残しておきたい福祉ニュース 1996〜社会福祉のニュース

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残しておきたい福祉ニュース

 2012年 
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

 2012. 9. 3 入居者虐待を受け、会員を処分- 全国有料老人ホーム協会
 2012. 9. 4 異常ない左頭部切開、患者けが…病院長らに罰金
 2012. 9. 5 介護ベッドでの死亡重傷事故、5年で78件- NITEが注意呼び掛け
 2012. 9. 6 日本ダウン症協会がメッセージ
 2012. 9. 7 死因第3位は肺炎- 2011年人口動態統計
 2012. 9. 7 尊厳死法案、臨時国会への提出目指す- 超党派議連、役員会で確認
 2012. 9. 7 介護不十分、施設で2人死亡…適切な処置怠る
 2012. 9. 7 発達障害ある高校生へ授業手法 大阪府教委が出版
 2012. 9. 7 開所直後の特養ホームで入所者2人死亡 神戸市が行政処分「介護体制に不備」
 2012. 9. 8 社福法人不正支出  県に指導強化求める
 2012. 9.11 大阪2病院で医師9人、集団辞表…経営体制巡り
 2012. 9.11 介護で減収2割超、半減世帯も 民間の実態調査
 2012. 9.11 不正配管:介護老人福祉施設、取水量ごまかす 熊本市、未払い分150万円請求 /熊本
 2012. 9.12 エコマグ:多彩な造形、障害者の手作りマグネット人気 備前で販売 /岡山
 2012. 9.12 不正請求で京都府が居宅介護指定取り消し
 2012. 9.13 高齢者虐待、11年度は最悪の342件 長野県まとめ
 2012. 9.13 介護福祉士が小6女児に乱暴容疑 ネット電話で知り合う
 2012. 9.13 尼崎市役所園田支所:障害者駐車場、公衆電話はみ出す バリアフリーに逆行の声 気がつかず接触事故も /兵庫
 2012. 9.13 介護福祉士が小6乱暴容疑 ネット電話で知り合う
 2012. 9.14 障害者雇用 企業に好影響 障害者問題全国交流会
 2012. 9.14 帽子・マスク着用のニセ県職員、障害者宅で泥棒
 2012. 9.14 毎日社会福祉顕彰:コロニー久住が受賞 親、施設、障害者が一体 /大分
 2012. 9.14 災害支援バンダナ:聴覚障害者支援、蕨でも350枚作製 /埼玉
 2012. 9.20 「福祉支援で更生が望ましい」 知的障害疑いの被告で審査委
 2012. 9.20 特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
 2012. 9.21 入善の福祉施設 厚労相が視察
 2012. 9.21 福祉法人、国に虚偽報告 夜勤時間改ざん 沖縄
 2012. 9.21 「介護プロ」20年までに13万人認定へ- 内閣府、補助事業者の公募を開始
 2012. 9.21 保険医療、指定取り消しは12月1日- 東京医科大茨城医療センター
 2012. 9.22 福祉センターで太陽光発電へ
 2012. 9.22 社会貢献で福祉パチンコ大会 敬老の日に先駆け開催
 2012. 9.22 祉施設就活向け見学ツアー 大阪
 2012. 9.23 両腕を失いながら障害者福祉に尽力 「北海道光生舎」創業者の人生がアニメに
 2012. 9.24 「福祉車両」に対する意識調査
 2012. 9.24 従業員ケアが虐待防止の鍵- 介護事業者向けCBセミナー、本間氏が講演
 2012. 9.24 新出生前診断に懸念 障害者団体「中絶増える」
 2012. 9.25 就職難でも人気薄、福祉介護面接会が中止に…和歌山
 2012. 9.26 福祉法人、交付金で借金返済
 2012. 9.27 山口福祉文化大に立ち入り調査 文科省
 2012. 9.27 車いす用滑り止めベルト開発 タイヤに装着、内田撚糸発売へ
 2012. 9.28 三原の福祉法人2450万円不正会計
 2012. 9.29 障害者用の資金だまし取る 暴力団組員逮捕
 2012. 9.30 障害者虐待:通報義務、10月1日に防止法施行


■2012.9.3  入居者虐待を受け、会員を処分- 全国有料老人ホーム協会
全国有料老人ホーム協会は、同協会の会員である「株式会社ケア・リンク」(東京都中央区)に対し、業務管理体制の抜本的見直しなどを求める勧告を行った。同社が運営する介護付有料老人ホーム「はぴね神戸学園都市」(神戸市)の入居者虐待事件を受けての処分。

勧告では、今年1月に発覚した「はぴね神戸学園都市」における入居者虐待によって、有料老人ホーム事業全体のイメージが損なわれたと指摘。また、「ケア・リンク」の業務管理体制の不備が、事件の主な発生要因とした上で、同社に対し、▽高齢者虐待の再発防止に向けた改善計画の策定・運用▽改善結果の消費者への公表▽協会が指定する研修の受講を職員へ義務付け―の3点を求めている。

「はぴね神戸学園都市」では1月、複数の職員が女性入居者の顔をたたいたり、暴言を浴びせたりするなど虐待を行っていたことが、入居者家族の告発で発覚した。また神戸市は6月、必要な介護を行わない「介護放棄」などの事実もあったと認定。半年間、介護報酬を2割削減し、新規利用者の受け入れを停止する行政処分を行った。

■2012.9.4  異常ない左頭部切開、患者けが…病院長らに罰金
鹿児島県屋久島町の屋久島徳洲会病院で2007年、手術部位を誤るなどして入院中の男性患者(当時88歳)にけがを負わせたとして、屋久島区検が男性院長(54)と男性看護助手2人(41歳と27歳)を業務上過失傷害罪で屋久島簡裁に略式起訴していたことが分かった。

7月13日付。簡裁は同26日付で、院長に罰金20万円、看護助手2人に罰金各10万円の略式命令を出し、3人は納付した。

起訴状などによると、看護助手2人は07年8月7日、入浴介助後に男性患者をストレッチャーで搬送する際、ベルトで固定せず床に転落させ、右頭部に急性硬膜下血腫のけがを負わせた。院長は同日、この患者の血腫除去手術の際、手術部位を確認せずに異常のない左頭部を切開するなどし、約1週間のけがを負わせた。

徳洲会東京本部によると、患者は約2か月後に肺炎で死亡した。同本部は「患者さまには大変申し訳なく、このような事故のないよう再発防止対策を強化しています」とコメントした。

■2012.9.5  介護ベッドでの死亡重傷事故、5年で78件- NITEが注意呼び掛け
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、介護ベッドなどの使用中に発生した事故が、最近5年間で179件報告されたことを明らかにした。このうち、利用者が死亡したり、重傷を負ったりした事故は78件に達した。

NITE製品安全センターによると、2007年度から11年度までの5年間に同センターに報告された製品事故のうち、介護ベッドや関連用具による事故は179件。このうち、死亡事故は36件、重傷事故は42件あった。

同センターによると、特にベッド用グリップの固定レバー部が衣服の首回りに引っ掛かった場合や、サイドレールとサイドレールのすき間に首が挟まった場合、重大な事故を招きやすいという。

また、死亡事故や重傷事故が発生は、「家庭」が46件で最も多く、以下は「病院」が19件、「介護施設」が11件、「場所不明」が2件の順。家庭が重大事故の発生場所の半分以上を占めた点について、同センターの担当者は「施設や病院の職員に比べて、利用者の家族らが介護ベッドや関連用具の使用に不慣れであることが背景にあるのではないか」としている。

■認知症の人や要介護度が高い人は特に注意を
この結果を受け、同センターはポスターやホームページなどを通じ、事故防止のための注意喚起を行っている。

具体的なポイントとしては、
▽サイドレールやベッド用グリップのすき間が大きい場合、すき間の小さいものに交換するか、カバーなどですき間をふさいで使用する
▽ベッドとサイドレール、ベッド用グリップ、マットレスの組み合わせが適合しているかを確認する▽ベッドやサイドレール、ベッド用グリップについて、破損・変形がないか、確実に固定されているかを確認する
▽ベッド周辺は整頓する―などを挙げている。また、同センターでは「身体機能や認知レベルが低いほど、被害が多くなる傾向がある」とし、特に認知症の人や要介護度が高い人は注意が必要と呼び掛けている。

■2012.9.6  日本ダウン症協会がメッセージ
妊婦の血液で、胎児がダウン症かどうかがほぼ確実にわかる新型の出生前診断に注目が集まる中、日本ダウン症協会は、羊水検査など様々な出生前診断を受けるかどうか迷っている妊婦らに向けたメッセージを、同協会のホームページに公表した。

出生前診断の目的や方法のほか、予想される結果とその後の選択肢、検査の対象となる障害の最新の情報について、医師などから十分な説明を受ける必要があると指摘。望まない結果だった場合の対応も、考えておく必要があるなどとしている。

■2012.9.7  死因第3位は肺炎- 2011年人口動態統計
厚生労働省はこのほど、2011年人口動態統計(確定数)の結果を公表した。死亡数は125万3066人で、前年の119万7012人より、5万6054人増加した。また、肺炎の死亡数が12万人を超え、脳血管疾患を抜いて死因の第3位となった。

人口動態統計によると、出生数は105万806人で、前年より2万498人減少した。合計特殊出生率は1.39で、前年と同率だった。出生数を母の年齢(5際階級別)で見ると、34歳以下の各階級では、前年より減少したが、35歳以上の各階級では増加した。
 
死亡数は125万3066人で、前年の119万7012人より、5万6054人増加した。
 
出生と死亡数の差である自然増減数は、マイナス20万2260人で、前年のマイナス12万5708人より、7万6552人減少し、5年連続のマイナスとなった。
 
死因の順位を見ると、悪性新生物が35万7305人と最多で、死亡総数の28.5%を占めた。第2位は心疾患で19万4926人、第3位は肺炎の12万4749人で、昨年3位だった脳血管疾患を抜いた。
 
このほか、婚姻件数は66万1895組で、前年の70万214組より、3万8319組減少した。また、離婚件数は23万5719組で、前年の25万1378組より1万5659組減少している。 

■2012.9.7  尊厳死法案、臨時国会への提出目指す- 超党派議連、役員会で確認
超党派の国会議員でつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」(会長=増子輝彦・民主党参院議員)は7日に役員会を開き、今国会への法案の提出を見送り、各党内で引き続き調整を進めた上で、今年秋にも開かれる臨時国会への提出を目指す方針を確認した。

議連は7月末の総会で、15歳以上の終末期の患者に対する延命措置について、経管栄養や人工呼吸器の装着など、新たに延命措置を実施しないとする「不開始」を対象とした「第1案」と、現在行われている措置の「中止」も含めた「第2案」をまとめ、今国会への提出に向け、それぞれ党内手続きを進めることを決めた。

この日の役員会では、その進ちょく状況をそれぞれ報告したが、政局の混迷が続いていることもあり、各党の調整は難航している模様だ。増子会長は、「当初の目標であった今国会中の法案提出には至らなかったが、第1案と第2案ができたことは一歩前進だと思っている」と述べ、議論をさらに前に進める意向を示した。

増子会長はまた、2人以上の医師が「終末期」の判断を下すとする法案の条文について、終末期のがん患者に口腔外科医が関わることなどから、日本歯科医師会(日歯)など関連4団体から「歯科医師も加えてほしい」との要望があったことを明らかにした。議連では、10月上旬にも次の総会を開き、日歯などと意見交換する予定だ。

■2012.9.7  介護不十分、施設で2人死亡…適切な処置怠る
神戸市中央区の介護施設「神戸海岸特養ケアセンター」で4月、他の施設から移ってきた80歳代と90歳代の男性入所者2人が相次いで死亡していたことが、わかった。

市は7日、死亡との因果関係は不明だが、たんの吸引などが必要な2人に対する介護が不十分だったとして、介護保険法に基づき6か月間、新規入所者の受け入れを停止する処分にした。

発表によると、同センターは社会福祉法人「成晃会」(大阪府摂津市)が運営。80歳代の男性は入所3日後にベッドで死亡しているのが見つかった。2時間おきにたんの吸引が必要だったのに、死亡前日の午後10時以降、行われていなかったという。90歳代の男性は入所5日後、ベッドで嘔吐おうとした状態で見つかったが、胃に直接栄養分を送る胃ろうの処置を受けた数時間後で、逆流しにくい注入食を使っていなかったという。男性は3日後に別の病院で亡くなった。

■2012.9.7  発達障害ある高校生へ授業手法 大阪府教委が出版
大阪府教育委員会は、言葉のやりとりが苦手だったり、落ち着きがなかったりする発達障害のある高校生への授業の手法をまとめた本『高校で学ぶ発達障がいのある生徒のための共感からはじまる「わかる」授業づくり』(ジアース教育新社、A4判、118ページ、1890円)を7日に出版する。生徒の「困り感」に関する考え方を独自に考案しつつ、具体的な対応方法などを提示している。

発達障害は先天性とされる脳機能の障害。文部科学省の調査では、小中学生の6・3%が該当する可能性が示されている。

特性を大別すると、(1)集団行動や言葉のやりとりが苦手で想像力が乏しい「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)」(2)不注意で落ち着きがない「注意欠如多動性障害(ADHD)」(3)読み書き算数など特定の困難が見られる「学習障害(LD)」−の3種類。

特性の出方は一人一人違うものの、やらなければならないことを書いて示す視覚支援など、個々の特性に合った対策を講じれば、不得意な部分を補ったり、得意な部分を伸ばしたりできるとされる。

視覚支援などの対策は、発達障害がない人の分かりやすさにもつながるとし、府教委は「発達障害のある生徒を含め、全ての生徒にとって分かる授業づくりをテーマに研究を進めてきた」という。

本は「理論編」「事例編」「資料編」で構成。理論編で適切な指導と支援に関する考え方や工夫を解説し、事例編では国語や数学など各教科について個別の手法を紹介する。教員が生徒の困っている点に気付き、共感しながら対応していけるよう工夫したという。

生徒が授業のどの場面で困っているかを分類したのは特徴の一つ。(1)板書を写したり、繰り返し計算したりする「作業的な場面」(2)説明や指示を見たり聞いたりする「認知的な場面」(3)考えたり、自分の意見を発表したりする「言語的・推論的な場面」−の3点にまとめた。各教科ではどの場面が多いのか、各場面に対応した授業内容は何かなども説明。府教委は「生徒の成功体験を増やすのに役立ててもらえれば」と期待を込める。

また府教委は、2008年に文科省の事業の一環で発行し、反響が大きかった冊子も書籍化。『高校で学ぶ発達障がいのある生徒のための明日からの支援に向けて』(同社、A4判、128ページ、1680円)として同時出版する。

民間企業と連携して出版するのは府教委の事業としては初めて。

■2012.9.7  開所直後の特養ホームで入所者2人死亡 神戸市が行政処分「介護体制に不備」
神戸市中央区の介護施設「神戸海岸特養ケアセンター」で、今年4月のオープン直後に80代と90代の男性2人が入所から数日後に相次いで死亡していたことが7日、分かった。それぞれたんの吸引と胃瘻(いろう)の処置が必要な状態だったという。市は、施設の対応と死因の因果関係は不明としているが、同施設は看護師数などが法的な基準を満たしておらず、介護体制が不十分だったと判断。介護報酬を不正受給していたことも判明し、新規入所者の受け入れを半年間停止する行政処分を行った。

神戸市介護指導課によると、同施設は大阪府摂津市の社会福祉法人「成晃会」が運営。定員各100人の特別養護老人ホームとケアハウスを備えている。

80代の男性は入所から3日目の朝、ベッドの上で死んでいるのを職員が発見。2時間ごとにたんの吸引が必要だったが、前日の午後10時以降に処置した形跡はなかったという。

90代の男性は入所5日後に熱と嘔吐(おうと)の症状で病院に入院し、3日後に死亡。腹部に開けた穴から注入食を入れていたが、逆流しにくい注入食を使っていなかった。

市はこうした不適切な処置と死因との因果関係は不明としているが、介護保険法上、定員100人規模の特養で必要とされる常勤3人以上の看護師が配置されていなかったことが判明。調査を進める中で、ケアハウスの入所者4人が特養にいるように装い、介護報酬を不正受給していたことも分かった。

同施設ではこのほか、6月までに別の4人の入所者も発熱などで入院し、その後、死亡している。

同施設に関しては、オープン直後から「ナースコールに対応してくれない」「トイレに行かせてもらえない」など11件の苦情が市に寄せられ、市はこれまでに計19回の監査、立ち入り検査を実施。今月に入ってヒアリング調査も行った。

処分を受け、同施設の切東喜久夫担当役員らが7日、記者会見し、2人の死亡について「担当者にも事情を聴き、医師としての私の立場からも(対応と死亡の)因果関係はなかった。問題があったとはとらえていない。看護師らの対応にも問題はなかった」と話した。

ただ、看護師の人数の基準を満たしていなかった点については「開設当初は人数が足りていたが、間もなく退職者が出て、すぐに補充できなかった。不可抗力だったが、その点は本当に至らぬ点だった」と謝罪した。

■2012.9.8  社福法人不正支出  県に指導強化求める
「あすなろ会」(鳥取市)など社会福祉法人で不正支出が相次いだことを受け、県監査委員は7日、県福祉保健課の指導体制に関する監査結果を公表した。不正防止の観点から、法人の内部チェック機能が働くよう、形骸化した理事会の適正化など指導の強化と、年度別ではなく法人ごとに情報を一元化し、分析や経年評価できるよう検討を求めた。

監査は7月4日から8月23日まで実施。社会福祉法人を巡っては、2009年に同会で約21億円の使途不明金が発覚し、元専務理事らが有罪判決を受けたほか、11年1月には、「みのり福祉会」(倉吉市)でも計1億1200万円の不適正な支出が発覚した。

この日、岡本康宏・代表監査委員らが平井知事に結果を報告。昨年度の指導監査で、県が58法人のうち約半数で内部チェック機能に関して文書指導したほか、3法人しか外部監査を実施していないなど、法人独自のチェック体制が不十分と指摘。一方、県も、同じ法人に対して本部と個別施設の指導監査を本庁と総合事務所がそれぞれ行っており、連携して経理状況を確認するよう促した。

岡本代表監査委員は「一部で不正が生じる土壌がある。早期改善と未然防止のため、実効性のある対応を求めたい」と指摘。平井知事は「強化はしてきたが、まだ改善の必要がある。なお一層徹底した体制を作りたい」とした。

また、大山町の女性住民が県民参画基本条例(仮称)検討委員会の設置は地方自治法に違反すると主張し、報償費を含めた149万円の返還などを求めた住民監査請求について、県監査委員は7日、「理由がない」などとして、棄却した。

■2012.9.11  大阪2病院で医師9人、集団辞表…経営体制巡り
医療法人亀広記念医学会(大阪府枚方市、亀広摩弥理事長)が運営する「関西記念病院」(枚方市)と「関西サナトリウム」(泉佐野市)の医師計9人が11日、集団で辞表を提出した。

同会では8月に理事長や理事のほとんどが交代し、両病院の院長も代わった。辞表を出した医師らは、「理事長らの交代後、混乱が続いている」と説明、病院経営の体制を交代前に戻すよう求め、午後に記者会見を開くという。辞表を出したのは、関西記念病院では9人の常勤医師のうち8人、関西サナトリウムでは3人の常勤医師のうち1人。

府によると、両病院とも精神科と心療内科が中心で、関西記念病院は316床、関西サナトリウムは192床。府は、実態を確認し、医療法で定められた人数の医師が確保できない事態になれば患者の転院などを指導する。

■2012.9.11  介護で減収2割超、半減世帯も 民間の実態調査
介護を始めてから世帯収入が減ったのは20%超―。家族介護に伴う働き方の変化が家計に深刻な影響を与えている現状が、明治安田生活福祉研究所(東京)の実態調査で明らかになった。

半分以下になったと答えた人も10%を超えており、同研究所は「退職を余儀なくされたり、定年退職を早めたりしたためではないか」と分析している。

調査は5月31日と6月1日、家族介護の経験がある40〜79歳の男女を対象にインターネットで実施。1032人から回答を得た。

世帯収入が減ったのは全体で22・1%。男性が20・5%、女性は23・7%だった。

■2012.9.11  不正配管:介護老人福祉施設、取水量ごまかす 熊本市、未払い分150万円請求 /熊本
熊本市は10日、社会福祉法人「白川直会会(なおらいかい)」(角中直也理事長)が運営する介護老人福祉施設「るり苑」(同市東区上南部1)が不正配管を使って井戸水の取水量をごまかし、下水道使用料の徴収を免れていたと発表した。

発表によると、同施設は開業した03年12月から08年8月ごろまでの間、浴槽やトイレなどに使う井戸水をくみ上げる際に水量メーターを通らない配管を設置し、汚水量を少なく見せていた。施設側は同月ごろ、配管を切断して使用をやめたと説明している。

市の現地調査で不正配管が確認され、使用をやめた後の取水量が以前の約4倍になっていることが判明。角中理事長は事情聴取に「不正配管の存在を知らなかったが、知った後に使用をやめた」と話しているが、角中理事長が社長を務めていた配管業者が設置したものだという。

市は未払い分を約650万円と算定。うち時効(5年)を迎えていない約150万円の支払いを今月6日に施設側に請求した。施設側は時効分も自主納付を申し出ているという。

熊本市の介護老人福祉施設が、不正な配管を使って下水道使用料の徴収を免れていたことがニュースになったね。不正な配管ってどんなものなのか?

 この福祉施設では風呂やトイレ、清掃などに井戸水を使用し、その取水量は井戸から施設に水を送る配管の途中にあるメーターで量っていました。しかし、メーターを通さない配管を設置し、開所の03年12月から08年8月ごろまで取水量を実際の約4分の1に見せかけて計約650万円の徴収を免れたそうだ。

■2012.9.12  エコマグ:多彩な造形、障害者の手作りマグネット人気 備前で販売 /岡山
備前市で障害者の就労・自立を支援している法定福祉事業所「ユートピア」で作られるペットボトルのキャップを再利用した「エコマグ」が「かわいい」と人気だ。キャップの中に磁石を入れ、布などで動物などのキャラクターデザインを施したホワイトボード用のマグネットで、障害者らがアイデアを出し合いながら一つ一つ手作りしている。

エコマグは、京都市の作業所で作られている「マグペット」を参考にした。考案した同市の作業所指導員、木村宏さん(70)がネットで「模倣は自由。どんどん使って」とアイデアを公開。ユートピアは4年前に取り入れた。布やビーズ、荷造り用ひもなど障害者が好みの材料で思い思いに作っている。動物や人物、想像上のキャラクターなど、多彩でカラフルな造形だ。

1個100円を基本に、主に地元の保育園、幼稚園のバザーなどで販売。備前市内の主婦(55)は「手の込んだ、はっとするようなデザインもあり、見ていて楽しい」と話す。ユートピアは「あくまで自立訓練の一環。週1回、数人で作っており、今後もこつこつと続けていきます」としている。問い合わせはユートピア(0869・63・4329)。

「マグペット」
NPO法人 アウンジャ
http://www.aunja.net/

■2012.9.12  不正請求で京都府が居宅介護指定取り消し
介護給付費を不正に請求したとして、京都府はNPO法人「清和福祉会」が運営する居宅介護と重度訪問介護などの事業所「支援センターやすらぎ」について、障害者自立支援法に基づいて指定を取り消した。指定取り消しは9月30日付。

府によると、同事業所は、実際には提供していない居宅介護のサービスを提供したなどと偽り、介護給付費を請求。昨年7月までの不正請求額は約2400万円に達した。府では今年5月、「清和福祉会」に対して加算金を含め約3465万円の返還を命令。6保険者が返還請求したが、7月の納付期限までに68万円しか返還されなかった。

さらに8月に、府が監査を実施したところ、府による返還命令が出た後も、提供したサービス内容を偽り、介護給付費を不正請求していたことが発覚した。今後、府では関連する保険者と連携して、不正請求の額を特定した上で、改めて同法人に返還を求める方針。

■2012.9.13  高齢者虐待、11年度は最悪の342件 長野県まとめ
県内市町村が2011年度、65歳以上の高齢者が家族などから虐待を受けたと判断した事例は342件(前年度比22件増)に上り、06年度の高齢者虐待防止法施行後最高だった06年度の331件を更新したことが12日、県のまとめで分かった。虐待の行為者は「息子」が最多となっていて県の調べで初めて5割を突破するなど、男性による虐待が増加傾向にある。

県介護支援室によると、把握した342件の内容(重複あり)は、「身体的虐待」が最多の235件(68・7%)、「心理的虐待」107件(31・3%)で、前年度からぞれぞれ68件、18件増えた。この他、「経済的虐待」69件(20・2%)、「介護放棄」56件(16・4%)、「性的虐待」5件(1・5%)。行政担当者が立ち入り調査した際、警察が同行した事例はなかった。

虐待したとされる360人のうち、「息子」が182人(50・6%)で最多。「夫」60人(16・7%)、「娘」43人(11・9%)、「嫁」27人(7・5%)など。男性による虐待は全体の約7割。特に、「息子」の割合は06〜08年度、35%台で推移していたのに、09年度は41・9%、10年度が43・1%と増加傾向。県などは、家事に不慣れで、近所付き合いも少なく、孤立しやすくいら立ちを募らせたことが背景にあるとみている。

虐待への対応(重複あり)は、介護保険サービスを利用してもらう「支援」が243件、施設入所などで虐待する人と分離する「保護」が117件、行政職員らが見守りに当たる「観察」が37件。

県介護支援室は増加の背景について、慣れない家事と介護に携わり孤立感を深める男性が増えていることに加え、「これまで家族で抱え込んでいた事例が、法に伴う通報制度が知られるにつれて表に出るようになったことも影響している」とみている。

一方、介護施設などで職員から虐待を受けたと認められたのは4件。特別養護老人ホームの介護職員が認知症のお年寄りとうまく意思疎通ができずに殴ったほか、有料老人ホームの職員が多くの人の目に触れる形で利用者の排せつ介助などをした事例があった。いずれも市町村が注意、指導し、警察への協力は求めてはいない。

■2012.9.13  介護福祉士が小6女児に乱暴容疑 ネット電話で知り合う
福岡県警筑紫野署は13日、インターネット電話のスカイプで知り合った小学6年の女児(12)を乱暴するなどしたとして、強制わいせつと強姦致傷容疑で、北九州市八幡東区東山、介護福祉士、有田祥悟容疑者(35)を再逮捕した。

再逮捕容疑は6月10日、福岡県内のカラオケ店で女児の体を触るなどし、7月16日には同県内のホテルで女児を乱暴してけがをさせた疑い。筑紫野署によると「黙秘します」と供述している。有田容疑者と女児は6月にスカイプのチャットで知り合った。

有田容疑者は7月、カラオケ店で女子中学生(15)にわいせつな行為をしたとする県青少年健全育成条例違反容疑で逮捕され、8月にもホテルで女子高校生(17)にわいせつな行為をしたとする児童買春などの容疑で逮捕されていた。一連の捜査の過程で、女児への容疑も発覚した。

■2012.9.13  尼崎市役所園田支所:障害者駐車場、公衆電話はみ出す バリアフリーに逆行の声 気がつかず接触事故も /兵庫
尼崎市役所園田支所(同市御園1)で、身体障害者や高齢者のための駐車区画(幅約2・8メートル、長さ約4・9メートル)の一部が、公衆電話ボックスでふさがれた状態になっている。狭い所では幅約2・2メートルしかなく、バリアフリー新法(06年施行)の基準(幅3・5メートル以上)を満たしていない。今年8月には、物損事故も起きており、市民から「公共施設なのにバリアフリー化に逆行している」との声も出ている。

尼崎市園田地域振興センターによると、支所には12台分の駐車場があり、入り口に近い1区画に車椅子マークを付けている。電話ボックスがはみ出した場所は一般車両用の幅(約2・4メートル)より狭い。電話ボックスは遅くとも89年には現在の位置に設置されたが、この場所を選んだ理由は分からないという。

■2012.9.13  介護福祉士が小6乱暴容疑 ネット電話で知り合う
福岡県警筑紫野署は13日、インターネット電話のスカイプで知り合った小学6年の女児(12)を乱暴するなどしたとして、強制わいせつと強姦致傷容疑で、北九州市八幡東区東山、介護福祉士有田祥悟容疑者(35)を再逮捕した。

再逮捕容疑は6月10日、福岡県内のカラオケ店で女児の体を触るなどし、7月16日には同県内のホテルで女児を乱暴してけがをさせた疑い。
 筑紫野署によると「黙秘します」と供述している。有田容疑者と女児は6月にスカイプのチャットで知り合った。

有田容疑者は、7月に県青少年健全育成条例違反容疑で、8月には児童買春などの容疑で逮捕されていた。

■2012.9.14  障害者雇用 企業に好影響 障害者問題全国交流会
企業経営者らが障害者雇用について理解を深め合う「障害者問題全国交流会in大阪」(中小企業家同友会全国協議会主催)が13日、大阪市北区の帝国ホテル大阪で始まった。全国から約650人が参加。障害者雇用が企業にプラスの影響をもたらしたという報告や、東日本大震災から1年半が経過した被災地からの提案などが挙がっていた。

同交流会は、障害のある人とない人が共に働ける地域づくりなどについて学び合い、取り組みの輪を広げることを目的に開かれ、大阪で実施するのは25年ぶり。初日は六つの分科会に分かれ、全国各地から取り組みの報告が寄せられた。

大阪府中小企業家同友会からの報告では、知的障害者の商品チェックによって不良品の返品がなくなったという体験や、元気にあいさつする知的障害者の様子に社内の雰囲気が変わり、課題のあった社員を指導役に割り当てるとその社員の成長につながった経験が披露された。

福島県中小企業家同友会は、復興を目指す中で障害者の働く場所を確保するために必要な実践や考え方を紹介。福祉施設代表者は、これまでの事業だけでなく、新たな仕事の掘り起こしを、福祉以外の人とネットワークを築きながら展開していく取り組みを示し、ノリ加工販売会社社長は、0・5人分の仕事を給料5万円程度で割り当てるなど「福祉と就労の真ん中のやり方をどんどんやっていくべき」と強調していた。

各分科会では、企業経営者らの報告が終わると、グループ分けされた参加者が報告を基に討論を展開。理解や認識を深め合った。

最終日の14日は、分科会の議論を踏まえて代表者らがパネルディスカッションを行うほか、全盲の落語家、桂福点さんによる記念講演などが実施される。

同交流会の豊田みどり実行委員長は、障害者雇用の利点について(1)障害者の働きやすさを意識するため、仕事のしやすい社内環境が整理されて仕事の効率が上がる(2)思いやりのある社風に変わる−などを指摘。「経営者の意識改革を進める運動を広め、障害者を雇う会社が1社でも増えていけば」と思いを語っていた。

■2012.9.14  帽子・マスク着用のニセ県職員、障害者宅で泥棒
山梨県障害福祉課は13日、甲府市内で30歳代〜40歳代の男が県福祉担当課職員を名乗り、「障害者の実態調査」と称して一人暮らしの障害者宅に訪れる事例が、6日以降、少なくとも3件発生したと発表した。

同課は「県職員が突然、調査で訪問することはない。金銭被害も発生しており、十分注意してほしい」と呼びかけている。

発表によると、男は帽子とマスクを着用し、身分証らしきネームプレートを示す。「障害者の実態を調べに来た。困っていることはないか」と尋ねるという。

6日には、甲府市内の障害を持った女性宅に現れ、「パソコンを見せてほしい」と話した。女性がパソコンを起動している間に、財布から現金約2万5000円が抜き取られた。ほかにも、市内の女性が数万円をだまし取られる被害があったという。

■2012.9.14  毎日社会福祉顕彰:コロニー久住が受賞 親、施設、障害者が一体 /大分
「親と施設が両輪となり、障害者が真ん中に座りコロコロと進んでいける関係性を」。そんな理想を掲げ運営を続ける社会福祉法人博愛会。毎日社会福祉顕彰を受賞した同会の福祉農場コロニー久住(竹田市久住町)では知的障害者が野菜作りや畜産などの職業指導訓練を受けながら「幸せ」を追い求める。

「こんにちは」。ネギを育てるビニールハウス内に大きな声が響く。近くの小屋では黙々と手先を動かし素早くネギを選別する女性たち。「プロですからね」と釘宮卓司理事長(62)が声を掛けるとはにかんだ。

近年、高齢化や重複障害で、就労につなげるのが厳しい現実もある。「そんな中でも、一人一人の生活にあった環境を提供したい」と釘宮理事長。02年には施設利用者の保護者組織がNPO法人化。相談や意見伝達がスムーズになった。施設利用者が将来、無縁仏にならないようにと施設内に墓を建てるなど、活動主体としてNPOが大きく成長した。

博愛会は10年、杵築市の住吉浜リゾートパークの運営も始め、障害者がホテルの運営や清掃に携わる。釘宮理事長は「障害者がリフレッシュし、楽しみ、躍動感ある人生にするのが私の責任」と意気込む。

■2012.9.14  災害支援バンダナ:聴覚障害者支援、蕨でも350枚作製 /埼玉
蕨市は、地震などの災害時に聴覚障害者が支援を受けられるよう目印となるバンダナ350枚を作製し、市聴覚障害者協会に贈った。協会の要望を受けたもので、市内に住む聴覚障害者約150人と手話通訳者などに使ってもらう。

バンダナは75センチ四方でピンクと緑の2色地に「耳がきこえません」「手話ができます」の文字が染め抜かれている。市総務福祉課は「色鮮やかで暗い場所でも目立つように仕上げた。市民の理解を深めるようPRしたい」と話した。

 問い合わせは福祉総務課(048・433・7754)。

■2012.9.20  「福祉支援で更生が望ましい」 知的障害疑いの被告で審査委
現金を盗んだとする窃盗罪などに問われ、大分地裁で公判中の20代の男性被告に知的障害が疑われるため、地裁と検察側、弁護側が協議の上、長崎県の専門家組織「障がい者審査委員会」に審査を依頼した結果、「福祉支援による更生が望ましい」との結果がまとまったことが28日、関係者への取材で分かった。

男性被告は執行猶予中で、有罪ならば実刑判決となるケースだが、大分地検は審査結果を基に、保護観察付きの執行猶予を付けた求刑とすることも含めて検討する。

大分地裁や検察側の今後の対応は、障害のために犯罪を繰り返す「累犯障害者」への支援のあり方に影響を与えそうだ。

■2012.9.20  特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
【意見書・要望書名】・特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書

【提出先】厚生労働省・財務省

特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書(月刊老施協)
http://social-welfare.rgr.jp/databox/roushikyo-sisetsu-naiburyuho1.pdf

特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書
http://social-welfare.rgr.jp/databox/roushikyo-sisetsu-naiburyuho2.pdf

特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書(財務大臣)
http://social-welfare.rgr.jp/databox/roushikyo-sisetsu-naiburyuho3.pdf

特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書(事務次官)
http://social-welfare.rgr.jp/databox/roushikyo-sisetsu-naiburyuho4.pdf

特別養護老人ホームの「内部留保」に関する要望書(主計局長)
http://social-welfare.rgr.jp/databox/roushikyo-sisetsu-naiburyuho5.pdf

■2012.9.21  入善の福祉施設 厚労相が視察
小宮山洋子厚生労働相は二十日、県を訪れ、富山市内のお年寄りと障害者を同時に受け入れているデイサービスセンターや入善町内のグループホームを視察した。

県内全域は「とやま地域共生型福祉推進特区」として指定され、二〇一三年度から障害者が就労できる施設の基準や障害者と認知症のお年寄りが共に暮らすグループホームの設備の使用規則が緩和される。小宮山厚労相は富山市富岡町の「デイサービスこのゆびとーまれ」を訪れ、利用者や職員二十人と懇談。惣万佳代子理事長から「消費税の増税分は社会福祉に使って」と要望され「約束します」と応じた。

入善町入膳の共生グループホーム「双葉」では若林清彦理事長から縦割り行政の実態を聞き「縦割りを直すため、現場の声を聞かせてほしい」と述べた。小宮山厚労相は視察後、記者らの取材に「富山の仕組みが機能するよう支援したい。ニーズは全国にある」と述べた。

■2012.9.21  福祉法人、国に虚偽報告 夜勤時間改ざん 沖縄
沖縄肢体不自由児協会(親泊一郎会長)が、運営する二つの障がい児施設について国に虚偽報告をしていたことが20日、分かった。看護師の勤務表を改ざんし、夜勤時間数が国の基準に合っているように装っていた。結果として、診療報酬を実際より高く不正請求した可能性がある。厚生労働省は「故意なら処分もあり得る」として、調査に着手した。

協会が改ざんしていたのは、医療機関が毎年7月1日時点で厚労省に提出する報告書。那覇市寄宮の肢体不自由児施設「沖縄整肢療護園」と重症心身障害児施設「若夏愛育園」の2施設で働く看護師の夜勤時間を偽った。

診療報酬にはさまざまな基準があり、看護師の平均夜勤時間を月72時間以下に抑えることもその一つ。満たせない場合、診療報酬は半額以下になる。2施設は平均夜勤時間が72時間を上回ったため、実際には夜勤をしていない看護師を勤務表上、したことにして、平均値を押し下げた。担当者は「基準をクリアするためにやった」と故意を認めた。

基準を満たさない状態が続いた場合、国に届けた上で低い診療報酬を請求しなければならないが、協会は届けていない。期間は確定していないものの、入所者約110人に差額を掛け合わせると、1カ月当たり2千万円の不正請求になる可能性がある。

協会の親泊会長は「内部で調べて、問題があれば責任を取る」と述べた。療護園園長を兼任する稲福恭雄副会長は「歴史ある社会福祉法人で、絶対にあってはならないこと。チェックできなかった責任がある」と話した。

厚労省は「診療報酬の不正請求があれば返還を求める。悪質と判断した場合、保険医療機関としての登録取り消しもあり得る」と指摘。九州厚生局沖縄事務所が協会に説明や資料提出を求めるなど、調査を始めている。

■2012.9.21  「介護プロ」20年までに13万人認定へ- 内閣府、補助事業者の公募を開始
内閣府は、介護人材の能力を評価する「介護プロフェッショナルのキャリア段位制度」のレベル認定や、評価者(アセッサー)の育成を担当する補助事業者の募集を開始した。同制度では、2020年度までに累計13万人の認定者輩出を目指しており、10月下旬までに補助事業者となる団体を決定し、今年度内には事業を開始する方針。

「キャリア段位制度」は、業界全体で活用できる7段階の能力の「ものさし」を作ることで、効率的な人材育成と新たな人材の参入促進を図る制度。特に実践的スキルを重点的に評価するシステムで、当面は、大多数の介護職が該当するとみられるレベル4までの認定を行う。

内閣府では、14年度までに2万人、20年度までには13万人を認定するとする目標を決定。補助事業者の公募を始めた。公募期間は10月9日午後5時まで。希望する団体は、9月27日に内閣府で開催される公募説明会に出席しなければならない。

■2012.9.21  保険医療、指定取り消しは12月1日- 東京医科大茨城医療センター
厚生労働省の関東信越厚生局茨城事務所は21日、茨城県庁で記者会見を開き、東京医科大茨城医療センター(阿見町、501床)を保険医療機関の指定取り消し処分とすることを正式に発表した。取り消しは12月1日付で、原則5年間は保険診療ができなくなる。

同事務所によると、処分の理由は2008年4月から09年5月にわたる診療報酬の不正請求。件数は3万242件、保険者への不正請求総額は約8300万円。この日の午前中に、処分通知をセンター側に伝えた。同事務所の手島正行所長は会見で、「事実と全く異なる虚偽の届け出があり、故意による不正な請求と判断した」と述べた。大学病院の指定取り消しの例は近年にないという。

■監査で新たな不正請求発覚

不正請求については、同センターが09年7月に発表。その後、同厚生局は11年10月までの間に、計14回の監査を実施した。不正内容は、センター側が当時発表した3つの加算の算定に加え、補聴器適合検査など3項目。

監査の期間が3年に及んだことについて、手島所長は「(施設基準と照らし合わせるための)確認書類が膨大で、また病院組織の多くの職種の人に聴取しなければいけなかった。『不当』と『不正』の仕分けも明確にしなければならず、時間がかかった」と説明。取り消しまでの2か月余りに関しては、「入院患者の転院や、地域医療への影響を考慮した」と語った。

再指定までの期間は原則5年だが、2000年に国立療養所岩手病院(当時)が3か月で、07年には静岡県の藤枝市立総合病院が1か月で、再指定されている(岩手病院は一部診療科のみ)。県から再指定の要請を受けた場合に、厚生局が早期に再指定の判断をすることはあるが、「非常にまれなケース」という。

地域医療への影響の大きさを考慮したかどうかとの質問に、手島所長は「その後の影響が大きいから処分できないということではない。健康保険法に照らし合わせて判断した」と強調した。刑事告発は現時点で考えていないという。

◆東京医科大茨城医療センターの概要
 茨城県阿見町▽取手・竜ヶ崎保健医療圏▽501床(一般461、回復期リハ40)▽29診療科▽職員940人▽地域がん診療連携拠点病院、肝疾患診療連携拠点病院

■2012.9.22  福祉センターで太陽光発電へ
島根県美郷町は本年度、町まほろば福祉センター(同町都賀本郷、鉄筋平屋1020平方メートル)に太陽光発電パネルと蓄電器を設置する。センターは町大和事務所、大和診療所が入り、災害時の避難場所にも指定されているが、これまで自家発電設備がなかった。

屋根に太陽光発電パネル40〜45枚(計70平方メートル)を敷設。1時間10キロワットを発電可能で、一般電源の電気と合わせて倉庫に置く蓄電器に充電する。停電しても診療所を2、3時間程度運営でき、町役場などへの通信機器の電源も確保できる。来年3月末までの設置、4月以降の運用開始を目指す。

設置費は2700万円。全額、県からの補助を見込む。

■2012.9.22  社会貢献で福祉パチンコ大会 敬老の日に先駆け開催
サンティアグループが長野県諏訪郡で運営しているパチンコホール「遊パークパチンコゾーン」が10日、敬老の日に先駆け“老人パチンコ大会”を開催。地元の特別養護老人ホーム3施設から約50人を招待した。

この催しは同店の社会貢献活動の一環として2005年に着手。以来、お年寄りにリフレッシュしてもらうことを目的に毎年実施している。

定休日を利用して行われた同パチンコ大会は、店舗および系列店のスタッフが運営をサポート。お年寄りらは出玉を競いながら、普段は遊べないパチンコを楽しんだ。

このような福祉パチンコ大会は、各都道府県組合や企業単位で「地域密着」「地域コミュニケーション」をキーワードに積極的に取り組まれている。

なお、スタッフがボランティアとして運営に参画するこれらの催しは、参加する人々の満足だけでなく、従業員の社会人としての成長を促しているという。

他方、静岡県を中心に山梨県、長野県にチェーン展開するABCは、チャリティー番組「24時間テレビ35〜愛は地球を救う〜」の自主募金協力キャンペーンを8月1日から26日の日程で実施した。

19回目となる今回は、グループ39店舗で合計1141万366円の募金が集まり、この浄財は番組を通じて全国の福祉施設や団体への寄贈、海外援助、国内緊急援助に充てられる予定だ。

■2012.9.22  祉施設就活向け見学ツアー 大阪
八尾市内にある特別養護老人ホームを巡り、職業選択の参考にしてもらう見学ツアー「オープンケアホーム」が10月13、14の両日、15施設を会場にして行われる。

主催する八尾市特別養護老人ホーム施設長会は参加者を募集している。大学などが開催している「オープンキャンパス」をモデルに、同会が初めて企画。福祉施設への就職希望者を対象に、普段あまり関わる機会の少ない介護の現場を体感し、職場として興味を持ってもらう狙い。申し込みや問い合わせは成法苑

■2012.9.23  両腕を失いながら障害者福祉に尽力 「北海道光生舎」創業者の人生がアニメに
事故で両腕を失いながら新聞記者になり、授産事業としてクリーニング工場を始めるなど、生涯を障害者福祉に尽くした北海道人の人生がアニメ映画になる。この人物は赤平市(あかびらし)の社会福祉法人「北海道光生舎」の創業者、高江常男さん。5年前に80歳でこの世を去ったが、施設は今では600人の利用者を抱え、クリーニング工場は道内各地に多くの顧客を持つ企業に成長した。後を継ぐ長男の智和理(ちおり)さん(51)は、アニメ化について「子供たちの将来への希望になればうれしい」と話す。

赤平市の中心部、JR根室線赤平駅から5分も歩けば、クリーニング工場と障害者施設が立ち並ぶ北海道光生舎の拠点に行き着く。札幌をはじめ各地の家庭から集められた洗濯物や、道内の名だたるホテルのシーツ、タオルなどのクリーニング作業を、ここでは障害者も健常者も一緒になって行う。

「施設の利用者が600人ちょっとで、そのうち300人くらいが工場で働いています。父の考えは、障害者の面倒は一生見る、途中でおっぽり出すわけにはいかない、というものでした」と北海道光生舎の理事長を務める高江智和理さんは説明する。


◆ ◆ ◆


父親の高江常男さんがここで授産事業としてクリーニング工場を始めたのは、昭和31年のことだ。隣の芦別市(あしべつし)で炭鉱労働者の家に生まれた常男さんは小学生のころ、竹とんぼが右目に刺さって失明。17歳のときには飛行場建設現場で作業中に感電し、両腕を切断する悲劇に見舞われたが、文学を志し、口でペンをくわえて文字を書くことを訓練して習得する。

その後、地元の空知(そらち)タイムス赤平支局の記者として取材活動をするうち、炭鉱で負傷した障害者と多く出会い、その自立を考えるようになった。仲間と検討を重ねた末、機械化して大量生産ができるなど将来性がある、分業制を取ればどんな障害者にも働く部分がある、とクリーニング工場の創業を決意。当初は障害者十数人からのスタートだった。

「会社だとか大げさなことは考えていなかった。障害者が食べていくために何とかしよう、と始めたんです。今では想像もできないほど貧乏な生活でした。本人が光生舎からお金をもらうようになったのは10年ほどたってからで、新聞記者を続けて食べていた。光生舎の仕事が終わってから記事を書いて、深夜1時の最終列車に原稿を乗せてから休む。しかも朝は3時ごろに起きていたから、ほとんど寝る時間はありませんでした」と常男さんの思い出を語るのは、工場創設の半年前に結婚した妻の美穂子さん(80)だ。

美穂子さんによると、両腕のない常男さんは取材などで移動する際、アルバイトがこぐ自転車の荷台に乗せてもらっていたが、足でしがみつくものの当時はまだ砂利道ばかりで、本当に危険だったという。光生舎の仕事としては契約や事務が主で、特に金策には苦労した。「人に使われていた経験から、給料の遅配、欠配だけは一度もしたことがなかった。障害者だからものが悪い、というのは避けたいと、仕事に関してはとても厳しい人でしたね」と美穂子さん。

長男の智和理さんも「障害を売り物にするなというのは、ずっと言っていた」と認める。「最初は同情で言ってきても、クレームが出たら、やっぱり障害者だからこんな仕事しかできない、となる。商売は価格と品質で勝負だというのが信条でした。両手もない、お金もない、何にもない中から、しかも障害者だけを集めて会社を興し、それを育てていく。どれだけ大変だったか、実際に経営してみて初めて分かりました」と打ち明ける。

昭和34年には社会福祉法人の認可を取得。訪問受注システムを中心としたクリーニングの営業は、赤平市だけでなく近隣の滝川市などにも地域を広げ、徐々に売り上げも伸びていった。さらに印刷業など業種も拡大、北広島市内に10万坪の土地を購入し、会社や社員寮、病院などを集めて障害者の街をつくろうという計画も進めた。

「ちょっと夢を見すぎてしまった」(智和理さん)と北広島の事業は撤退したものの、社会福祉法人は現在、赤平市、歌志内市(うたしないし)、札幌市に12の施設を持つまでに成長。また株式会社として切り離したクリーニング事業は、札幌市を中心に50店舗を構える「ピュア」、女性スタッフによる集配クリーニング「ココ」など幅広く展開している。常男さんは平成19年に80歳で他界したが、その理念は今も受け継がれている。


◆ ◆ ◆


この常男さんの人生が映画になる。「石井のおとうさんありがとう」や「筆子・その愛」など福祉を扱った作品で知られる山田火砂子(ひさこ)監督(80)が、北海道を舞台にした前作「大地の詩(うた)」の撮影前に赤平市を訪れた際、智和理さんから常男さんの話を聞き、ぜひ映画にしたいと熱望。できれば子供に見せたいと、実写ではなくアニメにすることになった。

山田監督は「腕がないと重心が取れないので、車に乗るだけで大変なんです。それなのに口にペンをくわえて字を書くなんて、努力なしにはできません。苦しみは人生にとって一番の勉強になる。何にも考えないでぽわーんと生きている親子がいっぱいいる中、アニメで考えてもらいたいと思った。見た人の100人のうち、1人でも努力する人が出てきたらうれしいですね」と話す。

アニメ映画は「明日(あした)の希望−高江常男物語−」のタイトルで、10月27日から11月2日まで札幌市厚別区(あつべつく)のサンピアザ劇場で先行上映会が開かれた後、赤平市や東京などでも上映される。アニメ映画製作を機に、常男さんの伝記も大空社から出版される予定だ。

アニメのキャラクターを見て、「私はよく描けているけど、お父さんはちょっと太りすぎね」と話す美穂子さんは「おおらかに笑い合う楽しい家庭で、暗いところなど何もなく暮らしてきた。あれだけの苦労がアニメでどう描かれるのか心配もありますが、教育映画みたいになればそれはそれでいいのかなと思います」と言う。

一方、智和理さんは「母は思い出を大切にしたいという気持ちもあるでしょうが、子供たちに見せたいという趣旨はすばらしい。アニメ映画が子供たちの将来の希望になれば悪いことではないし、題材としてひとさまの役に立つならいいかなと思う。これからは障害者が一般企業で働くという時代になるでしょうし、そういうのもやっていきたいと考えています」と、父親の思いを明日へつなぐ決意を口にした。

■2012.9.24  「福祉車両」に対する意識調査
福祉車両を「知っている」「保有している」人は合計76.3%、しかし購入時の消費税が非課税であると知らなかったのは85.6%!
福祉車両は「思っていたよりも多くの車種がある」「個人利用にも向いている」「車いすだけでなく多くの人が利用できる」と感じた人はいずれも7割超

株式会社イード(本社:東京都中野区、代表取締役:宮川洋 以下、イード)は、 全国30〜60代の男女(運転免許保有者)を対象に、「福祉車両に関する意識調査」を実施いたしました。

■TOPICS

福祉車両を「知っている」「所有している」人は合わせて76.3%、ただしそのイメージは「車いすを乗せるクルマ」
福祉車両の認知率についてまず聞いたところ、全回答者数のうち76.3%が「知っている」または「所有している」と回答。そのイメージを聞くと、「車いすを乗せるクルマ」と答えた人が8割を超え、「高齢者の方が乗るクルマ」「値段が高い」といった他の選択肢に対して大きく差を付けました。

福祉車両の購入時、消費税が非課税になることを「知らなかった」人は9割近く
「福祉車両の購入時に、消費税が非課税になることを知っていましたか」という購入についての質問では、85.6%が「知らなかった」と回答。認知率では7割を超えましたが、購入時の優遇についてはほとんど知られていないことが明らかになりました。

標準車に比べて福祉車両は「47.9万円」も購入金額が高いと思われている…実際の金額差は10〜30万円程度
福祉車両の一例として、標準車と「助手席リフトアップシート」装備車との車両価格の差額イメージを聞いたところ、平均で47万9100円という結果に。同種シート装着車を購入する場合、支払額の差は10万1000円から28万8000円(トヨタ自動車の場合)で、福祉車両は実際の購入金額よりも非常に高いイメージを持たれていることが浮き彫りになりました。

福祉車両についての説明を読んだ後の印象は、「選択肢の多さ」「車いす以外の用途」「個人利用にも向いている」点に高い注目
回答者に対して、福祉車両の種類や車種数、取り扱い店舗、などの情報をご覧いただいただいた上で、福祉車両に対する印象を再度聞いたところ、「思っていたよりも多くの車種で購入できる」「施設(法人)だけでなく、個人利用にも向いている」「車いすの方だけでなく、もっと多くの人が利用できる」がいずれも7割を超えるなど、利便性や選択肢の多さに高い関心があることが分かりました。

自分や家族の将来に、福祉車両の存在が「魅力的」と感じる人は44.9%
「あなたや家族にとって、福祉車両は魅力的に感じますか」という質問に対しては、「魅力的」と答えた人は44.9%。とくに最初の認知度の質問で福祉車両を「知っている」と答えた人は、「知らない」と答えた人に比べて約20ポイントも「魅力的」と感じる人が多く、福祉車両について認知している人ほど、購入対象として現実的な選択肢になっていることが分かりました。

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【調査概要】
■調査名 :福祉車両に関する意識調査 
■調査対象:全国30〜60代男女、運転免許保有者
■回答者数: 計1,915名 (福祉車両を保有している人115名 / 保有していない人 1,800名)
■調査期間:2012年8月9日(水)〜9月2日(日)
■福祉車両を「知っている」「所有している」人は合わせて76.3%、ただしそのイメージは「車いすを乗せるクルマ」がほとんど
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30代〜60代の運転免許保有者に、まず「福祉車両を知っているか」を尋ねたところ、70%以上の人が「知っている」と回答。「現在保有している」と答えた6%と合わせ、福祉車両の認知率は76.3%にのぼりました。また、「福祉車両と聞いてどんなイメージを思い浮かべるか?」については、「車いすを乗せるクルマ」が80%以上と断トツ1位で、「下肢障がいの人が乗るクルマ」「高齢者の方が乗るクルマ」など、他の選択肢と大きく差が開く結果となりました。実際には、足腰に負担がかからないよう乗降がしやすい仕様になっている車や、足が不自由な方が自分で運転できる仕様になっている車など、ひと口に福祉車両といっても多様なものがあるのですが、一般の人のイメージはほとんどが“車いす仕様”であることがわかります。


■9割近くの人が福祉車両購入時に消費税が非課税になることを「知らなかった」! 標準車との購入差額も「47.9万円」と割高イメージ…実際の金額差は10〜30万円程度

次に、福祉車両の購入価格に関する質問をしました。「福祉車両の購入時に、消費税が非課税になることを知っていたか」を尋ねたところ、85.6%が「知らなかった」と回答。福祉車両そのものは知っているものの、税の優遇措置についてはほとんど知られていないことが明らかになりました。
 また、車両価格のイメージについて、「助手席リフトアップシート」装備車(車いすからの乗り降りをスムーズにするため、助手席が回転し車外へスライドダウンする車)を例に、標準車と比べどのくらい車両価格が高いと思うか聞きました。すると、平均で「47万9100円」という結果に。実は、トヨタ自動車の場合、同種シート装備車を購入する場合、標準車との支払額の差は10万1000円〜28万8000円。福祉車両は、実際の購入金額よりも非常に高いイメージを持たれていることが浮き彫りになっています。


■福祉車両についての説明を読んだ後の印象は、「選択肢の多さ」「車いす以外の用途」「個人利用にも向いている」点に高い注目

回答者に対して、福祉車両の種類や車種数、取り扱い店舗など、福祉車両に関する様々な情報を提示したうえで、再度福祉車両に対する印象を聞きました。すると、「思っていたよりも多くの車種で購入できる」と答えたのは73.4%、「施設(法人)だけでなく、個人利用にも向いている」と答えた人が72.7%、「車いすの方だけでなく、もっと多くの人が利用できる」が70.2%、「乗り降りしやすく、使い勝手がよさそう」は69.5%と、選択肢の多さや利便性に高い関心があることが分かりました。そのほかフリーアンサーでは、今回福祉車両について知ったことで、「優遇制度も含めて、もっと宣伝されればよいと思う」(男性60代以上)といった声や、「車の乗り降りは、病人やお年寄りにとって元気な人には想像つかない程疲れる。CM等で価格も含め、手軽に購入できる事を知らせてほしい。この価格なら、知っていたら絶対購入していました」(女性40代)といった声も上がりました。


■自分や家族の将来に、福祉車両の存在が「魅力的」と感じる人は44.9%

「あなたや家族にとって、福祉車両は魅力的に感じますか」という質問に対しては、「魅力的」と答えた人は44.9%となりました。特に、「福祉車両を知っているか」という最初の質問で「知っている」と答えた人では49.6%となっており、「知らない」と答えた人の30.9%に比べて約20ポイントも高い結果となっています。さらに、「今後クルマを購入するときに福祉車両も候補に入れたいと思うか」については、27.1%が前向きに検討したいと回答。ここでも、「福祉車両を知っている」と答えた人は「知らない」と答えた人より12.5ポイント高い30.2%が候補に入れたいとしています。福祉車両について以前から認知していた人ほど、福祉車両を魅力的と感じる人が多く、購入対象として現実的な選択肢になっていることがわかります。 また、利用を検討したい理由として「両親が高齢のため」という意見も多く上がりました。障がいを持った方だけでなく、お年寄りなど足腰に不安をお持ちの方々にとっても利便性が高い、と評価した人が多いといえるでしょう。

【総評】

冒頭の認知度についての質問で8割近くが「知っている」と回答したように、人びとの間ではかなりの認知度を得つつある福祉車両。でも、実際に利用したことがない人にとっては、“どんな種類があるのか”“車両価格はどれくらいなのか”など、まだ具体的な情報は行き渡っていないことが今回の調査で明らかになりました。

福祉車両には、高齢者など足腰に負担をかけずに乗降するための「回転シート車」、助手席へ楽に移乗できるようシートが車外にスライドダウンする「助手席リフトアップシート車」、セカンドシートが車外にスライドダウンする「サイドリフトアップシート車」、車いすのまま乗車できる「車いす仕様車」(以上トヨタ自動車の場合)など、様々な種類があるのですが、今回の調査ではほとんどの人が福祉車両のことを単に「車いすを乗せるクルマ」と回答しています。

また、購入時の税の優遇措置などもあまり知られていないようで、約9割の人が「福祉車両を購入する際、消費税が非課税になることを知らなかった」と回答。消費税だけでなく、自動車取得税、自動車税についても減免されるなど、様々な公的補助が受けられるため、実際の購入金額は多くの人が抱くイメージより低く済むといえそうです。実際、「自分や家族の将来を考えたときにあると良い」「車いすの方だけでなく、もっと多くの人が利用できる」と答えた方が半数以上を占めたように、足腰に不安を持ち始めたお年寄りのいらっしゃるご家庭など、福祉車両を現実的な候補として考えている人も多くいることが分かりました。

■2012.9.24  従業員ケアが虐待防止の鍵- 介護事業者向けCBセミナー、本間氏が講演
介護虐待の防止をテーマにした介護事業者向けセミナーが23日、都内で開かれ、特養ホームを良くする市民の会理事長の本間郁子氏が講演した。労働条件の不満を管理者が受け止めないことで、不満の矛先が高齢者に向く、という虐待の構図を解説。従業員のストレスケアの重要性を強調した。セミナーはキャリアブレインが主催した。

虐待の防止のために最低限必要な対策として本間氏は、「職員に介護の社会的使命をよく教育すること」を挙げた。介護保険サービスが憲法の定める生存権(25条)、個人の尊重(13条)、法の下の平等(14条)に基づいており、税金や保険料などで報酬を得ていること、だからこそ介護記録は情報開示の対象になっていることを教えるべきだとした。

本間氏によると、虐待の被害者の百パーセントが認知症であり、虐待の事実が発覚するのに2年かかる例もまれではないという。高齢者虐待防止法で定める通報義務を徹底することが、「従業員が虐待事件で人生を棒に振らないように、守ることになる」と語った。

また教育の上では、利用者と職員の年齢差の考慮が必要だと強調。特別養護老人ホームの場合、利用者の平均年齢は86歳、正規職員の52%は20歳代で、その差は60歳あると数字を紹介。「20代の子にとって、利用者の感覚や先輩職員の話を理解するのは本当に難しいこと」と解説した。「私たちにとって『普通のこと』をするのも、若い世代にはストレスになりうる」とし、「叱責しても仕方ない。教育システムを構築してほしい」と訴えた。

■2012.9.24  新出生前診断に懸念 障害者団体「中絶増える」
国立成育医療センターなどが臨床研究として始める新たな出生前診断をめぐり、障害者団体「DPI女性障害者ネットワーク」は24日、「胎児の障害を理由とする中絶が増える可能性がある」と検査実施を懸念する意見を発表した。

新たな出生前診断は米国で開発され、妊婦の血液で胎児がダウン症かどうかほぼ確実に診断できる。成育医療センターなどによると、従来の羊水検査などに比べて妊娠早期にできる点や流産するリスクが少ないなどのメリットがあるとされる。同ネットワークは「障害のある子を産むことを女性に回避させる圧力になる」と指摘。「障害者が、障害があること自体を否定されるような不安を抱き、深く傷つく」と訴えている。さらに「子どもを産み育てたい人に必要なのは、障害の有無にかかわらず祝福され、(健常者と)同じように育てることができる支援ではないか」とし、医療関係者に障害について偏りのない情報を提供するよう求めている。

■2012.9.25  就職難でも人気薄、福祉介護面接会が中止に…和歌山
景気低迷を受けて厳しい就職難が続く中、和歌山県が今月、和歌山市などで開催を予定していた福祉・介護分野の合同就職面接会が、参加者不足で相次いで中止に追い込まれた。一方で、老人ホームなどを運営する事業所側は、慢性的な人材不足に頭を悩ませており、県は来月からPRのため「はじめよう!福祉の仕事」と題した大型キャンペーンに乗り出す。

中止したのは、7日に和歌山市内、19日に紀の川市内で行う予定だった「福祉・介護の仕事 合同面接会」。和歌山会場は社会福祉法人など48団体が相談ブースを設け、100人以上の求人を予定していたが、申し込みがあったのは7人のみ。8団体が予定していた紀の川会場も1人だった。

県によると、面接会は2010年度から毎年開いているが中止は初めて。昨年も田辺、新宮両市で開いたが、計18団体・61人分の求人に対して来場者は合計30人にとどまり、求人数を大幅に下回る状態が続いていた。

老人ホームで働く介護士を3人程度、募集予定だった社会福祉法人「寿敬会」(和歌山市)の採用担当者は「業界内での引き抜きが激しい。志高く、仕事を続けてくれる人材を常に求めているが、慢性的に人手不足で、良い人材を求められる場がもっとほしい」と行政の働きかけに期待する。

そうした現状を受け、県の担当者も「仕事がきついというイメージから若者は敬遠している」と分析。今後、面接会の募集方法などの見直しを検討する一方、キャンペーンを行うことで、業界のイメージアップにも力を入れることにした。

現在、福祉の現場で働く人の笑顔の写真とメッセージを募集しており、テレビCMやイベントで紹介する予定。10月から和歌山市内を走る路線バス3台の車体に広告を載せるほか、11月からは、福祉施設の送迎用車両など約3000台にもPRシールを貼ってもらうなどする予定だ。

資格が必要ない仕事もあり、県の担当者は「本格的なキャンペーンは初めてで効果は未知数だが、まずは業界に前向きな興味を持ってほしい。就職難と人手不足のミスマッチを解消したい」と意気込んでいる。

■2012.9.26  福祉法人、交付金で借金返済
秋田市中通の社会福祉法人「はなづな」(近江麗子理事長)が、国、県、市から昨年度交付された保育所運営費のうち120万円を目的外の借金返済に流用していたことが市の特別監査で判明し、改善指導を受けていたことが25日、わかった。

同法人は2010年7月に設立され、市内で認可保育所3施設を経営している。

前理事長は設立時、施設開所費用として理事の1人から1500万円を借りていた。

前理事長ら創設時の役員ら3人が個人の財産から月々返済していたが、保育所運営費からも「園長2人に支払う自家用車借り上げ料」の名目で毎月10万円計120万円を流用し、返済に充てていた。金は園長2人を経由せず、返済先の口座に直接振り込まれていた。

市は6月の一般監査で「自家用車借り上げ料の根拠が不明確」と指摘、8月から特別監査をしていた。

市は今月21日、同法人へ是正改善を求める文書を送付。10月26日までに不正支出の全容把握や再発防止策などを示すよう求めている。

同法人理事の近江喜博・前事務長は「対応を理事会で協議したい」としている。

■2012.9.27  山口福祉文化大に立ち入り調査 文科省
山口福祉文化大(山口県萩市、旧萩国際大)が東京都内のサテライト教室に本校を大幅に上回る学生を通わせている問題で、文部科学省は27日、留学生の管理状況などを確認するため同教室を立ち入り調査した。同教室では不法就労や長期欠席が原因で多数の留学生が除籍処分になっており、同省は奨学金の受給実態などを調べた。

山口福祉文化大によると、東京サテライト教室が開設された2008年度以降、計210人の留学生が不法就労の発覚や病気などで通えなくなり、除籍処分を受けた。一方、同期間に計206人の留学生が日本学生支援機構の奨学金(月4万8千円)の支給対象になっていた。

奨学金受給者に通学実態がなかったり、除籍後も受け取り続けていたりした場合は返還させる。大学の管理体制に不備があれば、奨学金の支給対象から外すなどする。

今年5月時点で東京サテライト教室には本校の3.5倍の606人が在籍。うち605人は中国やネパールなどの出身の留学生だった。

■2012.9.27  車いす用滑り止めベルト開発 タイヤに装着、内田撚糸発売へ
撚糸(ねんし)加工の内田撚糸2 件(本社福井市神当部町、内田一朗社長)は、特殊な織物を使い、車いすタイヤ用の滑り止めベルトを開発。26日に福井商工会議所ビルで開かれた合同プレス発表会で披露した。11月から発売する。

同社が靴底用の滑り止め商品として特許を取得した、ポリプロピレン系の繊維に天然ゴムを織り込んだ特殊複合織物を活用した。同社によると、車いすタイヤ専用の滑り止め製品は世界でも例がないという。苫小牧高専(北海道)に委託した実証実験では、通常のゴムタイヤに比べ氷の上での摩擦抵抗が2倍に向上。冬場の路面凍結時でもゆっくりとした走行が可能になる。

昨春、靴用の同社商品を使っていた奈良県の女性から「北海道の雪景色を車いす生活の娘に見せてあげたい。車いす用の滑り止めもできないか」との依頼を受けたのが開発のきっかけ。試作品を使ってもらいながら改良を重ね、製品化にこぎつけた。

伸縮性のあるリング状の構造で、車いすのタイヤ部分にそのまま覆いかぶせるように手軽に着装できる。冬用タイヤへの交換なら作業に30分程度かかっていたが、同製品なら2〜3分で取り付けることができ、利便性を高めた。

「おでかけリング」と名付け、色別に6種類、3サイズがある。価格は1万2600円。国内の病院や福祉施設などに順次販路を広げ、海外にもPRしていく。

■2012.9.28  三原の福祉法人2450万円不正会計
三原市は27日、同市宮浦で「さくら保育園」を運営する社会福祉法人櫻学園(櫻誠一理事長)が、勤務実態のない職員(架空職員)に給与を支出するなど、2003年度から9年間で計約2450万円の不正な経理処理をしていたと発表した。

発表によると、架空職員5人分の給与の不正支出が約1960万円、参加していない研修への旅費の支出などが約490万円あったほか、開催されていない理事会の議事録が21回分偽造されていたとしている。

昨年11月、市は社会福祉法に基づいて定期監査を実施し、同園が給与を支払っていたとする職員が、別の保育所に勤めていたことが分かった。市の指導を受けて弁護士などで作る第三者委員会が調査し、8月、報告書を市に提出した。

市によると、同法人は02年に設立、翌年から保育園を運営し、園児数は124人。これまで児童委託料として、国、県の負担金を含む約7億円が支払われている。櫻学園側は市の質問には直接答えず、弁護士を通してやり取りをしているという。市は不正受給があるかなどを詳しく調査する。

五藤康之市長は市議会全員協議会で報告し、「保育行政に対する市民の信頼を損ねることになり、大変遺憾。再発防止をはかる」と述べた。

■2012.9.29  障害者用の資金だまし取る 暴力団組員逮捕
東京都内の社会福祉法人から障害者用の自動車購入資金をだまし取ったとして、警視庁は暴力団組員の男を逮捕した。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、東京・新宿区に住む極東会系暴力団組員・奥田正章容疑者(40)。警視庁によると、奥田容疑者は今年1月、新宿区の社会福祉法人の事務所で、本来ならば暴力団関係者が利用できない障害者用の自動車購入資金の借り入れを、暴力団員であることを隠して申し込み、250万円をだまし取った疑いが持たれている。

警視庁の調べに対し、奥田容疑者は「だますつもりで借りた金ではない。ただ車の購入資金として借りた」と容疑を否認しているという。

■2012.9.30  障害者虐待:通報義務、10月1日に防止法施行
障害者の尊厳を守るため、虐待の発見者に通報を義務づける障害者虐待防止法が10月1日施行される。自治体や国が救済に乗り出す根拠となる法律で、全市町村と東京23区に通報・相談窓口となる「虐待防止センター」を設置し、表面化しにくい被害の早期発見につなげる。

法律は「誰であっても障害者への虐待をしてはならない」と明記。家庭と施設、職場で虐待やその恐れのある状況を発見した人に通報を義務づけた。通報者の秘密を守り、国や自治体が虐待防止の責務を負うとしている。

家庭内虐待の通報先である市区町村は、障害者に危険が迫っている恐れがあると判断した場合に自宅への立ち入り調査ができ、一時保護も可能。相談や緊急預かりを実施することで虐待する側の家族の負担軽減も図る。

施設での虐待は市区町村と連携して調査を行う都道府県が指導する。職場での虐待は通報先を市区町村か都道府県とし、報告を受けた労働局が対応に当たり実態などを公表する。

学校や病院での虐待は通報の対象外。病院は管理者、学校は校長に防止や対応を義務づけるにとどめた。

 

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