残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2012年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2012. 6. 1 岐阜・障害のある長男?の遺体
 2012. 6. 2 障害者や高齢者への虐待防止へ 府が支援センター開設 京都
 2012. 6. 4 都内特養の給与、全産業より10万円低く- 東社協調査
 2012. 6. 4 面接記録なしのプラン作成で不正受給505万円、ケアマネと事業所を処分―栃木県
 2012. 6. 5 診療報酬不正請求で指定取り消しへ・茨城- ホスピタル坂東、「転院は困難」と県担当者
 2012. 6. 6 白鬚橋病院は伯鳳会が継続、誠和会は破産- 東京商工リサーチ
 2012. 6. 7 不正請求でグループホーム指定取り消しへ- 長崎・佐世保
 2012. 6. 7 介護用ベッドでの事故、5年で28人が死亡- 厚労省と経産省発表
 2012. 6. 8 不正請求で訪問介護指定取り消し・愛媛
 2012. 6.12 医療事故で患者減、医療法人に破産開始決定- 福岡県
 2012. 6.12 福祉施設の災害被害 携帯メールで確認 香川県
 2012. 6.12 認知症病棟をもつ総合病院が不正請求で指定取り消しに――茨城
 2012. 6.13 計画停電で2641人に対応必要 大阪、医療機器使用者
 2012. 6.13 入居者に対する虐待などで介護付有料老人ホームを一部効力停止処分へ――神戸市
 2012. 6.14 精神障害者の雇用義務化へ 厚労省方針、社会進出促す
 2012. 6.14 宮崎の有料老人ホーム企業が民事再生法申請
 2012. 6.14 幼児で初の脳死判定 臓器提供へ
 2012. 6.14 つえに装飾を施すステッキアーティスト楓友子さん 
 2012. 6.14 トマトへた取り6000ケース 福祉作業所、大型受注を歓迎
 2012. 6.15 介護士資格目的の来日女性、工場勤務で摘発
 2012. 6.15 65歳以上の高齢者、過去最多の2975万人に
 2012. 6.19 低体温症に効果 山本化学工業が新素材
 2012. 6.20 仙台市、団体用福祉バス廃止 来年3月「利用の9割が観光」
 2012. 6.21 福祉施設で植物工場 就労を支援 沖縄
 2012. 6.22 福祉ガイド 障害者が発案 石狩
 2012. 6.22 介護福祉施設:提携医療機関、「災害時にない」52%多摩地域 /東京
 2012. 6.23 介護指定 県が初の取り消しへ 秋田
 2012. 6.24 被災地支援:演奏と義援金一緒に 福岡の知的障害者バンド
 2012. 6.24 計画停電:不安の声 ALS患者団体、九電に支援求める 「命に関わる」 /宮崎
 2012. 6.25 訪問介護の指定取り消しへ、秋田で初- 架空サービスで不正請求
 2012. 6.25 佐世保市のグループホーム、ケアマネ欠員による不正受給で指定取り消し
 2012. 6.25 障害者の日常 ファイルに
 2012. 6.26 昨年4月に情報入手...介護報酬不正受給 秋田
 2012. 6.26 認知症より先に“うつ”を疑え!『老人性うつ 気づかれない心の病』
 2012. 6.27 重度知的障害の20代女性にわいせつ 60代の職員が自殺
 2012. 6.27 障害者雇用 全盲の教師に学ぶ
 2012. 6.27 計画停電:医療や福祉施設、「命に関わる」異論噴出 関電に特例拡大要求 /滋賀
 2012. 6.27 九州電力:計画停電への問い合わせ電話、1万件超す
 2012. 6.27 計画停電:人工呼吸器、相談窓口 県が在宅患者対象に /徳島
 2012. 6.28 食塩摂り過ぎ1位は山梨県――平成22年国民健康・栄養調査報告
 2012. 6.29 高齢者でも飲み切りやすい小容量ジュースを発売――ヤクルト
 2012. 6.29 一時金徴収しない有料ホームが過半数――有料老人ホーム協会調査結果
 2012. 6.29 O157:福祉施設利用の女性から 他の14人も症状 /山口
 2012. 6.30 三原市が31施設を「福祉避難所」に指定 7社福法人と協定 広島
 2012. 6.30 計画停電:19病院が対象 関電「代替電源で」 /奈良
 2012. 6.30 寝たきりの母の首を絞め…息子が殺人未遂容疑
 2012. 6.30 休眠預金、福祉事業者など支援に活用へ


■2012.6.1  岐阜・障害のある長男?の遺体
市担当者 2カ月会えず…父親、訪問を拒否
岐阜市常盤町の住宅で5月30日、暴行容疑で逮捕された男(53)の自宅で障害のある長男(29)とみられる遺体が見つかった事件では、市の福祉担当者が2カ月以上、男に訪問を拒否され、長男と会えなかった。今秋から市町村に虐待が疑われる家庭への立ち入り調査の権限が与えられるが、県内の福祉関係者は「明確な基準がないので事例を重ねないと」と慎重な姿勢だ。

市「虐待想像できず」
この事件は5月30日、父親の長野正人容疑者が男子児童への暴行容疑で逮捕された後、長男を保護するため自宅に入った岐阜中署員らが男性の遺体を見つけた。署や近所の住民によると、長野容疑者と長男は2人暮らし。長男は小さいときに交通事故で身体が不自由となり、食事や入浴の際には介助が必要だったという。
 
市障がい福祉課によると、長男が自宅で訪問入浴サービスを最後に利用したのは3月7日。その後、市の職員が週1回の頻度で計9回訪ねたが、長野容疑者に断られるなどした。そのため、4月23日に同署に相談し、連絡を取り合うことにした。地域の民生委員らにも情報提供を依頼した。
 
同課の林秀行課長は「父親は食事や排泄(はい・せつ)の面倒をみていた。虐待の恐れがあるとは想像できなかった」と話す。ただ、訪問入浴サービスを利用していないので、きちんと生活できているか確認するために訪問は続けた。
 
結局、市は暴行事件が起きるまで長男の安否を確認することができなかった。現在、市町村には家庭への立ち入り調査権はないが、10月に施行される障害者虐待防止法は調査権を認める。県や市町村には通報を受ける窓口の設置も求めている。
 
岐阜市は施行に伴って今年度、264万円を計上。通報を受ける窓口を担当課に置き、8月からは嘱託職員を1人増やして30人態勢にする。
 
新法が施行されていれば、市はもっと実効的な対応が取れたのか。
 
この問いに対し、林課長は「分からない」という。寝たきりの障害者の場合、立ち入る前提となる生活状況の把握が難しいからだ。「介護サービス事業者からの連絡が途絶え、家庭にも拒まれると難しい。訪問入浴サービスをやめたことが、虐待の一つであるネグレクト(養育放棄)といえるわけではない」と言う。
 
近所の住民によると、長野容疑者は1カ月ほど前から自宅周辺をうろつくようになり、以前は、「(息子用の)オムツをくれないか」と頼んでいたが、最近は「タオルで間に合っている」として金銭を無心していたという。

■2012.6.2  障害者や高齢者への虐待防止へ 府が支援センター開設 京都
障害者や高齢者に対する虐待防止のため、府は1日、住民からの通報窓口となっている市町村への支援を行う「府障害者・高齢者権利擁護支援センター」を開設した。市町村からの相談にのるとともに、行政が介入すべきかどうか微妙な判断を迫られるケースでは専門家を派遣。早期対処を通じて虐待被害の拡大を防ぎたい考えだ。

虐待事案への対応に悩む市町村からの電話相談に応じたり、市町村が対応を協議する会議に弁護士や福祉団体の職員を派遣したりする。認知症などで判断能力が不十分な人に代わって財産管理などを行う「成年後見制度」の調整や利用促進も行う。

また、府は虐待を受けた人の一時避難所として設けた高齢者用施設に加え、10月までに障害者を対象とした施設も確保するなど、支援体制の整備を急ぐ。

10月に施行される障害者虐待防止法は、都道府県に障害者の権利擁護を図るセンターを設置するよう定めている。障害者への虐待を発見した人が自治体への通報を義務づけられることから、府は相談件数が増えると想定している。

合わせて、虐待の対象となりやすい高齢者の虐待事案の相談や通報が府内市町村で548件(平成22年度)にのぼっているため、府は独自に同じセンターで扱うことにした。

府が昨年度に高齢者の虐待事案について専門家の派遣を試行した際、市町村側からは「虐待を受けている本人が虐待を認識していない場合、どうしたらよいか」「介護医療を拒否しているが、どこまで介入すべきか」などの相談が寄せられたという。

センターは府庁の障害者支援課内に設置。藪善文・府健康福祉副部長をセンター長に職員5人体制で臨む。高齢者業務は1日に始まったが、障害者業務は10月から開始する。

■2012.6.4  都内特養の給与、全産業より10万円低く- 東社協調査
東京都内の特別養護老人ホーム(特養)で働く介護職員の平均給与額(月額)は約36万円で、都の全産業平均よりも約10万円低いことが、東京都社会福祉協議会(東社協)の調査で分かった。東社協では、介護分野の人材確保が急務となる中、他産業並みの賃金水準に高めることが必要としている。

調査は昨年8月、東社協高齢者施設福祉部会の会員特養393施設を対象に実施。305施設(77.6%)の介護職員1673人分の回答を得た。平均給与額には基本給、諸手当、賞与などの一時金(1か月当たり)が含まれている。

それによると、都内にある特養の職員の平均給与額は36万3663円(平均年齢35.3歳、平均勤続年数6.4年、以下同)で、厚生労働省の「2010年介護従事者処遇状況等調査」で示された特養介護職員の全国平均30万730円(36.6歳、6.2年)を約6万円上回った。
 一方、全産業(100−999人規模の企業)の全国平均37万5792円(41.0歳、11.2年)と比べると約1万円、都の全産業平均46万1417円(40.9歳、10.1年)と比べると約10万円下回っている。

また、施設を開設した年別に平均給与額を見ると、最も高いのが「1964−68年」(39万7246円)、最も低いのが「2009年以降」(27万3042円)で、開設されてからの年数が長い施設ほど給与が高い傾向にあった。このほか、法人全体の従業員数別の平均給与額は、最も高いのが「501人以上」(38万1261円)、最も低いのが「1−100人」(34万2439円)で、法人規模が大きいほど給与が高い傾向を示した。

■2012.6.4  面接記録なしのプラン作成で不正受給505万円、ケアマネと事業所を処分―栃木県
栃木県は、5月25日、JA那須野の開設する居宅介護支援事業所「JAなすのなごやかデイサービスセンター」に対して、6月から9月までの4カ月間、新規利用者の受け入れを禁止する処分を行ったと発表した。

同県保健福祉部によると、2007年12月から2011年9月までの約4年間、同事業所のケアマネジャーが、担当した56名の利用者の居宅サービス計画を作成する際に、利用者の居宅訪問及び面接にかかわる記録を行わなかった。しかし、それにもかかわらず同事業所は居宅サービス計画費用約505万円を減額することなく不正に受給していた。

【処分対象事業者】
■事業者の名称等:那須野農業協同組合
■事業所の名称等:JAなすのなごやかデイサービスセンター
栃木県那須町伊王野1570番地1
■サービスの種類:居宅介護支援

【処分対象介護支援専門員】
■処分対象者:十塚和浩(53歳)
■処分の内容:
1) 介護支援専門員の業務に係る報告を、処分後又は業務再開後6月毎に処分の日から5年間行うこと。
2) 介護保険法及び関連する政令、省令等を遵守すること。
3) 2012年9月22日から行われる「平成24年度介護支援専門員再研修」を受けること。

■2012.6.5  診療報酬不正請求で指定取り消しへ・茨城- ホスピタル坂東、「転院は困難」と県担当者
看護師の人数を偽り、診療報酬を少なくとも約650万円不正に請求していたとして、関東信越厚生局は、茨城県坂東市の「ホスピタル坂東」(田中勝也院長、精神350床、一般70床、医療療養50床)の保険医療機関の指定を8月1日付で取り消す。この地域には、精神科のベッドが埋まっている病院が多く、入院患者の転院は難しいといい、運営主体の医療法人清風会(田中敦子理事長)では、別法人に売却するなど病院を存続させる方向で模索している。

「療養病棟入院基本料1」を算定するには看護職員全体に占める正看護師の比率を20%以上にする必要があるにもかかわらず、同病院ではこの施設基準を満たしていないのに2005年10月から06年4月まで請求。また、「精神病棟入院基本料6」と「看護補助加算」についても、正看護師と看護補助者の人数が足りないまま、04年8月から06年3月まで請求していた。

関東信越厚生局による監査では、89件(患者17人)分で計650万6644円の不正請求を確認している。最終的な金額は精査中という。

県保健福祉部厚生総務課によると、精神科病棟には現在約280人の患者が入院しているが、同課の担当者は「近隣の精神科の9割が待機待ちなので、転院は難しい」としている。また、同病院によると、施設基準の解釈を誤って理解していたことが不正請求の原因で、病院がなくなることを懸念する患者もいるという。担当者は「患者さんに迷惑を掛けたり、地域医療の崩壊につながったりしないように対応したい」と話している。不正請求した診療報酬は返還するという。

ホスピタル坂東は精神科がメーンで、10年4月には、救急患者の入院を受け入れる二次救急医療機関の指定も受けている。

■2012.6.6  白鬚橋病院は伯鳳会が継続、誠和会は破産- 東京商工リサーチ
東京商工リサーチは6日、東京都墨田区で白鬚橋病院(199床)などを経営する医療法人社団誠和会(石原哲理事長)が、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことを明らかにした。決定は5月31日付で、負債総額は約49億5500万円(昨年3月期決算ベース)。同病院の運営は、兵庫県の医療法人伯鳳会が引き継ぐことが決まっているという。

東京商工リサーチによると、誠和会は1956年の設立で、墨田区内で病院や診療所、介護老人保健施設などを経営。同会は昨年12月、職員の人件費や設備投資に伴う借入金の増大で、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、年明けに開始が決定した。その後、伯鳳会が病院の運営を継続することが決まったため、今年4月27日に廃止決定を受けている。

■2012.6.7  不正請求でグループホーム指定取り消しへ- 長崎・佐世保
介護支援専門員の勤務実態がなく、介護報酬を不正に請求したなどとして、長崎県佐世保市は6日、「有限会社カインド」が運営する認知症高齢者グループホーム「ふきのとう」について、介護保険法に基づいて指定を取り消すと発表した。取り消しは7月31日付。

ふきのとうは2ユニット18人が定員で、グループホームの「計画作成担当者」として介護支援専門員の有資格者を1人以上配置する必要がある。しかし、佐世保市によると、昨年5月から12月までの間、介護支援専門員の勤務実態がなかった上、必要な減算も行わずに介護報酬約740万円を不正に請求した。また、昨年7月から12月までの間、本来は算定できない「サービス提供体制強化加算」を算定し、介護報酬約34万円を不正請求した。
 
このほか、介護支援専門員に勤務実態があったとの虚偽報告を行ったり、業務日誌に虚偽の内容を追記したりしたという。

今後は保険者の佐世保市が不正請求額を精査した上で、40%の加算金を含めて返還を求める。返還請求額は1000万円を超える見通し。

■2012.6.7  介護用ベッドでの事故、5年で28人が死亡- 厚労省と経産省発表
厚生労働省と経済産業省はこのほど、介護用ベッドの設備に首を挟むなどの事故によって、最近5年間で28人が死亡し、31人が重傷を負ったことを明らかにした。

介護用ベッドには、利用者の転落を防止するためのサイドレールや、ベッドからの移動を補助するためのグリップが設置される場合が多い。しかし、こうした設備とベッドとの隙間などに首などが挟まってしまい、骨折したり窒息したりする事故も相次いでいる。

両省によると、介護用ベッドでの死亡・重傷事故は、2007年4月から12年5月までの約5年間で59件発生。このうち、ベッドのサイドレールなどに首などが挟まり、骨折するなどして死亡した人は28人、重傷を負った人は31人だった。死亡・重傷事故の約8割は、事故を防ぐための対策が不十分だった結果、発生しており、「対策部品を使うなどしていれば、事故の多くを防ぐことができた可能性もある」(経産省製品事故対策室)という。

こうした状況を受け、両省は都道府県や政令指定都市、中核市に、介護ベッドにおける事故を未然に防止するためのポイントなどをまとめた通知を発出。各自治体に対し、病院や介護施設、福祉用具レンタル業者などへ製品の安全点検の実施などを呼び掛けるよう求めている。

■2012.6.8  不正請求で訪問介護指定取り消し・愛媛
実際には提供していないサービスで介護報酬約336万円を不正請求したとして、愛媛県はこのほど、「有限会社たんぽぽ」(新居浜市)が運営する同名の訪問介護と介護予防訪問介護の両事業所について、介護保険法に基づいて指定を取り消した。

県によると、両事業所は2007年6月から11年8月までの間、経営者や従業員の親族にサービスを提供したと偽り、介護報酬約336万円を不正に請求した。今後は、保険者の新居浜市が、加算金を含めて返還を求めるという。

また県は、同社が運営する居宅介護支援事業所について、管理者兼介護支援専門員が常勤・専従で勤務していなかった上、虚偽の給付管理で、訪問介護事業所の不正請求を手助けしたとして、6か月間の指定効力停止処分を下した。

■2012.6.12  医療事故で患者減、医療法人に破産開始決定- 福岡県
福岡県内で4つの診療所を運営していた医療法人愛育会渡辺産婦人科クリニック(渡邊忠義理事長)は、5月30日付で福岡地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は明らかになっていない。

同法人が運営していたのは、▽渡辺クリニック香椎(福岡市東区)▽渡辺クリニック西新(同市早良区)▽渡辺クリニック姪浜(同市西区)▽渡辺クリニック新宮(同県新宮町)―の各診療所で、2008−09年にいずれも廃止届が出されている。このうち渡辺クリニック香椎は09年2月に廃止され、現在は同じ場所で別法人が診療所を運営している。

東京商工リサーチによると、同法人は、かつては地域でもトップクラスの患者数を誇ったが、4つの診療所のエリアが重なり患者数が伸び悩んだほか、設備投資の返済やスタッフの人件費が収益を圧迫。03年には、医療事故による損害賠償請求訴訟を起こされ、患者数がさらに落ち込んだ。
 
関係者によると、渡邊理事長とは09年ごろから音信不通の状態という。

■2012.6.12  福祉施設の災害被害 携帯メールで確認 香川県
香川県の浜田恵造知事は11日の定例会見で、災害時に携帯メールを活用して社会福祉施設の被害状況を素早く把握するシステムを14日から運用すると発表した。浜田知事は「行政と施設が一体となって災害時に迅速な初動体制を確保したい」と述べた。

災害基準は震度4以上の地震、大雨洪水警報発令で災害が想定される場合。事前に登録した高齢者施設、障害者施設、児童福祉施設の各代表者の携帯電話に県がメールを一斉配信し、負傷者数や建物被害、受け入れ可能避難者数など5つの確認項目を入力して返信すると、被害状況が市町別や施設種別で自動集計される。

NTTドコモが開発した安否確認システムで、都道府県では全国で初めて社会福祉施設向けに活用するという。

システム導入により、県と市町は迅速に被害を把握でき、被災施設での救出、被災していない施設での被災者受け入れなどの対応が行える。県内の社会福祉施設は約1500施設あり、同システムに登録しているのは209施設。県健康福祉総務課は「今年度中にできるだけ多くの施設に登録してもらいたい」としている。

■2012.6.12  認知症病棟をもつ総合病院が不正請求で指定取り消しに――茨城
関東信越厚生局は、5月23日、関東信越地方社会保険医療協議会に「保険医療機関の指定の取り消し」について諮問した結果を受け、茨城県坂東市の医療法人清風会ホスピタル坂東の保健医療機関の指定を取り消すと発表した。

同病院は、勤務実態と異なる虚偽の看護要員の施設基準の届出を行い、入院基本料など650万6644円を不正に請求していた。処分は8月1日付けで、以降5年間健康保険が使用できなくなる。

ホスピタル坂東は1962年に開設し、内科・外科・精神科など16科470床がある総合病院。地域医療で大きな役割を担い、認知症を外来治療するほか、認知症BPSD、認知症身体合併症の入院治療も行う。

同病院は、経営権の譲渡先を探すなど継続を模索しているが、地域の中核病院として認知症患者にとっての影響も懸念される。

【処分対象の保険医療機関】
■名称:ホスピタル坂東
■所在地:茨城県坂東市沓掛411
■開設者 医療法人清風会 理事長 田中 敦子

【指定取り消しの理由】
・2005年10月から2006年3月まで、看護師比率が20%未満であり、施設基準を満たしていないにもかかわらず、療養病棟入院基本料1を請求した。

・2004年8月から2006年3月までの各月において、看護職員配置数不足、看護師比率20%未満、看護補助者数不足により施設基準を満たしていないにもかかわらず、精神病棟入院基本料6および看護補助加算を請求していた。

・入院基本料を満たさない場合算定できない療養病棟療養環境加算、栄養管理実施加算、理学療法I・作業療法Iについて、不正に請求していた。

【監査において確認した不正請求件数および金額】
・件 数 89件(患者17名)
・不正請求額 650万6644円(最終的な不正の件数および金額は精査中)

■2012.6.13  計画停電で2641人に対応必要 大阪、医療機器使用者
大阪府は13日、今夏の電力不足で想定される計画停電の際には、府内の社会福祉施設や在宅で人工呼吸器など電源が必要な医療機器を使用している6437人のうち2641人に緊急対応が必要だとする調査結果を公表した。

府は5月下旬から、社会福祉施設や医療機器メーカーなどを調査した。

これに対し、社会福祉施設では8割超の1959施設が回答し、人工呼吸や酸素吸入、痰吸引などの機器を利用する5826人のうち2624人に対応が必要と回答した。施設側が内蔵バッテリーや酸素ボンベを新たに備え対応していくという。

■2012.6.13  入居者に対する虐待などで介護付有料老人ホームを一部効力停止処分へ――神戸市
神戸市は、6月1日、要介護者・要支援者に対する人格尊重義務違反があったとして、介護付有料老人ホーム「はぴね神戸学園都市」に対し、指定の一部を効力停止処分にすると発表した。これにより、同事業者は、6ヵ月間の新規の受け入れができなくなる。また、6ヵ月間にわたり、介護報酬請求が上限の8割(報酬の20%減額)となる。処分は同日付。

はぴね神戸学園都市では、2012年1月、元職員が入居者に身体的・心理的虐待、介護放棄を行っていたことが発覚。神戸市は、事業者の立ち入り検査、聴聞を行った結果、虐待の事実を認定、今回の処分となった。元職員2名は暴行罪で起訴され、現在公判中。

【事業者の概要】
■事業者名:はぴね神戸学園都市
■所在地:神戸市西区学園西町1丁目1番2号
■運営法人:株式会社ケア・リンク(本社 東京都中央区京橋2丁目17番3号)
■サービス種別:(介護予防)特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)
■施設入居定員:138人(128室)

【処分の理由】
・要介護者に対する人格尊重義務および要支援者に対する人格尊重義務違反

・入居者に対する虐待
2011年1月に8階の入居者が車椅子からずり落ちる様子を撮影、及び入所者の車椅子の前輪を持ち上げた。
2012年1月に3名の職員が入居者に対して身体的・心理的虐待、介護放棄を行っていた。

・高齢者虐待の防止に関する研修の未実施
2009年2月の開設以降2012年2月までの3年間、職員に対して高齢者の虐待に関する研修を実施していない。

・虐待の恐れがある事例の神戸市への報告義務違反
2011年1月の、8階の入居者対する虐待事例を神戸市に報告していなかった。

■2012.6.14  精神障害者の雇用義務化へ 厚労省方針、社会進出促す
厚生労働省は、新たに精神障害者の採用を企業に義務づける方針を固めた。身体障害者に加え、知的障害者の雇用を義務化した1997年以来の対象拡大になる。障害者の社会進出をさらに促す狙いだ。企業に達成が義務づけられている障害者雇用率は、上がることになりそうだ。

専門家による研究会で、近く報告書をまとめる。今秋から労働政策審議会で議論し、来年にも障害者雇用促進法の改正案を通常国会に提出する。企業だけでなく、国や地方公共団体などにも義務づける。

障害者雇用促進法は企業などに、全従業員にしめる障害者の割合を国が定める障害者雇用率以上にするよう義務づけている。障害者の範囲は身体、知的に限られていたが、そううつ病や統合失調症などの精神障害者を加える。

■2012.6.14  宮崎の有料老人ホーム企業が民事再生法申請
宮崎市内で住宅型有料老人ホームなどを運営する「シルバーリゾート青島」が、5月30日に宮崎地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全命令を受けていたことが分かった。負債総額は約4億5000万円。

同社は2005年7月に設立された「スパリゾートクリエイション」が前身。10年6月に宮崎市内に住宅型有料老人ホーム「ブルースカイ青島」を開設するとともに、訪問介護事業所「ヘルパーセンターささえ」や、通所介護事業所「デイサービスセンターえがお」、居宅介護支援事業所「ケアプランセンターいしずえ」を併設。11年5月期決算では売上高約9100万円を計上していた。
 
ただ、その後に定員10人の住宅型有料老人ホームを新築するなど、設備投資がかさみ、金融負債が増加。経営のコンサルティングを手掛ける役員の辞任・解任といった管理上の問題なども発生し、今回の措置となった。

■2012.6.14  幼児で初の脳死判定 臓器提供へ
六歳未満の男児の一回目の脳死判定に、静岡県立こども病院小児集中治療センター長の植田育也医師(45)が立ち会った。米国で小児の脳死や臓器提供を経験し、小児の救命治療の最前線に立つ植田医師に、今回の意義や課題について聞いた。 

今回、初めて六歳未満で脳死による臓器移植されたことは大変意義がある。医療者が真剣に救命治療を尽くした上で、家族に脳死のことを説明し、二十四時間の間隔を置いて慎重に判断。家族は結果に満足できないまでも、少なくとも納得できたからこそ臓器提供を承諾されたと思う。

今後、救命治療から脳死判定、移植手術まですべてのプロセスで検証されるだろう。家族に対しては、選択してよかったと思えるよう、医療者や臓器移植ネットワークなどのフォローが必要だ。

医師は臓器提供をしたくて治療をするのではなく、しっかり救命治療を尽くすのが使命。そうした努力の裏返しが脳死判定だ。

二〇一〇年七月の法改正後、二年で十五歳未満の臓器移植は二例しかないのは、単純に数の問題。脳死に至る重篤な小児患者は年間六十例ほどあるが、救命救急可能な施設への集約は十五例ほど。うち脳死判定を家族に説明できる医師は三分の一程度で、実際に臓器提供を決断する家族は五分の一程度。年間一例になる。

私の勤務する病院では、これまで脳死に至る小児患者が三例ほどいたが、家族に意思を確認すると「できません」「すみません」ということだった。

今後の子どもの脳死移植の課題は、救命治療を充実させ、治療可能な施設に患者を集約する仕組みが大切。その意味で、本年度の診療報酬改定で小児救急医療が充実されたのは画期的。その上で、医療者の救命治療や脳死判定への理解を深め、一般にも子どもの脳死についてしっかり考えてもらいたい。

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富山大学附属病院で治療を受けていた6歳未満の男の子が14日、脳死と判定され、臓器の移植に向けた準備が進められている。
判定の基準がより厳しい6歳未満で脳死と判定されたのは、これが初めて。

日本臓器移植ネットワークによりますと、脳死と判定されたのは、低酸素脳症のため、富山大学附属病院で治療を受けていた6歳未満の男の子で、検査で脳死の疑いがあることが分かった。

家族が臓器移植ネットワークのコーディネーターから説明を受け、脳死段階で心臓、肺、肝臓、すい臓、腎臓などを提供することを承諾した。
これを受けて、病院では脳波を測定したり、自力で呼吸できるかを調べたりする、脳死判定を行った。

幼い子どもの脳は回復力が強いとされているため、判定は6歳以上の4倍に当たる24時間以上の間隔を空け、2回実施される。
その結果、男の子は14日午後2時11分、脳死と判定され、死亡が確認された。
臓器移植ネットワークが関係機関と連絡を取り、脳死からの臓器移植の実施に向けた準備を進めている。
おととし7月に施行された改正臓器移植法に基づいて15歳未満の子どもが脳死と判定されたのは2例目ですが、判定の基準がより厳しい6歳未満では、今回が初めて。

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子どもの脳死判定の手順とこれまでの経緯
脳死判定の対象となるのは、病院が虐待の疑いがないと判断した子どもで、本人が拒否の意思を示した形跡がなく、家族が臓器の提供を承諾した場合です。
脳死かどうかは、脳の活動を示す脳波の記録が平らになっていることや、自分で呼吸をしていないことなど、大人と同じように5つの項目を検査して判定します。
2回行う判定の間隔は、6歳未満の場合24時間以上と、6歳以上の4倍の時間が必要とされています。

これは、幼い子どもの脳は回復力が強いとされているためで、ドイツや韓国などでも、日本と同様に大人よりも厳密な判定基準を設けています。
一方、脳が十分に発達していない生後12週未満の乳児は、判定の対象から除かれています。

15歳未満の子どもの脳死判定や脳死からの臓器の提供は、おととし夏の改正臓器移植法の施行で認められるようになりました。
重い心臓病の子どもが海外で移植手術を受けるケースが相次ぎ、子どもの患者も国内で移植手術を受けられるよう求める声が強まったためでした。
本人に拒否の意思がなければ、15歳未満でも、家族の承諾で脳死の判定や脳死からの臓器提供が行われます。

これまで15歳未満で脳死と判定されたのは、去年4月に関東甲信越地方の病院で治療を受けていた10代前半の男の子1人だけで、この時は、心臓が同じく10代の患者に移植されるなど、5人の患者に臓器が提供されました。
日本臓器移植ネットワークによりますと、これ以降、15歳未満の子どもが法律に基づく脳死判定を受けた例はないということです。

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専門家“ようやく出てきた事例”
救急医療の専門家で、子どもの脳死判定に詳しい日本医科大学の横田裕行教授は「子どもの脳死判定は、虐待がなかったかの判断に加え、家族への説明の難しさ、判定の技術的な難しさという3つのハードルがある。法改正から2年近くがたったが、子どもの脳死例はあったとしても、実際の提供には至らなかった。今回は、こうした状況の中でようやく出てきた事例であり、これから次々に出てくるかというとそういうことではないと思う」と話しています。

一方、生命倫理学が専門で、臓器移植に慎重な立場の東京海洋大学の小松美彦教授は「子どもは、脳死判定されても、心臓が長期にわたって動き続ける例もみられ、こうしたことが親にきちんと説明されたかや、病院でありとあらゆる治療が尽されたのかを確認する必要がある。脳死判定や臓器提供には、本人が認めていてもさまざまな課題がある。ご両親にとっては重い判断だったと思うが、さまざまな側面から慎重に慎重を期した検証が必要になってくると思う」と話しています。


日本臓器移植ネットワークは14日、富山大病院に入院していた6歳未満の男児が脳死と判定され、家族の同意で臓器が提供されることになったと発表した。男児の両親が日本臓器移植ネットワークを通じて発表したコメント(原文のまま)。

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 息子は、私たち家族が精いっぱい愛情を注いで育ててきました。

 元気な息子のわんぱくにふり回されながらも、楽しい時間を家族みんなで過ごしてきました。

 本日、息子は私たちのもとから遠くへ飛び立って行きました。

 このことは私たちにとって大変悲しいことではありますが、大きな希望を残してくれました。

 息子が誰かのからだの一部となって、長く生きてくれるのではないかと。

 そして、このようなことを成しとげる息子を誇りに思っています。

 私たちのとった行動が皆様に正しく理解され、息子のことを長く記憶にとどめていただけるなら幸いです。

 そして、どうか皆様、私たち家族が普段通りの生活を送れるよう、そっと見守っていただきたくお願い申し上げます。

■2012.6.14  つえに装飾を施すステッキアーティスト楓友子さん 
デニム柄にハート模様、白と金のストライプにキラキラのクリスタル。昨年11月、独自ブランド「Knock on the DOOR(ノック・オン・ザ・ドア)」として装飾を施したつえのインターネット販売を始めた。障害者や高齢者から「おしゃれしての外出が楽しくなった」と好評を得ている。

大学4年の時、車の助手席に乗っていて衝突事故に遭った。腰椎骨折と大腸破裂の3か月の重傷を負い、右足が不自由に。つえが手放せなくなった。服やバッグでおしゃれをしても、友人から「そんなつえしかないんだ」と同情され、悲しくなった。

飾りを付けてみると「周囲の反応が『かわいそう』から『かわいい』に変わった」。女性起業塾の講師にアイデアを話すと「面白い」と背中を押された。

事故前は自分を好きになれず、前向きになれなかったが、事故後は「生きているだけでハッピー」と思うようになった。外を歩ける楽しさを感じてほしいと、埼玉県川口市の自宅で、これまで40本作り17本売れた。「母親に贈りたい」との特注依頼もあった。「足が不自由で塞いだ人の心を、かわいいつえでノックし、元気にしたい」

■2012.6.14  トマトへた取り6000ケース 福祉作業所、大型受注を歓迎
鉾田市内の障害者が通う福祉作業所に、大きな仕事が舞い込んだ。仕事の依頼主は市内のJAかしまなだの農産物直売所「ファーマーズマーケットなだろう」で、特産のミニトマト「あまエル」のへた(がく)を取る作業。今月から来月にかけて、6千ケース(1ケース3キロ)の作業をこなせば、90万円の工賃が入る。

この福祉作業所は、市社会福祉協議会が運営する障害者の地域活動支援センター「のぞみ」(同市当間)で、知的・身体障害者14人が通所している。

11日には、なだろうから第1陣の250ケースが作業場に到着。通所者は、なだろうの職員からへたの取り方や割れもの、傷ものは取り除くことなど手順の説明を受けた後、指導員に教わりながら作業に取り組んだ。

第2陣以降の仕事も3、4日ごとに切れ目なく入る予定だ。

作業所の職員は「不況の中で願ってもない仕事です。作業をきちんとこなせば、7月と8月には通所者に平均で月3万円ほどの配分金(給料)を払えます」と、思わぬ“大型受注”を歓迎している。

仕事を依頼した、なだろうの責任者でJAかしまなだ特販課長の菊池隆さんによると、あまエルのへた取りは加工用の下処理工程で、これまでは直売所職員が仕事の合い間にこなしてきた。

しかし、あまエルを原料にした高級トマトジュースやドレッシングの人気が高まったことで生産・販売量が増えたため、職員では作業をこなしきれなくなった。

菊池さんは「10月に収穫する秋もののあまエルのへた取り作業も、のぞみにお願いしたい」と話している。

■2012.6.15  介護士資格目的の来日女性、工場勤務で摘発
名古屋入国管理局は14日、経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアから受け入れた介護福祉士候補者の30歳代の女が工場で働いていたとして、入管難民法違反(資格外活動)容疑で摘発したと発表した。

介護福祉士候補者として来日した外国人を同容疑で摘発したのは全国初という。

同入管などによると、女は2010年8月に介護福祉士の資格を得るために来日したにもかかわらず、愛知県内の自動車部品製造工場で勤務していた疑い。女は沖縄県で実習を受けていたが、調べに対し「知人に工場を紹介されて働いていた」と話しているという。

同入管は今月7日、愛知県警と合同で工場を立ち入り調査し、この女を含むインドネシア人やベトナム人の男女計6人を同法違反(不法残留など)容疑で摘発、全員を入管に収容し、強制退去の手続きを進めている。

■2012.6.15  65歳以上の高齢者、過去最多の2975万人に
政府は15日午前の閣議で、2012年版「高齢社会白書」を決定した。65歳以上の高齢者数は11年10月1日現在、過去最多の2975万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も過去最高の23・3%に上った。

高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上になる15年に3395万人となり、42年には3878万人でピークを迎えると推計している。

一人暮らしの高齢者は10年現在で479万人となり、高齢者人口に占める割合は男性11・1%、女性20・3%に上った。

高齢者の就労については、60歳以上の約7割が「65歳以降も働きたい」と希望しているのに対し、65〜69歳の就業率は約3人に1人にとどまっている。

09年の高齢者の生活保護受給者数は、約69万人に達した。また、12年1月時点でのホームレスに占める高齢者の割合は、03年の調査開始以来で最も高い29・5%となった。

■2012.6.19  低体温症に効果 山本化学工業が新素材
複合素材メーカーの山本化学工業(大阪市)は18日、低体温症の解消などに効果を発揮する独立気泡構造赤外線素材「バイオラバーMAXIMA」を開発したと発表した。

大阪大名誉教授の大山良徳医学博士の監修。素材内に直径1ミリにつき30個以上の蜂の巣状のハニカム構造を持ち、そこに貴金属鉱物を配合することで、赤外線を効率よく吸収。湯で50〜60度に温めた温熱パックと重ねて使用し、従来の電気式赤外線放射機器と同等の赤外線を放射するという。

分光放射率は64%で、厚労省の医療機器規格(60%以上)を上回る。同社は、医療機器品質保証の国際標準規格ISO13485取得の手続きを進めており、同商品素材を使用した医療機器製品の世界市場での展開を目指している。

■2012.6.20  仙台市、団体用福祉バス廃止 来年3月「利用の9割が観光」
仙台市議会6月定例会は19日、一般質問を続けた。市は福祉団体が研修の際などに無料で利用できる「ふれあい福祉バス」について、本来の目的にそぐわない利用が多いことなどから、来年3月に廃止することを明らかにした。
 
福祉バスは市が1977年、市社会福祉協議会に委託して運用を開始。年間300件以上の利用のうち、最近は9割が観光目的となっていた。市の補助金は年間約500万円に上っており、行政改革の一環として見直しを進めていた。
 
目的外の利用について市の指導責任を問われた奥山恵美子市長は「市側が利用者に問題提起する必要もあった」と釈明。「今後も違う形で福祉団体の活動を支援したい」と廃止に理解を求めた。

■2012.6.21  福祉施設で植物工場 就労を支援 沖縄
名護市大東で障がい者の就労を支援する福祉事業所「ソーシャルサポート・エスペレ」(濱畑直哉代表)が就労継続支援A型事業所として植物工場を整備し、5月から運営を始めた。20日、同工場の見学会が開かれ、市職員や福祉関係者ら約30人が植物工場の仕組みなどを確認した。

県と国の補助を受けて整備した同工場は空調管理された室内で、蛍光灯の光と栄養を混ぜた水を使いレタスやグリーンリーフを育てる。無菌・無農薬の野菜を安定供給することが可能。

障がいのある訓練生2人と支援員2人で、種植えから収穫、配達を実施。毎日400株の種を植え、種植えから35日後に収穫する。1株約80グラムの野菜400株を毎日出荷できるという。

野菜は同事業所に併設するカフェで提供されるほか、県内のホテルやスーパーなどへの出荷も調整中。

濱畑さんは「収穫・販売まで携われ、障がい者の高いモチベーションにつながる。沖縄の葉野菜も栽培でき、工場が増えれば、雇用も増え、地域活性化になる」と話し、同工場への見学などを呼び掛けた。

■2012.6.22  福祉ガイド 障害者が発案 石狩
【石狩】障害者が発案し、編集にも携わった市内の福祉ガイドブック「いしかりさあち」が完成した。各福祉施設のサービス内容を図で示すなど、障害者の目線に立って使いやすさを追求した冊子に仕上がった。作成作業に加わった障害者たちは「多くの障害者に利用してほしい」と話している。

「いしかりさあち」は市の発行で、A5判、80ページ。障害者自立支援法で規定された、障害者向け公的福祉サービスが受けられる市内の福祉施設計31カ所の概要や連絡先などを紹介している。職業訓練や、余暇を楽しめるデイサービス、寝食の伴うグループホームなど、各施設が提供する主なサービス内容を、記号で分かりやすく伝えている。すべてふりがなをつけた。31施設が一覧できる地図もある。

発案したのは市内の障害者でつくる親睦団体「大地の会」。より多くの障害者に、市内の各施設のサービス内容が伝わるようなガイドが必要という声が同会メンバーからあがった。これを受け、福祉関係機関でつくる市地域自立支援協議会が、大地の会などの意見を取り入れながら制作した。

大地の会のメンバーは21日、市役所を訪れ「いしかりさあち」の完成を田岡克介市長に報告。同会の大矢和子副会長は「とても便利なガイドができた。今までは、自宅近くの施設でも、どんなサービスを提供しているのか分からないということもあったけど、今後は行動範囲も広がる」と話す。

「いしかりさあち」は市内の主要福祉施設や、りんくる(花川北)などで無料配布している。

■2012.6.22  介護福祉施設:提携医療機関、「災害時にない」52%多摩地域 /東京
介護福祉施設の半分以上で、災害時に入所者が負傷した場合に診療を依頼できる医療機関がないことが、国立病院機構災害医療センター(立川市)による多摩地域の施設を対象にしたアンケートでわかった。

東日本大震災では、入所者が長時間の移動による疲労や避難先で十分な介護が受けられず亡くなるケースがあっった。

DMAT(災害時派遣医療チーム)のメンバーとして宮城県で被災者支援にあたった同センターの小笠原智子医師は「一部地域の結果だが、全国でも同じような状況ではないか。行政が全国的に災害対応の状況を調べ、対策を講じる必要がある」と警鐘を鳴らす。

■2012.6.23  介護指定 県が初の取り消しへ 秋田
虚偽の訪問介護サービスの記録を作り、介護報酬を不正に受給していたとして、県が今月8日、大仙市高梨の訪問介護事業所「いきいきケアセンター」に対し、介護保険法に基づき、7月10日付で訪問介護事業所の指定を取り消すと通知していたことが22日、わかった。介護事業所の指定取り消しは、2000年の介護保険制度の開始以来、県内で初めて。

県によると、県が「不正がある」との情報を基に、1月にセンターのタイムカードや介護記録を調べたところ、介護員が勤務時間外に訪問介護をしたり、1人の介護員が同じ時間に複数の人を訪問看護したりしていた。介護の内容や相手を記す「訪問介護計画書」も作っていなかった。

同センターを運営する「サイトー商会」(大仙市戸地谷)の斎藤一社長は、県に「ミスだった」としたが、職員が不正を認めるなどした。県が3月まで監査を行い、故意の不正受給と判断した。

同センターは、同社が運営する有料老人ホーム「水里」内にあり、介護員26人(今年1月時点)の訪問介護サービスは、ほとんど同ホームの入所者27人(同)が対象だった。

介護報酬を支払った大曲仙北広域市町村圏組合(管理者・栗林次美大仙市長)は、過去2年の過剰給付金額を調査し、同社に返還請求する方針という。

県健康福祉部の小野昌樹次長は、不正の件数や受給額について、「現時点で出す必要性を感じない」として明らかにしなかった。

■2012.6.24  被災地支援:演奏と義援金一緒に 福岡の知的障害者バンド
福岡県筑紫野市を拠点に活動する知的障害のある若者7人の音楽バンド「ピュアハート」が25日、東日本大震災に伴う津波で建物を失った岩手・宮城の知的障害者施設など5カ所を訪ねる支援コンサートツアーに出発する。これまで福岡・熊本県内のライブで義援金を募り、23日もツアー直前ライブを福岡市内で開催。義援金は計112万円になった。演奏と一緒に被災地に届けようと張り切っている。

障害者のための音楽サークル「音楽ランド」を主宰する音楽講師、国友美枝子さん(54)=筑紫野市=のもとで04年に結成された。メンバーは13〜23歳で、それぞれシンセサイザーやマリンバ、ドラムなどを担当。楽譜は読めなくても体で覚え、ポップスや童謡など20曲以上のレパートリーを携え、毎年50回前後のコンサートをこなしている。

■2012.6.24  計画停電:不安の声 ALS患者団体、九電に支援求める 「命に関わる」 /宮崎
筋力が低下する難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者と家族でつくる「日本ALS協会県支部」は23日、宮崎市で交流会を開き、九州電力などが発表した夏の計画停電をテーマに意見交換した。人工呼吸器が必要な患者もおり、「命に関わる問題」として、行政や九電に外部電源貸し出しなどの支援を求める意見も出た。【百武信幸】

支部によると、県内で人工呼吸器が必要な在宅患者は24人。厚生労働省は今年度から、約20万〜30万円かかる人工呼吸器用の外部電源購入の保険適用(患者負担3割)を決めたが、広がっていない。

定期総会に続いて開いた交流会は約20人が参加した。夫が10年前に発症した宮崎市の50代女性が「入院先の病院には自家発電機があるが、自宅介護する人は非常に困っており、うちも自宅に戻ることになれば対応できない。たんの吸引や体温調整なども電気がないとどうしようもない」と不安を口にした。

自身もALS患者の平山真喜男支部長も「援助者を確保するには、前日や2時間前の停電予告ではどうしようもない」と話した。

■2012.6.25  訪問介護の指定取り消しへ、秋田で初- 架空サービスで不正請求
実際には提供していないサービスで介護報酬を不正に請求したとして、秋田県はこのほど、「サイトー商会」(大仙市)が運営する訪問介護と介護予防訪問介護の事業所「いきいきケアセンター」(同)について、介護保険法に基づいて指定を取り消すことを決めた。取り消しは7月10日付。秋田県が介護保険サービス事業所の指定を取り消すのは初めて。

県によると、同事業所は昨年10月から12月までの間、ホームヘルパーが勤務していない時間帯に訪問介護サービスを提供したり、1人のヘルパーが同時に複数の利用者に対してサービスを提供したりした虚偽の記録を作成し、介護報酬を不正に請求。また、サービス提供責任者が訪問介護計画書を作成していない運営基準違反も見られた。

今後は、大仙市を含む大曲仙北広域市町村圏組合など2保険者が、加算金を含む金額の返還を求める見通し。

■2012.6.25  佐世保市のグループホーム、ケアマネ欠員による不正受給で指定取り消し
佐世保市は、6月6日、同市白木町の介護サービス事業所「グループホーム ふきのとう」に対して、不正請求があったとして7月31日付で指定を取り消すと発表した。

同長寿社会課によると、同事業所は昨年5月から約8カ月間、介護支援専門員の勤務実態がなかったにもかかわらず、不正な介護報酬を受給した上、介護支援専門員が勤務していたかのように虚偽の業務日誌を作成していた。しかも、日誌の追記については法令遵守責任者と管理者が従業員に指示するという組織的な隠蔽工作が認められた。

同課は、入居者18名が取消し年月日までに他の事業所に引き継がれ、必要なサービスが確保できるように指導していく。不正受給額はまだ調査中だが、現段階では1 千万円に上る見込み。

【事業所概要】
■開設者名:有限会社 カインド 
■法人所在地:長崎県佐世保市白木町22
■処分事業所名:グループ ふきのとう
■処分事業所所在地:同上
■サービス種別:
指定認知症対応型共同生活介護
指定介護予防認知症対応型共同生活介護
■指定年月日:2004年9月1日
■定員18名
■取消年月日:2012年7月31日(3ヶ月間)

■処分の理由:
1) 人員基準違反
2011年5月から8ヵ月間、基準人員を配していなかった。
2) 不正請求
人員基準欠如により、介護給付費を減額請求しなければならないところ、減額せずに介護給付費を請求し、受給していた。
3) 虚偽の書類作成及び虚偽の報告書
実地指導後、日誌などに追記を行った事実が認められ虚偽の書類作成に当たる。また、監査の後、介護支援専門員の勤務について、勤務実態がないにもかかわらず、勤務していたと虚偽の発言があった。さらに、日誌の追記については法令遵守責任者と管理者が従業員に指示しており、組織的な隠蔽工作が認められた。

■2012.6.25  障害者の日常 ファイルに
県手をつなぐ育成会(奈良県橿原市)は、知的、発達障害がある人の健康状態や日常生活などを記録するファイル「ならHeart&Heart」(A4判)を作成した。

親が亡くなっても施設入所や災害時の避難など支援が必要な場面で困らないようにするのが目的。同会は「地域との懸け橋として活用してもらえれば」としている。

「障害者と家族や地域、支援者の心をつなぐ」との思いを込めて名付けた。記入欄は30ページで、名前や生年月日、緊急連絡先、持病や薬、食事、本人が利用する福祉制度のほか、学校や施設、会社の経歴や1日の過ごし方、親の願いなど項目は多岐にわたる。ページの追加もできる。

同会は障害がある人の親ら約1000人で構成。高齢の親も増え、将来の支援が課題になっていた。昨年の東日本大震災を踏まえ、昨年6月から「親なき後」検証委員会のメンバー13人が月1〜4回集まって検討。先行事例を参考にし、パニックになる原因や対処方法をはじめ、親が困った場面も考慮に入れ、記入する項目をまとめた。

中山幸子委員長らは「周りの支援が必要だが、千差万別で親にしか分からないこともある。母子手帳に続くものとして成長記録を書きとめることで、命をつなぐファイルにしたい」と言い、川本肇理事長は「色んな場面で『ならHeart&Heart』が頼りになるよう普及してほしい」と期待している。

会員には無料で配布。希望者には実費で販売する。問い合わせは同会(0744・29・0150)。

■2012.6.26  昨年4月に情報入手...介護報酬不正受給 秋田
大仙市高梨の訪問介護事業所「いきいきケアセンター」が介護報酬を不正受給したとして、県が事業所指定を取り消した問題で、県健康福祉部が昨年4月、不正に関する情報提供を受けていたが、今年1月末まで調査していなかったことが25日、わかった。不正受給は監査対象の昨年10〜12月だけで74件にわたり計約25万円あった。県が県議会福祉環境委員会で報告した。

県によると、昨年4月下旬、「(同センターが)偽装した書類に基づいて介護報酬を得ている」という匿名の情報提供があったが、同部は1月31日まで調査していなかった。同部は取材に「様々な情報を収集してから判断する必要があり、人出も足りなかった」としている。

同部長寿社会課によると、同センターは昨年10〜12月、介護員が業務を行っていないのに、行ったと装うなどして不正受給を繰り返した。県は今月8日、介護保険法に基づき、7月10日付で訪問介護事業所と介護予防訪問介護事業所の指定を取り消す通知をした。

県健康福祉部の小野昌樹次長は今月22日、取材に対し、不正の件数や金額について「具体的な数を出す必要性を感じない」と明らかにしなかったが、同委終了後、同課の工藤勉課長は「議会への説明前に公表できなかった」と矛盾する内容の説明をした。

■2012.6.26  認知症より先に“うつ”を疑え!『老人性うつ 気づかれない心の病』
和田秀樹著『老人性うつ 気づかれない心の病』が、PHP新書より刊行された。

うつ病と躁うつ病で治療を受ける患者は約100万人いるが、その4割が60代以上。さらに100万人もの高齢者がうつ病なのに見過ごされている状態という。日本の高齢者の5%はうつ病であり、高齢者の様子に「おかしいな?」が感じたら、ボケよりも先に老人性うつを疑うべき、というのが本書のテーマ。

著者は、老年精神医学の専門家として、認知症と誤解されがちな「老人性うつ」の実態から早期発見、治療までを解説する。「高齢者が入院すると、2割がうつになる現実」「記憶力の低下――アルツハイマーなのか? 高齢者のうつ病なのか?」「認知症の人のほうがうつになりやすい?――別々に考えるのはNG」など、興味深いトピックスも盛り込んでいる。コンパクトな新書版で、老人性うつを理解するためのかっこうの手引書と言えそうだ。

■2012.6.27  重度知的障害の20代女性にわいせつ 60代の職員が自殺
社会福祉法人白根学園(横浜市)は27日、運営する障害者支援施設で、非常勤の男性職員(65)が、20代の重度の知的障害がある入所者女性にわいせつ行為をし、その後自殺したと発表した。

学園によると、6月19日深夜、男性職員の仮眠室で、男性職員と女性が裸で立っているのを別の職員が発見。20日に施設長が聴取したところ、男性職員は「女性の部屋に入ってキスした後、仮眠室に誘った。以前もキスをした。申し訳ない」と話したため、自宅謹慎とした。

21日、横浜市内の公園で男性職員が首をつって死んでいるのが見つかった。神奈川県警が自殺とみて調べている。

■2012.6.27  障害者雇用 全盲の教師に学ぶ
障害者を雇用する際の参考にしようと、企業の人事担当者が、埼玉県長瀞町で視力を失いながら教壇に立つ中学校の教師の授業を参観した。

埼玉県長瀞町の長瀞中学校の国語教師、新井淑則さんは、17年前、34歳のときに網膜剥離で視力を失い4年間休職したが、その後、教壇に復帰した。

障害者を雇用する際の参考にしようと、27日に都内に本社がある鉄道や銀行など企業の人事担当者、合わせて11人が新井さんの授業を参観した。
企業の担当者らは、新井さんが文字が曲がらないよう黒板に磁石で棒を貼りつけてそれに沿って文字を書く様子や、パートナー役の教師と連携し役割分担して2人体制で授業に臨む様子を見学した。

このあとの意見交換で、障害者と一緒に仕事をするうえでどのような支援が必要かと問われると、新井さんは「私が困っていると生徒は気軽に手を差し伸べてくれます。周囲の人たちが積極的にコミュニケーションを図ることが重要です」と答えていた。
参加した鉄道会社の人事担当者は、「コミュニケーションの重要性を改めて認識した。学んだことを会社の研修会などで伝え、生かしていきたい」と話していた。

■2012.6.27  計画停電:医療や福祉施設、「命に関わる」異論噴出 関電に特例拡大要求 /滋賀
医療、福祉関係者を対象にした計画停電の説明会が26日、県庁であり、約200人が参加した。関西電力が計画停電の手順を説明して理解を求めたが、停電対象から除外される特例措置から外れた施設からは「命に関わる問題」などと、特例措置の拡大を求める声が相次いだ。

関電滋賀支店の担当者が計画停電を実施する場合、時間帯や順番によって対象に入った停電エリアは原則1日2時間程度の停電を要請すると説明。併せて救急医療機関などは特例で計画停電の対象から外すとした。

県内では25日、厚生労働省が停電から除外する36施設を公表したが、これに対し、会場から「患者の家族から心配の声が上がっている」「社会福祉施設や介護施設も特例に入れてほしい」などの要望が上がり、人工透析を行う施設は「うちが(特例の)リストに入らなかった理由を教えてほしい」と選別の根拠をただした。

関電側は特例措置について「あくまで厚労省の基準。これ以上認めるとセーフティーネットの意味が崩れる」と説明。大飯原発の再稼働に言及し「節電の実行力を上げることで計画停電は回避できると確信している」という見通しも提示した。

■2012.6.27  九州電力:計画停電への問い合わせ電話、1万件超す
九州電力は26日、電力需給逼迫(ひっぱく)時に限って実施する計画停電についての電話問い合わせが、詳細を発表した22日夕から26日早朝までに1万719件に上ったことを明らかにした。

九電は管内を細分化した60地区を6グループに振り分けて停電の対象となる日時を決めた。問い合わせ総数のうち最も多い5381件が、顧客の自宅などがいつ停電の対象になるかを問い合わせる内容だった。

次いで多かったのが、計画停電の内容や実施方法に関する2367件。九電は翌日の電力需要が供給力を上回ると予想されれば、前日午後6時までに報道機関などを通じて対象となるグループや時間帯を公表する。これについて「前日午後6時の公表は遅い。もっと早くしてほしい」などの要望があった。さらに「計画停電は本当に実施するのか」など実施時期の問い合わせも1593件あった。

また「人工呼吸器を使っているので停電は困る」「全医療機関を停電の対象外にしてほしい」など停電対象からの除外を求める声のほか、「パソコンが使えず、情報が入らない」「顧客へのダイレクトメールはいつ届くか」などの問い合わせもあった。

■2012.6.27  計画停電:人工呼吸器、相談窓口 県が在宅患者対象に /徳島
四国電力が電力不足時に予定する計画停電に備え、県は在宅で人工呼吸器を使う療養患者らを対象にした相談窓口(088・621・2189)を27日に設置する。停電の対象外となる近くの施設を紹介したり、バッテリーなど事前に確認が必要な事項などについてアドバイスする。

9月7日までの平日午前8時半〜午後6時15分に開設。計画停電の実施が決まった場合は、土日祝を含め24時間対応する。

県によると、県内の人工呼吸器を使用する在宅患者は189人(6月1日現在)で、2時間程度の停電なら内蔵バッテリーで対応できるという。一方、人工呼吸器がある病院などについては、県内54施設中52施設が自家発電装置を備え、残りの2施設も業者との間で対応を確認済みという。

■2012.6.28  食塩摂り過ぎ1位は山梨県――平成22年国民健康・栄養調査報告
厚生労働省が6月15 日に発表した「平成22年 国民健康・栄養調査報告」より、第5〜6部を紹介する。

第5部「所得と生活習慣病に関する状況」では、世帯の所得を3区分(200万円未満、200万円以上〜600万円未満、600万円以上)に分け、年齢、世帯員数を調整したうえで、世帯の所得が600万円以上の世帯員を基準として、200万円未満、200万円以上〜600万円未満の世帯員の生活習慣等(体型、食生活、運動、たばこ、飲酒、睡眠)の状況を比較した。

結果は以下のとおり。
1.肥満者の割合は、男性では差がみられず、女性では200万円未満と200〜600万円未満の世帯で高かった。
2.習慣的な朝食欠食者の割合は、男性では200万円未満と200〜600万円未満の世帯で高く、女性では200万円未満の世帯で高かった。
3.野菜摂取量は、男女とも200万円未満と200〜600万円未満の世帯で少なかった。
4.運動習慣のない人の割合は、男性では200万円未満の世帯で高く、女性では200万円未満と200〜600万円未満の世帯で高かった。
5.現在習慣的に喫煙している人の割合は、男女とも、200万円未満と200〜600万円未満の世帯で高かった。
6.飲酒習慣者の割合は、男性では200万円未満の世帯で低く、女性では差がみられなかった。
7.睡眠の質が悪い人の割合は、男性では差がみられず、女性では200〜600万円未満の世帯で高かった。

第6部では、都道府県別の肥満及び主な生活習慣の状況」では、参考資料として都道府県別の肥満者の割合、野菜摂取量、食塩摂取量、歩数、喫煙者、飲酒習慣者のデータも紹介されている。
その中から、野菜摂取量と食塩摂取量を紹介する。

【野菜摂取量】
20歳以上の成人の野菜摂取量が最も多いのは、男女ともに長野県で、男性379g/日、女性353g/日だった。高原野菜の一大生産地として知られる県だけに、昔から海のない県ならではのさまざまな工夫で、野菜中心の食生活が根付いていると思われる。国が推進する「健康日本21」での野菜摂取量目標値は1日当たり350gのため、長野県はこれをクリアしていることになる。

一方、野菜摂取量が少なかったのは、男性では徳島県の245g/日、女性は香川県で229g/日で、1位の長野県に比べると男女ともに100g以上少ない。また、摂取量が少ない県(40位以下)は、男性の43位・北海道を除いてなぜか西日本に集中しており、気候もよく野菜の生産地も多い地域だけに、摂取量に結びついていないのが意外に思われる。全国平均は、男性301g/日、女性285g/日。

【食塩摂取量】
食塩摂取の多い県の1位は山梨県で、男性13.3g/日、女性11.2g/日だった。一方、食塩摂取の少ない県は、男女ともに沖縄県(男性9.5g/日、女性8.1g/日)だった。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」で、ナトリウム(食塩相当量)の摂取量の目標値は男性9g未満、女性7.5g未満のため、もっとも少ない沖縄県でも目標基準に達していないことが明らかとなった。不名誉な1位となった山梨県では、目標値に対して男性は4.3g/日、女性も3.7g/日も過剰摂取していることになる。なお、全国平均は、男性11.8g/日、女性10.1g/日。

◎平成22年国民健康・栄養調査報告
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h22-houkoku.html

■2012.6.29  高齢者でも飲み切りやすい小容量ジュースを発売――ヤクルト
株式会社ヤクルト本社は、7月30日より「みかん・オレンジミックスジュース」(125ml)を新発売する。

同社の100%ジュースのシリーズは、1974年に「オレンジジュース」(2000年に 「みかん・オレンジミックスジュース」に変更)を発売して以来のロングセラー商品。新発売する「みかん・オレンジミックスジュース」(125ml)は、100%ジュース「みかん・オレンジミックスジュース」(200ml)の小容量シリーズ品。子どもや高齢者でも飲み切りやすいサイズなので、おやつとして、手軽な水分補給・ビタミン補給としてもおすすめだ。

■2012.6.29  一時金徴収しない有料ホームが過半数――有料老人ホーム協会調査結果
社団法人全国有料老人ホーム協会は、「平成23 年度有料老人ホームに関する実態調査及び多様化する有料老人ホームの契約等に関する調査研究報告書(厚生労働省老人保健事業推進費等補助金)」をまとめ、6月に発表した。

同調査は平成23 年11 月25 日〜12 月28 日に、全国の有料老人ホーム5,181件を対象に実施し、有効回答数1,395票を得た。報告書は、「有料老人ホームに関する実態調査」「多様化する有料老人ホームの契約等に関する調査」の2編より成り、結果からは需要が高まっている有料老人ホームの現状が明らかとなっている。

以下、概要。

調査時点(平成23 年7 月1 日現在)の有料老人ホーム件数は、6,115 件。類型別にみると、特定施設入居者生活介護の指定を受けない住宅型有料老人ホーム(以下「住宅型ホーム」)が、ホーム数の半数以上を占めている。

一方、定員数でみると、同時点の定員数総数265,732 人のうち、67%を介護付有料老人ホーム(以下「介護付ホーム」)が占めている。これは、介護付ホームでは50 人規模前後のホームが中心となっているのに対し、住宅型ホームでは19 人以下のホームが半数以上を占めるなど、小規模のホームが多くなっていることによるもの。

居室状況及び最低個室面積では、重要事項説明書に記載された居室状況及び個室面積の下限値をみると、介護付ホームでは半数以上が18 平方メートル以上となっているのに対し、住宅型ホームでは18 平方メートル以上のホームは2 割にとどまり、47%が13 平方メートル未満と、介護付ホームと住宅型ホームでは、最低個室面積分布は大きく異なる。

居室面積と入居時要件、入居者特性をみると、介護付ホーム「25 平方メートル以上」では、入居時に身のまわりのことが自分でできる方を対象とするホーム(自立者向けタイプ)が多く、住宅型ホーム「13 平方メートル未満」「相部屋のみ」では、入居時から日常的に介護を必要とする方を対象とするホーム(要介護者向けタイプ)が多い。

居住の権利形態については、回答ホームの居住の権利形態は「利用権方式」が71%と最も多く、次いで「建物賃貸借方式」が25%、「終身建物賃貸借方式」が2%。“相続権の有無”についてみると、権利形態の違いにかかわらず、ほとんどのホームで相続権がない状況となっている。建物賃貸借方式のほとんどのホームで賃借権が認めている相続権を認めておらず、指導指針で定めている居住の権利形態別の契約特性に準拠していない契約書も多く存在していることがわかる。

入居契約規程にみる契約の解除・終了の条件(規程面)では、入居契約規程にみる契約の解除・終了の条件で最も多かったものは、「行動が通常のホームサービスでは防止できない場合」と「利用料の頻回の延滞や滞納があった場合」でともに90%となっている。また、「長期入院により居室を空ける場合」、「長期にわたり居室を空けた場合」も1/3 以上のホームが解除条件としている。

気になる家賃相当額の徴収方法は、「月払い方式」が過半数を占めており、これまで有料老人ホームの費用支払いの特徴であった一時金方式を一括して徴収するホーム「一時金方式(一括)」は、17%にとどまっている。また、一時金を徴収し月毎の家賃又は家賃相当分の利用料が発生する「一時金方式(一部払い)」や複数の方式を採用するホームも一定程度存在するなど多様な支払い形態が存在することが明らかになった。

報告書全文は、同協会ホームページよりダウンロードして閲覧できる。

■2012.6.29  O157:福祉施設利用の女性から 他の14人も症状 /山口
下関市は28日、市内の福祉20+件施設を利用する80歳代の女性が病原性大腸菌O157に感染したと発表した。

女性はショートステイの利用者で、21日に下痢、血便、腹痛、発熱を発症し入院したが、快方に向かっているという。

他の利用者14人にも同様の症状があり、市は施設に感染源調査や消毒、デイサービスやショートステイの受け入れ自粛を指示した。市は「利用者が限られる」との理由で、施設名を明らかにしていない。

■2012.6.30  三原市が31施設を「福祉避難所」に指定 7社福法人と協定 広島
三原市は29日、市内の7社会福祉法人の31施設を「福祉避難所」に指定した。災害時、高齢者や障害者ら特に配慮が必要な被災者の避難場所となる。

指定されたのは、市社会福祉協議会をはじめ、松友福祉会▽三原福祉会▽広島聖光学園▽泰清会▽本郷福祉会▽亀甲会−の老人ホームやデイサービスセンター、ショートステイなど。

この日は同市役所で避難所の設置、運営に関する締結式が行われ、五藤康之市長と各法人の代表が協定書を交換した。

福祉避難所の入所対象者は原則、独り暮らしの高齢者(75歳以上)や高齢者のみの世帯(同)、障害者、要介護3以上の人など。妊産婦や乳幼児、病弱者らも含まれる。学校などの一般避難所では避難生活が困難な被災者を受け入れる。

五藤市長は「援護が必要な被災者に大きな支援ができ、心強く思っている」と話した。

■2012.6.30  計画停電:19病院が対象 関電「代替電源で」 /奈良
計画停電を巡り、29日の県節電協議会で、県内75病院のうち19病院が停電対象になる見通しが示された。国は重症患者らを受け入れる2次救急病院などを停電対象から外す方針を示し、県内52病院をリストアップ。県は高齢患者の多さなど個別に精査して関電と交渉し、56病院まで増やした。ただ、残る19病院について関電は「さらに例外を作るのは難しい。代替電源の提供などで対応したい」としている。

協議会では病院や福祉施設の代表が「高齢者や乳幼児が体調を崩したらどうするのか。事故の責任は誰が取るのか」と質問。会合後、関電の迎陽一常務は「約款上、賠償責任を負うのは無理だ。そのような事態を防ぐため全面的に協力している」とした。この他、JRで県内約20駅、近鉄で5駅程度が、券売機や照明などに停電の影響が出る見通しも示された。電車は計画停電時も運行する。

■2012.6.30  寝たきりの母の首を絞め…息子が殺人未遂容疑
寝たきりの母親(80)の首を絞めて殺害しようとしたとして、警視庁光が丘署は30日、東京都練馬区光が丘、無職上村剛容疑者(43)を殺人未遂容疑で逮捕した。

発表によると、上村容疑者は30日午前3時50分頃、自宅台所で母親の首を絞め、床にたたきつけるなどの暴行を加え、殺害しようとした疑い。自ら「母に暴行し、意識がない」と119番した。母親は頭を強く打ち、意識不明の重体。

上村容疑者は、母親と兄2人と4人暮らし。母親は寝たきりで、上村容疑者が介護をしていたという。上村容疑者は「何度もトイレに行きたがる母親の付き添いで3か月間、寝不足だった」と供述しているという。

■2012.6.30  休眠預金、福祉事業者など支援に活用へ
政府は、金融機関の口座で10年以上、出し入れがない「休眠預金」について、2014年度から福祉事業者などへの支援に活用する。

起業支援などの活性化策を話し合う「成長ファイナンス推進会議」が7月に方針をまとめる。

休眠預金を一元的に管理する機関を設ける案が有力で、今後、融資の条件や運用方法など具体的な制度設計を検討する。金融機関の休眠預金は管理機関に移ることになるが、預金者の求めがあれば、何年たっても払い戻しに応じられる仕組みを考える。払い戻しは、管理機関か委託を受けた金融機関を通じて行う。

金融庁などによると、休眠預金は毎年850億円(1300万口座)前後発生するが、払戻額は年350億円程度にとどまる。政府は年間500億円程度を起業家や非営利組織(NPO)などへの融資に活用できるとみている。

 

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