残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2014年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2014. 3. 1 睡眠導入剤:ココアに 傷害容疑で31歳女逮捕 大阪
 2014. 3. 1 虚偽申請:尼崎の障害児施設、管理者を 県、営業停止処分 /兵庫
 2014. 3. 1 安永さん事件「取り押さえ適法」 請求棄却
 2014. 3. 1 介護しながら働く女性 両立支援へ、企業も動く
 2014. 3. 2 しまねのひと:知的障害者のスポーツ活動の普及に取り組む、糸川恵美子さん /島根
 2014. 3. 2 刺し子ハンカチ:完成 うからの里高鍋事業所、きょうから販売 /宮崎
 2014. 3. 2 東日本大震災以降、介護施設の防災意識や防災対策に変化
 2014. 3. 3 手作り弁当「いかが」 障害者の就労支援 氷見のNPO、調理や配達を支援
 2014. 3. 3 病室1部屋焼け、入院患者の女性2人死亡…佐賀
 2014. 3. 3 歯科医が薦める介護食
 2014. 3. 3 皇室:皇后さまが知的障害者の工芸展訪問
 2014. 3. 5 袖ケ浦の少年死亡:施設虐待問題 施設職員、頻繁に体温測る 少年搬送前日、体調急変を認識か /千葉
 2014. 3. 5 虚偽申請:指定取り消し 県が倉敷の障害児事業所 /岡山
 2014. 3. 5 ダウン症 理解深めて…啓発月間
 2014. 3. 5 仮設暮らし 認知症リスク増…東北大調査
 2014. 3. 5 障害者の人生設計考える講演会 財産管理は
 2014. 3. 6 障害者アート一堂に 大津で展示、絵画や書…300点
 2014. 3. 6 預金通帳紛失:「ほかにわ」運営の施設で、職員が元入所者3人分 金庫に保管 /長崎
 2014. 3. 6 障がい者雇用:低水準 あす伊賀地域研修会 /三重
 2014. 3. 6 児童虐待:通告2万人超 13年、過去最多
 2014. 3. 6 横断中の女性はねられ死亡 逮捕の介護士「気付かなかった」 茨城・日立
 2014. 3. 6 津波から身を守る救命艇 IHI、三重の施設に
 2014. 3. 6 <ケアプラン作成せず>居宅介護事業所が不正請求で指定取り消し−大分県
 2014. 3. 6 世界最高齢116歳の誕生日 大阪の大川さん
 2014. 3. 6 東日本被災聴覚障害者の苦悩…鳥取で写真展
 2014. 3. 6 面倒な後処理がいらない介護用トイレ「ラップポン」
 2014. 3. 7 児童虐待:疑い、大阪府24%増 統計開始以来最多
 2014. 3. 7 <指定取り消し>千葉市グループホーム 返還請求額3,600万円
 2014. 3. 7 <高齢者見守り>水道メーター情報を活用し見守りの実証実験開始
 2014. 3. 7 訪問介護虚偽報告343件…秋田
 2014. 3. 8 介護給付不正請求:諫早の居宅、通所5事業所を県が指定取り消し /長崎
 2014. 3.10 被災3県の高齢者34人受け入れ 弘前の老健施設が支援
 2014. 3.10 NPO法人代表を逮捕 精神障害者の就労支援奨励金を不正受給、北海道
 2014. 3.10 「源泉かけ流し宣言」の温泉に老化防止効果も
 2014. 3.10 福島県沿岸部、介護就職者に最大45万円支給へ
 2014. 3.11 等しく生きる:障害者条例制定へ 軽度知的障害者グループホーム「こすも」 地域と良好な関係築く /茨城
 2014. 3.11 <告発電話で発覚>秋田の訪問事業所、虚偽報告300件超で指定取消
 2014. 3.11 スマイル介護機器、排せつ物自動処理機を本格販売
 2014. 3.11 高齢者施設に一夜限りのスナック 84歳静子ママ輝く
 2014. 3.11 アキラ産業:運送・産廃解体業、破産手続き開始 関連会社も /愛媛
 2014. 3.11 障害者雇用:えりも町に是正勧告 法定数達せず 道労働局 /北海道
 2014. 3.11 千葉・袖ケ浦の少年死亡:支援施設元職員を逮捕 入所者への傷害致死容疑 県警
 2014. 3.12 袖ケ浦の少年死亡:虐待事件、元職員逮捕 背景に職場ストレス 保護者、改めて失望や憤り /千葉
 2014. 3.12 看護師24人、今月末に一斉退職へ 北海道・浦河赤十字病院「人手不足で仕事つらい」
 2014. 3.12 身体への負担を軽減する「疲れにくい」介護用杖が新発売
 2014. 3.12 盲学校に音の小箱…匿名女性、贈り続けて50年
 2014. 3.13 北海道内の看護職員 7割以上「辞めたい」 激務 仮眠とれず 道医労連調査
 2014. 3.13 「リブロ」障害者施設、継続 不正受給問題、別法人でサービス提供 [福岡県]
 2014. 3.13 高齢夫婦家出、介護事業者が関与か
 2014. 3.13 「電話できない」と聴覚障害者への不動産仲介断る
 2014. 3.14 医療・福祉の就業者、908万人で最大に 厚労省30年推計
 2014. 3.15 強度行動障害:支援対策遅れ…19都道府県が研修予定なし
 2014. 3.15 強度行動障害:入所者受け入れ先なく…袖ケ浦の虐待被害
 2014. 3.15 発達障害児の総合支援も むとべ翠光園が19日開設
 2014. 3.15 介護施設で熱い風呂に女性入れ重いやけど…死亡
 2014. 3.15 脳性マヒ生徒に体罰、車いす生活となり転校
 2014. 3.15 犬が導く「安心」
 2014. 3.15 患者の心、犬が癒やす
 2014. 3.15 関連施設運営休止へ 職員の退職相次ぎ 袖ケ浦の施設虐待
 2014. 3.15 片目失明者の障害者認定を 広島、改善求め団体設立
 2014. 3.15 世界初!パナソニックのロボット介護機器がISO13482認証を取得
 2014. 3.16 介護施設の送迎車が事故 1人死亡5人ケガ
 2014. 3.16 事故:介護施設送迎の車が衝突 1人死亡2人重体
 2014. 3.17 社会福祉士・精神保健福祉士 合格発表
 2014. 3.17 全盲男性、78歳で博士号=「多くの人の刺激に」―点字学び11年かけ・関西学院大
 2014. 3.17 老人福祉事業者の倒産最多46件 13年、競争激化で
 2014. 3.18 障害者製造の焼酎、初出荷 6年目の「自立」上出来 [福岡県]
 2014. 3.18 福祉施設の送迎ワゴン車が居眠り運転で逸脱事故、2人が死傷
 2014. 3.19 障害者支援補助金不正受給:NPO元理事長起訴 広島地検 /広島
 2014. 3.19 インフルエンザ:感染91人 渋川の障害者支援施設で /群馬
 2014. 3.19 介護報酬不正請求:「まごころ」4事業所、指定停止 ;守山 /滋賀
 2014. 3.19 高齢夫婦、風呂場で死亡 介護の夫倒れて妻溺れる?
 2014. 3.20 清水寺へ車いすが人力車に変身
 2014. 3.20 手をつなぐ育成会:社会福祉法人の解散決める
 2014. 3.21 不正受給:2施設の指定取り消し 福岡市 /福岡
 2014. 3.22 写真家・金川晋吾さんが老人ホームで暮らす人を撮った写真展『home for the aged』
 2014. 3.23 新潟で4月からタンデム車が解禁!長野、山形と3県をまたがるツーリングも可能に
 2014. 3.23 嚥下食「イカめし」でひばりの里が最高賞
 2014. 3.24 寝たきり高齢者への胃ろう、政府が抑制へ-診療報酬を減額
 2014. 3.24 配食サービスに新規参入相次ぐ 高齢化、制度改正で拡大へ
 2014. 3.24 3/29(土)公開★よろこびも、かなしみも、夢になる。――『夢は牛のお医者さん』
 2014. 3.25 ハンセン病患者の骨格標本、未承諾で作製と謝罪
 2014. 3.25 袖ケ浦虐待:暴行「意図的で陰湿」 第三者検証委中間報告
 2014. 3.25 虐待訴えられぬ人選び暴行=入所者虐待死で中間報告―千葉
 2014. 3.25 特養:待機52万人…4年間で23%増 施設不足が歴然
 2014. 3.25 特養ホーム待機の実態調査 岡山市
 2014. 3.25 融資金3億不正流用 社会福祉法人の元理事長らに支払い命令
 2014. 3.25 不正受給:介護給付費など250万円 /山口
 2014. 3.26 県事業団、来月に新体制 「養育園」虐待問題 職員処分、理事長は辞任
 2014. 3.26 袖ケ浦の少年死亡:理事長、理事刷新へ 組織の姿勢糾弾 中間報告 /千葉
 2014. 3.26 交流:障がい者と地域の人がジャガイモのカレーの集い/沖縄
 2014. 3.26 お泊まりデイ:提供事業所、半数が基準面積未満 都調査 /東京
 2014. 3.26 比の2人、看護師合格…静岡
 2014. 3.26 離島福祉船「夢ウエル丸」20年ありがとう…岡山
 2014. 3.26 自転車、わずか3分で車いすに 西区の永山さん開発、実用化
 2014. 3.26 災害弱者の名簿作成 各市町村に義務付け 県防災計画 山梨
 2014. 3.26 看護系学部が増加…「手に職」志向で志願者増
 2014. 3.26 特養待機者、52万人…4年前より10万人増   訂正あり
 2014. 3.26 孤立化防止へ独自調査 個人情報を外部関係機関と共有 障害ある娘殺害の事件教訓に 滋賀・草津
 2014. 3.27 福祉法人に改善命令 「ずさん会計運営不適切」、県発表 [熊本県]
 2014. 3.27 介護報酬不正請求:管理者兼医師常勤せず いわき市が社福法人を処分 /福島
 2014. 3.27 厚労省、特養待機者2千人増に訂正
 2014. 3.27 <千葉・福祉センター虐待>入所者死なせた23歳元職員 未熟さ、暴力で補う
 2014. 3.27 コーヒー豆好評 手作業で一粒ずつ選別
 2014. 3.28 職員配置転換 職場復帰や謝罪を
 2014. 3.28 豊明会事件 前理事長に無罪判決 地裁「横領の認定困難」
 2014. 3.28 改善命令:勤務実態ない職員に給与、「みつき福祉会」処分 松江市 /島根
 2014. 3.28 米子の女性殺害:泉被告、放火は不起訴処分 /鳥取
 2014. 3.28 出口なき園:千葉・福祉センター虐待/連携の動き、少しずつ 罪悪感、物言えぬ親
 2014. 3.28 外国人介護福祉士、78人が合格
 2014. 3.29 働く世代「眠れない時は布団から出る」のがコツ
 2014. 3.30 千葉・福祉センター虐待/ 安心させる工夫を 支援方法の共有が重要
 2014. 3.30 ラーメン25名店巡ろう 京阪神でラリー、収益を障害者に
 2014. 3.31 障害福祉の父 鳥取出身・糸賀氏生誕100年
 2014. 3.31 糸賀氏生誕100周年祝う 栗東で障害者福祉功労表彰も
 2014. 3.31 神戸の12福祉事業所 統一ブランドで枕とテディベア製品に
 2014. 3.31 消費増税:高齢者の生活打撃…老人ホーム、配食値上げ /沖縄
 2014. 3.31 「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」事務局長・古賀知夫さん /福岡
 2014. 3.31 袖ケ浦・虐待:施設元職員を起訴 入所者暴行死で


■2014.3.1  睡眠導入剤:ココアに 傷害容疑で31歳女逮捕 大阪
大阪市都島区の障害者就労支援施設で昨年11月、ココアを飲んだ男性職員2人が目まいなどで病院に搬送された事件で、大阪府警都島署は28日、ココアに睡眠導入剤を混入したとして、元職員、前田佳那子容疑者(31)=同府茨木市東奈良1=を傷害容疑で逮捕した。「人間関係でトラブルがあった」と認めているという。

逮捕容疑は昨年11月中旬、粉末のココアに睡眠導入剤を混入し、同月25日夜、施設でココアを湯で溶いて飲んだ38歳と25歳の男性職員2人の意識を失わせた、としている。前田容疑者が28日、茨木署に出頭したという。

■2014.3.1  虚偽申請:尼崎の障害児施設、管理者を 県、営業停止処分 /兵庫
障害児通所支援事業所の指定を受ける際、管理者を虚偽申請したとして県は28日、尼崎市東園田町9の「児童発達支援きらぼし2」を営業停止にあたる指定の効力停止処分にした。
障害児に支援サービスを提供する事業者の行政処分は県内で初めて。

停止処分は4月1日から半年間。尼崎市内で他に4施設を運営する「クリンミル」(山本真代表)が運営し、知的障害や発達障害を持つ子どもたち約70人が、日常生活の訓練などを受けていた。

県障害者支援課によると、同社は昨年4月、県に提出した書類で、病気療養中だった女性職員を児童の個別支援計画を作成する管理者として申請していた。

11月に管理者の変更届を提出した際、県の担当者が問いただして発覚した。
県は管理者が不在だった6カ月間の障害児通所給付費約680万円が不正受給に当たるとみており、今後、市町が返還請求を行う。

■2014.3.1  安永さん事件「取り押さえ適法」 請求棄却
佐賀市で2007年、警察官に取り押さえられた直後に死亡した知的障害者の安永健太さん=当時(25)=の遺族が、佐賀県に約4300万円の損害賠償を求めた訴訟で、佐賀地裁(波多江真史裁判長)は28日、取り押さえ行為は適法だったとして、請求を棄却した。

訴訟では(1)取り押さえ行為の違法性(2)警察官の過失の有無(3)取り押さえ行為と死亡との因果関係−が争点だった。

判決で波多江裁判長は、健太さんが自転車を蛇行運転し、「ウー」「アー」など意味不明の声を発し、警察官の制止に抵抗したことなどから、正常な判断能力を欠いた精神錯乱であったと認定。警察官職務執行法に基づく保護に当たり、取り押さえ行為に違法性はないとした。

取り押さえ行為は、長くても10分程度で、必要最小限度の範囲と指摘、「保護行為の相当性を有していた」と認めた。また、警察官が暴れる健太さんを地面に押さえつける動作について、「殴りつけるように見間違われる可能性が高く、目撃者の証言は信用できない」とした。

取り押さえ行為と死亡との因果関係については判断しなかった。

判決によると、安永さんは07年9月25日夕、佐賀市の国道で自転車に乗っていた際、停止を求めた警察官の手が肩に触れたことに驚いて抵抗。手錠を掛けられるなどして取り押さえられ、搬送先の病院で死亡が確認された。

判決後の会見で遺族側の河西龍太郎弁護士は「知的障害者に対する知識が全くない。家族に知的障害者がいたらこんな判決は書けない」と厳しく批判。控訴するかどうかは「支援者と協議して判断したい」とした。

佐賀県警の加茂賢治首席監察官は「判決については当方の主張が認められたものと考えております。亡くなられた安永健太さんに対しては、あらためてご冥福をお祈りいたします」とコメントを出した。

■安永さん事件の経過

【2007年】 

 9月25日 佐賀市の路上で安永健太さんが警察官5人に取り押さえられた直後に死亡

 11月5日 「警察官が安永さんを殴っていた」との目撃証言を県警が把握していたことが判明 

 12月3日 県警の山崎篤男本部長(当時)が県議会で「暴行の事実は認められない」と答弁

 12月25日 遺族が警察官の行為は人権侵害だとして県弁護士会に人権救済の申し立て

【2008年】

 1月17日 遺族が現場にいた警察官数人を特別公務員暴行陵虐致死容疑で佐賀地検に刑事告訴

 3月15日 「安永健太さんの死亡事件を考える会」設立

 3月28日 地検は「取り押さえ行為と死亡の因果関係はない」として嫌疑なしの不起訴処分に

 4月3日 遺族が警察官5人の付審判請求書を地検に提出

 4月9日 地検は請求を「棄却されるべき」と判断し、佐賀地裁に送付

【2009年】

 2月26日 遺族が県を相手取り、約4200万円を求める国家賠償請求訴訟を地裁に起こす。地裁に提出した全国からの署名は計約11万人分に

 3月2日 地裁が警察官5人のうち1人の審判開始を決定。残る4人の請求は棄却

 9月11日 検察官役指定弁護士の請求を受け、地裁が特別公務員暴行陵虐致傷罪への訴因変更を決定

【2010年】

 7月29日 地裁で初公判。県警の巡査長松雪大地被告は無罪を主張

【2011年】

 2月28日 検察官役指定弁護士が懲役1年を求刑、松雪被告は無罪を主張して結審

 3月29日 地裁が松雪被告に無罪判決

 4月7日 検察官役指定弁護士が福岡高裁に控訴

 9月20日 控訴審初公判

【2012年】

 1月10日 高裁は地裁の無罪判決を支持し、検察官役指定弁護士の控訴棄却

 1月20日 検察官役指定弁護士が最高裁に上告

 9月18日 最高裁が検察官役指定弁護士の上告棄却を決定。松雪巡査部長の無罪確定へ

【2013年】

 11月15日 地裁が遺族の国家賠償請求訴訟の請求放棄を求める和解案を提示

【2014年】

 2月28日 地裁は遺族の国家賠償請求を棄却

■2014.3.1  介護しながら働く女性 両立支援へ、企業も動く
家族の介護は、誰でも直面しうる課題だ。しかし、女性が介護の主な担い手として期待されるケースは今なお多い。女性が働き続けるうえで、仕事と介護の両立は切実なテーマだ。

「腰を痛めない動作が介護の基本です」。日本政策金融公庫は昨年12月、東京・大手町の本店会議室で職員向けに介護体験教室を開いた。40〜50歳代が中心に約40人が参加、半数は女性だ。

介護保険の仕組みなどを学ぶセミナーを一昨年から企画してきたが、ベッドでの寝返りや車椅子への移動の手助けなどを体験する教室は今年度が初めて。担当の芝田彩子さん(40)は「職員の調査で退職につながりうる理由のトップ3に介護が入った。体験を通じて仕事と両立できると思ってもらえたら」と話す。

総務省の調査では過去5年で介護や看護のために前職を離職した人の8割は女性だ。社内で責任ある立場の場合も多い。本人はキャリアが途切れ、企業も中核的な人材を失うリスクは大きい。

企業の女性リーダー育成に向けた提言をまとめたリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長は「出産や子育てと違っていつまで続くか分からないのが介護。仕事との両立支援策はこれからの課題」と強調する。

第一生命保険は「両立支援ハンドブック」を2007年に作成、全社員に配っている。法律で定めた介護休暇・休業を越えて、分割しても取れる1年間の休業、年12日までのサポート休暇などの支援制度も整う。推進役のひとりが人事部の吉田久子部長(56)だ。自身も両親を在宅介護しながら働き続けてきた。

営業職員は子育て後の再就職組も多く、平均年齢は40歳代半ばと高め。それだけに介護の潜在ニーズは大きい。吉田さんも親の介護を社内で公にし、時には自分の体験を踏まえて相談に乗る。

ただ、こうした企業の取り組みは動き始めたばかり。家族の介護を会社に知らせるのすら悩む人も多い。介護と仕事の両立は容易ではない。
早朝6時、兵庫県宝塚市で夫と居宅介護支援事業所を運営する山下智子さん(38)の1日は、同居する父(73)にチューブで栄養を補給する準備から始まる。人工透析などのために父が9時に送迎車で出掛けると、智子さんは気持ちを「仕事モード」に切り替える。


夫婦で介護サービスに携わり、「要介護認定」申請などの書類づくりを手伝う。分刻みで介護に仕事、家事、男の子2人の育児に飛び回る。

 父の在宅介護は07年春から。施設に預けることも考えたが「自分の子どもに、親を介護する自分の後ろ姿を見て育ってほしい」と強く思った。夫や神戸市に住む妹の存在も支え。「1人で抱え込まないこと」を学んだ。

 「遠距離介護」も増えるだろう。川上由里子さん(51)は大学病院などで看護師として働いた後、三井不動産に転職。事業として介護相談拠点の運営に奔走していた08年、静岡県に住む父(88)の介護に直面した。

 兄や弟も独立し、普段の介護は母(76)が中心だ。2週間に1度は東京と静岡の実家を往復した。仕事を続けたのは「介護から離れる時間が気分転換になるし、親の介護経験が仕事に生きると考えたから」。11年には介護関連のコンサルタントとして独立。「常にどうすれば明るく、穏やかに介護と向き合えるか考えている」と話す。


◇            ◇


■民間の支援サービス、上手に活用を


働き盛りで突然親の介護に直面したら――。公的支援や会社の制度を確認するのはもちろん、NPO法人などのネットワークや相談窓口、民間サービスも活用したい。

不動産業界の第一線で働いていた和氣美枝さん(42)は04年に母(74)の介護を始めた。役所への手続きでたびたび有給休暇を利用せざるを得ず、相談相手もいない。

支えになったのがNPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン(東京・新宿)が開くサロンだ。同じ境遇の女性らと悩みを打ち明け合った。現在は医療事務の仕事に転職、働きながら介護する人の交流会を自ら企画する。

民間企業でも介護支援の関連サービスが広がっている。セブン―イレブン・ジャパンがコンビニ店舗を活用して配食サービスを展開。警備会社は見守り事業を始め、家事代行なども広がっている。仕事と介護の両立のために、こうしたサービスを上手に利用することも選択肢の一つだ。

■2014.3.2  しまねのひと:知的障害者のスポーツ活動の普及に取り組む、糸川恵美子さん /島根
◇糸川恵美子さん(53)

知的障害のある運動競技者(アスリート)の活動を推進する国際組織「スペシャルオリンピックス」(SO)。その地方組織「SO日本・島根」の設立に向けて奔走する。「スポーツを通じて社会性をはぐくみたい」という信念の向こうに見据えるのは、「障害の有無にかかわらず共生できる社会」だ。

SOは1960年代に米国で誕生。国内では80年代に活動が始まったが、90年代に組織が解散するなど活動は一時低迷した。その後、01年に現在のSO日本が創設され、全国で活動が広がっている。

SO日本・島根の設立に向けた動きが始まったのは12年。設立準備委員会の会長に速水雄一・雲南市長が就任し、同市に事務局を置いた。当初の準備活動から携わる。本格的なスポーツ経験はないが、「いろいろなボランティア活動をしていたので声が掛かった。子供たちが頑張る姿が大好きなんです」と話す。

雲南、松江の両市でSOの活動を伝えるDVDの上映会を開催。コーチやボランティアを募り、バスケット、水泳、陸上の3競技の活動の場を確保した。現在ではアスリートが30人、コーチとボランティアは60人以上が参加するまでになり、大田市から松江までやって来るアスリートもいる。

4月4日に地方組織として正式に認められる。当日には全国組織の理事長を務める五輪マラソン銀メダリスト、有森裕子さんも出席し雲南市で認証式を開く。「島根らしい組織にしたい」。今後も活動の普及に取り組んでいく。

■2014.3.2  刺し子ハンカチ:完成 うからの里高鍋事業所、きょうから販売 /宮崎
知的障害者らの就労を支援する高鍋町上江の「うからの里高鍋事業所」が開発を進めてきた「刺し子ハンカチ」が完成した。事業所で作業する利用者の工賃を上げようと、デザイナーらプロの手を借りて考案。2日から宮崎市清水3の雑貨店「おおまえ布店+はなうた活版堂」で販売する。

ハンカチは、白い綿布に利用者がカラフルな糸を縫い付けたもの。当面は西都市の修道院が製造するクッキーと合わせたセット(1000円)で販売する。

昨年2月から事業所と雑貨店などが「利用者も縫うことができて制作コストを抑えた商品を」と試行錯誤を重ねてきた。デザインによる付加価値をつけることで高い価格の設定が可能になったという。商品開発にも携わったおおまえ布店は「一枚一枚刺し子の色や縫い幅が違うのも魅力。ホワイトデーのプレゼントにもどうぞ」。事業所は「新しい試みで利用者も制作に意欲的。商品が定着してほしい」と期待を込めた。

30日には、高鍋町の舞鶴公園二の丸広場である「高鍋城桜まつり」でも販売する。問い合わせは同店0985・71・0356。

■2014.3.2  東日本大震災以降、介護施設の防災意識や防災対策に変化
いまの介護施設の「防災対策」とは?
株式会社ザップが、首都圏などの有料老人ホーム160施設を対象に、東日本大震災以降、介護施設の防災意識や具体的な取り組みがどのように変わったかを明らかにするための調査を実施しました。

※調査結果は、「あいらいふ入居相談室」が、2014年1月に全国の有料老人ホーム160施設を対象に行ったアンケート調査結果をまとめたものです。

大規模災害に備えた対策を実施する施設が過半数に
調査の結果、「大規模災害に備えた防災マニュアルを備えている」と答えた施設は全体の約9割と高く、さらに、「地域と連携した防災マニュアルを定めている」という施設が6割、「震災以降にマニュアルの改訂を行った」という施設は約8割という実態が明らかになりました。

また、「災害に備えて、3日以上、飲料水や食料を保管している」という施設は9割以上にのぼりました。

この他にも、「入居者が参加する防災訓練を年2回以上行っている」という施設は9割以上で、「自家発電設備を備えている」という施設が約8割であることがわかりました。


「有料老人ホームの防災対策:3.11が意識向上のきっかけに」株式会社ザップ※PR TIMES
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000009232.html

■2014.3.3  手作り弁当「いかが」 障害者の就労支援 氷見のNPO、調理や配達を支援
障害者の就労を支援するNPO法人「b―らいふ・かんぱにー」(氷見市幸町)がJR 氷見駅前で運営するレストラン「とまとcafe」は2日までに、昼食の弁当販売と配達 を始めた。調理、配達のすべてを手掛けており「値段も手頃でおいしい」と好評を得てい る。b―らいふは障害者の働く場をさらに広げたいとしている。

弁当のメニューは日替わりで、肉や魚、揚げ物などメーン料理と煮物や漬物など全4品 が入っている。おかずのみは350円で、別容器で白米やみそ汁を付けると600円。と まとcafeのシェフが栄養バランスの取れたメニューを考える。

現在、b―らいふの作業所「幸町の家」と、市役所、社会福祉協議会などから注文を受 け、毎日30〜40食を配達している。試行段階のため一般の企業からの注文は受け付け ていないが、主任職業指導員の坂下幸子さんは「軌道に乗れば、もっと広く提供できるよ うにしたい」と意欲をみせる。

弁当の提供は、とまとcafeの調理場を生かして顧客を増やすために始め、現在、5 人が調理や接客を担当している。b―らいふは10人の雇用を目標にしており、永森栄一 所長は「もっと外部に活動をPRしたい」と話した。

■2014.3.3  病室1部屋焼け、入院患者の女性2人死亡…佐賀
2日午後9時頃、佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙(しもじゅくおつ)の嬉野温泉病院(中川龍治院長、759床)の職員から、「火災通報装置が点灯している」と119番があった。

佐賀県警によると、西側病棟(4階建て)の4階病室の1部屋が焼け、この部屋に入院していた70歳代と60歳代の女性2人が死亡した。火災は午後10時24分頃に鎮火した。

県警によると、出火した病室の定員は4人で、3人が入院していた。死亡した2人のうち1人は焼死体で見つかり、1人は搬送先の病院で死亡が確認された。いずれも逃げ遅れたとみられる。もう1人は火事に気付いて逃げ出したという。

嬉野温泉病院によると西側病棟の入院患者数は約120人。病院職員らは患者らをいったん駐車場などに避難させ、敷地内の別の施設に移した。

■2014.3.3  歯科医が薦める介護食
千葉県内の歯科医師3人が、在宅介護を支援する有志の会「県イーティングサポートiUi」を結成し、家庭で簡単に作れる介護食の紹介などに取り組んでいる。同会では「高齢化が進み、のみ込む機能が落ちる人も増えている。一人ひとりにあった調理方法や食べ方が分かれば、食べることを楽しみながら肺炎や低栄養を防げる」と意気込んでいる。

市原市の市勤労会館で2日、介護食を作る研修会が開かれ、女性ら数人が参加。和食の料理人を講師に招き、近所のスーパーで調達したホタルイカ、サワラ、菜の花など、旬の食材を使ったみそ焼きを作った。

講師は「ホタルイカは目や骨を取り除くことでのどにつかえずに食べられる」「ゆでながら手で触ると軟らかさが分かる」などと指導。誤嚥(ごえん)などを防ぐためには、食材を細かく刻んだり、軟らかくしたりするのがポイント。みそに細かく刻んだしそやユズを混ぜ込むことでいろいろな風味が味わえるという。参加者らは真剣な表情で取り組んでいた。

参加した20代の女性は「少しの手間でおいしく食べられることが分かった。身近な人に介護が必要になったら作ってみたい」と話していた。

iUiは、歯科医師の稲葉洋さん(47)(市原市)と浮谷得子さん(53)(市川市)、飯塚真司さん(46)(印西市)が昨年夏に結成。それぞれ、訪問診療を行う中で、患者の家族から「食事中よくむせるが、何を食べさせてあげればよいのか分からない」などと、食事に関する相談を多く受けた。

同じような相談を抱えた3人は、昨年春から話し合いを重ね、「いつまでも口から食べられる」ことを目指し、毎日食べても飽きないように季節を感じられる和食中心のレシピを考案し始めた。それぞれ地元で、レシピを紹介したり、口腔(こうくう)ケアや食事の介助方法を指導したりする研修会を開いている。

iUiでは「歯科衛生士や看護師らと連携し、活動を広めていきたい」と話している。「食べることへの支援」として、家庭訪問や勉強会の講師なども引き受けている。問い合わせはiUi事務局

■2014.3.3  皇室:皇后さまが知的障害者の工芸展訪問
皇后さまは3日、東京都中央区の日本橋三越本店で開催中の「第25回旭出(あさひで)学園工芸展」を訪れた。同学園は幼児から成人までの知的障害者を対象に教育や生産活動をしている。皇后さまは皇太子妃時代から活動を見守ってきた。工芸展は2年に1度の開催で、皇后さまは毎回訪れている。

この日は障害者が作り、展示・即売している焼き物や織物などを約10分間見て回り、万華鏡、イルカの箸置き、小皿など計10種類の作品を購入した。

■2014.3.5  袖ケ浦の少年死亡:施設虐待問題 施設職員、頻繁に体温測る 少年搬送前日、体調急変を認識か /千葉
袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の虐待問題で、職員の暴行後に死亡した19歳の少年が病院に救急搬送される前日、施設職員が少年の体温を頻繁に測っていたことが分かった。施設側が体調の急変を認識していたとみられるが、少年は放置されて翌日に呼吸困難になり、搬送先の病院で死亡。県の第三者検証委員会は今月下旬にまとめる中間報告に向け、少年が死亡した経緯を詳しく調べる。

第三者委の佐藤彰一座長(弁護士)が3日夜、県庁で記者会見して明らかにした。佐藤座長は「翌日に少年が病院に着いた時は心停止状態で手遅れだった。前日に職員の間では『どうしよう』と議論していたようだが、施設内に看護師も医師もいる。何も相談しなかったのは変な話だ」と指摘した。

県によると、少年は昨年11月24日午後5時半と午後8時ごろの2回、施設の寮で嘔吐(おうと)したが、少年は以前に食べ過ぎや水の飲み過ぎが原因で嘔吐したことがあるため、職員は経過を見守った。しかし、この時間帯に職員が「通常の回数を超えてかなり煩瑣(はんさ)(煩雑)」(佐藤座長)な頻度で少年の体温を測っていた記録が残っており、少年の体調の急変を明確に認識していた可能性が高いという。

第三者委は、今月下旬に虐待原因や再発防止策などをまとめた中間報告を発表し、少年が施設に入所してから死亡するまでの経緯の分析などを盛り込む予定。ただ、施設を運営する社会福祉法人「県社会福祉事業団」の存続や、指定管理者制度の是非などについては検証を続けるとしており、最終的な結論は8月になる見通しだ。

■2014.3.5  虚偽申請:指定取り消し 県が倉敷の障害児事業所 /岡山
障害児通所支援事業所の指定を受ける際、虚偽申請したとして、県は4日、倉敷市北畝5の施設「福祉サービスみらい 北畝」を児童福祉法に基づき、事業所の指定取り消し処分にしたと発表した。北畝は、倉敷市新田の「クリスタル」が運営会社で、発達障害や知的障害のある子供たちが、日常生活の訓練などを受けていた。

県障害福祉課によると、北畝は昨年4月、常勤することができない職員を常勤が必要な役職に当て、障害児通所支援事業所の指定を申請していたなどとしていた。また、サービス提供に必要な職員を配置していないにも関わらず、倉敷市などに違反を隠して障害児通所給付費を不正請求していたという。

県は一昨年4月〜昨年12月の給付費約1190万円の不正請求と加算金約480万円があるとした。倉敷市などがクリスタルに対し返還請求を行う。

■2014.3.5  ダウン症 理解深めて…啓発月間
今月は、日本ダウン症協会が呼びかける啓発月間。ダウン症についての理解を深めてもらおうと、写真展などを開催する。

国連は2012年、3月21日を「世界ダウン症の日」と定めた。同協会は、「ダウン症の人々の素顔を知ってほしい」と、昨年から3月を啓発月間と定め、様々なイベントを行っている。

同協会によると、ダウン症の赤ちゃんは、800〜1000人に1人の割合で生まれている。最近は医療や教育の環境が整い、多くが普通に学校生活や社会生活を送り、芸術家として活躍する人もいる。ところが、そうしたことがまだ一般に知られておらず、赤ちゃんがダウン症と診断された夫婦が必要以上にショックを受けてしまう現状がある。

今年は3月21〜30日に、東京都港区の伊藤忠青山アートスクエアで写真展「ダウン症家族のまなざし」を開催。英国や日本の写真家がダウン症の人々の素顔をとらえた写真を展示する。ほかにも、コンサートやダンスイベントなどが全国各地で予定されている。問い合わせは同協会(03・6907・1824)へ。



赤ちゃんがダウン症と告知された夫婦のためのパンフレットも作成された。浜松市の大村由実さんが、自身の経験をもとにしたもので、タイトルは「天使からの贈り物〜ダウン症のある赤ちゃんを授かって〜」。

大村さんは、07年8月に生まれた第3子(6)がダウン症と診断された。当初は事実を受け入れられなかったが、アメリカの母親が書いた「天国の特別な子ども」という詩に出会った。子どもの生涯が幸せなものとなるよう、神様がすばらしい両親を探すという内容に、前向きな気持ちに変わっていったという。

パンフレットでは、そうした経緯、詩の日本語訳全文、自費出版の手記「わが子がダウン症と告知された87人の『声』」をまとめた母親のブログなどを紹介している。同市で妊産婦向けの講座などを開いている「マザーリングラボ」のホームページ(http://www.mothering-labo.jp/)で無料でダウンロードできる。

■2014.3.5  仮設暮らし 認知症リスク増…東北大調査
東日本大震災後の仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があることが、東北大の古川勝敏准教授(老年医学)の研究グループの調査でわかった。

震災で家族を亡くしたり、外出や運動の機会が減ったりしたことが影響しているとみられる。

調査は昨年2〜5月に行われ、宮城県気仙沼市周辺の仮設住宅に暮らす65歳以上の700人を対象に、物忘れの度合いを検査した。その結果、36%にあたる252人に記憶力や判断力、計算力などの低下がみられ、「認知症か認知症予備軍の可能性がある」と判断された。国内の認知症患者は、予備軍を合わせると高齢者の28%で、仮設住民に占める割合の方が上回っていた。

また、研究グループは仮設暮らしの高齢者にアンケートも実施。回答のあった1560人の46%が同居していた家族・親族を震災で失っていた。外出頻度は32%が震災前より減ったと答え、12%は週1回未満だった。

古川准教授は「仮設住宅の生活環境は高齢者が孤立しやすく、行動範囲も限られている。認知症のリスクが高いことを踏まえた対策が必要だ」と指摘している。

■2014.3.5  障害者の人生設計考える講演会 財産管理は
障害者の生活設計について学ぶ講演会が2日、多久市中央公民館であった。必要な備えは、年齢や障害の程度などに応じて変わるとし、年金や手当の公的制度と、保険などの私的な準備を組み合わせて、さまざまなリスクに対応する方法を紹介した。

知的障害者ら向けの保険会社、ぜんち共済の富岡竜一氏が講演した。特別児童扶養手当や障害基礎年金など年齢で変わる公的支援制度や、地方税の所得控除などの減免制度について紹介した。

その上で公的制度を補う保険選びのポイントを説明した。本人が抱えるリスクのうち、虐待や経済的搾取といった他人からのリスクへの備えに保護者が気づきにくいと指摘。「障害程度が軽く、地域で暮らして人と接する機会が多い場合は補償を考えて」と助言した。さらに「若いうちは個人賠償が、40歳以降は入院リスクが高くなることも考慮して」と強調した。

「親亡き後」の生活を守る手段として、信託商品などを紹介。家裁の指示がなければ信託契約を解除できない「後見制度支援信託」は、成年後見人による財産着服を防げるとした。保護者が病気や死亡で突然面倒をみられなくなった場合の備えとして、障害者本人が戸惑わないようにショートステイなどの事前の訓練を勧めた。

講演会は佐賀県手をつなぐ育成会が主催、約150人が参加した。

■2014.3.6  障害者アート一堂に 大津で展示、絵画や書…300点
滋賀県内の障害者施設でつくられたアート作品や手作り製品を集めた展覧会「虹のかけはし 1歩1歩〜垣根のない心と心をつなぐアート展」が、大津市打出浜のコラボしが21で開かれている。

市内で中国茶などの講座を開く「華工房」の主催。代表の横田佳子さん(55)が茶器やお茶菓子を探すうちに、障害福祉サービス事業所れもん会社(大津市平津2丁目)や信楽くるみ作業所(甲賀市信楽町)の手作り製品やアート作品と出合ったのがきっかけ。「魅力的な作品や心のこもった手作り製品を広く知ってもらう機会をつくりたい」と初めて展覧会を企画した。

両施設のほか、ワークセンター紫香楽(甲賀市信楽町)、ぽかぽか(大津市石山千町)、ノエルしごとの家(同市三大寺)の5施設の製品と、絵画や書を手掛ける障害者の作品計約300点を展示している。

鮮やかな色彩の油絵や個性あふれる書の大作のほか、陶器の置物や皿、和紙のレターセット、木製のおもちゃや布製品、クッキーなど多彩な手作り製品が並んでいる。

31日まで(土、日、祝日休み)。午前9時〜午後5時半。無料。12日午前11時〜午後2時は、お菓子の試食と中国茶の試飲もある。

■2014.3.6  預金通帳紛失:「ほかにわ」運営の施設で、職員が元入所者3人分 金庫に保管 /長崎
南島原市の社会福祉法人「ほかにわ共和国」(志賀俊紀理事長)が運営する知的障害者のグループホーム「悠炉里(ゆるり)」で、女性職員が元入所者の女性3人から預かっていた預金通帳計10冊を紛失していたことが分かった。

10冊には計約1500万円の残高があったが、不正に引き出されてはいなかったという。法人は女性職員の処分を検討している。1月の定期監査で事実を把握した市は2月21日付で適正管理を求め、文書指導した。

法人によると、3人は昨年4月に退所したが、3人の希望があり有償で通帳をホーム事務所金庫に保管していた。女性職員が10月に紛失に気付いた。法人は3人に謝罪、通帳再発行の手続きをした。

同ホームでは、元職員が入所者の預金約240万円を着服したとして、2012年に県が法人に改善命令を出した。志賀理事長は同年に引責辞任し、昨年11月に復帰した。ずさんな預金管理が再び明らかになり、取材に「非常に残念。元入所者の通帳、印鑑も法人本部で管理し、再発を防止したい」と話した。

■2014.3.6  障がい者雇用:低水準 あす伊賀地域研修会 /三重
伊賀地域の障がい者雇用の促進を図る「障がい者雇用推進研修会 ともに働く、ともに生きる」(伊賀圏域障がい福祉連絡協議会など主催)が7日午後1時半、伊賀市四十九町の県伊賀庁舎で開かれる。

従業員50人以上の企業に占める障がい者の割合を示す県の雇用率は1・60%で、障害者雇用促進法で定められる法定雇用率(2%)を大幅に下回り、全国最下位。伊賀地域も1・63%と低水準となっている。研修会では、NPO法人「障がい者就業・雇用支援センター」の秦政(はたまこと)理事長が「2%時代を迎えた障がい者雇用」と題して基調講演する。

講演に続くパネルディスカッションでは、障がいを抱える人がパネリストとなり、就労意欲や働くことへの思いを語る。障がい者雇用に積極的に取り組む企業の報告もある。

■2014.3.6  児童虐待:通告2万人超 13年、過去最多
全国の警察が2013年に虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した子どもの数は前年比31.8%増の2万1603人で、統計を取り始めた04年の22倍に上り、過去最多だったことが警察庁のまとめで分かった。子どもの前で配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」が同48.4%増の8059人で全体の数字を押し上げた。同庁は「DV事案の認知件数が増加したことや面前DVも虐待という認識が広まった」と分析している。

通告を類型別にみると、「生まれて来なければよかった」との暴言を繰り返すなどの心理的虐待が1万2344人(前年比49.3%増)で全体の約6割を占め最多。うち65%が面前DVだった。続いて、身体的虐待6150人(同17.8%増)▽食事を与えないなどの育児怠慢・拒否2960人(同8.2%増)▽性的虐待149人(同8.6%減)だった。

警察による摘発件数と摘発者数は、それぞれ467件、482人で、いずれも過去最多だった前年と同水準だった。摘発件数で最も多かったのは身体的虐待で334件。心理的虐待は被害の立証が難しいこともあり、摘発は子どもに刃物を突き付けるなどした16件にとどまった。

摘発された事件で被害者となった子どもの数は475人で、うち25人が死亡した。子どもの側からみた加害者との関係は、割合の多い順に▽実父37%▽養父・継父24%▽実母20%などだった。

一方、子どもの裸の画像を製作したり受け渡しをしたりしたとして、警察が昨年に摘発した児童ポルノ事件は前年比3%増の1644件、被害者の子どもは同21%増の646人で、いずれも過去最多だった。

被害者の子どもが加害者と連絡を取った手段は、スマートフォン(多機能携帯電話)が32%で最も多く、旧来の携帯電話の18%を大きく上回った。

■2014.3.6  横断中の女性はねられ死亡 逮捕の介護士「気付かなかった」 茨城・日立
5日午後5時50分ごろ、茨城県日立市平和町の県道の横断歩道で、乗用車が近くに住む松本登美子さん(80)をはねた。松本さんは頭を強く打ち、6日未明に搬送先の病院で死亡した。

日立署は自動車運転過失傷害容疑で、車を運転していた同市旭町、介護士、高宮翔容疑者(24)を現行犯逮捕した。

署によると「気付かなかった」と供述しており、自動車運転過失致死容疑に切り替えて調べる。

現場は片側1車線の直線で信号はなかった。

■2014.3.6  津波から身を守る救命艇 IHI、三重の施設に
IHIは5日、大津波に襲われる前に逃げ込んで身を守る「津波救命艇」を相生事業所(兵庫県相生市)で報道関係者に公開した。時速36キロの速さでコンクリートの構造物に衝突しても耐えられる構造で、IHIは2016年度末までに400隻の受注を目指す。

救命艇は25人乗りで、全長8.4m、高さ3.1m。激しい津波で転覆しても元の状態に戻る。1週間分の食料や水などを積むことができ、トイレもある。エンジンはなく、通信機で位置を知らせて救助を待つ。

南海トラフ巨大地震などに備えるため、三重県志摩市の高齢者介護施設に3月中旬に設置される。救命艇を発注した社会福祉法人洗心福祉会(津市)の担当者は「介護が必要な高齢者が、素早く高台まで逃げるのは難しい。利用者や家族に安心していただける」と説明した。

救命艇本体の定価は900万円だが、IHIは今回の受注額は非公表としている。

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■2014.3.6  <ケアプラン作成せず>居宅介護事業所が不正請求で指定取り消し−大分県
大分県は、2月26日、介護報酬の不正請求などを理由に、大分市のクマダ商事が運営する別府市の居宅介護支援事業所「ゆうゆうの郷白雲山荘介護保険センター」の指定を取り消すと発表した。取り消しは2月27日付。

同センターでは、2011年7月から2013年12月までの2年余り、居宅サービス計画を作成していなかったにもかかわらず減額せずに不正請求を続けていた。その額は502万円に上る。

なお、同事業者が運営する有料老人ホームやデイサービス事業は継続するという。

■事業者の名称:クマダ商事株式会社
■事業者の所在地:大分県大分市大字宮崎416番地

■事業所の名称:ゆうゆうの郷白雲山荘介護保険センター
■事業所の所在地:大分県別府市大字南立石観海寺2488番地の1

■指定年月日:2006年2月1日
■サービスの種類:居宅介護支援
■取消日:2014年2月27日

■処分の理由
<不正請求>
・2011年7月から2013年12月まで、居宅サービス計画を作成していないにもかかわらず、減額せずに介護報酬を請求した。
<虚偽の報告>
監査において、実際には作っていなかった居宅サービス計画を新たに作成して提出した。

■2014.3.6  世界最高齢116歳の誕生日 大阪の大川さん
世界最高齢の大川ミサヲさんが5日、116歳の誕生日を迎え、入所先の特別養護老人ホーム「くれない」(大阪市東住吉区)で職員らから祝福を受けた。

花束と空色のカーディガンを贈られた大川さんは「ありがとう。いつもすいません」と笑顔。誕生日ケーキ(直径12センチ)を、自分でフォークを使って4分の1ほど食べ、元気なところを見せた。

年齢については、「そんなにいくとは思わへんけどな。まあ、短かったかなあ」。来し方は幸せだったかと報道陣に質問されて「まあまあ」と答え、笑いを誘った。

夏場は暑さで体調を崩した時期もあったが、涼しくなると食欲も回復。この4か月で体重が4キロほど増えたという。5日の昼食は海鮮焼きそばと水ギョーザ、イヨカンなどをほぼ完食した。

■2014.3.6  東日本被災聴覚障害者の苦悩…鳥取で写真展
東日本大震災から3年となるのに合わせ、鳥取県立鳥取聾(ろう)学校の元教諭高田啓一さん(65)(鳥取市雲山)と妻で元小学校教諭の啓子さん(62)が7日から、鳥取市片原の中電ふれあいホールで、写真展「東日本大震災から3年〜そのとき あなたは〜」を開く。

被災した聴覚障害のある大学生らを中心に撮影した作品を展示、高田さんは「『聞こえないこと』がどれだけ大変かあまり知られていない。大災害に直面した聴覚障害者の当時の苦労から、命の大切さを伝えたい」と話している。

高田さんは2008年から4年間かけて宮城から広島まで15都府県で聴覚障害のある大学生79人を撮影、昨年11月に同市内で写真展を開いた。

撮影の過程で、学生から災害時の話を聞き、突き動かされた高田さんは、震災直後、聴覚障害者がどのような状況にあったかを広く知ってもらうため別の写真展を計画。12年5月から、撮影で出会った被災地在住、出身の大学生11人と社会人5人に順次、地震の時に避難所などでどう過ごし、どんなことを感じたのか、アンケートを実施した。

同年9月〜13年9月の1年間に計4回、啓子さんと共に宮城、福島両県の被災地を巡り、聴覚障害者だけでなく遺族らとも交流を深めた。宮城県名取市閖上では、家族を亡くした女性らが快く出迎え、女性らは「二度と同じようなことが起こらないよう、震災のことを伝えたい」と、当時の状況を語ってくれたという。

会場には、聴覚障害を持つ学生らの普段の様子のほか、津波で土台だけになった住宅地などいまだ爪痕の残る被災地の現状を切り取ったカラー・モノクロの写真約70点を並べる。

添えられたアンケート結果には、「知人らが手話通訳で情報を伝えてくれていたが、避難生活の疲れからか、途中から手話を使ってくれなくなり、雑談に加われず孤独を感じた」(宮城県の女子大生)、「電気が消えてテレビがつかず、情報はラジオが頼りだったが、耳が不自由で放送が分からず、通訳してもらった」(岩手県の女子大生)など、率直な思いがつづられている。

今回の写真展の企画を通じて被災地の児童との絆も生まれた。「何か役に立ちたい」と考えた啓子さんが、福島県立聾学校に、教材などを入れるバッグ約40枚を手作りして贈ったところ、「すてきー、はやく使いたいと思いました」など児童からのメッセージも届いた。

高田さんは「遠く離れた鳥取から、被災地に思いをはせるきっかけになれば」としている。

■2014.3.6  面倒な後処理がいらない介護用トイレ「ラップポン」
介護者の負担を軽減!介護業界唯一の介護用トイレ
介護業界唯一のトイレとして話題の「ラップポン」は、介護者の負担を減らすだけでなく、介護される側が気にせずに使える介護用トイレとして、日本セイフティー株式会社が独自で開発した自動ラップ式トイレです。

水なしで、排泄物の臭いと汚れをカット
「ラップポン」は、バケツ洗浄などの後処理が必要な従来の介護用トイレと異なり、水を使わずに排泄物の臭いと汚れをラップで完全密封できるため、介護者の負担が少なく、介護される側にとっても気持ちよく過ごせるきっかけとなります。

排泄物を自動でラップ!使い方も簡単
また、使い方は簡単で、「ラップポン」で排泄をした後、ボタンを押すだけで自動でラップ。後は、ラップされた排泄物を捨てるだけと、面倒な処理は必要ありません。

さらに、同社が行った臭気テストでは、臭いの強いチーズの臭いが95%カットされた実績があり、臭いを気にせずに排泄ケアができるメリットがあります。

「介護業界唯一!介護トイレの臭いの問題を解消する自動ラップ式トイレ」日本セイフティー株式会社
http://www.atpress.ne.jp/view/43888

■2014.3.7  児童虐待:疑い、大阪府24%増 統計開始以来最多
大阪府警が2013年の1年間に、虐待された疑いがあるとして児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数が、前年比24・0%増の3018人に上ったことがわかった。神奈川県に次いで全国で2番目に多く、01年の統計開始以来最も多かった。府警の担当者は「虐待に対する関心が高まり、通報が増えているのではないか」と話している。

類型別では心理的虐待1500人(前年比43・7%増)▽身体的虐待980人(同7・9%増)▽育児怠慢・拒否528人(同12・8%増)▽性的虐待10人(同23・1%減)となった。虐待を巡る事件の検挙件数は42件で最多。虐待での死亡が判明した子どもは3人だった。検挙されたのは43人で、うち実の父母はそれぞれ15人だった。府警少年課は「虐待が疑われる時は、ためらわずに連絡してほしい」としている。

児童買春やポルノなど福祉犯の検挙件数は前年と横ばいの544件。インターネットが絡む事案は最多の161件(同32・0%増)だった。

■2014.3.7  <指定取り消し>千葉市グループホーム 返還請求額3,600万円
千葉市は、2月28日付で、ケアマネジャーが確保できないままケアプランを作成するなど、介護報酬を不正に請求・受領したことなどを理由に、市内のグループホーム「うさぎとかめ おゆみ野」を指定取り消し処分とした。

返還請求額は、不正請求に対する40%加算額の976万9,000円を含む3,548万8,000円に上る。

なお、同法人の役員などは、処分日から起算して5年を経過するまで地域密着型サービス事業所の指定を受けることはできない。

■事業者の名称:株式会社エリアヒューマンライフサービス
■事業者の所在地:千葉市中央区中央3-10-6 北野京葉ビル9階
■事業所の名称:グループホーム「うさぎとかめ おゆみ野」
■事業所の所在地:千葉市緑区おゆみ野4-17-7
■事業の種類:認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護
■取消日:2014年2月28日

■処分の理由
<人員基準違反>
・管理者(2013年7月から9月までの間)、計画作成担当者1名(2011年11月から2013年9月までの間)が不在だった。
・2013年10月以降、管理者と計画作成担当者の全てが不在で介護事業者のみで運営している。
<虚偽の報告>
・介護支援専門員の変更届書において、虚偽書類を提出した。
<運営基準違反>
勤務していない計画作成担当者の名前を使って、虚偽のケアプラン作成が行われた。
<不正請求>
2012年1月から2013年9月までの21カ月間にわたり、計画作成担当者が不在にもかかわらず、減算せずに介護報酬を不正に請求した。

■2014.3.7  <高齢者見守り>水道メーター情報を活用し見守りの実証実験開始
ITホールディングスグループのクオリカ株式会社は、岐阜県郡上市のNPO法人「つくしん棒」と共同で、M2Mのデータ連携をサポートする「CareQube(ケアキューブ)」を応用した高齢者見守りシステムを開発し、郡上市の高齢者世帯において実証実験を開始した。

高齢化が進む日本では、特に一人暮らしの高齢者の孤独死が社会問題となっており、全国各地でさまざまな取り組みが行われている。例えば、電気やガスを利用したモニタリングや扉の開閉をセンサーで感知するものなど、多種多様な見守りサービスが提供されている。

今回、同社がNPO法人つくしん棒と共同で開始した見守りシステムは、ライフラインである水道の利用量をモニタリングすることで高齢者世帯の安否を含めた生活リズムを把握し、高齢者の生活支援を行うというもの。

ポットのお湯は夏場など使わないこともあろうし、ガスも調理しないで済ませることもあろう。しかし、水道の水は、風呂、洗面所、そして台所と、1日の中でまったく使わずに済むことはないのではないか。同社はそこに目を付け、昨年6月より、郡上市の一人暮らしの高齢者世帯に設置し、半年間の実証実験の結果、一定の成果を得られたことから、今後、正式なサービス提供に向けて、さらに仕組みの拡充を図り、メニュー化を進めていく。

<CareQubeの仕組み>
今回、実証実験を行っている仕組みは、クオリカが主に産業機械の予防保全向けにクラウドサービスとして提供しているM2Mサービス「CareQube」を応用して、水道メーターの情報を収集するというもの。水道の利用量のデータは、3G回線を通してリアルタイムでクオリカのデータセンターに収集され、その情報はWebからいつでも確認することができる。また、別世帯で暮らす親族や地域の見守りボランティアなどの関係者に、水道利用情報を定期的にお知らせメールとして配信する機能や、見守り対象世帯の住所を地図に表示したり、水道利用量をグラフで表示したりできる管理機能も備えている。

◎クオリカ
http://www.qualica.co.jp/

■2014.3.7  訪問介護虚偽報告343件…秋田
介護報酬の不正請求などがあったとして、秋田県は6日、「グループホームさんぽみち」(東京都調布市、藤原幸嗣社長)が運営する訪問介護事業所「さんぽみちサービス中仙」(大仙市長野)を、介護保険法に基づく指定取り消し処分にしたと発表した。処分は5日付。

県長寿社会課などによると、同事業所の訪問介護員は昨年4〜6月、実際には訪問介護をしていないにもかかわらず、利用者32人にサービスを提供したとする計343件の虚偽の報告書を作成し、介護報酬103万9020円を不正に受け取った。事業所の管理者は、虚偽報告書の作成を把握していなかった。

昨年4〜6月、県などに3度、「サービス提供の記録を偽装して介護報酬を請求している」との通報が寄せられたことから、県が8〜12月に3度にわたって監査し、不正を発見した。同事業所は、系列の有料老人ホームの入所者に訪問介護員を派遣しており、不正請求の中には、1人の訪問介護員が同じ日の同じ時刻に複数の利用者にサービスを提供している内容のものもあった。

利用者32人の多くは大仙市や仙北市の住民で、事業所に報酬を支払っていた大曲仙北広域市町村圏組合は「誠に遺憾」として、不正受給した過去2年分の報酬の返還を求めるという。

■2014.3.8  介護給付不正請求:諫早の居宅、通所5事業所を県が指定取り消し /長崎
県は7日、介護給付費などを不正請求したとして、諫早市幸町の福祉サービス会社「ピースフィルライフ」が運営する居宅介護など4事業所と、同市森山町のNPO法人「康妙会」が運営する通所介護事業所の指定を、31日で取り消すと発表した。

県監査指導課などによると、ピースフィルライフの4事業所は2008年7月〜13年2月、サービス提供をしていないのにしたと偽ったり、同一サービスで2種類の提供記録を作るなどして281万円を不正に受け取った。

康妙会の通所介護事業所は11年9月〜13年8月、入院中の利用者について架空のサービス提供記録を作るなどして、介護報酬115万円を不正請求した。また、実際には働いていない人を、機能訓練指導員として登録していた。

いずれも元職員らの通報で発覚し、施設側は不正を認めているという。県は、不正請求分を返還させるよう諫早市などに通知した。

■2014.3.10  被災3県の高齢者34人受け入れ 弘前の老健施設が支援
震災は終わっていない。新たな問題が生まれ、刻々と変化している―。社会福祉法人・弘前豊徳会の被災地入所アドバイザー阿保英樹さん(38)はこう語る。

同法人は震災発生以来、被災3県から34人の高齢者を老健施設「サンタハウス弘前」に受け入れてきた。今も施設に10人が暮らしている。被災地では福祉施設が極端に少なく、特に福島では医師、看護師、介護職員の不足は深刻。高齢者は介護難民化している。「弘前で暮らしたいと望む人がいる限り、最後の砦(とりで)として受け入れをやめるわけにはいかない」。阿保さんら法人スタッフは今も被災地を巡り、住民の思いを受け止めている。

2013年12月初旬、阿保さんは福島県南相馬市にいた。福島第1原発から北に25キロほど離れた原町地区で皆川タミさん(90)=仮名=と面談した。

皆川さんは10月、自宅で転倒して背中を骨折。市内の病院に入院したが、病院の都合で退院を余儀なくされた。一緒に暮らす息子夫婦に在宅介護する余裕はなく、市内には受け入れてくれる施設がないため、介護支援専門員(ケアマネジャー)が弘前豊徳会に入所を打診していた。

皆川さんは、初対面の阿保さんに頭を下げて言った。「遠い弘前から来てくださり、ありがとうございます。これからお世話になります」

息子夫婦と正月を過ごした皆川さんは今年1月6日、法人の車両で弘前へ向かった。施設職員の歓迎を受けた時、故郷から遠く離れて暮らす不安が和らいだ。「暖かい場所、温かい食べ物がある」。付き添いの娘・ショウコさん(60)=宮城県在住、仮名=は、安堵(あんど)の声を漏らした。

11年4月に宮城県気仙沼市の5人を受け入れて以来、弘前豊徳会が県外から受け入れたのは計34人。被災地の施設が整うなどして地元に戻った人もいるが現在、宮城2人、岩手3人、福島5人の計10人が施設で暮らしている。

阿保さんや法人事務局の宮本航大さん(35)らが被災地の福祉施設を回ってチラシを配り、弘前で高齢者を受け入れる準備がある―と伝えてきた。

被災地では時間経過とともに、新たな問題が生じていた。原発事故の賠償を受けた人とそうでない人の感情的な溝、心身の疲労に伴い悪化する家族関係、介護を必要とする高齢者の受け皿の少なさと介護職員不足…。福島では原発事故を恐れ、若い介護職員が職場を離れ、所得の低い高齢者が地元に残るという現実があった。

相馬市地域包括支援センターの愛澤俊行センター長は、福島の現状をこう説明する。「介護職員が少ないため、高齢者に十分なサービスを提供できない。100床の施設が、50床分の受け入れしかできない」

震災直後から阿保さんは、法人としてできることの限界、やりきれなさも感じてきた。家族を津波で失うなどして身元保証人がいない高齢者の入所を断らざるを得ないケースがあった。医療的な問題で一度入所を断った人が後日、死亡したと聞いて、がくぜんとしたこともあった。

法人の多忙な業務の間を縫って行う被災地訪問に、疲労を感じることもある。しかし、活動を支えるのは入所者や家族の感謝の言葉。「サンタハウスさんは、お年寄り受け入れの最後の砦」という励ましだという。

3月1日。皆川さんの娘・ショウコさんが宮城からサンタハウスへ来ていた。2カ月ぶりに母と面会し「思っていた以上に元気だった」と笑顔を見せた。「故郷から遠い弘前で暮らす母の心境を思うと、複雑な気持ちになる。しかし、人生の新しい体験でもあるので、前向きに考えたい」とも語った。皆川さんも「ここのスタッフはみんな優しい。不満なことはない」と娘を安心させた。

その光景を見ながら阿保さんは「入所を望む人がいる限り、もうそろそろ受け入れをやめましょう―とは言えない。被災地支援は今後も続けていきます」と語った。

■2014.3.10  NPO法人代表を逮捕 精神障害者の就労支援奨励金を不正受給、北海道
北海道警江別署は10日、精神障害者の就労支援のため、精神保健福祉士を雇用すると支払われる精神障害者雇用安定奨励金を厚生労働省北海道労働局から不正受給したとして、詐欺の疑いで北海道江別市のNPO法人「北海道若者育成機構みらい」代表前田慎二郎容疑者(37)=江別市東野幌本町=を逮捕した。

逮捕容疑は昨年3月中旬、雇用した精神保健福祉士の男性の実務経験が、奨励金の支給基準の3年に満たないのに経歴を偽って申請し、4カ月分56万円をだまし取った疑い。

江別署によると、このNPO法人には精神障害者1人が就労しており、支援のため精神保健福祉士を雇用した。福祉士は資格は持っていたが、実務経験はなかったという。外部からの情報提供で発覚した。

■2014.3.10  「源泉かけ流し宣言」の温泉に老化防止効果も
東北で初めて「源泉かけ流し宣言」を行った福島市・高湯温泉の湯に、老化防止や生活習慣病改善などの効果があるとの調査結果を、温泉学者として知られる札幌国際大の松田忠徳教授(64)が発表した。

同温泉観光協会は「原発事故で落ち込んだ利用客を取り戻したい」と話している。

調査は、同協会の依頼で松田教授が昨年9〜11月に実施。3泊4日の短期と、日帰り入浴を週2回以上2か月間行う長期のモニターとして、24〜79歳男女計46人の市民が協力、入浴後に血圧や体温を測定して、最終日に血液検査を行った。

松田教授によると、調査の結果、46人中31人(67・3%)で、老化や生活習慣病の原因とされる「活性酸素」を分解する「抗酸化能力」が向上。14人は1・5倍以上高まったという。血中の活性酸素濃度を示す「酸化ストレス度」の正常値も実験前、長期モニターで26人中9人だったが、終了時は20人。短期モニターも20人中10人になった。

松田教授によると、抗酸化能力が高まるのは、湯に鉄イオンや水素分子などが含まれているためで、源泉かけ流しで含有物質が減らずに湯船に届くのも理由という。松田教授は「こんなに健康に良い温泉とは思わなかった」と話した。同温泉観光協会の永山博昭事務局長(58)は「調査結果を基に、福島の観光を改めてPRしたい」と語った。

高湯温泉は乳白色の硫黄泉が人気。加水や加温をしていないことで知られ、震災前は年21万人が訪れたが、原発事故で、同10万人を回復できていない。

■2014.3.10  福島県沿岸部、介護就職者に最大45万円支給へ
厚生労働省は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で人材不足が深刻な福島県沿岸部の介護施設に就職する県外出身者に対し、1人あたり最大計45万円の学費と就職準備金を条件付きで支給する方針を決めた。新年度から適用する。

東日本大震災の被災地では、介護を必要とする高齢者が増える一方、支える側の介護職員の不足が広がっている。特に福島県では、原発事故後に県外避難のための離職が相次いだ。

福島労働局によると、今年1月の介護関係職種の有効求人倍率は、介護人材の主力となる20〜40歳代を中心に避難者が多い相馬市、南相馬市と双葉郡、相馬郡の計12市町村で平均3・74倍。全国平均の2・22倍を大きく上回り、人材確保は待ったなしの状況だ。

■2014.3.11  等しく生きる:障害者条例制定へ 軽度知的障害者グループホーム「こすも」 地域と良好な関係築く /茨城
 ◇建設時は反対の声「知らないから不安」

入所者の2人はテンポ良く食材の確認作業を始めた。「カボチャある?」「あるよ」。牛久市の住宅街にある軽度知的障害者のグループホーム「こすも」。同施設には毎日1日分の食材がレシピとともに届けられ、入所者5人が分担して食事を作っている。

知的障害者らの地域生活を支援するNPO法人「おおぞら」が入所者の施設使用料に加え、国からの補助を受けて運営。入所者は「世話人」と呼ばれるNPO職員のサポートを受けながら共同生活している。地域の清掃活動に参加するなどして、今では入所者が付近住民とあいさつを交わすなど良好な関係を築いている。

施設建設の際には、多くの反対の声が上がった。NPOの秦靖枝事務局長(71)らは2010年11月末、住民説明会を開催。集まった住民約40人は反対一色だった。2回目の説明会でも「地価が下がる」などという指摘が相次ぎ、予定していた地鎮祭も延期を余儀なくされた。

3回目の説明会。小学校時代に知的障害の同級生がいた建設予定地区内の男子大学生が参加し、涙ながらに訴えた。「障害があるという理由だけで、大事な友人を追い出さないでください」。一部住民は最後まで反対したものの、地元は受け入れ姿勢を示してくれた。

最年少の今野寛也さん(25)は約2年前に入所。集団生活を営み、以前より明るくなった。日中は介護施設でシーツ交換や掃除の仕事をしている。亡き祖父を好きだったという今野さんは「お年寄りと話すことが楽しい」と仕事も順調な様子だ。

施設開設から約2年10カ月。秦さんは「地区の防災訓練に参加したり、雪かきをしたりするなど、運営は非常にスムーズになった」とした上で、「インターネットでは知的障害者の誇張した話が出ており、当事者を見たこともない人が信じ込んでいる。当事者を知らないことで差別意識が生まれ、不安につながってしまう」と反対活動が起きた原因を分析した。

■2014.3.11  <告発電話で発覚>秋田の訪問事業所、虚偽報告300件超で指定取消
報道によると、秋田県は、実際には行っていない介護サービスを提供したと偽り、約104万円の介護報酬を不正に受給していたとして、大仙市長野の訪問介護事業所「さんぽみちサービス中仙」の事業者指定を3月5日付けで取り消した。

今回、不正が発覚したのは、昨年4〜6月に県などに匿名で、同事業所が不正請求を行なっているという告発の電話が3回あったことに端を発する。

これを受けて、県は同事業所の監査に入った結果、実際にはサービスを提供していないにもかかわらず、サービス記録が作成されていたほか、1人のホームヘルパーが同時に複数の利用者にサービスを提供しているなど、ありえないケースが発覚した。不正は合計343件、不正に受給した介護報酬は約104万円にのぼった。

同事業所の管理者は、虚偽報告書の作成を把握していなかったという。

なお、今回指定を取り消された「さんぽみちサービス中仙」の運営事業者である有限会社 グループホームさんぽみちは、東京都調布市にある。

■2014.3.11  スマイル介護機器、排せつ物自動処理機を本格販売
介護機器メーカーのスマイル介護機器販売(愛媛県新居浜市)は寝たきりの高齢者や難病患者の排せつ物を自動処理する自社製品「スマイレット安寝(あんしん)」を本格販売する。要介護者の快適さと介護者の負担軽減につながるのが最大の特徴で、今後需要が増えると判断。年内をめどに全国100カ所に新たに代理店をつくり年間2000台の販売を目指す。

スマイレットは機器本体と、通気性を確保した専用おむつ、おむつに取り付けるシリコン製のカップ、機器とつなぐホースなどの付属品で構成する。要介護者の排せつをセンサーが感知、自動で便尿を吸い取るとともにお尻などを繰り返し温水で洗浄・乾燥する仕組みで、通常のおむつに比べ排せつ後の不快感がなく清潔さを保てる。

機器の操作は「スタート」「ストップ」の2つのボタンで簡単にできる。介護者はたまった汚水の処理や洗浄水の補充、1日1回程度のおむつ交換などで済むため夜間の介護などが大幅に減る。

機器本体は49万5000円、付属品は7万6000円だが、介護保険の適用が可能な福祉用具のため、全国に120万人以上いる要介護4、5の認定者や、移乗と排便に全介助を要すると認められた人は本体はレンタル利用でき、1割負担で付属品の購入が可能になる。全自動で便尿を処理する実用機器は国内で数少ないため、同社は介護施設や病院、寝たきりの高齢者や難病患者を抱える家庭などの利用を見込む。

販売強化のため、年内をめどに代理店を100カ所増やし、全国120カ所にする。大規模展示会への出展や、介護専門誌への広告出稿などで募集する。拠点は現在、東京や関西など20カ所にある。

■2014.3.11  高齢者施設に一夜限りのスナック 84歳静子ママ輝く
20年ぶりにもう一度スナックの「ママ」に―。那覇市識名の高齢者デイサービス「アプレシオ真地」は2月28日夜、約35年間スナックを経営していた施設利用者の糸村静子さん(84)=那覇市=のために、同所1階ロビーに一夜限りのスナック「静子の部屋」を開店した。ミラーボールまで回す本格的な内装の同店には近隣施設の職員や利用者ら、約50人が来店し大盛況となった。糸村さんは「こんなに多くの人が自分を思って来てくれてうれしい」と笑顔で話していた。

当日の運営や準備は職員が行った。女性職員が糸村さんに化粧を施した。10余年ぶりに化粧した糸村さんは、鏡の前に連れられ美しさを増した自身と向き合うと「恥ずかしい」と言いながらも一瞬で目を輝かせた。紫のドレスに身を包み、同じテーブルに座った“お客さん”との会話を楽しんだ。

偶然、30年前の常連客・嘉数弘一さん(72)=那覇市=も足を運んだ。嘉数さんが「昔からたくさんお酒飲んでいたね」と話すと、糸村さんは「今日はほとんど水よ」とはにかんだ。

糸村さんは那覇市前島に27歳でスナック「わら」を開店して以来、約40年間「ママ」として活躍してきた。同市若狭に2店目を構えてからは、約60人の従業員を抱える経営者の一面もあった。しっかりと全てのテーブルに座る客に声を掛けようとする糸村さんの姿は現役ママそのものだった。

1月上旬から「静子の部屋」を企画した施設代表の名嘉智之さん(37)は、糸村さんの生き生きとした表情を見て喜んだ。当日は“同伴出勤”も果たした。スーツ姿で糸村さんを出迎えた担当ケアマネジャーの下地由修さん(45)は「本人の生きがいを追求するのが私たちの仕事。輝いていた瞬間を思い出すのがリハビリになる」とうれしそうに話した。

糸村さんは「やると知ってからの1カ月間が夢のようだった。涙が出るほどありがたい。今日のことをあしたからずっと思い出にしていく」と話し、糸村さんにとって忘れられない夜となった。

■2014.3.11  アキラ産業:運送・産廃解体業、破産手続き開始 関連会社も /愛媛
障害者就労支援に取り組みながら昨年12月に事業停止した運送・産業廃棄物解体業者「アキラ産業」(本社・今治市、田坂力社長)と関連会社「優」(同、田坂晃社長)について、東京商工リサーチ今治支店は10日、両社が先月26日に松山地裁今治支部から破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は両社計約3億4000万円。

■2014.3.11  障害者雇用:えりも町に是正勧告 法定数達せず 道労働局 /北海道
北海道労働局は10日、えりも町が障害者雇用促進法で定めた数の障害者を採用していないとして、町に是正を勧告した。市町村への勧告は昨年3月の小樽市立病院を運営する市病院局以来。

労働局によると、同町は2012年6月時点で、消防など障害者採用を義務付けしていない分野を除く職員が84人いた。だが障害者は1人もおらず、当時の法定雇用率2・1%(1人)に達していなかった。

今年度は2人新規採用したがやはり障害者はおらず、労働局は少なくとも障害者の不足数としている1人を雇用するよう勧告した。

同町総務課は「これまでは障害者も一般枠で採用していたが、来年4月採用の募集では障害者枠を設けて1人は採用したい」としている。

■2014.3.11  千葉・袖ケ浦の少年死亡:支援施設元職員を逮捕 入所者への傷害致死容疑 県警
千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター養育園」で昨年11月、入所者の少年(当時19歳)が職員から暴行を受けた後に死亡した事件で、千葉県警は11日、元職員、行方孝美(なめかたたかよし)容疑者(23)=昨年12月に解雇=を傷害致死容疑で逮捕した。逮捕容疑は、職員だった昨年11月24日午後、ソファに横になっていた少年の腹を数回蹴って腹膜炎を起こさせ、同26日未明に搬送先の病院で死亡させたとしている。

事件をめぐっては、行方容疑者を含め計5人の職員が過去に少年に暴行。県警は残り4人についても暴行容疑で書類送検する方針。

県警によると、少年の小腸に外圧によって穴が開き、腹膜炎を起こすきっかけとなった可能性が高い。穴は事件前から開いていたとみられ、県警は行方容疑者の暴行と死亡に因果関係があるか調べていた。

■2014.3.12  袖ケ浦の少年死亡:虐待事件、元職員逮捕 背景に職場ストレス 保護者、改めて失望や憤り /千葉
袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター養育園」で入所者の19歳の少年が死亡した虐待問題は、元職員が傷害致死容疑で逮捕される刑事事件に発展した。元職員は「ストレスがピークに達していた」などと容疑を認めているといい、背景に虐待を容認する同施設の職場環境があったことも浮き彫りになった。保護者からは改めて失望や憤りの声が相次いだ。

同施設を運営する社会福祉法人「県社会福祉事業団」などによると、昨年12月に解雇された元職員の行方孝美(なめかたたかよし)容疑者(23)は県内の短大を卒業後、2011年4月に正規職員として採用された。自傷・他害行為や強いこだわりがあるとされる「行動障害」などを示す男児が対象で、死亡した少年も生活していた養育園の第2寮を、就職当初から担当していた。

逮捕を受けて記者会見した事業団の近藤敏旦(としあき)理事長は「傷害致死は重い罪だと思う。改めて反省する次第だ」と述べ、沈痛な表情をみせた。行方容疑者の仕事ぶりについては「当初は受け身な働きぶりも見られたが、昨年5月に先輩の指導を受けて意識が高くなり、周りからの評価は良かった」と説明。仕事へのストレスや不安などを漏らしていたかどうかは「把握していない」と語った。

死亡した少年の母親は同施設について「信頼していたのに裏切られた気持ちだ」と周囲に話しており、県警が逮捕を報告すると「ありがとうございます」と答えたという。行方容疑者が入所している息子を担当していたという保護者は「養育園を訪ねると(行方容疑者は)息子の日常の様子を進んで話してくれて、フレンドリーな感じだった。それがうそだったと思うと……」と言葉を詰まらせた。

森田健作知事は「県民の信頼を裏切ってしまい、しっかり対応する。(県の)第三者検証委員会で(再発防止策などを)精査してもらっているので、(虐待を)二度と起こさないようにやらなければならない」と語った。

■2014.3.12  看護師24人、今月末に一斉退職へ 北海道・浦河赤十字病院「人手不足で仕事つらい」
【浦河】浦河赤十字病院で3月末、看護師24人が一斉退職する見込みであることが分かった。退職者の多くは、同病院付属の浦河赤十字看護専門学校を卒業してすぐに就職し、奨学金返済が免除される3年間の勤務を終えた20代の若手看護師。4月に新規採用する20人では間に合わず、同病院は道内外の赤十字系列病院に計10人の応援を呼び掛けるなど、看護師の確保に頭を悩ませている。

同病院では一昨年3月末に20人、昨年3月末にも32人の看護師が退職し、人手不足が慢性化。すでに系列病院から計28人の応援を受けている。退職者は、都市部にあり、給与や勤務条件の良い脳外科や循環器科など専門病院、出身地の病院に転職する例が多いという。

大量退職を受け、同病院は1年目の看護師と管理職との面談を増やしたほか、昨年12月に現役看護師と看護学生の交流会を初めて開催。退職回避への努力を行ったが、昨年12月末に今春の退職希望を受け付けたところ、34人から希望があった。病院側の慰留により、このうち4人はその後退職を取り下げた。6人は退職時期を4〜12月まで先延ばしすることに応じた。

3年間勤務し、3月末で退職する20代女性は「人手不足で仕事がつらく、休みが取りにくいため、毎年多くの退職者が出る状況だった」と打ち明ける。森田優事務部長は「(奨学金の返済が免除される)3年間の勤務が終わっても、そのまま勤務してもらえる魅力ある職場にしたい」と話すが、有効な手だては見つかっていないのが実情だ。

2012.04.17 北海道新聞
【浦河】浦河町の浦河赤十字病院(260床)で看護師不足が深刻化し、病院の運営体制を維持するのに綱渡りの状態が続いている。
4月からは60床の一般病棟を看護師の配置が少なくて済む50床の療養病棟に転換したものの、夜勤が多くなるなど労働環境も厳しさを増しており、職員には疲労感が漂う。
関係者からは、看護師不足を地域全体の課題として捉え、住民に協力を求める声が上がっている。(金子俊介)

四つある一般病棟(210床)のうち、一つの病棟を休止する−。
昨年秋、同病院は今年4月からの運営体制について検討した。約150人いる看護師のうち、約30人の看護師が今年3月末で退職する意向を示し、付属の浦河赤十字看護専門学校などから採用予定の15人では今までの病棟を維持できなくなるためだ。

結果的に数人を引き留めることができ、長期療養が必要な患者のための療養病床の導入など病棟を再編成することで危機を回避できた。

同病院の森田優事務部長は「これまで退職者数と採用者数は同程度で何とかしのいできたが、今回は若手の転職に加え、出産育児による退職が重なった」と言う。
同病院は増改築工事中で、9月には外来や入院病棟が入る7階建ての新棟がオープンする予定。
森田事務部長は「病棟休止を避けられ、ひとまずは安心した」と話す。

☆獲得競争

人員不足の結果、労働環境にもしわ寄せが来ている。病棟に勤務する看護師のほとんどは午後4時半〜午前1時の準夜勤と午前0時半〜同9時の深夜勤を法律で定められている限度の月8回こなす。

年休取得が容易でないほか、忙しさに追われ、納得のいくケアができないという葛藤もある。
沢田まゆみ看護部長は「患者対応に影響がないよう、みな頑張っているが、現場は限界」とため息をつく。

看護師不足の要因として挙げられるのは、2006年度に導入された新しい看護配置基準。
人材の獲得競争が激しくなり、好待遇を用意する都市部の病院に人が流れた。

一方、浦河赤十字病院に特有の事情もある。若手看護師の大半は浦河赤十字看護専門学校の卒業生で、毎年15人程度が就職する。
3年間の勤務で学生時代に借りた奨学金の返済が免除されると、多くが日高管外出身者のため、都市部や故郷の病院に移ってしまうという。
同病院関係者は「もともと縁がなく、若者にとって魅力のない過疎地域に残ってもらうのはかなり難しい」と漏らす。

看護師確保に向けて同病院は、看護学校へ地元からの入学者を増やそうと、中高生を対象に説明会や体験会など地道な活動を続けている。
また、08年からは資格を持ちながら臨床現場を離れている「潜在看護師」の現場復帰を支援する研修会を開き、これまで6人の採用につなげた。

☆支援の手

一方、道内では、地域住民に医療従事者を支える動きも出てきている。赤平市の市立赤平総合病院では、NPO法人赤平市民活動支援センターが主婦らに呼び掛け、08年からタオルをたたんだり、患者の院内誘導を行うボランティアを行っている。
本来業務に専念できると、看護師からも喜ばれているという。同センターの佐藤智子理事長は「病院がなくなって困るのは住民。地域に病院を残したいという強い思いがある」と強調する。

浦河町の池田拓町長は「町民には、赤十字病院があって当然という意識が強く、そのありがたさを忘れがち。人材が不足する厳しい環境の中、支援する団体が浦河にも必要」と呼び掛ける。

沢田看護部長は「地域医療を守るためできる限りの対応をしていくので、地域住民にも個々の立場で共に考えていただきたい」と訴えている。

■2014.3.12  身体への負担を軽減する「疲れにくい」介護用杖が新発売
解剖学の視点から開発した介護用杖
ノイエス株式会社は、2014年3月3日(月)より、介護用杖である「ニューミレニアル・クラッチ」「ニューミレニアル・フォアアーム」の販売を開始した。

製品の特徴
「ニューミレニアル・クラッチ」は、ゆったりとした幅広のクレードルを、肋骨にあてて身体を支える。肋骨のカーブにあった幅広クレードルは、旧来の松葉杖と比べて脇に負担をかけない設計になっている。

「ニューミレニアル・フォアアーム」は、ビスなどが無いシームレス設計。腕をカバーするV字溝カフは、柔軟性があり万が一の際には腕が離れやすく安全だ。

解剖学の見地から、手首、腕、脇へかかる負担を軽減。グリップはパイプに対して下方12度に装着し、握るときに手首に余分な力がかからないよう工夫されている。


ユニークな形、「疲れにくい」という評価も
同社の杖は介護・福祉に携わる人達の意見を聞き、利用者の声を反映させたユニークな形。

介護施設からは「疲れにくい杖」との評価も受けているとのこと。使用者の身体へのフィット感を重視し、解剖学の視点から開発したこだわりの介護用杖だ。

プレスリリース
http://www.value-press.com/pressrelease/122765
ノイエス株式会社
http://www.nkc-neues.com/

■2014.3.12  盲学校に音の小箱…匿名女性、贈り続けて50年
1965年から毎年、匿名の女性からオルゴールが届けられている甲府市下飯田の山梨県立盲学校(三枝正校長・全校生徒33人)で11日、卒業式があり、50回目となる今年も卒業生たちにオルゴールが贈られた。

「卒業生は何人ですか」。2月になると女性の声で同校に電話がかかってくる。今年は幼稚部から高等部まで、計8人が該当すると伝えると、3月7日に女性から頼まれたというタクシー運転手が、八つのオルゴールと点字の手紙を届けてくれた。手紙には「今後は代理人がオルゴールを贈り続ける」と書かれていたという。数年前の手紙に「80代を迎えて」とあったため、送り主は現在、80〜90代の高齢女性とみられる。

これまでにオルゴールを受け取った卒業生は600人を超える。学校側は、あえて女性を探さないでいるが、プリザーブドフラワーと生徒らのお礼の手紙を用意し、タクシー運転手に託した。

オルゴールが贈られるようになったきっかけは、64年冬、当時の生徒が甲府駅の公衆電話にクラリネットを置き忘れたことだ。その話が新聞に掲載されると、同校に女性からクラリネットが届いた。その翌年の卒業式から、オルゴールが贈られるようになった。

11日の式辞で三枝校長は、「今年も夢の小箱が届いた。いつも応援してくれる人がいるということを忘れないで」と生徒たちに呼びかけた。オルゴールに入っていたのは、人気バンドいきものがかりの「YELL(エール)」。高等部の卒業生(19)は式後、早速オルゴールを開け、流れ出る優しいメロディーに耳を傾けた。「中学の卒業式で歌った歌。つらいことや苦しいことがあった時に聞いて、頑張っていく」と話した。

■2014.3.13  北海道内の看護職員 7割以上「辞めたい」 激務 仮眠とれず 道医労連調査
「辞めたい」と答えた看護職員は全体の70%以上―。こんな労働実態が、北海道医療労働組合連合会(道医労連、23組合約6千人加盟)による看護職員への調査で分かった。全国的には改善傾向が見られる中、道内では職場環境の悪化を訴える声が多い。道医労連は看護職員を大幅に増やし、悪循環を断ち切るよう求めている。

道医労連の上部団体の日本医労連がほぼ5年に1回行う全国調査の一環で、今回は2013年9〜11月に行った。道内の看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)の2%にあたる1556人から文書で回答を得た。

それによると、「仕事を辞めたい」と思っている人は74・2%で、全国平均とほぼ同じだった。

辞めたい理由(複数回答)として「人手不足で仕事がきつい」を挙げた人は52・3%で、前回09年調査より5・8ポイント増えた。

勤務状況で、仮眠がとれるかどうか聞いたところ、「全くとれない」と「あまりとれない」で計27・1%と、ここでも前回調査より4・1ポイント増え、職場環境の悪化が浮き彫りとなった。

道内では、仕事に「不満、悩み、ストレス」があると答えたのは66・8%で、何らかの薬を飲んでいる人は約60%。中にはわずかだが「抗うつ薬」を常用している人もいた。

一方、「この3年間でミス・ニアミスを起こしたか」の問いに86・1%が「ある」と答えた。

■2014.3.13  「リブロ」障害者施設、継続 不正受給問題、別法人でサービス提供 [福岡県]
NPO法人「リブロ」(福岡県小郡市)が障害者施設向けの自立支援給付費を不正受給し、事業所のある福岡、佐賀両県から施設指定を取り消される問題で、福岡県は13日、リブロが県内で運営する4事業所について、佐賀県小城市のNPO法人「らいふステージ」が福祉サービスの提供を続けることを明らかにした。

リブロの県内利用者44人(12日現在)は、らいふステージが提供する生活介護、就労移行支援などのサービスが受けられる。県内の職員33人の雇用も原則継続される。県は14日、新たに4事業所の指定を行う。

福岡、佐賀両県は昨年12月、約4230万円の不正受給などがあったとして、リブロが運営する就労継続支援センター「ひまわり」(小郡市)など7事業所の指定を取り消すと発表した。

■2014.3.13  高齢夫婦家出、介護事業者が関与か
要介護認定を受けた名古屋市内の八十代半ばの夫婦が一月下旬に突然、姿を消した。同居の長女(58)が調べると、父親の意向を受けて介護事業者が家出に関わった可能性が浮かんだ。話し合う場もなく、要介護者の自己決定の尊重を盾に、精神的に追い詰められた家族。長年にわたる家族関係に対し、介護事業者がどこまで介入するかが問われている。

「お互い元気で 住所は絶対に教えません」。要介護度3の父親と要介護度5でほぼ寝たきりの母親は、長女が夫(59)と外出している間、走り書きの手紙を残して去った。両親の居住スペースからは介護用ベッドや冷蔵庫、衣装ケースなどが運び出されていた。

「何の前触れもなかった」と長女。当日の午前中、介護事業所の担当者が珍しく二日続けて来ていた。電話すると、担当者は一度は関与を否定したが、問い詰めると「お父さんは『家族から経済的虐待を受けている』と言っている。住所は教えられない」と言った。長女は耳を疑った。むしろ長年、経済的支援をしてきたと思っている。両親は昨年十一月まで別のマンションに居住。マンション購入時、頭金は父親が出したが、月約十五万円のローンは長女夫婦が払ってきた。

ただ、高齢の二人暮らしでは体が弱った母親の体調管理が行き届かず、母親は脱水症状で救急搬送されたり、栄養失調になったり。ローンの負担も重いため、長女は二年かけて同居を説得。同居後も年金などの金銭管理は父親に任せた。「どこが虐待なのか理解できない」と長女は嘆く。



高齢者虐待防止法に基づく家族の分離措置は、行政の権限。措置をしたのか名古屋市に聞くと、「虐待と認識していない」という。介護事業所の報告は「両親は自分の意思で家を出た」とされていた。同市に行き先を尋ねたが「本人の承諾がなく、答えられない」。ケアマネジャーや主治医も同様で、守秘義務の壁が立ちはだかった。

本紙の取材に介護事業所の代表は「虐待事例として関係機関と連携で対応している」と、市の認識と食い違う回答。ケアマネジャーは虐待の有無に触れず、転居にも関わっていないとした上で、「家族同士で意思疎通をと伝えているが、お父さまに娘と関わるなと言われている」と話した。

介護保険制度は高齢者本人の自己決定の尊重を理念に掲げる。このケースでは介護サービスの契約者である父親の意向が、介護事業者によって優先され、家族が振り回された。ここまで発展するのはまれだが、有識者によると、要介護者と家族の関係悪化はよくあるという。

ただ、介護保険法では、居宅介護支援の際に「要介護者及びその家族の希望等を勘案」することを求めている。「ケアマネジャーから、ただ元気だと伝えられるのみ。家族関係に介入する権利がどこにあるのか」と長女は憤る。

高齢者の介護問題に詳しい山口光治・淑徳大教授は「家族との信頼を築き、これまでの経緯を知った上で要介護者の生活支援を考える必要がある。要介護者のみでなく、家族の思いも十分に聞いて対応するところに専門職の資質が問われている」と強調した。

■2014.3.13  「電話できない」と聴覚障害者への不動産仲介断る
大阪府枚方市で2月、アパートの物件照会のため全国展開する不動産仲介業者を訪れた聴覚障害者2人が「緊急時に電話ができない」などの理由で相次いで仲介を断られるケースがあった。大分県別府市では、障害者の円滑な住宅賃貸契約をサポートする条例が来月施行されるなど、支援策は進みつつあるが、実情としては依然課題があることが浮かんだ形。「障害者が住みやすい世の中」の構築は、社会が向き合う問題でもある。

全(ぜん)聾(ろう)の中上美雪さん=同府摂津市=は2月12日、枚方市の賃貸住宅斡(あっ)旋(せん)業者を訪ね、転居を考えていることを伝えたところ、店員から「本人に連絡がつく携帯電話を持っていることが条件だ」として仲介を断られた。友人が問い合わせても「あくまでも本人の携帯電話番号が必要だ」と言われたという。

この業者では2月初旬にも、同府東大阪市の?代の女性が同様の理由で断られた。女性は別の業者で部屋を借りることができたが、その際には「本人が電話できなければ友人でも構わない」と言われ、知人の携帯電話番号を登録した。

中上さんはこれまで、家族とともに他県も含め数回転居した経験があり、業者とは電話の代わりにファクスで連絡を取り合っていた。障害を理由に拒否されたことはなく「非常にショックを受けた」と語る。

手話通訳者の養成などを行う関西手話カレッジの野崎栄美子事務局長は「聴覚障害者が電話できないのは当たり前で、メールやファクスで構わないはず。聴覚障害を理由に斡旋を断るのはあからさまな差別だ」と憤る。

仲介を断った業者の本社(東京)によると、2人との応対は店員が筆談で行った。広報担当者は「緊急時の連絡方法や物件に専門設備がないことを懸念事項として伝えたが、断ったつもりはなかった」と釈明。「今後誤解を招かないよう気をつけ、聴覚障害者の方が部屋を借りやすくするよう検討したい」と話した。

障害者基本法では、障害を理由とした差別や、権利利益を侵害する行為をしてはならないと規定。業界団体の全国賃貸不動産管理業協会でも、障害を理由に入居を断ることは認めていない。ただ、障害者への住宅斡旋に関する明確な法的根拠はなく、各社に判断が委ねられているのが実情だ。

業界関係者の一人は「健常者と比べて、入居困難とされる実態があることは否めない。火災など何かあった場合に管理責任を問われるケースもあり、慎重にならざるを得ない」。ある自治体の担当者は、基本法について「あくまでも理念であり、罰則や強制力はない」とし、「業者側にはお願いベースで要請する以外に手立てはない」と話す。

■「分かりづらさ」トラブルも

障害者と健常者の共生や、障害者が暮らしやすい環境づくりを目指す条例は、近年さまざまな自治体で制定されている。別府市で4月に施行される条例では、賃貸住宅に入居を希望する障害者への支援策として、市の相談員が仲介に立ち会ったり、市が保証人制度の整備に努めたりすることを想定。担当者は「社会は健常者を基準に制度設計されており、こうした条例は社会の意識を変えるためにも必要だ」と指摘する。

「聴覚障害は外見上分かりづらい障害なので、周囲から理解されにくい」。聴覚障害者と日々向き合う野崎さんも、社会的理解の浸透を望んでいる。野崎さんによると、かつて、道路を歩いていた聴覚障害者が、後方から来た車のクラクションが聞こえず、いらだった運転手にいきなり殴られたこともあったという。

聴覚障害者との対話手段として、筆談は有効だが、障害者側が戸惑うことも少なくない。日本語には、同音異義語や同じ言葉でも微妙にニュアンスが違うケースがあり、「筆談でも意思疎通ができない場合もある」(野崎さん)。

中上さんは「簡潔な言葉で、かつ意味が分かりやすく書いてもらえたらありがたい」としている。 

大阪府枚方市で2月、アパートの物件照会のため全国展開する不動産仲介業者を訪れた聴覚障害者2人が「緊急時に電話ができない」などの理由で相次いで仲介を断られるケースがあった。

大分県別府市では、障害者の円滑な住宅賃貸契約をサポートする条例が来月施行されるなど、支援策は進みつつあるが、実情としては依然課題があることが浮かんだ形。「障害者が住みやすい世の中」の構築は、社会が向き合う問題でもある。

■2014.3.14  医療・福祉の就業者、908万人で最大に 厚労省30年推計
厚生労働省の推計によると、2030年には産業別の就業者数で、医療・福祉の分野が最大になることが分かった。医療・福祉の就業者数は12年と比べ最低でも202万人増え、908万人になる。大幅に減る卸売・小売業と製造業を抜き、首位になる。成長産業へのスムーズな労働移動が日本の成長のカギを握りそうだ。

厚労省が独立行政法人の労働政策研究・研修機構に委託して、将来の労働力の需給を推計した。経済が成長せず、労働市場の改革が進まない最低のケースの場合、全就業者数は12年比で821万人減り、5449万人になる。12年に首位だった卸売・小売業は287万人、2位の製造業が162万人減る一方、医療・福祉は202万人増と3割増える。

医療・福祉分野は高齢化の影響で労働力需要が伸びる数少ない成長市場になる。全体の就業者数に占める比率は12年(11.3%)から5.4ポイント増え、30年(16.7%)は産業別の割合で最大だ。

看護や介護職は仕事が大変な割に報酬が少ないとの不満が強く、人材不足が続いている。他分野からの人材移動を後押しするには、働き方の見直しや処遇改善なども課題となりそうだ。

成長率が2%で推移し、女性や高齢者の活用が進む楽観的なケースでは、30年に医療・福祉は12年比で256万人増え、製造業は38万人の減少にとどまる。この場合では、医療・福祉の就業者数は卸売・小売業を抜き、製造業に肉薄して2位になる見通しだ。

■2014.3.15  強度行動障害:支援対策遅れ…19都道府県が研修予定なし
自分や他人を傷つける問題行動を示す一方で、施設職員らから虐待被害に遭いやすいとされる「強度行動障害者」を適切に支援する人材を養成するため、国が2014年度から本格実施するよう求めている研修事業について、全体の4割に当たる19都道府県が同年度中の実施を予定していないことが毎日新聞の調査で分かった。地方での対策が遅れている現状が浮かび上がったが、人材育成には国の財政支援が不可欠との指摘も出ている。

15人以上の職員による虐待が発覚した千葉県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」では、強度行動障害者に被害が集中していた。職員の暴行を受けた後に死亡した入所少年もこの障害の傾向があった。傷害致死容疑で逮捕された元職員は「騒いだ少年を注意したが、聞いてくれずストレスがピークに達した」と供述しており、県も虐待の一因に「職員の支援スキルの低さ」を挙げている。

厚生労働省の研修事業は、計32時間の講義やグループワークなどを通じ、必要な知識を身につけた専門的な施設職員を養成する内容。今年度は研修の指導者役養成に充て、14年度から各都道府県で本格化させる方針だ。ただし国の予算措置はなく、実施するかどうかは都道府県の判断に委ねられている。

こうした状況を踏まえ、毎日新聞が全都道府県に対応を尋ねたところ、19都道府県が14年度に研修実施予定がないと回答した。実施しない理由や課題を尋ねたところ「効果的な研修をするためには補助金の増額が必要」(岩手県)、「専門的な職員を確保するため、強度行動障害者の支援に対する福祉サービスの報酬を見直してほしい」(高知県)などと国による財政支援を望む声が寄せられた。

一方、県立施設での虐待発覚を受けて独自の研修を開く千葉県や、国の補助に頼らずに報酬を加算した滋賀県のような積極的取り組みもあった。千葉県の担当者は「再発防止のための人材養成が急務で、国の研修より内容を充実させる」としている。

研修事業が広がらない現状について、厚労省障害福祉課は「都道府県が実施に前向きになる対策を検討したい」としている。

◇2014年度に国企画の研修の開催予定がない都道府県◇

北海道、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、愛知県、京都府、大阪府、奈良県、岡山県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県

◇強度行動障害◇

通常では考えられない頻度で自分や他人を傷つけたり、特定の物事に激しくこだわったりという問題行動をしてしまう障害。
明確な判定基準はないが、自閉症を伴う重度の知的障害者らに表れるケースが多い。言葉や身ぶりで自分の考えを表現するのが難しく、近年の研究で、自分の意思が他人に伝わらない場合に問題行動が表れることが分かってきている。知的障害者の1%程度とされる一方で、虐待を受けた障害者の10%前後を占めるともいわれる。

■2014.3.15  強度行動障害:入所者受け入れ先なく…袖ケ浦の虐待被害
千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」で、自分や他人を傷つけるような問題行動を示す「強度行動障害」などを抱え、職員から虐待を受けた入所者たちは新たな受け入れ先が見つからず、センターに残されたままだ。県が打診した複数の施設は「支援が難しい」と敬遠しているといい、福祉現場の支援環境の整備が課題となっている。

県によると、センターでは昨年11月に強度行動障害の傾向がある入所者の少年(当時19歳)が、職員の暴行を受けた後に死亡したのをきっかけに、計23人の虐待被害が判明。そのほとんどがセンター内にある行動障害者向けの寮で生活していた。疑い例を含めて身体的、性的、心理的な虐待を加えた職員は18人で、うち11人は既に解雇されるなどして職場を去っている。残り7人のうち5人は、今も入所者の支援に関わっているという。

県は県内の複数の民間施設に虐待被害を受けた入所者の受け入れを打診したが、「センターへの人材派遣で応援したい」などと断られた。再発防止策などを話し合う県の第三者検証委員会は2月14日、「入所者の安全を確保する必要がある」と緊急提言し、外部の福祉関係者派遣によるチェック強化や、センター幹部を強度行動障害者支援に詳しい人材に刷新することなどを県に求めた。

◇宿直時は職員1人で13人支援…袖ケ浦の施設

職員による虐待が相次いだ袖ケ浦福祉センターはどのような施設なのか。1月30日に行われた県議会の視察に同行した。

職員から暴行を受けた後に死亡した少年が暮らしていた「養育園第2寮」。居室は広さ8畳ほどで、窓には壊してけがをしないようにガラスより強度が高いアクリル板が使われていた。かみつきなどの他害行為がエスカレートした時に入所者の行動を制限するために使う部屋は、内側から鍵が開かない仕組みになっているという。

案内した男性職員によると、職員の体に触れて「遊ぼう」という気持ちを伝えようとした際、相手が分かってくれないと、たたいたりかみついたりという行為をしてしまう入所者もいるという。普段は職員8人で入所者13人を支援するが、宿直時は1人。虐待を防ぐには、熟練した支援技術を持つ職員の育成と、その職員を支える体制づくりが急務だと感じた。

■2014.3.15  発達障害児の総合支援も むとべ翠光園が19日開設
福知山市の社会福祉法人福知山学園(松本庄理事長)=本部・三和町千束=が同市上松で建設していた障がい児・者併設型支援施設「むとべ翠光園」が完成した。同じ場所にあった府北部唯一の障がい児入所施設・福知山学園第一翠光園が築40年近く経過しており、新築建て替えで機能を充実、拡充した。19日にオープンする。

鉄筋コンクリート造りの3階建てで、延べ床面積は約4600平方メートル。1、2階に児童入所(定員20人)と成人入所(定員40人)の機能が入り、3階は発達障害の子どもたちに寄り添う児童発達支援センターなどを置く。

児童発達支援センターは、これまで法人が行ってきた相談支援だけでなく、心理検査、療育、効果測定までのトータルサポートを1カ所でできるようにする新事業。これまで培ってきたノウハウを生かし、発達障害の子どもたちへの感覚統合療法など専門的な支援を展開する。在宅支援向けの子どもショートステイもある。

廣田真施設長は「これまでは相談支援でストップしていたが、これからは何らかの手立てがある支援につなげて寄り添っていける場所になりたい」と話している。

このほか、大人対象でも、重度身体障害者対応型デイサービス、入所施設の強度行動障害特別支援ユニット設置など、新事業を盛り込んだ。

総事業費は約11億600万円。

■2014.3.15  介護施設で熱い風呂に女性入れ重いやけど…死亡
山梨県南アルプス市田島の介護施設「グループホーム甲西」で昨年12月、施設の女性職員2人が熱湯を張った浴槽に入所者の女性(87)を入れ、女性が重度のやけどを負っていたことがわかった。

女性は今月10日に搬送先の病院で死亡し、県警南アルプス署が入浴と死亡との因果関係を調べている。

 市消防本部などによると、昨年12月16日午後2時頃、施設職員が介助器具を使って女性を浴槽に入れたところ、女性が「熱い」と訴えた。職員は浴槽の温度が異常に高いことに気づき、女性を引き上げた。女性は甲府市内の病院に搬送されたが、体の広範囲にわたってやけどを負っていたという。

同施設では認知症の高齢者が個室で生活し、職員が入浴などの介助を行っている。同施設を運営する医療法人「千歳会」は取材に対し、「誤って熱い風呂に入れる事故をおこしてしまった。誠に申し訳ない」と話している。

■2014.3.15  脳性マヒ生徒に体罰、車いす生活となり転校
長崎県諫早市教委は14日、同市立中学校の男性教諭2人が、軽度の脳性マヒを患って足などに障害があった1年生男子生徒(13)を正座させたり、たたいたりする体罰を行っていたと発表した。生徒は体罰によるストレスで症状が悪化して車いす生活になったといい、2月に市内の特別支援学校に転校した。

市教委と同中によると、男子生徒は脳性マヒで右足や右腕を十分に動かせなかったが、昨年7月までは通常の学校生活を送っていた。しかし、9月下旬に右足の痛みを訴えて車いすを使うようになり、学校も休みがちになった。

10月に生徒の親から「医師の診断を受けた結果、心因性のストレスで症状が悪化しているとのことだった」と学校に報告があり、11月には「登校できないのは教諭による体罰が原因」と親から指摘された。

学校側がこの生徒や教諭に聞き取った結果、生徒は6月以降、3回にわたり、いずれも男性の担任教諭(45)と保健体育科教諭(39)から、宿題などを忘れた時に正座をさせられ、げんこつや教科書で頭をたたかれたり、「げんこつしてください」と言わせられたりしていたことが判明した。生徒は今年2月、特別支援学校に転校した。

■2014.3.15  犬が導く「安心」
犬は人を癒やしてくれるだけでなく、人の社会参加や日常生活を手助けする存在にもなる。

群馬県内で活躍する盲導犬と「アニマルセラピー」の取り組みを追った。

<盲導犬と信頼の絆「外出増す」>

 「カイダン(階段)!」

高崎市上中居町の大高和香子さん(62)が自宅の玄関を出て、愛犬の「カシス」に号令をかけた。

カシスはハーネス(胴輪)のハンドルを握ったあるじをゆっくりと誘導し、しばらくしてしゃがみ込んだ。階段の始まりを知らせる動作だ。階段を下りると、車道の手前で立ち止まり、次の指示を静かに待った。

カシスはメスのラブラドルレトリバー(5歳)。目の不自由な大高さんが信頼する盲導犬だ。

大高さんは24歳の時、難病を発症し、29歳で右目を失明した。左目も光の変化が分かる程度の視力しかない。その後、外出する時は白杖(はくじょう)を使ったり、家族やガイドヘルパーに助けてもらったりしていたが、不便さを感じていた。

「白杖を使うのはもどかしい。誰にも遠慮することなく、1人でさっそうと街を歩きたい」

そんな思いから2007年頃、高崎市の広報誌で知った盲導犬の体験イベントに参加した。そこで盲導犬に導かれると、とてもスムーズに歩くことができた。

「盲導犬ってすごい」と感動し、県を通じて東日本盲導犬協会(宇都宮市)に貸与を申請した。順番を待ち、10年9月にパートナーとなったのが、カシスだった。

 カシスがもたらしてくれたのは「安心」だった。

白杖で歩いていた時は通行人とぶつかることもあったが、カシスのおかげで、よけてくれるようになった。「ものすごく安心で、外出頻度も増えました」と大高さんは実感を込める。

人と接する機会が多いため、カシスには毎日ブラシをかけ、月2回はシャンプーもして衛生管理を徹底している。大高さんは「生き物なので当然、大変な面もあります。お互いの性格を理解するのにも2、3年かかりましたが、今ではすてきなパートナーです」と話す。

厚生労働省によると、全国では1013匹の盲導犬が活躍している。だが、利用者を取り巻く環境は十分には整っていない。

一つは、施設や店などの受け入れだ。02年施行の身体障害者補助犬法は、公共施設や店舗などが盲導犬など身体障害者補助犬の同伴を拒むことを禁じている。だが、大高さんはたびたび入店を拒否されることがあるという。盲導犬が県内は10匹と少ないこともあるが、法の周知が進んでいない実態を表している。

資金面も課題だ。東日本盲導犬協会によると、盲導犬を1匹育成するには約500万円かかるが、募金や企業の寄付で賄ったり、ボランティアで繁殖犬や子犬を育てる人たちの協力に頼っているのが現状だ。同協会は「盲導犬を必要としている人は多い。地道に啓発活動を行い、理解を深めていきたい」としている。

 <お年寄りや患者リラックス>

前橋市江木町の老人保健施設「ビハーラ寿苑」で1月下旬、ラブラドルレトリバーやミニチュアプードルなど4匹の犬が、車いすに乗ったお年寄りたちに愛嬌(あいきょう)を振りまいた。

「いい子、いい子」「気持ちいいねえ」。あちらこちらで会話が弾む。犬に頬ずりしたり、自宅で飼っている愛犬を思い出して涙ぐんだりする人もいた。

月1回実施している「動物介在活動(AAA)」だ。ふれ合った後は、おもちゃキャッチや障害物走などを見て楽しむ。入所者の深井ヒサ子さん(84)は「施設ではペットが飼えないので、この日が楽しみです」とにこやかに話した。

活動を主宰するのは、県内の獣医師や看護師、犬のしつけインストラクターらでつくる「ワンセルフ」。メンバーのかすかわ動物病院(前橋市)院長の中島直彦さんは「リラックスした動物の姿を見ることで、人もリラックスできる。血圧やコレステロール値が下がったとの報告もあります」と話す。

参加する犬は、多くの人の前でリラックスした状態を保てないといけない。このため、ワンセルフは「多数の人間が触る」「抱きつく」「後ろからぶつかる」など約20項目の基準を設け、犬の適性を見極めている。

動物の癒やし効果を人の治療に生かす「動物介在療法(AAT)」を取り入れている医療機関もある。

伊勢崎市安堀町の心療内科医院「華蔵寺(けぞうじ)クリニック」。人とコミュニケーションする際、過度に緊張してしまう患者も、犬を介することで緊張が緩み、感情表現も豊かになる効果があるという。同クリニックのソーシャルワーカー、土居智さんは「患者さんには人間関係で苦労してきた人が多い。犬が信頼して近寄ってくれることだけでも、回復の貴重なステップになる」と話している。

■身体障害者補助犬

身体に障害を持つ人の自立と社会参加を支えるために特別の訓練を受けた犬。盲導犬のほか、手や足の不自由な人の動作を助ける介助犬、耳の不自由な人に音を知らせる聴導犬がいる。厚生労働省によると、県内には今月1日現在、盲導犬は10匹、聴導犬は1匹いるが、介助犬はいない。

■2014.3.15  患者の心、犬が癒やす
犬との触れ合いを患者の心のケアに役立てようとする動きが、神奈川県内の医療現場で徐々に広がっている。気持ちを前向きにする効果があるといい、聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)は2015年4月から院内に常駐する「勤務犬」の導入を目指す。NPOから定期的に派遣を受けている病院もある。

県内では、県立こども医療センター(横浜市南区)が12年7月、院内で治療を支える「施設犬」を取り入れた。聖マリアンナ医科大病院が導入の検討を始めたのは、この犬に来てもらったことがきっかけ。白血病で長期入院していた女児がこの犬宛てに「病院に会いに来て」と手紙を書き、同年秋に実現した。

犬が訪問すると、女児ら小児病棟の子供たちだけでなく、大人の入院患者にも好評だった。同病院は、犬との触れ合いには患者の不安やストレスを和らげる効果があると判断。日本盲導犬協会や日本介助犬協会に依頼し、これまでに計7回、犬の病棟訪問を実施した。

2月21日、日本介助犬協会のスタンダードプードル・ミカ(雄4歳)がやって来ると、小児病棟の子供たちの表情がぱっと明るくなり、うれしそうに頭や背中をなでた。昨年9月から入院中の男性(70)も「単調な生活のアクセントになり、治療を頑張ろうと思えた」と声を弾ませた。

これまでの患者や家族、医療従事者に対するアンケートでも、「ほとんど体が動かず、表情も変わらない患者が、犬に触れようと手を伸ばして笑顔を見せた」「寝ていることが多かった患者が、車椅子に座って過ごすようになった」などの変化が報告された。

このため、同病院小児外科の長江秀樹医師(39)は「患者が治療や闘病に対し、前向きになれる意義が大きい。早期の治療や退院につなげたい」と期待する。

犬の名称は「施設犬」や「勤務犬」など、施設・団体によって異なるが、患者の「癒やし」に役立てようとする目的は共通する。

県内ではほかにも、横浜舞岡病院(横浜市戸塚区)が09年から、湘南東部総合病院(茅ヶ崎市)が11年から、年に1、2回、NPO法人「日本アニマルセラピー協会」からセラピー犬の派遣を受けている。

同協会によると、県内では昨年1年間、高齢者福祉施設を中心に延べ約120か所を訪問。事故や感染症を気にする医師もいるため、病院への訪問件数は少ないが、同協会の高松雅行理事長は「これまでに全国で1000か所以上を訪問したが、犬が患者をかんだり、感染症をうつしたりする事故は起きていない。今後も派遣事業を広げていきたい」と話している。

■2014.3.15  関連施設運営休止へ 職員の退職相次ぎ 袖ケ浦の施設虐待
 知的障害がある児童らが入所する袖ケ浦市蔵波の県立福祉施設「養育園」で昨年11月、入所者男性(19)が暴行を受け、その後死亡した事件を受け、運営する社会福祉法人で職員の退職希望者が相次いでいることが14日分かった。同法人は独自に運営する障害児デイサービス施設「児童デイサービスセンター風の子」(定員10人)を4月から休止することを決めた。同日の県議会健康福祉常任委員会で県が明らかにした。

県障害福祉課によると、社会福祉法人「千葉県社会福祉事業団」の職員19人が今月末での退職を希望。例年の倍以上の人数とされる。事業団は養育園や県立障害者支援施設「更生園」などの運営に支障を出さないように職員をやりくりするため、障害児デイサービス施設を休止することとした。

同施設は、養育園と同じ敷地内にあり、障害児の放課後生活支援施設。51人が契約して活用している。すでに施設利用者に説明会を開き、近隣の施設を紹介。職員が補充され次第、運営を再開したい意向という。

同事件は、養育園の寮内で男性の腹を複数回蹴り死亡させたとして、元職員の男(23)が傷害致死容疑で県警に逮捕された。県の調査で男を含めた職員5人が男性に暴行していたことが確認されており、事業団は5人全員を解雇している。

川島貞夫県健康福祉部長は逮捕について「県民の信頼を損なう事態となり、おわび申し上げる」と謝罪した。

■2014.3.15  片目失明者の障害者認定を 広島、改善求め団体設立
片方の目の視力を失った人たちが、視覚障害者として認定されるよう国の制度改善を求める任意団体「NPO片目失明者友の会」の設立総会が15日、広島市で開かれた。

代表の久山公明さん(64)=広島市=は「視野が狭いためつまずいたり、不安な気持ちの中で過ごしたりするなど、日常生活でどれだけ苦労するか、国は真剣に考えてほしい」と話した。

身体障害者福祉法に基づく現行の基準では、片方の目が失明しても、もう一方の視力が0・6を上回ると障害者認定されない。同会は5月、請願書と署名を厚生労働省に提出する予定。

■2014.3.15  世界初!パナソニックのロボット介護機器がISO13482認証を取得
生活支援ロボットの安全性に関する国際規格に基づく認証を取得
パナソニック株式会社は、離床支援のためのロボット介護機器「リショーネ(R)」について、2014年2月17日(月)付で、パーソナルケアロボットの安全性に関する国際規格「ISO13482」に基づく世界初の認証を取得したと発表した。

「リショーネ(R)」について
「リショーネ(R)」は、ロボット技術を応用した離床支援のためのロボット介護機器だ。

電動ケアベッドの一部を電動リクライニング車いすとして分離することができ、ベッドから車いすへの移乗をスムーズに行える。

一人の介護者だけで簡単・安全に移乗介助できるため、介護を受ける方の離床機会を増やし、介護者の負担軽減にもつながる。


国際規格 「ISO13482」とは
今回認証を取得した国際規格 「ISO13482」は、パーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する唯一の国際規格として本年2月に国際標準化機構(ISO)から発行された。

「リショーネ(R)」は、この規格に基づいて安全性を評価し認証された世界で初の介護ロボットになる。認証は、日本品質保証機構(JQA)により実施された。


生活支援ロボットの普及を目指し
パナソニックによると、今回の認証は、同社が参画する「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の成果によるものだとのこと。

「生活支援ロボット実用化プロジェクト」とは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が生活支援ロボットの社会への普及を目指し実施するもので、同社では、この規格の構築に貢献するため生活支援ロボットの開発やロボットの安全試験を進めてきた。

今後は、「リショーネ(R)」の普及活動を加速させていきたいとしている。

プレスリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/

■2014.3.16  介護施設の送迎車が事故 1人死亡5人ケガ
広島・呉市で15日夕方、介護施設の送迎車が道路わきの木に衝突し1人が死亡した。また、車を運転していた職員を含め5人が重体や重傷。

事故は15日午後4時前、呉市倉橋町の県道35号で起きた。警察によると高齢者5人を乗せたデイサービス施設のワゴン車が道路わきの木に衝突、車に乗っていた呉市倉橋町の久保清さん(74)が頭を強く打ち死亡したもの。また、男性(68)と女性(77)が意識不明の重体、女性(84)と女性(80)が重傷。運転していた女性介護職員(56)も重傷。車は高齢者を家まで送り届ける途中だった。

事故を起こした施設によると、高齢者5人はシートベルトをしていなかったという。また、職員は小動物を避けようとしてハンドル操作を誤ったとしている。

■2014.3.16  事故:介護施設送迎の車が衝突 1人死亡2人重体
15日午後3時55分ごろ、広島県呉市倉橋町の県道で、同市音戸町の介護施設「ルネッサンスデイサービス音戸」の職員、中本千鳥さん(56)=同県江田島市能美町鹿川=の運転するワゴン車が道路右側の街路樹に衝突した。同乗していた施設のデイサービス利用者5人のうち、久保清さん(74)=呉市倉橋町=が頭を強く打って死亡が確認された。68歳の男性と77歳の女性が重体で、80歳と84歳の女性が重傷。中本さんも重傷という。県警音戸署が事故原因を調べている。

同署によると、中本さんは、施設のデイサービスを利用した5人を、それぞれの自宅へ送り届ける途中だったという。現場は緩やかな左カーブ。

■2014.3.17  社会福祉士・精神保健福祉士 合格発表
厚生労働省は14日、2014年1月に行われた「社会福祉士」と「精神保健福祉士」の国家試験合格者発表を実施した。

発表は、厚生労働省及び、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターで合格者の受験番号を掲示し、同センターのホームページでも閲覧可能となっている。

また、合格者には3月14日(金)付けで、合格証書を交付しているが、大学卒業見込み者等については、3月31日(月)までに受験資格を満たすことが合格の条件であるため、受験資格を満たしたことが確認された日以降の証書の郵送となる。

受験資格を満たさなかった者については、これらの掲示に関わらず試験は無効となり、合格証書は交付されない。

社会福祉士国家試験
第26回である今回の受験者数は45,578人、合格者数は12,540人となっており、合格率は27.5%。前回の合格者数8,058人、合格率18.8%を上回った。

2014年2月末現在で登録されている社会福祉士の数は165,684名となっている。


精神保健福祉士国家試験
一方、今回で16回目を迎える精神保健福祉士国家試験では、受験者数が7,119人、合格者数が4,149人、合格率は58.3%であり、前回の合格者数4,062人、合格率56.9%からは若干の上昇であった。

2014年2月末現在の精神保健福祉士登録者数は60,946名となっている。

3月27日(木)には、介護福祉士国家試験の合格発表も行われる予定となっており、同じく厚生労働省での掲示と社会福祉振興・試験センターホームページでの掲載となる。


▼外部リンク

厚生労働省 社会福祉士国家試験
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000039793.html

厚生労働省 精神保健福祉士国家試験
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000040128.html

■2014.3.17  全盲男性、78歳で博士号=「多くの人の刺激に」―点字学び11年かけ・関西学院大
64歳で失明した後に点字を学び、盲人福祉について研究を続けてきた兵庫県西宮市の森田昭二さん(78)が17日、関西学院大学大学院で博士号(人間福祉)を授与された。社会学部の聴講から博士号の取得まで11年。「自分の姿が目の不自由な人だけでなく、多くの人の刺激になれば」と、今後も大学に残り研究を続けるつもりだ。

森田さんは京都大文学部を卒業し、大阪教育大付属池田高校などで国語教師として勤務した。生まれつき視力が弱かったが、38歳のときに白内障の手術を受けた後、視力はさらに低下。教科書などが読みづらくなり55歳で退職、64歳で完全に失明した。

その後、白つえの使い方や日本語や英語の点字を一から習得。「盲人福祉の歴史を究めたい」と思い立ち、67歳から聴講生として関西学院大で学び始め、2007年に71歳で修士号を取得した。一度は落ちた後期課程に翌年合格し、学生らの文献朗読ボランティアなどの力を借りながら、6年かけて博士論文を完成させた。

50年以上連れ添う妻と共に檀上に進み出た森田さんは、井上琢智学長から学位記を受け取ると深々と頭を下げた。「自分の使命と思ってやってきたものが形に残るのは感慨深い。まだやり残したことがたくさんあり、勉強に忙しいです」とほほ笑んだ。 

■2014.3.17  老人福祉事業者の倒産最多46件 13年、競争激化で
老人ホームの運営や介護サービスなどを行う老人福祉事業者の倒産が2013年は46件となり、00年度の介護保険制度の開始以来、最多だったとする調査結果を17日までに帝国データバンクがまとめた。

特にデイサービス(通所介護)を行う小規模事業者の倒産が多いという。急速な高齢化を背景に、デイサービスなどの介護事業への参入が相次いでおり、帝国データバンクは「競争が激しくなり、小規模な事業者が淘汰されている」と分析している。

00〜06年の倒産件数は毎年1〜7件だったが、07年に23件に急増し、09年は32件に達した。


老人福祉事業者の倒産、2000 年以降で最多
老人福祉事業者の73.3%が設立後10 年未満で倒産
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p140203.pdf

■2014.3.18  障害者製造の焼酎、初出荷 6年目の「自立」上出来 [福岡県]
県内の障害者施設9カ所で栽培されたサツマイモを原料にした芋焼酎「自立」が17日、醸造元の小林酒造本店(宇美町)から本年度分が初出荷された。障害者の就労と自立を支える焼酎造りは6年目。関係者は「味に磨きがかかってきた。ぜひ味わってほしい」と呼び掛ける。

障害者がつくり、県が販売を支援している商品「まごころ製品」の一つ。「ジョイホワイト」という品種を使っており、フルーティーな味わいが特長という。芋作りに参加する施設は、初年度の2施設から9施設に増え、ここ数年は毎年1万2千本を出荷。各施設で販売、売り上げの約3分の1が施設の収益になる。

この日は、9施設の代表者が小川洋知事とともに初出荷を見届けた。行橋市の「わーく・いずみ」に通う川本和彦さん(47)は「今年の芋は上出来だと思います。自信を持っているので、たくさん飲んでもらいたい」と話した。問い合わせは県障害者福祉課

■2014.3.18  福祉施設の送迎ワゴン車が居眠り運転で逸脱事故、2人が死傷
15日午前9時40分ごろ、長野県安曇野市内の市道を走行中のワゴン車が路外に逸脱。道路脇の畑に転落した後も走行し、前方のコンクリート土台に衝突する事故が起きた。この事故で同乗していた2人が死傷。警察はクルマを運転していた20歳の女を逮捕している。

長野県警・安曇野署によると、現場は安曇野市豊科高家付近で車線区別のない幅員約3mの直線区間。福祉施設が所有する送迎用のワゴン車は斜行するようにして道路左側の路外に逸脱。そのまま畑に転落した後も約30mに渡って走行を続け、前方のコンクリート土台に衝突した。

衝突によってクルマは中破。車両後部スペースに車いすに着座した状態で同乗していた96歳の女性が胸部を強打。近くの病院へ収容されたが、約2時間30分後に死亡。助手席に同乗していた80歳の男性も足を骨折する重傷を負った。警察は福祉施設の職員で、クルマを運転していた松本市内に在住する20歳の女を自動車運転過失致死傷容疑で同日夜に逮捕している。

聴取に対して女は「夜勤明けで、運転中に意識を失った」などと供述しており、警察では居眠り運転が事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

■2014.3.19  障害者支援補助金不正受給:NPO元理事長起訴 広島地検 /広島
障害者支援制度を悪用した補助金不正受給事件で、広島地検は18日、NPO法人元理事長、福田抄湖(しょうこ)容疑者(34)=西区井口3=を補助金適正化法違反の罪で広島地裁に起訴した。

起訴内容によると2011年2月、厚生労働省の障害者生活支援のための補助金を申請する際、運営する施設の利用者を25人分水増しして窓口の広島市に申請。補助金304万円の交付を受けた。さらに同じ手口で同4月〜12年1月までに11年度の補助金約2120万円の交付を受けたとしている。

■2014.3.19  インフルエンザ:感染91人 渋川の障害者支援施設で /群馬
県は18日、渋川市赤城町津久田の障害者支援施設「あかぎ育成園」で、20〜80代の入所者ら91人がインフルエンザとみられる症状を発症したと発表した。肺炎の治療歴のある60代の女性が経過観察のため入院したが、重症者はいないという。

県によると、同施設では、入所104人▽通所11人▽職員64人が利用または勤務しており、このうち入所者78人と職員13人が発症。11日に40代の女性職員がインフルエンザA型で欠席した後、12〜17日まで新たな発症者が相次いだ。同施設では12日から通所を閉鎖し、その後も発症者が増え続けたため、17日に渋川保健福祉事務所へ報告した。発症者にはタミフルなどを服用させているという。

■2014.3.19  介護報酬不正請求:「まごころ」4事業所、指定停止 ;守山 /滋賀
県南部健康福祉事務所と守山市は18日、介護報酬を不正に請求したとして、守山市古高町の介護サービス事業会社・NPO「まごころ」=高田裕子代表=が市内で運営する4事業所の指定を取り消した。

取り消されたのは、居宅・介護予防サービス事業所「まごころ介護サービス」▽居宅介護支援事業所「まごころ介護サービス」▽地域密着型介護予防サービス事業所「まごころの家・古高」▽同事業所「まごころの家・吉身」。利用者の受け入れ先を確保するため、5月1日付で発効する。

県などによると、「まごころ」は2000年、在宅サービス事業を開始。利用者が入院中も在宅サービスを提供したように装う▽同居の母親の介護で報酬を請求する▽訪問介護計画を作成しない−−など不正に介護報酬を請求していた。

不正請求額は書類で確認できただけで、計約5400万円に上る。関係12市町が違約金を含めて請求する。

■2014.3.19  高齢夫婦、風呂場で死亡 介護の夫倒れて妻溺れる?
19日午後3時50分ごろ、大阪府高槻市三島江の無職男性(83)方で、男性と妻(82)が浴槽内で死亡しているのを近所の女性が見つけた。府警高槻署によると、妻は足が不自由で、男性が普段から入浴介助をしていた。男性も心臓を患っていたという。同署は、妻を入浴させていた際に男性が病死し、妻は湯に漬かっておぼれ死んだ可能性があるとみて、詳しい原因を調べている。

同署によると、妻は衣服を身につけず、浴槽内で前屈みになって湯に顔を漬けた状態で発見。男性は服を着た状態で、妻に覆いかぶさるようにしていた。

2人とも目立った外傷はなかった。男性方は施錠されており、荒らされたような跡もなかったという。

2人が電話に出ないことを不審に思った親族が近所の女性に連絡し、発見した。

■2014.3.20  清水寺へ車いすが人力車に変身
車いすの利用者に夜の京都観光を楽しんでもらいたい−。「京都・東山花灯路」を開催中の推進協議会が、障害のある人や高齢者を招待し、車いすにけん引式の補助装置を取り付けて人力車のように進む観光ツアーを初めて企画した。ライトアップされた清水寺(京都市東山区)を訪れた参加者は「こんなにきれいだったとは」と感激していた。

ツアーには、車いすに取り付ける補助装置を開発、販売する会社「JINRIKI」(長野県)が協力した。前輪を持ち上げた状態で引き、後ろから押すこともできるため、坂道や段差をスムーズに移動できるという。

17日夜にあったツアーには、京都市在住の3人が参加した。ボランティアスタッフらが引っ張って清水坂を上り、清水寺を拝観。「清水の舞台」の真横まで車いすで進み、幻想的に演出された境内と、遠くに浮かぶ京都タワーなどを眺めた。

伏見区から訪れた前田美智子さん(72)は「テレビで見て、いつか来たいと思っていた。言葉にできないくらい感激です。乗り心地もよく、お姫さま気分を味わえました」と話していた。

協議会が身体障害者団体連合会を通じ、計12人を招待した。

株式会社JINRIKI
長野県上伊那郡箕輪町中箕輪153
http://www.jinriki.asia/6

■2014.3.20  手をつなぐ育成会:社会福祉法人の解散決める
知的障害者の親らでつくる「全日本手をつなぐ育成会」(久保厚子理事長)は20日、社会福祉法人としては解散し、法人格の無い連合体として活動する方針を発表した。決算後に厚生労働省に解散認可を申請する。

同会は全国の育成会を取りまとめ、機関誌発行や政策提言などをしてきたが、少子化などで会員が減り、「身の丈に合った組織運営が必要」と判断したという。解散後も各地の育成会が連携し、同様の活動を続ける。

■2014.3.21  不正受給:2施設の指定取り消し 福岡市 /福岡
福岡市は20日、訓練等給付費の不正受給などで、NPO法人「茜の木」(南区井尻)が運営する2障害者施設の指定事業者取り消し(31日付)を発表した。不正受給は2009年4月から約4年間で総額約3400万円に上る見込みという。

市によると、2施設は通所施設「博多こころん」とグループホーム「井尻上池ホーム」。一部の利用者に訓練等給付費の対象となる支援を実施したように装い、給付費を不正に受給した。市は外部からの通報を受け13年7月から監査を実施し、不正の事実を確認した。

■2014.3.22  写真家・金川晋吾さんが老人ホームで暮らす人を撮った写真展『home for the aged』
銀座ニコンサロンで写真展『home for the aged』開催中
東京「銀座ニコンサロン」で、2014年3月12日(水)から25日(火)まで、『home for the aged』と題した写真展が開催中です。

本写真展では、アーティストとして老人ホームに呼ばれた作者・金川晋吾(かながわしんご)さんが、老人ホームで暮らす人たちの姿を撮ったカラー写真22点を展示しています。

老人ホームで暮らす人たちの姿から感じる何か
写真を撮った当時、金川さんは、写真家としてワークショップなどを行う予定でしたが、それらをやめて、老人ホームで暮らす人たちの写真を撮ることにしました。

撮った写真は、被写体になった人へ差し上げ、その老人ホーム内に展示していましたが、その後、老人ホームとは無関係の場所で展示することで、これらの写真が新しい働きをもつのではないかと今回の写真展を企画開催しています。

「銀座ニコンサロン写真展スケジュール」株式会社ニコン
http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2014

「銀座ニコンサロン」株式会社ニコン
http://www.nikon-image.com/activity/salon/

■2014.3.23  新潟で4月からタンデム車が解禁!長野、山形と3県をまたがるツーリングも可能に
4/5 新潟市・市民団体らの主催でタンデム車の試乗会を開催予定

新潟県内の一般道路で、4月1日からタンデム自転車での走行が解禁される。県内の市民団体や視覚障がい者団体がタンデム車の解禁を要望したことを受け、新潟県警が新潟県道路交通法施行規則の一部を改正。隣接する長野、山形の両県でもすでにタンデム車が解禁されており、3県をまたがるロングツーリングも可能となる。

解禁されるのは、2人乗りでクランクが縦の列に配置された2輪または3輪の自転車。歩道を除く一般道路を走ることができる。

これまでにタンデム車を解禁しているのは長野、兵庫、愛媛、広島、山形、宮崎、佐賀の各県。タンデム車は従来から視覚障がい者のスポーツ向けに需要があるのに加えて、近年はサイクルツーリズム(自転車を利用した観光誘致)にも取り入れられている。愛媛と広島を結ぶ「しまなみ海道」では、タンデム車をレンタルしてサイクリングを楽しむことが可能だ。

解禁は、市民団体「自転車のまち“新潟”」の会、および新潟県視覚障害者福祉協会が昨秋、新潟県警に要望したことが直接の引き金となった。新潟市サイクリング協会の涌井秀行会長は「以前からタンデム車解禁の要望はあったが、昨今の他地域における普及の流れを受けて、安全面の懸念が払拭されたことが大きいのではないか」と話す。

新潟県でタンデム車が解禁されたことにより、中部、北陸、東北にまたがる広大な地域をタンデム車で走れるようになる。

同地域は庄内平野や日本海、北アルプスなどといった観光資源を擁する。タンデム車によるサイクルツーリズムの活性化も期待されるが、タンデム車の普及を目指す団体「タンデム自転車交流協会」によれば、今回の解禁を受けたタンデム車需要の変化は「今のところ発生していない」という。

4月5日(土)には新潟市の萬代橋近くで市民団体らが主催してタンデム車の試乗会が行なわれる計画だ。

■2014.3.23  嚥下食「イカめし」でひばりの里が最高賞
八戸市是川雲畑の介護老人保健施設ひばりの里(佐々木桂一理事長)が作った嚥下(えんげ)食「イカめし」が、介護食のコンテスト「第4回嚥下食レシピ大賞」の主食部門で大賞に輝いた。レシピを考案したメンバーの管理栄養士白井真梨恵さん(25)は「八戸の名産を使った食事で大賞を獲得できてうれしい」と喜んでいる。

嚥下食は、食べ物ののみ込みが困難な高齢者や患者がのみ下しをしやすいよう、ゼリー状にした食事。主に介護現場で提供されている。

コンテストは栄養療法食品などを開発・製造する「ニュートリー」(三重県)が開催。同社のゼリー化剤「ソフティア」を使ったレシピを全国の病院や福祉施設から募集し、主食、主菜、副菜、デザートの4部門で審査した。

ひばりの里は「高齢になっても郷土料理を楽しんでもらいたい」と、地元食材にこだわったイカめしを出品。白井さんと、管理栄養士で給食部長の戸賀沢恭子さん(59)、調理主任の田村奏子さん(36)ら10人で取り組んだ。

味付けをしてミキサーにかけたイカをゼリー化剤で固め、イカの形に成形。別に固めておいたおかゆと組み合わせ、バーナーで焦げ目を付けるなどし、一見してゼリーとは思えないように仕上げた。メンバーの「見た目にも楽しく、できるだけ普通食に近い食事を作りたい」という工夫が高評価につながった。

戸賀沢さんは「結果を励みに、今後も利用者に喜んでもらえるようなおいしい食事を提供していきたい」と話していた。

イカめしは、ひばりの里のイベントなどで提供される予定だという。

■2014.3.24  寝たきり高齢者への胃ろう、政府が抑制へ-診療報酬を減額
3月24日(ブルームバーグ):日本政府はチューブで胃に栄養を投与する胃ろうを受ける寝たきりの高齢患者抑制に初めて動き出した。

厚生労働省は医療機関に支払われる胃ろう手術の診療報酬を減らし、在宅医療を促進する方針だ。日本で胃ろうを受けている高齢者は約26万人。巨額の公的債務を抱える日本は、患者の早期退院を促すことにより、年間医療費38兆5000億円のさらなる増加に歯止めをかけたい考えだ。

嚥下(えんげ)機能検査を実施し、寝たきりの人が口で食べるためのリハビリを促進する医療機関に対して、厚労省は診療報酬を上乗せする方針。診療報酬の改定は4月1日に施行される。日本が胃ろうの診療報酬を減額するのは初めて。

日本尊厳死協会の副理事長を務める医師の長尾和宏氏は、「食べるということは人間の最も大事な尊厳の一つで、それを評価するということを歓迎すべきだ。人間の尊厳を守るために国は動いたということだ」と話す。

胃ろうは欧米では標準的な医療行為ではないが、世界で最も急速に高齢化が進む日本では一般的に行われている。末期患者や認知症の高齢者の延命のために使われることが多く、厚労省によると、何の評価も行われずに胃ろうを受ける人が4分の1近くに上るという。

厚労省によれば、胃ろう手術の診療報酬は1件当たり約10万700円で、これが4月から40%減額されて6万700円となる。一方で、手術前に嚥下機能評価が行われば2万5000円が加算される。

新たなルールの影響について、全国老人福祉施設協議会・老施協総研運営委員会の尾関英浩委員長は、患者の多くは重度の認知症を患っており、評価やリハビリを受けさせるとなると外来に行かなければならず、ストレスやリスクが大きくなる可能性を指摘した。

水道橋東口クリニックの辻彼南雄院長は、新ルールにより新たな胃ろうのケースが減ることが見込まれる一方で、口での食事には準備を含め1時間半程度かかるため、家庭に負担がかかるとの見方を示した。

■2014.3.24  配食サービスに新規参入相次ぐ 高齢化、制度改正で拡大へ
高齢者の家に食事を届ける配食サービスの市場に飲食関連企業の参入が相次ぎ、競争が激しくなっている。4月からの消費税率引き上げに合わせ、1食当たり474円の低価格弁当も登場し、高齢者の選択肢が多様化。高齢者人口の増加に加え、介護保険制度の平成27年度改正で配食のニーズが高まるとみられており、市場はさらに活性化しそうだ。

◆多彩なメニュー

ベネッセホールディングス(岡山市)はシニア・介護事業の一環として、4月から新たに配食サービス事業を開始する。カロリーや塩分を控えるなど、健康に配慮した日替わり弁当やおかずを5日単位か月単位で宅配し、ご飯付きの弁当「まいにち七菜」は1食当たり620円。

「有料老人ホームの入居者に食事を提供してきたノウハウを生かす」といい、ホームを展開する子会社とフードサービス事業を行うLEOC(東京都千代田区)が合弁会社、ベネッセパレット(渋谷区)を設立。4月に世田谷区の一部で始め、都内への拡大に向けて1日約2万食を生産できる工場を設置する計画だ。

受注にITを活用し、高齢者が選べるメニューを増やす仕組みを計画している企業もある。宅配総合サイト「出前館」の運営会社、夢の街創造委員会(大阪市中央区)は毎日、毎食選べる配食サービスの実施に向け、4月末をめどに都内で試験販売を開始する。

従来の配食サービスは週や月単位での注文が一般的だが、同社は出前のピーク時間の前にルート配送することで、温かい食事の注文を1食から実現できる見込みという。広報担当者は「自分で選べる楽しさを重視したい。もともと即時即配の店舗が加盟しており、小回りが利くので多彩なメニューを1食から提供できる」と話す。

◆増税に合わせ

新規参入が相次ぐ中、最大手のワタミタクショク(東京都大田区)は1食当たり474円の低価格商品「まごころこばこ」を発売した。同社は5日か7日単位で届けており、これまで最も安かった弁当は同540円。カロリーやおかずの種類を減らすことで価格を下げた。

新たな弁当は首都圏などから宅配を開始し、4月14日に全国でスタート。同社は増税のタイミングに合わせて発売することで、負担増を感じる年金生活者を新規客として取り込みたい考えだ。「戦略的にラインアップに加えた」とする。

配食サービスは平成4年、国が高齢者の在宅支援として制度化した。しかし、12年に介護保険が創設されると、訪問介護ヘルパーによる調理やデイサービス(通所介護)で提供される食事の利用も可能になった。公的な配食サービスの縮小傾向が指摘された一方、民間事業者の参入が増えた。

27年度の介護保険制度改正で、国は要介護度の軽い要支援1、2の人向けのサービスのうち、訪問介護とデイサービスを介護保険から市町村の事業に移し、配食や見守りなどの生活支援も含めた総合事業に再編する方針だ。市町村は事業の民間委託もできる。このため、配食の市場は拡大するとみられており、選択肢が広がりそうだ。

■食品の宅配市場 5年で2割増へ

高齢化の進展などに伴い、食品の宅配市場が拡大している。矢野経済研究所が昨年実施した調査によると、食品宅配市場は平成24年度に前年度比3.9%増の1兆8078億円だった。

調査は配食サービスのほか、ピザ・すし・牛乳の宅配、ネットスーパーやコンビニエンスストアによる食品の宅配などの分野も対象。分野別では、高齢者向けの配食サービスが堅調に推移した。ネットスーパー宅配も会員数を大幅に伸ばした。

背景には、高齢者の増加▽女性の社会進出定着による家庭内調理時間の短縮▽個食化の進行−などがあり、29年度には24年度比で約2割増の2兆2045億円に拡大すると予測している。

■2014.3.24  3/29(土)公開★よろこびも、かなしみも、夢になる。――『夢は牛のお医者さん』
昭和62年、新潟県の山あいにある小さな小学校に3頭の子牛が“入学”した。 まっすぐに夢を追った少女の26年間に密着したドキュメンタリー映画。

◆出会い
報道記者だった私と知美さんとの出会いは、昭和62年。 「クラスメート」として3頭の牛が「入学」した小学校の取材でした。素朴な木造校舎に懐かしさを覚え、それ以上に「素朴・ピュア」な9人の児童。たちまちファンになりました。

そして迎えた「牛の卒業式」。これまで生きてきて、あんなに綺麗な涙を見たことがありません。 なぜこんなに純粋な子供が育つのか?土地柄なのか?家族なのか?もっと知りたくなりました。

しかし、当時聞かされていたのは、数年後には廃校になるかも知れない事…。 ならば、廃校まで密着していこう!ローカルニュースの継続企画になりました。

当初は「素朴な学校・ピュアな児童」が取材対象で、特に知美さんにだけ焦点をあてることはありませんでした。知美さんの「夢」は知っていました。「牛のお医者さんになりたい」。でも、獣医になるにはいい大学を出ないといけない訳で、単純に「子供の夢だなあ」と記憶の片隅に忘れて、廃校後の4年間は会っていませんでした。

◆それから…
ある日、知美さんの家に電話してみると、「下宿して遠い高校に通っている」とのこと。親元を離れて猛勉強している。「高校3年間、テレビは見ない」と言う。過去に聞いた彼女の「夢」を、本気で受け止めずスルーしていたテレビマンとしての自分が恥ずかしかった。それからの私の夢は「彼女の夢に密着し、見届けること」。

知美さんからのお願いはただ一つ 「大学に落ちたら放送しないでね…」。 大学受験、そして獣医の国家試験の経過を取材したばかりの春に「ズームイン!!SUPER」で放送した時には、16年の歳月が流れていました。「夢に向かう彼女のひたむきな姿は、自分にも頑張る勇気をくれた」、「もう一度見たい」、「学校で子どもたちに見せたい」など、驚くほどの反響がありました。

夢には続きがありました。 ならば私も、もうすこし「夢」に付き合わせていただきたい。 そして、観客のみなさまにも是非、付き合っていただきたい。 …私の新たな「夢」が、ここに誕生しました。

『夢は牛のお医者さん』

ナレーション・横山由依(AKB48) 監督・時田美昭
製作著作・TeNYテレビ新潟 協力・日本テレビ「NNNドキュメント」
後援・新潟県 推薦・公益社団法人 日本獣医師会
配給宣伝協力・ウッキー・プロダクション
2014年/86分/HDCAM/16:9/カラー/日本/ドキュメンタリー
公式サイト http://www.teny.co.jp/yumeushi

http://social-welfare.rgr.jp/img/ffff0xc31bnb.PNG

■2014.3.25  ハンセン病患者の骨格標本、未承諾で作製と謝罪
旧熊本医科大(現・熊本大医学部)が昭和初期にハンセン病患者の骨格標本を作製していたことを巡り、熊本大は24日、調査報告書を公表した。

報告書は「標本作製はハンセン病研究の一環で行われたが、患者らの承諾を得ていない」として、「医学倫理上、問題があると考えざるを得ない」と指摘。同大は「深い反省と遺憾の意を表する」と謝罪した。

報告書によると、1927年(昭和2年)から29年(同4年)の間、病理学教室の助教授(当時)=故人=が九州療養所(現・国立ハンセン病療養所菊池恵楓(けいふう)園、熊本県合志市)の患者43人の遺体を解剖。うち20体の骨格標本作製が確認された。標本は戦災に遭ったとみられ、現存していない。

■2014.3.25  袖ケ浦虐待:暴行「意図的で陰湿」 第三者検証委中間報告
千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の虐待問題で、県の第三者検証委員会(座長・佐藤彰一弁護士)は25日、中間報告を公表した。虐待を加えた職員らは「支援スキルが不十分だった」と指摘、死亡した少年(当時19歳)を日常的に暴行していた元職員5人=解雇=については「言葉を話せず被害を訴えられない利用者を選んでおり、意図的で陰湿」と批判した。運営を委託する県や外部のチェック体制も「実質的に機能していなかった」と結論付けた。

センターの各施設では利用者23人が身体的、性的、心理的虐待を受けていたことが県の調査で判明。職員15人以上が関与し、うち1人が昨年11月に少年の腹を蹴って死亡させたとして傷害致死容疑で逮捕されている。被害者は自分や他人を傷つけるような問題行動を頻繁に起こす「強度行動障害」などを抱えた利用者が多かった。

中間報告は「職員が支援に行き詰まり、問題行動を抑えるために暴行に至った面は否定できない」と指摘。2012年1月に、逮捕された元職員が利用者に暴行したとの情報を施設幹部が把握しながら対策を講じなかったことなどから「虐待防止体制が機能不全に陥っていた」とした。

また、センターの運営法人の説明に頼って施設を評価していた県の姿勢を「利用者の生活実態を独自に把握する姿勢に乏しかった」と批判した。【黒川晋史、山縣章子】

◇中間報告の骨子

・職員の支援スキルが不十分で、虐待防止の基礎知識がなかった

・施設幹部は現場にほとんど足を運ばず、実態把握が不十分だった

・県や外部のチェック体制は実質的に機能していなかった

・医療職が利用者の健康状態を把握していなかった

・事件後の保護者への情報提供などの対応も十分ではない



◇解説 障害の特性理解した人材育成が急務

袖ケ浦福祉センターの虐待問題で、第三者検証委員会は、「強度行動障害」の傾向があり支援が難しい利用者に対して、経験や知識の乏しい職員が安易に暴行を繰り返し、管理職らが防止に取り組まなかった結果、虐待が横行したと結論づけた。この障害の特性を理解した人材育成は各地で遅れがちとされており、国が対策を強化しない限り同様の虐待が他施設でも起きる可能性は否定できない。

行動障害のある人は言葉をうまく使えず、自分の考えが相手に伝わらなかったような場合に自分や他人を傷つける傾向があると言われる。特性を理解した対応が不可欠だが、死亡した少年がいた「養育園第2寮」の元職員5人は専門的な研修をほとんど受けていなかった。施設側も行動障害の入所者が多い第2寮は苦情が出にくいとして比較的経験の浅い職員を配置していたという。

2012年10月に施行された障害者虐待防止法は、虐待発見者に自治体への通報を義務づけた。だが、センターのように閉鎖性が強い入所施設は内部告発が機能しにくく、外部のチェックも働きにくいのが実情だ。今回の中間報告の指摘が、施行3年後に予定されている見直しの議論に影響を及ぼす可能性もある。

■2014.3.25  虐待訴えられぬ人選び暴行=入所者虐待死で中間報告―千葉
千葉県袖ケ浦市の県立障害者福祉施設「袖ケ浦福祉センター養育園」で入所者男性(19)が虐待を受け死亡した事件に関し、第三者検証委員会は25日、中間報告を公表した。事件が起きた第2寮で虐待された入所者はいずれも自ら虐待を外部に伝える能力が低く、「発覚しない人を選び、少なくとも2年以上意図的に虐待していた」と結論づけた。

虐待の原因は、職員のスキル不足や人員配置が手薄だったことにあると認定。記者会見した佐藤彰一座長は「強度行動障害の児童らが入る第2寮は、入所者からの苦情が出にくいため、比較的経験の浅い職員を配置していた」と指摘した。 

■2014.3.25  特養:待機52万人…4年間で23%増 施設不足が歴然
厚生労働省は25日、特別養護老人ホーム(特養)に希望しても入れない入所待機者が2013年度は全国で計52万1688人に上ったと発表した。4年前の前回調査(09年度、42万1259人)に比べて23.8%増え、急速に進む高齢化に特養の整備が追いついていない現状が浮かんだ。

特養は有料老人ホームなどより比較的料金が安く、希望者が多い。待機者の中でも他の介護施設には入らず、自宅で特養の空きを待っている人は25万7934人(49.4%)。このうち、介護の必要性が最も高い要介護5と、その次に必要性が高い要介護4の人を合わせた数は8万6051人と3分の1を占め、前回(6万7339人)より3割近く増加した。一方、介護老人保健施設(老健)など他の施設に入所して空きを待っている人は26万3754人(50.6%)だった。

厚労省は15年度から新たに特養に入所できる人を原則、要介護3以上の中・重度者に絞り込む。それでも要介護3以上の待機者は13年度時点で34万4162人で、全体の3分の2に達する。

特養の入所待機者を都道府県別にみると、上位は▽東京都4万3384人▽宮城県3万8885人▽神奈川県2万8536人−−など。しかし、宮城など4県は、1人で複数施設に申し込んだ人を「複数の待機者」と数えており、厚労省は「単純比較はできない」としている。

現在特養は約7900カ所あり、約51万6000人が入所している。

■2014.3.25  特養ホーム待機の実態調査 岡山市
岡山市内で約6千人に上る特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者対策を探るため、市は実態調査に乗り出した。2015年度から新規の入所を「要介護3以上」に限定する国の方針を踏まえて需要を見定め、特養整備などに向けて14年度に策定する第6期計画(15—17年度)の基礎資料とする。

市内の全55施設(計2808床)を通じ、待機者550人(各施設10人)を対象に実施。昨年末に配布した調査票の回収を終え、現在は集計、分析を進めている。今夏をめどに結果をまとめる。

質問は入所の緊急度に重点を置いた内容。待機者の中には当面入所の予定がないのに、将来のために申し込んでいるケースが相当数あるとみられるため、「今すぐ入所したいか」「1年以上現在の生活が可能か」といった状況を尋ね、真に入所が必要な人数の把握に努める。

インスリンの注射や人工透析、喀痰(かくたん)吸引といった医療面のニーズを聞き、特養に求められる機能も探る。質問は計10項目。

■2014.3.25  融資金3億不正流用 社会福祉法人の元理事長らに支払い命令
2006年、神戸市西区の社会福祉法人「祉友会」を舞台に、みなと銀行(同市中央区)からの融資が不正流用された事件で、同行が元理事長ら3人=いずれも業務上横領罪などで有罪=に損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、神戸地裁であり、松井千鶴子裁判長は請求通り約3億6千万円の支払いを命じた。

判決によると、3人は、祉友会の監督官庁である神戸市の承認を受けずに抵当権を設定したり、偽造した議事録を提出したりして、「融資の条件が整っている」と信じさせ、06年4月、3億6千万円の融資を受けた。

うち3億3千万円は資金繰りが悪化していた大阪府枚方市の医療法人の口座に移され、債務の返済に充てられた。

■2014.3.25  不正受給:介護給付費など250万円 /山口
県は24日、障害者向けの居宅介護などを手がけるニチラク(宇部市)が、介護給付費やデイサービスの障害児通所給付費など計約250万円を不正受給していたと発表した。同社は全面的に不正を認めているという。

県によるとニチラクは2009〜13年、居宅介護では無資格ヘルパーや居宅以外でのサービスなどを提供。放課後デイサービスでは架空の利用記録を作るなどして給付費を不正に受け取ったという。

同社は13年11月末、宇部市から委託を受け特産品などを販売するアンテナショップ「うべ元気市場」をオープン。市商業振興課は「アンテナショップ事業は適正に行われていたと思うが、今後しっかり確認していきたい」と話している。

■2014.3.26  県事業団、来月に新体制 「養育園」虐待問題 職員処分、理事長は辞任
袖ケ浦市の県立障害者施設「養育園」に入所していた少年(19)が死亡した事件で、県社会福祉事業団の近藤敏旦理事長は二十五日、事業団役職員の処分を公表した。一方、県が設置した第三者検証委員会は、問題の背景を分析した中間報告を知事に提出。養育園の今後の在り方を中心とした最終報告を、八月ごろにまとめる。

役職員の処分は県が勧告した。同事業団によると、近藤理事長と前常務理事のセンター長、前養育園施設長の計三人が報酬や給与の月額三カ月分を自主返納し、近藤理事長は辞任する。センター長と前養育園施設長の二人は停職三カ月の懲戒処分となり、諭旨退職する。

そのほか、入所者に暴行した職員を十日間の停職、暴行を目撃しながら報告しなかった職員ら三人を十分の一の減給処分などにした。前理事長も報酬月額の三カ月分を寄付する。

辞任する近藤理事長の後任には、桐友学園の施設長を務める田中斎(さと)・県知的障害者福祉協会副会長を充てる。理事(非常勤)には小林勉・しもふさ学園施設長、相馬伸男・くすのき苑施設長ら五人を予定。田中氏は四十年以上、福祉の現場で働き、経験豊富という。

新役員案は二十七日の評議会に諮り、正式に決まる。四月一日から任期は二年。事業団が養育園を運営する指定管理期間は二〇一五年度までだが、第三者検証委は中間報告で、運営主体を前倒しで再選定するよう県に要請した。 

■2014.3.26  袖ケ浦の少年死亡:理事長、理事刷新へ 組織の姿勢糾弾 中間報告 /千葉
「虐待という重大な事故に組織を挙げて取り組もうという意思がなかったと言わざるを得ない」

入所者の暴行死をはじめとする多くの虐待が発覚した県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」(袖ケ浦市)。県の第三者検証委員会(佐藤彰一座長)は25日に公表した中間報告で、運営法人の「県社会福祉事業団」の姿勢を強く批判し、県のチェック体制も「実質的に機能していなかった」と疑問視した。報告書を受け取った森田健作知事は新年度中にセンターを視察すると約束し、事業団は理事長と理事を全て刷新する人事案を明らかにした。

記者会見した事業団によると、新体制は、県内で障害者入所施設を運営したり、知的障害者の家族会のメンバーなど「深い経験と知識ある人」たちを外部から選んだ。当面は新しい理事長が常駐し、センター内の養育園と更生園の園長を兼務し、立て直しを図る。

また、虐待の情報を知りながら上司に報告しなかったり、適切な指導を行わなかったとして、田村邦夫前常務理事と武田逸朗前養育園施設長を停職3カ月の懲戒処分とする。2人はいずれも今月末で退職する意向のため、事業団は給与3カ月相当額の自主返納も求める。今月末で辞任する近藤敏旦理事長にも3カ月相当額の返納を求める。そのほか、虐待に関与したり、黙認するなどした職員13人も懲戒処分とする。

新体制について、近藤理事長は「二度とこのような悲しい事件を起こさないよう、利用者の皆さんが安心して生きられるよう、やっていただきたい」と話した。

◇県社会福祉事業団の新体制(案)

理事長 田中斎(県知的障害者福祉協会副会長・桐友学園施設長)

理事  小林勉(しもふさ学園施設長)、相馬伸男(くすのき苑施設長)、宮代隆治(さざんか会理事長)、泉幸江(県手をつなぐ育成会権利擁護委員会副委員長)、佐久間水月(弁護士)

■2014.3.26  交流:障がい者と地域の人がジャガイモのカレーの集い/沖縄
【沖縄】障がいのある人や地域の人らが集う沖縄市高原の「あそびの広場ぽてと」(仲村春利代表)で16日、第5回じゃがいも掘りとカレーパーティーが行われた。約100人が参加し、畑の土中に実ったジャガイモを掘り起こした。重さを競う「じゃがいも大きい勝負」や手作りカレーを味わいながら、参加者同士が交流を深めた。

あそびの広場ぽてとは、障がいの有無を区別しない「ノーマライゼーション」を理念とし、約106人の会員が日頃から交流している。

カレーパーティーには福祉施設の沖縄中央療護園や生活介護事業所「みさき」からも招いた。

近所に住む高甫梨七(たかほりな)さん(20)は「じゃがいも大きい勝負」で490グラムのジャガイモを掘った。「ぽてとのみんなで集まるのが大好き。カレーパーティーの計画を一緒に立てたりするのが楽しかった」と話した。

毎回、家族で参加している新川優海(ゆうみ)さん(9)=高原小3年=は「初めて会う人もいっぱいいるけど、一緒にジャガイモが掘れて楽しかった」と話した。父親の博一さん(41)は「障がいがありながらも頑張って暮らしている人がいることや、さまざまな人間関係を子どもたちに学んでほしい」と語った。

■2014.3.26  お泊まりデイ:提供事業所、半数が基準面積未満 都調査 /東京
介護保険の通所介護(デイサービス)を利用した高齢者が、そのまま施設内に宿泊する「お泊まりデイサービス」を提供する事業所の約半数が、都の面積基準を満たしていないことが都の調査で分かった。約4分の1の施設では男女別に部屋が分かれておらず、舛添要一知事は25日の都議会予算特別委員会で、国に法整備を求める考えを示した。

デイサービスは本来、日帰りで入浴や食事の介護をするが、近年は特別養護老人ホームの空きを待つ高齢者や家族のニーズに応え、そのまま宿泊を認めている事業者が全国で増えている。こうした「お泊まりデイ」は介護保険の対象外のため、運営や施設の基準がなく、自治体への届け出義務もない。

都は2011年5月、全国で初めて「1人当たり7・43平方メートル」という面積基準を独自に設け、任意の届け出制を導入した。

今年3月1日現在で届け出ている375事業所を福祉保健局が調べたところ、186事業所で宿泊に使っている部屋の面積が都の基準を満たしておらず、20事業所でプライバシーを守る仕切りなどを設けていなかった。

また、12年12月に実施したアンケートでは、91事業所が宿泊部屋を男女別にしておらず、29事業所に消防機関へ通報する火災報知設備がなかった。

施設基準の見直しなどを求めた吉田信夫議員(共産)に対し、舛添知事は「事業自体が『民民』の契約で、行政指導には法令上の根拠がない」としながらも「国に法整備を求め、都の指導もさらに進めたい」と述べた。

■2014.3.26  比の2人、看護師合格…静岡
経済連携協定(EPA)に基づきフィリピンから来日し、浜松赤十字病院(静岡県浜松市浜北区)で看護助手として勤務するアビリオル・ルビー・ピンク・モイセスさん(29)とモントヤ・クリスティーン・ジョイ・アルシアガさん(28)が看護師国家試験に合格した。

3度目の挑戦で同病院初の外国人看護師となった2人は「皆さんのおかげで合格できてとてもうれしい」と喜んでいる。

ピンクさんはフィリピンのマニラ、クリスティーンさんはラグナ出身。ともに現地の大学を卒業後、国内外の病院で約4年間働いたが、「日本の医療技術を学びたい」と、2011年5月に来日した。

半年間の研修後、同病院で働き始めた2人。看護助手として半日働いた後、1日8〜10時間勉強に打ち込み、病院と家を往復する日々を送っていたという。

試験は日本人と同じ内容で、飲食物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」など日本人にも難解な言葉も多く、合格率は低い。厚生労働省によると、今年は全国で280人の外国人が受験。29人が合格し、合格率は10・4%の狭き門だった。

試験は原則3年以内に合格しなければならず、「日本語が難しく、プレッシャーだった」と振り返る2人。

奥田康一院長は「2人とも笑顔がチャーミングでとても真面目。日本人のなり手が減る中、刺激になる」と歓迎している。

ピンクさんは外科、クリスティーンさんは循環器科志望といい、「患者さんのために諦めずにサポートしたい」と抱負を語った。

■2014.3.26  離島福祉船「夢ウエル丸」20年ありがとう…岡山
岡山県笠岡市が1993年に離島へ「デイサービスを運ぶ船」として、全国で初めて就航させた福祉船「夢ウエル丸」(99トン)が、3月末で引退する。

約20年にわたり、笠岡諸島の高齢者延べ約9万人以上に健康体操や入浴などの場を提供してきたが、各島にデイサービス施設が整備されるなどしたため、役割を終えることになった。寄港を待ち望んできたお年寄りたちは、長年慣れ親しんだ船の引退を名残惜しんでいる。

かきねの、かきねのまがりかど――。真鍋島の本浦港に停泊中の夢ウエル丸リハビリ室で、お年寄り約20人による童謡「たきび」の合唱が始まった。カラオケに興じた後、健康体操に取り組み、看護師の動きに合わせて腕や肩、足などを動かした。血圧・体温測定を受け、介護福祉士の介助を受けながら数人が入浴。自己負担は、食事代の400円のみだ。寄港は月2回程度で、1回あたり約4時間。お年寄りたちは〈社交場〉で、終始笑顔を見せた。


森本萬都栄さん(84)は「家族に勧められ、5年ほど前から参加した。顔見知りばかりで和気あいあいとして楽しく、運航がなくなるのはさみしい」と惜しみ、就航当初から利用している田中良栄さん(82)は「健康は自分で守りたいと思っており、体操や血圧測定などをしてもらえるのはありがたかった。4月からどのようなサービスを受けられるのか」と不安げだ。

昼食の弁当を食べ終わると、95年から乗船している市生活指導員の中塚俊夫さん(44)が一部のお年寄りを車で島内に送り届けた。寝たきりで9年間風呂に入っていなかった女性を説得し、船で入浴してもらったり、船に来る予定だった独居者が亡くなっているのをスタッフが見つけたりしたこともあったといい、「孫のように話をして楽しんでもらうのが私の仕事。お年寄りの生活の中にウエル丸があった」と振り返る。



同様の船の運航について、厚生労働省や市は「笠岡での運航以降、聞いたことがない」とする。同船の利用者数は97年度の延べ6475人をピークに、2007年度まで4000〜6000人台で推移していたが、同諸島の人口減に伴い急減し、12年度は2473人になった。同年度事業費は約4900万円。国や県が補助した時期もあったが、06年度に打ち切られ、市単独で毎年度4000万〜5000万円を支出してきた。

一方、北木島や白石島、高島、真鍋島で現在、デイサービス施設5施設が稼働しており、島内で福祉サービスを受けられる環境の整備が進む。7島の高齢化率は12年4月現在、市平均の2倍にあたる60%。市は同船運航を終了する代わりに、4月から市社会福祉協議会に業務を委託する形で、同船が寄港する6島に看護師や社会福祉士らが赴き、各島の公民館などでボランティアと共に介護予防のメニューなどを行う予定だ。

31日には、六島前浦港で事業終了記念式が開かれる。同船は来月中に、一般競争入札で売却される予定。



夢ウエル丸は全長25メートル、幅6メートル。船体は白地にグリーンのラインが描かれ、1階にリハビリ室や、リフト付きなど二つの浴槽、2階に親睦交流室、遊歩甲板などを備える。七つの有人島のうち、高島、白石島、北木島、真鍋島、大飛島、六島の6島10寄港地を月2回程度訪問。自力で来ることができない人はスタッフの送迎があり、1寄港地につき20〜50人が参加している。

就航時、有人7島には市人口の約1割にあたる約5000人が住み、高齢化率は3割に上っていた。同諸島には福祉施設がなかったため、デイサービス船構想が持ち上がり、国の地域福祉推進特別対策事業として、約1億9200万円をかけて建造された。

■2014.3.26  自転車、わずか3分で車いすに 西区の永山さん開発、実用化
普段乗っている自転車を災害時などに、救助用の車いすに転用するユニークなアイデアを、名古屋市西区新木町の重機運送会社代表、永山順二さん(56)が実用化した。組み立て直すと車いすに変身する救助用自転車「Qjo(キュウジョ)」。緊急時に自転車で駆け付け、けが人を運んだり、高齢者を避難させたりすることを想定している。

外見は一般的な二十七インチ自転車と変わらない。ちょっと違うのは、前輪の上にある小さな車輪と、ハンドルの下に折り畳まれた二枚の布。布の中には、スパナ一本と金網一枚が入っている。

組み立て方法は、まずスパナを取り出し、ペダル二つを取り外す。次にサドル下のネジを緩め、前輪を後輪の横までスライドさせて、車いすの骨組みを作る。

続いて、サドルをはずして車いすの首の位置に、二枚の布をそれぞれ背と尻の位置に設置する。最後に金網を足を置く所に固定して完成。所要時間は三分ほどだ。

「Qjo」開発のきっかけは、二〇一一年の東日本大震災。永山さんは発生直後にインターネットの動画サイトで、投稿者ががれきだらけの町を自転車から撮影した映像を見て、「こんなとき、もしけが人を見つけたらどうしたらいいのだろう」と考えた。

そこで思い付いたのが、移動と救助の機能を兼ね備える乗り物を作ることだった。がれきの中でも比較的進入しやすい自転車と、けがで動けない人を一人でも運べる車いすの利便性に目を付けた。

もともと機械の修理が得意だった永山さん。自転車と車いすの製図を見ながら、自転車の分解と組み立てを繰り返した。知人の経営コンサルタント会社顧問、森弘さん(60)の助言を受けながら、二年半かけて完成させた。

東日本の被災地では、けがで避難が遅れて津波の犠牲になった人もいた。永山さんは、Qjoを使えば、女性や子どもの力でも人を助けることができるとみている。

組み立てにスパナ以外の工具は不要。ネジは手回しできるようにするなど、誰でも簡単に組み立てられるようにした。自転車のハンドルが車いすを押す部分になる。自転車のブレーキは車いすにしたときもそのまま使え、安全面でも工夫を凝らした。現在、世界知的所有権機関(WIPO)に国際特許を出願中。特許取得後、メーカーに売り込むつもりだ。

永山さんは「もっと軽量化したり、工具を使わずに組み立てたりと、改良の余地はまだある。早く製品として世に出し、人命救助に役立てたい」と話している。

問い合わせは、森さんのメールアドレス=mori@aacl.gr.jp=へ。

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■2014.3.26  災害弱者の名簿作成 各市町村に義務付け 県防災計画 山梨
県は25日、県防災会議(会長・横内正明知事)を甲府・県防災新館で開き、県の防災対策の基本指針「県地域防災計画」を修正した。国の災害対策基本法の改正を受けたもので、避難に支援が必要な人の名簿作成を市町村の義務として位置付けたほか、外国人旅行者の避難誘導に配慮した情報伝達に努めることなどを明記した。

東日本大震災の教訓を踏まえて改正された国の災害対策基本法と防災基本計画では、高齢者や障害者ら自力での避難が困難な災害弱者の名簿を作成し、迅速な避難につなげることを市町村の義務として位置付けている。それを県の計画にも反映させた。名簿作成は、4月から市町村に義務付けられる。

また、住民の責務として食糧や生活必需品を備蓄することを明記。市町村長は住民の円滑な避難に役立つ防災マップの作成を推進するほか、災害時、支援の状況を一元的に把握できる被災者台帳を整備すること、外国人観光客らの避難誘導に配慮することなども盛り込んだ。

改正案は全会一致で了承された。また横内知事はあいさつで、2月の記録的な大雪対応の検証を進めていることに触れ、「速やかに防災計画や各種防災マニュアルに反映させていく」と述べた。

■2014.3.26  看護系学部が増加…「手に職」志向で志願者増
看護系の学部・学科を設置する大学が全国的に増えている。今春新設する16校を含めると226校で、全大学の3割に上る。

看護師は医療現場のニーズが高く、不況による就職難もあって志望者も上昇傾向だ。学生を獲得したい大学にとっても期待できる分野で、来春も新設が相次ぐ見通しだ。

文部科学省によると、看護師国家試験の受験資格が得られる学部や学科を持つ大学は1991年度には11校だったが、95年以降は毎年10校のペースで増え、20年で7倍以上になった。

看護師不足を受け、国は92年に看護師等人材確保促進法を施行、資の高い看護師を養成する看護系大学の設置を促した。こうした背景から短大や専門学校を母体にした看護系大学や学部が誕生、既存の大学でも学部新設の動きが進んだ。

今春の新設数は2006年度の17校に次いで多い。敦賀市立看護大(福井県)など3校が単科大学として新設され、奈良学園大(現奈良産業大、奈良県)など、これまで医療系学部がなかった大学も新規参入する。


既存の学部・学科の定員を増やす大学もあり、今春の入学定員は前年より1675人増の1万9454人と94年度の11倍になる。同志社女子大(京都府)など十数校は来春の学部・学科の新設を計画中だ。

大手予備校・河合塾の調査によると、全国の私立大の看護系学部・学科の志願者は昨春、延べ7万3000人で、10年前の3・8倍に増えた。私大全体の志願者はほぼ横ばいで、看護系の急伸長ぶりが目立つ。

河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは「就職への不安から受験生の資格志向が強く、人気はしばらく続くだろう。ただ、これだけ増えると、教育の質や実習先の確保などで不十分な大学も出てくる。受験生は慎重に比較して志望校を選ぶ必要がある」と指摘する。

「質」維持へ審査厳格化…文科省

文部科学省は、看護教育の質の低下を防ぐため、2015年度(来春)新設分から、看護系学科の設置審査を厳しくする。

学科の新設審査で同省は、教員の教育研究実績や教育課程を重視してきた。しかし、規制緩和の流れで04年度新設分から、理学療法士や放射線技師を養成する「保健衛生学分野」の学科を持つ大学であれば同じ分野の看護系学科新設で手続きが簡易になり、教員の実績は審査からはずれた。

ところが、同省によるとこの施策が裏目に出て、一部の大学で実績が不十分な教員の割合が増える弊害が出始めているという。

4月以降、看護系は保健衛生学分野から切り離される。同じ大学が別のキャンパスに二つ目の看護学科をつくる場合を除き、簡易な審査での新設はできなくなり、教員の実績が厳しく問われることになる。

■2014.3.26  特養待機者、52万人…4年前より10万人増   訂正あり
特別養護老人ホームの入居待機者が全国で約52万2000人に上ることが25日、厚生労働省の集計でわかった。

前回集計(2009年12月)の約42万1000人より10万人以上増えた。高齢化に伴い、入居希望者が増えたためとみられる。

昨年10月1日時点で都道府県が把握している状況を集計した。厚労省は、待機者のうち、介護度が重い「要介護4、5」で自宅で暮らしている約8万6000人(前回比約1万9000人増)について、入居の必要性が高いとみている。

特養ホームの定員は、前回調査の09年度から約7万5000人分増えたが、需要に対し供給が追いついていない。

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2014.3.27  厚労省、特養待機者2千人増に訂正

厚生労働省は26日、特別養護老人ホーム(特養)に入れない待機者の数が2013年度で52万2千人としていたのを、52万4千人と訂正すると発表した。都道府県から集めたデータのうち、島根県の報告分が誤っていたためと説明している。

特養ホームの待機者数は、原則として13年10月1日時点の各都道府県のデータを厚労省が集計し、25日に発表。島根県が、待機者のうち在宅の人を誤って「短期入所生活介護の利用者」のみ計上したため、実際より約2千人少なくなっていた。

厚労省が特養ホームへの入所の優先度がより高いとしている、在宅で重度(要介護4〜5)の人の数も、従来発表の8万6千人から8万7千人へと訂正。前回調査の09年度からの伸び率は、28%から約30%に増えた。

■2014.3.26  孤立化防止へ独自調査 個人情報を外部関係機関と共有 障害ある娘殺害の事件教訓に 滋賀・草津
障害者とその高齢の親の2人世帯で放火・殺人事件が発生したことを受け、滋賀県草津市は、地域から孤立しがちな世帯を対象に、抱えている悩みなどの実態調査を独自に実施した。調査結果や対象世帯の情報を民生委員や関係機関と共有し、今後の「見守り」に生かす。同市によると、この種の個人情報を外部の機関などと共有するのは県内初の試みで、全国でも珍しい。

同市では平成24年12月、自閉症だった37歳の長女の首を73歳の母親が絞めて殺害し、自宅に火をつけ全焼させた事件が発生。大津地裁で「『自分が先に死んだら娘は生きていけない』と思い詰めた経緯は同情できる」などと、殺人の法定刑下限を下回る懲役3年の判決が言い渡された。

この事件を受け、市は同市社会福祉協議会と検討会を発足。高齢者と障害者で構成される世帯など、支援が必要と思われる76世帯を対象に、悩みや相談相手の有無などの実態調査を聞き取りで25年度に実施した。

調査では、通所施設などのサービスを毎日利用する人が57%いるなど、大半が外部と何らかのつながりを持っていた。一方、こうした外部とのつながりがある人を含めた全体の約3割が悩みの相談相手を持たず、いたとしても同居していない親族だった。

調査結果を分析した立命館大産業社会学部の峰島厚教授は「従来は福祉サービスなどを受けていない物理的な孤立が指摘されてきたが、今回の調査では、物理的にはつながっていても悩みが共有されない精神的な孤立があることが分かった」としている。

市は夏までに、個々の聞き取り結果や家族構成などについて、担当する民生委員や関係機関と共有化を図る。通常、個人情報は外部に提供できないが、この調査結果の活用については昨年12月の市情報公開・個人情報保護審議会が「公益上必要がある」と判断した。

橋川渉市長は「痛ましいできごとを二度と繰り返してはいけない。情報の共有で支援の輪を広げ、誰もが幸せに過ごせる社会にしたい」と話している。

■2014.3.27  福祉法人に改善命令 「ずさん会計運営不適切」、県発表 [熊本県]
県は26日、ずさんな会計処理を行うなど運営が不適切として、菊陽町の社会福祉法人「青生会(せいせいかい)」(甲斐利雄理事長)に対し、社会福祉法に基づく改善命令を行ったと発表した。命令は同日付。

同法人は、障害者の就労支援施設や障害者が暮らすグループホームなど3事業所を運営。県によると、支出伝票の一部を作成していないなど、極めてずさんな会計処理が行われているという。理事会の議決を経ずに、理事長が代表取締役を務める有限会社(合志市)や、理事長やその親族から資金を借り入れていた。一方でキノコの収穫など同社からの受託業務費を請求せず、2012年度末時点で未収金は約4890万円に上るという。

県は5月26日までに、具体的な対応策や、原因や責任の所在などを明らかにし、県に報告するよう求めている。利用者計107人の処遇に問題はなかった。

県によると、甲斐理事長は「管理監督が不十分だった。改善に向けてしっかりとやっていく」と話しているという。同法人は毎年、訓練等給付費として、国、県、同町から計約1億2千万円の支給を受けている。

■2014.3.27  介護報酬不正請求:管理者兼医師常勤せず いわき市が社福法人を処分 /福島
いわき市は25日、同市平の社会福祉法人・昌平黌(しょうへいこう)(鈴木久理事長)が設置する介護施設で管理者兼医師を常勤で置かなかったり、不正を隠すために出勤状況を偽ったとして、同法人が運営する5施設・事業所の新規の入所・利用者の受け入れを6カ月間停止する行政処分を発表した。処分は20日付。

常勤ではない場合、介護報酬を3割減算して請求する必要があり、不正請求額は数千万円〜数億円になるとみられ、市は今後精査して返還を求める。

停止処分を受けるのは同市小川町の介護老人保健施設「二ツ箭荘」と、同じ敷地内のデイサービスや通所リハビリテーション施設の4事業所で、期間は4月10日〜10月9日。

市によると、常勤で勤務すべき管理者兼医師について、2008年10月から市の監査があった14年1月まで、常勤(週32時間)せず平均22時間しか勤務していないのに介護報酬を満額請求し受領していた。また、不正を隠ぺいするため、実際より長く働いているように見せかけるタイムカードを作成していた。

■2014.3.27  厚労省、特養待機者2千人増に訂正
厚生労働省は26日、特別養護老人ホーム(特養)に入れない待機者の数が2013年度で52万2千人としていたのを、52万4千人と訂正すると発表した。都道府県から集めたデータのうち、島根県の報告分が誤っていたためと説明している。

特養ホームの待機者数は、原則として13年10月1日時点の各都道府県のデータを厚労省が集計し、25日に発表。島根県が、待機者のうち在宅の人を誤って「短期入所生活介護の利用者」のみ計上したため、実際より約2千人少なくなっていた。

厚労省が特養ホームへの入所の優先度がより高いとしている、在宅で重度(要介護4〜5)の人の数も、従来発表の8万6千人から8万7千人へと訂正。前回調査の09年度からの伸び率は、28%から約30%に増えた。

■2014.3.27  <千葉・福祉センター虐待>入所者死なせた23歳元職員 未熟さ、暴力で補う
◇「ストレスがピークに」

千葉県茂原市の住宅街。11日朝、県警の捜査員に付き添われた若い男がこわばった顔で捜査車両に乗り込んだ。入所者を虐待死させたとして、直後に傷害致死容疑で逮捕された県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の元職員、行方孝美(なめかたたかよし)容疑者(23)だった。気弱でおとなしかった一人息子が本当に他人を死なせたのか。「申し訳ない。でも信じられない」。母(59)の心の中で思いが交錯した。



男性利用者に性的嫌がらせをする。プロレス技をかける。センターでは10年以上にわたって15人以上の職員が23人の障害者を虐待していた。福祉関係者から「最悪の虐待事例」との指摘も出ている。

被害の多くは「強度行動障害」を抱える入所者に集中していた。かみつきや頭突きのような他害行為や、自分の体を傷つける行為が頻繁に表れる障害だ。自閉症を伴う重度知的障害者のように、自分の考えを表現するのが難しい人に多く、相手に意思が伝わらない場合に問題行動を起こすと考えられている。支援が難しく、施設職員には問題行動の理由を理解して対応する高いスキルが求められる。

「心地よく触れあえました」。保育系学科に在籍していた短大時代、行方容疑者は実習で障害者と遊んだ体験を教員にうれしそうに報告し、保育ではなく障害者施設への就職を目指すようになった。

センターで働くと聞いた教員は「あそこは要注意だ」と忠告した。施設を見学した際、施錠して入所者を閉じ込める部屋があるのを見たからだ。悪い予感は「優しく、人付き合いのいい今時の普通の若者」(同級生)だった教え子の逮捕という形で的中した。

行方容疑者は数カ月前から同僚と暴行を繰り返した末、昨年11月24日に入所者の少年(当時19歳)の腹を何度も蹴って死亡させたとして逮捕された。「入浴の指示を聞かない少年に騒がれストレスがピークに達した」。専門的な研修はほとんど受けていない。未熟な支援スキルを補ったのが暴力だった。



2011年春にセンターで働き始めた行方容疑者は、実家を離れて暮らしていた。半年ほど過ぎた頃、母はたまたま家に帰ってきた息子の手に傷痕を見つけた。利用者にかまれたという。「痛いけど手を上げたら最後だから」。自分を納得させるような口ぶりで話したが、その頃から「疲れた」と繰り返すようになった。家賃などに給料の大半が消え、問題が起きると休日返上だとぼやいた。

「家はホッとする」。そう漏らした息子に「辞めて帰ってきたら?」と声を掛けたことがある。そんなことを言ったから、息子は親に心配をかけたくないと自ら逃げ道をふさぎ、追い詰められて暴力に頼ったのか。母の自問自答は続いている。


千葉県立袖ケ浦福祉センターの障害者虐待事件が発覚して3カ月。職員のスキル不足や、運営を委託先に丸投げしてきた行政の責任など多くの問題点が指摘されている。全国で相次ぐ施設での障害者虐待を防ぐために何が必要か。事件を通じて考えたい。


◇袖ケ浦福祉センター
1966年に千葉県が設立した障害者支援施設。三つの入所施設があり、在宅では支援が難しい障害者を積極的に受け入れている。昨年12月時点の入所者は計244人。県は設立当初から社会福祉法人「千葉県社会福祉事業団」(職員340人)に運営を委託している。

■2014.3.27  コーヒー豆好評 手作業で一粒ずつ選別
知的障害者の自立支援施設「山科工房」(京都市山科区)が自家焙煎(ばいせん)して売り出すコーヒー豆が人気だ。利用者が、仕入れた豆を一つずつ見ながら、虫食いや変形のある不良品を取り除いている。むらのない新鮮な味わいが好評で、施設に通う北川湧一さん(23)は「おいしいコーヒーになるように、これからも丁寧に作業したい」と張り切っている。

利用者が手軽に参加できることから、同工房では昨年4月に取り入れた。府内の作業所として事業化するのは初めてだという。手作業で豆を選別する「ハンドピック」を施した豆は、手間がかかることから高級品だが、同工房では利益を抑えて安価に販売している。

10人ほどが一日5時間以上もかけて仕分けする。えりすぐった豆を焙煎器にかけ、ドライヤーやふるいを使って、雑味の原因となる皮を除去する徹底ぶりだ。ラベル貼りなどの包装やビラ配りも利用者が手掛けている。

工房で行う企業の下請け作業は、個人の能力や適性で仕事を決めており、時には劣等感を抱える利用者もいたというが、コーヒー事業は誰でも参加でき、働く楽しさを実感しているという。導入から1年足らずで個人や喫茶店、会社など複数の取引先もできた。

スタッフの坂口香織さん(38)は「おいしいと反響があるとみんなの励みになる。お客さんに喜んでもらいたい一心で頑張っているので、ぜひ試してほしい」と話している。

レギュラーブラジルやマンデリンなど全4種類を販売。100グラム220円から。同工房TEL075(593)7070。
メール:yamashinacoffee@yahoo.co.jp

■2014.3.28  職員配置転換 職場復帰や謝罪を
労働組合活動などを理由にした老人ホーム職員の配置転換で、県労働委員会から是正命令を受けた社会福祉法人ひまわりの会(川崎市麻生区、千葉新也理事長)の再審査の申し立てに対し、中央労働委員会は二十七日、申し立て棄却の命令書を関係者に交付した。中央委としても是正命令を出した形だ。

命令書などによると、法人は二〇一一年四月、有料老人ホームで生活相談員の責任者をしていた佐藤正樹さん(44)を、特別養護老人ホームの運転手に配置転換するなどした。佐藤さんは、全国福祉保育労働組合県本部の分会で活動していた。

昨年三月の県委命令に対し、同法人は同月に再審査を申し立て。棄却により、法人にはあらためて佐藤さんを元の職場に戻すことや謝罪の対応が求められることになった。

佐藤さんらは二十七日、川崎市役所で会見。同法人が昨年五月と八月の市による社会福祉法人指導監査で、契約書や稟議(りんぎ)書がないなど会計記録の改善を求められていることも明かし、「県委の命令後も対応が改善されなかった。市も是正に介入してほしい」と訴えた。

命令が確定しても同法人が対応しない場合、違反に対する科料があるという。

ひまわりの会は「担当者がいないので分からない」としている。

■2014.3.28  豊明会事件 前理事長に無罪判決 地裁「横領の認定困難」
運営費を着服したとして業務上横領罪に問われた栗原市若柳川北、社会福祉法人「豊明会」前理事長石橋英治被告(55)の判決公判で、仙台地裁(河村俊哉裁判長)は27日、無罪(求刑懲役2年6月)を言い渡した。

石橋被告は2008年4月〜10年3月、職員に指示するなどして法人用の預金口座から7回にわたって現金計840万円を払い戻し、個人用の口座に約790万円を入金して横領したとして起訴されていた。

公判は、払い戻しが被告の意思に基づいて入金するためだったのか、払い戻された現金が入金の原資だったのかが主に争われた。

河村裁判長は「どういう指示をして出入金をさせたかという被告の横領行為への具体的な関与を認定するのが困難」と指摘。7回の出入金の状況を個別に検討し「入金の原資は被告や知人が用意することもできた。払い戻しと入金の時間や額が近いだけで横領とは推認できない」と判断した。

閉廷後、石橋被告は「ずっと無罪になると信じていた。率直にホッとしている」と話した。

仙台地検の吉田安志次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」との談話を出した。

業務上横領容疑で石橋被告を宮城県警に告発した県は「監査で証拠を集め、告発に十分値する内容だと考えていた。地検の対応を見守りたい」(社会福祉課)と話した。

■2014.3.28  改善命令:勤務実態ない職員に給与、「みつき福祉会」処分 松江市 /島根
松江市は27日、勤務実態のない職員に10年余りにわたり給与計約4200万円を支出したように装ったとして、松江市西津田7の社会福祉法人「みつき福祉会」(神門勉理事長)に対し、法人運営の適正化を求める改善命令を出した。

市監査指導課によると、同会は2003年4月から2013年12月の間、運営する保育所で事務員1人に対し、勤務実態がなかった分の給与計約4200万円を支出。市にも虚偽の報告をしていたという。この事務員は神門理事長の親族で会計操作は知らされていなかった。神門理事長がこの給与分を市内の別の社会福祉法人に寄付していた。昨年10月、市の監査で発覚した。

同会は不正の事実を認め、「原因を調査し、今後は適切に対応していきたい」としている。

■2014.3.28  米子の女性殺害:泉被告、放火は不起訴処分 /鳥取
1月に米子市で全焼した集合住宅の一室からこの部屋に住む角好江さん(当時72歳)が遺体で見つかった事件で、鳥取地検は27日、現住建造物等放火容疑で逮捕された米子市上福原、老人福祉施設の元パート職員、泉修一被告(62)=殺人罪で既に起訴=を不起訴処分にした。理由について、地検の宮地佐都季次席検事は「証拠を総合的に考慮した」と説明した。

県警は、角さんの口や鼻を手で塞ぎ、窒息死させたとして、1月7日に殺人容疑で逮捕。その後、現住建造物等放火容疑でも調べていたが、米子市美吉の角さん方に火を放ち、延べ約22・4平方メートルを焼いたとして再逮捕したのは今月6日だった。泉被告は「記憶に無い部分もある」として容疑を否認。捜査関係者は再逮捕直前、「証拠収集や証拠固めに時間がかかっている」と話していた。

泉被告は、1月28日に殺人罪で起訴されている。

■2014.3.28  出口なき園:千葉・福祉センター虐待/連携の動き、少しずつ 罪悪感、物言えぬ親
「虐待なんてないと信じていたのに」。昨年12月13日、千葉県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」が開いた保護者説明会に出席した女性(44)は、がくぜんとした。「養育園」に入所する長男(16)に対し、職員が就寝中に無理やり目を開ける虐待をしていたと知らされたからだ。

長男は問題行動が頻繁に表れる「強度行動障害」の傾向があった。突然、海に飛び込んでサーファーに助けられ、おなかがすくとクレヨンや土を食べた。片時も目を離せず、トイレのドアも開けっ放しにした。疲れ果てて2007年にセンターに預けたが、「親の務めを果たしていない」と罪悪感にかられた。「園に子供を預けているのは心中の一歩手前まで頑張った親ばかりです」

数年前から窓ガラスに黒っぽいフィルムが張られ一時帰宅の送迎の際も中に入れなくなった。「外の刺激でパニックになる入所者がいる」という理由だった。閉鎖的になっていく施設に不信感を抱いたが、引け目を感じて意見を言えなかった。

今年の正月。虐待発覚後、初めて一時帰宅した長男は、寝床で体に手を回すような仕草をした。固く抱きしめると、いとおしさが募った。



03年に養育園に入所した男性は、けがが絶えなかった。11年には背中に手のひらほどの大きさのやけどを負ったが、職員は「ドライヤーが接触した」と説明した。両親は虐待を疑ったが、問い詰められなかった。

20以上の施設に入所を申請してきたが、認められたのはセンターだけだった。他は待機者リストに載ったままだ。親の弱い立場を背景に、言葉で被害を訴えられない障害者に対する虐待が、密室で何年も続いてきた。

両親は「一人ひとりでは保護者の立場も弱い。でも、まとまっていたら言えたこともあった」と悔やむ。保護者の間では自分たちで連絡網を作って連携しようという動きがようやく出始めた。

「本当に優しい子だったので、自分が犠牲となって障害者施設の現状を明るみに出したのだと思います」

虐待を受けて死亡した少年(当時19歳)の母は弁護士を通じて記者にメールを寄せた。「入所した時は『これで良かったんだ』と思わせてくれるような場所でした。県が管理しているということで完全に信用しきっていました」。文面に憤りがにじむ。「県が支援の在り方をどう変えて行くのか、見続けます」

センターの虐待被害者は死亡した少年を含めて23人。新たな受け入れ先が見つかったのは3人に過ぎない。

■2014.3.28  外国人介護福祉士、78人が合格
経済連携協定(EPA)に基づく外国人介護福祉士候補者の受け入れ事業で、厚生労働省は27日、インドネシア人46人とフィリピン人32人の計78人が、介護福祉士国家試験に合格したと発表した。

計215人(インドネシア人107人、フィリピン人108人)が受験し、合格率は36・3%。昨年度より3・5ポイント下がった。だが、初受験者の合格率は54・1%で、前年度より15・3ポイントと大幅に上昇した。国別では、インドネシア人が57・1%(昨年度比11・3ポイント増)、フィリピン人は50%(同19・6ポイント増)だった。

厚労省は「2010年度から、日本語学校への通学などの学習支援を強化したことが、成果につながった」とみている。

■2014.3.29  働く世代「眠れない時は布団から出る」のがコツ
国立精神・神経医療研究センターの三島和夫・精神生理研究部長が28日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、不眠の対処法について解説した。

国の新しい指針では、8時間以上の睡眠が必要なのは10代前半までで、中高年は6.5〜6時間が標準とされたことを紹介。働く世代は、「眠れない時は布団から出る」ことがよく眠るコツとし、「眠れずに悶々もんもんと横になる時間が長いほど緊張感が増し、寝床恐怖になっている」と説明した。

■2014.3.30  千葉・福祉センター虐待/ 安心させる工夫を 支援方法の共有が重要
午前8時が近付くと、タンスから気に入った靴下を取り出す。特別支援学校行きのスクールバスが間もなく到着する時間だ。東京都国立市の障害児施設「滝乃川学園」。約4畳半の居室で入所者の少年(16)が制服に着替えて身支度をしていた。引き出しには、中に入っている衣類の写真が張ってある。

少年は自分を傷つけたり、物事に激しくこだわったりする問題行動が頻繁に表れる「強度行動障害」がある。千葉県の「袖ケ浦福祉センター」で職員から虐待を受けていた入所者と同じだ。理解できない情報に強い不安を感じる一方、「ヤダ」「ダメ」など簡単な言葉しか使えないため、うまく意思を伝えられない。

施設長の本多公恵さん(54)は「問題行動は不安から自分を守ろうとする意思の表れ」と話す。少年が入浴する時には体を洗う順番を絵にしたカードを一枚ずつめくって見せ、視覚を通じてコミュニケーションを図った。決まった日課を繰り返す生活は安心につながり、少年は少しずつ穏やかになった。

学園は1891年に設立された国内初の知的障害者向け施設だ。だが、福祉現場歴30年以上の本多さんが強度行動障害者の支援方法を知ったのは、7年前に参加した専門家向けの研修だった。

強度行動障害の概念は、神奈川県の障害者施設「弘済学園」の元園長が1980年代後半に提唱したのが最初とされる。最近になって、一人一人の問題行動がどんな状況で起きるのかを把握し、リラックスできる環境を整えることが重要だと考えられるようになった。

神奈川県立「中井やまゆり園」では「体育座り」をしないと食事ができない人にはそれに合った椅子を作る。「テレビ」「トイレ」。それぞれの写真を見せて次の行動を伝えることで安心させる工夫もしている。職員研修や毎月の家族会などで園内の情報も広く共有する。「家族にも見てもらえる支援を心掛けている」という。

袖ケ浦福祉センターにも行動障害に精通した職員が一部にいた。だが、知識は共有されず、未熟な職員が入所者を暴力で抑え込む負の連鎖が起きた。県は運営を委託先の法人に事実上丸投げしていた。第三者検証委員会の座長を務める佐藤彰一弁護士は「閉鎖的な施設なら、どこでも起こり得る」と強調する。

支援の難しい人たちが安心して暮らせる居場所を、どれだけ整えられるのか。田畑に囲まれた施設で繰り返されてきた陰湿な虐待は、重い課題を投げ掛けている。


入浴の際、強度行動障害のある入所者が洗ってほしい体の部分を職員に伝えるために使うカード
 http://social-welfare.rgr.jp/img/bccc2zg.PNG

■2014.3.30  ラーメン25名店巡ろう 京阪神でラリー、収益を障害者に
都、兵庫、大阪の2府1県で、ラーメン店を巡るチャリティースタンプラリー「関西らぁ祭」が開かれている。ラーメンファンが各店に呼び掛けて実現した。今年は収益金で障害者にラーメンを楽しんでもらう。ファンたちの熱い思いを、多くの人に届ける。

らあ祭は2013年7月、兵庫県で始まった。年間600杯ものラーメンを食べるという実行委員長の工務店経営大坂智也さん(40)=兵庫県尼崎市=が、県内の店主に呼び掛け、11店舗で実施した。ラーメンを通じて社会貢献するねらいだ。収益金は、関西の大学生たちのラーメンイベントの支援に充てた。

今年は大坂さんが仲間に声を掛け、京都と兵庫・大阪の二つのコースを企画した。メンバーがこれまでに食べ歩いた店などを回り、趣旨に賛同した3府県計25店が参加。京都では12店で行われる。

スタンプは、一杯につき一つもらえる。トッピング無料などのサービスが受けられ、16マス全てを埋めると、参加店舗名が書かれた限定の丼がもらえる。

今年は、売上金の一部を活用し、障害者支援施設などでラーメンの炊き出しを行う。実行委の一人、CD販売業村田浩二さん(44)=京都市山科区=は「『店内で大きな声を出して、ほかの客に迷惑になるので外食しづらい』という声を障害者の家族から聞いた。ぜひラーメンを楽しんでもらいたい」と話す。参加店舗の協力で作った限定ラーメンの通信販売も資金にあてる。

実行委メンバーは「数百円でこんなに多くの人が楽しめるものはない」と口をそろえる。大坂さんは「ラーメンのすばらしさをできるだけ多くの人が楽しむ機会になれば」と期待している。

6月1日まで。京都の限定ラーメンの通信販売対象区域は京都市内のみ。問い合わせは「らぁ祭」のホームページから。

京都府内の参加店は以下の通り。

京都市中京区=セアブラノ神、山ア麺二郎、京都龍旗信、京都千丸しゃかりき、拳10ラーメン▽下京区=京都塩元帥、麺屋猪一、拳ラーメン▽北区=らーめん壱馬力▽右京区=らーめん鶴武者▽左京区=つけめん惠那く、ラーメン池田屋、幻の中華そば加藤屋百万遍にぼ次朗、一乗寺ブギー▽山科区=麺屋夢人▽京田辺市=京田辺塩元帥

■2014.3.31  障害福祉の父 鳥取出身・糸賀氏生誕100年
終戦直後から高度成長期にかけて、知的障害児や重症心身障害者らの支援に尽力した鳥取市出身の糸賀一雄氏(1914〜68年)の生誕から今年で100年を迎える。

主な活動の場だった滋賀県では誕生日の29日に記念式典が行われたほか、古里の鳥取県内では来月、フォーラムなど記念行事が予定されており、「日本の障害福祉の父」とたたえられる糸賀氏の業績に再び注目が集まっている。

糸賀氏は1914年3月29日、鳥取市立川町に生誕し、旧制鳥取二中(現・鳥取東高)や京都帝国大(現・京都大)などを経て、滋賀県職員となった。

終戦直後の46年、社会の障害者に対する理解が乏しい中、仲間と共に知的障害児や戦災孤児のため、「この子らにこそ教育と医療が必要」と療育施設「近江学園」を大津市に創設し、自ら園長となって生徒と寝食を共にし、生徒の教育や施設の運営などに携わった。63年には、西日本で初めて重症心身障害者のための施設「びわこ学園」を開くなど、多くの先駆的な施策を主導し、障害者福祉の道を切りひらいた。

29日に滋賀県栗東市の施設で始まった記念式典では、フォーク歌手・小室等さんのプロデュースで、「ほほえむちから」をテーマにプロ、アマチュアの音楽家と障害者らが共演した。

サックス奏者の坂田明さんらは、ダンスを愛好する障害者グループの約30人と一緒に、演奏に合わせて体を動かしたり声を出したりと即興の舞台を披露。大津市の知的障害者の打楽器グループは、弦楽器で奏でるポルカやワルツに乗せ、思い思いに太鼓を打つなどした。30日は、小説家・大江健三郎氏の記念講演(受付終了)などがある。

鳥取県内では、4月12日午後1時半、鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館で、生誕100周年記念フォーラムが開かれ、元びわこ学園園長・高谷清氏の講演や、平井知事も交えた座談会がある。同日夕からは、鳥取砂丘で、障害者らがろうそくの光で糸賀氏の言葉「この子らを世の光に」を描くイベントがある。

県全国障がい者芸術・文化祭課の小林真司課長は「糸賀氏の思いや業績、その理念を受け継いでいる福祉の現状を知ってほしい。合わせて、7月から開かれる全国障がい者芸術・文化祭についても興味を持ってもらえれば」と話している。

 県内行事の問い合わせは同課

■2014.3.31  糸賀氏生誕100周年祝う 栗東で障害者福祉功労表彰も
障害者福祉の父と呼ばれる故糸賀一雄氏の生誕百年を祝う記念式典が二十九、三十の両日、栗東市の栗東芸術文化会館さきらで開かれた。参加者は、障害者と家族が安心して生活できる社会の実現に向け、思いを新たにした。

県や県社会福祉事業団などでつくる実行委員会の主催。谷川俊太郎さん作詞の曲に乗せ、障害者が演奏に加わったりダンスしたりするライブパフォーマンスや、作家の大江健三郎さんが支え合いながら生きる社会づくりについて話す記念講演などがあった。

三十日は障害者福祉への活動実績が多大な個人、団体に贈る「糸賀一雄記念賞」の表彰式があった。重症心身障害者施設の医療、療育向上に携わってきた障害者自立支援施設・むれやま荘(草津市)の島田司巳(もりみ)総合施設長と、在宅障害者を訪問支援する社会福祉法人あさみどりの会(名古屋市)の代表者にそれぞれ賞状が手渡された。

■2014.3.31  神戸の12福祉事業所 統一ブランドで枕とテディベア製品に
神戸市内で菓子や織物などを作る福祉事業所12施設が、統一ブランド「神戸ハンドメイドコレクション 杜(もり)」を立ち上げ、第1弾として国産ヒノキのチップを詰めた枕と「さをり織り」で仕上げたテディベアを完成させた。

ブランドは2009年春、高品質な商品作りを目指して長田、須磨、西区の施設で立ち上げた。継続販売が可能、原価が適正といった9条件を満たした商品を認定する。ただ、少人数の事業所ゆえ同じ製品を作り続けるのが難しく、5年にして初の商品となった。

第1弾となった枕は、長田区菅原通4の「スマイルショップ花」が製作した。カバーの中に防臭効果があるとされる国産ヒノキの間伐材を詰めており、ゴムバンドで固定すれば車のシート枕として使える。施設長の矢内八千代さん(50)=北区=は「木材を再利用しているから、環境にも優しい」と話す。

テディベアを作ったのは、西区美賀多台1の「ワークスタジオ・グレイス」。在籍する障害者がさをり織りで編んだ布地を使い、約25センチのぬいぐるみを1体ずつ手作りしている。代表の島田澄子さん(66)=西区=は「柄や表情が異なり、世界にただ一つしかない商品」と力を込める。

現在、いずれも販売場所が施設に限られており、商品を置いてくれる店を募っている。

枕は2500円(スマイルショップ花TEL078・579・2613)。
テディベアは2千円〜(ワークスタジオ・グレイスTEL078・992・4142)。

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■2014.3.31  消費増税:高齢者の生活打撃…老人ホーム、配食値上げ /沖縄
目前に迫る消費増税が、高齢者福祉の現場に影を落としている。有料老人ホーム利用料やデイケア利用者の弁当代などは上がり、利用者からはため息がもれる。一方、事業者も介護の質の維持に頭を痛める。医療や介護などの社会保障維持という名目の増税だが、還元の実感も得られぬまま、毎日の負担増が高齢者の生活を直撃しそうだ。

県内各地の有料老人ホームは消費増税に伴い利用料値上げを決めた。沖縄市大里の有料老人ホーム「にへでほーむ」では4月1日から改定料金を適用する。光熱費を含む管理費や食費などに増税分の3%を上乗せする。利用者1人当たり月1850円(30日間利用)、年間で2万2200円の値上げだ。管理者の山田義史さんは「現在、食費は1食400円。すでにぎりぎりの価格設定だ。介護の質を落とさないためにも値上げせざるを得ない」と苦しい胸の内を語る。

比較的料金が安い特別養護老人ホームの県内待機者は約5千人と入所が難しく、有料老人ホームを利用せざるを得ないのが実情だ。「にへでほーむ」に入所する96歳の姉に会いに来た70代女性=沖縄市=は「増税で高齢者の生活が楽になる実感は湧かず、むしろ国は弱者を切り捨てるんじゃないかと心配だ」と不安を口にした。

病後の在宅治療食やデイサービス利用者の弁当などといった配食サービスの現場では、値上げする業者もある一方、見送った法人もある。料金を据え置いた本島南部のある社会福祉法人は約100世帯に宅配する。食材負担が最も大きいが、刻み食など制限食作りの手間も大きい。もともと赤字運営だが、さらなる負担増に頭を痛める。職員は「食材費高騰があっても値段を上げずにやってきた。毎日利用してくれる高齢者が多く、わずかな値上げも大きな負担増になる」と話す。

「消費税をなくす沖縄の会」代表を務める豊村朝英さん(64)=与那原町=は「もっと国民が怒らなくてはいけない」と増税に異議を唱える。妻茂美さん(65)が利用する宅配の糖尿病制限食(1日3食)はひと月で4750円値上がりし、4万3千円近くと年金生活を直撃する。「生活費を切り詰めるどころでなく、物を買わなくなることだって起こり得る」と心配する。

■2014.3.31  「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」事務局長・古賀知夫さん /福岡
◇社会の隅っこおかしい 笑顔に励まされ広がる活動 古賀知夫さん(60)=城南区

「障がい者差別禁止条例」を制定する動きが全国の自治体で活発化している。九州でも長崎や沖縄などで制定され、平和への視座を盛り込むなどそれぞれの土地の歴史に合った条例が生まれている。福岡市南区の知的障害者施設「かしはらホーム」所長を務める古賀さんも福岡市に条例を作ろうと、昨年夏からさまざまな団体の関係者らと会合を重ねている。

「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」には身体、知的、精神など40の障害者団体が参画している。支援者だけでなく当事者も出席するので資料作りや会議の進め方一つから考えるという。手話はもちろん、知的障害向けには分かりやすい言葉で、発達障害向けには曖昧な表現を避ける。

「さまざまな障害のある人たちが集まるのは初めてのことなので、お互いの障害を認識し合う良い機会になっている」と古賀さん。「障害者同士の差別はないか」など、はっとさせられる意見もあるという。4月以降、1000人以上を目標に障害者の差別体験をアンケートで集めて、条例づくりに反映させていくつもりだ。

古賀さんは「最も重要なのは市民への理解を深めること。理解がないと条例はできない」と言う。今後、市民に条例案を示すなどして意見を聴いていく予定で、4月16日には誰でも参加できる集いを開く。

古賀さんが障害者福祉と関わるようになったのは学生時代のボランティア活動。小さな作業所は金に困り、バザーをやってどうにか運営してきた。それから約40年間、障害者やスタッフの笑顔に励まされ、活動の輪も自然と広がっていった。

原発事故によって地域で障害者を支える仕組みがズタズタになった福島県の障害者施設にも支援に出向き、震災直後からこれまでに40回は足を運んだ。佐賀市で警察官に取り押さえられた後、急死した知的障害のある男性の遺族の支援にも当たっている。

「障害者は本人に何も悪いことがないのに、社会の隅っこに追いやられてしまう社会はおかしい」。最初に感じた思いが今も活動の原動力になっている。

集いは4月16日午後1時、福岡市中央区荒戸3の市市民福祉プラザ。長崎県の条例づくりに関わった同県手をつなぐ育成会会長の講演のほか、障害者が社会への思いなどを発表する。要予約。問い合わせは福岡市身体障害者福祉協会

■2014.3.31  袖ケ浦・虐待:施設元職員を起訴 入所者暴行死で
千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の虐待事件で、千葉地検は31日、入所者の少年(当時19歳)を暴行死させたとして、元職員で派遣社員、行方(なめかた)孝美(たかよし)容疑者(23)=同県茂原市高師=を傷害致死罪で起訴した。

起訴状などによると昨年11月24日、センターの「養育園」のソファで横になっていた少年の腹を数回蹴り、同26日未明、腹膜炎で死亡させたとされる。行方被告は「騒いでいた少年を注意したが、聞いてくれずストレスがピークに達した」などと供述しているという。被告以外の同僚4人=全員解雇=も複数の入所者を日常的に暴行していたといい、県警は捜査を続けている。

一方、センターの運営法人「千葉県社会福祉事業団」は31日、当面の改善計画を発表した。
(1)センターの「虐待防止委員会」の委員に、外部から専門家や保護者代表を招く(2)採用試験に職場体験を盛り込み、若手職員には社会人としてのマナーや接遇の研修を行う−−などを挙げ、「信頼回復に一丸となって取り組む」としている。

 

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