残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2014年 
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 2014. 8. 1 障害児名で書類郵送、京都府に批判 保護者「配慮欠く」 
 2014. 8. 1 障害年金に必要な「初診日」、第三者証言で認定  大阪地裁判決で判断…不支給処分取り消し
 2014. 8. 1 死ぬまで働け と誓約書を書かせた「ブラック介護施設」寿寿  暗躍するブローカーは増加必至
 2014. 8. 1 労基法違反:介護事業所で急増 昨年、サービス残業は3倍 /埼玉
 2014. 8. 1 モデル事業に選ばれたサ高住が運営を開始 東京都 信愛報恩会 賢心会
 2014. 8. 1 徳島 高齢社会のあり方考えて 移動スーパー奮闘記出版
 2014. 8. 1 努力しても報われない  参議院議員・医師 桜井充
 2014. 8. 2 社会福祉法人福成会 就労支援「評価表」紹介 9事業所発表会 /兵庫
 2014. 8. 2 健康マージャンが高齢者に人気 田辺、楽しく認知症予防
 2014. 8. 2 青森県むつ市の障がい児入所施設で50歳代の男性指導員が男子生徒の体を触る性的虐待
 2014. 8. 2 むつ市の施設で児童虐待
 2014. 8. 3 佐世保市の高1同級生殺害事件  精神科医が佐世保こども・女性・障害者支援センターに「このままでは人を殺しかねない」という趣旨の相談
 2014. 8. 3 佐世保市の高1同級生殺害事件  少女の精神鑑定請求へ 地検
 2014. 8. 3 佐世保市の高1同級生殺害事件  「人を殺しかねない」と警告 専門家は「殺人因子」どう見分ける
 2014. 8. 3 佐世保市の高1同級生殺害事件  アスペルガー症候群について誤解を招く発言を謝罪  中央大学法学部名誉教授・藤本哲也  ジャーナリストの青木理
 2014. 8. 3 佐世保市の高1同級生殺害事件  「同級生殺害」加害女生徒は発達障害?知識面は高校生でも情緒的には小学生以下
 2014. 8. 4 知的障害者絵画展:独創的に描く動物、花 「優しい色遣い感じて」 尼崎 /兵庫
 2014. 8. 4 浜田市、障がい者雇用優良事業所を表彰へ
 2014. 8. 4 自閉症の原因・症状・特徴
 2014. 8. 5 料理研究家考案の配送弁当 障害者を後押し
 2014. 8. 5 初の5千件超え 滋賀の昨年度児童虐待 近隣住民からの通告が最多、家族からはゼロ
 2014. 8. 5 自閉症の遺伝子診断は幻想 フランス分子生物学者が講演
 2014. 8. 5 岡本太郎とアール・ブリュット 表現とは?作品並べ問いかけ 川崎の美術館 /神奈川
 2014. 8. 5 自閉症の対処法・治療法
 2014. 8. 6 大企業"最高益"の一方…5月の「生活保護受給世帯」、過去最多の160万3093世帯
 2014. 8. 6 発達障害者の就労一層の理解を 20日・神戸で講演会
 2014. 8. 6 安川電機:歩行支援装置、臨床研究会発足 歩行アシスト装置「ReWalk」
 2014. 8. 6 自宅での看取りを支援する「看取り士」とは
 2014. 8. 6 日本の看取りを考える全国大会 24日 東京・新宿で、参加無料 /東京
 2014. 8. 6 押しやすさを追求! 介護者に優しい車いすハンドル
 2014. 8. 6  「太陽の家」が結んだ絆 中村博士との 足跡紹介
 2014. 8. 6 「学習障害」の特徴や治療方法はどうなっているの?
 2014. 8. 7 介護利用、最多566万人 13年度厚労省調査
 2014. 8. 7 <署名活動も実施中>厚労省に介護報酬改定の要望書を提出――NCCU
 2014. 8. 8 企業が社会福祉法人再生 京都の病院、初の私的整理 社会福祉法人宇治病院
 2014. 8. 8 袖ケ浦福祉虐待、千葉県の責任厳しく指摘 検証委が最終答申
 2014. 8. 8 <労働時間や割増賃金で>介護現場の73.4%ので労働基法違反――厚労省埼玉労働局
 2014. 8. 8 社会福祉法人紫峯会 認可保育所で2億1000万円 前園長と母、飲食・光熱費 大阪・吹田
 2014. 8. 8 袖ケ浦「養育園」虐待死 組織の閉鎖性指摘
 2014. 8. 8 聴覚障害者の不安解消へ 救急車に情報伝達ボード 富士宮
 2014. 8. 8 「駐禁除外標章」の不正使用が急増 兵庫県内
 2014. 8. 9 不正流用:社会福祉法人監査の大阪府 一部の不正放置 社福法人紫峯会
 2014. 8. 9 心停止82分の男性が回復し退院 後遺症なしでは国内最長か
 2014. 8. 9 江津の保育所経費横領:元職員に有罪判決 地裁浜田支部 /島根
 2014. 8. 9 東日本大震災:東北の障害者施設、支援販売会始まる 川崎 /神奈川
 2014. 8. 9 金沢市の小規模通所介護施設・リビングデイサービス 東日本大震災の被災地支援のために利用者らが作ったぬいぐるみでオークション作品展
 2014. 8. 9 防災ハンドブック作製 県支援センター、発達障害者・家族向け 徳島県
 2014. 8. 9 障がい者の社会参加促進目指す巨峰栽培、収穫に福祉施設入所者も招待
 2014. 8. 9 <総務省調査>一人暮らし高齢者が急増し親子で近距離に住む傾向に
 2014. 8.10 A 累犯障害者  精神年齢「4歳」、「刑罰」を理解できぬ常習犯
 2014. 8.10 B 累犯障害者  法廷で叫んだ「おれ、めんきょとってくるまかう」…福祉も限界「今回は無罪にならぬほうがいい」
 2014. 8.10 C 累犯障害者   「IQ25」の被告、見つからぬ社会の“居場所”…刑罰か福祉か、どちらも不十分の現状
 2014. 8.10 @累犯障害者  刑務所出所後の“楽園”専用福祉施設の「毎日」…刑務所とは違う役割、暴れても「制圧」しない
 2014. 8.10 A累犯障害者  それでも脱走する累犯障害者の“心理”…20代女性入所者は男部屋に忍び込もうとした
 2014. 8.10 B累犯障害者  刑務所に入れられることへの不安がない累犯障害者、“刑罰”の無力…福祉はどこまで有効か、取り残される「被害者感情」
 2014. 8.10 ビタミンD不足者は痴呆やアルツハイマー病にかかりやすい
 2014. 8.10 ハンセン病療養所職員を増員 厚労省計画、政府特例方針受け
 2014. 8.11 介護現場、56.5%が人手不足 13年度実態調査
 2014. 8.12 教訓生かされず…なぜ園児のプール事故再発する?
 2014. 8.12 累犯障害者  「1審は被告の刑事責任能力を誤解し、悪質な犯行」…累犯障害の男に逆転有罪 大阪高裁
 2014. 8.12 累犯障害者  「支援途切れる」「一般的な良識に合致しない」累犯障害者の有罪判決に関係者ら苦悩 
 2014. 8.13 2人乗り「タンデム自転車」 公道走行には多くの制限
 2014. 8.13 みんなに親しまれる愛称を 「新しい介護食品」のキャッチフレーズを募集 農水省
 2014. 8.13 あの人気俳優も告白!発達障害のこと、きちんと知っていますか?
 2014. 8.14 高齢者の家事、500円で引き受け 京都・久御山
 2014. 8.14 私的流用・高額報酬…社福法人、理事会機能せず
 2014. 8.14 ベトナム人就労15日開始 看護師・介護福祉士の候補者138人
 2014. 8.14 深夜の老人ホームで火事、入居者ら17人全員無事 名古屋
 2014. 8.14 介護不要の体力作り…55歳以上限定ジム  医療法人社団日高会 エムダブルエス日高
 2014. 8.14 特養職員は「徘徊」に苦労−全国老施協が調査
 2014. 8.15 最新の終活事情に関する意識調査で、親世代と子世代に考えの違いが
 2014. 8.15 口コミ情報から介護施設を検索、「介護のほんね」サービス開始
 2014. 8.15 中国の介護事業者と北京市に合弁会社を設立――ニチイ学館
 2014. 8.15 約80%が飲み込みに重要な「食塊」の意味を知らない――日清オイリオ調査
 2014. 8.16 社会福祉40法人、職員が着服 2009〜13年 読売新聞の調査
 2014. 8.16 国立ハンセン病療養所の介護・看護職員増員へ
 2014. 8.16 特別支援学校在籍者が過去最多 8割が知的障害の児童・生徒
 2014. 8.16 ローソンが「介護コンビニ」 ケアマネ配置し高齢者支援
 2014. 8.16 子供遺棄・置き去り:過去5年間で891人 2歳以下4割
 2014. 8.17 厚労省が個人情報22人分漏洩
 2014. 8.17 被災の特養「慈恵園」が再出発 南三陸
 2014. 8.18 高齢者に暴行の疑い 介護士を逮捕
 2014. 8.18 交差点で車にはねられ2人死傷、運転の介護士逮捕
 2014. 8.18 厚労省、特養の相部屋整備も支援 施設不足受け、個室化推進を修正
 2014. 8.19 真鶴のホームで入所者殴りけが 容疑の介護士逮捕 /神奈川
 2014. 8.21 特養は個室か相部屋か
 2014. 8.21 ホームヘルプ車購入 県共同募金助成金で伊東・碧の園
 2014. 8.21 <サッカー>知的障害者W杯 日本代表が初の決勝T進出
 2014. 8.21 「老人」6人のアート展 滋賀・近江八幡
 2014. 8.21 大人のアスペルガー症候群って?二次障害を引き起こさないためには?
 2014. 8.21 問題の核心は? 社会福祉法人の存在意義
 2014. 8.21 在宅介護でストレス8割 3人に1人「憎しみ」も 連合、家族の意識調査
 2014. 8.21 下着売り場で介護中マーク
 2014. 8.21 「利用者うそつく」施設長、訓示で発言 社会福祉法人徳誠福祉会 徳誠園
 2014. 8.21 介護囲い込み 公正・中立の基準明確化を 地域包括支援センター
 2014. 8.22 有田川町で不正に介護給付費受給
 2014. 8.22 障害者や高齢者、食事を共に10年 京都・八幡のグループ
 2014. 8.22 生活保護のよくある誤解に答えてみました
 2014. 8.22 災害弱者、1階暮らし多く動けず 京都・福知山豪雨
 2014. 8.22 青森市が徳誠園の再監査に着手
 2014. 8.22 男性特有の尿モレに1枚で安心巻かずに使えるパッド発売
 2014. 8.22 新資格「レクリエーション介護士」制度を開始
 2014. 8.26 知的障害者の施設で暴行 28歳男を傷害致死で逮捕 神戸
 2014. 8.28 内部障害へ理解を 府内、周知マーク普及進む
 2014. 8.28 認知症、転落事故に注意 熊本市施設で男性死亡
 2014. 8.28 特養ホーム:91歳ひもで拘束、家族に謝罪 岐阜
 2014. 8.28 <またも死亡事故発生>介護ベッド事故の注意喚起・防止策を発表――消費者庁
 2014. 8.28 医療・介護ベッド安全点検表
 2014. 8.29 事業所指定取り消し:岩美の障害者福祉サービス会社、責任者配置せず /鳥取
 2014. 8.29 介護保険法に違反 社会福祉法人友徳会
 2014. 8.29 「患者が患者を刺した」川崎の福祉施設で男性死亡 容疑者逮捕
 2014. 8.30 障害者自転車 鹿沼由理恵が優勝
 2014. 8.30 障害者らが親交 小豆島で「ふれあいのつどい」
 2014. 8.30 リフト導入1年で使用頻度7割 100%目指し工夫こらす 社会福祉法人海光会
 2014. 8.30 ヤマハ電動アシスト車いす
 2014. 8.30 聴覚障がい者の職場でのコミュニケーションについての調査
 2014. 8.30 事業者処分:介護利用者を虐待 県、佐野の業者処分 新規受け入れ半年停止など /栃木
 2014. 8.30 寄贈:配食車を NPO弁当配食に毎日新聞社会事業団 野洲 /滋賀
 2014. 8.30 2014年秋のユニバーサルデザインフードの業務用冷凍食品発売
 2014. 8.31 障害者虐待防止法:学ぶフォーラム 施設職員は情報共有を 伊丹で200人参加 /兵庫
 2014. 8.31 全国福祉高等学校長会:全国大会 介護福祉士の志、熱く 日高高・吉竹さんが優良賞 /兵庫
 2014. 8.31 広がれ「レク介護士」 西区の企業が民間資格創設
 2014. 8.31 元五輪選手の松野明美さんが記念講演!


■2014.8.1  障害児名で書類郵送、京都府に批判 保護者「配慮欠く」 
京都府が障害者福祉関連のアンケートで、障害のある子ども本人宛てに調査用紙を送ったケースがあることが、31日までに分かった。保護者から「子どもに障害を伝えていない家庭もあり、配慮に欠けている」との指摘も出ている。府には調査目的についての問い合わせが複数あるといい、「今後の調査では、やり方を再検討したい」としている。

アンケートは、府が次期障害者基本計画に、当事者の要望や意見を反映するため実施した。府内の障害者のうち、8千人を無作為抽出し、無記名で障害の内容や生活、就労状況などの回答を求めた。発送や集計は大阪市の企業に委託した。

高校生の息子宛てにアンケートが送られてきた府内の母親(42)は、開封しようとする息子をごまかし、封筒を預かった。息子にはてんかんの症状があり、病気のことは知っているが、障害者に該当することは知らせていない。「保護者宛てに送るなどやり方を配慮してほしい」と憤る。

案内文には調査目的が「障害者福祉推進の資料にする」としか書かれておらず、企業に委託しながら個人情報保護の具体的な方法が知らされていないことにも不安を訴える。府にはほかにも「なぜ突然送られてきたのか」などの問い合わせがあるという。

府障害者支援課は、本人宛てに郵送した理由を「対象者を選ぶシステムに障害者手帳に記された本人の氏名と住所の情報しかなかったため」と説明する。調査目的を明記しなかったことは「分かりやすい説明にしたつもりだった」と話した。

ただ、母親は「手帳を申請するときに保護者名も書いており、調べれば分かるはず」と批判している。

■2014.8.1  障害年金に必要な「初診日」、第三者証言で認定  大阪地裁判決で判断…不支給処分取り消し
障害厚生年金の支給申請で求められる「初診日」の証明としてカルテなど医療記録が必要かどうかが争われた訴訟の判決で、大阪地裁は31日、第三者の証言などで特定できれば、記録がなくても支給できるとの判断を示した。

田中健治裁判長は「申請者の話なども踏まえ総合的に判断すべきだ」とし、兵庫県の60歳代女性への不支給処分を取り消し、国に申請翌月の2009年12月以降の支給を命じた。

障害厚生年金は、厚生年金に加入する会社員らが対象で初診日時点の加入などが支給要件。傷病の発症日を個々に把握するのは難しく、画一的に判断するため初診日の特定を必要とし、申請時は医師の証明書などが求められる。女性側の弁護団によると、同年金を巡り、証言で初診日の特定を認めた司法判断は初めて。

判決によると、女性は会社員だった1987年1月、周囲が暗く感じるなどしたため眼科を受診し、失明に至る進行性の病気と診断された。両目の視力は徐々に悪化し、障害の程度が年金の支給対象になったため、09年11月、社会保険庁(現・日本年金機構)に支給を申請したが、初診日が確認できないと却下された。

カルテは医師法に基づく保存期間(5年)が過ぎており、診察券なども阪神大震災で被災した際に自宅の後片付けで紛失していた。

田中裁判長は判決で「初診日は可能な限り客観性の高い資料で特定されるべきだが、第三者の記憶に基づく証言などを排斥すべきではない」と指摘。眼科に同行した知人は陳述書で「女性は治療法がないなどと泣きながら話した」「自分の姉が死亡した年でよく覚えている」などとしており、「具体的で女性本人の説明にも沿う」と判断した。

女性側の弁護団は「初診日が証明できず申請を諦めている障害者は相当数いるとみられ、救済につながる」と評価。厚生労働省は「厳しい判決。内容を精査し、関係省庁と協議して適切に対処する」としている。

■2014.8.1  死ぬまで働け と誓約書を書かせた「ブラック介護施設」寿寿  暗躍するブローカーは増加必至
よくもこんな前近代的な“奴隷”施設があったものだ。

大阪府と奈良県で介護施設を運営している民間会社「寿寿」(児林健太社長)が、介護職として働いているフィリピン人女性たちに「わたしが死亡しても会社の責任は問いません」という趣旨の誓約書を提出させていたことが、このほど明るみに出た。

「共同通信がすっぱ抜いた記事で、東京新聞やジャパンタイムズも一面で掲載した。『死ぬまで働け』と言っているのも同然で、フィリピン外務省も問題にしていて、ひどい扱いを受けたら在日フィリピン大使館に駆け込むようにと呼び掛けている。これほどひどい外国人の人権侵害がまかり通る先進国も珍しい」(大手紙特派員)

報道によると、寿寿は、2009年ごろからフィリピン人女性の採用を開始。マニラにある「寿寿」の出先団体が面接を行い、その際、英文と和訳の「権利放棄証書」なるものを手渡したという。

そこには、「自然な状態」で本人が死亡しても、刑事、民事のいずれでも寿寿を責任追及の対象にしないという内容が書かれていた。

採用担当者は「あなたを守ってくれる書類だ」と説明したというから、驚きだ。これまでに、30人ほどが文書に署名したらしい。

寿寿のとんでもない行為は、これだけにとどまらない。厚生労働省の関係者が話す。

「寿寿は、フィリピン人職員の月々の給与から違法に天引きしていました。フィリピン人ひとりにつき数十万円を貸し付けているので、もし逃げ出したりしたとき、借金返済に充てるつもりだったようです。これは労働基準法に違反する“強制貯金”に当たりますので、返還するよう命じました」

それにしても、逃げ出すことを想定した取り立てとは、尋常ではない。実際、フィリピン人に課された介護労働は、過酷を極めたようだ。寿寿の介護事情に詳しい支援団体の関係者が語る。

「フィリピン人女性たちは、最も多い時で、月に13回の宿直勤務をしていたようです。なかには、“連チャン”と呼ばれる、連日の泊まり込みをしている女性もいたらしい。いずれも40代の女性なんです。こんな仕事を続けたら、過労で倒れてしまいますよ」

報道によると、これほどの過酷労働を我慢しても、月々の手取りは7万円程度。フィリピン本国に残した家族に送金しているため、手元に残るのは1〜2万円しかない。生活はもうギリギリで、粗大ごみをあさりながら暮らしている女性たちもいるという。

今回の問題、関西の一角で起きた偶発事故というわけにはいかないようだ。大手紙の政治部記者が解説する。

「安倍政権は、外国人の技能実習制度というものを介護分野にも導入する意向なんだ。そうなると、全国の介護施設に、主にフィリピン人女性たちが千人単位に入ってくるだろう。その人材あっせんをするのは、フィリピンにコネのある寿寿のような怪しい仲介業者たち。悪徳ブローカーにメスを入れないと、“寿寿問題”は多発しかねない」

この技能実習制度は、早ければ来年にも導入されるという。外国人女性の虐待国などと汚名を受けないためにも、安易な導入は再検討する必要があるのではないか。

■2014.8.1  労基法違反:介護事業所で急増 昨年、サービス残業は3倍 /埼玉
県内の介護事業所で昨年、時間外の割増賃金が支払われない「サービス残業」などに関する労働基準関連法違反が2年前の3倍に増えていたことが埼玉労働局のまとめで分かった。長時間労働に関する違反も増加している。急速な高齢化に伴い介護事業所が急増する中、社会的ニーズの高い介護分野で働く人は増えており、同局は「労働者が安心して働ける環境づくりに努めたい」としている。


同局は昨年1〜12月、事前調査で違反が疑われた特別養護老人ホームや訪問介護事業所、デイサービス事業所など128事業所に監督・指導を実施した。

その結果、何らかの違反があったのは94事業所で、2011年調査時(58事業所)の約1・6倍に上った。最も多かったのは、労使協定(三六協定)で定めた限度時間を超えて職員に時間外労働をさせるなど長時間労働に関する違反で46件(11年28件)。時間外や休日・深夜の割増賃金が支払われない・不十分などの「サービス残業」に関する違反は45件(同15件)あった。

同局は昨年、労働条件改善のため、県内の5246介護事業所を対象に、適切な労務管理などに関する集団指導を38回にわたって実施しており、今後も介護事業所に重点的な指導を実施していく方針だという。

■2014.8.1  モデル事業に選ばれたサ高住が運営を開始 東京都 信愛報恩会 賢心会
平成25年度に医療・介護連携型モデル事業
東京都は7月29日、平成25年度に医療・介護連携型モデル事業の第13号・第14号として選ばれたサービス付き高齢者向け住宅が、8月1日より運営を開始すると公表した。

第13号となるモデル事業は信愛報恩会が運営する「しんあい清戸の里」(清瀬市下清戸一丁目305番1)。住宅戸数は42戸で、全てが単身用の住居となっている。

職員は日中が2名配置され、安否確認、生活相談援助、緊急時対応、健康管理等の業務を行う。夜間は安否確認、緊急時対応等のために、1名の職員がスタンバイする。

第14号となるモデル事業はコンフォートと賢心会が運営する「コンフォートフォレスタ新柴又」(葛飾区柴又五丁目8番13号)。住宅戸数は39戸で単身用33戸、世帯用6戸で構成される。

職員は日中に2名配置され、安否確認、緊急時対応、生活・健康相談等各種相談、各種取り次ぎサービス等を行う。夜間は安否確認、緊急時対応等のために、2名の職員が配置される。

いずれのサ高住も、緊急時用に居室内にスタッフコール(居室、便所、浴室に1か所ずつ)を設置。コールを受けたスタッフが直接、居室に訪問して対応する。

地域の介護・医療拠点ともなるサ高住モデル事業
医療・介護連携型モデル事業は、東京都が行っている補助事業の一つである。

高齢者が、安心して医療や介護を受けられる住まいの拡充を目的とし、サービス付き高齢者向け住宅に医療系事業所と介護系事業所を併設・連携する際に、整備費の一部を補助する。

このモデル事業は施設入居者だけでなく、近隣の住民もサービスを利用できるため、地域における介護・医療拠点の役割も担う。



東京都の報道発表資料
http://www.metro.tokyo.jp/100.htm

■2014.8.1  徳島 高齢社会のあり方考えて 移動スーパー奮闘記出版
買い物に不自由する高齢者を救おうと立ち上がった移動スーパー、「とくし丸」(徳島市南末広町)の奮闘記「買い物難民を救え!」(緑風出版、税別1800円)が出版された。筆者は同社の創業に携わった、営業本部長の村上稔さん(47)。「この本を通じ、高齢化社会の実情や今後のあり方を考えてほしい」と話している。

とくし丸は、軽トラックに野菜や肉、総菜など約400品目の商品を積み、家々を回る移動スーパー。販売を担当するのは、同社とパートナー契約を結んだ個人事業主だ。2012年に創業し、今では県内だけでなく、東京や京都、高知など各地で訪問先を増やしている。

本は、村上さんと同社代表取締役の住友達也さん(56)が、ビジネスモデルを確立するまでの経緯を紹介。モデルの内容や、販売ルート開拓のために一軒一軒訪ね歩き、買い物が不便で悩んでいる高齢者を探した、といった開業までの苦労を描いている。

また、とくし丸が地域に次第に受け入れられた経験談を交え、買い物難民の窮状や、こうした社会問題を解決する「ソーシャルビジネス」の魅力をつづっている。

ソーシャルビジネスの必要性や楽しさを伝えたい、という村上さん。「ローカル経済のあり方を考え直すきっかけになれば」と期待している。

■2014.8.1  努力しても報われない  参議院議員・医師 桜井充
介護保険制度に様々な問題点があるが、その中で、努力するほど報酬が減ってしまうという事がある。それは、介護利用者に対してリハビリを行うが、その結果、要介護5だった人が要介護4に改善すると、その施設の収入が減るのである。施設の職員が一生懸命リハビリを行って、利用者の人は元気になるかもしれないが、施設の経営は苦しくなってしまう。本当におかしな話である。

介護を受ける利用者は、要介護認定を受けることになっている。一番の重症者が要介護5で、要介護の場合、一番軽い人が要介護1となる。介護報酬は、重い人の方が高くなるので、当然のことではあるが、要介護5の人が一番高く、要介護1の人が一番軽くなる。

さて、前述したように、リハビリを行って、利用者の状態が良くなった結果、施設の収入が減るのでは、自分の首を絞めることになるので、努力したくなくなるのは当然のことである。このように、現在の介護保険制度は、努力しても報われない制度なのである。

さて、この問題はどうすれば解決できるのだろうか。利用者は、半年ごとに要介護認定を受けなければならない。私は、施設の入所者が介護認定を受けて要介護度が下がったとしても(要するに状態は改善するということ)、入所時と同じ介護度にすれば良いのだと思う。そうすれば、状態が良くなっても収入は減らないからである。

このような制度になれば、努力すると報われることになる。利用者の状態は良くなるし、そのことは利用者だけではなく、介護労働者の喜びでもある。さらに、例えば、食事ができなかった人が自分で食事ができるようになれば、介護職員の負担も軽減される。

このような制度を介護関係者に説明した所、皆さんから賛同を得られた。制度改正のために、努力していきたいと考えている。

■2014.8.2  社会福祉法人福成会 就労支援「評価表」紹介 9事業所発表会 /兵庫
知的障害者の生活や就労などを支援する社会福祉法人「福成会」(尼崎市七松町3)が運営する9カ所の事業所の取り組みの発表会が7月31日、尼崎商工会議所会館であった。利用者の家族や、尼崎市の関係者ら約130人が熱心に聞き入った。

うち、障害者の就労支援を行っている、市障害者就労・生活支援センター「みのり」(同市名神町2)は、知的障害者ら約30人が働いている市内の物流会社が導入した「評価表」を紹介した。職場で働く障害者の個性や特徴をつかみ、人員配置や業務の向上につなげる狙い。あいさつができるか▽敬語など、適切な言葉遣いができるか▽丁寧に荷物を取り扱っているかといった約20の項目があり、会社側が評価する。

評価表に基づき、企業と勤務者、センターの3者で、項目ごとの達成度について話し合うミーティングを定期的に開いてきた。その結果、それぞれが得意、あるいは不得意とする作業が何か、明確に分かるようになった。

センターの所長、柏原敏昭さん(38)は「得意分野を生かせるよう具体的に指示したり、逆に苦手なことを克服する課題を設定できたりし、勤める人の意欲向上につながる。適正な人員配置にも役立つ」とメリットを説明している。

■2014.8.2  健康マージャンが高齢者に人気 田辺、楽しく認知症予防
金を賭けず、酒とたばこも禁止した健康マージャンが、和歌山県田辺市内の高齢者の間で人気だ。マージャンを認知症予防に役立ててもらおうと市やすらぎ対策課が、2012年度から初心者を対象に教室をスタートさせた。やり方を覚えた高齢者が、教室終了後に自主サークルをつくるなどして積極的に活動しており、愛好者が着実に増えている。

マージャンは3人を相手にさまざまな「役」を駆使したり、相手の動きに気を配ったりしながら手や指、頭脳を使うゲーム。日本国内では昭和30年代後半〜60年代に爆発的に普及した。

近年は脳細胞の活性化にも有効とされ、レジャーだけでなく介護予防目的で実施されることが増えている。

同市では「脳若がえり塾」のタイトルの下、1カ所3カ月(8〜10回)単位で「マージャン教室」を開催。70代を中心に80代、60代の男女16人前後が受講している。

12年度は本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」、13年度は新庄公民館と大塔健康プラザで開催した。14年度は東部公民館で開いている。今秋には龍神市民センターでも開く予定。

新庄公民館では昨年10〜12月に教室を開催した。今年1月に受講生が自主サークル「ジャンジャン会」を発足させた。週1回集まり、午後に2時間半楽しんでいる。

メンバーの一人で同市神子浜2丁目の中岡幸子さん(68)は「教室でマージャンを覚え、友達もできた。すごく考えるので頭の体操になる上、和気あいあいとした雰囲気の中、会話も弾みとても楽しい」と喜んでいる。

市やすらぎ対策課によると、教室が終了した3カ所いずれの地域でも自主サークルができ、計約50人が今も健康マージャンを継続して楽しんでいる。年末にはさらに自主サークルが増える見通し。

同課の担当職員は「これからも年に数カ所で教室を開き、認知症予防に取り組む自主グループをどんどん増やしていきたい」と話している。

■2014.8.2  青森県むつ市の障がい児入所施設で50歳代の男性指導員が男子生徒の体を触る性的虐待
青森県むつ市の障がい児入所施設で50歳代の男性児童指導員が、入所している男子生徒の体を触る性的虐待をしていたことが分かった。

性的虐待があったのはむつ市奥内の障がい児入所施設・はまゆり学園。はまゆり学園を運営している下北地域広域行政事務組合が会見を開き、管理者の宮下市長が陳謝した。

事務組合管理者・宮下宗一郎市長「被害児童をはじめ関係各位に多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことはまことに遺憾であり、被害児童、そして、圏域住民の皆様に心よりおわび申し上げる次第であります」

県や事務組合によると今年6月、50歳代の男性児童指導員がこの施設に入所している養護学校中等部の男子生徒の体を触る性的虐待をした。ほかの職員が目撃し児童相談所に報告したもので、この指導員は虐待したことを認めている。

このため事務組合は停職3か月の処分にしたが、指導員は1日付で辞職したという。障がいのある子どもたちへの虐待に市民から怒りの声があがっていた。

市民「ぞっとします。そういうことは絶対あってはならないことですね。(子どもは)耐えられないと思いますよ」「子どもはすごいショックをうけている。言えないところがあったかもしれないですが、だからと言って職員がやるというのはどうなんでしょうか」

事務組合では専門家などの第三者に不祥事の検証と再発防止策を依頼するとともに、職員を5人増やし管理体制を強化することにしている。

また、県は今月中に県内に9つある障がい児入所施設の施設長を集め、再発防止を徹底する方針。

■2014.8.2  むつ市の施設で児童虐待
青森朝日放送 2014/08/01

むつ市の知的障害児入所施設「はまゆり学園」で、男性職員が入所している少年に対して性的虐待をしていたことが分かりました。

虐待が明らかになったのは、下北地域広域行政事務組合が運営する知的障害児入所施設、「はまゆり学園」です。むつ市によりますと2014年6月、早朝の教室で、50歳代の男性職員が担当する中等部の少年の下半身を触ったということです。

むつ市はこの男性職員を停職3カ月の懲戒処分としましたが、本人は1日付で辞職しました。むつ市は、男性職員の名前を明らかにすると、被害に遭った少年が特定されるため公表していません。

はまゆり学園には小学生から中学生まで27人が入所していますが、これ以外の虐待は確認されていないということです。

■2014.8.3  佐世保市の高1同級生殺害事件  精神科医が佐世保こども・女性・障害者支援センターに「このままでは人を殺しかねない」という趣旨の相談
2014年8月1日
高1同級生殺害:6月、医師が「人を殺しかねない」

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女(16)を知る精神科医が、事件前の6月、長崎県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に「このままでは人を殺しかねない」という趣旨の相談をしていたことが、県関係者への取材で分かった。

同センターはその際「助言した」としているが、精神科医が少女の実名を明かさなかったことから、関係機関に連絡するなどそれ以上の対応はしなかったという。

県関係者によると、精神科医は少女が過去に給食への洗剤混入や猫の解剖、父親をバットで殴ったことを知っており「このままでは人を殺しかねない」という内容を告げたという。

同センターは相談内容について「個人情報の保護と守秘義務がある」として明らかにしていない。

一方、少女が住んでいたマンションの部屋から医学に関係する書籍が見つかっていたことが、捜査関係者への取材で分かった。少女は「猫を解剖して満足できなくなった。人を殺して解体してみたかった」という趣旨の供述をしており、被害者の女子生徒(15)の遺体の一部は切断されていた。

捜査関係者によると、書籍は人体の仕組みなどを解説した本だった。少女の自室からはのこぎりや包丁、ハンマーなど複数の刃物と工具が見つかっており、少女は「自分で買った」と供述しているという。

長崎県警は31日、佐世保市の少女の実家を家宅捜索した。

逮捕容疑は、26日午後8時ごろ、少女のマンション自室で、クラスメートの女子生徒の後頭部を工具で多数回殴り、ひものようなもので首を絞めるなどして殺害したとしている。

          ◇

少女の弁護人によると、少女は定期的にカウンセリングを受けていた。少女は被害者の女子生徒について「仲のよい友だちだった。恨みやトラブルはなかった」と話しているという。また、少女の父親が遺族側に謝罪する意向を伝えたことを明らかにした。

■2014.8.3  佐世保市の高1同級生殺害事件  少女の精神鑑定請求へ 地検
長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女(16)について、長崎地検が精神鑑定を実施するため、鑑定留置を裁判所に請求する方針を固めたことが、捜査関係者への取材で分かった。今月中旬にも請求するとみられる。

少年事件では検察の送致後に家庭裁判所が精神鑑定することが多いが、今回は逮捕された少女が「人を殺して解体してみたかった」という趣旨の供述をしており、捜査段階で刑事責任能力の有無を調べる必要があると判断したとみられる。

捜査関係者によると、少女は過去に猫を解剖するなどの問題行動があったが「猫では満足できなくなった」という趣旨の供述をしている。少女のマンション自室からは医学に関係する書籍も見つかったという。

少女の弁護人によると、少女は被害者の女子生徒(15)について「仲の良い友だちだった。恨みやトラブルはまったくなかった」と話している。

逮捕容疑は、7月26日午後8時ごろ、佐世保市内のマンション自室で、クラスメートの女子生徒の後頭部を工具で多数回殴り、ひものようなもので首を絞めるなどして殺害したとしている。遺体の一部が切断されていた。

■2014.8.3  佐世保市の高1同級生殺害事件  「人を殺しかねない」と警告 専門家は「殺人因子」どう見分ける
「人を殺しかねない」――。犯人のA子を診察した医師はこう警告したという。医師はA子の精神的な不安定さを懸念し、6月10日、県の児童相談窓口に「(女子生徒は)小学生のときに異物混入事件を起こし、中学になって父親を殴打した。小動物の解剖をしている。このままいけば人を殺しかねない」と相談。対策を求めたが、県は直接的な対応を取っていなかったという。

医師がどんな診察をしたのかははっきりしないが、精神科医や心理カウンセラーは患者が暴力的な大事件を起こすことをある程度予測できる。「殺人因子」を見分けるのだ。患者のどこを見るのか。

犯罪心理学が専門の法政大学教授・越智啓太氏が言う。

「小動物を殺したり食べ物に異物を混入したからといって、全員が殺人を犯すわけではないのです。ただ、逮捕された少女は就寝中の父親を金属バットで殴ったといわれる。眠っている人を殴るのは強烈な殺意の表れです。人によっては医師に“助けてください”と言います。これは自分の殺人衝動を抑えることができない証拠。誰かに止めてもらいたいのです。連続殺人犯が心の底で“早く捕まえてくれ”と願うのと同じです」

暴力をふるった事実と殺意のほか、診察中に怒鳴ったり怒ったりするのも、攻撃性の強さを物語る行為だ。

「暴力的な行動履歴に加えて、ストレスを感じるとすべてを他人のせいにしたり、他人と違う発想をする独立性の高い性格も危険な兆候の可能性があります。常に周囲に敵意を感じているような人です」(心理学者の矢幡洋氏)

長崎地検はきのう(1日)、A子に精神鑑定を実施することを決めた。どんな結果が出るのか……。

■2014.8.3  佐世保市の高1同級生殺害事件  アスペルガー症候群について誤解を招く発言を謝罪  中央大学法学部名誉教授・藤本哲也  ジャーナリストの青木理
7月28日放送の「モーニングバード!」(テレビ朝日系)で、アスペルガー症候群について誤解を招く表現があったと番組内で謝罪があった。

同番組では、長崎県佐世保市の高校1年生・松尾愛和さんが殺害され、クラスメートの女子生徒が殺人容疑で逮捕された事件を取り上げた。

犯罪学を専門とする中央大学法学部名誉教授・藤本哲也氏は、容疑者女子がアスペルガー症候群である可能性を示唆。「殺しても悪いと思っていない、被害者の痛みが全然わからない、特別なコミュニケーション障害を持った子供がいるんですね」と訴えた。コメンテーターを務めるジャーナリストの青木理氏は、「アスペルガー症候群だからといって必ず犯罪を起こすわけではない」と念押ししたうえで、「アスペルガー症候群の子供がいきなり犯罪を犯すというのは、最近まぁまぁ見られることではある」と藤本氏の意見に同意を示した。

これらの発言が問題とされたのか、番組後半、小松靖アナが、「番組の中でアスペルガー症候群が犯罪を引き起こす原因になりうるととられかねない、誤解を与える発言がありました」と謝罪。「ここで改めてお詫びをいたします」と頭を下げた。

■2014.8.3  佐世保市の高1同級生殺害事件  「同級生殺害」加害女生徒は発達障害?知識面は高校生でも情緒的には小学生以下
問題行動知っても手をこまぬいていた両親

「父親はA子の母親の死後すぐに婚活パーティに参加するなどしていた。そうして知り合ったのが、現在の再婚相手。継母は三十過ぎで、亡くなった奥さんと比べるとかなり派手目な女性。慶應大出身で、東京で見つけてきたそうです。

喪も開けないうちから次の女を見つけてきた父親のことを、A子はどうしても許せなかったのでしょう。再婚が決まった時に、A子は金属バットで父親に殴りかかり、重傷を負わせたこともあったそうです」

長崎県佐世保市で再び同級生が女子生徒を殺す事件が起こった。小6の女子生徒が同級生を殺害し、世を震撼させたのは10年前のことだったが、今回の殺害の手口は女子高生とは思えない残忍なものである。

殺されたのは松尾愛和さん(15)。A子は『週刊新潮』が15歳、『週刊文春』が16歳としている。この1歳の違いは今後A子を裁く上で大きい。現行の少年法では、16歳を過ぎれば、家庭裁判所の判断で大人と同じ刑事裁判にまわされることがあり、大人と同じように傍聴人のいる法廷で裁判され、有罪判決を受けると刑務所(少年刑務所)に入れられことがある。朝日新聞は逮捕時15歳、現在は16歳と報じているから、事件後に16歳になったようだ。

先のコメントは週刊文春でA子の父親をよく知る男性のものだが、父親の早すぎる再婚が事件に落とした陰は深いようである。父親は地元では有名な弁護士で、「ジャパネットたかた」の顧問弁護士もしていたと週刊新潮が報じている。また週刊文春によれば、「宅地面積は約八十坪。地上二階、地下一階の鉄筋コンクリート造りの建物は、延べ床面積が三百平方メートルを超えるお屋敷」だそうだ。

母親も東大を出て地元放送局に勤めていた才媛だったという。その後、市の教育委員を務めたり、女性と育児に関するNPOを立ち上げたりしていたが、昨年(2013年)、膵臓がんを発症してあっという間に亡くなってしまった。母親の喪も開けないうちから婚活に励み、再婚した父親のことをA子は英語の弁論大会で「マイ・ファーザー・イズ・エイリアン」といって会場中を驚かせたという。

父親が再婚する直前にA子は家を出て一人暮らしを始める。彼女は両親の才能を受け継いだのか成績はトップクラスで、小学校時代に公言していた夢は「検事」になることだった。その理由を週刊文春は「刑事事件の法廷で父と対峙することを想像していたのだろうか」と書いている。ピアノや絵もうまく、父親に勧められて始めたスケートで父親と一緒に全国大会に出場したこともある。

だが、A子は小6の時、虐められた腹いせに、相手の給食に漂白剤と洗剤を混ぜ合わせた液体を入れて大きな問題になったことがある。だが、このことはそれ以上は広がらず、まもなく沈静化したという。両親が地元の有力者だったため、もみ消したのではないかと見る向きもあるようだ。

また、週刊新潮で社会部デスクが、<「Aには、小学生の頃から、猫を殺して解剖したり、家出したりといった問題行動があった。Aの母親はそのことに胸を痛めていた」>と話しているが、もしそうだとしたら、神戸で起きた酒薔薇聖斗事件でも、14歳の少年が祖母を亡くした後、猫を解体するようになったことが報じられている。



酒薔薇聖斗事件といくつもの共通点

殺された愛和さんの父親は佐世保の第13護衛隊に属する護衛艦「さわぎり」の乗務員。小さい子の面倒見がよく、書道は最高位の十段だったという。

お嬢さん育ちと公務員の子供という違いはあったが、仲はよかったようだ。週刊新潮でタクシー運転手がこう話している。<「テレビで愛和さんの顔写真を見て思い出したんだけど、春頃に犯行現場のマンション近くの公園で彼女をよく見かけました。ショートヘアの同い年ぐらいの娘さんと2人で本当に仲良さそうにくっついているんです。愛和さんがひざ枕をしたり、ハグしたり『密着』というのでしょうか」>

A子はボーイッシュなショートカットだった。仲良しの友だちを家に呼び込み、平然と用意していたハンマーで殺してノコギリで首と左手首を切断してしまう。動機を警察に聞かれてA子は「人を殺してみたかった。解体してみたかった」と話しているという。

週刊新潮で東工大の影山任佐名誉教授(犯罪心理学)はA子をこう分析している。<「私はこの事件を見て、少女Aは発達障害ではないかと疑っています。たとえば、2000年に17歳の高校生が起こした愛知県豊川市の主婦殺害事件では、動機が『殺してみたかったから』というもの。知識の面では高校生レベルでも、情緒的には小学生以下のレベルなのが特徴です。そして、少女Aで注目されるのが、小6のときに起こした異物混入事件です。誰が見てもイタズラの範疇を超えているのに、本人にはその自覚がない。もっと早くにそのサインに気がついて、自分のやったことに向き合わせるべきでした」>

酒薔薇聖斗事件のときも、母親は教育には熱心なのに、子供の異常行動に気付いていても見て見ぬふりをしていたと報じられている。まして自分の婚活に頭がいっぱいだったA子の父親に、娘の異常行動などわかろうはずがない。

佐世保市では10年前の事件以降、「命を大切にする教育」を徹底してきたという。しかし、同じような事件が起こってしまったいま、やるべきは、この事件がどうして起きてしまったのかを徹底的に調べて情報公開していくことである。それを全国の子を持つ親たちが共有し、自分の子供を見つめ直すことでしか、こうした犯罪の抑止にはならないはずである。

■2014.8.4  知的障害者絵画展:独創的に描く動物、花 「優しい色遣い感じて」 尼崎 /兵庫
尼崎市内に住む知的障害者たちでつくる絵画サークル「空」の作品展が3日、同市南塚口町3のピッコロシアター1階で始まった。メンバーがクレヨンやアクリル絵の具などを使って描いた動物や花、抽象画など28点を展示。力強い色彩の作品から柔らかなタッチの繊細な作品まで、独創的な作風の数々が訪れる人たちの目を引いている。9日までで、入場無料。

サークルには30〜40代の約15人が所属し、同市塚口町3の立花公民館に月1回集まって毎回約2時間、絵本作家のはたよしこさんの指導を受けている。

メンバーの同市富松町の町田亜紀さん(30)は中南米原産のカラフルな花「ランタナ」を描いた作品など計2点を出展した。母陽子さん(62)は「サークル活動の時間は毎回楽しみで集中している。精密な作風と優しい色遣いを感じてもらえたら」と話している。

■2014.8.4  浜田市、障がい者雇用優良事業所を表彰へ
地域のナチュラルな障がい者雇用意識高揚を!
島根県浜田市は8月1日、障がい者雇用に理解があり、当事者の視点に立った雇用環境を積極的に整えるなど、社会意識の高い事業所を、障がい者雇用優良事業所として表彰すると発表した。表彰事業を通じ、障がい者雇用の促進を図る。

選ばれた事業所については、浜田市長賞として表彰し、同市ホームページなどを通じ、その取り組みを市民や他の企業に対し、広く啓発していく。これによって、自然体での地域全体における障がい者雇用の意識を高めたいという。

対象となるのは、障がい者雇用に理解があり、実際に障がい者を雇用している浜田市内の事務所または事業所。ただし、就労継続支援事業所は除く。条件として、事業所の障がい者雇用率が2%以上であること、また事業所の都合による障がい者の解雇が過去6カ月以上ないこと、勤続年数1年以上の障がい者が在職していることなどが挙げられている。

9月の障がい者雇用支援月間にあわせて表彰、啓発を推進
現在、自薦・他薦を問わず、該当する事務所または事業所の応募を受け付けており、それぞれ所定の様式に必要事項を記入すれば応募することができる。応募期間は8月1日〜8月20日までだ。

応募を締め切ったのち、健康福祉部高齢障がい課に障がい者雇用優良事業所検証事業選考会事務所を置き、選考を進める。選考会出席者は、浜田公共職業安定所や浜田商工会議所、公益社団法人 浜田法人会、浜田圏域自立支援協議会、浜田養護学校、浜田市といった組織のなかから依頼するものとしている。

被表彰事業所への表彰は、障がい者雇用支援月間である9月に実施する予定だ。応募方法等詳細はホームページ等で確認を。



浜田市 障がい者雇用優良事業所の表彰について
http://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/

■2014.8.4  自閉症の原因・症状・特徴
首がすわって、腰がすわり、つかまり立ちをして、やがて歩き出す。子どもの体の成長を目にすることはうれしいものです。でも、言葉やコミュニケーション能力の遅れは、その子の個性なのか、それとも何かの病気なのか、判断が難しいもの。「もしかして自閉症かもしれない」と心配するママもいるでしょう。

ここでは、自閉症の原因と症状を紹介します。

自閉症は出生前から

自閉症はその言葉から、何かのトラブルがきっかけで自ら心を閉ざしてしまったという印象を持たれがちですが、自閉症は先天的な病気です。現在、自閉症の病気発症のメカニズムは解明されていませんが、脳機能の違いが原因と考えられています。出生後に何か大きなショックを受けて、自分の殻に閉じこもっているという間違った解釈をされることもありますが、幼少期の体験や親の子どもへの接し方とは無関係です。

症状の特徴

自閉症の主な症状は、「対人交渉の質的問題」と「コミュニケーションの質的問題」、そして「イマジネーション障害」です。通常3歳までに顕著に表れます。抱っこされたい素振りも見せず、目で合図を送らない、笑わないといった兆候があります。日本自閉症協会によると国内の自閉症患者数は約36万人。男性に多く、女性の約4倍を占めます。軽度の症状の患者まで含めると、「100人に1人はいる」という説もあります。

対人交渉の質的問題

自分と相手の関係を正しく理解できず、不適切な行動をとります。人見知りせずに、誰にでも平気で抱っこされたり、両親や家族が自分にとって大切な存在だと理解できません。反対に、ママだけに極端に依存する子などもいます。

コミュニケーションの質的問題

言葉を発しても意味のない言葉使いやオウム返しをします。言葉の発達の遅れよりも、言葉の偏りや奇妙さが自閉症の診断のポイントとなります。

イマジネーション障害

環境の変化や相手に合わせて臨機応変に対応することが苦手なので、自分の行動パターンが変わることに強く固執します。特定の動作を繰り返したりするのも特徴です。不測の事態が起きるとパニックを起こしてしまうこともあります。

厳しく叱る前に

自閉症の重傷度を定める上で指標となるのが、知的レベル。約8割近くの自閉症患者の知的レベルはIQ70以下。ただ、計算や記憶など特異な分野で能力が高く、症状が軽度の自閉症もあります。近年は早期発見から、知的障害を伴わない高機能自閉症「アスペルガー症候群」の報告が増えています。一見正常に見えるため、家族でも自閉症だと気付かずに、厳しくしつけをしてしまう恐れがあります。 ひとりひとりの個性があるように、その子に合った成長のスピードがあります。でも、もしママが少し心配な様子が見て取れたら、小児科医に相談しましょう。

■2014.8.5  料理研究家考案の配送弁当 障害者を後押し
レストランや弁当配送を手掛ける仙台市太白区の障害者福祉事業所「ポッケの森」に9月、新メニューのヘルシー弁当が登場する。東日本大震災の影響で収益減にあえぐ福祉事業所を支援しようと、東京在住の人気料理研究家浜内千波さん(59)がプロデュースを買って出た。


<工賃アップにつなげて>

完成した弁当「ハッピーデリ」は、雑穀米入りトマトライスに、豚肉のナス巻きショウガ煮、季節の野菜のピーナツあえなどおかずが6種類。800円(税込み)で販売する。

旬の野菜を食材に用い、薄めの味付けと油分を抑えた調理で低カロリーに仕上げた。メニューやレシピを考案した浜内さんは「調味料を工夫することで満足感のある味付けになった」と話す。

「ポッケの森」に通所する作業員は、浜内さんに付いて約3カ月、調理のこつを特訓した。卵焼き担当の三浦あゆみさん(30)は「先生に教わり、焦げないように仕上げることができるようになった」と話す。

障害者の就労を支援する福祉事業所では、通所する障害者に収益の中から「工賃」を支払っている。だが厚生労働省の調べでは、工賃の月額は平均1万4000円程度にとどまっているのが現状だ。

さらに被災地では取引先が被災したため、多くの福祉事業所で工賃が震災前の水準を下回るようになった。

こうした状況を踏まえ、被災地を支援するNPO法人「AARジャパン」(東京)と浜内さんはことし2月、福祉事業所を対象とした調理指導を実施した。

新メニュー開発に関心を示した「ポッケの森」をはじめ、二戸市の「福わらし」、郡山市の「カフェスイートほっと」の3事業所で付加価値の高い弁当やランチプレートの作り方を指導してきた。

浜内さんは「品質を高めることで作業所スタッフの働く意欲を高め、工賃アップにつなげてほしい」と期待している。

■2014.8.5  初の5千件超え 滋賀の昨年度児童虐待 近隣住民からの通告が最多、家族からはゼロ
昨年度、滋賀県や県内各市町が把握した児童虐待の件数が、5109件と初めて5千件を超え、過去最多だったことが4日、滋賀県のまとめで分かった。全国的にも増加の一途をたどっている虐待だが、県内でも5年連続で増え続ける結果となった。県は、新しい子ども家庭相談センターを設置するなど対策を講じていく方針。

草津市と彦根市の「子ども家庭相談センター」と、各市町で受け付けた児童虐待の相談件数を合計した。虐待と判断できなかったケースや、重複する案件を除いて集計した。

この結果、昨年度の虐待件数は前年度より839件増加した。現在の集計方法になった平成20年度以降、前年度と比べた増加率は最も高かった。

虐待の種別では、育児放棄などのネグレクトが最も多い2085件(40・8%)。次いで、身体的虐待1512件(29・6%)▽心理的虐待1442件(28・2%)▽性的虐待70件(1・4%)−と続いた。性的虐待以外の3項目は前年度より増加した。

虐待を行ったのは実母が全体の66・3%と最も多かった。虐待を受けた子供は、小学生が1909件(37・4%)▽3歳〜就学前1249件(24・4%)▽0歳〜3歳未満676件(13・2%)−などの順になった。

またセンターに寄せられた虐待の疑いを知らせる連絡(通告)は922件。そのうち、近隣住民や知人からの通告が444件と最多。県子ども・青少年局は、24年6月、母親が1歳7カ月の三男を放置して死亡させ逮捕された事件をあげ、「母親の裁判に関心が集まり、早期の通告が子供の命を助けることにつながるという意識が高まった」と分析する。

一方、配偶者など家族からの通告は0件だった。県は今後も、児童虐待の通告義務の周知や、子育てに不安を感じている妊婦に対する支援などを行っていく。また、新たな子供家庭相談センターの整備計画を策定するほか、専門職員の増員を進めていく方針。

三日月大造知事は4日の県議会定例会で、「子供の安全のため、新たな子ども家庭相談センター設置の早期実現を目指す。センター間の情報共有機能の拡充にも取り組む」と意気込みを語った。またセンターの人材確保について、「福祉系大学に直接働きかけることなどを県の計画に盛り込みたい」と述べた。

■2014.8.5  自閉症の遺伝子診断は幻想 フランス分子生物学者が講演
ベルトラン・ジョルダン・フランス国立科学研究センター名誉研究部長分子生物学者
元国立科学研究センター研究部長。遺伝子やゲノムをテーマとする学術論文を多数発表。フランスなどのバイオテクノロジー企業のコンサルタントも務める。

フランス国立科学研究センター名誉研究部長であるベルトラン・ジョルダン博士の来日を記念する講演会「自閉症と遺伝」がこのほど都内で開かれた。在日フランス大使館の主催。

分子生物学者で、最新の自閉症に関する遺伝子診断などにも詳しいジョルダン博士は、自閉症の要因には複数の遺伝子や環境などが関係している点を強調。その上で、ほとんど有用性がない自閉症の遺伝子診断を商品化し、利益を上げる企業が出てきている状況に警鐘を鳴らした。

後半では、山ア晃資・日本自閉症協会長と、日詰正文・厚生労働省専門官も議論に参加。会場からは、「これだけ自閉症のことが知れ渡ると、結婚相手をどうするかなどの話題が出てくる。また、マスコミも面白がって不安を煽る形で喧伝しかねない」という意見も出た。



自閉症の原因 誤った仮説も

私は分子生物学や遺伝学の専門家です。まず自閉症について簡単に説明し、次に遺伝子レベルでどのような研究努力が続けられてきたかを紹介します。最後に今後どのような進展が予想されるのかについて、お話ししたいと思います。


では自閉症の現状についてです。

自閉症の人の行動スタイルには、社会的な人間関係を築けない、コミュニケーションがうまくできないなど、さまざまな特徴があります。

自分のおもちゃを一直線に並べないと眠れない。アヒルを置く位置が気にいらないと、眠れない。これは一つの例だが、ほかにも言葉が理解できない子どもや、知的障害のある子どももいます。



自閉症の有病率は、ここ数年で急増しています。しかし、自閉症の子どもが本当に増えているのかは定かではありません。というのも、有病率の急増は自閉症の定義が拡大しているためではないかと言われているからです。

たとえば、知的レベルが高いのに自閉症の特徴がみられるアスペルガー症候群、女児に多く見られるレット症候群、言語や対人行動などが退行していく小児期崩壊性障害なども含まれます。自閉症の定義が明確ではないのです。


自閉症の原因についても、さまざまな議論があります。本日は、四つの説を紹介します。予防接種ワクチン説、母子関係説、神経生物学的要因説、遺伝的要因説です。これらの説には、科学的に否定されたにもかかわらず、信じている人が多い仮説もあります。

まず、ワクチン接種が原因だとする「予防接種ワクチン説」です。その根拠は、両親が自閉症の症状に初めて気づくのが、ワクチン接種を行う2歳頃と重なるためです。また、宗教的あるいはイデオロギー的な理由から、ワクチンに何か問題があるのではないかと疑う人もいます。

ワクチンが無害であることは、科学的にすでに証明されています。ワクチン接種を止めた場合と接種した場合を比較した日本の調査でも、自閉症児の発症割合に違いはありませんでした。



2番目の誤った仮説は、「母子関係説」です。

自閉症という用語を作ったアメリカの精神科医レオ・カナー氏は、1940年代の11例の症例報告に、自閉症の子どもを持つ母親の中には子どもに対して冷淡な態度を示す者もいると記載しました。

また、フランスの心理学者フランソワーズ・ドルト氏は、自閉症は後天的に作られるものであって、子どもがアイデンティティーに関わる試練に順応しようとする過程なのだという説を主張しました。要するに、これは子どもと母親の関係が原因だとする説です。

さらにアメリカの心理学者ブルーノ・ベッテルハイム氏は、両親が無意識のうちに子どもを退けようとするために、子どもは自らを守ろうとするのだという「うつろな砦説」を主張しました。すなわち、子どもが幼児性の精神病になるのは、両親がその子の存在を否定するからだという理屈です。

これまで、そんな精神分析的な考え方が、世界中で信じられてきました。現在は、そのような状況は少し変化しつつありますが、治療に当たる臨床関係者の中には、こうした説をいまだに信じている人もいます。



3番目は、子どもに特定の課題を与えた際に、自閉症児と健常児では、活性化する脳の部位が違うことを根拠とする「神経生物学的要因説」です。

しかし、これが原因だとは必ずしも断定できません。というのは、自閉症児の脳にその特徴が見られるのは確かですが、もしかしたら自閉症になったためにその特徴が見られるのかもしれないからです。



そして、4番目は「遺伝的要因説」です。 これは私の主張する意見でもあります。
これは、一卵性双生児と二卵性双生児を比較した1985年の論文の図です。□が男性、〇が女性を表し、色が塗られているのは自閉症であることを示しています。そして、図の左側に一卵性双生児、右側に二卵性双生児の家系図です。

この図をみると、一卵性双生児の場合、一方が自閉症だと、ほとんどのケースでもう1人も自閉症です。ところが、二卵性双生児の場合、一方が自閉症でも、もう1人は自閉症ではない例がたくさんあることが分かります。

この一致率は、一卵性双生児は85%、二卵性双生児は10%でした。これは非常に重要な点です。

一卵性と二卵性どちらも同じ日に同じ母親から誕生し、同じ環境で育っています。仮に、自閉症の原因が幼児期の生育環境にあるのなら、二卵性と一卵性の一致率は、ほぼ同じでなければなりません。ところが実際には、一卵性と二卵性の双生児では、自閉症の一致率に大きな差があります。よって、遺伝的な影響が強いと言えるでしょう。

しかしながら、遺伝的要因だけが、自閉症の原因ではありません。

自閉症になる遺伝的可能性があっても、実際に自閉症になるかどうかは、環境にも影響されると思われます。

また、遺伝的要因に限って考えても、その仕組みは複雑です。たとえば、1980年代から1990年代にかけて、遺伝性筋疾患やハンチントン病などの遺伝病の原因遺伝子が解明されました。そこで、自閉症についても、同じような研究が行われたのです。

ところが、自閉症の研究では、染色体のいたるところに関係がありそうな遺伝子があるのに、説得力のある遺伝子はどこにも見つかりませんでした。同じ子どもを調査した場合でも、研究チームによって異なる調査結果が出たのです。よって、その時代の自閉症遺伝子の研究は、研究者たちに大いなる幻滅をもたらしました。

遺伝医学により、遺伝的要因が明確に突き止められた疾患もありましたが、自閉症、糖尿病、高血圧症、統合失調症などについては、大した成果が得られなかったのです。

それはなぜかと言えば、単一遺伝子疾患の場合と、そうでない場合を区別して考える必要があるからです。

単一遺伝子疾患の場合には、両親から特定の遺伝子が伝わるかどうかが原因になります。つまり、原因となる遺伝子が壊れて変異していると、間違いなくその疾患にかかります。非常に明確なメカニズムです。

ところが、自閉症を含む多くの疾患は、単一遺伝子疾患ではありません。

つまり、複数の遺伝子が変異を起こしていると、その疾患にかかる可能性が高くなるのです。しかし、変異したそれぞれの遺伝子の影響を突き止めるのは困難です。いくつかの遺伝子が変異していたからといって、ある特定の疾患に必ずなるという確証はないのです。




遺伝子の研究の状況については、まずヒトゲノムの全解読が2002年に終了しました。そして、遺伝子解析のさまざまなツールが登場しました。さらには、2005年ごろから、ゲノムワイド関連解析という、多遺伝子性の疾患を分析する新たなツールも開発されました。

さまざまな解析技術が生まれ、自閉症に関係すると思われる複数の遺伝子が発見されました。

ここでは詳細には触れませんが、自閉症は数多くの遺伝子が関与する非常に複雑な疾患であり、個々の遺伝子がおよぼす影響ははっきりしないことが分かったのです。

しかも、自閉症にはさまざまなタイプがあります。同じ自閉症という名前の疾患であっても、症状はそれぞれ異なるため、自閉症遺伝子の特定はさらに難航しています。

ただ、自閉症に関係があるのではないかと思われる遺伝子の大半は、神経回路に関与しています。また、自閉症を引き起こす唯一の遺伝子があるのではなく、多くの遺伝子が自閉症に関わっていることが分かってきました。

つまり、ある種の変異が重複して起こると、自閉症になりやすくなるということです。そして、先ほど紹介した単一遺伝子疾患とは違って、特定の遺伝子を発見するのは非常に難しいことがはっきりしました。



自閉症に関係する遺伝子が見つからないのではなく、自閉症になる決定的な遺伝子が見つからないということです。



メディアはどう報道しているか

こうした自閉症の原因はメディアでどのように報じられているのでしょうか。

たとえば、研究者が自閉症の原因となる遺伝子を発見したという発表をみてみましょう。実際には、発表が意味するのは、自閉症の人に変異遺伝子が見つかったということであり、自閉症になる遺伝子が見つかったという意味ではありません。さらに詳しく見ると、ある遺伝子の変異により、特定の情報伝達物質が損なわれるという論文であることが分かります。

ですから、元の論文は実際には自閉症の原因とはほとんど関係がないということです。また、世の中には怪しい論文がかなりあるということを申し上げておきたいと思います。子どもに粉を振りかけると自閉症が治るとか、そういった類のものもたくさんあります。


自閉症の研究の継続を

次に、精神分析的アプローチや行動療法といった自閉症の治療についてお話ししましょう。

精神分析的アプローチの効果は、いまだに明確に証明されていません。子どもに何か指示を与えて、上手にできればご褒美をあげるという行動療法に関しては、限界はあるものの、現在のところ科学的に効果が証明されている唯一の療法だと言えます。その効果は、絶大ではないにしても確実にあります。

ただし、この行動療法には、親や関係諸機関の多大な努力が求められます。一方、家畜に対する調教のようだという批判もあります。

しかし、この行動療法によって、症状が大きく改善したという子どもがかなりいるのは事実です。たとえば、行動療法により通学できるようになった子どもは大勢います。

要するに、研究を続けることが非常に重要なのです。研究を続けることにより、さまざまな症状の自閉症を分類できます。なぜなら、症状ごとに関係する遺伝子を突き止めることが必要だからです。我々は、こうした研究を基盤にして、薬物療法をはじめとする療法を見出していかなければならないのです。

もちろん、当事者である子どもやその家族・親の声に耳を傾けることも大切ですし、研究の財源を確保することも不可欠です。そして、治療の効果を評価する努力も必要です。

自閉症という非常に複雑な疾患について、研究が何の役に立つのかという疑問が生じるのは当然ですが、こうした研究を続行すれば、いずれ罹患に関与する神経回路が特定される日も訪れるのではないでしょうか。

そうなれば、問題のある神経回路や症状ごとに、それぞれのケースに見合った治療法や対応法が、開発できるようになるでしょう。

これまで、自閉症の原因は、異なるイデオロギーを持つ研究者が個別に研究を進めてきました。しかし今後は、研究者たちが一丸となって協力し合うことが重要なのです。

■2014.8.5  岡本太郎とアール・ブリュット 表現とは?作品並べ問いかけ 川崎の美術館 /神奈川
◇専門教育を受けていない芸術家

前衛芸術の旗手とされた故岡本太郎の作品と、「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼ばれる美術の専門教育を受けていない芸術家の作品を並べて展示する企画展が、川崎市多摩区の岡本太郎美術館で開かれている。子供や知的障害者の絵、アフリカの仮面を、ピカソなどの前衛芸術と同一線上の表現行為と捉えていた太郎の芸術観に沿った企画で、同館では初めて。10月5日まで。

パリの税関職員の傍ら絵を描いたアンリ・ルソーや、イギリスで船具商を営みながら70歳から独学で絵を学んだアルフレッド・ウォリスらの作品に始まり、滋賀県甲賀市の福祉施設「やまなみ工房」、埼玉県川口市の工房「集」などで活動する自閉症や知的障害のある作家らの立体作品が並ぶ。

川崎市立中央支援学校の子供たちの共同作品、80歳を超えて大作を描き続ける元新聞記者の石山朔氏(93)の巨大な抽象画やアフリカの仮面、太郎の彫刻「ノン」なども展示されている。

同館の仲野泰生学芸員は「日本のアール・ブリュットの作家は、海外でも評価が高い。企画展で表現とは何か問いかけたい」と話している。

開館は午前9時半〜午後5時。観覧料は一般800円、高校・大学生と65歳以上600円。中学生以下無料。祝日を除く月曜と9月16、24日は休館する。毎日午後2時から同4時には、参加型イベント「顔を描こう! 仮面を作ろう!」が開かれ、参加者が作った仮面も、企画展の中で展示される。

■2014.8.5  自閉症の対処法・治療法
脳の発達障害から起こる「自閉症」。現在、自閉症の詳細なメカニズムは解明されていないため、根本的原因を取り除く手術や具体的治療法はありません。では、自閉症と診断されたら、その後どのような治療を受けるのでしょうか?

ここでは、自閉症の対処法・治療法を紹介します。

社会生活を送るためのトレーニング

自閉症の主な症状のひとつ、「コミュニケーション能力の欠如」については、社会生活を送る上でハンディキャップとなります。コミュニケーション能力のレベルを向上させる対策として、自閉症の症状をトレーニングで目立たなくさせる方法がとられています。 繰り返してしまう反復行動や自分のパターンをやめさせたり、社会のルールを教えます。小さな目標を少しずつクリアしていきます。専門の精神科医などの指導のもと、親や家族が愛情を持って根気良く日々を積み重ねていくことが何よりのトレーニングとなります。

薬物治療は慎重に

自閉症の症状の中で、「多動性」や「儀式的行為」、「自傷行為」などの症状を緩和させるために、薬物治療が用いられます。投与期間は、数か月〜数年間にわたることがあります。ただ、小さい子どもには、薬の分量や副作用が異なるため、慎重に使用されなければなりません。また、薬物治療をしても、自閉症そのものを治すわけでなく、あくまで補助的な治療、症状を緩和する意味合いで使用されます。

症状によっては改善の可能性も

IQ70以上の高機能自閉症アスペルガー症候群の場合、知的レベルが一定なので、5〜7歳までに言語でコミュニケーションできるように成長していれば、社会生活を送る上でのハンディキャップは軽減される可能性もあります。また、幼児期に自閉症と診断されても、成長するにつれて症状が改善される場合があります。ただ、環境や行動の変化になかなか対応できないなど、改善されにくい症状もあります。

誤解される病気を支えるのは家族

自閉症の子どもは、一見健康に見えるため、周囲から「しつけがなってない子」と誤解されてしまうこともあります。自閉症を取り巻く環境は、少しずつ改善されてきてはいるものの、正しい理解を得るにはまだまだ時間を要するのも事実です。そんな厳しい現実の中で、自閉症の子どもが社会生活に適応していくためには、家族や周囲の協力が必要不可欠です。 ママをはじめ、自閉症の子どもを持つ家族は強いストレスを抱え、孤立してしまうこともあります。専門の小児科医や精神科医を見つけ、自閉症とはどのような病気なのかをきちんと理解し、コミュニケーションをとる努力を積み重ねていくことが大切です。

■2014.8.6  大企業"最高益"の一方…5月の「生活保護受給世帯」、過去最多の160万3093世帯
厚生労働省は6日、2014年5月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、5月時点の生活保護受給世帯は前月比2,852世帯増の160万3,093世帯となり、過去最多を更新した。増加は2カ月ぶり。

生活保護受給者数も前月比5人増の215万9,852人と、同じく2カ月ぶりに増加した。

世帯別に見ると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の約47%に当たる75万1,363世帯(前月74万9,370世帯)でトップ。

以下、その他の世帯が28万3,371世帯(同28万3,249世帯)、傷病者世帯が26万9,249世帯(同26万9,459世帯)、障害者世帯が18万3,418世帯(同18万2,635世帯)、母子世帯が10万7,872世帯(同10万7,675世帯)と続いた。

■2014.8.6  発達障害者の就労一層の理解を 20日・神戸で講演会
発達障害のある若者の就労支援に取り組んでいる神戸市西部地域障害者就労推進センター・同市発達障害者西部相談窓口は20日、同市内で「発達障害およびその可能性のある若者の就労と進路選択について」をテーマに講演会(参加無料)を開催する。


 発達障害は、人間関係に困難を抱えるアスペルガー症候群や、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの総称。日本学生支援機構の調査では、大学に限れば、発達障害と診断された人は全国で約2000人だが、診断を受けていない「グレーゾーン」の人を含めれば、発達障害の可能性のある学生は数万人に及ぶといわれる。

2005年施行の「発達障害者支援法」では、大学や高等専門学校で適切な配慮をすることを規定。神戸市から相談窓口を委託されている社会福祉法人「すいせい」(神戸市垂水区、伊藤柳子理事長)では、関西学院大や甲南大と提携し、大学や企業の対応について相談を受ける一方、発達障害のある学生の企業へのインターンシップに同行して適性を見極めるなどの取り組みを続けてきた。「すいせい」など支援機関や企業の努力で、発達障害者の雇用状況はこのところ前進しているが、当事者をはじめ教育機関や企業、行政機関、医療機関の関係者に、一層の理解を深めてもらうのが今回の講演会のねらいだ。

講演会は20日午後2時から神戸市中央区下山手通の兵庫県看護協会ハーモニーホールで。2部構成で、第1部は「大学生の発達障害」などの著書がある宇都宮大・梅永雄二教授が「発達障害のある人の就労上の課題と支援」と題して講演。第2部は関西学院大総合支援センターの鈴木ひみこコーディネータと「すいせい」副理事長の岸田耕二氏が「高等教育機関における取組と地域支援機関の実際」について話す。

参加希望者は「すいせい」のホームページに添付の応募フォームで

■2014.8.6  安川電機:歩行支援装置、臨床研究会発足 歩行アシスト装置「ReWalk」
安川電機(北九州市)は、下半身にまひがある人向けの歩行支援装置「ReWalk」(リウオーク)の2015年販売開始に向け、臨床応用の研究会を発足させたと発表した。

産業医科大(北九州市)とリハビリテーション1施設が参加し、協力医療機関を募る。産業医科大リハビリテーション医学講座の和田太准教授が世話人を務める。

リウオークは、脊髄(せきずい)損傷などで下半身がまひした人の重心位置を検知して歩行動作を助ける福祉機器。イスラエルのメーカーが開発し、今年6月には米食品医薬品局の個人向け販売認可を受けている。安川電機は日本とアジア5カ国での独占販売権を有している。

https://www.youtube.com/watch?v=cBzwbbTPJg0#t=80

■2014.8.6  自宅での看取りを支援する「看取り士」とは
「厚生労働省の試算では、団塊世代の高齢化に伴い2025年には病院のベッド数が足りず、45万人の死に場所がなくなります。このままでいいのでしょうか。看取りは英語でデス・ウオッチ。日本人に求められているのは、死を見つめ、死に逝く人を抱きしめて命のバトンを受け取る作法を共有することだと思います」

一般社団法人「日本看取り士会」会長の柴田久美子さんがそう語る。看取り士とは、余命宣告を受けてから納棺まで在宅での看取りを支援する職業。尊厳ある最期を迎えられるよう本人と家族、医師らと相談し24時間態勢で寄り添う。

「介護職員初任者(旧ホームヘルパー2級)以上の資格が必要ですが、公的な資格ではありません。私が実施する2週間の合宿の養成講座で、自宅での看取りの作法や死生観などを学びます」(柴田さん)

日本看取り士会認定の看取り士は全国に34名。まだビジネスモデルとして確立されていないため大半の看取り士が看護師や介護士など別の職業を持っている。

その看取り士による初の全国大会が今年8月24日午後2時から東京・新宿区の四谷区民ホールで開かれる予定。この取り組みに共感する企業や医師、介護士、市民やメディア関係者らでつくる実行委員会(委員長・奥健一郎鹿児島大学教授)が主催。看取り士と支援者、市民らが集い、在宅での看取りのあり方などを考える。

柴田さんは外食産業を経て介護の世界に入り02年に看取りの家「なごみの里」を島根県に設立。高齢者1人に介護者3人の態勢で寄り添う24時間の介護と、胃ろうなどを行わない自然死での看取りを実践。また看取り士を養成する一方、ボランティアによる看取りサポートチーム「エンゼルチーム」を結成し、看取り士との連携による終末期の暮らしの新たなモデルを立ち上げた。柴田さんが言う。

「日本人の8割は自宅で死ぬことを望んでいますが、少子化で在宅介護を支える“家族力”が不足しています。しかも病院死が多く、人が死ぬところを見たことがない人がほとんど。これでは在宅で看取るのは難しい。全国大会をステップに看取り士の活動を多くの人に知ってもらいたい」

■2014.8.6  日本の看取りを考える全国大会 24日 東京・新宿で、参加無料 /東京
少子高齢化が進み「死」とどう向き合うかが社会の重要な課題になる中、「日本の看取(みと)りを考える全国大会」が24日午後2時、東京都新宿区の四谷区民ホールで開かれます。看取りの活動をサポートしている医師や福祉関係者らの実行委員会(委員長=奥健一郎鹿児島大教授)が主催し、毎日新聞社などが後援します。参加無料。

「日本看取り士会」という一般社団法人(岡山)があります。「自宅での死」を前提に、余命告知を受けた段階から本人や家族と話し合い、最期に向けたサポートに取り組む団体です。具体的には法人が認定した看取り士(現在36人)が、全国に支部を持つボランティア組織「エンゼルチーム」と連携して活動しています。

大会では、長尾和宏・長尾クリニック院長(兵庫県尼崎市)が「今、なぜ看取り士なのか?看取りに必要な医療と法律の知識」をテーマに講演。実行委員長の奥教授、看取り士会の柴田久美子会長らがシンポジウムでさらに掘り下げます。

2025年には団塊の世代が75歳を迎えます。これに備え、看取り士会では看取り士を1000人規模に増やし、財政的な裏付けも整えたいとしています。柴田会長は「8割の人が自宅で最期を迎えたいと願いながら、8割5分が病院や施設で亡くなっています。孤独死を防ぎ、自宅死を実現できる社会をみんなでつくっていきたい」と話し、大会への参加を呼びかけています。

23日と25日には、渋谷区代々木3の家庭クラブ会館で「看取り学」の初級・中級講座も開催。問い合わせは日本看取り士会

■2014.8.6  押しやすさを追求! 介護者に優しい車いすハンドル
車いすを押す作業が日常化しており、からだへの負担を軽くできればと考えている人は、導入を検討してみてもいいかもしれない。

「押しやすさ」を追求した車いすのハンドル「Wheelchairhandles」が、ネット上で話題を集めている。操作性を高めて負担を減らす設計で、ケアラーの視点に立った便利なアイテムだ。

「Wheelchairhandles」は、人間工学にもとづいて押す力が入りやすいようにつくられた。価格は45ドル。

持ち方は、ピストルグリップ、オーバーハンドグリップ、アンダーハンドグリップの3種類から、好みや体型に合わせて選べる。急な坂道でも操作がしやすくなるほか、普通のタイプのハンドルを持ちにくい背の高い人でも、ぴったりとフィットして楽になるという。一般的なハンドルのほとんどに、そのまま装着することが可能だ。

https://www.youtube.com/watch?v=G6nn1dUlOCI

■2014.8.6  「太陽の家」が結んだ絆 中村博士との 足跡紹介
別府市の「太陽の家」の名付け親である直木賞作家の水上勉が没後10年を迎える。水上が古里に開設した若州一滴(じゃくしゅういってき)文庫(福井県おおい町)では、水上が障害者福祉の向上に果たした役割を紹介する企画展を計画。文庫を運営するNPO法人「一滴の里」は、太陽の家を創設した故中村裕博士と共に障害者の自立と社会参加を目指した2人の足跡をたどるため、大分県内に残る資料を集めた。

水上は先天性の障害があった次女の治療、リハビリを通して中村博士と知り合った。「保護より機会を」と訴え、障害者の生きがいづくりに奮闘していた中村博士の思いに共感。障害者の就業の場となる太陽の家の実現に向け、国に働き掛けたり、博士をモデルにした小説「くるま椅子の歌」の印税をつぎ込むなど太陽の家の“サポーター”として貢献した。

「一滴の里」の下森弘之・学芸員司書は、水上のこうした活動や2人の絆を裏付ける資料を収集。7月下旬に大分県を訪れ、太陽の家歴史資料館(別府市)などを巡り、交わされた手紙や年表などを借り受け、企画展で展示する。

このうち、1967年に病気療養中だった中村博士に水上が送った手紙では、体を気遣った上で「『太陽の家』は永遠の事業だと思います」とつづるなど、思い入れの強さがうかがえる内容。下森学芸員司書は「地元・福井では小説家としての顔しか知られていない。企画展を通して福祉に力を入れた水上先生の別の一面を紹介できたら」としている。

一方、多数の資料を貸し出した太陽の家の人事・広報課の四ツ谷奈津子課長も「あらためて2人の関係を見ると、水上先生が太陽の家の設立に深く関わっていたことが分かる」。

企画展は6日〜11月3日の予定。「水上先生が没後10年を迎える今年は中村先生の没後30年でもある。遠く福井で太陽の家のことが紹介されることは光栄なこと」と話した。

■2014.8.6  「学習障害」の特徴や治療方法はどうなっているの?
学習障害は、ラーニング・ディサビリティズの頭文字を取って、LDとも呼ばれています。基本的な知的発達には問題がないものの「算数だけができない」「文字が読めない」など、ある特定の能力に関してだけ習得が難しいという障害です。

今回は学習障害の種類や治療法について、基本的なお話をしましょう。

言語能力としての読み書きに困難がある場合

目も見えるし耳も聞こえる、また会話もできて理解もしているのですが、本人の努力に関わらず、文字を読んだり、書いたりすることができない障害を「発達性ディスクレシア」といいます。「言語能力としての読み書き」に障害があるのです。
文字をひとつひとつ別個に読んだり、行間が狭いと読み間違いをしたり、読めない字を飛ばしたり、といったような特徴があります。文字とイメージが一致させることができないのです。
スティーブン・スピルバーグやトム・クルーズなど、この障害に悩まされた人も少なくありません。

「算数・計算の能力」「推論をする能力」に困難がある場合

そのほかには「数字や記号そのものの意味を理解できない」「簡単な計算ができない」というように「算数や計算に関する能力」に障害がある場合もありますし「物事の流れを理解できない」「話の流れをつかめない」というように「推論をする能力」に障害がある場合もあります。
もちろんこれらも、本人の意思や努力とはまったく関係がありません。

診断と治療のまえに「まず詳しい検査」

何らかの傾向がはっきりと現れてきた場合は、診断のまえに詳しい検査をして脳に出血、腫瘍などの病気がないかどうかを調べます。
次に知能テストを行って知能の異常な遅れがないかをチェックし、さらに読み書きや計算などの検査を行います。
それらの結果しだいで、学習障害なのか、注意欠陥・多動性障害なのか、高機能広汎性発達障害なのかを診断します。
どのような障害なのかによって対策や治療法が違ってくるので、この診断はとても重要なものになります。

治療は「専門家に協力してもらう」のが鉄則

その子供の個性だと考えられてつい見過ごされがちですが、学習障害と診断された場合は、それに対応した治療が始まります。

学習障害は中枢神経系に何らかの障害があることが原因ではないかといわれていますが、はっきりとしたことはよくわかっていません。

対策としては、障害の程度によっても違いますが、本人のペースによって繰り返し学習していくことが大切です。また、最近はパソコンやワープロなどの道具を使う方法なども取り入れられているようです。

いずれにしても臨床心理士や精神科医、小中学校の先生、そして何より周りの人々の協力が欠かせません。

診断や治療が必要かもしれない、と思ったら、専門医はもちろん、全国各地にある「発達障害者支援センター」に相談しましょう。

■2014.8.7  介護利用、最多566万人 13年度厚労省調査
厚生労働省は7日、2013年度の介護給付費実態調査を発表した。介護サービスや介護予防を利用した人は、12年度から約23万人増え過去最多の566万500人だった。高齢化で右肩上がりで、調査対象が今と同様になった03年度から10年間で1.5倍になった。

介護サービスの内訳をみると、在宅で受けるサービスの利用者が約15万人増の約346万人。うち、ホームヘルパーによる介護を受ける訪問介護が139万人(約4万人増)、通所介護(デイサービス)が約175万人(約10万人増)だった。施設サービスは約2万人増の119万人で、うち特別養護老人ホーム(特養)の利用者が60万人(約2万人増)、老人保健施設(老健)が約53万人(約1万人増)だった。

夜間の訪問介護などに対応した地域密着型サービスは約47万人となり、3万人近く増えた。

介護予防の利用者は、約9万人増えて143万人となった。うち、訪問介護は約61万人(1万人増)、通所介護は67万人(6万人増)で、これらは15年度から市町村の事業に段階的に移される。

■2014.8.7  <署名活動も実施中>厚労省に介護報酬改定の要望書を提出――NCCU
介護業界で働く人を支援するUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、8月5日、田村厚生労働大臣あてに介護報酬改定についての要請書を提出した。

「介護報酬の改定に係る要請書―介護従事者の処遇改善に向けて―」と題した要請書は、組合員からの声を書き添えた上で、
●介護従事者の仕事が適切に評価される介護報酬の引き上げ
●介護職員処遇改善加算の基本サービス費への組み入れ
●身体介護と生活援助の一元化
●要介護(支援)度が改善した結果の報酬上での評価
●キャリア段位取得者を雇用している事業所の評価
●医療行為サービスの評価
以上の6項目を求めた。

要請書を受け取った三浦老健局長は、介護職員がモチベーションを高く持って働けることが「最終的には介護の質に直結すると考えている」と述べ、介護職員処遇改善加算の取り扱いについては、「処遇改善のメッセージをはっきりさせるためには、基本報酬に入れてしまうとメッセージがぼやけてしまうのではないか」と懸念を示しながらも、今後の審議会での議論となることを示唆した。

NCCUでは、8月より2015年介護報酬単価の改定に向けた「緊急署名活動」を展開中。20万人を目標に10月7日まで署名を受け付けている。

【NCCU組合員以外の署名方法】
要請内容を記載した「2015年介護報酬改定 署名活動用紙」に署名し、10月7日(当日消印有効)までに日本介護クラフトユニオンへ郵送する。

■郵送先
〒105-0014
東京都港区芝2-20-12友愛会館13F
日本介護クラフトユニオン署名係 宛

◎UAゼンセン日本介護クラフトユニオン
http://www.nccu.gr.jp/

■2014.8.8  企業が社会福祉法人再生 京都の病院、初の私的整理 社会福祉法人宇治病院
経営不振に陥った社会福祉法人を民間企業のノウハウを活用して再生する動きが出てきた。宇治病院(京都府宇治市)は社会福祉法人として初めて私的整理手続きに入る。京都銀行が債権を放棄し、東証1部上場のノーリツ鋼機グループが再生を支援する。事業を続けながら再生できる私的整理を選び、患者や老人ホーム入居者などへの支障を回避する。

政府系ファンドの地域経済活性化支援機構が私的整理と金融支援を仲介し、8日にも発表する。再生の体制が整い次第、和歌山市に本社を置く精密機器メーカーのノーリツ鋼機グループによる支援も発表する。

社会福祉法人は高齢者や障害者を受け入れる福祉施設や保育所などを運営する非営利の法人。法人税は課されず、国や地方からの補助も受ける。

社会福祉法人を取り巻く事業環境は企業の参入を促した2000年の介護保険法施行と介護報酬の引き下げなど収支悪化につながった06年の同法改正で激変した。

帝国データバンクによると、一般企業も含めた老人ホームや在宅介護サービスなどを展開する「老人福祉事業者」の倒産件数は13年に00年以降で最多となる46件を記録した。税制優遇や補助金を受けていても、経営戦略のまずさで経営不振に陥る社会福祉法人が今後も増えるとみられる。

宇治病院の私的整理は、民間企業のノウハウを生かした社会福祉法人再生のモデルケースとなる公算が大きい。

宇治病院は病院のほか、200人程度の利用者を抱える介護事業も兼営する。3、4年前から経営上の混乱で医師の大量離職が相次ぎ、大幅な減収に陥り、赤字に転落していた。特別養護老人ホームも運営しており、破綻すれば事業を継続できず、入居者が退去を迫られるなど混乱が生じる恐れが強まっていた。

私的整理で事業存続を目指すのは、宇治市が病床不足で、福祉施設も全国平均と比べ少ない地域だからだ。病院以外の介護事業は黒字で、地元自治体も事業の継続を望んでいる。

京都銀行は宇治病院向けの債権を放棄し、残る債権も劣後ローンに振り替える。金融支援額は公表しない方向だ。宇治病院は保有する不動産の含み損を抱えており、実質債務超過状態にあるとみられ、債務を免除しなければ、再生できないと判断したもようだ。

宇治病院は経営陣を刷新し、新たな体制の下で再生を目指す。社会福祉法人は非営利法人で、企業支援のように出資したり買収したりしてスポンサーになることはできない。しかし、経営改善には民間企業の経営ノウハウや事業運営の手法を取り入れる必要がある。

政府が出資する地域支援機構も幹部を派遣したり官民共同支援の姿を作ったりして、事実上、ノーリツ鋼機グループが再生を請け負う形にする。

実際に再生作業を請け負うのはノーリツ鋼機のグループ会社で医療機関・福祉事業者向けのコンサルティングや債権の買い取りを手がけるエヌエスパートナーズ(東京・港)。人材の派遣も検討している。ノーリツ鋼機は医療関連機器も製造するメーカーで、医療関連企業の買収を繰り返している。今回の支援は経営ノウハウを取得する狙いがあるとみられる。

社会福祉法人を巡っては、厚生労働省も社会福祉法改正を目指し、ガバナンス(統治)強化に着手しており、宇治病院の再生は制度見直し議論にも影響を与えそうだ。

同省は7月4日、「社会福祉法人制度のあり方について」と題した報告書を発表。組織改革や財務面の強化策を盛り込んだ社会福祉法の改正案を作る作業に入っている。

▼私的整理 経営不振に陥った企業を、裁判所など司法の関与なしに処理すること。金融機関が債権をカットすることで、債務者が経営体制の刷新や抜本的リストラといった大胆な経営改善をしやすくなる。法的整理は原則として取引先の債権もカットされ、事業を継続・再開しにくく、再建そのものが難しくなるケースもある。

最近では地域経済活性化支援機構のような官民ファンドや事業再生ADR(裁判外の紛争解決手続き)を運営する事業再生実務者協会のような第三者機関が仲介するケースが増えている。早めに金融支援に踏み込めば、法的整理のように事業の継続に支障が生じる懸念を払拭できる。

■2014.8.8  袖ケ浦福祉虐待、千葉県の責任厳しく指摘 検証委が最終答申
知的障害のある児童らが入所する袖ケ浦福祉センター(袖ケ浦市蔵波)での虐待問題を調査する第三者検証委員会は7日、今後のセンターのあり方などについて最終答申をまとめ、森田健作知事に手渡した。答申では虐待発覚の端緒となる内部告発などを生かせず、運営する県社会福祉事業団の虐待体質を見抜けなかった県の責任の重大さを厳しく指摘。平成29年度末までを「集中見直し期間」として、センターの定員縮小や全県的な行動障害者支援体制を構築するなどの取り組みを提言した。

同センターでは昨年11月、入所者の少年=当時(19)=が元職員から暴行を受けた後に死亡。その後の県の立ち入り検査で、16〜25年度の10年間に職員15人が23人の入所者に暴行などの虐待をしていたことが判明している。

検証委では職員が虐待防止の研修を十分に受けておらず、組織として虐待を防ぐ体制が機能不全に陥っていた事業団の体質を指摘した3月の中間報告を踏まえ、同センターの設置者である県の指導監督責任や、センターのあり方を検討。県職員へのヒアリングなどの結果、14〜24年度に計3回、虐待が疑われる事案や匿名の内部告発があったが、処分の公表や十分な対応をしていなかったことが分かった。毎年の監査でも、事業団が提出した書面を元にした形式的な指導にとどまり、「事業団に虐待体質があったことを見抜けた可能性のある機会を少なくとも3度は失った。踏み込んだ指導監督が行われたとは言い難く、県の責任は看過できない」とした。

同センターについては定員170人を抱える現在の大規模施設から、虐待のリスクを抑えるため利用者に応じた適切な支援ができる小規模化への転換が必要と提言。集中見直し期間に定員を半数程度に縮小し、閉鎖的にならない施設整備を進めるとともに、センターに一極集中する強度行動障害者支援を他の施設でも実施できるよう体制を構築するなど、県全体での取り組みを促した。

中間報告では27年度末が期限の事業団の指定管理について、前倒しで選定をやり直すことを検討していたが、見直し期間内の実施状況を見た上で、指定管理者制度の運用そのものについて検討するとした。

検証委の佐藤彰一座長は「虐待問題は閉鎖空間になりやすい他の施設でもあり得る話。行政の監督責任などを考え直さなければならない」と述べた。森田知事は「真摯(しんし)に受け止め、二度と同様の事態を起こさないよう県として取り組んでいく」と決意を示した。


千葉県社会福祉事業団問題等第三者検証委員会
http://social-welfare.rgr.jp/databox/yyyy2yy2yy21.png

千葉県社会福祉事業団による千葉県袖ヶ浦福祉センターにおける虐待事件問題、同事業団のあり方及び同センターのあり方について
提言・報告
http://social-welfare.rgr.jp/databox/yyyy2yy2yy25.pdf

■2014.8.8  <労働時間や割増賃金で>介護現場の73.4%ので労働基法違反――厚労省埼玉労働局
厚生労働省埼玉労働局は、7月29日、埼玉県内の介護労働現場の73.4%で労働基準関係法令違反があったと発表した。

同労働局では、介護現場の労働改善を目的に介護事業場への監督指導や労務管理の講習を行っており、2013年1月から12月まで埼玉県内の128事業場を対象に実施した監督指導にて、労働基準法違反が判明した。

法令違反の内容は、労働時間に関するものが46件(35.9%)で最も多く、次いで割増賃金に関するものが45件(35.2%)、就業規則に関するものが22件(17.2%)、労働条件の明示に関するもの19件(14.8%)だった。このうち時間外労働や深夜労働 、休日労働が対象となる割増賃金に関する法令違反の割合は、2011年の17.2%に比べて18%も増加した。

埼玉労働局では、埼玉県やさいたま市・川越市と連携し、埼玉県内の介護事業場を対象に集団指導を実施しており、今後も労働基準関係法令の自主点検を実施するほか、問題の認められる介護事業場には、重点的に監督指導を実施するとしている。

■2014.8.8  社会福祉法人紫峯会 認可保育所で2億1000万円 前園長と母、飲食・光熱費 大阪・吹田
大阪府吹田市で認可保育所を運営している社会福祉法人紫峯会の前園長と前理事長が、保育所の運営費などを不正に流用していたとして、法人が約2億1000万円の返還を求めていることが分かった。運営費は公費で賄われているが、飲食費に使ったり、自宅の光熱費を保育所に負担させたりしていた。運営費不足などから、職員数が基準を下回る事態も招いていた。前園長らは返還する意向を示しているという。

市や法人関係者によると、前園長の40代男性は2011〜12年、個人で使う乗用車を法人経費でリース契約(約410万円)したり、法人名義のクレジットカードでキャバクラでの飲食を繰り返したりしていた。

また、前園長の母親である前理事長の70代女性は、保育所隣にある自宅の電気・ガスのメーターを保育所と共同使用し、使用料を全て負担させていた。保育所と自宅が建設された1979年から30年以上にわたり、使用料の総額は約8000万円に上る。この他、領収書の日付がないなど使途が不明な支出が約4000万円あり、保育所の会計から他事業への不正支出も約5000万円あった。

市はこうした不正を把握し、前園長らに返還を求めるよう法人を指導。法人は流用が最大で約2億1000万円とみて、今年2月に前園長と前理事長に同額を返還請求した。

また、所得税や社会保険料などの滞納は約3000万円に上り、保育所の土地・建物は13年4月まで約2年間差し押さえられた。運営費不足もあって職員数は一時国の基準を下回っていた。児童に必要な歯科検診を受けさせていない年もあった。いずれも現在は改善している。

保育所は79年に大阪府の認可で設立し、年間8000万〜9000万円の運営費は国と府、吹田市が負担している。さらに数百万円の補助金も受給しているが、職員数の不足などを理由に13年度はカットされた。

市の調査に、前園長は「すみません」と謝罪し、昨年3月に辞任した。前理事長は、前園長に運営を任せていたとし、「(電気・ガス代は)自分が払っていると思っていた」と説明したという。取材に対しては「わからない」と具体的な説明を拒んだ。現理事長は取材に「損害の回復と運営の改善を進めていく」と話している。

■2014.8.8  袖ケ浦「養育園」虐待死 組織の閉鎖性指摘
「設置者として責任を持って利用者の生命と生活を守る認識に乏しかったのではないか」−。袖ケ浦市の県立障害者施設「養育園」で昨年十一月、知的障害のある少年(19)が暴行を受けて死亡した事件で、県の第三者検証委員会は七日、県の指導監督が不十分だったと批判した。今後虐待のリスクを減らすために施設の定員半減も求めた。

検証委から最終報告の答申を受けた森田健作知事は「県民の信頼を損ねることで、設置者である県の責任も大きい。最終報告を精査し、二度と起きないよう県として全力で取り組みたい」と述べた。

最終報告は、県社会福祉事業団が運営する施設の今後のあり方について、虐待を防ぐためには入所者に「きめ細かな支援が必要」と指摘。障害児向けの「養育園」(定員八十人)、成人の知的障害者らが入所する「更生園」(同九十人)とも、定員を半分程度にするよう提言した。

二〇一七年度末までを「集中見直し期間」と位置付け、定員縮小に加え、開放的で明るい住環境・生活空間となるよう施設の建て替えなども求めた。

集中見直し期間後は、指定管理者制度の運用を再検討。養育園と更生園の一体運営の見直し・分割により、小規模ケアなどを徹底している民間法人の参入も促した。

検証委は最終報告の答申で役割を終える。今後は第三者らによる進捗(しんちょく)管理を図る委員会を立ち上げ、見直しの状況を確認する。

相談支援専門員の資格を持つ人を、利用者一人一人の生活状況を確認する「パーソナルサポーター」として派遣し、外部チェックも強化する。

座長の佐藤彰一弁護士は会見で「今回の虐待は規模が大きく、中身が陰湿で、防止策がほとんど機能していなかった」と説明。「社会から離れた閉鎖的で孤立した空間、組織であったことで、職員が視野狭窄(しやきょうさく)に陥った」と原因を分析した。

その上で「全国の同じような閉鎖的な施設では起こり得る。この事件を契機に、障害者虐待防止法の改正や行政の監督体制などをもう一度考えないといけない」と話した。

■2014.8.8  聴覚障害者の不安解消へ 救急車に情報伝達ボード 富士宮
富士宮市は7日、聴覚障害者の救急救命時に役立てる「コミュニケーションボード」を市内すべての救急車6台に配備したと発表した。情報伝達をスムーズにする媒体として活用し、聴覚障害者の不安解消を図る。

ボードはA4判。表面には人体図とともに「指さしで教えてください。痛い、苦しい、どこ?」と記載されている。裏面には、身体障害者手帳を出して▽手話通訳者が必要か不必要か▽病院に行く―などの欄がある。市身体障害者福祉会聴覚障害部の要望を受けて作製した。

市介護障害支援課によると、市内の聴覚障害者は364人。ファクスで救急車を要請する訓練を年1回行っている。しかし、救急車が到着後に「救急隊員とコミュニケーションを取れるか不安」との意見が上がっていた。

市中央消防署の救急救命士遠藤良浩さんは「筆談よりも時間を短縮でき、迅速な救命救急につながる」と効果に期待する。聴覚障害部はかかりつけ医や既往症、服用薬などを書き込む情報カードを作り、身体障害者手帳と一緒に携帯するよう部員に呼び掛けている。

■2014.8.8  「駐禁除外標章」の不正使用が急増 兵庫県内
身体障害者らが、路上などに駐車することを許可する「駐車禁止除外指定車標章」を不正に使った駐車違反が急増していることが、兵庫県警への取材で分かった。今年は兵庫県内の取り締まり件数が6月末時点で141件に上り、昨年1年間の167件に迫るペースで推移している。

違反が集中しているのは、三宮や元町など県内最大の繁華街を抱える生田署の管内。昨年、県警が取り締まった167件のうち100件が同署管内だった。

同署によると、大半は正しく使用されているが、標章の交付を受けた障害者らの家族が、自分の買い物や飲食の際に利用するケースが目立つ。

母親が介護施設で寝たきりの生活を送っているという女性は、取り締まりの署員に対し「母親の買い物に来た」と主張。しかし、実際に母親は同乗していなかった。標章を掲示していても一般のドライバーと変わらず、反則切符を切られた。

また、自営業の女性は、自分の店の近くで少しずつ駐車場所を変えて署員の目を逃れようとしていたが、3回の取り締まりを受けた。業務に使用していた可能性がある。中には、標章に記入されている登録番号を荷物で見えないように隠し、誰が使っているかを分からないようにする悪質なドライバーも後を絶たないという。

通常の駐車違反と同じで、普通車の場合1万〜1万5千円の反則金が科せられる。交通渋滞を引き起こしたり、救急車などの緊急車両の走行を妨げたりすることもある。同署の中村貴志交通課長は「障害者らの利便性を考えて交付しており、適正に使ってほしい」としている。

社会福祉法人「神戸市身体障害者団体連合会」の池内正理事長(69)は「障害者にとって標章は生活の一部。不正だと分かっていて使用するのは問題だ」と憤る。同署は今後、取り締まりの強化も検討している。


【駐車禁止除外指定車標章】
介護や通院などで利用することを想定し、都道府県公安委員会が身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などをもとに判断し交付。交差点から5メートル以内やトンネルを除くなどの細かな条件があるが、交付された本人が乗り、車外からも確認できる場所に標章を掲示していれば、駐車禁止区間でも駐車できる。兵庫県内では約5万5千人(2013年末現在)に交付。

■2014.8.9  不正流用:社会福祉法人監査の大阪府 一部の不正放置 社福法人紫峯会
大阪府吹田市の認可保育所を巡る約2億1000万円の不正流用問題で、運営する社会福祉法人を大阪府が2006年に監査した際、一部の不正に気付きながら是正させていなかったことが府などへの取材で分かった。翌年以降の監査も怠るなど問題を事実上放置し、不正流用の拡大につながった。府は「もっと厳しく対応すべきだった」としている。

吹田市などによると、保育所を運営する社福法人紫峯会の前理事長と保育所の前園長は、保育所の運営費などから計約2億1000万円を、飲食費、光熱費、認可保育所以外の事業などに不正流用した。

府などによると、06年8月に紫峯会を監査した際、保育所の運営費を他の事業に充てていることに気付いた。府は不正流用に当たるとして是正を指導したが、その後、是正されたか確認しなかった。

また、社福法人への監査を原則年1回することが法律で定められているが、次の監査は4年後の10年8月だった。その時点でも法人側は他の事業に流用した資金を返していなかった。さらに、年1回の提出が義務付けられている決算書を紫峯会が作っていないのに、放置していた。

12年に監査の権限移譲を受けた吹田市と府が合同で監査した際、ようやく巨額の不正流用の疑いに気付いたという。

府の担当者は取材に「担当する法人数が多く、限られた職員で毎年監査するのは難しかった。指導・監査体制が不十分だった」と話している。

■2014.8.9  心停止82分の男性が回復し退院 後遺症なしでは国内最長か
愛媛県八幡浜市の市立八幡浜総合病院は9日、心筋梗塞で倒れて82分間心停止し意識不明だった同県西予市の男性(62)が回復し、退院したと明らかにした。同病院の上村重喜院長は「後遺症がなく回復したケースとしては、国内最長の心停止時間だったのではないか」と話している。

体温を低温に保ち、段階的に上げていく「低体温療法」などの実施が回復につながったとみられるという。

同病院によると、男性は自宅で2月4日、吐き気を覚えて近くの診療所を受診後、救急車で八幡浜総合病院に搬送されたが、途中の午前9時47分に突然心停止した。車内や病院で心肺蘇生を受けており、午前11時9分に心拍が再開したが、意識は戻らなかった。

心停止が82分間と長かったことから低酸素脳症が疑われ、同日夕に愛媛大病院(同県東温市)に転院。低体温療法を受け、2月10日に意識が回復。3月31日に退院した。

上村院長によると、心停止が12〜13分を超えると、後遺症なしの救命は困難になるとされており、「救急隊の初期救命が適切で、病院でも脳の血流を確保しながら処置できたことが救命につながったのではないか」と分析している。

■2014.8.9  江津の保育所経費横領:元職員に有罪判決 地裁浜田支部 /島根
社会福祉法人「敬川(うやがわ)保育所」(江津市敬川町)の元職員による着服事件で、業務上横領の罪に問われた元経理担当職員、花屋かえで被告(64)=浜田市長見町=の判決公判が8日、松江地裁浜田支部であった。園部伸之裁判官は懲役2年6月、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。


判決によると、花屋被告は保育所に勤務していた2007年5月から10年10月にかけて計15回、保育所の経費計約277万円を横領し、息子への送金などに使った。実際の横領額は少なくとも1500万円を超えるとした。

園部裁判官は「数年間にわたって常習的に横領行為を繰り返してきた刑事責任は重い」と指弾する一方、花屋被告が約1500万円を被害弁償していることも考慮した。弁護側は控訴しない方針。

敬川保育所側は13年3月、11年度までの10年間に花屋被告が約9313万円を着服した、と発表していた。

■2014.8.9  東日本大震災:東北の障害者施設、支援販売会始まる 川崎 /神奈川
東日本大震災で被災した障害者施設を応援する「『わすれない東北』販売会」が8日、川崎市高津区のマルイファミリー溝口地下1階「食遊館」で始まった。県内の障害者施設の職員や利用者が、被災地の施設で作られた製品を販売する。10日まで。


被災地では、障害者が働く福祉施設「社会就労センター(セルプ)」が津波などの被害を受け、報酬を払えなくなる問題が発生。全国組織のNPO「日本セルプセンター」がセルプで生産された食料品や工芸品を買い取り、2012年から2年間、全国で販売会を実施してきた。

しかし、事業は2年で終了し、被災地施設で現状を知った県内の施設関係者らが、独自に販売会を続けることにした。会場探しではマルイ側から、13日まで食遊館で開催する「東北フェア」の一環として協力の申し出があった。

販売会では、岩手県奥州市の「ワークセンターわかくさ」の「黒米ケーキ」をはじめ、福島、宮城、岩手3県16施設の47品目を販売。障害者らが販売員となり「おいしいですよ」と声をかけていた。NPO神奈川セルプセンターの鈴木暢(みつる)会長(47)は「復興支援にもなる。ぜひ足を運んでほしい」と話している。

■2014.8.9  金沢市の小規模通所介護施設・リビングデイサービス 東日本大震災の被災地支援のために利用者らが作ったぬいぐるみでオークション作品展
金沢市涌波の小規模通所介護施設・リビングデイサービスは、東日本大震災の被災地支援のため、通所する高齢者らが作ったぬいぐるみでオークション作品展を開き、売上金を現地に寄付する。作品展は十一〜二十二日に同市石引の北国銀行小立野支店で開催。介護福祉士で施設長の小坂直樹さん(49)は「ぬいぐるみを楽しみながら気軽に支援に協力してほしい」と呼び掛ける。

施設では、毎日通所する高齢者約二十人が、認知症予防を兼ね手作業を楽しもうと、職員らの指導で動物などのぬいぐるみ作りに取り組む。徐々に作品レベルが上がり、地域バザーに出品するほか、インターネットで知った人から結婚披露宴用に注文が舞い込むなど、質の高さも広く知られつつある。

絵本寄付など独自の被災地支援も続ける小坂さんは、高齢者の生きがいにつながる作品発表の機会探しも継続。一昨年八月、同支店で初めてオークション作品展を開催。約四十万円の売り上げがあり、震災で損壊した大槌保育園(岩手県大槌町)へ再建資金として贈った。

二年ぶりのオークション作品展には、七十一〜九十五歳の高齢者が作った白や黄、茶、青色の熊や犬、猫などのぬいぐるみ四十点を出品予定。

出品作を仕上げた同市中山町の中嶋礼子さん(73)は「毎日ぬいぐるみを仕上げるのが楽しみ。一緒に作る皆さんのおかげ」と心待ちにする。

今回の売上金は、大槌町の書店の協力で、同町の子どもたちの図書購入に充てられる予定。小坂さんは「被災地はいまだに多くの子どもが仮設住宅暮らし。生活が不安定で、多くの学校で学級崩壊が問題だと聞く。心の成長につながる図書購入に役立ててもらえたら何より」と話している。

会場で購入したい作品がある場合は展示番号と応募金額を施設に伝える仕組み。問い合わせは施設へ。

■2014.8.9  防災ハンドブック作製 県支援センター、発達障害者・家族向け 徳島県
徳島県発達障がい者総合支援センター・ハナミズキ(小松島市中田町)は、発達障害者と家族ら支援者へ向けた防災ハンドブック(A5判、33ページ)を作った。南海トラフ巨大地震への備えや発生時の対応に役立ててもらう。

発達障害者に向けた章と、支援者向けの章で構成。

発達障害者向けには、大地震発生時に起こることや、非常持ち出し袋の準備など災害への備えの大切さを、イラスト付きで分かりやすく説明している。

支援者向けには、発達障害の特性や支援の例などを記し「指示は具体的に伝える」といった対応を挙げている。

防災カードのページも付けた。発達障害は見た目で分かりにくいため、災害前から困っているときのサインや落ち着かせる方法などをカードに記しておいてもらう。

東日本大震災の被災地では、発達障害への理解が不足し支援も不十分だったとされる。その教訓からガイドを作った。

約6千部発行し、県内の学校や関係機関などに配布。センターのホームページからもデータで入手できる。

http://www.pref.tokushima.jp/hattatsu/docs/2014061900146/

支援者のみなさまへ.pdf
http://www.pref.tokushima.jp/hattatsu/docs/2014061900146/files/2.pdf

保存
http://social-welfare.rgr.jp/databox/bousaibook_01.pdf

■2014.8.9  障がい者の社会参加促進目指す巨峰栽培、収穫に福祉施設入所者も招待
「ケアフィットファーム勝沼」で今年最初の収穫!
公益財団法人 日本ケアフィット共育機構は6日、同機構が運営する山梨県甲州市の「ケアフィットファーム勝沼」で、東京と茨城の福祉施設に入所する障がい者約50名を招き、8月24日に巨峰の収穫体験会を開催すると発表した。

「ケアフィットファーム勝沼」では、障がい者や高齢者など、就労や積極的な社会参画を希望しているにも関わらず、それが困難な状況にある人々が参加するかたちでブドウを栽培し、これまでにない新たな農業モデルの創造にチャレンジしている。畑は休耕地を再生したものであり、深刻化する荒廃農地の再生、地域活性も目指す取り組みだ。

同ファームでは、2008年に栽培を開始。今年巨峰が約3トンの初収穫を迎える見込みという。収穫したブドウからはワインを製造し、将来的には生産、加工、販売の全てを担う第6次産業化モデルとして確立していく方針だ。このモデルが確立されることで、さらなる障がい者らの雇用促進も図れると考えられている。

楽しみながら農業・収穫作業従事を体験
24日の巨峰ブドウ収穫体験会には、「特定非営利活動法人やさしくなろうよ」の協力も得て、東京・茨城の福祉施設を利用する障がい者とスタッフ50名、サービス介助士ほか40名の合計90名が参加し、実施される予定だ。

サービス介助士は、車いすを利用する障がい者も、ともに収穫作業が体験できるよう、適切な介助技術を身につけているといい、同資格を保有する人々がボランティアで参加する。

参加者は楽しみながら巨峰の収穫を体験し、農作業の一部に従事する機会を得ることで、働く喜びや社会的自立への一歩を踏み出すきっかけを手にすることができると見込まれる。

日本ケアフィット共育機構では、障がい者および高齢者らに対する解除技術を習得する資格普及に努めており、ひとりひとりに対するケアの重要性に着目した環境づくりを推進するべく、さまざまな活動を行っている。その活動は、障がい者の就労機会を拡大し、雇用と社会的自立の促進にもつながるものである。


公益財団法人 日本ケアフィット共育機構によるプレスリリース
http://www.value-press.com/pressrelease/129515

「ケアフィットファーム勝沼」巨峰ブドウ収穫体験案内
http://www.carefit.org/news/news20140707.php

日本ケアフィット共育機構 ホームページ
http://www.carefit.org/

■2014.8.9  <総務省調査>一人暮らし高齢者が急増し親子で近距離に住む傾向に
総務省は7月29日、「平成25年 住宅・土地統計調査」を公表した。

統計調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は2,086万世帯と、主世帯※全体の4割に達していることがわかった。5年前の平成20(2008)年の調査に比べると14.6%の増加である。また、75歳以上の高齢者がいる主世帯は5年前に比べて18%も増加していて、初めて1,000万世帯を超えて1,101万世帯となった。これは、主世帯全体の2割を占めることになり、高齢化が急激に進んでいることがうかがえる。

高齢者のいる世帯のうち単身者世帯の増加が特に高くなっていて、5年前と比べると33.5%増(139万世帯)の552万世帯。これは高齢者世帯の26.5%と3割近くを占めており、一人で暮らす高齢者の割合が25年間で2倍に増えていることもわかった。

高齢化に伴い、住居に高齢者等のための設備工事をする住宅も増えている。持ち家に住む世帯で高齢者のいる家庭の20%が工事を実施。その内訳は、「階段や廊下に手すりの設置」が10.4%、「トイレ工事」が9.4%、「浴室工事」が8.0%、「屋内の段差の解消」が3.0%など、いずれも5年前に比べて高い割合になっている。

一人暮らしの高齢者が増える中、子どもが親の近くに住む傾向が進んでいる。高齢単身世帯では5割、高齢者のいる夫婦のみの世帯では6割以上が、「片道1時間未満の場所」に子どもが住居していることがわかった。また、「片道15分未満の場所」に子どもが住む割合は、高齢単身世帯では2.5割、高齢者のいる夫婦のみの世帯では3割を超えていた。なお、子どものいない高齢単身世帯は2.7割、高齢者のいる夫婦のみの世帯は1.1割だった。

※主世帯=1住宅に1世帯が住んでいる場合はその世帯を「主世帯」とし、1住宅に2世帯以上住んでいる場合には,そのうちの主な世帯(家の持ち主や借り主の世帯など)を「主世帯」とし、他の世帯を「同居世帯」とした。

■2014.8.10  A 累犯障害者  精神年齢「4歳」、「刑罰」を理解できぬ常習犯
刑罰や福祉の努力もむなしく、男はまたも自動車盗を繰り返した。男には重度の知的障害があり、前回の自動車盗では無罪となっていた


重度の知的障害を理由に心神喪失状態だったとして、一度は無罪とされた京都市内の男(36)が3月14日、同じ自動車盗を繰り返したとする常習累犯(るいはん)窃盗罪で起訴された。男は、出所後すぐに罪を犯して服役することを4、5回繰り返した「累犯障害者」だった。


「車見てたら欲しくなる」


今回の犯行は京都市内にある自動車販売会社の整備工場が舞台だった。2月22日午後、事務所で昼休みをとっていた男性工員(22)は、聞こえるはずのないエンジン音を耳にした。

窓越しに外を見ると、さっきまで整備していた中古車(20万円)が向きを変え、エンジンが空ぶかしになっている。だれかがギアを入れずにアクセルを踏み込んでいるらしい。ほどなく男が降りてきて、傍らの自転車に乗り換えると、車を置いたまま走り去った。

男からは、慌てたそぶりがうかがえなかった。去り際には目も合った。なのに顔色一つ変えず、何かをつぶやくだけだったという。

京都府警はすぐに付近を捜索し、自宅近くで自転車に乗っていた男を発見。所持品から物証となるエンジンキーが見つかり、窃盗容疑で緊急逮捕した。

男は「車を見てたら欲しくなる」と供述した。直近の犯行で無罪放免となった「心神喪失者」の立件に踏み切った府警。「被害届が出ている事件。放っておけない」。捜査関係者は淡々と語った。


再発防止に役立たなかった「無罪」


男は、重度の知的障害というハンディを背負っている。文字はひらがなしか書けず、数字は9、10ぐらいまでしか数えられない。前回の自動車盗は、精神年齢が「4歳7カ月」という鑑定結果に基づき平成25年8月、京都地裁で無罪が言い渡された。

検察幹部は語る。「施設に入れるならともかく、無罪は再発防止に役立たなかった。あのときの裁判官はどう思ってるだろうね」

知的障害者が絡む事件では、検察にも苦い記憶がある。22年11月、大阪地検堺支部が、放火事件で知的障害のある男性を起訴しながら有罪立証が著しく困難だとして公判前に取り消し、釈放した。知的障害者は取調官に迎合して真実ではない自白をすることがある。男性は言葉の表現能力に問題があった。同支部は、供述を誘導したと疑われれば公判がもたない、と判断せざるを得なかった。

自動車盗の男は短い質問なら理解でき、意思疎通も図れるという。京都地検は取り調べの録音・録画を行い、万全を期して起訴した。人けのない機会を狙ったことなどを理由に「責任能力があった」と判断したとみられる。

従来と同じ刑事手続き。この先、男は「罪の意識」を深められるのだろうか。


罰を罰として理解できない


「近所中が迷惑してるんです」。近くに住む男性(81)は、半ばあきらめ顔でそう話した。

男は、母親と2人で京都市内の公営住宅に住んでいる。ペットが禁止されているのに犬を飼い、当番が回ってきても共有スペースの掃除をしない。話しかけても、「うん」ぐらいしか答えがない。

噂が噂を呼び、男が塀の内と外を行き来してきたことが知れ渡った。実際、20歳を過ぎてからは、刑務所で暮らさなかった日がほとんどなかった。近所の男性(79)は「刑務所から出てくると、みんな『心配やな』って言います」。今回の事件で周囲の不安は増幅し、男との間にますます大きな溝ができている。

ただ、普段から接している福祉関係者の証言からは男の別の横顔が浮かぶ。作業所のある通所施設に毎日通い、ちらしのポスティングやねじ回しといった仕事を黙々とこなしていた。根深い犯罪傾向がやわらいだと感じていたというのだ。

福祉関係者はこう明かした。「彼は、罰を罰として理解できないだけだ」

過去の刑罰も、福祉の努力も、犯罪防止にはつながらなかった。「累犯障害者」に必要な支援とは何か。周囲はどう対応するべきなのか。京都で起きた窃盗事件から考えた。

■2014.8.10  B 累犯障害者  法廷で叫んだ「おれ、めんきょとってくるまかう」…福祉も限界「今回は無罪にならぬほうがいい」
刑罰や福祉の努力もむなしく、男はまたも自動車盗を繰り返した。累犯障害者は刑務所に送れば済む問題なのか。福祉の限界も指摘されている


「おれ、めんきょとってくるまかう」

平成25年7月26日、京都地裁。裁判官から「最後に何か言いたいことは」と促されると、男(36)は体を震わせて叫んだ。直前に「くるまやさん、ごめんなさい」と述べた謝罪の言葉よりも大きな声だった。

当時、男は自動車販売会社の展示場で軽乗用車を盗んだとして逮捕、起訴されていた。罪名は常習累犯窃盗罪。10年間で3回以上、窃盗罪などで懲役刑を受け、さらに同じ犯罪を繰り返すと適用される。

だが、8月30日に言い渡された判決は無罪(求刑懲役3年)だった。自動車盗が「悪いこと」だと表面上は分かっているが、「社会から許されない違法行為とは真に理解しておらず、自制できなかった」と判断されたのだ。

知的障害だけを理由に、刑罰を科さない「心神喪失」を認めた異例の判決。刑罰を軽くする「心神耗弱」が妥当とみる検察側は、控訴している。


無罪に慌てる


男を支える福祉関係者は、無罪をどう受け止めたのか。ある福祉施設の職員は意外な事実を明かした。「実刑で刑務所に入ると思っていた。無罪が出たので慌てて支援態勢を作った」

作業所や介護施設には、他の利用者の安全などを理由に男のような「累犯障害者」の受け入れを断る所も多い。この職員は支援者を探し、6つの施設から協力を取りつけたという。

職員が男と初めて出会ったのは約3年前、別の罪で服役を終えて出所する直前だった。車好きだと知り、「乗るためには免許が必要だよ」と根気よく教えてきた。行動範囲にある自動車販売店を訪ね、うまく自己紹介できない男に代わって手作りの冊子を持参した。車を盗ませない環境をつくるためだ。近所に名刺を配り、トラブルの際は連絡するよう頼んだこともある。

「福祉が継続して関わり、人間らしい生活を送らせれば、本人は変わるはずだと信じている。でも、私たちも答えが分からないまま支援を続けてきた」。職員は苦渋をにじませる。


「無罪にならないほうが…」


無罪判決から約半年。男がまたも自動車盗を働いた2月22日は土曜だった。通所施設の作業所は休みで、食事を作るホームヘルパーは朝夕しか来ない。特に昼間は関係者の目が届かない空白の時間帯だった。

この間、男の生活態度に改善の兆候がみられていただけに、福祉関係者の戸惑いは深まった。

逮捕後、福祉関係者らが今後の支援を協議した際、「自宅に住まわせず、入所施設で面倒を見た方がいいのでは」という意見も上がった。だが、男は自宅で暮らす希望が強く、施設入所を強いれば問題行動を誘発するおそれもある。結局、結論はまとまらなかった。

男を隔離することなく、地域に居場所をつくる方法はないのか。関係者が絞り出した言葉は図らずも福祉の「限界」を示していた。

「罪を罪として償うためにも、地域に納得してもらうためにも、今回は無罪にならない方がいいのかもしれない」

■2014.8.10  C 累犯障害者   「IQ25」の被告、見つからぬ社会の“居場所”…刑罰か福祉か、どちらも不十分の現状
常習累犯窃盗罪で起訴された知的障害のある男(36)の弁護人、西田祐馬弁護士(京都弁護士会)は、京都地裁が無罪とした平成25年の自動車盗事件でも弁護を担当していた。

当初は「車を運転したのはだめだよ」と言うと、男は「ぶっとばすぞ」とすごんでくることもあった。徐々に意思疎通ができるようになり、法廷でも「ごめんなさい」と謝罪した。

ただ、どこまで罪の意識を持って謝るのか、いまだに分からない。許してもらえることを学習し、条件反射で謝っているようにも見える。怒られると分かっていながら、自動車盗を繰り返している節もある。

だからこそ、男に刑事責任能力がないと確信して弁護を引き受けているが、これまで福祉関係者の苦労や地域社会の不安とつぶさに接してきただけに、苦悩は深い。西田弁護士は言う。

「彼のように再犯を繰り返す障害者を社会の中でどう位置づけ、どう処遇すべきかは、非常に難しい」


知能指数は25


男は京都地裁での精神鑑定によって知能指数25と判定された。厚生労働省の基準では、4段階のうち2番目に重い「重度」の知的障害者だ。

法務省矯正統計によると、24年の新規受刑者2万4780人のうち、知的障害の疑いがあるとされる知能指数70未満の人は5214人。全体の21%だ。

一方、厚生労働省の23年度の推計では、全国の知的障害者数は74万1千人。先の法務省統計と照らせば、犯罪者は0・7%にすぎない。知的障害者が犯罪をする傾向にあるわけでは、決してないのだ。


社会にいるという認識はあるのか


「累犯障害者」への刑罰をめぐっては、専門家の間でも意見が分かれている。

元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)は「再犯の可能性が高ければ、安易に社会に戻すことこそ無責任。障害のみを理由に犯罪を見過ごしてはならない」と指摘する。

石塚伸一・龍谷大法科大学院教授(刑事法)は「善悪の区別がつかなければ刑法の範囲外。後見人をつけるなど福祉による監督強化と、本人の努力が必要だ」とした上で「刑務所に閉じ込めるという発想ではなく社会が寛容に受け入れることが望ましい」と語る。

「累犯障害者」(新潮文庫)の著者で元衆院議員の山本譲司氏は、男の犯罪をこう分析した。

「必ずしも知的障害が原因でなく、生育歴や彼自身のこだわりが誘発している可能性が高い。彼には社会からの疎外感があるか、そもそも社会にいるという認識さえないのではないか」

山本氏は、民間企業が運営に参加するPFI刑務所で、知的障害や精神障害のある受刑者向けに怒りのコントロールやコミュニケーション能力を高める教育に取り組む。刑罰と福祉のはざまで、社会への順応を後押しする可能性を模索する試みだ。

出所後も福祉による保護を十分に受けないまま再犯を重ねる累犯障害者。悪循環を断ち切る手がかりはあるのか。山本氏は言う。

「少なくとも、刑罰と福祉の両方を改善することが事件の教訓ではないか」



累犯障害者

再犯を重ねる障害者のこと。刑務所を出所した後で犯罪に手を染め、刑務所に戻ることを繰り返す知的障害者を指す場合が多い。平成18年度の厚生労働省研究班による調査では、服役中の知的障害者の約7割が再犯者とされている。

■2014.8.10  @累犯障害者  刑務所出所後の“楽園”専用福祉施設の「毎日」…刑務所とは違う役割、暴れても「制圧」しない
累犯障害者

再犯を重ねる障害者のこと。刑務所を出所した後で犯罪に手を染め、刑務所に戻ることを繰り返す知的障害者を指す場合が多い。平成18年度の厚生労働省研究班による調査では、服役中の知的障害者の約7割が再犯者とされている。同年に元衆議院議員の山本譲司氏が同名の著書を出版し、社会問題になった。



「刑務所での反省と償いは終わりました。もう二度と犯罪はしません」。元受刑者の50代の男性は、自身が持つ軽度の知的障害をみじんも感じさせず、はきはきと語った。

昨年6月までの約2年間、スーパーで食品を万引した窃盗罪で服役していた。20代のころにはカッターナイフを持って消費者金融に押し入り、強盗罪で有罪判決を受けている。約30年の空白期間を経た2つの犯行の動機を、男性はいずれも「お金に困ったから」と簡単に説明した。


かりそめの自由


どんな犯罪者であれ、たとえ再犯を重ねる知的障害者、いわゆる「累犯障害者」であっても、刑期を終えれば社会で自由に生きる権利がある。それでも男性は刑務所職員の勧めを聞き入れ、出所後、自ら福祉施設に保護を求めた。

国立の入所施設「のぞみの園」(群馬県高崎市)。民間の施設が他の障害者に配慮して受け入れを避ける傾向にある中、園内の自活訓練ホームを累犯障害者の専用としている。他人や社会への信頼感を育て、自立のためのスキルを学ばせる数少ない施設で、モデルケースと位置づけられる。

入所者に向けられる監視カメラや居室に閉じ込める鍵はない。それでいて、東京ドーム約50個分(約232万平方メートル)の敷地と周囲に広がる山林は、刑務所の塀と同じくらい険しい。

世間から隔絶された場所で与えられるかりそめの自由。「職員さんは優しいし、楽しく過ごしています」。男性はまるで「楽園」で暮らすかのように穏やかな表情を見せる。


制圧しない職員


入所者たちの生活は規則正しい。起床は午前6時。自主的にラジオ体操をした後で朝食をとる。午後3時半まで延々と畑仕事を続け、8時半からのミーティングで日記を発表し合う。

ある入所者の日記には「まじめにがんばります。もっとがんばりたいです。悪い人とつきあうのをやめます」とあったが、職員は冷静に受け止める。「彼らは嘘がうまく、私たちをしょっちゅう裏切る」

ホームの目的は、あくまで累犯障害者を社会へ戻すこと。刑罰を与えて反省を促し再犯を防ぐ刑務所とは、根本的に役割が異なる。例えば、入所者の反抗やとっぴな行動で身の危険を感じたとき、職員はその場から逃げるというのだ。

刑務所のように制圧しない理由を、職員はこう明かす。「福祉は受ける側の希望と同意が必要なサービス。手を出すことは契約にないし、出してしまえば福祉でなくなる」


京都の男にも


累犯障害者の受け入れを最長2年と区切り、定員7人に職員6人がほぼマンツーマンでつく。施設全体が得る国からの交付金は、今年度で19億円。全国の福祉関係者にとっても、のぞみの園は「楽園」だ。

昭和46年の設立当初から、重度の知的障害者を一生保護するという事業を続け、累犯障害者を受け入れ始めたのは平成20年。独立行政法人になって事業の見直しを迫られてからだ。民間施設で累犯障害者に支援が届きにくいケースがあれば職員を派遣し、福祉関係者らに助言や研修を行う。

自動車盗の常習累犯窃盗罪に問われながら、重度の知的障害で精神年齢が「4歳7カ月」と鑑定され、平成25年8月に1審京都地裁で無罪とされた京都市内の男(37)=検察側が控訴=に関しても、職員は京都に赴いて福祉関係者に助言した。社会に戻っていた男が今年2月、再び自動車を盗んだとして逮捕された事態を重くみたためだ。

男は同罪で起訴され、京都地裁で公判中。逮捕まで母親と暮らし、通所施設に通っていた男の今後について、職員は母親から離して入所施設で処遇することが望ましいと伝えた。ただ、その助言が生かされるめどは立っていない。親子が同居を望んでいるという。

職員は言う。「本人の意思がなければ思い通りの支援はできない。福祉の限界とは言いたくないが、とても難しいケースだ」

更生した累犯障害者が再び刑務所に送られず生きていく道はあるのか。8月12日に言い渡される男の控訴審判決を前に、福祉の役割を考える。

■2014.8.10  A累犯障害者  それでも脱走する累犯障害者の“心理”…20代女性入所者は男部屋に忍び込もうとした
「810円持っていて、おなかがペコペコです。スーパーに行ったら何を買いますか?」「うん。たばこ」「たばこ? おなかペコペコなのに?」「うん」

5月下旬、累犯障害者を受け入れる「のぞみの園」(群馬県高崎市)の自活訓練ホームで、4月に入所したばかりの20代の女性が授業を受けていた。テーマは「お金の正しい使い方」。社会で生きていくための知恵を教わるのだ。

真剣なまなざしでメモを取る女性には、軽度の知的障害がある。講師からの質問にかみ合う答えを出せない。過去に財布をなくしたなどと嘘をつき、人から金をだまし取る寸借詐欺で3度有罪判決を受けたことは、想像できなかった。

入所者にとって「楽園」であるはずののぞみの園で、女性は“脱走”を試みた経験がある。「地元に帰りたい」と荷物をまとめて居室の窓から抜け出し、近所を散歩していた住民に見つかって連れ戻された。

共同生活に慣れ始めると、今度は男性の部屋に忍び込もうとした。かつては家出を繰り返し、出会い系サイトで知り合った男性たちと行動をともにするなど、男性依存の傾向が根深いと職員はみている。


のしかかる責任


この職員が心配するのは、女性が施設を出た後の暮らしだ。依存心を逆手にとった男たちが月数万円の障害者年金に群がり、女性が無一文になれば、衝動的に再犯に走る可能性は捨てきれない。「知的障害者は犯罪者に狙われやすい。そこから今度は自分が犯罪の泥沼に入り込むこともある」と職員は警戒する。

だが、犯罪の連鎖を断ち切るためのまっとうな支援が、皮肉にも別の犯罪を引き起こすこともある。

入所者の50代の男性は、施設内で禁止されていた喫煙が見つかり、夜中に施設を抜け出した。所持金は数百円。約30キロ離れた民家で食べ物をあさっていたところを住人に見つかり、住居侵入と窃盗未遂容疑で逮捕された。

職員は「彼は根が真面目で気が小さい。たばこを吸ったことが私たちへの裏切りだと思い、居づらくなったのだろう」とかばったが、男性の逮捕は9回目。常習累犯窃盗罪での前科もあり、起訴されれば実刑は確実視された。

にもかかわらず、検察当局は男性を不起訴処分にした。のぞみの園で支援が十分に得られると見込んだのだ。刑務所よりも再犯防止に役立つと評価されたのぞみの園には、重い責任がのしかかったといえる。


5分の1が再犯


なぜこうも“脱走”が相次ぐのか。モデルケースともされる「楽園」での自立支援は無力なのか。

驚くべき数字がある。のぞみの園が累犯障害者を受け入れ始めた平成20年からの6年間の入所者19人のうち、地域社会へ戻ったのは15人。このうち3人は再び罪を犯して刑務所で服役しているというのだ。

のぞみの園の小林隆裕・社会生活支援課長は「彼らには刑務所に入ることへの不安がない」と自立支援の難しさを語るが、「累犯障害者」(新潮文庫)の著者で元衆院議員の山本譲司氏は別の見方を示した。「社会から隔離された状況に置かれれば、ルールを守る意識が希薄になるのも当然だ」

山本氏は、累犯障害者の尊厳を大切にすることが重要だと説く。命令されているうちは、犯罪をせずに社会で生き抜く力を自分で身につけようとしないとした上で、こう提言した。

「今の福祉施設は刑務所と重なる部分がある。累犯障害者から選ばれる福祉に変わることが必要だ」

■2014.8.10  B累犯障害者  刑務所に入れられることへの不安がない累犯障害者、“刑罰”の無力…福祉はどこまで有効か、取り残される「被害者感情」
国立の入所施設「のぞみの園」の広大な敷地内に立つ「自活訓練ホーム」。累犯障害者にとっては楽園だとの指摘もあるが、それでも“脱走”する入所者もいるという
=群馬県高崎市


精神年齢が「4歳7カ月」という鑑定結果を理由に、京都地裁が自動車盗を繰り返した男(37)に無罪を言い渡して約1カ月後の平成25年9月。今度は30代の累犯障害者の女性に大阪地裁が執行猶予付きの判決を出した。前科があったため実刑もあり得たが、判決理由には「福祉の援助が期待できる」とある。

女性は店舗で万引をし、とがめられた保安員にけがをさせたとして窃盗と傷害の罪に問われていた。検察側は控訴せず、判決は確定。女性は勤務先や病院を紹介してもらい、家族とともに平穏な生活を送っているという。

 執行猶予付き判決を求めた弁護側にブレーンとして加わったのが、社会福祉士だった。女性の支援計画を練り上げ、刑事裁判に使える証拠を作ったのだ。

「のぞみの園」(群馬県高崎市)のように刑務所を出た累犯障害者に特化できる福祉施設の「楽園」は、現実には数少ない。ならば最初から刑務所に入れず、福祉の力を借りながら地域社会で更生させればいいのではないか。「基本的人権の擁護」を使命とする弁護士が、福祉の専門家に着目したのは、自然な流れともいえる。


A4用紙数枚で


検察当局は累犯障害者を起訴するか不起訴とするかの判断に、社会福祉士の意見を活用する取り組みを始めた。が、先行していたのは弁護士の方だった。

大阪弁護士会は3年ほど前から「更生支援計画書」と呼ばれる書類を、刑事裁判の証拠として試験的に利用してきた。A4用紙数枚ほどの分量で、累犯障害者が身柄の拘束を解かれた後、定住する場所や利用できる福祉サービス、医療機関などを列記する。生活保護の受給を手伝うことや、長期にわたる支援態勢を詳述することもある。書くのは社会福祉士だ。

今年6月には、計画書を使う制度を本格実施に移した。全国の弁護士会で初めて社会福祉士会と連携。累犯障害者の刑事弁護を担当する弁護士を、福祉に詳しい弁護士が手助けし、社会福祉士につなぐ。

 手始めに6月4日に開いた研修会には、弁護士約90人が集まった。登録3年目の若手弁護士が、精神障害がある被告の弁護で計画書を使った経験を紹介。「本人の更生に役立つし、何より執行猶予が取れる可能性が高まる。刑事弁護では当然、武器として使うべきだ」と強調した。


検証、報酬なし


だが、計画書の活用には課題が多い。

累犯障害者が計画書通りに福祉の支援を受けて更生しているかどうか、法律に基づいて検証する仕組みがない。また、福祉の善意に頼って報酬を出していないため、社会福祉士会からは早くも「財源を担保してもらわないと続かない」と危惧の声が漏れる。

何より、被害者感情を置き去りにしたまま、罪を犯していない大多数の障害者と同列に扱うだけで、累犯障害者が真の更生を果たせるのかという疑問が残る。福祉側も十分な受け入れ態勢は整っておらず、必ずしも累犯障害者の再犯防止につながるとはいえないのが現状なのだ。

刑罰を回避するだけの、福祉への「丸投げ」と批判されかねない状況を認識しつつ、計画書の導入を推進した辻川圭乃弁護士は、こう断言した。

「魔法のように効果が表れるわけではないが、続けるしかない。累犯障害者を刑務所に入れるのは、百害あって一利なしだからだ」

■2014.8.10  ビタミンD不足者は痴呆やアルツハイマー病にかかりやすい
シンガポール紙「聯合早報」8日付けで、深刻なビタミンD不足が続いている人はビタミンDが欠乏していない人と比べて、痴呆やアルツハイマー病にかかる確率が倍以上高いことが医学研究で判明されたと伝えた。

この研究結果は神経医科学会の雑誌に掲載された。研究者が1658人の65歳以上の高齢者を6年間測定した結果、171人が痴呆を、102人がアルツハイマー病を発病した。

ビタミンDを十分摂取した人と比べてビタミンDが不足している人が痴呆とアルツハイマー病にかかる確率はそれぞれ53%、69%高く、深刻なビタミンD不足が続いている人の発病確率はそれぞれ125%、122%高いことが分かった。

この研究をリードーしたイギリスのエクセター大学のデービット・レゥリン医師は、「ビタミンD不足と痴呆、アルツハイマー病の関連は我々の予想を倍以上超え、驚いた」と言う。

皮膚の下にはコレステロールから生成した7−デヒドロコレステロール(7−dehydrocholesterol)があるが、紫外光の作用で7−デヒドロコレステロールはビタミンDに変わる。

■2014.8.10  ハンセン病療養所職員を増員 厚労省計画、政府特例方針受け
政府が2015年度から5年間の国家公務員定員合理化計画を7月に閣議決定した際、全国13の国立ハンセン病療養所の職員について、所管する厚生労働省に対し、「充実した療養体制の確保の必要性を考慮し、合理化目標数を大幅に軽減する」との通知を出していたことが分かった。閣議決定の例外として特別の配慮を指示する内容で、厚労省は政府方針を受け、療養所職員を実質的に増員する異例の計画をまとめた。


「介護や看護の質が落ち、入所者の尊厳が脅かされている」として、職員削減に反対してきた全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)は9日、東京都内で会合を開き、「閣議決定から実質的に除外する措置」として政府方針を評価。近く同省と新たな職員配置計画について合意書を締結することを決めた。全療協がハンガーストライキを構えて12年から取り組んできた職員問題は決着する見通しとなった。

政府の合理化計画は15年から5年間で国家公務員約30万人の10%以上を配置転換・削減するとした。同省への通知は、計画が閣議決定された7月25日付で、加藤勝信・内閣人事局長名で出された。

通知を受け、同省は15〜19年度の療養所職員について(1)5年間の削減目標を10〜14年度の削減実績(259人)の2分の1(129人)に減らす(2)削減数を上回る介護職員などの増員で18年度までは毎年、全体の定員を前年度比で1人増とする(3)介護が必要な入所者1人当たりの介護・看護職員数を18年度までに1・5人(09年度の実績は1人)に拡充し、19年度以降も同水準を維持するとした。

13療養所の入所者は今年4月現在、1850人で、平均年齢は83・4歳となっている。

■2014.8.11  介護現場、56.5%が人手不足 13年度実態調査
介護事業所の56・5%で従業員が足りていないことが、厚生労働省所管の財団法人「介護労働安定センター」が11日に公表した2013年度の介護労働実態調査で分かった。前年度より0・9ポイント改善したものの、依然として介護現場での人手不足は深刻のようだ。

調査は昨年10月、1万7500事業所と介護現場で働く5万2500人を対象に実施し、それぞれ45%、36%から回答を得た。

従業員について「不足」と答えた事業所は、「大いに」「やや」を含めて56・5%に上った。理由は「採用が困難」が68・3%で最も多かった。採用が困難な理由としては55・4%が「賃金が低い」を挙げた。職員の賃金の月額平均は前年度比1072円増の21万2972円だった。

また、1年間でやめた人の割合を示す離職率は16・6%(前年度17・0%)だった。従業員側に働く上での不満(複数回答)を聞くと、「人手が足りない」が45・0%で最も多く、「仕事内容のわりに賃金が低い」が43・6%と続いた。

■2014.8.12  教訓生かされず…なぜ園児のプール事故再発する?
京都市上京区の保育園「せいしん幼児園」のプールで、男児(4)が意識不明になる事故があり、数日後に死亡した。子供はプール遊びが大好きなものだが、まだ泳ぎ方を知らない子が多い幼稚園児、保育園児に事故はつきもの。園側の安全管理の意識に問題はなかったのか…。

京都府警上京署によると、男児は7月30日午後2時ごろ、同園のプール(深さ約70センチ)であおむけに浮いているのが発見された。水は深さ20センチで張られていた。病院に搬送されたが、今月6日に亡くなった。司法解剖の結果、死因は低酸素脳症だったが、プール遊びとの因果関係はまだ分かっていない。

男児は当日の1時45分ごろからプール遊びを始めた。約30人の4歳児も一緒だった。2人の保育士が付近で様子を見ていたという。「上がりましょう」と声をかけたところ、浮いているのを発見した。同署は業務上過失致死の疑いも視野に捜査を進める。

幼保業界のリスクマネジメントに詳しい「アイギス」代表の脇貴志氏は一般論として、「幼稚園、保育園は構造的に事故が起こりやすい。たとえば、園の人員の配置基準は3人の0歳児に対して保育士は1人。火事になったら2人を両脇に抱えて逃げて、残り1人の子はどうするんだと思うんですよ。安全に根拠がないわけです」と語る。

安全に対する園の職員の意識も低いことが多いと脇氏は言う。

「『子供が好き』という動機でこの業界に入ってくるけど、『子供の命を守る』という意識は少ない。事故が起きることは特別なことだと思っているんです。でも、実際は事故が起こらないことが特別なんですよ」

一方、リスクを恐れすぎた園もある。「床と廊下の段差をなくした『バリアフリーの幼稚園』もある。やり過ぎですよね。つまずいて転んでけがをする危険性を認識する機会を子供から奪っている」(脇氏)

保護者の側も園に対して無理難題を投げつけてくる。「説明会などでは、保護者が園に『絶対に大丈夫です』という回答を求めたがる」(同)

だが、子供は走って転ぶこともあれば、友達とけんかしてけがをさせることもある。「絶対大丈夫」なんてことはありえない。園も保護者も迷走しているわけだ。危険性のあるものを排除するのではなく、危ないなりに目を光らせて対策を講じることが求められている。

2011年7月、神奈川県の幼稚園のプールで男児(3=当時)が溺死する事故が起きた。横浜地裁は今年3月、業務上過失致死罪で担任の教諭に罰金50万円の判決を言い渡した。また、両親は園や関係者に対して約7300万円の損害賠償を求めて提訴する意思を表明している。

この事故を問題視した消費者安全調査委員会は今年6月20日付で事故等原因調査報告書を発表。また、文科省と厚労省も同書に基づき、幼稚園と保育園を管理する全国の関係先に「水の事故防止」の通達を送っている。「京都の件が事故と認定された場合、報告書が発表されてから初の事故となる」(脇氏)

もし、この報告書を受けて同園が対策を協議したり、マニュアル化していなければ、過去の事故の経験が生かされなかったことになる。「危険な遊びほど子供はテンションが上がる」(同)

楽しい遊びと安全性のバランスをどのようにとるか、関係者は頭をもっと悩ませるべきだろう。

■2014.8.12  累犯障害者  「1審は被告の刑事責任能力を誤解し、悪質な犯行」…累犯障害の男に逆転有罪 大阪高裁
自動車盗で常習累犯窃盗罪に問われ、重度の知的障害を理由に1審京都地裁で無罪とされた京都市内の男(37)の控訴審判決公判が12日、大阪高裁であった。上垣猛裁判長は「1審は被告の刑事責任能力を誤解しており、悪質な犯行だった」として、1審判決を破棄し、懲役2年(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。

昨年8月の1審判決は、精神年齢が「4歳7カ月」だったという鑑定結果をもとに、男は心神喪失状態で刑事責任能力がなかったと判断したが、判決理由で上垣裁判長は「被告は心神耗弱状態で、十分ではないものの自動車盗が悪いことだと認識していた」と認定した。

その上で「運転したいとの欲求を満たすため、従業員の隙をうかがって車を乗り逃げしたのは悪質」と指摘。「出所後7カ月余りで犯行に及んでおり、規範意識が鈍い」と述べた。

判決によると、男は平成24年9月27日、京都市内の自動車販売会社の展示場で乗用車1台(29万8千円相当)を盗んだ。男は今年2月22日にも同市内の自動車整備工場で乗用車1台を盗んだとして、再び常習累犯窃盗罪に問われており、京都地裁で公判中。

■2014.8.12  累犯障害者  「支援途切れる」「一般的な良識に合致しない」累犯障害者の有罪判決に関係者ら苦悩 
大阪高裁判決は、重度の知的障害を持つ男を「単純かつ幼稚」としながらも、展示場が無人になるまで待ったという犯行の計画性や、嘘をついて発覚を避けようとする言動があったと認め、無罪を破棄した。これに対し、福祉関係者からは「支援が途切れる」と実刑への懸念も浮上。累犯障害者の更生に刑罰と福祉のどちらが適切かという結論は、宙に浮いたままだ。

判決は量刑の理由を「複数の福祉機関による支援体制が構築されていることも考慮した」と説明したが、男を支援する福祉施設の所長(52)はこう漏らした。「懲役2年は重い。刑務所に入る期間が長くなるほど、継続した支援が難しくなる」

男には平成12年からの11年間で窃盗などの前科7犯があり、すでに長期間服役した経験がある。所長は「人から認められる経験が乏しい刑務所生活が更生につながるとは思えない」と指摘。一方で「何の罰も受けなければ、地域住民の理解が得られない。無罪が維持されたら大変だとも思っていた」と、苦しい胸の内を明かした。

判決には男の更生に関する言及はなかったが、元最高検検事の土本武司筑波大名誉教授(刑事法)は「何度も車を盗みながら『善悪をわきまえる能力が全くなかった』という1審の判断は、一般の人々が考える良識に合致しない。控訴審の判断が妥当だ」と話した。

■2014.8.13  2人乗り「タンデム自転車」 公道走行には多くの制限
■視覚障害者の行動範囲広げるが…

サドルとペダルが2つある2人乗り用「タンデム自転車」。2人でこぐため、楽に走行でき、視覚障害者には後部座席に乗ることで自転車を楽しみ、行動範囲を広げることもできる。ただ、2人乗りでの公道走行を禁止する都道府県が多く、解禁されているのは8県にとどまる。愛好者や視覚障害者からタンデム自転車の走行解禁を望む声が上がっている。



息もぴったり

タンデム自転車は、1人乗り自転車より車体は約50〜60センチほど長い。後方に乗る人はハンドル操作の必要がないため、視覚障害者や高齢者、子供らが乗車して行動範囲を広げることができる。

道路交通法上、タンデム自転車で公道を走行することは違反ではない。しかし、各都道府県の公安委員会は乗車人員の制限を定めることができるため、地域によって対応が異なる。現在、タンデム自転車で公道走行が可能なのは、兵庫、愛媛、広島、宮崎、佐賀、長野、山形、新潟の8県。ただ、鳥取県は制限解除に向け、検討している。

公道走行が認められていない大阪府では視覚障害者らの団体が中心となって平成24年、普及を目指す任意団体「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」(大阪市西淀川区)を設立した。

大阪府道路交通規則では「3輪自転車の乗車人員は乗車装置に応じた人員を超えないこと」とあるため、3輪のタンデム自転車であれば2人乗りの公道走行が可能になる。そこで、同会は後ろに2つの車輪を設置した3輪のタンデム自転車を用意し、貸し出したり、試乗会を行ったりしている。

同会会長で、大阪市東淀川区の全盲の視覚障害者、鈴木昭二さん(64)は時々、この3輪のタンデム自転車での走行を楽しむ。前に健常者に乗ってもらい、「せーの」の掛け声で2人でペダルを踏み込む。途中、「曲がりますよ」「はい」「ストップします」と息もぴったりだ。

鈴木さんは「風を感じて気持ちいい。自転車に乗れる喜びを感じるひととき。視覚障害者は徒歩やバス、電車などで移動しますが、自転車が加われば、行動範囲が広がり、とても便利になります」。ただ、現状の3輪では重さが加わり、こぐのも大変。「通常の2輪での解禁を望んでいます」(鈴木さん)

5日には同会主催でタンデム自転車の勉強会を大阪市内で開催。2人用のタンデム自転車を使ったバイクに、スイム、ランの3種目を競うパラトライアスロン(障害者のトライアスロン)選手で、視覚障害者の山田敦子さん(40)=兵庫県尼崎市=が「タンデム自転車があれば視覚障害者も自転車に乗る楽しみを味わうことができる。タンデム自転車が多くの公道で使えるようになってほしい」と訴えた。

大阪市立大学大学院工学研究科の吉田長裕准教授(交通計画)は「タンデム自転車の活用は移動手段が限られている視覚障害者にとって、通勤や通学が便利になり、社会参加が促される。手軽に買い物に行くことができるなど行動範囲が広がり、生活の充実にも直結する。大きな可能性を秘め、エコロジーな乗り物の普及が進む意義は大きい」と話している。

■2014.8.13  みんなに親しまれる愛称を 「新しい介護食品」のキャッチフレーズを募集 農水省
親しみのもてる愛称を
農林水産省は、「新しい介護食品」の愛称を公募している。

これまで介護食品普及のための検討を進めてきたが、介護食品の利用者は高齢者のみではなく、障がいのある子どもなど、幅広いことが分かった。

また、高齢者や介護という言葉が敬遠され、「介護食品」という名称に抵抗感や拒否感があることなどから、利用者に受け入れやすい良いイメージの名称を考える必要があるとの認識に至ったという。

公募概要
愛称は、「新しい介護食品」の利用者に親しみやすく、定着しやすいものであることや、名称と実際の食品との乖離が大きすぎないこと、幅広い新しい分野であることを表現し、その主旨が、利用者に対するメッセージになり、共感できるようなものであることが望ましいとしている。

ネーミングの第一人者であるコピーライターの岩永嘉弘氏をアドバイザーにむかえ、愛称を選定。公表は平成26年11月11日の介護の日に行い、採用された人には感謝状、記念品(介護食品セット)が贈られるという。

なお、締め切りは平成26年9月16日(火)まで。


「新しい介護食品」として普及
農林水産省では、決定した愛称は、広報活動、各種イベントや販売店舗での〇〇コーナーなどに広く活用していく予定だ。

また、これまで「介護食品」と呼ばれたものの範囲を、噛むこと、飲み込むことが難しい人々の食品だけでなく、低栄養の予防につながる食品、日々の生活をより快適にする食品という広い領域で捉え、「新しい介護食品」として普及させていくことが必要だと位置づけている。


農林水産省・プレスリリース
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/seizo/140811.html

■2014.8.13  あの人気俳優も告白!発達障害のこと、きちんと知っていますか?
最近、何かと話題になりがちな子供の発達障害。
何だかとてつもなくやっかいなもの、というイメージがありますが、実は偉大な業績を残した人々のなかには、発達障害である人が少なくありません。 そういった話も含めて、今日は「発達障害についての基本的なお話」をしたいと思います。


◆「発達障害」という名前はいくつかの障害の総称

「発達障害」は、実はひとつの病気のことを指しているわけではありません。国で定められている「発達障害者支援法」によると、発達障害の定義は以下のようなものです。

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通 常低年齢において発現するもの」。って、ちょっとわかりにくいですよね。

ざっくりいうと、「比較的低い年齢に現れる、行動やコミュニケーションなどに関する障害をまとめて発達障害と呼んでいる」といえばわかりやすいでしょうか。
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◆いろいろな障害を含む「広汎性発達障害」

発達障害のなかでも、さらにいくつかのものをまとめて「広汎性(こうはんせい)発達障害」と呼んでいます。よく耳にするアスペルガー症候群や自閉症はこの障害の一種です。この病気が疑われる病状の一部には、一部ですが次のようなものがあります。

・視線が合わない
・指さしをしない
・遊び相手に興味を示さず、ひとり遊びにふけりやすい
・突然泣き出したり、笑い出したりする
・物の一部、ある行動、順序などに異常にこだわる
などなど

症状の程度はいろいろ。ごく軽く社会生活に支障がない状態から、残念ながら人によっては大人になってからもケアが必要な状態まであります。 ちなみに、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなど、「あの人はアスペルガー症候群だ」といわれている有名人はけっこういますが、その噂はほとんど実証のないものがほとんどです。
いっぽう、女優のダリル・ハンナや日本人作家の市川拓司さんは、広汎性発達障害であることをカミングアウトしています。


◆不注意の徴候が現れる「注意欠陥・多動性障害」

上にあげたような症状に対して、注意力や集中力が続かず、極端にそわそわして落ち着きがない場合は、「注意欠陥・多動性障害」と診断されることもあります。
代表的な症状としては、一例として次のようなものです。

【不注意の徴候】
・物事に集中できない
・話しかけられても聞いていないように見える
・指示に従えず、いわれたことをやり遂げる事ができない
・外からの刺激で注意がそがれる

【多動の徴候】
・座っていなければならないときに席を離れる
・よけに走り回ったり高いところに登ったりする
・じっとしていない
・手足をそわそわと動かす

【衝動性の徴候】
・質問が終わるまえに答え始める
・順番を待てない
・他人を妨害する
などなど
ここにあげたものがすべてではありませんが、4歳までにこのような症状が複数現れ、7歳を過ぎても改善されない場合は、専門家への相談が必要だともいわれています。
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◆そのほかの発達障害には

知的な発達の遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」などの能力のうち、特定のものだけができない障害のことを「学習障害」といいます。
3歳くらいに発見されることが多いようですが、軽い場合は小学校まで気づかれないこともあります。
また、脳の神経細胞が極度に興奮して意識がなくなる欠伸発作や、意識を失って全身が震える痙攣など、異常な行動を起こす発作を起こす病気は「てんかん」と呼ばれています。
人気俳優のトム・クルーズは、自身が学習障害であることを告白しています。脚本を読むことができなかった彼は、録音したセリフを繰り返し聞いて覚えたそう です。また、映画「マトリックス」や「ロード・オブ・ザ・リング」で有名な俳優、ヒューゴ・ウィーヴィングは13歳のときからてんかんと闘いながら仕事を続けています。
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(監修:日本神経学会専門医 ベスリクリニック院長 田中伸明先生)

■2014.8.14  高齢者の家事、500円で引き受け 京都・久御山
京都府久御山町シルバー人材センターは6月から、介護保険外の家事援助サービスを500円で請け負う「ワンコイン家事引受け隊」をスタートした。高齢者らの「ちょっとした困りごと」が解決できると好評という。

介護保険が適用されないが日々の生活に不安があったり、介護保険のサービスに含まれない家事をするのが難しかったりする高齢者らを、さまざまな技術や経験を持つ会員が手助けしようと企画した。

町社会福祉協議会に、高齢者の実際の困りごとを尋ね、布団干しや家具の移動、高齢者安否確認など1時間以内で終わる25項目のサービスを決めた。対象は高齢者に限らず、未就園児の登園付き添いなど、子育て世代にも対応する。項目にない内容も相談に応じる。1項目500円。センターに登録する約30人が作業する。

6月は留守番をしながらの高齢者の見守りや、作業に人数が必要な1人暮らしの家具移動、植木の水やりなど、50〜80代の町民から23件の依頼があった。リピーターも数人いるという。町社協は「公的な制度からはみ出るサービスが生活に必要な人がおり、大切な支援の一つ」と期待する。

徳田幸一事務局長(67)は「廉価で気軽に利用してもらい、シルバー世代として社会貢献をしたい。登録会員を増やし、幅広い内容に対応していきたい」と話している。問い合わせは同センター

■2014.8.14  私的流用・高額報酬…社福法人、理事会機能せず
社会福祉法人(社福)の役員らが運営費を私的流用したり、理事会に諮らず高額報酬を受け取ったりしたなどとして、41自治体が2009〜13年度、計65法人に社会福祉法に基づく改善指導を行っていたことが14日、読売新聞の調査で分かった。

厚生労働省は、「理事会などが機能していない可能性がある」として監査体制の見直しを検討する。

読売新聞は都道府県と政令市、中核市109自治体(13年度末)を対象に、社福への監査実態を尋ねるアンケート調査を実施。各自治体への情報公開請求も行い、監査に関する内部資料を入手した。その結果、09〜13年度に、役員が運営費を私的流用したり、理事会の承認を得ずに高額報酬を受け取ったりするなどの「公私混同」が65法人で確認された。うち13年度末までに、29法人は同法に基づく改善命令を受けた。寄付金約1億7000万円が使途不明になり、理事長が一部を私的に流用していた埼玉県内の社福は、改善命令に応じず、12年7月に解散命令を受けている。

65法人のうち約7割が、「理事長が年間2000万円の報酬を理事会の承認を得ずに受け取っていた」(浜松市)など、金銭に絡む不正だった。横浜市の社福の元理事長は06〜08年頃、最大で月225万円を受け取り、勤務実態のない妻や長男にも月20万〜100万円の給料が支払われていた。元理事長の流用総額は約2億2500万円。同市は社福への通知文書で、「理事会が機能しておらず、不適切な支出を抑止できなかった」と指摘した。

■2014.8.14  ベトナム人就労15日開始 看護師・介護福祉士の候補者138人
日本とベトナムの経済連携協定(EPA)で来日したベトナム人の看護師、介護福祉士の候補者が、15日から病院や介護施設で働き始める。看護師候補者21人、介護士候補者117人の合計138人で、働きながら国家資格の取得を目指す。試験は日本語で受けなければならず、合格率が低いのが課題だ。

ベトナム人の受け入れは今年から始まった。6月に第1陣として来日し、日本語研修や看護、介護の導入研修を終えた。在留期間は原則、看護師は3年、介護士は4年で、日本政府はこの間に試験に合格するように求めている。不合格なら帰国しなければならず、定着を妨げる壁となっている。

2008年度にインドネシア、09年度にフィリピンから看護師、介護士候補者の受け入れを始めた。これまでに2377人が来日しているが、合格率は低い。看護では日本人の9割が合格するのに、外国人はわずか1割にとどまる。介護は日本人の6割に対し、外国人は4割弱だ。

候補者は母国で看護師や介護士の資格を持ち、病院や施設で働いた経験がある。日本語が合格の障害となっており、受験機会を増やすなど制度改善の余地は大きい。

介護や看護は人手不足が深刻だ。所管する厚生労働省は、労働力不足を解消するために外国人を受け入れているわけではないと説明するが、優秀な人材を定着するための取り組みは不十分だ。



2014年3月25日
看護師国家試験、外国人の合格率10.4%

厚生労働省は25日、2013年度の看護師国家試験で、経済連携協定(EPA)で来日した外国人候補者の合格率が10.4%だったと発表した。

前年度より0.8ポイント上がったが、依然として1割程度の水準で低迷しており、日本人を含めた全体(89.8%)とは大きな開きがある。日本語の専門用語などが障害になっているとの指摘が多い。

■2014.8.14  深夜の老人ホームで火事、入居者ら17人全員無事 名古屋
14日午前0時半ごろ、名古屋市昭和区神村町、老人ホーム「のぞみの家神村」の1階から出火、建物の一部を焼き約1時間10分後に消し止めた。入所していた40〜90代の高齢者や障害者計16人と男性職員(41)は避難し無事だった。

市消防局によると、3階建ての1階にある洗濯機周辺の燃え方が激しい。ホームによると、洗濯機は動かしておらず、昭和署や消防が詳しい出火原因を調べている。入所者は男性5人と女性11人で、2階と3階に8人ずつ居住していた。

ホームの藤村幸司施設長(47)によると、1階には洗濯機が2台あり、常駐する職員が操作することになっていた。ホームは2年前に高齢者向け賃貸住宅として開設され、今年4月に老人ホームになった。職員が24時間常駐していた。

向かいに住む自営業の男性(51)は「消防隊員が黒煙を上げる建物に飛び込み、高齢者を抱きかかえながら避難させた。みんな助かって良かった」と話していた。

■2014.8.14  介護不要の体力作り…55歳以上限定ジム  医療法人社団日高会 エムダブルエス日高
55歳以上限定の会員制スポーツジム「シニアトレーニングジム」が、群馬県高崎市井野町のデイサービス施設内に開設され、80歳代までの会員が介護を受けないための体力づくりに励んでいる。

ジムを運営するのは、総合病院などを運営する医療法人社団日高会グループの介護事業者「エムダブルエス日高」。要支援・要介護認定者を対象にデイサービスなどを行う「地域福祉交流センター」2階に昨年2月、併設した。チーフトレーナーの吉田大祐さん(32)は、「シニアは医療と介護を意識する年代。その年代に合った体力作りに特化したかった」と55歳以上限定の理由を話す。

約230平方メートルのジムには有酸素運動マシン12台、筋力マシン11台のほかベンチプレスなどが並び、会員の体力に応じた指導を行う。中央に四つのテーブルを置き、会員同士が交流しやすくしている。

会員は約220人。60歳代が半分で、女性は7割を占める。週3回通う高崎市の三浦和三郎さん(73)は「筋トレでひざの調子が良くなり、好きな風景写真を撮るのに山登りが苦にならなくなった」と笑顔で話す。

営業時間は午前9時〜午後10時で日曜休館。月会費は一般会員5000円(税別)。入会時に入会金と事務手数料計1万7000円(同)と月会費2か月分を払う。8月からは20歳以上対象の夜間会員制を始めた。

■2014.8.14  特養職員は「徘徊」に苦労−全国老施協が調査
特別養護老人ホーム(特養)の職員にとって、利用者の特に辛いBPSD(認知症の周辺症状)は、徘徊など―。そんな研究結果を、全国老人福祉施設協議会(全国老施協)が取りまとめた。

全国老施協では昨年10月、各地の特養の職員に対し、認知症日常生活自立度1以上の入所者の行動や身体状態に関する調査を実施。1475人分の入所者に関する結果を得た。
 
入所者のBPSDに関する質問では、最も多かったのは「興奮」(暴言・暴力など)で、38.6%の利用者で見られた。以下は、不機嫌で怒りっぽいなどの「易刺激性・不安定性」(26.0%)、「無為・無関心」(25.7%)などが続いた。

一方、BPSDに対応するための負担について聞いた質問では、BPSDのうち、徘徊などを含む「異常行動」では、31.8%の職員が、負担が重い(負担が「重度」もしくは「非常に重度あるいは極度」の回答の合計)と感じていた。次いで多くの職員が万引きや放尿などの「脱抑制」(24.4%)を挙げ、以下は「易刺激性・不安定性」(22.9%)などとなった。

介護職員が、特に徘徊など異常行動を負担と感じている背景について、全国老施協では、「他のBPSDに比べて日常的に起こる行動である上、原因究明や解決が難しいからではないか」としている。

■本当に認知症ケアに有利?ユニット型個室
 
調査では、ユニット型個室の入所者と、多床室の入所者の間で、BPSDの発生に変化が生じるのかどうかについても調べた。ユニット型個室は、入居者のプライバシーや尊厳を保持すると同時に、認知症ケアにも有効とされているが、双方に有意な差は見られなかった。むしろ「妄想」や「幻覚」、「うつ・不快」、「無為・無関心」などでは、ユニット型個室入居者のBPSDの発生が、わずかに高かった。

この結果について、全国老施協では「ユニット型個室が認知症ケアに有効と判断できる結果は、今回の調査では得られなかった。今後、さらに実践的研究が必要」と指摘。また、調査全体の結果を受け、▽認知症高齢者のケアパス構築と早期からの情報の一元化▽生活施設における医療ニーズを包括したケアマネジメントの推進と評価▽認知症ケアへの報酬体系及び質の評価の在り方見直し―の実現が必要と提言している。

■2014.8.15  最新の終活事情に関する意識調査で、親世代と子世代に考えの違いが
最新の終活事情とお墓に関する意識調査を実施
日本初のお墓ネット専門店「お墓まごころ価格.Com」を運営する株式会社まごころ価格ドットコムが、60〜70代男女300人(シニア層)と、その子世代である30〜50代男女300人を対象に、2014年7月24日〜25日までの2日間、最新の終活事情に関する意識調査を実施しました。

シニア層の5割が「終活を始めている」と回答
調査によると、シニア層のうち49.3%の人がすでに「お墓やお葬式の準備などの終活を始めている」と回答し、さらに、「将来、終活を実践しようと思っている」という人と合わせると85.7%の人が終活を意識した行動を起こす考えを持っていることがわかりました。


終活について親世代と子世代で考えに違い
この中で、「終活を実践している、または今後終活をする意向がある」と回答したシニア257人に、「誰と終活しているか、またはしたいですか」と尋ねたところ、59.9%のシニアが「独りで」と回答しており、次いで「夫婦で」が36.2%、「子どもや孫と」が6.6%でした。

一方、子世代に「親が終活していたら話して欲しいと思うか」と尋ねたところ、62.7%の人が「話して欲しい」と回答しており、親世代と子世代で終活に対する考えの違いがあることがわかりました。


「生前墓「相談して欲しい」子世代が72.0%」株式会社まごころ価格ドットコム※PR TIMES
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000010954.html

■2014.8.15  口コミ情報から介護施設を検索、「介護のほんね」サービス開始
介護施設の検索サイトがオープン
グリー株式会社は、子会社のプラチナファクトリー株式会社を通じ、8月12日(火)より介護施設の検索サイト「介護のほんね」の提供を開始した。


サービスの内容
「介護のほんね」は、全国28000ヵ所以上の高齢者向け介護施設・住宅の情報を掲載。過去にその施設を利用したことがある入居者やその家族、施設で働いていたことがある人々からの口コミ情報を提供し、介護施設を選択する際の判断材料としてもらうサービスだ。

収集した介護施設の情報は、地域・施設区分などの条件を指定して検索できる。また、「評判の良い施設」「大手運営の施設」といったような特集から探すこともできる。

電話サポート窓口に相談するサービスも実施し、介護サービスの利用を検討する人々が安心して施設を利用できるようサポートする。


口コミを投稿するとAmazonギフト券をプレゼント
同サイトのサービス開始を記念し、オープン記念キャンペーンを実施。

キャンペーン期間中に介護施設の口コミを投稿し同サイトの審査を通過すると、1件につき300円分のAmazonギフト券をプレゼントする。ギフト券は1人につき最大10件分(3,000円)までで、口コミは何件投稿してもOKとのことだ。

今後は、介護業界の有識者や特色のある介護施設の取材記事などを掲載するニュースコンテンツも配信予定。介護施設を検討する人々に便利で分かりやすいインターネットサービスを提供していくとしている。

グリー株式会社のニュースリリース
http://corp.gree.net/jp/ja/news/press/

介護のほんね
https://www.kaigonohonne.com/

■2014.8.15  中国の介護事業者と北京市に合弁会社を設立――ニチイ学館
ニチイ学館は、7月、中国における戦略的提携合意書締結について公表し、中華人民共和国「民政部」直轄の中民養老企画院と戦略的提携合意書を締結し、中国全土での展開を視野に事業スキーム、事業モデルの構築を推し進めてきた。今回、この提携合意に基づき新設された「北京至愛宏宇科技有限公司」と合弁契約を締結し、合弁会社を設立することを公表した。

高齢者人口2億人とも言われる中国に対し、ニチイ学館は、国政直轄の部門と直接提携し、日本の介護を輸出する先鞭をつけようとしている。日本では介護人材を外国から受け入れようとしているが、日本の介護スタイルを海外に輸出することで、活路を見出していく企業も、今後増えることが予想される。

■合弁契約および合弁会社設立の目的:
:ニチイ学館の中国現地法人および本年9月末を目途に孫会社化する予定の現地介護事業者・家政事業者とともに「至護グループ」を形成し、標準化・専門化された良質で効率的な介護の普及と、健全な介護市場の形成に寄与することを目的とする。

■合弁会社の概要:
1)名称:至護管理有限公司(仮称)
2)所在地:北京市朝陽区
3)代表者の役職・氏名:董事長 張敬波(予定)
4)事業内容:人材養成研修事業
  介護施設等の福祉施設運営事業
  サニタリー商品卸事業
  企業管理コンサルティング等
5)資本金:5,000万人民元
6)資本構成:北京至愛宏宇科技有限公司 51%(出資額2,550万元)
          株式会社ニチイ学館 49%(出資額2,450万元)
7)設立年月日:平成26年8月を目途に設立予定

■合弁相手先の概要:
1)名称:北京至愛宏宇科技有限公司
2)所在地:北京市朝陽区
3)代表者の氏名:王 宇
4)事業内容:技術開発、技術サービス、経済貿易コンサルティング、企業管理・投資コンサルティング、市場調査、企業企画等
5)資本金:100万人民元
6)設立年月日:平成26年7月23日
7)大株主・持ち株比率:張敬波 50%
            王 宇 50%
8)当事会社間の関係:記載すべき関係はありません。

■今後の予定(仮):平成26年8月を目途に合弁会社を設立し、順次事業を開始する。

■業績への影響:本件および中国事業展開による業績への影響につきましては、引き続き、精査していく。

■2014.8.15  約80%が飲み込みに重要な「食塊」の意味を知らない――日清オイリオ調査
日清オイリオグループ株式会社は、2011年より定期的に行っている在宅介護事情調査の第7弾として、在宅介護を行っている家族100名を対象に「要介護者の介護食づくりに関する実態調査」を実施し、7月30日、その結果を発表した。

今回の調査により、「飲み込みやすい食事=細かく刻む」と誤解している人が多く、飲み込みに重要な「食塊」を理解が今後の課題であることがわかった。

【調査結果の概要】
■約80%が「食塊(しょくかい)」の意味を知らない 
食事中に誤嚥した経験があると答えた方は全体の62%と半数以上だった。その一方で、スムースな飲み込みに重要な「食塊」の認知率を調査したところ、約80%が「食塊」の意味を理解していないことが分かった。

■とろみやあんの利用は27%
飲み込みやすい食事をつくる上で最も重視していることの1位は「やわらかく煮込む」(68%)、2位は「細かく刻む・つぶす」(65%)だった。これは、噛むことを助ける食事を意識したものであり、飲み込みやすさに重要な「食塊」をつくることを助ける工夫である「とろみをつけたり、あんをかける」は27%という結果だった。

さらに、飲み込みやすさには「食塊」をつくることが重要であると伝えたうえで、「食塊」をつくりやすい食事に必要だと思う工夫を調査しても、噛むことを助ける工夫である「細かく刻む」が71%と、最も多い結果となり、「食塊」をつくることを助ける工夫や、飲み込みやすくする工夫である「水分を多くする」(53%)、「ペーストや液体状にする」(47%)、「片栗粉やトロミ調整食品でとろみをつける」(46%)を上回った。

在宅介護で飲み込む機能が低下している要介護者への介護食づくりは、噛むことを助ける工夫に加えて、「食塊」をつくることを助ける工夫(「食塊」をつくった状態に近い食事)を意識することが、今後の課題になりそうだ。

■食べにくそうなもののトップは「肉類」
要介護者が食べにくそうにしている食材は「肉類」(68%)が最も多く、次いで「蓮根や大根などの根菜類」(46%)、「ほうれん草などの葉もの野菜」(46%)が上位を占めた。食べにくそうな食事に加えて、食事中の歯の状態についても調査したところ、要介護者の約90%が食事中に義歯(部分入れ歯、総入れ歯)を使用していた。

適正な「食塊」をつくるためには、第一段階として食べ物を噛み砕く必要がある。要介護者にとってこれらの食材が食べにくい理由の1つとして、「歯」の状態が関与している可能性が示唆された。「歯」の状態についても今後重視していく必要がある。

■「食塊(しょくかい)」とは
人は食事をする際に口の中で食べ物を噛み砕きながら唾液と混ぜ合わせ、ほほの筋肉や舌の絶妙な動きによって飲み込みやすい食べ物の塊(食塊)をつくる。この「食塊」をつくることでスムースに食べ物を飲み込むこと(嚥下)ができる。

飲み込む機能が低下している場合、お茶などの水分は、飲み込むタイミングより速く喉から気管へ流れてしまうことがあり注意が必要となる。
一方、水分の少ないパサパサした食べ物は、口の中に張り付きやすく、細かく刻んだ食べ物は口の中でばらけやすいため、「食塊」をつくることが難しくなる。

そのため、誤って気管に入る(誤嚥)可能性が高くなるため、飲み込む機能が低下している要介護者に対して「食塊」を意識した食事を提供することは、とても重要となる。

■2014.8.16  社会福祉40法人、職員が着服 2009〜13年 読売新聞の調査
全国の社会福祉法人が役員による私的流用などで改善指導を受けていた問題で、役員以外の経理担当職員らによる運営費などの着服が2009〜13年度、40法人で発覚したことが読売新聞の調査で分かった。

うち39法人は理事長・理事らによる私的流用などが明らかになった65法人とは別で、1法人は役員が理事会を開催しなかったなどとして改善指導を受け、経理担当職員による着服も発覚した。

読売新聞が都道府県と政令市、中核市109自治体(13年度末)を対象に行った、社会福祉法人への監査実態を尋ねるアンケート調査で判明した。09〜13年度に経理担当や施設長など役員以外の職員が、運営費や入所者から預かっている現金を着服した疑いがあるとして、23道県市が計40法人に特別監査を実施し、着服が確認された。

■2014.8.16  国立ハンセン病療養所の介護・看護職員増員へ
高齢化が進む国立ハンセン病療養所の入所者たちが療養所の職員定数削減に抗議していた問題で、厚生労働省が介護・看護職員を増員させる方針を示し、15日に入所者側と合意書を締結した。

全国ハンセン病療養所入所者協議会は「ハンストなど実力行使も辞さない」とする決議を取り下げ、問題は解決する見通しとなった。

同省は、〈1〉2018年度までは毎年、職員定数を前年度比1人増とする〈2〉介護が必要な入所者1人あたりの介護・看護職員数を18年度までに1・5人に増員し、19年度以降も同水準を維持する――などの案を提示し、入所者側が受け入れた。

全国13か所の療養所で暮らす入所者1840人(5月現在)の平均年齢は83・6歳で、高齢化が著しい。

■2014.8.16  特別支援学校在籍者が過去最多 8割が知的障害の児童・生徒
兵庫県内の特別支援学校に在籍する児童・生徒らが14年連続で増加し、2014年度は5260人に上り、過去最多になったことが、15日までの文部科学省などの調査で分かった。知的障害の児童・生徒が年々増加しており、全体の約8割を占めている。

文科省の学校基本調査速報によると、県内の在籍者数は幼稚園、小学校、中学校ではいずれも前年度より減少しており、小学校、中学校は過去最少だった。

一方、特別支援学校の在籍者は、前年度を上回った01年度以降、毎年、増加を続ける。14年度は、幼稚部73人▽小学部1162人▽中学部1245人▽高等部2780人。高等部が前年度より42人、中学部が38人増えるなど、全体で110人増加した。

県教育委員会によると、特別支援学校の在籍者のうち、肢体不自由の児童・生徒数はほぼ横ばいだが、知的障害は年々増加。14年度は前年比128人増の4167人となり、特別支援学校在籍者の79%を占めている。

県教委は知的障害の子どもの増加に対応し、敷地内に仮設校舎を建設するほか、姫路市内に今年4月、小中高等部がある姫路しらさぎ特別支援学校を新設した。

さらに、17年度には神戸市西区に、知的障害者が通う高等部のみの特別支援学校を開設する。また、県立高校内に特別支援学校の分教室設置も進めている。




2013/10/21
13年度 兵庫県 特別支援学校3282人に急増 教室不足深刻に

兵庫県立の特別支援学校に通う知的障害の児童・生徒数が2013年度、19校で3282人に上り、県教育委員会が7年前に公表した推計を千人以上も上回っていることが分かった。国立、市立を含めた県内全体では4千人を超える。肢体不自由の児童・生徒数は横ばいだが、知的障害は増加傾向が続き、教室不足は深刻。仮設校舎などで対応する学校もある。

県教委によると、県立の特別支援学校(小・中・高等部)に通う知的障害者は04年度、1979人だったが、12年度に3千人を突破。13年度は04年度の約1・7倍に増えた。

06年度に出した推計では「13年度にピークの2150人」としていたが、その見通しを大幅に上回っている。

国立、市立を含めた県内27校では13年度、初めて4千人を超えた。軽度の知的障害がある児童・生徒のニーズが高まっており、今後も増加傾向は続くとみられる。

特別支援学校の小・中学部は定員がなく、希望者は入学できるため、学校や教室の不足は深刻だ。

芦屋、西宮市を通学区域とし、10年に開校した県立芦屋特別支援学校は、神戸市の要望で東灘区東部の児童・生徒を受け入れる予定だったが、余裕がなく、実現できていない。

開設4年の神戸市立青陽須磨支援学校は教室が足りず、今冬、仮設校舎の建設に着手。県内では、同市立青陽西養護学校など複数の学校ですでに仮設校舎が建設されている。

県教委は来年度、県立こやの里特別支援学校(伊丹市)の分教室を猪名川高校(猪名川町)内に設置し、姫路市内には新設校を開く。

県教委は、学校の整備方針や新しい推計を盛り込んだ「県特別支援教育第2次推進計画」(14〜18年度)を本年度中に策定。「必要な学校整備は進める」とするが、財源の問題などもあり、すぐに現状を改善することは難しいとみられる。

兵庫教育大大学院の宇野宏幸教授は児童・生徒の増加の理由について「きめ細かな教育へのニーズが高まっている」と分析。「過密化を解消するため、軽度の障害の子どもを地域の学校で受け入れる仕組みや、支援体制の充実が課題」と指摘している。

■2014.8.16  ローソンが「介護コンビニ」 ケアマネ配置し高齢者支援
ローソンは、介護が必要な高齢者を支援するコンビニの展開を始める。介護事業者と提携し、ケアマネジャーが常駐して介護サービスを紹介したり、生活相談にのったりする。超高齢化が進むのに対応し、新たなサービスで客を増やす狙いだ。

首都圏で介護事業を手がける「ウイズネット」(本社・さいたま市)と提携し、同社がローソンの加盟店となり、店を運営する。1号店は来年2月に埼玉県川口市に開く予定。

ローソンは他の介護事業者にも加盟店になってもらう計画で、提携先がみつかれば、大阪や名古屋など大都市部を中心に3年で約30店を出す計画だ。

普通のコンビニと同じ品ぞろえのほか、店内に常駐するケアマネジャーが、入浴などの通所介護(デイサービス)や、有料老人ホームなどの施設を紹介する。お年寄りの介護生活についての相談にものる。相談には無料で応じる予定だ。

また、店内にサロンのようなスペースを設け、高齢者が集まりやすくする。介護に関する講習会などを開くことも検討している。

広めの敷地が確保できる店では、提携先のフィットネスクラブ大手のルネサンスと協力し、ストレッチなど軽い運動をできるスペースを設けることも計画している。

出店競争を続けるコンビニ業界では、他店との違いを出すことが勝ち残りのカギとなっている。

■2014.8.16  子供遺棄・置き去り:過去5年間で891人 2歳以下4割
今年3月までの過去5年間で路上などに遺棄されたり自宅などに置き去りにされたりして、全国の児童相談所(児相)が対応に当たった子供が891人だったことが毎日新聞の全国調査でわかった。2歳以下が約4割を占め、遺棄だけで120人に上ったことも判明。戸外に捨てられたことで、中心体温(直腸温)が35度以下で生命の危険もある低体温症に陥っていた乳児も含まれており、幼い命が脅かされる遺棄や置き去りの実態が判明した。

今年6〜7月、児相を設置する47都道府県▽20政令市▽2中核市の計69自治体に対し、国が把握を求め始めた2009年度以降の遺棄と置き去りの内容を尋ねた。

それによると、発見時の状況から各自治体が13年度に「遺棄された」と判断した子は23人、自宅などに「置き去りにされた」とみた子は111人だった。12年度はそれぞれ24人と183人で、今年3月までの過去5年間では120人と771人だった。

891人の内訳は、
0〜2歳が39.8%で最多。
3歳〜就学前25.1%
▽小学生24.1%
▽中学生6.6%;など。
遺棄の120人に限ると、2歳以下で72.5%を占め、
3歳;就学前11.7%
▽小学生6.7%;などだった。
自治体別でみると、東京139人
▽神奈川123人
▽大阪市116人の順で多く、遺棄に限ると、東京15人
▽熊本市12人;などだった。

遺棄されていた乳児で発見場所が確認できたのは36人。集合住宅敷地内や民家近辺6人▽病院やその近く6人▽路上5人▽公園4人▽スーパーなどのトイレ4人▽児童養護施設や乳児院の近辺3人;などで、23人が屋外だった。

36人のうち、低体温症や低体温だったのは少なくとも7人。昨年3月と11年4月、宮崎市内で同じ母親から遺棄された2人は、へその緒が適切に処理されないことでチアノーゼに至る恐れがある多血症も併発していた。11年10月に千葉市内のコンビニのトイレのごみ箱から見つかった女児は、胃からの出血もみられた。

また、置き去りでは昨年9月、さいたま市の自宅アパートで母親不在の間に衰弱し、紙おむつを食べていた1歳男児を保護。昨年2月には九州の自治体で、親と数日間連絡が取れず、保育園に置き去りにされた2歳児が保護される出来事があった。

■2014.8.17  厚労省が個人情報22人分漏洩
厚生労働省は15日、障害者関連団体の代表ら少なくとも22人の氏名、住所、電話番号などを、ポスターの発送関連業務を委託した外部業者に伝え、この業者のホームページ(HP)で平成25年1月から今年6月までの約1年半にわたり閲覧可能な状態になっていたと明らかにした。情報の悪用などは報告されていないという。

■2014.8.17  被災の特養「慈恵園」が再出発 南三陸
南三陸町の特別養護老人ホーム「慈恵園」の新しい建物が、同町入谷に完成した。従来の施設は東日本大震災の津波に見舞われ、49人が犠牲になり、移転新築工事が進められていた。

定員は被災前と同じ70人。木造平屋で床面積は2970平方メートルと約1.3倍に増えた。以前は2人部屋、4人部屋が中心だったが、全て個室となった。

約11億円の建設費のうち6分の5を国の補助金で賄い、残りを運営する社会福祉法人旭浦会が負担した。入所は4日に始まった。

慈恵園は海から約1キロ離れた志津川地区の海抜約15メートルの高台にあったが、津波が平屋の施設の天井付近まで押し寄せ、入所者48人と職員1人が亡くなった。土地確保の問題から再建場所には旧施設から約4キロ離れた内陸部の入谷地区を選んだ。

入所者の約6割が南三陸町民で、気仙沼市からの利用も多い。定員に対し約2倍の希望者があった。

星雅也事務長は「ニーズの高さを感じる。期待に応えられるよう地域に愛される施設を目指す。周辺住民との交流にも努めたい」と話している。

■2014.8.18  高齢者に暴行の疑い 介護士を逮捕
神奈川県真鶴町にある高齢者向けの賃貸住宅で、88歳の男性に暴行を加えて大けがをさせたとして、28歳の介護士が傷害の疑いで逮捕された。
警察によると、容疑を否認しているという。

逮捕されたのは、真鶴町にある高齢者向けの賃貸住宅、「ホームステーションらいふ真鶴」に勤務する介護士の青木辰也容疑者(28)。

警察の調べによると、ことし6月、この住宅で介護を担当していた88歳の男性に暴行を加えて胸の骨や鎖骨を折る大けがをさせたとして、傷害の疑いが持たれていた。
見回りに来た看護師に男性が体の痛みを訴えたということで、警察は事件当日、男性の介護をしていたのが青木容疑者だけだったことなどから、18日逮捕した。
調べに対して、「やっていません」と容疑を否認しているという。

警察は男性がけがをした際の状況などについてさらに詳しく調べている。
この住宅を運営する東京・品川区の会社、らいふは「これまでの社内の調査では暴行の事実はないと考えていたので介護士の逮捕には困惑している。捜査の結果を待って真摯に対応したい」と話している。

■2014.8.18  交差点で車にはねられ2人死傷、運転の介護士逮捕
18日午前6時25分ごろ、大阪府豊中市緑丘の市道交差点で、右折中の乗用車が近くの無職、松永宏子さん(74)に接触、松永さんが頭などを強く打ち、間もなく死亡した。一緒にいた70代の男性も負傷、病院に搬送されたが命に別条はない。

府警豊中署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、乗用車を運転していた吹田市千里山竹園、介護士、竹森雅子容疑者(56)を現行犯逮捕した。「歩行者に気が付かなかった」と話している。

同署によると、2人は横断歩道付近にいたとみられ、詳しい状況や原因を調べる。

■2014.8.18  厚労省、特養の相部屋整備も支援 施設不足受け、個室化推進を修正
厚生労働省は18日、特別養護老人ホーム(特養)に関し、プライバシー確保などを条件に相部屋の整備を支援する検討に入った。現在は改修する場合、個室しか補助対象にならないが、施設数が不足している上、低所得の高齢者を中心に負担が少ない相部屋を希望する利用者が多い。地方自治体の間にも相部屋を認めるべきだとの声があるため、個室化推進の原則は維持しつつ、相部屋も容認する格好だ。

厚労省は2000年代初めから、ケアのしやすさや居住環境を重視して全室個室化を目指す方針を掲げてきており、相部屋への支援は方針の修正を意味する。

■2014.8.19  真鶴のホームで入所者殴りけが 容疑の介護士逮捕 /神奈川
介護付有料老人ホームの入所者を殴ってけがをさせたとして、小田原署は18日、真鶴町真鶴、介護士、青木辰也容疑者(28)を傷害容疑で逮捕した。「けがをさせていない」と否認しているという。

逮捕容疑は6月18日午後6時50分ごろ、介護士として勤務していた真鶴町の介護付き有料老人ホームの個室で、入所する無職男性(88)の左肩を殴って、鎖骨骨折のけがをさせたとしている。

小田原署によると、19日朝に男性が「体が痛い」と訴えたため、病院で診察したところ骨折が判明した。転倒した形跡がなかったため、病院が小田原署に通報した。18日は青木容疑者と女性介護士が施設内におり、男性は「20代の若い男にやられた」と話しているという。

■2014.8.21  特養は個室か相部屋か
特別養護老人ホーム(特養)について、厚生労働省が、プライバシー確保などを条件に、相部屋の整備を支援する検討に入ったと報じられています。

現在は、厚生労働省は、生活の質やプライバシーなどを確保するため、改修する場合、個室しか補助対象にしていません。2000年代初めから、居住環境の重視やケアのしやすさを重視して、この方針を掲げて、全室個室化をめざしてきました。

個室化の方針は、私はあるべき方向性だと思い、大臣在任中も、相部屋を認めるようにという施設からの要請に対応してきました。しかし、特養の費用が個室だと全額自己負担になり、相部屋だと部屋代が介護保険の対象になり1割負担ですむという問題や、待機する人が増える中で都市部などではスベース的にも相部屋の方が多くの人の要望に応えられる等のことが背景にあります。

入所を希望している待機者は、約52万4千人にのぼり、相部屋でも入りたいという声が多い、ということです。有識者の間でも、しゃくし定規に考えずに柔軟に、という意見もありますが、待機者の解消のために、個人の尊厳をないがしろにすべきではないという意見もあります。容認する人も、相部屋の方が事業者がやりやすいので、想定以上に相部屋が進み可能性を指摘しています。厚生労働省は、社会保障審議会の分科会で議論を進め、2015年度から、相部屋の整備にも施設の改修費を助成する方向で検討しています。超高齢社会の中で、わがこととして考えたい問題です。

■2014.8.21  ホームヘルプ車購入 県共同募金助成金で伊東・碧の園
伊東市荻の障害者支援施設・碧の園(小川礼子園長)はこのほど、県共同募金会の助成金97万6千円を利用し、ホームヘルプ専用車を購入した。

同園には利用者の送迎車はあるが、在宅障害者のための専用車がなかった。業務などで使っている車と兼用していたため、より良いサービス提供のため助成金を申請した。ホームヘルプ車は、トヨタの5人乗りミニバン・ラクティス(諸費用込み約180万円)。

小川園長は「皆さんが赤い羽根などに募金してくれたおかげで購入できた。自分では家から出ることのできない重度の障害者にも、生活の幅広い要望に応えられることができる」と話し、買い物などの移動支援などに活用するという。

同園は、2010年度にも助成金で利用者の外出車を購入している。

■2014.8.21  <サッカー>知的障害者W杯 日本代表が初の決勝T進出
◇「ひたむきさ」いっぱい、足りないのが資金と用具

【サンパウロ朴鐘珠】ブラジルで開催中の知的障害者サッカー世界選手権で日本代表が19日、予選リーグを勝ち抜き、4度目の出場で初の決勝トーナメント進出を決めた。選手たちは、ブラジルまでの遠征費のうち30万円を各自負担し、ユニホームやシューズさえ不足する窮状を抱えながらの快挙。次戦は21日の準決勝で、大会3連覇を狙うサウジアラビアに挑む。

今大会には8カ国が出場。予選B組の日本はブラジルに2−2で引き分け、ポーランドに1−5で敗れ、ドイツに7−0で勝った。勝ち点4を挙げ、ポーランドに次ぐB組2位で予選を通過した。A組はサウジアラビアが1位、南アフリカが2位で通過した。

大会は4年に1度、サッカーのワールドカップ(W杯)開催国で開かれる。サッカー版パラリンピックという位置づけだ。日本は出場した過去3大会の成績が10位、11位、10位と振るわず、今大会でのドイツ戦で挙げた1勝が初勝利だった。

障害者サッカーは知的、視覚、聴覚、身体など障害の種類によってさまざまな楽しみ方がある。知的障害の場合、ルールはW杯と同じ。強いて健常者サッカーとの違いを挙げるなら、指示の声がとても重要な点だ。知的障害のある選手は先を読むプレーが苦手な場合が多く、戦術や戦型を忘れさせないように監督やコーチ、選手同士が必死に声を掛け続けなければならない。

日本代表の小澤通晴監督(51)によると、現チームの力を健常者で例えるなら高校の都道府県大会で16強に入る程度だという。優勝候補のサウジアラビアだと大学生に匹敵するらしい。知的障害者の中には欧州のプロサッカーリーグで活躍する選手もいる。

だが、うまい下手に関係なく障害者日本代表の試合は見る者の胸を打つ。「(女子代表の)なでしこジャパンもそうですが、ひたむきさが伝わるからではないでしょうか」と小澤監督。練習でも本番でも必死にボールを追う選手たち。その姿が与える感動は、W杯の日本代表をしのぐかもしれない。

逆に足りないのは資金と用具だ。ユニホームは前回大会のを使い回し、大事な1着を選手は風呂場で手洗いしてホテルの部屋に干す。その部屋も個室ではなく4人部屋だ。ブラジル戦で大雨に見舞われると、翌日は湿ったままのシューズを履いて練習した。日本サッカー協会に加盟できずにいるため運営予算は事実上ゼロ。今大会もインターネットで支援金を募るなどして遠征費を工面した。チームの動向や支援方法は「日本知的障がい者サッカー連盟」の公式サイトとフェイスブックで確認できる。

■2014.8.21  「老人」6人のアート展 滋賀・近江八幡
作る、描く、集める、写し取る…。自らの関心の赴くまま、意欲的に創作を続ける「老人」6人の作品を集めた企画展「快走老人録II」がボーダレス・アートミュージアムNO−MA(滋賀県近江八幡市永原町上)で開かれている。11月24日まで。

アーチストの折元立見さん(68)は米国の美術学校で学び、人と人のコミュニケーションを作品にしてきた。現在は認知症の母親を介護する日常を写真や映像として発表している。映像作品「ベートーベン・ママ」では、折元さんが「運命」を口ずさみ、曲に合わせて母親の頭をなでる。その手つきは多少乱暴だが慈しみがにじみ、母親も困惑したような表情を浮かべながら身を任せている。

小西節雄さん(67)のかかしは、同館学芸員が東近江市で道に迷って偶然発見し、展示に至った。畑をカラスから守るために始まったかかし制作は、本来の目的を超えて服装やポーズが進化。数も増えて道行く人を楽しませてきた。同館中庭や蔵には、腰の曲がり方や服装が妙にリアルな老人や、虫取りを楽しむ少年の姿のかかしがたたずむ。

ずらりと並ぶ約80冊のスクラップは白井貞夫さん(82)の箸袋とたばこの箱のコレクションだ。「箸袋趣味の会」西日本支部長を務める白井さんが「すし」「そば」など独自に分類した成果を、手にとって鑑賞できる。また、膨大な数のこけしコレクションは白井さん宅の棚ごと展示する。

そのほか、鹿児島県の障害者施設で敷地内に小屋を建て、絵を描いて暮らす西之原清香さん(81)など、わが道を快走する老人たちの創作の日々を垣間見ることができる。同館の藁戸さゆみ学芸員は「長く生きているからこそ、放つ創造力は尋常ではない強さがある。高齢化社会をポジティブに捉え、楽しく生きるヒントにしてほしい」と話している。

月曜休館。大人300円、高校、大学生250円。企画展に関連し、小室等さんのコンサートや特別養護老人ホームの看護主任による介護やみとりについての講演などが開催される。

■2014.8.21  大人のアスペルガー症候群って?二次障害を引き起こさないためには?
知能や言語に問題はないものの、職場やプライベートで「常識がない」、「相手の気持ちを理解できない」などと非難されてしまう場合があります。それらの症 状はもしかしたら、アスペルガー症候群かもしれません

アスペルガー症候群は心の病気ではありません。脳の発達障害によるものです。
アスペルガー症候群の症状は、子どもの頃は個性として捉えられても、大人になってから社会生活を送る上でトラブルの原因となり、適切なケアを受けずにいると、ストレスからうつ 病や強迫性障害などの二次障害を引き起こす危険があります。
ここでは、アスペルガー症候群の症状、対処法を詳しく紹介します。


◆子どもの頃からの個性はアスペルガーの症状?

アスペルガー症候群は、子どものうちに適切な診断を受けることが望ましいですが、大人になるまで発見されないことが多いのが現状です。
「職場の電話に出ても、会話をしながらメモがとれない」「人の目が気になって仕事に集中できない」など、一見、本人の努力次第のように見える行動も、アスペルガー症候群の症状です。

【アスペルガー症候群の主な症状】
・コミュニケーションが苦手
・同時に二つの作業ができない
・自分のルールに強くこだわる
・予定外のことに対応できない
・興味関心の対象が限定的
・音に過剰反応する


◆アスペルガー症候群と診断されたら?

「発達障害外来」や「アスペルガー症候群外来」などの科を受診することが望ましいですが、これらの外来の設置数は少ないので、総合病院などの「精神科」を受診します。電話などでアスペルガー症候群の専門医がいるかどうかなど事前に確認しておくと良いでしょう。
アスペルガー症候群の人が、もっとも避けなければならないのが二次障害です。アスペルガー症候群であることを理解されないままストレスを抱えていると、さまざまな精神疾患を引き起こす可能性があります。
二次障害は、うつ病、強迫性障害のほか、PTSD、睡眠障害、摂食障害など。
アスペルガー症候群の症状を根本的に治療する薬や手術はありませんが、二次障害などの症状を軽減するためには、抗うつ剤や気分安定剤などが用いられます。
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◆必要なのは正しい理解と適切なサポート

二次障害を避けるためには、家族はもちろん、医師やカウンセラーなどの理解者を見つけることが大切です。また、規則正しい生活を送り、休息をとることも必要になります。生活のリズムが崩れると、精神的にますます混乱を招いてしまうためです。
自治体の支援体制は広がりつつあります。各都道府県の発達障害者支援センターに相談すれば、職業訓練や、障害に理解のある職場の紹介などの支援を受けられることもあります。

■2014.8.21  問題の核心は? 社会福祉法人の存在意義
社会福祉法人という存在意義が今、問われています。規制改革会議などで、特に介護や保育の分野で社会福祉法人が税制優遇されていることが議題になります。

しかし、社会福祉法人が経営する施設は、資金使途の制限など法律に基づく多くの規制がある中で事業を行っています。また、事業を廃止する場合の財産は国やほかの社会福祉法人に提供しなければなりません。

だからこそ、税制優遇があり、国の補助金も受けられるわけです。営利企業の場合、事業の撤退も自由ですし、利益を株主に還元することも可能です。社会福祉法人に対する指摘には、多くの誤解があるのではないでしょうか。

そうした中、厚生労働省の社会福祉法人の在り方等に関する検討会(座長=田中滋・慶應義塾大名誉教授)は7月、社会福祉法人に対して公益的な活動や運営の透明性などを求める報告書をまとめました。

そこで、検討会委員の浦野正男・中心会理事長、宮田裕司・堺暁福祉会理事、雄谷良成・佛子園理事長をお招きし、今後の方向性について尋ねました。


(聞き手は松寿庶・本社社長、オブザーバーは近藤社会保障法律事務所の近藤純五郎弁護士)

問われる意義

松寿
厚生労働省の社会福祉法人の在り方等に関する検討会が報告書をまとめました。委員としてどう受け止めていますか。

雄谷
報告書は論点を五つ打ち出したのですが、将来を展望する点と反省すべき点が混在しており、切り分けて考えるべきです。

「公益的な活動の推進」と「規模拡大・協働化」は、今後、社会福祉法人へ期待されている点です。

地域住民が参加するサロンや、成年後見人の受託、生活困窮者への支援など地域ニーズを解決する役割を求めています。地域で複数の法人が協力して事業に取り組むことも増えるでしょう。

一方、「運営の透明性の確保」と「監督の見直し」は反省すべき点です。

2000年の社会福祉基礎構造改革以降、社会福祉法人には財務諸表の公開が求められているのに、公表する割合が5割に過ぎないのは問題です。行政による画一的な指導や、過剰な活動の規制なども何とかする必要があります。

「組織体制の強化」については、展望と反省が半々でしょうか。理事会や評議員会が役割を果たすことなどガバナンスの必要性などが求められています。


浦野
私自身は当初、「なぜ同じ介護保険事業をしているのに、社会福祉法人だけ税制優遇されるのか」という規制改革会議が投げてきたボールを打ち返すことにとらわれていたと反省しています。

民間企業とのイコールフッティング(競争条件の平等化)に対する結論を1年で出さなければなない事情があり、限界もあったと感じています。本来は、福祉に対する歴史的背景や時代認識についての議論もすべきでした。

社会福祉法人が生まれてからの60年の間で、経済思想も新自由主義へと変わってきました。公共の縮小が結果的に社会の発展につながるという考えにより、明治以来続いてきた、国を頂点に都道府県、市町村、外郭団体、社会福祉法人などと続いてきたピラミッド構造が崩れつつあるわけです。

「地方分権」や「官民連携」というように、国と地方自治体や行政と民間は対等な関係を目指しています。 そうした中、社会福祉法人がどんな役割を担うかは、十分に議論が尽くされたとは言えないのではないでしょうか。


社会の厳しい目には

松寿
五つの論点は大切なものばかりですね。税制優遇の話については、特別養護老人ホームを経営する社会福祉法人が内部留保をため込んでいるという批判の声もありました。資金の使い道は規制されているのに多くのお金があるとすれば、それは将来に対する経営の不安からでしょう。
宮田 内部留保は多いことがダメなのではなく、会計の処理の問題とも言われています。

特養ホームなど入所施設を運営する社会福祉法人は、何億円にも上る施設の建てかえ費用を用意しなければなりません。本来は計画的に積み立てる必要がありますが、流動資産の現預金の部などに計画なく何億ものお金を置いている法人があるのです。

また、内部留保と言っても定義はあいまいで、本当に預金口座に現金があるとは限りません。


松寿
どれほどの内部留保なら認められるのかという基準は、全国社会福祉法人経営者協議会などの団体が目安をつくるべきだと思いますね。そうした借入金の返済のための基準が決まれば、次に使うべきは人件費でしょう。

会計ソフトを扱う会社が作成した常勤職員の12年度の平均年俸を見ると、特養ホームの介護職(勤続5・1年)は327万円、障害者福祉施設の介護職員(勤続5・6年)は335万円、保育士(勤続6年)は279万円ですよ。

さらに特養ホームでは正職員の割合も5割以下と低い。そんな待遇の業界に未来はありませんよ。そして、給与が低いからこそ優秀な人材が育たず、法人の将来を担う後継者も育成できない。



浦野
必要以上のお金をため込まず、職員の処遇を手厚くするのは当然です。しかし、それで課税議論を乗り越えられるとは思いません。

規制改革会議はイコールフッティングの観点から社会福祉法人への課税を訴えています。例えば、同じ介護報酬という体系で在宅サービスの事業をしているのに、なぜ株式会社は課税され、社会福祉法人だけ非課税なのかという主張です。

それには低所得者や労力のかかる人を排除しないことや、制度外のニーズに対応することなどで、社会福祉法人の公益性を説明する必要があります。


松寿
社会貢献については、今問題になっている生活困窮者への支援こそ社会福祉法人に求められている課題だと思います。

09年の群馬県の高齢者施設「たまゆら」の火災は、都市部で行き場のない生活保護受給者が、スプリンクラーもない劣悪な施設に収容されている実態を浮き彫りにしました。

厚労省調査では、10年時点で無料低額宿泊所は全国に500施設あり、1万5000人が入っています。そして、無低の運営者は7割以上がNPO法人です。中には、利用者と契約を結ばず、ピンハネしている疑いのある団体もあるんです。

無低の入所者数は全国の救護施設の定員数とほぼ同じですよね。

地方自治体や社会福祉法人の責任は大きいと思いますよ。ほかにも、養護老人ホームや婦人保護施設などに入所するような人の支援を積極的に進めるべきです。



法人はどこに向かう

松寿
戦後日本の公的福祉の仕組みが脆弱である中、社会福祉法人 は法律に基づいて公に協力してきたわけです。それが成熟してくると外野からは社会福祉法人が我がもの顔で振る舞っているように見えるのでしょうか。厚生労働省が批判からかばおうとする姿勢も伝わってきませんね。


浦野 今の段階で「社会福祉法人は国のために私財を投げうってきたんだ」という議論にこだわるべきことではありません。

在り方検討会では、社会福祉法人の公共的な存在であるという論拠をどこに求めるかという議論はありませんでした。憲法89条の公の支配に属するというロジックで公共的な存在だとしたためです。

しかし、新しい公共の考え方では、社会福祉法人という存在がこれまで持っていた公共性を担保できなくなるでしょう。今後10年のスパンで見ると、市町村と対等な関係で協働することで公共的な存在とする議論になるのではないでしょうか。

実際今回の報告書では、評議員会で住民の声が経営に反映される仕組みが必要だとされているのは、そうした芽だと感じます。


雄谷
もはや、施設を運営するだけで地域に貢献しているとは言えない時代になっているということです。法人を経営することが求められ、さらに地域を支援するということが求められています。

経済が成長と一緒に社会保障にかける費用も右肩上がりという時代ではありません。人口の減少は、これまでサービスを受ける側だった高齢者や女性、障害者も主体として、社会に貢献することが求められるわけです。

そこで、社会福祉法人が、NPO法人や株式会社などを巻き込みながら、新しい事業をつくる時代です。社会福祉法人には施設としての福祉機能だけでなく、福祉を一つのパーツとして、どう地域の中で1人の人を支えられるのかを考えていく必要があります。


宮田
国から受託するという関係で言うと、子ども・子育て支援新制度では、虐待などで優先的に利用を確保すべき子どもがいる場合、地方自治体が保育所に措置することになっています。

その措置先は社会福祉法人だけでなく、株式会社が運営する保育園でも可能です。これが今後どういう事態になるのか、注視しなければなりません。


今後に向けて

松寿 今後、与党や政府税調などで社会福祉法人への課税議論が山場を迎えます。仮に法人税や固定資産税などが課税されるようになった場合、都市部の社会福祉法人の中にはつぶれるところも出るでしょう。最後にメッセージをお願いします。


宮田
社会福祉法人の環境が変わったことをきちんと認識することが大切だと思います。もはや、公共という概念はお上から付与される構造の中で体言するものではないんです。

その上で税制優遇されていることを世の中が納得できる事業を一つでもいいからやらなければなりません。そして自ら地域に発信することが大事です。


雄谷
人の生活を成り立たせているのは福祉だけではないという謙虚さが必要になっていると思います。種別や業種を越え、過去にとらわれず、地域のために動いてほしい。

施設の運営を目的に事業をやるのではなく、人の幸せのためにやるということです。


浦野
我々より前の世代の人たちは、制度がなくても困った人が目の前にいれば、手を差し伸べてきました。その後行政が認めて制度化するという循環があったわけです。最近はその役割をNPO法人が担ってきているのではないでしょうか。

社会福祉法人として生き残るには変わらないといけないんです。社会福祉法人の経営者は地域社会と住民という大きな視点を持たなければなりません。

そのような視点を持って実践を積み重ねれば、「非課税堅持」の主張も世の中から高い支持を得ることができるようになるのではないでしょうか。


「福祉とは」根本の議論を オブザーバー近藤純五郎氏

憲法89条は国が社会福祉の責任を持つように定め、民間団体に公金を出すことを禁止しました。そこで、わざわざ「公の支配」に属する法人として、社会福祉法人という法人格を作りました。民間人が土地を提供して施設の建設費用も一部払うため、行政も財政的に助かります。

措置制度から契約制度に変わってからは、介護報酬や障害報酬が支払われる仕組みが導入され、経営という法人の自主性を重視する考えが生まれました。

ところが、これまで憲法との関係を見直す作業はありません。果たしてこのままでよいのでしょうか。「福祉とは何か」という根本的な出発点から議論して、法体系を作り直すことも必要ではないかと感じます。

■2014.8.21  在宅介護でストレス8割 3人に1人「憎しみ」も 連合、家族の意識調査
親や配偶者の在宅介護を担う家族の80%がストレスを感じており、3人に1人は「憎しみ」まで抱いていることが21日、連合による意識調査で分かった。

調査は連合加盟の労働組合を通じ2〜4月に実施。自宅で親や配偶者、配偶者の親らの介護をする40歳以上から、1381件の有効回答を得た。

ストレスの有無を尋ねると、25・7%が「非常に感じている」、54・3%が「ある程度」と答え、計80%に上った。

「憎しみを感じている」との回答は35・5%。認知症患者の介護では症状が重いほど割合が増え、日常生活に問題行動がみられるレベルだと69・2%に達した。虐待した経験が「ある」とした人は全体の12・3%。重い認知症の場合では26・9%だった。

連合は、介護保険制度が始まる前の平成7年にも同様の調査を実施しており、虐待経験は減ったが、憎しみを感じる人の割合は約1ポイント増えた。ストレスに関しては初めて聞いた。

■2014.8.21  下着売り場で介護中マーク
大手スーパーで女性の下着売り場で、腰をかがめて何やら探している若い男性がいました。何げなく見ていると、男性は私に頭を下げながら、胸元に提げていた「介護中」のマークを見せてくれました。少し離れた場所で、車椅子の老婦人がニコニコと男性を見ています。介護職の方が老婦人の買う物を探していたようです。

私はそのとき、初めて「介護中」のマークを知りました。外出時のトイレに異性の介護者が付き添うときや、男性介護者が女性の下着を買うときなどに首から提げて周囲の人に理解してもらい、誤解や偏見を持たれないようにするようです。

自治体にもよるようですが、市役所などでいただけるようです。見掛けたら温かい目で協力したいと思います。

■2014.8.21  「利用者うそつく」施設長、訓示で発言 社会福祉法人徳誠福祉会 徳誠園
青森市の障害者支援施設「徳誠園」の入所男性(43)が昨年11月、職員2人に暴行され骨折するなどした事件で、同園の施設長がことしの職員向けの年頭訓示で「利用者はうそをつくことがある」などと発言し、市が施設側に改善勧告をしていたことが20日、市への取材で分かった。

改善勧告は3月31日付。市は、施設長の発言が適正な支援サービスの提供を定める障害者総合支援法に抵触すると判断した。

市によると、施設長は訓示で「職員は信用しているが、利用者はうそをつくことがあるため、(市の)聞き取り調査をうのみにしてはいけない」といった内容を話したという。ことし1月、市が施設側から受け取った文書で発覚した。

聞き取り調査は、市が市内の医療機関から暴行に関係する情報提供を受け、昨年12月に実施した監査。この際、施設側は「暴行はない」と市に報告していた。

市は今月中に施設に再監査に入る方針。市健康福祉部の赤垣敏子部長は「虚偽の証言など前回の調査と異なる事実が出てきた。組織的な暴行がなかったか、調査する」と説明した。行政指導に当たる改善勧告よりも重い行政処分を視野に調査を進めるという。

■2014.8.21  介護囲い込み 公正・中立の基準明確化を 地域包括支援センター
高齢者介護の公的な相談窓口として全国に設置されている「地域包括支援センター」で、市町村から運営委託を受けた社会福祉法人や医療法人などが利益獲得のため、自らが運営する介護保険サービスに利用者を事実上、誘導するケースが都市部を中心に全国で問題化していることが明らかになった。

厚生労働省は通知でセンター運営について「公正・中立」をうたうが、経営を優先した利用者の「囲い込み」は、センターの設置理念に反する背信行為にほかならない。超高齢社会に向けた公的な中核機関として、地域でお年寄りの生活を支えるセンターの存在意義にも疑義を生じさせかねない事態といえる。

国、県、各市町村はそれぞれセンター運営の実態把握に努め、囲い込みなど運営法人への利益誘導がある場合は、直ちに是正を図るべきだ。

介護予防プランの作成をはじめ、高齢者虐待など権利擁護にも取り組む地域包括支援センターは全国に約4500カ所あるが、約3割が市区町村の直営で、残り約7割は社会福祉法人などに運営が委託されている。

県内には56カ所あるが、7割の39カ所が市町村の直営で、残り3割の委託は那覇市(12カ所)宜野湾市(4カ所)浦添市(1カ所)の17カ所となっている。

囲い込みがあるのは地域差が大きく、全国でも県庁所在地など都市部に集中しているという。

県高齢者福祉介護課によると、囲い込みなどに関する同課への苦情や相談はこれまでないという。ただ、介護業界ではセンター批判がタブー視されているとの指摘もある。本土の事例を対岸の火事として、県内も安閑としてはいられない。県当局は市町村と連携し、地域の介護事業者からの聞き取りをはじめ、県内の実態把握に早急に取り組んでもらいたい。

全国で「囲い込み」が問題化している背景には、厚労省通知の「公正・中立」について、明確にチェックする基準がないことも原因とされる。介護保険サービスの割り振り状況の公開や、事業者に偏りがないかといったチェックを自治体に義務付けるなど、囲い込み解消には事業の透明化が不可欠だ。

センターの審議機関として自治体ごとに設置される運営協議会の形骸化も指摘される。厚労省は協議会の機能強化策をはじめ、実効性のある指針を早急に示すべきだ。

■2014.8.22  有田川町で不正に介護給付費受給
和歌山県知事の指定を受けて障害のある人に介護サービスを提供している有田川町の福祉事業所が、実際には提供していないサービスを提供したと偽って、有田川町などから、介護給付費およそ63万円を不正に受け取っていたことが、県などの調査でわかった。

これを受けて、県は、この事業所の県知事指定を取り消すと発表しました。県知事指定の取消処分を受けたのは、有田川町井口の障害者福祉サービス事業所生活支援センターありだりあ。

県障害福祉課によると、この事業所は、障害のある人が医療機関に通院する際の介助サービスの提供など、居宅介護のサービス事業所として、平成22年9月に、法律に基づく県知事の指定を受けた。その直後の平成22年12月から今年2月までに、実際には通院介助を行っていないにも関わらずサービスを提供したと偽った記録を作成し、有田川町などの自治体に介護給付費の支払いを請求していた。

虚偽の記録作成は、3年3ヵ月の間に111件に上り、介護給付費あわせて63万2999円を不正に受け取っていたという。

■2014.8.22  障害者や高齢者、食事を共に10年 京都・八幡のグループ
京都府八幡市内の身体障害者や家族、1人暮らしの高齢者ら地域の人々が昼食やパン作りを通じて交流するグループ「こむぎ」が発足から10年目を迎えた。調理や食事を共にして絆を強め、「知的障害を持つ娘との会話が増えた」「1人暮らしの寂しさがまぎれる」と、口づてで仲間の輪が広がりつつある。

八幡市立福祉会館(同市八幡)の調理室に月1回集まり、会員が和食を中心にしたおかずや、おやつのパンを一緒に作り、昼食をとっている。

代表の橘佐代美さん(64)=同市西山=が、義母の介護を通じて知り合った主婦や、障害者とその家族ら12人で、2005年4月、男山公民館で活動を始めた。調理しながら介護や介助の悩みを話し合い、「子どもに手作りのおやつを与えたい」と参加する若い母親もいる。公民館の耐震化工事で活動場所を一時、近くの生涯学習センターに移し、昨年4月から現在の場所になった。会員は4倍近くに増え、45人になった。

中尾安子さん(72)=同市男山=は、知的障害を持つ三女の明子さん(40)と発足当初から参加している。以前は家に閉じこもりだった明子さんだが、こむぎのメンバーと会話を楽しみ、調理をする中で自信を持ち、市内のNPO法人で活動するようになったという。

橘さんは「手作りすることや食べることで、元気を分かち合う仲間を増やしたい」と話している。問い合わせは八幡市社会福祉協議会

■2014.8.22  生活保護のよくある誤解に答えてみました
今朝、Facebookで下記のメッセージを頂戴しました。

メッセージの主は、1950年生まれの男性。中堅の大学を卒業したあと、製造業で働いておられた様子です。


生活保護を語るのは難しいですね、正直、一生懸命働いて得られる収入が、生活保護費より安いことがより深刻な問題ではないかと思います。

母子家庭などで働かず、医療費ゼロ、学費ゼロ、これ以上何が必要なのでしょうか?

きれいな洋服がほしいのでしょうか?自家用車がほしいのでしょうか?

東京23区に住まなければならない必要性は何でしょうか?

生活保護を受け取らず、より厳しい生活を送っておられる方のほうが多いのではないでしょうか?

健康で文化的な生活は、ある程度の努力があって初めて得られるものではないでしょうか?

自己紹介もなく、最初のひとことが「……ですね」という口調であることに、げんなりしました。

お答えする義務はないと思いますが、あまりにも典型的な「よくある誤解」なので、質問に答え、かつ誤解や知識不足に関する対策を考えることにします。

生活保護のよくある誤解に答える
•一生懸命働いて得られる収入が、生活保護費より安い

確かに、一部の地域では 最低賃金<生活保護基準 となっているので、「働いたら損」と言えなくもありません。

しかし最低賃金は、生活保護基準を参照して定められています。




(地域別最低賃金の原則)

第9条 賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。以下同じ。)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。

《全改》平19法129

2 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。

《全改》平19法129

3 前項の労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。


出典:最低賃金法

つまり「最低賃金は生活保護基準を下回ってはいけない」ということです。

違反したからといって各自治体が政府に是正を強制されるというわけではなく、ただ再審査を求められるのみですが、原則はそうなっています。




(地域別最低賃金の決定)

第10条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という。)の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定をしなければならない。

《全改》平19法129

2 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつた場合において、その意見により難いと認めるときは、理由を付して、最低賃金審議会に再審議を求めなければならない。


出典:最低賃金法

だから、最低賃金が生活保護基準を下回っている場合には、問題として報道されるのです。

また、生活保護基準が下がれば最低賃金も下がります。

現在、厚労省は数多くの理由のもと、最低賃金を減額することを可能にしています。すると「懸命に働いているのに生活保護以下」という方がますます増えるわけです。当然、

「その怨念が生活保護利用者に向けられれば、効率的に生活保護基準を下げられるし……」

というような目論見のもとに行われていることなんでしょうね、わかります(皮肉)。
•母子家庭などで働かず、医療費ゼロ、学費ゼロ、これ以上何が必要なのでしょうか?

「母子家庭など」の「など」の意味するところが良くわかりません。

ここでは「母子世帯の母親が生活保護に甘えて働かない」という俗説が事実かどうか検証します。

まず、生活保護利用者の中で、母子世帯は多くありません。社会保障統計年報にある最新データは2011年で、その年に母子世帯は 113,323 世帯、生活保護世帯全体の 7.6 % でした。元データを見たい方は、こちらの資料3をご覧ください。

2011年、厚労省は「全国母子世帯等調査」を行い、結果を公表しています。これを見ると、ひとり親世帯の経済状況が全体的に劣悪であることが分かります。

また2009年、厚労省は「生活保護母子世帯調査等の暫定集計結果−一般母子世帯及び被保護母子世帯の生活実態について−」を公表しています。

これによれば、生活保護を利用している母子家庭の母親のうち40%は就労しています。

就労していない母親の70%は病気、あるいは身体の不調を抱えています。

健康でなおかつ就労していない母親にも、さまざまな事情があります。「24時間介護を必要とする家族を抱えており、外出もままならない」など。

「生活保護に甘えて働かない母子世帯の母親」は、実在はするのでしょう。ただ、


生活保護を利用している母子世帯は約 11 万世帯 → 母親が約 11 万人

生活保護を利用している母子世帯の母親のうち就労していない母親は 60 % → 11 万人 × 0.6 =6.6 万人

そのうち身体状況に問題のない 30 % → 6.6 万人 × 0.3 = 約 2.0 万人

と考えていくと、そもそも対象となりうる母親が「生活保護利用者総数の約1%」というマイノリティだということが分かります。

「健康で働けるはずなのに生活保護を利用して働かずにいる母親」

である可能性もある約 2.0 万人から、さらに介護等の事情により働くことができない母親たちを除外していくと、その

「健康で働けるはずなのに生活保護でいい思いをしやがって!」

に該当する可能性のある母親たちは、「極めて少数」ということになるでしょう。

ライターとして2011年から生活保護利用者の取材を続けてきている私ですが、「ただの怠け」「本人に大きな問題があって」「たぶん不正受給」というタイプの生活保護利用者を見つけるのは容易ではありません。人数比で1%前後といったところです。出会えたからといって、仕事になるかどうかも微妙です。そういう方々のことを大問題として報道するメディアは他にたくさんあるわけですし、仕事の内容としては事件報道になります。ただでさえ肉体的に不利な条件を抱えている私は、「そういう不利な勝負で自分を潰すようなことはしたくない」と考えます。

生活保護に対するネガティブイメージを煽る場面では、そういう方々のことこそ積極的に報道されるわけですけれども、私は「意味のあること」とは思っていません。極端な少数の事例を問題にしても、全体像や本質は決して見えてきません。
•きれいな洋服がほしいのでしょうか?(後記)

生活保護を利用している女性たちの服装を、実際にご覧になったことはありますか?

状態のよい中古を入手し、せめて不潔感を与えないように洗濯して着ていらっしゃることが多いです。そして、それが彼女たちの精一杯です。

「見た目」をその程度にかまうことで精一杯、下着まではお金が回らないという話もよく聞きます。

衣服は、社会生活に参加できるラインの「見た目」を維持するのが精一杯、外から見えないところにはお金を使えないということです。

清潔で、ゴワゴワになっていたり穴があいていたりしない下着をいつも身につけていられる程度にも、現在は達していません。
•自家用車がほしいのでしょうか?(後記)

自動車がないと生活できない地域に住んでいたり、障害のために自動車を必要とする事例は多数あります。

大都市圏ではむしろ、自動車は持っていたら邪魔な場面もありますが。

生活保護利用者は交通不便で生活コストの安い地域に住むことを求められ(次項参照)、その上、自動車の保有が認められないことによって病院や文化資本へのアクセスまで不可能にされなくてはならないというのであれば、困窮が新たな差別を産むことになります。それでよいのでしょうか? それも、日本が差別的な国として国際社会から疑問視されている昨今のご時世に?
•なぜ、生活保護利用者が、東京23区のような生活コストの高い地域に住まなければならないのでしょうか?

「住まなくてはならない」とは、私は書いたり言ったりしていません。そこに居住したければ居住すればいいし、別の地域に居住したければそうすればいい。それだけです。

居住地を選択する自由は、誰にもあります。実際に生活コストの高い地域に住むことが可能かどうかは、家賃相場などに依存しますけれども。もし日本の住宅政策がもっと充実したものでありつづけてきたならば、「住みたければ東京23区にでも山手線の内側にでも住める」という状況となっていたはずです。生活保護利用者に恨みつらみを向けるのは筋違いです。




何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。


出典:日本国憲法第22条 - Wikipedia

「生活保護のくせに東京23区だと!?」と怒りを覚えるのなら、生活コストの高い地域に住んでいる生活保護利用者に対して「公共の福祉に反する行為を行い、自分の権利を侵害した」として訴訟でも起こしてはどうでしょうか? もし勝訴すれば、司法のお墨付きのもとに堂々と、「生活保護なんだから、●●地域に住むな、××地域に住め」と言えることになります。

居住の自由もさることながら、「生きるために東京23区内に住まざるを得ない」というケースもあります。具体的には難病患者や障害者の一部です。

医療の都合・福祉の都合により、居住して生存することの可能な自治体が制約されているので、「やむを得ず」ということです。

難病だと「この病名だと、東京23区内のA区、B区、C区または東京都下のD市でないと生きていけない」に近いことが結構あります。

国の制度として、全国一律に医療・福祉の最低線が確保されていればともかく、今、日本でそれを追求することは現実的に無理になりつつあります。

これからも、生きるために東京に住む、それも生活コストの安くない地域に住むという選択を強いられる人たちは、増えこそしても減りはしないでしょう。

生活コストの高い地域に住んでいる生活保護利用者には、たいていの場合「そこに居住することが必要だから居住している」という事情があります。

「長年、この地域で、地域社会の中で生活してきたから」という高齢者に対しても同様です。ただでさえ困窮している人・孤立しやすい人に対して、「慣れ親しんだ地域から引き離してさらに不利な状況に追いやる」という非人間的な扱いを行うことは、どのような屁理屈によって正当化できるでしょうか?
•でも世の中には、生活保護を受け取らず、より厳しい生活を送っておられる方も多いですが?

生活保護を利用できる状態なのに利用していない方々は、「漏給」という状態にいるわけです。

漏給状態にある方々の人数は、生活保護を利用している方々(2014年現在、約 220 万人)の2倍とも5倍とも言われています。

そのような方々のために、生活保護という公的扶助制度があります。

存在を知らせ、申請しやすく利用しやすくすることが公共の責務です。2013年5月、国連からも日本に勧告がされています(参考:「国連勧告に逆行する日本の生活保護と「マイナンバー」の可能性」(イケダハヤトさん))。
•健康で文化的な生活は、ある程度の努力があって初めて得られるものではないでしょうか?

その「ある程度の努力」は生存、それも社会的生存を前提として成立します。

生存権が保障されていなければ、勤労の権利を行使することができません。

勤労の権利を行使することができなければ、勤労の義務を果たすこともできません。もちろん、納税の義務も果たせません。

憲法第25条にいう「健康で文化的な最低限度の生活」とは、社会に参入するための必要最小限の何かでもあります。だから公的扶助によって、それ以下の生活をなくす必要があるのです。また、「ただ生きているだけ」以上の何かである必要もあるのです。

知識不足は勉強で解消します

知識不足に基づく誤解は、若干の勉強で解消します。

生活保護世帯の就労率は世の中で思われているほど低くないことを含めて、拙著「生活保護リアル」の第一章では、よくある誤解の多くについて解説しています。新本を買っていただけたら大変嬉しいですけど、図書館ででもお目通しいただければ幸いです。

「文字ばかりの本は、ちょっと」という方は、さいきまこさんのコミック作品「陽のあたる家」をどうぞ。真面目に働く夫妻と子どもたちの、慎ましくも幸せな家庭の幸せが、どんなに簡単に壊れるものなのか。それは自己努力・自己責任で何とかできるものなのか。生活保護を利用して生活するということが、どういうことなのか。「読ませる」ストーリー展開とともに、よく理解できる作品です。

本質は知識不足なのか?

知識不足が解消されたとすれば、生活保護制度や生活保護利用者が憎しみや嫌悪や偏見をぶつけられることはなくなるのでしょうか? 

私は「そんなに楽観できない」と思っています。根底には、人間の「できれば差別したい」という感情があるのではないかと。

向上心や競争といった、人間やその社会を良くしていくモチベーションともなることがらは、容易に差別に結びつきます。

この度し難さとどう付き合っていくかが、本質の一つだろうと思うのです。


みわよしこ
フリーランス・ライター

1963年福岡市生まれ。大学院修士課程修了後、企業内研究者を経て、2000年よりフリーランスに。当初は科学・技術を中心に活動。2005年に運動障害が発生したことから、社会保障に関心を向けはじめた(2007年に障害者手帳取得)。著書は書籍「生活保護リアル」(日本評論社、2013年)など。2014年4月より立命館大学先端総合学術研究科一貫制博士課程に編入し、生活保護制度の研究を行う。なお現在も、仕事の40%程度は科学・技術関連。

■2014.8.22  災害弱者、1階暮らし多く動けず 京都・福知山豪雨
市街地を中心に水害が広がった京都府福知山市で、障害者や高齢者らのいわゆる「災害弱者」や福祉施設も大きな被害を受け、日常の生活や業務に支障がでている。個人宅の車椅子やベッドが浸水したほか、福祉サービス事業所も水に漬かり、元に戻るまで数カ月を要するケースもある。災害弱者支援のための「要配慮者名簿」の登録は推定対象者の4分の1にとどまり、活用に課題が残っている。

市障害者生活支援センターによると、今回の水害で少なくとも障害者の約30世帯が浸水した。部屋に水が流れ込んでベッド上で動けなくなったり、視覚障害者が水に漬かりながら家族に連れられて避難したりするケースがあったという。

障害者や高齢者が優先的に1階に入居している市営住宅は計27戸が浸水。このうち12戸に住む高齢者や障害者が被害を受けた。同センターの村松充・地域福祉部長は「一般住宅でも災害弱者は1階に暮らしていることが多い。被害の数は集計中だが、電動車椅子や補聴器などが水没した報告もある」と言う。

災害弱者を支えている福祉施設も被災した。府や市によると、障害者や高齢者の福祉サービスを提供する約280事業所のうち、少なくとも18事業所で被害が出た。「厚ニコニコハウス」(厚中町)はデイサービスをする1階が60〜70センチ浸水。施設は4階建てで車椅子利用者などの移動で不可欠なエレベーターも故障し、復旧に3〜4カ月かかる。事業は代替施設も活用して続けるが、中生勇施設長(56)は「他施設の職員も総出で何とかやりくりし、利用者に影響が出ないようにしたい」と話す。

市は災害弱者の居住状況を把握し、避難に役立てるため「要配慮者名簿」を作成している。しかし、自主的に登録する仕組みで推定対象者5千人のうち、実際に登録しているのは1200人にとどまり、全災害弱者の状況の把握はできていないのが現状だ。名簿の活用法は各自治会に委ねられ、ガイドラインもない。

市地域福祉課は「要配慮者の避難を誘導する民生委員宅も浸水し、声かけができなかったケースもあった。名簿をどう避難に生かすか検証したい」としている。

■2014.8.22  青森市が徳誠園の再監査に着手
社会福祉法人「徳誠福祉会」が運営する障害者支援施設「徳誠園」=青森市四戸橋磯部=に入所していた男性=当時(42)=を暴行したとして、当時の職員2人がそれぞれ罰金20万円の略式命令を受けた事件で、市は21日、同法人への再監査に着手した。再監査の理由について市は「同法人が市に提出した報告書の真偽を確認するため」などとしている。

■2014.8.22  男性特有の尿モレに1枚で安心巻かずに使えるパッド発売
男性の尿モレの仕組みを研究開発
エリエールブランドの大王製紙株式会社は、在宅介護者用に商品名、特長も分かりやすく変更した『アテント男性に1枚安心巻かずに使えるパッド28枚』として9月22日より全国発売する。

鳥取大学医学部との共同開発の成果として2014年3月に病院、施設等の業務用ルートで発売していた、業務用、大人用紙おむつ『アテントSケア長時間安心パッドダブルブロックタイプ』の一般販売用だ。

男性がおむつを装着した時に発生しやすい、尿が前にモレるメカニズムを調査、研究した結果、陰茎の位置により排尿位置が変化することが前モレの原因であり、さらには陰のうが尿の後方への拡散を阻害していることが主要因だと分かった。


尿を効率よく吸収し、モレを防ぐ構造
尿が局部にせき止められておこる男性特有の尿モレに、股間部の吸収スペースを確保し、内側のギャザーとポケットで局部をきちんと収めるため、尿を後ろ側に流し引き込むことで、効率よく吸収させる。

パッドと排尿口とのズレを防ぐため、局部に巻きつけるなど、1度に複数枚使用することなく1枚で安心して使える。

他にも装着しやすい工夫として、体の中心に合わせやすく目安となるセンターラインで簡単に正しくあてられるように、おなか側になる前側にセンターラインの矢印がついている。消臭加工と、さらさら全面通気性バックシート採用している。

従来、多くの男性用尿とりパッドでは局部に巻きつけて使用することが多かったが、同社の調べによるとモレの有無だけではなく、使い方自体を敬遠する介助者も多く、介護する側、される側双方の精神的負担が大きく軽減される商品だ。


商品名  :『アテント男性に1枚安心巻かずに使えるパッド』
発売時期 :2014年9月22日(月)
発売地区 :全国
入り枚数 :28枚

大王製紙株式会社 プレスリリース
http://www.daio-paper.co.jp/news/2014/pdf

■2014.8.22  新資格「レクリエーション介護士」制度を開始
一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会を設立
介護レクリエーション素材サイト「介護レク広場」を運営するスマイル・プラス株式会社は、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会を設立し、2014年9月1日(月)より高齢者の介護レクリエーションの企画や提案、実施のための新資格「レクリエーション介護士」制度を開始する。

「レクリエーション介護士」について
「レクリエーション介護士」は、介護現場でレクリエーションを企画したり、提案や実施を行ったりするための新しい資格だ。

介護レクリエーションは、単なる「要介護者の方々が退屈しないように時間を埋める遊び」ではなく、要介護者や高齢者の方々の生きる「喜び」と「楽しみ」を見出していく活動で、一人ひとりときちんと向き合い生きがい探しのお手伝いをする重要な役割を持っている。


長年の調査・検証、現場のノウハウを結集
同資格制度の開発においては、200件の介護施設を訪問し、介護レクリエーションに関する調査や制度の検証を行った。

さらに、長年介護レクリエーションに携わってきたベテラン講師のノウハウや医師・理学療法士・弁護士などの専門家のアドバイスを受け、教育カリキュラムを完成させている。

介護レクリエーションは「集団レクリエーション」「個別レクリエーション」「基礎生活レクリエーション」の3種類に分けられ、資格取得の課程では3種類それぞれの目的やポイントについても学ぶ。

レクリエーション介護士の資格取得方法
まずは、レクリエーション介護士2級講座の提供を開始する。資格取得には、以下の方法がある。

通信教育は株式会社ユーキャンにて提供され、テキスト、DVDを使って在宅で学ぶことができる。添削課題をクリアし、在宅での検定試験に合格する必要がある。

また、認定講座を提供している専門学校などに通学して学ぶ方法もある。2日間の講習を受講後に検定試験に合格すれば資格を取得できる。

施設向け集団研修では、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会指定の認定講師が介護施設などに訪問して研修を実施。受講後に検定試験に挑戦できる。

スマイル・プラス株式会社のプレスリリース
http://www.value-press.com/pressrelease/129726

■2014.8.26  知的障害者の施設で暴行 28歳男を傷害致死で逮捕 神戸
神戸市北区の知的障害者施設で入居男性に暴行を加えて死亡させたとして、兵庫県警有馬署は25日、傷害致死容疑で、この施設に入居する無職の男(28)を逮捕した。男は重度の知的障害があり、容疑について要領を得ない供述をしているという。

逮捕容疑は23日午後5時ごろ、同区の知的障害者自立支援更生施設で、同じ部屋に住む男性(39)の腹の上で飛び跳ねるなどの暴行を加え、翌24日に死亡させたとしている。

同署によると、男が飛び跳ねているのを同じ部屋の別の入居者が見つけ、職員が制止した。男性は暴行後も異常を訴えず施設にいたが、24日夕に突然倒れて病院に搬送され、間もなく死亡した。

同署は26日、男性を司法解剖して死因を詳しく調べる。

■2014.8.28  内部障害へ理解を 府内、周知マーク普及進む
心臓といった身体内部に障害がある内部障害者を示すマークの普及が大阪で一歩前進した。行政機関が公共交通事業者らにマークの貼り付けや周知を求めたのを機に、NPO法人が協力を申し出て実現。内部障害は外見から判別しにくく、鉄道やバスの優先席利用などで偏見を受けるのが問題となっており、関係者は「今後さらに広まっていけば」と期待を寄せている。

■優先席で偏見の目

身体障害者福祉法では、心臓や腎臓などの機能障害を内部障害と定め、全国の内部障害者数は約109万人。身体障害者数全体の31%を占める。

内部障害者を示す統一マークはなく、国際標準化機構(ISO)のピクトグラム(絵文字)や、内部障害者の問題を啓発するNPO法人ハート・プラスの会(名古屋市)が考案したハート・プラスマークなどがある。

同NPO法人の徳永周三理事(63)=寝屋川市=は、心臓の筋肉が伸びたゴムのようになり、血液を送るポンプ機能が著しく低下する拡張型心筋症。10分以上歩くと3、4日は体調不良が続く状態だが「マークを付けていても周知されていないため、理解が得られず優先席に座ろうとすると偏見の目で見られることがあった」と打ち明ける。

近畿運輸局の調査(1月現在)によると、近畿圏内の主要鉄道事業者では、20社中12社が内部障害も含む優先席用のピクトグラムを掲示。バス事業者152社ではピクトグラムが4社、ハート・プラスマークを貼っているのは8社だった。

■1800台掲示へ

「電車やバスで温かく接してもらえるようマークを周知してほしい」との相談を踏まえ、総務省近畿管区行政評価局は5月、内部障害者を含めた優先席のピクトグラムの周知について、鉄道・バス事業者に理解を求めるよう近畿運輸局にあっせん。翌月には近畿運輸局が管内の事業者に協力依頼の通達を出した。

こうした状況を知った徳永理事は「この通達を追い風にしよう」と大阪バス協会にステッカーの無償提供を打診。7月に2千枚強を手渡した。

大阪バス協会は加盟事業者に配布。すでにマークを掲示していた1社を除き、路線バスを運行する他の全11社約1800台での貼り付けにつながったという。藤原昭三専務理事は「内部障害者の方にも優先席に座ってもらい快適にバスを利用してもらえれば」と話していた。

大阪市交通局も独自にピクトグラムを導入済み。付けたマークをどう啓発していくは今後の課題だが、府内のバス事業者でのマーク普及が一気に進んだ形だ。

徳永理事は「今後各地の交通事業者に掲示の輪が広がっていけば」と思いを込めている。

■2014.8.28  認知症、転落事故に注意 熊本市施設で男性死亡
熊本市中央区の高齢者介護施設で今年5月、認知症の男性(78)=同市北区=が2階から転落して死亡していたことが27日分かった。市や県によると、施設側に介護保険法の人員配置基準などの違反はなかったが、施設からの転落事故は「これまで聞いたことがない」としている。認知症の人は自分のいる場所が認識できなくなることがあり、介護事業関係者には注意が必要だ。

男性は短期記憶障害など認知症の症状があり、要介護2と認定されていた。施設から報告を受けた熊本市や遺族などによると、施設(3階建て)に宿泊予定だった5月25日午後6時前、職員が男性を2階の居室(個室)に案内。約10分後に別の職員が見に行ったところ、室内にいなかったという。男性は建物外側の地面に倒れており、病院に搬送されたが、2日後に死亡した。届けを受けた熊本北署は、男性が2階から転落死したとみている。

男性の居室には窓があり、窓の外側の壁沿いに人が歩ける程度のベランダ状のひさしがあった。男性はひさしを歩いて転落した可能性があるという。

遺族によると、男性がこの施設を利用するのは初めてで、5月21日から、通いや泊まりを組み合わせた小規模多機能型の居宅介護サービスを利用。事故のあった25日は2度目の宿泊を予定していた。居室に入った際に、職員に「財布を忘れたので取りに帰らないといけない」と話したという。

遺族は「施設に預ければ安全と思っていた。事故には納得できない」。施設の運営会社は「遺族側と認識の相違があり、結論が出るまで話せない」としている。

熊本市高齢介護福祉課と県高齢者支援課によると、県内の介護サービス事業所では昨年度18件の死亡事故があった。原因は誤えんが多く、建物からの転落事故はなかった。

■2014.8.28  特養ホーム:91歳ひもで拘束、家族に謝罪 岐阜
岐阜県安八町の特別養護老人ホーム「あすわ苑」で、ショートステイ利用者の男性(91)をひもで縛って拘束していたことが分かった。山田靖苑長は男性の家族に謝罪し、施設管理者の堀正町長は関与した複数の職員を厳重注意した。

町や同施設によると、今年5〜7月の夜勤時に複数回、男性の下半身にバスタオルを巻き、腰や膝付近を布製のひもで縛ったという。7月19日、男性を入浴させようとした別の職員が、膝の数センチ上にひもで縛った痕のような皮下出血に気付き発覚した。施設の調査に職員らは「男性はおむつに手を突っ込み、汚物を体に付けて汚すことがあったため」と説明しているという。

男性は2012年11月から、ショートステイで同施設を利用し、現在は別施設で介護サービスを受けている。山田苑長は「適切なおむつ交換が本来の業務。利用者の立場に立った適切な介護に努める」と話している。

同施設は安八、輪之内両町と旧墨俣町(現大垣市)が設立した事務組合が運営し、職員は40人。ショートステイ定員は1日20人。

■2014.8.28  <またも死亡事故発生>介護ベッド事故の注意喚起・防止策を発表――消費者庁
消費者庁は、8月15日、介護ベッドの手すりのすき間に頭や首、手足などをはさむ事故について注意喚起を行った。

注意喚起は、7月に介護ベッドを使用する80歳代の男性がベッドのすきまに頭部が入った状態で発見され、死亡が確認されたことによる(事故の原因は現在調査中)。

介護ベッド用手すりの事故は、消費生活用製品安全法の重大製品事故報告・公表制度が施行された2007年5月以降、67件が報告され、うち死亡事故は35件を数える。
2012年6月、経済産業省と厚生労働省が都道府県の関係部局を通じて病院や介護施設、福祉用具レンタル事業者に介護ベッド用手すりによる製品事故を未然に防ぐための点検を依頼。同年11月には消費者庁が全国の在宅介護者向けにアンケート調査や注意喚起を行うなど、事故の危険性の周知や注意喚起につとめてきたが、またも死亡事故が起きる事態となった。
同庁では、再発防止のため、介護者に次の対策を要請している。

■使用中の手すりが新JIS製品かどうかを確認する
2009年3月にJIS規格が改正され、手すりと手すりのすき間、手すりとへッドボード(頭側のついたてなど)とのすき間の基準が強化され、安全性が向上した。使用中の手すりが新JIS規格でない場合、交換を奨励する。
新JIS規格の製品かどうか不明な場合はレンタル契約先事業者か販売事業者に問い合わせる。

■新JIS規格の製品への取替えが困難な場合は、すき間をふさぐ対策をとる
・すき間をふさぐ対応品を使用する。対応品の内容については各メーカーに相談のこと。
・クッション材や毛布などですき間をふさぐ。
・手すりなどの全体をカバーや毛布で覆い、手すり自体のすき間に頭や腕などが入り込まないようにする。
・危険な状態になっていないか定期的にベッド利用者の目視確認を行う。

詳しくは医療・介護ベッド安全普及協議会の「医療・介護ベッド安全点検表」を参照されたい。



医療・介護ベッド安全点検表
http://www.bed-anzen.org/pdf/anzentenken_check.pdf

■2014.8.28  医療・介護ベッド安全点検表
近年、医療・介護ベッドのサイドレールやベッド用グリップによる死亡事故等が報告されています。
事故の多くは利用者の首や手足がサイドレール等のすき間や、内部の空間に入り込んだことによるものです。これらの事故の多くは、利用者の身体状況や使用状況によると思われるものであり、危険な部分があるかどうかの確認と正しい使い方によって未然に防ぐことができます。


http://social-welfare.rgr.jp/databox/kaigo-anzen_01

■2014.8.29  事業所指定取り消し:岩美の障害者福祉サービス会社、責任者配置せず /鳥取
県は28日、サービス管理責任者を配置していなかったとして、鳥取市菖蒲の障害者福祉サービス会社「しょうぶの郷(さと)」(代表・山根敏彦)が運営する事業所「しょうぶの郷」(岩美町浦富)の指定を9月30日付で取り消すと発表した。山根代表を含む関係者3人も5年間、障害者福祉サービス業に携われなくなる。

県によると、同事業所は昨年1月に指定を受け同4月に事業を開始。県が認定した管理責任者1人を常勤で配置する必要があるが、別の事業所で働く50代女性を申請し不正に指定を受けていた。今年5月、この女性が県の講習会に別の事業所の責任者として出席し発覚したという。

多い時で約10人の障害者が農業就労していたが、管理責任者の資格のない社員が就労計画を作成し、内容はずさんだったという。県は昨年8月からほぼ毎月監査に入っていたが、不正を見抜けなかった。

同社は町と鳥取市から雇用に応じた訓練等給付費計約660万円を受け取っており、県市町は返還請求を検討する。県は再発防止のため9月10日に事業者を集め指導を徹底する。

■2014.8.29  介護保険法に違反 社会福祉法人友徳会
県は28日、大衡村の社会福祉法人友徳会が運営する「特別養護老人ホーム万葉の里」と、塩釜市の居宅支援事業所「あおぞら」の2団体が介護保険法に違反したとして、サービス提供を禁止するなどの処分にした。いずれも9月1日付。

県によると、万葉の里は介護老人福祉施設の指定を受ける際、同法の規定を満たすため45人分の雇用契約書を作成して申請したが、実際には27人としか契約を結んでいなかったなどとされる。県は、介護老人福祉施設として入所者や市町村から受け取るサービス費を5割削減(6カ月)し、通所介護などはサービス提供を1年間禁止した。

あおぞらは、要介護者のケアプランを作成し、記録する作業を行っていなかったなどとして、新規サービスの提供を3カ月間禁止した。

■2014.8.29  「患者が患者を刺した」川崎の福祉施設で男性死亡 容疑者逮捕
29日午後1時40分ごろ、川崎市幸区小倉5丁目のデイケア施設コミュニティー栗田で、施設関係者の女性から「患者が患者を刺した」と119番通報があった。駆け付けた幸署員が、施設内に隠れていた同区下平間、職業不詳の男(33)を殺人未遂の疑いで逮捕。背中などを刺された同区の男性(70)は搬送先の病院で死亡した。

同署によると、同容疑者は施設1階のトイレで、包丁のようなもので男性を刺して逃走。約1時間50分後、同じ階の食堂のテーブル下に身を潜めていたところを同署員が発見した。

同署は2人に何らかのトラブルがあったとみて、容疑を殺人に切り替え、動機などを調べている。同署の調べに対し、同容疑者は「間違いない」と供述、容疑を認めている。

施設はJR新川崎駅の南約1・5キロの住宅街にあり、隣接する精神科病院に通う患者の自立支援施設。2人は通院患者で、音楽鑑賞や読書を楽しむために利用していたという。

■2014.8.30  障害者自転車 鹿沼由理恵が優勝
障害者自転車ロードの世界選手権は29日、米サウスカロライナ州グリーンビルで行われ、女子タンデム視覚障害タイムトライアル(24.9キロ)は、鹿沼由理恵(メットライフ生命保険)が34分46秒04で制した。日本パラサイクリング連盟によると、ロードの世界選手権優勝はアジア勢で初めて。

この種目は2人乗り自転車を使い、健常者が前に乗ってパイロットを担当。今回、鹿沼は田中まい(日本競輪選手会千葉)とペアを組んだ。 

■2014.8.30  障害者らが親交 小豆島で「ふれあいのつどい」
香川県小豆郡内の障害を持つ人や保護者らでつくる「小豆郡手をつなぐ育成会」が、恒例の「福祉ふれあいのつどい」を土庄町のリゾートホテル「オリビアン小豆島」で開いた。同会員のほか高松市や丸亀市の福祉施設利用者ら計約160人が、プールでの水遊びやカラオケなどで夏のひとときを楽しんだ。

ふれあいのつどいは今年で40回目。水遊びや歌、ゲームなどを通して障害者に楽しい一日を過ごしてもらい、保護者らには相互の情報交換の場を提供しようと続けられている。平成5年からは同ホテルが無償で協力している。

この日は曇り空の下でのプール遊びだったが、保護者やボランティアに見守られながら水しぶきを上げたり、ビーチボールを投げ合ったりして水と戯れた。

プールサイドでは保護者らがお互いの近況を話題におしゃべりを楽しみ、カラオケを楽しんだ人たちはそれぞれ自慢ののどに拍手を送ったり、写真を撮ったりしていた。昼食後は和太鼓のアトラクションや、各施設が歌や踊りを披露し、いっそうの親交を深めた。

■2014.8.30  リフト導入1年で使用頻度7割 100%目指し工夫こらす 社会福祉法人海光会
リフトを導入して1年余りで、使用頻度を70%に引き上げた施設がある。静岡県熱海市の特別養護老人ホーム「海光園」だ。「時間が掛かる」「面倒くさい」など職員の都合で使われなくなるケースがある中、「利用者と職員のために絶対使う」という強い思いで100%の使用を目指している。

社会福祉法人海光会(長谷川みほ理事長兼施設長)が運営する海光園は、1999年5月に開所した入所定員80人(従来型70人、ユニット型10人)、短期入所20人、利用者の平均要介護度4.0という施設。リフトは2013年5月に、長谷川理事長が職員の負担軽減と利用者の安全・安楽な移乗ケア実現のために提案したことをきっかけに導入した。

当時、体の大きな人の移乗はバスタオルを使い2人で行っていた。力がいる上半身を男性が、足部を女性が持つなど安全面や腰痛予防に心がけていたが、女性2人で抱え上げることが多々あった。介護職員のアンケート結果では、86%が「腰への負担が大きい」と答えるなど腰痛対策は喫緊の課題だった。また、拘縮のある人の安全・安楽な移乗にも苦慮していた。

「まずは試してみよう」。提案はすぐにリフトのデモ・試乗へとつながり、知り合いの紹介で潟~クニに来てもらった。その結果、乗り心地が良く、職員の負担軽減などに役立つと即決。使用予定者・家族の同意を得て、同社の床走行式リフト「マイティライトU」を4台導入、現在リフトが必要な7人全員が活用している。

離床時間ずらすなど工夫

導入に際しては「女性2人での移乗介護が困難」などの使用基準を作成するとともに、利用者ごとの離床回数と使用回数を記録。毎月の職員会議で「時間は掛かるけど必ず使う」よう周知したことや、朝の起床・食事などの繁忙時にも使えるように離床時間をずらすなどの業務改善をした結果、導入当初に利用者1人平均30%だった使用頻度は70%にまで上がった。

5人が個浴可能に床走行式に合わせ1階のユニット型の個浴に設置した据え置き式リフト「マイティエースU」は、想定以上の効果を生んだ。機械浴を利用していた6人中5人が個浴を使えるようになったことだ。

機械浴槽のある3階への移動時間や着替えなどの待ち時間は減り、体が冷えることもなくなった。保湿クリ
ームがすぐ塗れるようになりスキンケアにも好影響。「ゆっくり入れるようになった」「安心して入れる」など利用者から喜びの声が上がっているという。

リフトを導入して1年余り。職員の負担や転倒事故などのリスクは軽減され、リフト操作時の声かけにより利用者と職員のコミュニケーションが良くなった。こうしたリフトの効果を実感する一方、課題も明確になっているという。

一つは忙しさを理由に従来の介護をしたり、使うことに臆病になったりしている職員に使用を徹底することだ。また、利用者に適したつり具の選定や、ベッドの昇降・背上げ機能を適正に使うなどより安全に使うための技術向上にも力を入れようと考えている。

リフトを100%活用している施設をみると、定着までに最低5年かかっていることが多い。1年目で使用頻度を70%に上げた海光園は、リフト導入を考える施設の良い目標となるだろう。

■2014.8.30  ヤマハ電動アシスト車いす
6月にヤマハ発動機株式会社から発売された電動アシスト車いす「JWスウィング」の試乗申し込みがスタートした。

多くの特徴を備えた車いす
「JWスウィング」は、介護保険での利用が可能な車いすで、高齢者を中心に行動範囲の拡大や自立を目指して開発された。

人がハンドリムをこぐ力を、アシスト機能によって“まるで誰かに背中を押されているように”軽くこげる電動アシスト車いすだ。

自社開発のフレームはデザイン性と車載性を備え、姿勢、駆動、移乗を追求した設計となっている。


希望場所での試乗が可能
発売から数か月、「JWスウィング」の試乗申し込みがホームページから簡単にできるようになったことで、より多くの人の望みがかなうかもしれない。

ヤマハ担当者や販売店担当者が、試乗車とともに申込者の元へ訪問するので、自宅などの希望の場所で試乗が可能となる。

身体の状態や使用目的に合っているか、自宅周辺の地形などに対し機能や性能は十分か、自家用車への積載や収納は可能か、介助時の操作性はどうかなど、その他にも障がいや使用の環境によるチェックポイントを確認することが可能だ。

もっと自分で行動したい人や、自分のことはできるだけ自分でしたい、出かけたいときに出かけたいなどの思いをかなえてくれる「JWスウィング」の試乗できる機会がやってきた。



JWスウィング
http://www.yamaha-motor.co.jp/wheelchair/lineup/swing/

ヤマハ発動機株式会社 トピックス
http://news.yamaha-motor.co.jp/

■2014.8.30  聴覚障がい者の職場でのコミュニケーションについての調査
聴覚障がい者と健聴者、両方への調査
株式会社第一生命経済研究所は、『聴覚障がい者の職場でのコミュニケーションに関する調査』についてのアンケート結果を、2014年8月22日に発表した。

聴覚障がい者と健聴者の両方に調査した結果が発表された。聴覚障がい者の75%が職場の健聴者に対し「筆談してほしい」と考えていることが分かった。この他にも「口をはっきり動かしてほしい」などコミュニケーションの方法には様々な希望を持っているが、必ずしも伝えられていない現状が明らかになった。


「希望を言ってほしい」健聴者は85%
「手話を覚えて使ってほしい」と考える聴覚障がい者は57.7%いるのに対し、実際にそれを伝えた割合は38%。

コミュニケーションの方法について希望を伝えることについて、聴覚障がい者の94%が「伝えることは大切」と思っているが、「伝え方が難しい」や「理解してもらえない」と過半数が思っていることが分かった。

これらに対し、コミュニケーションの方法について「希望を言ってほしい」と回答した健聴者は85%に上る。しかしその一方では、「聞きにくい」や「聞く機会がない」と回答する人が半数近くを占める結果となった。

調査の結果からは、コミュニケーションの方法についての希望を伝えたい、知りたい、と考えながらも、お互いが遠慮し合ってしまう様子が分かった。



『聴覚障がい者の職場でのコミュニケーションについて』
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/news_index.html

第一生命経済研究所
http://group.dai-ichi-life.co.jp/cgi-bin/dlri/top.cgi

■2014.8.30  事業者処分:介護利用者を虐待 県、佐野の業者処分 新規受け入れ半年停止など /栃木
介護サービスの利用者を虐待したとして県は29日、佐野市万町の介護サービス会社「スマイルケア」(佐武幸子社長)が運営する「デイサービスはぴねす」に対する処分を発表した。9月1日から来年2月28日まで新規の利用者の受け入れを認めないほか、介護給付費と予防給付費の請求について、上限を規定の7割に制限する。

県高齢対策課によると、男性職員(39)が精神疾患のある女性利用者(59)に対し「しつけ」と称して、頭をげんこつで複数回たたいたり怒鳴ったり、脅迫するなどの虐待をしたとしている。管理者の佐武社長(54)も虐待を把握しながら止めることもせず、自らも女性の頭をたたくなどしたという。2人は作業療法と称し、女性に事業所のデイルームやトイレなどの掃除もさせていた。今年6月に女性が近くの交番に逃げ込み虐待が発覚した。2人は「親しみを込めて肩に触れたり注意しただけで、虐待はしていない」などと話しているという。

◇足利のホームは報酬不正受給で

また、県は同日、不正に介護報酬を受け取ったとして「社会福祉法人るりこう会」(仙田恵一理事長)が運営する特別養護老人ホーム「こはく苑」(足利市掘込町)に対する処分も発表した。9月1日から11月30日まで、訪問介護にかかわる新規利用者の受け入れを認めない。

同課によると、るりこう会は、訪問介護の利用者へのサービスが提供されていないにもかかわらず介護報酬10万3740円を不正に請求し、受け取ったという。同会は「管理をきちんとしていく」と話しており、不正請求した金は足利市に返還するという。

■2014.8.30  寄贈:配食車を NPO弁当配食に毎日新聞社会事業団 野洲 /滋賀
毎日新聞大阪社会事業団(河野俊史理事長)は29日、NPO法人「しみんふくし滋賀」(本部事務局・近江八幡市)が運営し、高齢者らに弁当を配達している「キッチンゆうゆう」(野洲市小篠原)に配食サービス車1台を寄贈した。

贈呈事業は1999年から始まり、今回が28台目。毎日新聞読者からの寄付金やチャリティー事業の収益などを基に、地域で高齢者や障害者に配食サービスをする団体を対象に車を贈っている。

「ゆうゆう」は1995年から、野洲、守山、近江八幡の各市で、1人暮らしの高齢者らに地元野菜を使った手作りの弁当を届けている。週5日、1日70〜90食を配達。利用者の安否確認を兼ねた声掛けも大事にしているという。

サービス車は弁当容器を収納できるステンレス製のコンテナが付いた特別仕様のワゴン車で、約30食を運べる。贈呈式で記念のキーを受け取ったNPOの嶋川尚理事長は「これまでは車が少なかったため、利用を断るケースもあった。今後、利用者の拡大に努めたい」と喜んだ。事業団の太田正隆常務理事は「広範囲に配達されていることなどから選んだ。末永く役立ててほしい」と話した。

■2014.8.30  2014年秋のユニバーサルデザインフードの業務用冷凍食品発売
ユニバーサルデザインフードの新製品発売
昭和産業株式会社の100%子会社である、小麦粉、植物油でおなじみの昭和冷凍食品株式会社は、 2014年秋の業務用冷凍食品の新製品4品目、リニューアル品2品目、合計6品目を9月1日より発売する。

現在の日本は、総人口が減少する中で65歳以上の高齢者人口が年々拡大を続け、国民の4人に1人が65歳以上の超高齢社会に突入している。

それをふまえ、同社は日本介護食品協議会に入会し、食べやすさに配慮したユニバーサルデザインフード(UDF)の規格に基づいた新製品を発売することとした。


ユニバーサルデザインフード(UDF)とは
日本介護食品協議会は、日常の食事から介護食まで、幅広く対応できるように、かたさ、粘度の規格により分類された4つの区分(1.容易にかめるかたさ。2.歯ぐきでつぶせるかたさ。3.舌でつぶせるかたさ。4.かまなくてよい。)を表示する。

状態にあった、適切なかたさを選べることができるもので、要介護高齢者の増加に伴い、市場規模も拡大している。


新製品はUFD区分1の容易にかめるかたさ
ユニバーサルデザインフード(UDF)区分1の、レンジであたためるだけで食べられる「刻んだ蛸入りたこ焼き」をはじめとし、「ミニ今川焼き小倉あん」や、「ミニ今川焼きカスタードクリーム」も自然解凍でさらに食べやすく個包装化している。

自然解凍で食べることがでる「オリゴ糖入りプチケーキ」は厚生労働省が定める特定保健用食品の関与成分として認められる、イソマルトオリゴ糖シロップを配合し、おなかの調子も整える。

既存品のブラッシュアップの「3種のお手軽クッキー生地」は、冷凍のままカットして焼くだけの手軽さが特長。「チェロ棒N」は形状を改良し、従来品と比べ、さらに外側はサクサク、中側はふわふわでもちもちした食感となっている。

同社は「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」を企業理念に安心・安全を追求し全ての商品を国内の工場で製造している。



昭和産業株式会社 ニュースリリース
http://www.showa-sangyo.co.jp/upimage/news/pdf/

■2014.8.31  障害者虐待防止法:学ぶフォーラム 施設職員は情報共有を 伊丹で200人参加 /兵庫
2012年10月に施行された障害者虐待防止法について学ぶフォーラム「『生きる』を支える希望の支援」が30日、伊丹市昆陽池2のスワンホールで開かれた。元県社会福祉協議会権利擁護センター所長で広島県立広島大講師、手島洋さんが、法の趣旨や虐待を防ぐための具体策などを解説した。

伊丹市と市障害者虐待防止センターの主催。障害者施設の職員や、障害者の家族ら約200人が参加した。

同法は、身体的、心理的、経済的など虐待を5種に分けて規定。虐待を発見した国民に自治体への通報義務を課している。通報件数と認知件数について、手島さんは「在宅での虐待は約4割が認定されているのに対し、施設では1割にも満たない。多くの人が関わっているため虐待がわかりにくくなっている」と説明した。

特に、心理的虐待は認定が難しいことから、手島さんは「障害者への支援がルーティン化すると虐待につながりやすい。多くの職員が情報を共有し、虐待にあたらないかを確認していくことが大切だ」と指摘した。さらに「職員にとっては職場だが、障害者にとっては生活の場だという認識が必要だ」と助言した。

■2014.8.31  全国福祉高等学校長会:全国大会 介護福祉士の志、熱く 日高高・吉竹さんが優良賞 /兵庫
「全国福祉高等学校長会第20回全国大会」に近畿地区代表として出場した豊岡市日高町の県立日高高校3年、吉竹芙実華さん(18)が優良賞を受賞した。「伝えたいことをうまくアピールできた」と話していた。

全国大会は今月7、8日に高知市で開催。介護福祉士志望の吉竹さんは2年生の時、特別養護老人ホームでの実習中に施設職員の指導を受け感動し、改めて介護福祉士への道を志した。大会ではその思いをつづって、発表した。

大会前には発表練習にも励み、学校では先生、自宅では家族の前で読み上げた。先生からは「抑揚を付け、伝えたい所は感情を込めて」とアドバイスを受け、本番では「緊張せず、うまく話せた」と振り返る。

大会では他校の参加者の発表を聴く機会もあり「障害者用トイレで、車イスを押す人と障害者の性別が違うと入りにくい、という話があった。みんなにとってのバリアフリーとは何か考えさせられた」と話していた。

■2014.8.31  広がれ「レク介護士」 西区の企業が民間資格創設
介護現場で高齢者に生きる喜びや楽しさを感じてもらうため、レクリエーションの企画運営をする民間資格「レクリエーション介護士」を大阪の中小企業が新設した。高齢化が進む中、生活の質(QOL)向上につなげるのが狙い。関係者は「介護職員だけでなく家族やボランティアにも取得してもらい、地域で高齢者を支える社会につながれば」と意欲を示している。

介護用レクリエーション(介護レク)の素材を配信するサイト「介護レク広場」を運営する「スマイル・プラス」(大阪市西区)が創設。同社が2014年1月に設立した日本アクティブコミュニティ協会が資格を発行する。

■人手不足解消へ

同社によると、介護レクは集団で行う体操や演奏、個別で取り組む塗り絵や書道など。「企画者の趣味や特技を生かし、高齢者に喜ばれるプログラムをつくるのがポイント」という。

介護レク広場に登録する介護従事者にアンケートを行ったところ93%が「専門知識を学びたい」と回答。現場でのニーズの高さが浮き彫りになったという。

高齢者介護事業を幅広く手掛ける「やすらぎの介護 シャローム」(堺市堺区)の俣木泰和専務(42)は「レクリエーションの効果を上げるためには場当たり的にやらないほうがいい。資格があれば未経験者が基礎を学ぶための有効な手段になる」と指摘。人手不足が課題の介護業界で人材育成に役立つとみる。

■年間1万人目標

スマイル・プラスは13年度に経済産業省の人材支援サービス創出事業を受託して資格制度開発に着手。介護施設約200カ所を訪問し、介護レクに関する調査や制度の検証を実施した。医師や理学療法士ら専門家の助言を受けながら資格取得に必要な公式テキストを完成させた。

現状で発行する資格は、介護レクの基本知識を習得する2級。企画書の作り方や高齢者とのコミュニケーションの取り方などを学べるようにし、9月1日から講座を開講する。16年にはより専門性の高い1級を創設する予定だ。

資格の取得方法は(1)通信教育ユーキャンを活用した自宅学習(2)同協会指定の認定講師を介護施設などに派遣する集団研修(3)年内には始める専門学校への通学−の3種類。通信教育で「問い合わせが相次いでいる」そうで、年間の資格取得者数は約1万人を見込む。

企画書の作成方法をめぐっては内容を共有できるサイトも用意し「業界統一基準」を目指す方針。伊藤一彦社長は「介護現場で働く方々の笑顔をプラスできるようにするとともに、レクリエーションを通じて一般の方が地域で高齢者を支える社会を実現していきたい」と意気込んでいる。

■2014.8.31  元五輪選手の松野明美さんが記念講演!
佐世保市で障がい者雇用フェスタを開催へ
佐世保市では、多くの方に「障がい」について理解を深めてもらい、「障がい者雇用の拡大」を考える機会とすることを目的に「障がい者雇用フェスタ」を開催している。

今回で5回目となるフェスタでは、元オリンピック日本代表の松野明美さんを迎え、「いちばんじゃなくて、いいんだね。」と題した記念講演を行う。

次男の成長と笑顔に触れるうちに考え方が変化
松野さんは、ソウルオリンピックの陸上競技1万メートル競走に出場するなど活躍。引退後も明るく元気なキャラクターでタレントとして活躍しており、現在は熊本市の市議も務めている。

次男の健太郎くんは、ダウン症という障がいを抱えており「自分のイメージが崩れる」「ダウン症を受け入れなかった」などの理由で、はじめは公にはしていなかった。

しかし、子育てをしていく中で日々の成長や笑顔をみているうちに「人生は人との競争じゃない、いちばんじゃなくてもいい」と気づかされたという。


当事者による弁論や、清峰高校合唱団の特別出演も
当日は記念講演のほかに障がいのある方が就労への想いを伝える「当事者弁論」や、清峰高校合唱団による特別演奏も予定されている。

また障がい者支援施設で作られた商品の販売コーナーも開設されるとのこと。

開催日時は、9月13日(土)の12時から16時20分まで(物販は16時30分まで)。入場は無料。会場は、佐世保コミュニティセンターホール(佐世保市光月町6-17)で行われる。

お問い合わせは、佐世保地区障がい者就労支援協議会事務局

 

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