自宅の距離が「片道2時間以上」かかる家庭は、50家族中1家族の割合で存在します。

過去にお子様が入院した経験を持つ方々は「今後経験者としてアドバイスしたいこと」として「親が子どもに付き添いやすい施設の紹介」(53.0%)、「家族の悩み相談を受けてあげたい」(40.1%)といった回答をしています。

“遠距離看病”は50家族中に1家族

 子どもが入院した際、「自宅と病院の距離が遠く離れてしまう」ことを余儀なくされる家庭が存在します。最善の治療を子どもに受けさせたいという親の想いは皆同じなのですが、お子様の病状等の様々な事情により入院可能な病院が限られてしまうのが大きな要因であり、これはどの家庭にも起こり得ることです。なお、子どもがいる男女のうち、「自分の子どもに入院経験がある」方は、37.5%(1万人あたり3,755名)でした。
 “遠距離看病”を「自宅と病院の距離が2時間以上」と定義した場合、子どもが入院している家庭全体のうち2.1%が遠距離看病に該当しており、50人に1人の割合になっています。“遠距離看病”となった場合、付き添いや、経済的負担などが重くなってしまうことが分かりました。

“遠距離看病”でも、付き添い日数は、週に平均5〜6日
■ 子どもが入院したら62.4%は「毎日付き添う」。ただし「付き添いやすい施設を望む(82.7%)」

“遠距離看病”経験の親へ「どの程度の頻度で付き添いましたか」と質問したところ、最多層は「毎日/週7(62.4%)」、週平均は5.63日でした。
ただし「物理的に負担に感じたことは何ですか?」との質問では「移動距離(53.1%)」「時間/多忙さ(38.4%)」「経済的負担(31.4%)」が挙がっています。また“遠距離看病”層を含む“子どもの入院経験がある親”は8割以上が「親が子どもに付き添いやすい施設の充実」を望んでおり、病児はもとより、その親・家族も含めた支援が必要だと考えられます。

 現在、難病で苦しむ子どもの数は全国で 20万人と言われており、その家族は、自宅と入院先との二重生活による経済的な負担や離れて過ごすことによる精神的負担を感じています。これらの負担を少しでも軽減し、家族が子どもの治療を支えることに専念できるよう、ハウスは1日1人 1,000 円でご利用いただけます。ハウスは、自宅にいるのと同じように過ごしていただけるようにプライバシーが守られるベッドルームのほか、キッチン、リビング、ダイニング、ランドリー、プレイルームを備えています。また、各ハウスは地域ボランティアの支援により運営されているため、経済的負担を軽減するだけでなく、同時に市民に支えられる医療という新しい医療文化を目指して、病気と闘う子どもたちとその家族を応援する様々な取り組みを行っています。日本ではこれまで、延べ34,749家族がハウスを利用しています。

■ ドナルド・マクドナルド・ハウス 子どもの入院実態調査について
 今回の調査ではお子様をお持ちの方80,767名から、無作為に「子どもの入院経験がある」家庭を抽出し、調査の対象としています。また、これら入院経験があるご家庭に対し、さらに「自宅から入院先の病院までの距離」について尋ね、病院までの距離に応じて「0〜1時間未満」(出現率 90.8%)「1〜2時間未満」(出現率7.0%)「2時間以上」(出現率2.1%)の3グループに分け、各グループの258名ずつの母集団を形成。特に「2時間以上」のグループを“遠距離看病”の該当者として着目し、自宅から病院までの距離が遠いことで発生する影響を調査しています。

調査期間: 2014年11月27日〜2014年12月1日
予備調査対象: 予備調査を80,767名対象に実施
回答者属性: 年齢30才以上、 既婚、 子どもあり の男女
調査方法:  インターネット (マクロミルによる回答回収)
集計サンプル数: 774名 (自宅と病院の距離のグループごとに、258名ずつ均等割り付け)

調査結果1  “遠距離看病”となる理由
■ “遠距離看病”となる理由、「適切な治療のため」 37.2%、「病院から紹介を受けた」 50.4%
「お子様の入院先として、その医院・病院を選んだ理由」を尋ねた結果は以下の通りです。比較的近距離にある医院・病院を選んだご家庭に比べ、自宅から病院までの距離が遠いご家庭では「その医療機関でなければ適切な治療が受けられないと指定されたから」という理由が多くなっています。病状が重い、難病を罹患したなどの場合にこのような選択をする機会があると推測されます。

調査結果2 “遠距離看病”家庭に生じる悩み
■ 付き添い日数は距離が長くなっても減少はわずか
 「お子様の入院時の付き添い日数」について尋ねました。自宅と病院の距離に関わらず、「毎日」付き添いをされていたという家庭が60%以上となっています。しかし、付き添い日数の平均値は自宅からの距離が遠くなると、わずかに減少する傾向が見られます。距離1時間未満グループに比べて週0.3日、月に単純換算すれば1日以上は少なくなっていると考えられます。
 また今回の調査では「理想として、本当はどの程度の頻度で付き添いをしたかったか」についても尋ねています。「毎日」付き添いたいとの回答が、遠距離看病の家庭は、そうでない家庭に比べて約5%低く出ており、遠距離看病が毎日付き添うという意欲を下げてしまう影響が推測されます。

■ 遠距離看病でも、子どもとのコミュニケーションは「面会」が最多で72.9%。
しかし、距離1時間未満の家庭に比べると14.3%のダウン。
「入院中のお子様とのコミュニケーション手段」を尋ねた質問が下記です。
自宅から病院までの距離が2時間以上になっても、「面会」が「電話」・「メール」等の他の手段より圧倒的に多く、72.9%となりました。親が子どもとの面会を大切にしていることが見て取れます。しかし、距離が「1時間未満」の家庭では「面会」が87.2%だったことから、距離「2時間以上」の家庭では直接会う機会が減少してしまう実情がわかります。

調査結果3 もしも子どもが入院したら
■ 子どもの入院時に起こり得る負担、「家に残された兄弟姉妹や他の家族」が全体で33.2%
遠距離看病では「移動距離」「経済的負担」が増
 もしも子どもが入院したときには、どのような負担が待っているのでしょうか。
 下記は「入院時につらいと感じたこと」を挙げていただいた結果です。多くの方が「子どもの病状自体」(全体,n=774で77.3%)と回答されていますが、次に続くのは「病院までの移動距離」(全体で34.5%)、「家に残された兄弟姉妹や他の家族の負担」(全体で33.2%)となっています。子どもが一人ではない場合など、入院している子ども以外の兄弟姉妹へも負担がかかることがわかります。
 また、特に“遠距離看病”によって負担が重くなる項目としては「移動距離」のほか、「経済的負担」に回答の増加が見られました。

調査結果4 子どもが入院するご家庭のために
■ 「親が付き添いやすい施設を紹介してあげたい」 53.0%
 過去にお子様が入院した経験を持つ、今回の調査対象者へ「今後経験者としてアドバイスしたいこと」を確認したところ、「親が子どもに付き添いやすい施設の紹介」(53.0%)、「家族の悩み相談を受けてあげたい」(40.1%)、「仕事や家事などの負担を減らすための協力」(28.0%)といった項目が挙がりました。「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、まさにこのような「付き添いやすさの実現」、「家族が悩みを相談できる場所」、「家事などの負担を減らす」ことのために活動を行っています。

■「ドナルド・マクドナルド・ハウス」について
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(略称:DMHC) が運営する「ドナルド・マクドナルド・ハウス」。“HOME AWAY FROM HOME(我が家のようにくつろげる第2の家)”をコンセプトに、遠隔地から入院している病気と闘う子どもと、その家族のために高度小児医療を行う病院に隣接して設置された滞在施設です。 世界 37 ヵ 国 342 ヵ所 (2014 年11月末現在) に建設され、日本では北海道、宮城県、栃木県、東京都(3ヵ所)、愛知県、大阪府、高知県の9ヵ所で建設・運営されています。また、10ヵ所目となる施設が、2015年春、福岡にて開設される予定です。

「東大ハウス」外観 (東大病院敷地内)「東大ハウス」内 プレイルーム マクドナルド店頭に置かれている募金箱

■「公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」について
平成 11 年 (1999年) 4月1日に設立された公益財団法人認定の財団。入院している子どもとその家族がよりよい生活をおくれるようにサポートするために福祉、医療分野等で活動するボランティア団体への助成およびボランティアの国内外研修への助成、 「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の設置などを通じて、地域社会における支援体制の確立に寄与することを目的としています。

■ “遠距離看病”家庭へのサポートを
公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンは、入院する子どもに付き添う家族の経済的・体力的な負担を軽減することを目的に自宅から病院までの距離が遠い“遠距離看病” 家庭への支援を行っています。また、日本マクドナルド株式会社は、付き添う父母の笑顔は病気と闘う子どもたちの元気や笑顔に繋がるという思いから、財団設立当初よりドナルド・マクドナルド・ハウスへの支援を、継続して行っています。

■2014.12.18  ケアマネ試験 受験者約3万人増加
解答免除廃止で駆け込み
10月26日に行われた「第17回介護支援専門員実務研修受講試験」の結果が10日 に発表された。

都道府県に行った聞き取り調査では、全国の受験者数は前年比2万 9990人増の17万4387人で、合格者数は3万2757人で前年比1万433人増 と、昨年に比べて受験者数が2割強増加していることが分かった。  聞き取り調査の結果 は16日現在のもの。合格者数は1万433人増の3万2757人。合格率は前年度比2 ・7ポイント増の18・2%。  ケアマネ試験は、第1回の試験が受験者・合格者数とも に最高。昨年の合格者数は最も低い数字だった。今回、受験者が初めて2千人を超えたと 回答する自治体もあった。

■2014.12.18  医療・介護者と薬局を繋げるサイト「訪問薬局ナビ」がサービス開始
株式会社エス・エム・エスは、医療・介護従事者と、訪問薬局を繋げるサイト「訪問薬局ナビ」をオープンした。

株式会社エス・エム・エスは、介護・医療・アクティブシニア分野の情報サービスを提供しており、最適な情報インフラをてがける。


密な繋がりを築く
急速に高齢化がすすむ昨今、薬局が担う役割も日々大きくなっており、医療も進歩しているが、処方される薬剤は複雑になり、扱いにくくなっている。

適切な服薬選びを支援する薬剤師は、看護師・介護士の負担を軽減するが、必要なサービスを提供してくれる薬局は、なかなか見つからない。

「訪問薬局ナビ」は、介護・医療従事者と、在宅対応に力をいれている薬局を繋げ、より良い相互関係を築く礎を目指している。


主な特徴
薬局は「認知症の服薬指導」、「平日13時〜16時は対応可」、「看取り対応実績有り」、「24時間緊急対応可」など、詳細な事柄までアピールすることができる。

そして、介護・医療従事者は、薬局から示された情報をもとに、必要なサービスを提供できる薬局を選ぶことができる。

他サービスとの連携も実現しており、多くの看護師やケアマネジャーにアピールが可能だ。

・「ケアマネドットコム」:ケアマネジャーに特化したコミュニティサイト
・「ナース専科」:看護師・看護学生に特化したコミュニティサイト
・「ケアマネタブレット」:ケアマネジャー向けの業務支援ツール(プレスリリースより)

連携サービスは、随時増やしていく予定だ。

株式会社エス・エム・エスのプレスリリース
http://www.atpress.ne.jp/releases/55208/att_55208_1.pdf

■2014.12.19  介護施設団体が介護報酬引き下げに反対を訴え
介護サービスを提供した事業者に支払われる介護報酬について、財務省が来年春からの引き下げを求めていることを受けて、介護施設で作る団体が都内で会見を開き、「介護報酬の引き下げはサービスの低下を招きかねない」として反対を訴えた。

会見を開いたのは、特別養護老人ホームや老人保健施設などで作る3つの団体。

介護サービスを提供した事業者に支払われる介護報酬は、3年ごとに見直されることになっていて、財務省は介護事業者の平均の収益率は8%と一般の中小企業の水準を大幅に上回っているとして、来年春の見直しでは報酬の引き下げを求めています。

会見の中で、全国老人福祉施設協議会の石川憲会長が「報酬が引き下げられれば人件費などを削減せざるをえず、人材が集まりにくくなった結果、サービスの低下を招きかねない」と述べ、引き下げへの反対を訴えました。

来年春の介護報酬の見直しを巡っては、厚生労働省は深刻な人手不足を解消するため一定の条件を満たした事業者を対象に報酬を上乗せする方針ですが、年間の介護費用が総額でおよそ9兆円に上るなか、報酬額の全体については引き下げを求めている財務省との間で調整が進められています。



平成27年度、介護報酬改定における介護報酬の削減には、業界の総意として、断固反対する。
介護保険3施設団体 合同記者会見 資料
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■2014.12.19  炭酸泉で足指の壊死改善
名古屋共立病院(名古屋市中川区)などを運営する医療法人偕行会グループは、炭酸ガス(二酸化炭素)を溶かしたお湯で血行を改善する「炭酸泉治療」に力を入れている。

炭酸泉は、お湯1リットルに炭酸ガスが0・25グラム以上溶け込んだもので、中でも1グラム以上のものは高濃度炭酸泉と呼ばれる。同法人では10年ほど前から人工的に高濃度炭酸泉を作り出す装置を導入し、現在は17医療機関で炭酸泉の足湯を取り入れている。皮膚から吸収された二酸化炭素によって血中酸素濃度が高まり、血管を拡張する作用があるとされる。

同法人はこれまでに、動脈硬化によって足や手の血流が悪くなり、様々な症状を引き起こす「閉塞性動脈硬化症」の患者に炭酸泉治療を実施し、足の指の壊死などに改善効果を上げてきた。今後は脳梗塞後のリハビリテーションや高齢者の運動機能の改善などの効果も調べていくという。

最近では、高濃度炭酸泉を作りだす家庭用人工炭酸泉装置が10万円前後で販売されており、同法人の川原弘久会長(73)は「様々な疾病を予防する効果が期待できる」と話している。

■2014.12.20  列島1万km「児童虐待防止」啓発ランの男性が高松訪問
児童虐待防止を呼びかけて「日本列島1万km啓発ラン」に挑戦している元東京都職員の井上幸夫さん(61)=東京都=が19日、香川県高松市西宝町の県子ども女性相談センターを訪れ、職員から激励を受けた。

井上さんは今年3月の退職まで、東京都の児童自立支援施設や児童相談所などで33年間勤務。中学から始めたマラソンの脚力を生かし、児童虐待のない社会づくりを呼びかける「オレンジリボンたすきリレー」を広めようと、10月26日に横浜市から日本1周の1万キロランのスタートを切った。

兵庫県から船で16日に香川県入りした井上さんは、児童養護施設や児童自立支援施設などで子供たちと交流。同センターには「子どもに明るい未来を」と記したオレンジ色のたすきをかけて訪れた。

同センターでは、職員ら約15人が井上さんの激励会を開いた。岡悦子所長が、「県職員や児童養護施設の職員らによる『オレンジリボン』チームを結成。香川丸亀国際ハーフマラソンにオレンジ色のリボンなどをつけて出場している」と香川県の活動を紹介した。

井上さんは、都職員時代の経験などを踏まえ、「現役時代はなかなか自分の力では及ばなかった。住みやすい地域づくりをしていくということを、子供たちに出会ったことから学んだ。感謝する気持ちをたすきに込めて走りたい」と話した。

センター職員からエールを受けた井上さんは20日まで香川県内を走って徳島県に向かう。沖縄〜北海道を回り、来年10月25日に横浜市の山下公園にゴールする予定。

■2014.12.20  浜松市で64人からノロウイルス検出
浜松市で刺身を食べた64人が下痢などの症状を訴え、便からノロウイルスが検出され、市は刺身を販売した業者に営業禁止命令を出した。

ノロウイルスの集団食中毒で営業禁止となったのは、浜松市中区の魚介類販売業者魚照。

浜松市保健所によると今月16日、魚照が納入した刺身を食べた2つの老人福祉施設の入所者と職員などあわせて64人が下痢や嘔吐の症状を訴えた。このうち16人の患者の便からノロウイルスが検出され、87歳の男性1人が入院したが、現在は全員快方に向かっているという。
また、他の4つの施設からも同様の食中毒の情報が寄せられていて、浜松市で調査を進めている。

■2014.12.20  フードバンク:7.6トン190世帯に 過去最高実績 /山梨
生活に困っている人に無償で食料を届けているNPO法人「フードバンク山梨」(南アルプス市小笠原)は19日、年末を前に行った食料品を集める運動「フードドライブ」の実績を公表した。県内市町村にある社会福祉協議会や教会など県内23カ所の拠点から、過去最高となる約7・6トンを集めた。

内訳は米が最も多く約4・2トン、その他の食料品が約3・4トン。1000食を目標としていたカップ麺は1171食が集まった。クリスマスや年末年始の時節柄を配慮してか、そばや餅などが通常より多めに集まったという。

食料はボランティアらによって仕分けされ、25日から年内に約190世帯に向けて宅配便で送る。普段よりも米を増量するといい、子供がいる世帯には菓子の袋詰めセットも入れる予定。また、山梨英和中高(甲府市)の生徒が作ったクリスマスカードも同封する。担当者は「多くの人に年末年始も温かい食事が届けられる」と協力に感謝した。

■2014.12.20  介護報酬改定方針案:特養など引き下げ
厚生労働省は19日、2015年度の介護報酬改定方針案を社会保障審議会介護給付費分科会(厚労相の諮問機関)に示し、大筋で了承された。収益率が高いとされる特別養護老人ホーム(特養)やデイサービス(通所介護)事業者向けの報酬を引き下げ、訪問介護やみとりを充実させる事業者の報酬を手厚くし在宅介護への移行を促す。介護従事者の賃金アップも図る。来年4月から実施する。

改定方針は、介護費の抑制と人手不足が指摘される介護職員の確保に向けた賃金アップが柱。特養やデイサービスのうち、1カ月の利用者が300人以下の「小規模型事業所」の利用者1人当たり分の報酬をカットし、費用を抑える。

一方で、職務内容に応じた適切な賃金体系を整備したうえで、労働時間制度の改善などに取り組んでいる事業者には、新たな「処遇改善加算」を算定。職員の給与を平均で月1万円程度増やすことを目指す。

サービス利用者に直接影響する項目では、特養の相部屋の室料を、住民税課税世帯の人は全額自己負担とする。月額1万5000円程度徴収する案が出ている。

政府は介護報酬の改定率に関し、マイナス3・0%前後とすることを検討しており、個々のサービスへの具体的な配分案が決まるのは来月以降になる見通し。

特養経営者らでつくる全国老人福祉施設協議会など3団体の代表は19日に記者会見し、政府の減額改定方針に対し「介護サービスの著しい低下、人材流出につながり、介護難民が増える」と訴えた。

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◆2015年度介護報酬改定の主な内容

◇利用者の負担増

・特別養護老人ホーム(特養)の相部屋室料を一定収入以上の人は全額自己負担に。月の光熱水費も1000円程度値上げ

◇利用者の負担減

・24時間の在宅介護サービスを複数利用する人の自己負担を減らす

◇事業者の報酬減

・特養の基本料引き下げ

・介護予防の基本報酬カット

・デイサービス(通所介護)のうち、月の利用者が300人以下の「小規模型事業所」の報酬を引き下げ

◇事業者の報酬増

・介護職員の賃上げに向けた「処遇改善加算」の拡大

・小規模多機能型居宅介護に「訪問体制強化加算」「みとり介護加算」を新設

・有料老人ホーム向けに「サービス提供体制強化加算」「認知症専門ケア加算」を創設

・医療提供機能が高い「介護療養型病床」の報酬に上乗せ

■2014.12.20  視覚障害者4割「転落した」後絶たぬ駅ホーム事故…ホームドア設置僅か「6%」、「自ら危険避けて」に不信感も
ホームドアがなく、ホームに駅員もいない駅は決して珍しくない。だが、そこで視覚障害者が転落したら−。今年1月、東京都東村山市の西武池袋線秋津駅のホームから視覚障害者の男性(40)が転落し、重傷を負う事故があった。西武鉄道に「安全を確保してほしい」と訴える男性。これに対して同社は、ホームドアの有効性は認めつつも「お客さまにおいても自らの危険を避けるよう注意していただくことも必要と考えています」と回答している。ホームドアの設置には財源問題や技術的な課題が立ちはだかり、転落事故を根本的に解決するにはほど遠いのが現状だ。


周囲の人が助けてくれなかったら…

弱視者の当事者団体「弱視者問題研究会」のメンバーの男性(44)は、転落した男性の代理人を務め、西武鉄道との交渉などを行っている。この代理人によると、事故が起きたのは1月13日午前7時40分ごろ。通勤のため急いでいた男性が、発車ベルが鳴っていると思い、慌てて乗ろうとしたところ、実際には電車が到着しておらず、足を踏み外してホーム下に転落した。男性はホームにいた客らによって救出されたが、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負った。

西武鉄道によると、秋津駅の1日の乗降者数は約8万人。平日の混雑時(午前7時〜8時半)はホームに駅員を1人を配置しているが、事故があった日は祝日で、利用者が少ないため、駅員は配置していなかった。そのため、男性の妻から「ホームの下に眼鏡が落ちていないか」と問い合わせを受けるまで、同社は転落事故を認知していなかったという。

また、同駅には監視カメラもなかったため、発車ベルの誤作動か、男性の聞き違いかも確かめることができなかった。同社は事故から4日後の17日に監視カメラを設置したが、男性の代理人は「ホームドアがないなら、せめて駅員を配置してほしい。『危ない』と声をかけてくれるだけでも事故は防げた」と憤る。


ホームドア設置は全体の6%

だが、ホームドアの設置状況はあまり進んでいない。平成23年1月、JR目白駅で全盲の男性=当時(42)=が転落し、死亡した事故などを受け、国土交通省が同年8月から、ホームドアの設置を推進。1日の乗降者数が10万人を超える駅を優先して整備を促しているが、該当する244駅のうち、26年9月時点で設置されているのは54駅で、2割強にとどまる。全体では、約9500駅のうち593駅で、いまだ6%に過ぎない。

事業者別でみると、設置が進んでいる東京メトロでは、管理する全179駅のうち、84駅(47%)で設置が完了している。JR東日本は山手線全29駅に設置予定で、現在、16駅に設置済み。今後は、京浜東北線の大井町駅(品川区)でも着手する予定だが、それ以外の路線については未定だ。

西武鉄道はというと、同社が管理する駅は92駅。うち10万人を超える駅は6駅で、ホームドアの設置は東京メトロが管理する小竹向原駅(練馬区)の1駅。西武鉄道は池袋駅で来年度から設置工事に着手する予定という。


設備費、人件費…コストかさめば経営圧迫も

ホームドアの設置が進まない理由としては、技術、費用などの問題がある。複数の鉄道会社による相互乗り入れの場合、各車両によってドアの数や位置が違うため、ホームドアの開閉部が合わず、車両交換など事業者間の調整が必要で、時間がかかる。また、費用についても、1駅当たり数億円、補強工事も必要となると十数億円にもはね上がるいわれる。

相互乗り入れのない東京メトロ丸の内線でさえ、28駅で約100億円かかったといい、JR山手線では設置費用に計550億円を見込んでいる。補助金が出るとはいえ、事業社側の負担は少なくない。

西武鉄道はホームドアについて、「抜本的な安全対策として有効である」と認める一方、「設置するためには解決すべき課題が多数あり、利用者が多い駅から優先的に検討していく」としている。

駅員の配置に関しても、同社は「すべての駅、すべての時間に係員を配置するのは困難」とし、「駅係員にお声かけいただければご案内する」と回答している。


鉄道会社に厳しい視線

ホームドア設置も駅員の配置も難しいとすると、転落事故の根本解決は遠い目標と言わざるを得ない。

西武鉄道は、国交省が策定した「バリアフリー整備ガイドライン」に沿って整備を進めており、対応は基準を満たすものであるとする。また、安全対策として、非常通報ボタンの設置やホーム下の待避スペースの確保などを講じているとしている。

だが、男性の代理人は、どちらも転落後の危険回避設備で、転落防止策にはならないとしている。代理人は、視覚障害者が転落した際には周囲の人に頼るほかない状態にもかかわらず、「自ら危険を避けて」と主張する同社に不信感を抱いている。

社会福祉法人日本盲人会連合の調査(平成23年)によると、視覚障害者の約4割の人が「転落経験あり」と回答。また、「転落を防ぐために一番先に行ってほしいものは」との問いに対し、▽ホームドアの設置(158人)▽点字ブロックのきちんとした敷設(44人)▽駅員の配置(32人)▽周囲の人の声かけ(18人)−と答えた。ホームドアなどの転落防止策を必要としている実態が浮かび上がった。


事業者だけでなく、社会全体で方向性を

ホームドアの設置費や人件費がかさめば、鉄道会社の経営を圧迫しかねない。設置できなくても法令違反ではないし、国交省も「事業者側に責任を負わせられるものではない」とする。だが、プラットホームは「欄干のない橋」「柵のない絶壁」などとたとえられるくらい、視覚障害者にとっては危険が伴う。これらの切実な声に対し、どのように向き合うべきなのか、社会全体で方向性を示す必要がある。

国交省の担当者は11月、ホームドアについて、東京五輪が開催される平成32年度までに800駅に設置するという数値目標を盛り込んだ交通政策基本計画案が「もうじき閣議決定される予定」と話していた。12月に入り、改めて進捗(しんちょく)状況を聞くと、「この度の政治状況で…遅れている」と言葉を濁した。

■2014.12.20  冬に多い入浴中の死亡事故!ヒートショック予防のポイントは?
LIXILが寒暖差によるヒートショックについて注意を呼びかけ
株式会社LIXILは、本格的な冬を迎え、入浴時などの寒暖差によるヒートショックに対して注意を呼びかけている。

交通事故よりも多い、ヒートショックが原因の死亡事故
家庭内の死亡事故の多くは、寒い時期の入浴中のヒートショックが原因であるという。

外気温が急激に低下してくるこの時期、暖房を設置しない脱衣所や浴室などは室温が10℃以下になることもある。

暖かいリビングから寒い脱衣所に移動し、衣服を脱ぐことで体が冷える。その後熱いお湯につかることで再び体温が上昇。この間の急激な血圧の乱高下により、心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などの深刻な疾患を引き起こす危険性がある。

特に、体温を維持する生理機能が低下している高齢者や、生活習慣病を患っている人は注意が必要だ。


ヒートショック対策について
ヒートショック対策として大事なのは寒暖差を減らすことで、脱衣所や浴室を暖かくするのも有効な方法である。

同社によると、シャワーを使ったお湯張りで浴室全体を温めることや、外気温が低くなる日没前に入浴を済ませることなどが良いとされている。人の体は1日のうちで14時から16時頃に生理機能がピークとなり、温度差への適用がしやすいとのことだ。

また、可能であれば1人での入浴を控えたり、血圧が下がりやすい食事直後や飲酒時の入浴を控えたりすることも大事だとしている。


LIXILの「ほっとリフォーム」商品
リフォームなどで住宅の断熱性能を向上させることもヒートショック対策には有効だ。

同社では、壁や床など部分だけの簡単リフォームが可能な断熱改修工法「ココエコ」や、内窓を設置するだけで断熱効果のある「インプラス」など、寒い脱衣所・浴室も手軽に断熱仕様にすることができるリフォーム商品を展開。

これら商品の詳細については、「ほっとリフォーム」スペシャルサイトで紹介している。



株式会社LIXILのプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/

■2014.12.20  働く障害者全国63万人余 過去最多に
全国の企業で働く障害者は昨年度、推計で63万人余りに上り、これまでで最も多くなったことが厚生労働省の5年に一度の調査で分かった。

この調査は、厚生労働省が全国の従業員が5人以上の企業およそ1万3100社を対象に行ったもので、66%に当たる8673社から得た回答をもとに企業に雇われている障害者の数を推計した。

それによると、全国の企業で働く障害者は去年11月1日の時点で、身体障害者が推計で43万3000人、知的障害者が15万人、精神障害者が4万8000人と合わせて63万1000人に上っている。

これは、5年前の前回調査の対象となった平成20年度より18万3000人増えていて、今の調査方法になった平成15年度以降で最も多くなっている。

厚生労働省は「障害者の雇用についての理解が進んだことに加え、企業に義務づけられた障害者の雇用率が昨年度から引き上げられたことで採用する企業が増えたのではないか」と話している。

■2014.12.21  黒田裕子さん、ありがとう 偲ぶ会に650人 神戸
阪神・淡路大震災をはじめ国内外の被災地で活動してきたNPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市西区)の前理事長で、今年9月に73歳で亡くなった看護師黒田裕子さんの「偲ぶ会」が21日、神戸市東灘区田中町5のコープこうべ生活文化センターで開かれた。約650人が集い、黒田さんが実践した被災者に寄り添う支援を引き継ぐ思いを新たにした。

同ネットワークなど17団体が実行委をつくって開催。黙とうの後、親交のあった人らがあいさつした。舞台には遺影が飾られ、参加者は花を手向け、手を合わせていた。

親交が深く、終末期の病床を訪れた作家柳田邦男さん=東京都=は、「最後に伝えたい」と託された「がれきの向こうに命がある。想像する力を持たないといけない」などの言葉を紹介した。

神戸や東北の仮設住宅での活動にも触れ、「一人一人に寄り添うことを大切にしていた。実践から被災者支援や災害看護の新しい思想を生み出した」と振り返った。「黒田さんの活動や言葉は永遠。これからを生きる人の中で生き続けるだろう」と語った。

日本災害看護学会で活動をともにした高知県立大学長の南裕子さん=元兵庫県立看護大学長=は「現場主義などあなたの教えを考え続けたい。ありがとう」などと語り掛けた。

■2014.12.21  JR鯖江駅「駅ナカ」はにぎわいの場 2階に交流施設プレオープン
JR鯖江駅2階(鯖江市日の出町)の空きスペースにカフェと図書館などが入った交流施設「えきライブラリーtetote(テトテ)」が20日、プレオープンした。地域の憩いの場や「駅ナカ」の新たなにぎわいを創出する拠点として期待が高まる。

駅2階は長年、入居する店舗がなかったが、市による地域活性化プランコンテストで学生が空きスペースの活用を提案。新たなまちづくり計画が始動し、今年3月、事業化が決まった。

施設は、障害者の雇用事業を行うNPO法人「小さな種・こころ」と市文化センター指定管理者の同法人「Comfortさばえ」が共同で運営する。施設名称のテトテは「手と手を取り合ってという意味」と「小さな種」の理事長、清水孝次さん(59)は説明する。

施設面積は85平方メートル。35席あるカフェでは、軽度の障害者がスタッフとして働く。手打ちの越前おろしそば(並600円)や、県特産のミディトマト「越のルビー」が入ったトマトカレー(700円)、焼きたてのスイーツなどがメニューに並ぶ。

図書館も設置し、外に持ち出したり、市図書館で借りた本を返却したりできる。蔵書数は約760冊。清水さんは「電車を待つ間にも本を読んでもらえる」とPR。読みたい本のパソコン予約もできるという。

ライブスタジオ機能もあり、音楽ライブや映画の上映会も開催できる。清水さんは「利用者の声も反映しながら地域に愛される施設にしていきたい」と話す。

カフェと図書館は、来年1月8日まで午前10時〜午後5時(年末年始休み)。同9日から午前8時〜午後6時45分。火曜定休。図書館のみの利用可。スタジオは同9日から営業し、月2回ほど演奏会などを開く。

■2014.12.22  今年も匿名サンタからケーキ 福祉3施設に  福知山市
クリスマスを前にして、社会福祉法人みつみ福祉会が福知山市内で運営する障害者と高齢者の3福祉施設に今年も匿名サンタからケーキが届いた。ケーキプレゼントは2000年に始まり、毎年市内のスーパーを通じて贈られてくる。3施設で40ホールほどの大量のケーキが届く。

桔梗が丘の障害者支援施設ききょうの杜(足立節哉施設長)では21日、居住棟で暮らす約70人に匿名サンタから贈られた「3種のベリータルト」が振る舞われた。

職員がサンタに扮装して各棟を回って配り、午後のティータイムに味わい、入所者たちが「おいしい」と目を細めていた。

■2014.12.22  高齢者ホームに無届け施設が増加中 虐待まがいの介護実態も
外見は鉄筋作りの瀟洒なマンションだ。ところが、玄関を抜けると消毒液と排泄物の混ざったツンとすえた匂いが鼻を突く。訪れたのは、都内のシニアマンションである。

一室のドアを開ける。4畳半ほどしかない狭い居室のカーテンは閉じられて薄暗い。高齢女性がベッドで仰向けに寝ている。ベッドの四方は高さ30cmほどの柵に囲まれている。手には大きなミトンが被せられ、腰にも幅20cmほどの拘束帯がきつく巻かれて、柵に固定されていた。女性は身体を起こすこともできず、うつろな眼でこちらを見つめていた。

高齢者ホームの数が近年、急増している。この10年で有料老人ホームは約3倍、特別養護老人ホーム(特養)は1.5倍になった。約4年前に制度化されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は5000か所を超えている。

増加の理由は運営団体の多様化だ。従来は医療法人や社会福祉法人だけが施設を運営していたが、ゼネコンやディベロッパー、住宅メーカーなどの新規参入が進んだ。

高齢化による需要増に応じて施設数が増えるのは歓迎すべきことだが、その一方で行政の目が届きにくくなり高齢者虐待が増加するなど、「悪徳ホーム」が増えたのも事実である。冒頭のようなシニアマンション(東京・北区)の「拘束介護」の実態が朝日新聞(11月9日付)で報じられたのも、その一例だ。

同マンションを訪れた人が語る。
「鉄製の引き戸は外からつっかい棒がはめられ内側からは開けられない。起き上がることもできず、入居者は自由にテレビも見られない。まるで牢獄のようだった」

高齢者住宅開設のコンサルティングを行なう「タムラプランニング&オペレーティング」代表・田村明孝氏が解説する。

「行政から有料老人ホームの開設許可をもらうためには、看護師やヘルパーなどが十分足りているか、今後30年間の収支計画はしっかりしているかなど、詳細なチェックを受ける必要がある。つまり、開設にはそれなりの資金と時間がかかります。

そこで最近、そうした手続きをせずにオープンする『無届け施設』が増えています。東京・北区のシニアマンションもそうした施設で、届け出されていないため行政も管理・指導ができない。だから虐待まがいのような介護が行なわれてしまう。こうした無届け施設は私が知る限り、首都圏だけでも170か所以上あります」

急増する高齢者ホームは玉石混淆の時代になった。

■2014.12.22  地方の特養、東京進出 新設計画の半数、都外の法人 
地方から東京に進出する社会福祉法人が増えている。多大な初期投資が必要な特別養護老人ホーム(特養)では新設計画の半数が都外の法人によるものだ。人口減で高齢者すら増えにくくなる地方に対し、今後高齢化が深刻化する都内の自治体が積極的に新設を進めていることなどが背景にある。


都内の特養468施設(10月1日現在)のうち、介護保険制度が始まった2000年度以降にできた184施設を運営する社会福祉法人を朝日新聞が分析した。

東京に進出した地方法人が00〜04年度に造った施設は5施設で、新設の7%だった。だが、05〜14年度の10年は35施設で同30%に急増。今後はさらにその傾向は強まり、16年度以降に完成予定の施設(14〜15年度の認可)だと半数を占めている。

都外法人が造った40施設のうち、最も多かったのは中国地方の8で、東北地方の7が続く。東京に隣接する首都圏からは7施設にとどまった。

進出法人の特徴は、基盤とする地域がすでに高齢化が進んでいることだ。地方では人口減少が進み、高齢人口すら増加は難しくなっている。高齢者を相手にした事業をしている法人側にとっては、事業拡大の機会は少なくなっている。

国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、75歳以上の人口は2010年を100とした場合、25年の推測値は地方の14県では130以下にとどまるが、首都圏では160〜200に上る。特に都内では10年の123・4万人から40年までの間に90万人以上増える。

都が特養の新設に力を入れていることも増加を後押ししている。

定員1人あたりの整備費補助(ユニット型)は500万円。整備率が低い自治体ではさらに最大1・5倍まで引き上げる仕組みもある。定員100人の場合、事業費の4割程度をまかなえるという。人口あたりの特養整備率が全国ワースト2の千葉県では400万円。同県の担当者は「財政規模が違い、競争にならない」と嘆く。


■複数経営、豊富な資金

経営力は財務にも表れている。キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹がまとめた社会福祉法人の内部留保分析では、12年度までに都内に進出した法人の内部留保の平均額は36・4億円に上る。このため、都内の場合、定員100人の施設だと約20億円(用地取得費と建設費)とされる多大な初期投資をまかなうことが可能だ。

松山氏は「複数施設を経営する法人は資金力がある。利益を再投資に回していることは評価すべきで、都内の法人も早く多角経営をすべきだ」と指摘する。

都内に本部を置く社会福祉法人の多くは1法人1施設だ。差を生む背景の一つが人件費の差とされる。介護労働者の1カ月あたりの賃金(主に正職員の場合)は昨年、東京都と最も低い県とでは8万円以上の開きがあった。

保育園との一体運営も

お年寄りたちがくつろぐリビングに子どもたちの歓声が聞こえる。こうほうえん(本部・鳥取県境港市)が2007年に東京都北区に開設した「ヘルスケアタウンうきま」は、特養などの高齢者施設と保育園を一体化した運営で注目されている。

月に1度は園児らが特養に出向き、合唱などの発表会を開き交流。普段は立ち上がることが難しいお年寄りが子どもを抱きしめたり、握手しようとしたりする。特養の責任者である松永俊弘総合施設長は「お年寄りには生きがい、子どもには情操育成と双方に高い効果がある」。

こうほうえんは鳥取県で民間最大の事業者。県内だけで事業所数は103、職員は1700人を超える。高齢化率(10年で26.4%)の上昇と共に規模を拡大。だが、今後の上昇は期待できない。

このため同法人は07年以降、積極的に都内で施設展開を続け、都内の事業所数は20を超えた。「鳥取では規模を大きくする余地は少ない。培ったノウハウを生かすのに最も適した場所が東京だった」(広江研理事長)。

■2014.12.22  厚労省調査 「65歳まで働ける企業」過去最高71%
厚生労働省は10月31日、「2014年高年齢者の雇用状況」の集計結果を公表した。希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は前年より4.5ポイント増加して71.0%で、初めて70%を超えた。

内訳は、「65歳以上まで継続雇用する制度」53.1%、「65歳以上定年」15.3%、「定年の廃止」2.6%で、「65歳まで働ける企業」は、企業規模別にみると、中小企業(従業員31〜300人)では73.2%(前年比4.7ポイント上昇)、大企業(同300人以上)では51.9%(同3.0ポイント上昇)と、大企業でも半数を超えた。

また、70歳以上まで働ける企業の割合は、19.0%(前年比0.8ポイント増加)で、中小企業では19.8%(同0.8ポイント増加)、大企業では11.8%(同0.8ポイント増加)となっている。

高年齢者雇用確保措置の実施済企業の割合は、全企業(31人以上)で98.1%、51人以上規模企業で98.5%(同5.7ポイント増加)。中小企業では98.0%(前年比6・1ポイント増加)、大企業では99.5%(同3.9ポイント増加)となっている。

集計は6月1日現在で、従業員31人以上の企業約14万5,902社を対象に実施。

06年の雇用確保措置の義務化以後、高年齢労働者は増加を続けており、51人以上規模企業の60歳以上常用労働者数は、約260万2,000人で、義務化以前の05年と比較すると、約155万2,000人(147.8%)増加している。

31人以上規模企業では約287万2,000人で、09年と比較すると約71万2,000人(33.0%)増加している。

同省では、雇用確保措置の未実施企業(31人以上規模企業)2,723社について、都道府県労働局、ハローワークによる個別指導を強力に実施して、早期解消を図るとし、さらに「70歳まで働ける企業」の普及・啓発等に取り組む。

■2014.12.22  犯罪白書 刑法犯32年ぶり200万件下回る  再犯者率最高46% 高齢化進む
昨年1年間の刑法犯全体の認知件数が前年比5.8%減の191万7,929件で、2002年をピークに11年連続で減少し、1981年以来32年ぶりに200万件を下回ったことが11月14日法務省が公表した14年版犯罪白書で分かった。刑法犯の51%を占める窃盗が40年ぶりに100万件を割り込んで、98万1,233件になったことが主な要因とみられる。

刑法犯から自動車運転過失致死傷など交通関連を除いた一般刑法犯の検挙人数を年齢層別にみると、高齢者(65歳以上)が4万6,243人で前年より4.8%減ったものの、全体に占める割合は最多の17.6%。うち約7割が窃盗だった。

窃盗の認知件数は98万1,233件で、前年より7.4%減少。11年連続で減り続け、73年以来40年ぶりに100万件を下回った。手口別では自転車盗が最も多く全体の30.9%。次いで万引きが12.9%を占めた。窃盗の検挙者の内訳をみると、24.5%が65歳以上で、高齢化が進んでいることも分かった。

昨年の万引きの認知件数は12万6,386件。00年代前半から大幅減少した車上狙いや侵入盗とは対照的に、10万〜15万件台を推移。他の手口に比べて防犯対策が取りにくいのが一因とみられる。

また、昨年の検挙者26万2,486人のうち、再犯者は12万2,638人で、再犯者率は過去最高の46.7%と17年連続で上昇した。刑務所の入所者2万2,755人のうち、2度目以上の入所者の割合も58.9%と年連続で上昇した。

刑務所出所10年以内に再び服役する人の割合は48.6%で、そのほとんどは5年以内だった。政府は12年、出所後2年以内に再び刑務所に入る割合を21年までに16%以下にするとした数値目標を設定したが、13年は18.6%だった。深刻なのは窃盗事件での再犯で、2年以内に再入所する割合は24.7%と全体より6ポイント以上高く、高齢になるほど早期に再入所する傾向もみられる。

■2014.12.23  特養などの高齢者関係施設の耐震化率92.8%―厚労省
厚生労働省は、12月19日、平成25年における全国の社会福祉施設等(※)の耐震化状況の調査結果を公表した。耐震化率は86.3%で、前回の平成24年調査(84.3%)より2.0ポイント向上した。

高齢者関係施設に限ると、89,682棟のうち83,225棟が耐震化済み(92.8%)で、前回と比べて0.4ポイント向上した。
ただし、私立施設では93.4%(前回93.3%)が耐震化済みであるのに対し、公立施設では87.7%(前回85.8%)と、公立施設での耐震化が遅れているようである。

なお、社会福祉施設等全体の耐震化状況を都道府県別にみると、最も耐震化率が高いのは愛知県(92.8%)で、反対に耐震化率が80%を下回ったのは北海道(79.3%)と岩手県(79.5%)であった。

※ 保育所等の児童関係施設、障害者支援施設等の障害児者関係施設、特別養護老人ホーム等の高齢者関係施設、保護施設等のその他関係施設

◎社会福祉施設等の耐震化状況調査の結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000069080.html

■2014.12.23  福島の大笹生学園 新園舎完成祝う
県が建設を進めていた福島市の知的障害児入所施設大笹生学園の新園舎が完成し22日、同施設で落成式が行われた。 

関係者ら約50人が出席した。村田文雄副知事が「障害児が目標を持って、生き生きと生活できるよう支援の充実に取り組む」とあいさつした。今井久敏県議会福祉公安委員長、小林香福島市長が祝辞を述べた。同園親の会の吉田久子会長、入所者を代表して仲山潤君(大笹生養護学校高等部1年)、赤羽宝さん(同小学部2年)がお礼の言葉を述べた。 

同園は鉄筋コンクリート造り(一部木造)の地上1階、地下1階建てで、延べ床面積は約3993平方メートル。プライバシーに配慮し男児棟と女児棟に分かれ、個室を基本にしている。入所者をグループ分けし、個性や生活のリズムに応じて活動を支援する。雨水を利用したトイレの洗浄設備や太陽光発電設備を設置、内装には県産材を使用するなど環境にも配慮している。 
運動や催しに利用する多目的ホールも敷地内に整備した。 

同学園は昭和26年、本県初の知的障害児入所施設として開設した。施設の老朽化に伴い平成25年から敷地内に新園舎の建設を進めていた。旧園舎は今後取り壊し、跡地には27年度中にグラウンドを整備する。現在、旧園舎では隣接する大笹生養護学校に通う小、中、高等部の生徒ら34人が生活しており、24日に新園舎に入る。 

■2014.12.23  食中毒:障害者施設で17人が症状 東大和 /東京
都は22日、重症心身障害者施設「都立東大和療育センター」(東大和市桜が丘3)でノロウイルスによる食中毒が発生し、入所者17人が下痢や発熱などの症状を訴えたと発表した。都は同日から3日間、調理施設を業務停止処分にした。

都福祉保健局によると、今月14〜16日に20〜65歳の男女17人が発症。調理従事者の便からもノロウイルスが検出された。入院患者はなく、全員が快方に向かっているという。

■2014.12.23  クリスマスケーキ:100個、園児にプレゼント 那須の業者 /栃木
那須町の「お菓子の城 那須ハートランド」の片桐俊輔社長は22日、那須町役場を訪れ、町内の保育園児らにと自社製造の「クリスマスケーキ」100個をプレゼントした。

片桐社長は「子どもたちの喜ぶ顔が見たい」と、毎年クリスマスに合わせてプレゼントを続けており、今回で6回目。ケーキは高さ約10センチ、直径18センチの大型。お菓子の城の中で収穫した大粒のイチゴ「とちおとめ」6個を乗せてある。

高久勝町長と町立黒田原第一保育園(園児125人)の園児4人が代表して受け取り、町立保育園8園と福祉作業所に配られた。黒田原第一保育園では早速、この日のおやつの時間にケーキを食べた。

■2014.12.23  うぃる工房:プレハブ冷凍庫設置 みずほ福祉助成受け 大淀 /奈良
正月のお節作りなどに備え、吉野地域の障害のある人をサポートする就労支援センター「うぃる工房」(大淀町下渕)がこのほど、みずほ福祉助成財団の助成を受けてプレハブ冷凍庫を設置した。

うぃる工房はNPO法人「吉野コスモス会」(山方通夫理事長)が運営し、昨年10月に開設。障害者34人が働いており、注文を受けての料理製造、野菜の冷凍加工などをしている。

年末はお節料理などの発注が相次ぐため、冷凍庫を設けた。マイナス27〜28度まで冷却でき、材料、製品の保管に使う。みずほ福祉助成財団からは109万円の助成を受けた。

■2014.12.23  茅ケ崎市:音と光で「火事だ」 住宅用自動消火装置、共同開発 /神奈川
茅ケ崎市は22日、火を感知すると「火事です」と音声で知らせ、光が点滅する住宅用自動消火装置を防災メーカー「モリタ宮田工業」(本社・同市)と共同開発したと発表した。目や耳が不自由な高齢者や障害者に確実に火災の発生を知らせる装置で、今年度末から120世帯に無料でモニター設置する。

8畳程度の部屋に取り付ける消火薬剤タンクや非常電源などをパッケージした「スプリネックスミニ」という装置に、音声とフラッシュによる警報機能を付加したもの。

モニターは木造住宅が密集し、比較的狭い道路が多い市南部の住民が対象で、自治会からの推薦で決める。主に寝室などに設置し、火災発生時に逃げ遅れないようにしてもらう。設置費用(1世帯当たり約11万円)は市が全額負担する。市はモニターの意見を基に2016年度には補助金額などを決め、普及策を探る。

モニターには震度5強の地震発生時、自動的に電気の供給を止めて通電火災などを防ぐ感震ブレーカーも無料で設置する。市都市政策課は「地域の主体的な取り組みで防災力を高めてもらう」と話している。

■2014.12.23  「特養の内部留保と介護報酬引き下げ報道に対するケアマネジャー意識調査」結果を発表
ケアマネの半数が特養の内部留保「多い」と回答!ただし介護報酬の引き下げには7割が反対

平成26年介護事業経営実態調査で、特別養護老人ホーム(特養)の内部留保が1施設あたり平均3億円超にのぼることが明らかとなり、財務省は介護報酬の6%引き下げを提案しました。全国老人福祉施設協議会をはじめとする関係団体は、この提案に強く反発しているところです。

ケアマネジメント・オンラインでは、これらの一連の動きについて、会員ケアマネジャーがどのように受け止めているのか調査を行いました。
調査は2014年11月18日〜11月24日の間、ケアマネジメント・オンラインに登録しているケアマネジャーを対象にアンケートを実施し、599名からの回答が得られました。回答したケアマネジャーの44%は、ケアマネジャーとしての業務経験8年以上のベテランで、在宅介護に携わっている人が75%でした。また施設介護に携わる人は20%で、そのうち最も多い勤務先は特養(35%)でした。


1施設あたり3億円の内部留保は「多い」と考えるケアマネは5割半

報道された特養の内部留保の額について、「多い」(「とても多い」と「多い」)と感じた人は全体の55.6%でした。一方、「妥当」と思う人も37.2%いました。「少ない」(「とても少ない」あるいは「少ない」)と答えた人は7.1%でした。


5割のケアマネが特養の増設や民間参入に賛成 一方で慎重な見方をするケアマネも

「今後、特養を増やしたほうがよいか」という質問に対し、50.4%の人が「増やしたほうがよい」(「たくさん増やしたほうがよい」あるいは「増やしたほうがよい」)と考えていることがわかりました。
一方で、「どちらともいえない」と答えた人も42.4%いました。
また、株式会社などの民間参入については、49.3%の人が「賛成」と答えました。一方、「どちらともいえない」と答えた人は3割、「反対」と答えた人も2割ほどおり、特養の増設や民間参入については、慎重な見方をしているケアマネジャーが多いこともうかがえました。


介護報酬の引き下げは7割が反対

財務省が示した介護報酬6%の引き下げについては、「反対」(「反対」あるいは「どちらかというと反対」)と答えた人が70.7%にのぼりました。
また、引き下げが実施されると、61.6%のケアマネジャーが「影響があると思う」と答え、予測される具体的な影響としては、「給与」「賞与」のほか、「業務内容」や「ケアプラン件数」などがあるようです。



特養の運営やあり方について、自由記入で寄せられた意見(抜粋)

※修繕費など施設運営上必要な経費であるため、内部留保については必要不可欠であると思います。

※内部留保が多いのは地方の法人(特にほぼ個人経営やファミリー経営に近い法人)であって、東京都内など都市部は人件費率が8割以上、9割近い法人も多い。

※都市部、地方の地域格差がかなり大きいと思います。都市部中心の考えでもいけないし、地方中心の考えでもいけない難しいところです。国や自治体だけでなく沢山の特養への参入も考慮すべきかと思います。

※地方では年金額の少ない層が多い。また身内や近隣との交流も少なく孤立しがちだ。サ高住はどんどん建設されているが、毎月の入居費を支払える人がどれだけいるのか。安価に入居できる特養は必置であろうと思う。一方で、因習により内部留保に走る特養が多いのも事実ではないのか。その内部留保は、賃金を抑えることによって蓄えられてはいないか。「経営」という面から考えると民間参入があってもうよいと思う。

※待機待ちの要介護者が多いので、やはり民間企業も参入して増やして欲しい。

※民間に任せるのは反対で、福祉の専門知識のある法人に運営してもらう方がよい。

※特養まで民営化されてしまうと、確実に利益優先の経営がさらに加速化されることは容易に想像ができ、介護の質の低下のみならず、高収入の人間のみが特養に入所する事ができるシステムが出来上がる。

※民間参入だけは阻止してほしい。社会福祉法人等がいいというわけではなく、営利目的が中心の考えで、高齢者の支援は成り立たない。かかえこみや不正が必ず多くなり、行政からの取り締まりを十分しないといけなくなると思う。

※非営利団体の運営は非効率であることは明白。特養は現行方式の運営ならば、廃止した方がよい。株式会社が運営する、或いは有料老人ホーム等に代替機能を付与する、建設資金については現行通り公金等から貸し出せば、法人税や固定資産税等の増収が見込め、この増額分の一部を介護保険へ繰り入れれば、自治体収支も現状よりは好転すると思います。

※在宅では難しい利用者の受け皿として必要だが、中立公正に運営していくことが必要。

※入所の選定条件に透明性が無い。本当に必要な方が入所できず、在宅生活が十分可能な方が入所できたりしており、余りにも不透明。地域などでの透明性のある入所情報などが必要に感じます。

※低賃金の介護業界にあって、特養は別格という印象は否めない。また、ユニット型特養の推進は今後のニーズには反していると思う。



介護報酬の引き下げが提案されていることについて、自由記入で寄せられた意見(抜粋)

※内部保留があるから介護報酬を引き下げという判断は、素人でもできる。国としてはしっかりとした判断をし、介護保険の運用をしっかりしてほしい。

※介護報酬の一律の引き下げについては反対であるが、メリハリのある引き下げと、その理由についての説明が必要である。

※介護に携わるスタッフたちの給与は、他業種の給与体系よりも低く抑えられている現状を考えると、介護報酬の引き下げは、労働条件を下げる方向に向かわせる気がします。

※報酬が下がれば下がるほど、さらに人材の確保ができなくなります。意欲が高い人財がこの業界を離れて、他で働けない人材のみがこの業界に留まります。やがてモラルの低下を招きます。引き下げを検討する前に、野放図に増える事業所数を制限するべきではないでしょうか?

※なにを以て「介護報酬が高い」と発言しているのか、ぜひ伺ってみたい。我々は何年キャリアを積みブラッシュアップを続けても、サラリーマンのように給与が右肩上がりになるわけではない。新人ケアマネであっても、ベテランであっても、1件当たりの報酬額は同じだ。特定加算の取れる事業所がどれだけあるのか考えてみてほしい。またどれだけ調整してもサービス利用がなければケアマネジャーの報酬は0円である。

※介護福祉士の資格を持ちながらも、その待遇の悪さや精神的ストレスで職を離れてしまっている人がとても多いように感じている。介護報酬の引き下げは結果的に介護者の職離れを助長するのではないかと思う

※職員を施設間、他のサービス業と取り合いをしている状況。介護を誰でもできるものだというのなら、余計な規制はしないでほしい。




介護関連メディア事業を手掛ける株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、運営するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」において、会員のケアマネジャーが、特養のあり方や介護報酬引き下げの動きについて、実際にどのように考えているのか意識調査を行った。
http://iif.jp/common/img/IIFRelease141216.pdf

■2014.12.23  囲い込み」是正へ  接待、金品…業者が地域包括支援センターに攻勢 要介護の高齢者紹介目当て 
要介護高齢者の「囲い込み」をめぐり、過半数の自治体が是正に乗り出した地域包括支援センターは、多くの自治体が運営を民間委託している中でモラル低下も見られる。一部のセンターでは囲い込みだけでなく、職員が外部の介護事業者から飲食の接待や金品の贈り物を受け、見返りに優先的に高齢者を紹介していることが複数の関係者の証言で分かった。利用者の状況に合っていない事業者が選ばれたり、過剰な介護サービスが提供されたりする恐れがある。

▽飲み会の誘い

「会議や情報交換で親しくなった職員に『今度飲みに行きましょう。包括の他の方もご一緒に』と誘うんです。数人の職員が連れだって行き、おごってもらっていた」

今年3月まで東京都内のセンター2カ所に勤務した経験がある30代の女性元職員Aさんは、同僚が外部のケアマネジャーや福祉用具事業者から飲食の接待を受けるのを目の当たりにした。2カ所のセンターは別の区にあり、運営法人も勤務時期も異なるが、両方で同様のことがあった。

接待された同僚は、介護予防プラン作成や相談者へのケアマネ紹介の際、それらの事業者を優先して使っていたという。

介護事業者が「営業」のため中元や歳暮の品を届けに来たことも。有名店の高級品を含め、多いときには菓子や飲み物など約20箱が届いた。

「これらの事業者が介護報酬を多めに取れるよう、センターが介護予防プランをつくる際、利用回数を必要以上に多めに設定する傾向があった」とAさん。こうした行為は、介護保険の財源を無駄に使うことになる。



▽癒着の温床
「どこかの事業所をつぶそうと思えば、つぶせちゃうよね」。横浜市内のセンターに保健師として勤めた男性Bさんは、よく同僚とこんな会話を交わした。

センターは介護サービスの相談に来た高齢者をどの事業者に紹介するか差配する権限を持つが、運営が社会福祉法人などに委託されている場合、職員は民間人だ。

厚生労働省の通知で公正・中立がうたわれているものの、明確な罰則規定はない。厚労省によると、公務員でなくても収賄罪などが適用される「みなし公務員」にも該当せず、個々の職員や事業者のモラル頼みというのが実情。「事業者との癒着を生みやすい温床」(Bさん)になっている。

▽チェック届かず

囲い込みや外部の事業者との癒着は、多くの事業者がいて競争が激しい都市部で生じやすい。

「実は(現金を)もらっちゃった」。3年前まで横浜市内のセンターに勤めていた40代の 男性元職員 Cさんは、高齢者紹介の見返りに現金を支払う事業者がいるといううわさ話をしていた際、同僚がポロッと打ち明けたのを聞いたことがある。「口ぶりからは数十万円という感じだった」

事業者側の証言もある。札幌市内の高齢者住宅で働いていた男性ケアマネDさんは今春、センターから入居者を紹介してもらったお礼に、事務員が飲み物の詰め合わせを宅配便で送るのを目撃した。「贈り物をしたらまずいですかね?」。事務員が事前に社長に尋ねると、社長の返事は「何がまずいんだ?」だった。

こうした水面下の不適切な行為に自治体のチェックは届いていない。都道府県庁所在市と政令市を対象にした共同通信の調査では、センターへの接待や贈り物に関する情報を把握している自治体は一つもなかった。

■2014.12.24  介護従事者限定 「若年性認知症介護研修」を実施 埼玉県
埼玉県は、若年性認知症ケアの向上や家族支援の充実を図ることを目的に、研修を開催する。

県内の「認知症サポーター」の数は18万7000人(平成26年9月末現在)を超え、認知症に対する理解は社会に浸透しつつある一方、65歳未満で認知症を発症する若年性認知症は、高齢者の認知症の比べ社会的な認知度が低いという。

「平成26年度 埼玉県若年性認知症介護研修」は、平成27年2月16日(月曜日)13時30分〜17時00分まで、埼玉会館小ホール(さいたま市浦和区高砂3-1-4)にて無料で実施される。

県では、「若年性認知症に関する医学的理解について」「若年性認知症ケアの理解について」「若年性認知症介護家族の支援について」、以上3種類の講義を用意した。

なお、今回の研修は、県内介護保険事業所(居宅系、施設系及び居宅介護支援事業所)従事者が対象。往復はがきによる事前申し込みが必要で、定員は500人だ。 

若年性認知症は、推定発症年齢が51.3歳と若い。本人の社会参加や自立の意欲が高いこともあり、早期発見・治療だけでなく、配慮した対応が求められるという。

県では、この研修を通じ、若年性認知症の人や家族を支援する関係者に「若年性認知症」や現状や課題、社会的支援の在り方について理解を深めてもらいたいとしている。

埼玉県 認知症施策
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/ninchisyosesaku/

■2014.12.24  元受刑者の社会復帰支える一時宿泊所 大津のNPO開設
大津市膳所1丁目のNPO法人「大津夜まわりの会」がホームレスをはじめ生活困窮者に提供する緊急一時宿泊所(シェルター)を、身寄りや住む家のない元受刑者らが利用するケースが目立っている。「今夜の寝床がない」「就職に住まいが必要」−。同会は、罪を犯した人の生活基盤を整えることで社会復帰を支えている。

同会は2001年以降、会員の社会福祉士ら6人が生活困窮者の住居や職探しの手伝い、生活保護申請の相談などに応じている。昨年4月からは国の補助金を受けて市内の民間アパート4室を確保し、1カ月間を目安にシェルターとして無償提供を始めた。

これまでシェルターを利用したホームレスら67人のうち、少なくとも16人が元受刑者や執行猶予期間中だった。罪の大半は無銭飲食や万引などの軽犯罪だが、同会によると、一度罪を犯すと偏見から就職や住居の確保が難しく、中には雨風をしのげる刑務所を求め再犯に及ぶ例もあるという。

14年版の犯罪白書によると、元受刑者の10年以内の再入率は、満期釈放者で60・8%、仮釈放者で39・2%。入所回数が増えるほど住所不定者の割合も高く、犯罪白書をまとめる法務総合研究所は「特定の住居や職がない人は、犯罪に及びやすい傾向にある」とみる。

国は更生支援策として各地に更生保護施設や地域生活定着支援センターなどを設置している。ただ、障害者や高齢者を主な対象にするなど一定の制限がある。滋賀県内では草津市が6月から生活困窮者向けのシェルターを提供しているが、入所中の求職活動を前提としている。彦根市は生活保護受給者に限っている。

一方、同会のシェルターは特別な利用条件がなく、行政の支援対象から漏れた人も受け入れる。利用者ごとに別のアパートの1室を提供するため集団生活が苦手な人にも好まれるという。生活困窮者が生活保護を受給するまでの間や、執行猶予判決後に必要な居住先として活用されている。

同会の小坂時子理事長(80)は「地域の受け皿が整っていれば、犯罪に及ばずに済むケースは多い。あくまで貧困層の自立支援活動として続けていきたい」と話す。問い合わせは同会

■2014.12.25  特養の相部屋代、15年8月から全額自己負担に
特別養護老人ホーム(特養)の相部屋の費用を、利用者が全額負担することが固まった。厚生労働省が25日、自民党の介護関係の会議に案を示し了承された。現行は1割負担の介護保険で賄っているのを、利用者が月1万4千〜1万5千円程度負担するように改める。

相部屋代の全額自己負担は、2015年8月から実施する。住民税非課税の低所得者には、相部屋代相当を補助し、負担額を変えないことによる。前年の所得に応じて補助の有無を判定するのが、15年夏ごろになる。

特養ホームの利用者全体52万人のうち6割が相部屋に入っているが、その大半が低所得者だ。実際に相部屋代を全額負担する人は、多くて5万〜6万人にとどまる見込み。

既に利用者の全額負担となっている光熱水費を、現行の月1万円から1千数百円程度引き上げることも固まった。相部屋代の自己負担や光熱水費の引き上げの具体額は、2月頃に正式に決まる。

■2014.12.28  身元不明者情報を家族に公開 福岡県警が顔写真「台帳」 [福岡県]
認知症の影響で徘徊(はいかい)し、行方不明になる高齢者が増えていることを受け、福岡県警は12月から、県内で保護された身元不明者の情報を台帳で一元管理し、家族らが直接閲覧できる制度を導入した。迅速な身元特定につなげようという試みで、九州では初めて。

福岡県警はこれまで、県内の警察で保護した身元不明者の情報を蓄積し、データベース化。家族や老人ホームなどの施設から捜索願が出された場合、個人情報保護の観点から警察側がデータベースと照合し、身元不明者を保護している市町村に問い合わせていた。

新制度では、市町村からも身元不明者の顔写真や所持品、身体的特徴、血液型などの情報を提供してもらい、県警が「身元不明迷い人台帳」を作成。捜索願を受理した場合に限り、県警本部の窓口で警察官立ち会いのもと、家族や施設関係者に直接公開する。

警察庁によると、認知症の疑いのある人の捜索願は昨年、全国で1万322人。福岡県でも今年1〜11月で362人に上り、昨年1年間の279人を上回っている。身元が分からないまま、老人ホームなどへの入所を余儀なくされるケースもあるという。

認知症高齢者の見守りを地域ぐるみで取り組む同県大牟田市の認知症ライフサポート研究会代表、大谷るみ子さん(57)は「台帳を有効に活用し、近親者でなければ分からない情報でも身元の特定につながるようにしてほしい」と話している。

■2014.12.28  優良高齢者ホームの「大賞」獲得の施設 従来のイメージ一変
最高の高齢者ホームとは、どんな施設なのか。「高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協)」主催、高齢者施設事業者など「高齢者ホームのプロ」21人が選考した「リビング・オブ・ザ・イヤー2014」に選ばれた優良施設を実際に訪問してみよう。ここで紹介するのは、同賞の大賞に輝いた住宅型有料老人ホーム「アクラスタウン」(福岡県太宰府市)だ。

とにかくホーム全体が「明るい」。採光が工夫され、太陽光がふんだんに差し込むからだけではない。リビングやダイニングなどの共用スペースがいたるところにあり、個室のドアはいつも開いている。

「閉めるのは寝る時だけ。体調を崩して寝込んでいても、いつも誰かの声が聞こえて安心です」(入居者の70代女性)

入居者やスタッフの声だけではない。施設を訪れた家族や近隣住民、子供たちの声。笑い声や話し声、時には怒った声や泣いた声。誰かの声がいつも施設内に響き、部屋にいる人の耳にも届く──。

「リビング・オブ・ザ・イヤー2014」で大賞に輝いたのは、従来の高齢者ホームのイメージを一変させる施設だった。

ぬくもりのあるログハウス風の建物は、外観・内装に無垢材をはじめ、自然素材をふんだんに採用した。その建物の周囲には門や塀が設置されていない。だから、近所の人が犬の散歩の途中に敷地内を通り抜け、近所のひとり暮らしの老人や若い親子が施設内にやってくる。

そんな時には窓ガラス越しに人工呼吸器を付けてベッドで寝ていたり、経鼻チューブをしながらリクライニング式車椅子で休んでいたりする入居者の姿が目に入る。それでも、施設の持つ独特の「明るさ」がそこに違和感を持たせない。入居者が地域社会の一員として自然に溶け込んでいるのだ。

自身も看護師資格を持ち、10年以上訪問看護の現場で働いてきた運営会社・誠心の吉松泰子社長が「こだわり」をこう語る。

「施設の中で過保護ともいえる介護をするのではなく、入居者に社会の一員として過ごしてもらいたいと考えました。かといって、要介護者が施設を出て働くような形での社会参加は難しい。そこで、施設の暮らしの中に社会性を持った人、つまり地域の人たちに来てもらえる仕掛けを考えました。

まず敷地の中に美味しくて安い食事処を作りました。すると、自然に近隣の人たちが敷地内に入ってくれるようになりました。

続いて皆さんが建物の中にも入ってくれるように、手作りケーキを提供するカフェ、図書館、ギャラリーを構えました。入居者は“我が家にお客さんが来てくれる”と鼻高々です。いつもきれいに着飾り、リビングで地域の人と入居者が自然に会話するようになった。それこそ私たちが目指している『社会型老人ホーム』なんです」

居室の広さは9〜38平米と4タイプ(単身向け個室は9〜15平米)あり、全45部屋は間取りがすべて異なる。

「将来的には、まったく新しい形の集合住宅にしたいと考えています。要介護の方だけではなく、学生やビジネスマン、ファミリーにも入居してもらい、あらゆる世代がお互いに助け合って暮らしていけるよう、さまざまなタイプの居室を作りました」(同前)

実際、入居しているのは要介護の高齢者だけではない。40代の難病患者や、夫がパーキンソン病を患う夫婦なども一緒に暮らす。

■2014.12.28  健康寿命延ばそう 横須賀で「スロー筋トレ」好評
健康で自立した生活を送ることのできる「健康寿命」を延ばすことに関心が高まる中、無理なく筋力をアップする「スロー筋トレ」が好評だ。横須賀市日の出町の市立勤労福祉会館(ヴェルクよこすか)でも27日、今年最後の講座が開かれ、和やかに筋力アップに取り組んだ。

同会館が、無料のスロー筋トレ講座を開始したのは10月。45分間で定員は15人というアットホームな雰囲気で月に2回開催しており、毎回定員を超える申し込みがある。参加理由は、手術後や病後のリハビリや運動不足などさまざまだ。

この日は、ストレッチの後、太もも、腕、腹筋などをゆっくりと鍛えるトレーニングを行った。

同館が今夏に実施した「らくらく体操」という講座から参加し、友達になったという70代の女性2人は「『らくらく』という言葉に引かれたのかもしれない。最初からきつくなく、私たちのペースに合わせて先生がやってくれるのがすごくよかった。ここに来るのが楽しみになっている」と話していた。

 

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