残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2012年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2012. 5. 3 福山に住宅型老人ホーム完成 グランドステイツエクセル福山
 2012. 5. 4 地産地消、障害者自立支援の直売所誕生・前橋 社会福祉法人三山黎明会
 2012. 5. 7 「発達障害は親の愛情不足」 維新の会の条例案に批判
 2012. 5. 8 元職員「めんどくさい 入院してくれたらいいのに」検察側 週1回暴行と指摘 はぴね神戸学園都市
 2012. 5.10 大阪市バスで「乗車証見せいや」…車いす生徒に
 2012. 5.10 コーヒー豆雇用に一役 社会福祉法人ぴぃたぁパンの家
 2012. 5.11 マッサージ器の誤使用で女性死亡…4人目 的場電機製作所
 2012. 5.12 生活保護200万人突破へ…被災地、申請増も
 2012. 5.13 東日本大震災、聴覚・視覚障害者の死亡率は2倍 避難所でも大きなハンディ負う
 2012. 5.14 宮城県内の社会福祉施設 震災後、職員の3割精神状態悪化
 2012. 5.16 番組で自閉症を「病気」、テレビ朝日がおわび
 2012. 5.18 「福祉パス」に利用者負担案 障害者団体 反対の声 横浜市
 2012. 5.18 介護福祉施設数:高齢者10万人当たり、全国トップ 「成長産業の可能性」 日銀リポート /秋田
 2012. 5.18 大阪の社会福祉法人理事会、22回のうち11回が「全員欠席」 府監査委員が是正求める 社会福祉法人大阪府障害者福祉事業団 
 2012. 5.22 高齢者虐待 23%減138件 沖縄
 2012. 5.23 障害者雇用率、2.0%に 50人以上の企業に義務づけ
 2012. 5.29 大阪の電子カルテ販売会社が破産 メディコール・ジャパン


■2012.5.3  福山に住宅型老人ホーム完成 グランドステイツエクセル福山
福山市水呑町にこのほど、住宅型の有料老人ホーム「グランドステイツエクセル福山」がオープンした。鉄筋12階建てで、8〜11階に68室がある。12階は入居者専用の展望レストランや大浴場、2階にはトレーニング室などを設けた。社会福祉法人春海会(福山市)が運営する。

建物内の3〜7階にケアハウスと特別養護老人ホームを併設しており、入居者に介護が必要となった場合、訪問介護などが受けられるのが特徴。各部屋には緊急呼び出しシステムも整備しており、24時間体制で介護スタッフが対応するという。

■2012.5.4  地産地消、障害者自立支援の直売所誕生・前橋 社会福祉法人三山黎明会
障害者の自立支援と地元野菜の地産地消を目的に、社会福祉法人・三山黎明会(前橋市青柳町、加藤信成理事長)は、同市田口町に農産物直売所「サニーズマーケット」をオープンした。通所する障害者が中心となり、販売や加工を行い、店内は新鮮な野菜を求める市民らでにぎわっている。

サニーズマーケットは障害者の経済的な自立支援や地元農家などの農産物販売を促進するため、障害福祉サービス事業所として4月27日に設置した。

店内にはキャベツや玉ネギ、キュウリなど新鮮な野菜が20種類ほど並び、通所者11人は、野菜の袋詰めや商品の陳列など、店員の仕事を一生懸命に頑張っている。

三山黎明会は「地元の農家からは新鮮な野菜を提供してもらっている。地産地消が進めば、生産者の励みになり、障害者の雇用創出にもつながる」としている。

近所の主婦は「野菜が新鮮。生産者のプロフィルも書いてあるので、安心して食べられる」と農産物をかごに詰めていた。

■2012.5.7  「発達障害は親の愛情不足」 維新の会の条例案に批判
大阪維新の会大阪市議団が市議会に提案を検討している条例案に「発達障害は愛情不足が要因」といった記述があり、発達障害の子どもの親らでつくる府内の13団体が7日、「偏見を増幅する」として提案をやめるよう求める要望書を市議団に提出した。

条例案は「家庭教育支援条例案」。この中で「発達障害、虐待等の予防・防止」として、「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因」と記されている。

これに対し、日本自閉症協会(東京)は6日、市議団あてに内容の修正を求める要望書を送った。
書面では「愛着形成の不足が原因でないことは医学的に確立している」と指摘。さらに「わが国の伝統的子育てで予防・防止できる」といった記述に対して「脳の機能的な障害である」と誤りを指摘した。ネット上でも今月初めから「もう少し勉強したほうがいい」「正しい理解が広がってほしい」という声が相次いでいた。

橋下徹市長は7日、「発達障害の子どもを抱えて苦労する母親に、それはあなたの愛情欠如ですと宣言するのに等しい」と批判。条例案について「行政体が、こういうやり方で子育てしましょうと網をかぶせるのはどうなのか。僕が市民の側に立ったら『大きなお世話だ』と言うんじゃないか」と報道陣に語った。市議団副団長の辻淳子市議は「条例案はたたき台。内容は再検討する」としている。

■2012.5.8  元職員「めんどくさい 入院してくれたらいいのに」検察側 週1回暴行と指摘 はぴね神戸学園都市
神戸市西区の介護付き有料老人ホーム「はぴね神戸学園都市」の虐待事件で、入所女性(74)への暴行罪に問われた元職員、松田光博被告(40)に対する8日の初公判で、検察側は冒頭陳述で「少なくとも週1回の頻度で暴行を加えていた」などと指摘した。

冒頭陳述によると、松田被告は平成22年8月ごろから女性のケアを担当していたが、手間がかかるとして「めんどくさい。振り回される。入院してくれたらいいのに」などと愚痴をいうようになり、職場の待遇に対する不満や、家庭内でのいざこざなどから生じるストレスが合わさって、遅くとも昨年12月初旬ごろには、女性の頬を平手でたたくようになったという。

起訴された虐待を行った1月2日には、朝からゴム手袋の箱で頭をたたいたり、おしめの交換がうまくいかなかったため顔を手でなぐるなど、昼前までに、少なくとも5回にわたって暴行したとしている。

初公判は神戸地裁明石支部(安西二郎裁判官)で開かれ、松田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めている。

■2012.5.10  大阪市バスで「乗車証見せいや」…車いす生徒に
大阪市営バスの50歳代の男性運転手が、市内の特別支援学校高等部に通う車いすの男子生徒(17)と介助者の母親に対し、「(障害者用の)乗車証くらい見せいや」と言い放ち、市交通局が、暴言があったとして運転手を厳重注意していたことがわかった。

同局によると、先月24日、2人が同市西淀川区内で運転手に乗車証を示さずに市バスを降りた後に、運転手が発言。家族から抗議を受けた同局が、車内のドライブレコーダーで暴言を確認した。運転手は、生徒が一般用の降車ボタンを押したことについても、「(車いす用の)ボタンくらい押してよ」と言っていた。運転手は同局の調査に対し、「一般用のボタンしか押されておらず、降りると思わなかった」と釈明したという。

車内には一般用のボタンは各座席横などに設置されているが、車いす用のボタンは2か所しかない。2人はバス利用を始めたばかりだった。母親は「乗車証は手にしていたが、いつ見せるのかよくわからず、戸惑っていた。車いす用のボタンがどこにあるのかわからず、近くのボタンを押した」としている。

同局と運転手は7日、2人に謝罪。同局は「心ない言葉で不快な思いをさせ、申し訳ない。車いすの乗客の対応について研修を徹底したい」としている。

■2012.5.10  コーヒー豆雇用に一役 社会福祉法人ぴぃたぁパンの家
日田市石井の社会福祉法人「ぴぃたぁパンの家」(中村剛敏理事長)が、2年前に始めたコーヒー豆の自家焙煎(ばいせん)事業が、障害者の雇用に一役買っている。豆の仕入れから販売までを行うことで、心身に障害のある通所者たちが、より多く安定的に働ける場として、期待が高まっている。4月には敷地内に作業所も新設した。

同法人は喫茶店とパン製造販売、バイオディーゼル精製の3事業を手掛けていたが、保護者らから「より重度の障害でも働ける場を」と要望する声があり、2010年にコーヒー豆の製造販売を始めた。自家焙煎事業は、機械の操作、豆の計量、包装などが比較的容易な一方で、作業工程には多くの人手も必要なことから、障害者の雇用に適しているという。

同法人は、国の補助を受けて焙煎機を購入。県外で作業の研修を受けた職員たちが、通所者を指導するなどして、事業を運営している。通所者の中には、数字の認識ができず、計量に手間取るケースもあったが、徐々に作業はスムーズになってきたという。

新設した作業所「ぴぃたぁ珈琲(コーヒー)」は、広さ約94平方メートル。毎日6人前後が、職員らに付き添われながら業務に当たる。製造している商品は、ブラジル産やタンザニア産、独自ブレンドなど9種類があり、家庭用、贈答用のほか飲食店にも販路を広げているという。

法人のサービス管理責任者、三宮貴博さん(35)は「介護ありきという発想から抜け出し、多少のリスクはあっても障害者に働いてもらう場にしたい」と語る。

香ばしいにおいのする作業所には、コーヒー豆の販売コーナーもあり、試飲もできる。通所者の金丸竜也さん(22)は「いろんなコーヒーの豆や粉を見られるので、仕事は楽しいです」と笑顔を浮かべた。

■2012.5.11  マッサージ器の誤使用で女性死亡…4人目 的場電機製作所
機械メーカー「的場電機製作所」(埼玉県川越市)は10日、同社が過去に製造した家庭用電気マッサージ器を使った愛知県内の60歳代の女性が今年3月13日、ローラーに服を巻き込まれて窒息死する事故があったと発表した。

同じ製品を巡ってはほかに3件の死亡事故が発生しており、同社は2008年にも注意を呼びかけている。

製品は1983〜90年に約42万台製造された「アルビシェイプアップローラー」=写真=。突起付きローラーに足などを当ててもみほぐすものだが、死亡した女性は布製のローラーカバーを外し首の辺りにあてて使っていた際に服がローラーに巻き込まれて首が締め付けられたとみられるという。3月15日に愛知県警から同社に一報が入り、今月7日にこの製品が事故死の原因とみてほぼ間違いないとの連絡があったという。

■2012.5.12  生活保護200万人突破へ…被災地、申請増も
厚生労働省は12日、全国の生活保護受給者が今年2月末現在で198万9769人(速報値)になったと発表した。

同1月末現在より9206人減だが、東日本大震災の影響で福島県の報告が同県郡山市を除き間に合わなかったためで、実際には200万人を超えたと見られる。200万人突破は、戦後の混乱期で受給者が多かった1952年度以来。

同市を除く福島県の1月末現在の受給者数は1万5831人。これを2月末現在の受給者数に加えると200万5600人となる。

生活保護受給者は96年度以降増加傾向が続き、2008年12月に160万人を突破。毎月1万〜2万人のペースで増え続けている。

厚労省などによると、生活保護受給者が増加し続けているのは、長引く不況で雇用状況が改善しない影響が大きい。受給しているのは高齢世帯が60万5479と最も多いが、働く年齢層と見られる「その他の世帯」が23万8758と最近2年で1・8倍に急増している。

今後、東日本大震災のため仕事を失った被災者らの申請も増えそうだ。

■2012.5.13  東日本大震災、聴覚・視覚障害者の死亡率は2倍 避難所でも大きなハンディ負う
目や耳に障害があると、日常生活に苦労する。ましてや、2011年3月の東日本大震災のような状況ではどうだったか。一般からはなかなか想像できない大震災下の聴覚・視覚障害者の困惑ぶりが12年4月21日、東京で開かれた医療・福祉関係者の交流会で語られた。

「移動と情報の不自由」強いられる

財団法人全日本ろうあ連盟事務局長の久松三二さんは救援活動に取り組んだ。NGO団体などは、岩手、宮城、福島3県の聴覚障害者1671人の安否を調べ、17人 (1%) の死亡を確認した。一方、NHK調査によると、3県には聴覚障害者が3753人おり、2%の75人が犠牲になっていたとわかった。安否確認や支援活動では個人情報保護法が支障になった。聴覚障害者の死亡率は健常者を含めた全体の死亡率の2倍だった。

最大の情報源であるテレビでは、字幕や手話通訳が重要だ。欧米ではかなり多くの番組に手話通訳が付いている。また、お隣の韓国でも放送法を改正し、聴覚障害者の支援を義務づけ、2016年までに字幕は100%、手話は5%の達成目標を定めた。

一方、日本のテレビでは総放送時間の4割強に字幕が出るが、くわしく内容を追える手話通訳付きはNHK教育放送が2%ほどで、他はほとんどなく、「努力目標」にすらなっていない。久松さんは手話通訳の必要性をこんこんと訴えた。

視覚障害者の支援団体・神戸アイライト協会会長の新阜(におか)義弘さんは「移動と情報の不自由」を訴えた。視覚障害者は慣れない場所では動けず、とくに避難所でのトイレは、後の処理をだれかに頼まざるをえず、苦労した。

ラジオ、テレビの情報は、ラジオ所持が少なく、テレビのテロップが音声化されない場合が多かった。また避難所のさまざまな情報が張り紙であったことで疎外された。

障害者手帳を持つ視覚障害者の66%は65歳以上で、中高年になってから障害が深刻になったケースが多く、見えない状況を家族にもはっきりいっていない場合もあった。「視覚障害は災害時の大きなハンディキャップだ」との新阜さんの叫びが耳に残った。

■2012.5.14  宮城県内の社会福祉施設 震災後、職員の3割精神状態悪化
東日本大震災発生後、宮城県内の社会福祉施設で働く職員の3割が精神状態を悪化させていたことが、全国福祉保育労働組合(東京)などの調査で分かった。

非常事態の中、施設利用者の生命に危険が及ばないよう神経をすり減らしたことや、被災して行き場を失った高齢者らを新たに受け入れたことによる過重労働が心身への強い負担につながったとみられる。
 
調査はことし2月、同組合と石倉康次立命館大教授(福祉労働)の研究室が、高齢者や障害者、児童が利用する115施設の職員345人を対象に実施。このうち132人(回収率38.3%)から回答を得た。
 
心の状態は、「あまり良くない」が11.9%、「一時、調子を崩したが回復」が17.8%で、震災後に精神的な状態を悪化させた職員は計29.7%に上った。体調は、「あまり良くない」が9.1%、「一時、調子を崩したが回復」が14.9%で計24.0%だった。震災後の勤務状況は、「泊まれる職員は泊まり込んだ」が72.9%。一部施設が避難所になったことなどから、「通常とは別の業務が増えて職員の体制に困った」との回答も26.4%あった。
 
施設利用者の変化については、「健康状態が悪化」「心理的に落ち込むことが増えた」「新しい利用者が増えた」がいずれも2割前後だった。
 
石倉教授は「利用者の生命を守る責任感や、新たな利用者を受け入れて仕事が増えたことがストレスにつながった」と分析。「非常事態に備え正規職員を増やし、他施設との連携体制を築いておくべきだ」と、人手の確保の必要性を指摘している。

■2012.5.16  番組で自閉症を「病気」、テレビ朝日がおわび
テレビ朝日は14日放送のクイズ番組「Qさま!!」中で、先天的な脳の機能障害と考えられる自閉症を病気として扱ったとして、同番組の公式ホームページにおわびと訂正を掲載した。

テレビ朝日広報部によると、14日の放送中に、「ここ10年で患者数が増えている病気を選びなさい」という問題を出題、自閉症を正答の一つとした。視聴者から放送中に指摘があったことから誤りが発覚した。

広報部では「設問の事前チェックが不行き届きで、誤解を与えてしまった」と話している。


■2012.5.18  「福祉パス」に利用者負担案 障害者団体 反対の声 横浜市
横浜市の障害者が無料で市営地下鉄や路線バスなどに乗車できる「福祉パス」について、市は年三千二百円の負担を利用者に求める案を市議会で示した。事業費増大を抑えることなどが理由だが、障害者団体からは負担増に反対の声も出ている。市は障害者一万人にアンケートを実施し、意見を聴く。

市障害福祉課によると、福祉パスは障害者の社会参加を支援するための制度。軽度を除く身体と知的障害者と精神障害者の希望者に交付され、市営地下鉄やバスなどを一年間無料で利用できる。

二〇一一年度に市が交付した福祉パスは約四万九千五百枚で、事業費は約二十六億八千五百万円。五年前に比べ、事業費が約一・二倍に膨らみ、利用者に負担を求める案が浮上した。

案では利用者が負担する代わりに、軽度の知的障害者約七千二百人も福祉パスを利用できるようにする。

年間の負担額三千二百円は、高齢者が所得に応じた負担で同様に地下鉄やバスなどを利用できる「敬老パス」を参考に、生活保護受給者の負担額と同じにした。

市は九月までに、市内の障害者手帳を持つ約十四万人の中から一万人に意見を聴き、年内の市議会に条例改正案を出し、来年十月から実施したい考え。

精神障害者の家族ら約千人が所属する「市精神障害者家族連合会」の石井紀男理事長は「お金がない障害者に負担させることに賛成できない。医療費の公費補助がほとんどない中、さらに負担が増えてしまう」と訴える。

■2012.5.18  介護福祉施設数:高齢者10万人当たり、全国トップ 「成長産業の可能性」 日銀リポート /秋田
日本銀行秋田支店がまとめた県内の介護福祉ビジネスのリポートによると、高齢者10万人当たりの介護福祉施設数が全国トップであることが分かった。秋田県は高齢化率が29・6%(10年国勢調査結果)と全国で最も高く、介護や医療、福祉分野の需要拡大が見込まれ、県内の成長産業として発展する可能性があると指摘している。

リポートによると、県内はデイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所生活介護)の施設数が00年以降、右肩上がりで増加。特にショートステイは、10万人当たりの施設数を都道府県別で比較すると、51・2カ所と全国平均(24・3カ所)の2倍以上となり、全国で最も多かった。業種別の11年度の建築着工床面積で見ても、医療・福祉が全業種のうち31・3%を占めトップとなっている。同業間での競争も激化しているという。

雇用面でも、製造、建設、卸・小売りなど主要業種の雇用者数が減少または横ばい状態を続ける一方で、医療・福祉分野の雇用者数は05年1月に比べ40%増の4万8228人(12年3月)と増え続けている。

■2012.5.18  大阪の社会福祉法人理事会、22回のうち11回が「全員欠席」 府監査委員が是正求める 社会福祉法人大阪府障害者福祉事業団 
社会福祉法人「大阪府障害者福祉事業団」が、平成20〜22年度に開いた理事会22回のうち、11回で理事が1人も出席しないまま委任状を提出し、事務局原案を議決していたことが18日、府監査委員の指摘で分かった。社会福祉法人の定款準則では、理事会の議決には3分の2以上の理事の出席が必要で、監査委員は出席者が足りなかった議決も含め、いずれも「無効」と指摘、是正を求めた。

監査報告や同事業団によると、20年度4回、21年度3回、22年度4回の理事会で全理事が欠席し、委任状の提出をもって出席とみなしていた。

しかし、いずれも全権を議長に一任する「白紙委任」で、監査委員は、個人の意思表示のない委任では「欠席」にあたると判断した。

事業団の担当者は「年度末を中心に理事が集まりにくく、機械的に『白紙』の委任状提出をお願いしていた。今後、そのような理事会はしない」としている。

■2012.5.22  高齢者虐待 23%減138件 沖縄
2011年度に市町村から報告された高齢者虐待の件数が前年度比41件(23%)減の138件だったことが21日、県高齢者福祉介護課のまとめで分かった。市部の報告数が減少しており、関係者からは、各地での見守り活動が未然防止につながっている、との指摘も挙がる。専門家は「新しい形の『虐待』も問題になりつつあり、地域と行政のさらなる連携強化が必要」と指摘している。(新崎哲史)

11年度は、高齢者虐待防止法が施行された06年度以降、最多だった10年度と比べ市部で36件、郡部で5件減少した。

一方、県内老人ホームの介護職員による虐待事例は3件と前年から2件の増。うち2件は身体拘束の関係で、1件は介護中の乱暴行為だった。

近親者間での虐待種類(複数回答)では、脅しや侮辱、無視などの「心理的虐待」(53・3%)が初めて「身体的虐待」(51・1%)を抜き、最も割合が高くなった。虐待するのが最も多いのは「息子」(56・3%)で、配偶者(17%)、嫁(14・1%)、娘(7・4%)と続いた。

虐待を受けた約8割は女性(105人)。男女含めた全体の67%は介護や支援が必要な人で、そのうち、中度や重度の認知症高齢者が7割を超えている。

同課在宅福祉班によると、虐待防止を担う各市町村の地域包括支援センターから「虐待に至らない『疑い』の段階で情報が寄せられ、早めのフォローで虐待の未然防止ができた」などの報告があるという。

11年度の報告件数が、前年度半分以下の30件となった那覇市は、市内12カ所に「市地域相談センター」を設置。各センターのボランティア協力員が高齢者自宅を定期的に回る「見守り訪問」で虐待の未然防止に役立てている。

同市地域包括支援センターの片山伸二所長は「見えない虐待はまだまだあると思うが、地域活動や問題意識が高まり、態勢は充実してきた。今後も連携を深めたい」と意気込む。

琉球大学医学部の國吉緑教授(老年看護学)は「高齢夫婦によるドメスティックバイオレンスや、食事や治療、介護を拒否するセルフネグレクト(自己放任)など、これまでにない『虐待』の形も問題になりつつある。連携強化とともに、新しい問題に対応する現場の学びや普及も重要だ」と指摘している。

■2012.5.23  障害者雇用率、2.0%に 50人以上の企業に義務づけ
企業に義務づける障害者雇用率(全従業員に対する障害者の割合)を、厚生労働省は来年4月、現在の1.8%から2.0%に引き上げる。引き上げは15年ぶり。同時に、義務づける企業の規模も従業員56人以上から50人以上に広げる。企業の障害者雇用は昨年、過去最多を記録するなど全体として増加傾向にあり、引き上げでさらに促す。

労働政策審議会の分科会で23日了承された。障害者雇用促進法の施行令を6月に改正する。国や地方公共団体、特殊法人は2.3%、都道府県教育委員会は2.2%に、いずれも現在から0.2ポイント引き上げる。

昨年6月時点では、従業員56人以上の約7万5千社のうち、雇用率を達成している企業は45.3%。今回の改正で対象企業は9千社以上増え、現在は達成しているが未達成になる企業も出る。今のままだと達成企業の割合は6ポイント程度下がるため、厚労省は就労支援などを強化する方針だ。

地域での就労支援や職場のバリアフリー化が進み、仕事を求める障害者は急増している。ハローワークを通じた障害者の就職件数は2011年度、前年度比12・2%増の約6万件と過去最高を更新した。求職者数も約14万8千人と11・8%伸びている。

2011年6月1日現在も雇用者数は36万6千人と、8年連続で過去最高を更新。厚労省は「障害者雇用は着実に進展している」とし、法定雇用率を引き上げて企業にさらなる努力を求める。

ただ実際に企業で働いている障害者の割合を示す実雇用率は1・65%で雇用率を下回る。法定雇用率を達成している企業の割合も45・3%と半数以下にとどまっている。今後は、実雇用率が特に低い中小企業の取り組みを促すことが課題だ。

■2012.5.29  大阪の電子カルテ販売会社が破産 メディコール・ジャパン
電子カルテシステム販売の「メディコール・ジャパン」(大阪市、丸山和広代表)と関連会社の「エム・ディー・エー」(同)が、大阪地裁から破産手続きの開始決定を受けていたことが分かった。決定はいずれも16日付。帝国データバンクによると、負債総額は両社合わせて1億9500万円。

帝国データによると、メディコール社は2000年秋の設立。06年ごろから自社開発の電子カルテシステム「ドクターボード」の販売をメーンとし、09年7月期には約1億6700万円の年収を上げた。しかし、大型案件のプログラム修正などに伴い、新規の受注が伸び悩み、その後、資金繰りが悪化していた。

 

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